JP3999243B2 - 木造軸組構造および天井構造 - Google Patents
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資源を有効利用するため、この幅の狭い板の活用が求められている。
そこで、幅の狭い板を複数枚、工場でパネル状に組み付けた板パネルを使用する技術、例えば、特許文献1が知られている。
クロス工事で内装を行うと、工事費が比較的安価で済むが、木造家屋に住んでいるという実感が薄れる。
板パネルで内装を行う場合には、以下の課題が生じる。
・施工者の違いにより、パネル板の取り付け位置がバラつく。
・壁パネルを正確に位置決めするため、取り付けに時間がかかる。
・壁パネルの衝合部分(繋ぎ箇所)の見栄えが悪い。
本発明の第2の目的は、短時間に見栄え良く、容易に壁パネルを構造体の内側に取り付けることができる、施工費が安価な木造軸組構造の提供にある。
本発明の第3の目的は、間伐材を有効に使った、見栄えが良い天井構造の提供にある。
外周に凹状溝を長手方向に形成した断面四角形の柱を、基礎の上に固定した土台から複数本立設し、土や壁板で形成した複数の壁体を隣り合う柱の凹状溝間に配設して断面長方形の構造体としている。そして、壁体から隙間を空けて壁パネルを構造体の内側に、下記の様に複数枚取り付けて木造軸組構造としている。
つぎに、角に位置する柱の柱外周面に固定されるパネル縁端部の表面に、一方面に凹溝を長手方向に形成した凹板の他方面を固定(釘、ネジ、接着剤等)する。
つぎに、パネル縁端部の一方を凹板の凹溝に嵌め込み、角以外の柱の柱外周面にパネル縁端部の他方を固定(釘、ネジ、接着剤等)して、壁パネルの第三群、第四群を、構造体の対向する別の二壁面に取り付ける。
最後に、壁パネルのパネル縁端部どうしが角以外に位置する柱の柱外周面で衝合する隙間に、断面略T字状のT字板の柱状部を嵌め込み、柱にT字板を固定(釘、ネジ、接着剤等)する。
凹板およびT字板を用いることにより、壁パネルの位置決めが容易にできるので、施工時間を短縮できる。
外周に凹状溝を長手方向に形成した断面四角形の柱を、基礎の上に固定した土台から複数本立設し、土や壁板で形成した複数の壁体を隣り合う柱の凹状溝間に配設して断面長方形の構造体としている。そして、壁体から隙間を空けて壁パネルを構造体の内側に、下記の様に複数枚取り付けて木造軸組構造としている。
つぎに、パネル縁端部の一方を凹板の凹溝に嵌め込むとともに、パネル縁端部の他方を案内板に臨ませる。なお、後から、凹溝に嵌め込んだパネル縁端部の一方を凹板に固定(釘、ネジ、接着剤等)するのが好ましい。
パネル縁端部の他方と柱の柱外周面との隙間に、断面略L字状のL字板を嵌め込み、柱にL字板を固定(釘、ネジ、接着剤等)する。
凹板、案内板、およびL字板を用いることにより、壁パネルの位置決めが容易にできるので、施工時間を短縮できる。
壁パネルが柱の柱外周面から構造体の内方に出ないので、請求項1の木造軸組構造に比べ、完成後の室内が若干広い。
構造体の内方に露出する平坦面と柱外周面に接する端面とが交差するL字板の角部に面取りを施す。更に、構造体の内方に露出する側面と柱外周面に固定される凹板の底面とが交差する凹板角部に対して面取りを施す。
これにより、凹板と柱の柱外周面、およびL字板と柱の柱外周面とのつなぎ目が目立たなくなり、更に見栄えが良くなる。
木造軸組構造に用いる壁パネルは、間伐材を加工した、幅が狭い横長板を、複数枚、長方形に組み付けたものである。
これにより、木造軸組構造は、間伐材を有効利用することができる。また、構造体の内側に壁パネルを複数枚取り付ける構成であるので、施工時間が短いとともに、施工に熟練した技術を必要としない。
(2)つぎに、四隅の柱の柱外周面に固定されるパネル縁端部の表面に、一方面に凹溝を長手方向に形成した凹板の他方面を固定する。
(3)つぎに、パネル縁端部の一方を凹板の凹溝に嵌め込み、角以外の柱の柱外周面にパネル縁端部の他方を固定して、壁パネルの第三群、第四群を構造体の対向する別の二壁面に取り付ける。
(4)最後に、壁パネルのパネル縁端部どうしが角以外の柱の柱外周面で衝合する隙間に、断面略T字状のT字板の柱状部を嵌め込み、柱にT字板を釘で固定する。
凹板およびT字板を用いているので、壁パネルの位置決めが容易にでき、施工時間を短縮できる。また、壁パネルを工場等で製造し、この壁パネルを現場で構造体の内側に取り付ける工法であるので施工費が安価で済む。
木造軸組構造Aは、基礎の上に固定した土台(何れも図示せず)から断面正方形の柱1、2を合計八本立設し、土や壁板で形成した壁体31を隣り合う柱1、2の凹状溝1m、2m間に配設して断面正方形の構造体3とし、壁体31から隙間を空けて壁パネル41〜44を構造体3の内側に取り付けている。
土台は木材で形成され、基礎の上面に水平に置かれ、アンカーボルトにより基礎に固定される。
幅の狭い板40の、段違いの一方側面には凹溝47が形成され、段違いの他方側面には凹溝47に嵌め込むための凸状48が形成されている。なお、幅の狭い板40は、間伐材から得られた径小の材木を加工したものである。
(1)図2の(b)に示す様に、壁パネル41のパネル縁端部41aを図示左上の隅の柱1の柱外周面11に釘12で固定し、パネル縁端部41bを図示上中央の柱2の柱外周面21に釘22で固定して、壁パネル41(壁パネルの第一群)を構造体3の図示上方の内壁面に取り付ける。
同様に、図示下方のパネル縁端部42b、42bどうしが図示下方の柱2の柱外周面で衝合する隙間、図示左方のパネル縁端部43b、43bどうしが図示左方の柱2の柱外周面で衝合する隙間、および図示右方のパネル縁端部44b、44bどうしが図示下方の柱2の柱外周面で衝合する隙間に、断面略T字状のT字板6の柱状部61を嵌め込み、柱2にT字板6を釘で固定する。
なお、天井パネル62は、間伐材を加工した幅が狭い横長板を複数枚、壁パネル41〜44と同様に長方形に組み付けたものである。
壁パネルの隙間、例えば、壁パネル41、41のパネル縁端部41b、41bが柱2の柱外周面21で衝合する隙間をT字板6が隠している。また、パネル縁端部どうしが四隅の柱1で交差する部分、例えば、壁パネル43のパネル縁端部43aと、壁パネル41のパネル縁端部41aとが、図示左上の柱1で交差する部分を凹板5が隠している。このため、隙間やつなぎ目が目立たず、見栄えが良い(図1参照)。
天井60は、天井パネル62のパネル縁端部63どうしが衝合する隙間64、65がT字板66、67で隠れるので見栄えが良い(図5、図6参照)。また、間伐材を有効利用することができる。
凹板5およびT字板6を用いることにより、壁パネル41〜44の位置決めが容易にできるので、施工時間を短縮できる。
木造軸組構造Bは、基礎の上に固定した土台(何れも図示せず)から断面正方形の柱1、2を合計八本立設し、土や壁板で形成した壁体31を隣り合う柱1、2の凹状溝1m、2m間に配設して断面正方形の構造体3とし、壁体31から隙間を空けて壁パネル7を構造体3の内側に取り付けている。
土台は木材で形成され、基礎の上面に水平に置かれ、アンカーボルトにより基礎に固定される。
幅の狭い板40の、段違いの一方側面には凹溝47が形成され、段違いの他方側面には凹溝47に嵌め込むための凸状48が形成されている。なお、幅の狭い板40は、間伐材から得られた径小の材木を加工したものである。
(1)図8の(b)に示す様に、凹状溝1mを形成した側の柱外周面14に凹板52を釘15で固定する。また、凹状溝2mを形成した側の柱2の柱外周面25に断面長方形の案内板53を釘26で固定する。
凹板52は、柱1、2に臨む角が、断面正方形に面取50されている(図7の左方円の要部拡大図参照)。
なお、L字板55は、柱2に臨む角が、断面正方形に面取56されている(図7の右方円の要部拡大図参照)。
他の部位の壁パネル7も同様の手順で、構造体3の内側へ取り付ける。
壁パネル7のパネル縁端部71を凹溝54に嵌め込んでパネル縁端部71を凹板52が隠し、パネル縁端部72と柱2の柱外周面25との隙間27を、隙間27に嵌め込むL字板55が隠すので見栄えが良い(図7参照)。
これに加え、凹板52の柱1に臨む角が断面正方形に面取50され、L字板55の柱2に臨む角が断面正方形に面取56されている(図7参照)。このため、凹板52と柱1の柱外周面14とのつなぎ目、およびL字板55と柱2の柱外周面25とのつなぎ目が目立たず、更に見栄えが良い。
壁パネル7が柱2の柱外周面29から構造体3の内方に出ないので、請求項1の木造軸組構造Aに比べ、完成後の室内が若干広くなる。
工場等で製造した壁パネル7を現場で構造体3の内側に複数枚取り付ける工法であるので施工費が安価であるとともに、施工に熟練した技術を必要としない。
凹板52、案内板53、およびL字板55を用いることにより、壁パネル7の位置決めが容易にできるので短時間で施工できる。
木造軸組構造Cは、木造軸組構造Aと同様、基礎の上に固定した土台(何れも図示せず)から断面正方形の柱1、2を合計八本立設し、土や壁板で形成した壁体31を隣り合う柱1、2の凹状溝1m、2m間に配設して断面正方形の構造体3とし、壁体31から隙間を空けて壁パネル81〜84を構造体3の内側に取り付けている。
土台は木材で形成され、基礎の上面に水平に置かれ、アンカーボルトにより基礎に固定される。
(1)図10の(b)に示す様に、壁パネル81のパネル縁端部81aを図示左上の隅の柱1の柱外周面11に釘12で固定し、パネル縁端部81bを図示上中央の柱2の柱外周面21に釘22で固定して、壁パネル81(壁パネルの第一群)を構造体3の図示上方の内壁面に取り付ける。
同様に、図示下方のパネル縁端部82b、82bどうしが図示下方の柱2の柱外周面で衝合する隙間、図示左方のパネル縁端部83b、83bどうしが図示左方の柱2の柱外周面で衝合する隙間、および図示右方のパネル縁端部84b、84bどうしが図示下方の柱2の柱外周面で衝合する隙間に、断面略T字状のT字板6の柱状部61を嵌め込み、柱2にT字板6を釘で固定する。
壁パネルの隙間、例えば、壁パネル81、81のパネル縁端部81b、81bが柱2の柱外周面21で衝合する隙間をT字板6が隠している。また、パネル縁端部どうしが四隅の柱1で交差する部分、例えば、壁パネル83のパネル縁端部83aと、壁パネル81のパネル縁端部81aとが、図示左上の柱1で交差する部分を凹板5が隠している。このため、隙間やつなぎ目が目立たず、見栄えが良い(図9参照)。
天井は、天井パネルのパネル縁端部どうしが衝合する隙間がT字板で隠れるので見栄えが良い(図12参照)。また、間伐材を有効利用することができる。
凹板5およびT字板6を用いることにより、壁パネル81〜84の位置決めが容易にできるので、施工時間を短縮できる。
1 柱(角の柱)
2 柱(角以外の柱)
1m、2m 凹状溝
3 構造体
5、52 凹板
6 T字板
7 壁パネル
11 柱外周面(角の柱の柱外周面)
21 柱外周面(角以外の柱の柱外周面)
31 壁体
41、81 壁パネル(壁パネルの第一群)
42、82 壁パネル(壁パネルの第二群)
43、83 壁パネル(壁パネルの第三群)
44、84 壁パネル(壁パネルの第四群)
41a、41b、42a、42b パネル縁端部
42a、42b、81a、81b パネル縁端部
43a、44a、83a、84a パネル縁端部(パネル縁端部の一方)
43b、44b、83b、84b パネル縁端部(パネル縁端部の他方)
50、56 面取り
51 凹溝
53 案内板
55 L字板
60 天井(天井構造)
62 天井パネル
66、67 T字板
66a、67a 柱状部
71 パネル縁端部(パネル縁端部の一方)
72 パネル縁端部(パネル縁端部の他方)
Claims (4)
- 外周に凹状溝を長手方向に形成し、基礎の上に固定した土台から断面四角形の複数本の柱を立設し、
土や壁板で形成した複数の壁体を隣り合う柱の凹状溝間に配設して断面長方形の構造体とし、
前記壁体から隙間を空けて壁パネルを前記構造体の内側に複数枚取り付ける木造軸組構造において、
左右のパネル縁端部を柱外周面に固定して、前記壁パネルの第一群、第二群を前記構造体の対向する二壁面に取り付け、
角の柱の柱外周面に固定されるパネル縁端部の表面に、一方面に凹溝を長手方向に形成した凹板の他方面を固定し、
パネル縁端部の一方を前記凹板の凹溝に嵌め込み、角以外の柱の柱外周面に前記パネル縁端部の他方を固定して、前記壁パネルの第三群、第四群を前記構造体の対向する別の二壁面に取り付け、
前記壁パネルのパネル縁端部どうしが角以外の柱の柱外周面で衝合する隙間に、断面略T字状のT字板の柱状部を嵌め込み、前記柱に前記T字板を固定することを特徴とする木造軸組構造。 - 外周に凹状溝を長手方向に形成し、基礎の上に固定した土台から断面四角形の複数本の柱を立設し、
土や壁板で形成した複数の壁体を隣り合う柱の凹状溝間に配設して断面長方形の構造体とし、
前記壁体から隙間を空けて壁パネルを前記構造体の内側に複数枚取り付ける木造軸組構造において、
凹状溝どうしが向き合う複数対の柱外周面について、対を成す柱外周面の一方に、固定する側が平坦で反対側に凹溝を長手方向に形成した凹板を固定し、対を成す前記柱外周面の他方に断面長方形の案内板を固定し、
パネル縁端部の一方を前記凹板の凹溝に嵌め込むとともに、前記パネル縁端部の他方を前記案内板に臨ませ、
前記パネル縁端部の他方と前記柱の柱外周面との隙間に、断面略L字状のL字板を嵌め込み、前記柱に前記L字板を固定することを特徴とする木造軸組構造。 - 前記L字板の、前記構造体の内方に露出する平坦面と前記柱外周面に接する端面とが交差する角部と、
前記凹板の、前記構造体の内方に露出する側面と前記柱外周面に固定される底面とが交差する凹板角部に対して面取りを施すことを特徴とする請求項2に記載の木造軸組構造。 - 前記壁パネルは、間伐材を加工した、幅が狭い横長板を、複数枚、長方形に組み付けたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の木造軸組構造。
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