JP3999186B2 - 電気コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングの前面から挿入され、コンタクトのハウジングへの挿入を可能とする仮係止位置とコンタクトの抜け止めを保証する本係止位置とでハウジングに係止されるリテーナを備えた電気コネクタに関する。
ハウジングの前面から挿入されるリテーナ、いわゆる前差しのリテーナを備えた電気コネクタとして、従来、例えば、図19に示すものが知られている(特許文献1参照)。
この図19に示した電気コネクタ101は、絶縁性のハウジング110と、ハウジング110に収容されるコンタクト120と、ハウジング110の前面から挿入され、コンタクト120の抜け止めを保証するリテーナ130とを備えている。
ハウジング110の内部には、コタクト120を収容するための複数のコンタクト収容キャビティ111が形成されている。各コンタクト収容キャビティ111にはコンタクト120を係止するためのハウジングランス112が設けられている。各ハウジングランス112の下方(図19(A)において下方)には、ハウジングランス112の撓みを許容する空間113が形成されている。
また、リテーナ130は、ハウジング110の前面(図19(A)における左面)からハウジング110内に挿入されるよう構成され、ハウジングランス112の下方に形成された空間113内に進入してハウジングランス112の下方への移動を規制しコンタクト120の抜け止めを保証する複数の規制片131を備えている。リテーナ130の両側壁には、コンタクト120の抜け止めを保証する係止位置でハウジング110の両側壁に形成された係止孔114内に入り込んでハウジング110に対して抜け止めする1対の抜け止め部132が突出形成されている。
この電気コネクタ101によれば、リテーナ130が係止位置にあるときに抜け止め部132がハウジング110の両側壁に形成された係止孔114内に入り込むので、ハウジング110の外側から抜け止め部132を目視確認することでリテーナ130が係止位置にある状態を目視確認することができる。
また、前差しのリテーナを備えるタイプの電気コネクタではないが、電気コネクタと相手コネクタとのロック状態を目視確認可能な構成を有する電気コネクタとして、例えば、図20に示すものが知られている(特許文献2参照)。
図20に示す電気コネクタ201は、複数の雌コンタクト(図示せず)を収容したハウジング210と、ハウジング210から上方へ突出する支持部211と、支持部211の左右両側縁からぞれぞれ前後方向へ延びる1対のアーム部212とを備えている。そして、各アーム部212の前端(図20において上端)には係止突部213が突出形成されると共に、各アーム部212の後端には操作部214が形成されている。また、各アーム部212の操作部214の前側には、検知突部215が外側に向けて突出形成されている。
一方、電気コネクタ201と嵌合する相手コネクタ301は、複数の雄コンタクト311を固定したハウジング310と、ハウジング310を取り囲むとともに前方(図20における下方)に延びるフード部312とを備えている。フード部312には、電気コネクタ201との嵌合時に係止突部213が係止される1対のロック部313が形成されている。また、フード部312の左右側壁には、係止突部213がロック部313に係止されるときに検知突部215が進入する窓孔314が形成されている。
この電気コネクタ201によれば、相手コネクタ301に係止されるときに検知突部215が相手コネクタ301のフード部312に形成された窓孔314に進入するので、フード部312の外側から検知突部215を目視確認することで電気コネクタ201の相手コネクタ301とのロック状態を目視確認することができる。
実公平3−5098号公報 特開2002−25705号公報
しかしながら、これら従来の電気コネクタにあっては、以下の問題点があった。
即ち、図19に示す電気コネクタ101の場合、リテーナ130本体がその両側壁に設けられた抜け止め部132に対して剛性を有する。このため、リテーナ130をハウジング110の前面から挿入して係止位置まで移動させると、抜け止め部132がハウジング110の側壁によって潰れてしまうか、あるいはハウジング110の側壁が変形してしまうおそれがある。一方、抜け止め部132の潰れ、ハウジング110の側壁の変形を防止するよう抜け止め部132の突出高さを小さくすると、リテーナ130が係止位置にあるときの抜け止め部132の目視確認が困難になるおそれがある。
また、リテーナが係止位置にある状態や相手コネクタとのロック状態を目視確認する以外に、抜け止め部や検知突部の頂面に検査プローブを当てることにより所定基準からの抜け止め部や検知突部の高さを測定し、これによりリテーナが係止位置にある状態や相手コネクタとのロック状態を検知する方法の要請もある。
これに対して、図20に示す電気コネクタ201の場合、1対のアーム部212のそれぞれが可撓性を有し、支持部211の左右両側縁を中心に内外に揺動可能な構造となっている。このため、検知突部215が窓孔314内に進入している状態でもアーム部212のそれぞれが内側に撓み可能となっている。この電気コネクタ201において検知突部215の頂面に検査プローブを当てることにより所定基準からの検知突部215の高さを測定しようとすると、検査プローブを押圧することによりアーム部212のそれぞれが内側に撓み、検知突部215が内側に後退して測定できないことになる。このため、相手コネクタ301とのロック状態を検査プローブを用いて正確に検知することができない。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハウジングの前面から挿入され、コンタクトのハウジングへの挿入を可能とする仮係止位置とコンタクトの抜け止めを保証する本係止位置とでハウジングに係止されるリテーナを備えた電気コネクタにおいて、リテーナが本係止位置にある状態を目視あるいは検査プローブを用いて容易に確認できる電気コネクタを提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明に係る電気コネクタは、絶縁性のハウジングと、該ハウジングに収容されるコンタクトと、前記ハウジングの前面から挿入され、前記コンタクトの前記ハウジングへの挿入を可能とする仮係止位置と前記コンタクトの抜け止めを保証する本係止位置とで前記ハウジングに係止されるリテーナとを備え、該リテーナは、該リテーナが仮係止位置にあるときに前記リテーナの押し込みを防止すると共に前記リテーナが本係止位置にあるときに前記リテーナの引き抜きを防止する本係止突起を備えた本係止アームを有し、前記本係止突起が、前記リテーナが本係止位置にあるときに前記ハウジングの側面から露出する電気コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記リテーナが本係止位置にあるときに前記本係止突起近傍の前記本係止アームの背面側を支持する支持部を有し、前記本係止突起の外面は、検査プローブと面接触可能な平坦面に形成されており、前記ハウジングの支持部よりも前方に、前記リテーナの前記本係止アームの撓みを許容する撓み許容空間を設けたことを特徴としている。
本発明に係る電気コネクタによれば、本係止突起が、リテーナが本係止位置にあるときにハウジングの側面から露出すると共に、ハウジングは、前記リテーナが本係止位置にあるときに前記本係止突起近傍の本係止アームの背面側を支持する支持部を有し、前記本係止突起の外面は、検査プローブと面接触可能な平坦面に形成されているので、仮係止位置と本係止位置とでハウジングに係止されるリテーナを備えた電気コネクタにおいて、リテーナに形成した本係止突起をハウジングの側面から目視確認あるいは検査プローブを用いて高さを測定することによりリテーナが本係止位置にある状態を容易に確認できる。
また、本発明に係る電気コネクタによれば、前記ハウジングの前記支持部よりも前方に、前記リテーナの前記本係止アームの撓みを許容する撓み許容空間を設けたので、前述した効果を維持しつつ、リテーナの仮係止位置から本係止位置への移動を容易に行うことができる
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る電気コネクタを構成するプラグコネクタにおいてリテーナが仮係止位置にある状態を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の1B−1B線に沿う断面図、(C)は(A)の1C−1C線に沿う断面図である。但し、図1(B)においてはコンタクトを図示していない。図2は本発明に係る電気コネクタを構成するプラグコネクタにおいてリテーナが本係止位置にある状態を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の2B−2B線に沿う断面図、(C)は(A)の2C−2C線に沿う断面図である。但し、図2(B)においてはコンタクトを図示していない。図3はハウジングを前方斜め上側から見た斜視図である。図4はハウジングを後方斜め上方から見た斜視図である。図5はリテーナを前方斜め上方から見た斜視図である。図6はリテーナを後方斜め上方から見た斜視図である。図7はリテーナを後方斜め下方から見た斜視図である。
図1及び図2において、プラグコネクタ1は、絶縁性のハウジング10と、このハウジング10に上下2列状に収容された複数のコンタクト20と、コンタクト20の抜け止めを保証するためのリテーナ30とを備えている。
ハウジング10は、絶縁性の合成樹脂を成形することによって略矩形形状に形成され、内部にコンタクト20を収容する複数のコンタクト収容キャビティ11を左右方向(図1(A)における左右方向)に上下2列状に有している。各コンタクト収容キャビティ11は、図3に示すように、ハウジング10の前方側(図1(C)、図2(C)における左方側、図3における前方側)に開口している。そして、各コンタクト収容キャビティ11には、コンタクト20を係止するためのハウジングランス12が設けられている。上列のコンタクト収容キャビティ11に設けられたハウジングランス12は、ハウジング10の上壁から斜め前方に延びるように形成され、その一方、下列のコンタクト収容キャビティ11に設けられたハウジングランス12は、ハウジング10の下壁から斜め前方に延びるように形成されている。
また、ハウジング10の上壁及び下壁には、左右方向において各コンタクト収容キャビティ11に対応する位置に前後方向に延びる複数の第1細長開口13がそれぞれ形成されている。各第1細長開口13の幅は、各コンタクト収容キャビティ11よりも狭い。そして、上列のハウジングランス12の上方には、ハウジングランス12の撓みを許容するとともにリテーナ30の後述する上側規制片33aの進入を許容する空間14が第1細長開口13に連通するように形成されている。また、下列のハウジングランス12の下方にも、ハウジングランス12の撓みを許容するとともにリテーナ30の後述する下側規制片33bの進入を許容する空間14が第1細長開口13に連通するように形成されている。各空間14はハウジング10の前方側に開口している。また、各コンタクト収容キャビティ11のハウジングランス12の前方側には、空間14に連通するとともにハウジング10の前方側に開口するスリット15が形成されている。また、ハウジング10の上壁であって、最左端とその隣の第1細長開口13の間及び最右端とその隣の第1細長開口13の間には、前後方向に延びる第2細長開口17がそれぞれ形成されている。そして、第2細長開口17の下方には、リテーナ30の後述する本係止アーム35の進入を許容する空間18が第2細長開口17に連通するように形成されている。前述した空間14とこの空間18とは互いに連通している。また、ハウジング10の上壁には、キャップコネクタ50(図8参照)との嵌合時に、キャップコネクタ50とロックするロック突起16が形成されている。
また、各コンタクト20は、金属板を打抜き及び曲げ加工することによって形成され、ハウジングランス12に係止される略箱形のリセプタクル部21と、リセプタクル部21から後方に延び、ワイヤハーネスの電線(図示せず)に圧着接続される電線接続部22とを備えている。リセプタクル部21内には、相手の雄型コンタクト(図示せず)との弾性接触片23が設けられている。
更に、リテーナ30は、ハウジング10の前面から挿入され、コンタクト20のハウジング10への挿入を可能とする仮係止位置(図1参照)と、コンタクト20の抜け止めを保証する本係止位置(図2参照)とでハウジング10に係止されるようになっている。リテーナ30は、ハウジング10の前面を覆うように長手方向(図1(A)における左右方向)に延びる矩形平板状の基板部31と、基板部31の上下両端からそれぞれ後方に延びる複数の上側規制片33a及び下側規制片33bとを備えている。
各上側規制片33aは、本係止時にハウジングランス12の上方に形成された空間14内に進入してハウジングランス12の上方への移動を規制し上列のコンタクト20の抜け止めを保証する。また、各下側規制片33bは、本係止時にハウジングランス12の下方に形成された空間14内に進入してハウジングランス12の下方への移動を規制し下列のコンタクト20の抜け止めを保証する。基板部31には、各コンタクト収容キャビティ11に対応する位置に上下2列状の複数の相手コンタクト挿通孔32が形成されている。また、図1(C)及び図5乃至図7によく示すように、長手方向最両端に位置する上側規制片33a及び下側規制片33bの後端には、リテーナ30が仮係止位置にあるときに、リテーナ30の前方への引き抜きを防止する仮係止突起34がそれぞれ形成されている。長手方向最両端に位置する上側規制片33a及び下側規制片33bは、仮係止アームを構成する。また、各上側規制片33aには、上列のスリット15に進入して上列のコンタクト20のリセプタクル部21の上方への移動を規制する1対の規制片37が突出形成されている。また、各下側規制片33bにも、下列のスリット15に進入して下列のコンタクト20のリセプタクル部21の下方への移動を規制する1対の規制片37が突出形成されている。
また、最左端とその隣の上側規制片33aの間及び最右端とその隣の上側規制片33aの間には、本係止アーム35が形成されている。各本係止アーム35は、本係止時に第2細長開口17の下方に形成された空間18に進入するよう構成されている。各本係止アーム35の前後方向のやや後方よりには、図1(B)及び図2(B)に示すように、リテーナ30が仮係止位置にあるときにリテーナ30の後方への押し込みを防止し、リテーナ30が本係止位置にあるときにリテーナ30の前方への引き抜きを防止する本係止突起36が突出形成されている。本係止突起36は、図2(B)に示すように、リテーナ30が本係止位置にあるときに第2細長開口17を介してハウジング10の上面から露出するようになっている。
また、図2(B)に示すように、ハウジング10の空間18の下方には、リテーナ30が本係止位置にあるときに本係止突起36近傍の本係止アーム35の背面側を支持する支持部19aが形成されている。そして、ハウジング10の支持部19aよりも前方には、リテーナ30が仮係止位置から本係止位置に移動する際にリテーナ30の本係止アーム35の撓みを許容する撓み許容空間19bが形成されている。
次に、図1及び図2を参照してプラグコネクタ1の組立方法について説明する。
プラグコネクタ1の組立において、先ず、図1に示すように、リテーナ30をハウジング10の前面から挿入し、リテーナ30を仮係止位置に位置させる。このとき、上側規制片33a及び下側規制片33bの後端に形成された仮係止突起34が第1細長開口13の前縁に当接することによりリテーナ30の前方への引き抜きが防止され、本係止突起36がハウジング10の上壁の前縁に当接することによりリテーナ30の後方への押し込みが防止される。
次いで、電線を接続した各コンタクト20をハウジング10の後方側から各コンタクト収容キャビティ11内に挿入する。これにより、ハウジングランス12がコンタクト20のリセプタクル部21の後側に位置し、コンタクト20が一次係止されてコンタクト20の抜け止めがなされる。
次いで、仮係止位置にあるリテーナ30を後方に押圧し、図2に示すように、リテーナ30を本係止位置に位置させる。このとき、リテーナ30の本係止アーム35が第2細長開口17の下方に形成された空間18に進入し、本係止突起36が第2細長開口17の前縁に当接することによりリテーナ30の前方への引き抜きが防止される。そして、ハウジング10の支持部19aよりも前方には、リテーナ30の本係止アーム35の撓みを許容する撓み許容空間19bが形成されているので、仮係止位置から本係止位置へのリテーナ30の移動作業が容易に行なえる。また、この本係止時には、リテーナ30の上側規制片33aが、ハウジングランス12の上方に形成された空間14内に進入してハウジングランス12の上方への移動を規制し上列のコンタクト20の抜け止めを保証する。また、リテーナ30の下側規制片33bが、ハウジングランス12の下方に形成された空間14内に進入してハウジングランス12の下方への移動を規制し下列のコンタクト20の抜け止めを保証する。これにより、プラグコネクタ1の組立は完了する。
そして、リテーナ30が本係止位置にあるときには、本係止突起36が、図2(B)に示すように、第2細長開口17を介してハウジング10の上面から露出するので、ハウジング10の上面側から本係止突起36を目視確認することができ、これによりリテーナ30が本係止位置にある状態を目視にて容易に確認できる。
また、リテーナ30が本係止位置にあるときには、本係止突起36が第2細長開口17を介してハウジング10の上面から露出することから、図2(B)に示すように、検査プローブPをハウジング10の上面側から本係止突起36の頂面に当接させて所定基準からの本係止突起36の高さを測定し、これによりリテーナ30が本係止位置にある状態を検知することもできる。この場合、ハウジング10の空間18の下方には、リテーナ30が本係止位置にあるときに本係止突起36近傍の本係止アーム35の背面側を支持する支持部19aが形成されているので、検査プローブPをハウジング10の上面側から本係止突起36の頂面に当接しても、本係止突起36が下方に後退することはなく、リテーナ30が本係止位置にある状態を確実に検知することができる。また、本係止突起36の上面は、検査プローブPと面接触可能な平坦面に形成されている。
次に、本発明に係る電気コネクタを構成するキャップコネクタを図8乃至図18を参照して説明する。図8は本発明に係る電気コネクタを構成するキャップコネクタにおいてリテーナが仮係止位置にある状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。図9は図8(B)の9−9線に沿う断面図である。図10は図8(B)の10−10線に沿う断面図である。図11は図8(B)の11−11線に沿う断面図である。図12は本発明に係る電気コネクタを構成するキャップコネクタにおいてリテーナが本係止位置にある状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。図13は図12(B)の13−13線に沿う断面図である。図14は図12(B)の14−14線に沿う断面図である。図15は図12(B)の15−15線に沿う断面図である。図16はハウジングを前方斜め上側から見た斜視図である。図17はリテーナを前方斜め上側から見た斜視図である。図18はリテーナを後方斜め上側から見た斜視図である。
図8乃至図15において、キャップコネクタ50は、図1に示したプラグコネクタ1と嵌合するものであり、絶縁性のハウジング60と、このハウジング60に上下2列状に収容された複数のコンタクト(図示せず)と、コンタクトの抜け止めを保証するためのリテーナ70とを備えている。各コンタクトは、雄型のコンタクトであり、図1に示すプラグコネクタ1に設けられたコンタクト20のリセプタクル部21に嵌合接触するようになっている。
ハウジング60は、絶縁性の合成樹脂を成形することによって形成されるものであり、略矩形状のコンタクト収容部61と、コンタクト収容部61から前方(図8(A)における下方)に延びるフード部62とを備えている。コンタクト収容部61の内部には、コンタクトを収容する複数のコンタクト収容キャビティ63が設けられている。コンタクト収容キャビティ63は、コンタクト収容部61の左右方向(図8(A)における左右方向)に上下2列状に設けられている。各コンタクト収容キャビティ63は、コンタクト収容部61の前方側に開口している。そして、各コンタクト収容キャビティ63には、図11に示すように、コンタクトを係止するためのハウジングランス64が設けられている。上列のコンタクト収容キャビティ63に設けられたハウジングランス64は、コンタクト収容部61の上壁から斜め前方に延びるように形成され、その一方、下列のコンタクト収容キャビティ63に設けられたハウジングランス64は、コンタクト収容部61の下壁から斜め前方に延びるように形成されている。
また、コンタクト収容部61の上壁及び下壁には、左右方向において各コンタクト収容キャビティ63に対応する位置に前後方向に延びる複数の細長開口65がそれぞれ形成されている。そして、上列のハウジングランス64の上方には、ハウジングランス64の撓みを許容するとともにリテーナ70の後述する上側規制片73aの進入を許容する空間66が細長開口65に連通するように形成されている。また、下列のハウジングランス64の下方にも、ハウジングランス64の撓みを許容するとともにリテーナ70の後述する下側規制片73bの進入を許容する空間66が細長開口65に連通するように形成されている。各空間66はコンタクト収容部61の前方側に開口している。更に、上列のコンタクト収容キャビティ63と下列のコンタクト収容キャビティ63との間には、図10及び図11に示すように、リテーナ70の後述する中央片74の進入を許容する複数の空間67が形成されている。また、図10に示すように、コンタクト収容部61の左右両側壁の内側には、リテーナ70の後述する仮係止突起76が係止される1対の係止突起68が突出形成されている。そして、コンタクト収容部61の左右方向略中央部であって隣接するコンタクト収容キャビティ63の間には、図9に示すように、前後方向に貫通する貫通孔69aが形成されている。貫通孔69aにはリテーナ70の後述する本係止アーム77が進入するようになっており、貫通孔69aにはリテーナ70の後述する本係止突起78が係止される係止突起69bが形成されている。
また、フード部62は、図1に示すプラグコネクタ1を嵌合可能なように略角形の形状をしている。
更に、リテーナ70は、ハウジング60の前面からフード部62を介して挿入され、コンタクトのコンタクト収容キャビティ63への挿入を可能とする仮係止位置(図8乃至図11参照)と、コンタクトを二重係止する本係止位置(図12乃至図15参照)とでハウジング60に係止されるようになっている。リテーナ70は、コンタクト収容部61の前面を覆うように長手方向(図8(B)における左右方向)に延びる矩形平板状の基板部71と、基板部71の上下両端からそれぞれ後方に延びる複数の上側規制片73a及び下側規制片73bとを備えている。
各上側規制片73aは、本係止時にハウジングランス64の上方に形成された空間66内に進入してハウジングランス64の上方への移動を規制し上列のコンタクトの抜け止めを保証する。また、各下側規制片73bは、本係止時にハウジングランス64の下方に形成された空間66内に進入してハウジングランス64の下方への移動を規制し下列のコンタクトの抜け止めを保証する。基板部71には、コンタクト収容キャビティ63内に収容されたコンタクトの雄型接触部が挿通可能な複数のコンタクト挿通孔72が形成されている。 そして、リテーナ70の基板部71の上下方向略中央部には、図10、図11及び図18によく示すように、コンタクト収容部61に形成された複数の空間67内に進入する複数の中央片74が後方に延びるように形成されている。また、基板部71の左右両端には、図10及び図18に示すように、1対の仮係止アーム75が後方に延びるように形成されている。各仮係止アーム75の後端には、図10に示すように、リテーナ70が仮係止位置にあるときに、コンタクト収容部61に形成された係止突起68の後方に位置してリテーナ70の前方への引き抜きを防止する仮係止突起76が形成されている。仮係止突起76は、図14に示すように、リテーナ70が本係止位置にあるときにコンタクト収容部61の左右両側壁に形成された開口80を介してハウジング60の側面から露出するようになっている。
また、図9及び図18に示すように、基板部71の左右方向略中央部であって上下方向において上側規制片73aと中央片74との間には、本係止アーム77が後方に延びるように形成されている。本係止アーム77は、コンタクト収容部61に形成された貫通孔69a内に進入するようになっている。そして、本係止アーム77の左縁には、図9に示すように、リテーナ70が仮係止位置にあるときにコンタクト収容部61に形成された係止突起69bの前方に位置してリテーナ70の後方への押し込みを防止すると共に、図13に示すように、リテーナ70が本係止位置にあるときに係止突起69bの後方に位置してリテーナ70の前方への引き抜きを防止する本係止突起78が突出形成されている。
また、図14に示すように、コンタクト収容部61の左右両側壁には、リテーナ70が本係止位置にあるときに仮係止突起76近傍の仮係止アーム75の背面側を支持する支持部81が形成されている。
次に、図8乃至図15を参照してキャップコネクタ50の組立方法について説明する。
キャップコネクタ50の組立において、先ず、図9乃至図11に示すように、リテーナ70をハウジング60の前面から挿入し、リテーナ70を仮係止位置に位置させる。このとき、図10に示すように、仮係止アーム75の仮係止突起76がコンタクト収容部61に形成された係止突起68の後縁に当接することによりリテーナ70の前方への引き抜きが防止され、図9に示すように、本係止突起78がコンタクト収容部61に形成された係止突起69bの前縁に当接することによりリテーナ70の後方への押し込みが防止される。
次いで、電線(図示せず)を接続した各コンタクトをハウジング60の後方側から各コンタクト収容キャビティ63内に挿入する。これにより、ハウジングランス64がコンタクトの係止部の後側に位置し、コンタクトが一次係止されてコンタクトの抜け止めがなされる。
次いで、仮係止位置にあるリテーナ70を後方に押圧し、図13に示すように、リテーナ70を本係止位置に位置させる。このとき、本係止アーム77が貫通孔69a内を後方に進入し、本係止突起78がコンタクト収容部61に形成された係止突起69bの後縁に当接することによりリテーナ70の前方への引き抜きが防止される。また、この本係止時には、リテーナ70の上側規制片73aが、図15に示すように、ハウジングランス64の上方に形成された空間66内に進入してハウジングランス64の上方への移動を規制し上列のコンタクトの抜け止めを保証する。また、リテーナ70の下側規制片73bが、ハウジングランス64の下方に形成された空間66内に進入してハウジングランス64の下方への移動を規制し下列のコンタクトの抜け止めを保証する。これにより、キャップコネクタ50の組立は完了する。
そして、リテーナ70が本係止位置にあるときには、仮係止アーム75に形成された仮係止突起76が、図14に示すように、開口80を介してハウジング60の側面から露出するので、ハウジング60の側面から仮係止突起76を目視確認することができ、これによりリテーナ70が本係止位置にある状態を目視にて容易に確認できる。
また、リテーナ70が本係止位置にあるときには、仮係止突起76が開口80を介してハウジング60の側面から露出することから、図14に示すように、検査プローブPをハウジング60の側面側から仮係止突起76の側面に当接させて所定基準からの仮係止突起76の高さを測定し、これによりリテーナ70が本係止位置にある状態を検知することもできる。この場合、コンタクト収容部61の側壁には、リテーナ70が本係止位置にあるときに仮係止突起76近傍の仮係止アーム75の背面側を支持する支持部81が形成されているので、検査プローブPをハウジング60の側面側から仮係止突起76の側面に当接しても、仮係止突起76が後退することはなく、リテーナ70が本係止位置にある状態を確実に検知することができる。また、仮係止突起76の外面は、検査プローブPと面接触可能な平坦面に形成されている。
本発明に係る電気コネクタを構成するプラグコネクタにおいてリテーナが仮係止位置にある状態を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の1B−1B線に沿う断面図、(C)は(A)の1C−1C線に沿う断面図である。但し、図1(B)においてはコンタクトを図示していない。 本発明に係る電気コネクタを構成するプラグコネクタにおいてリテーナが本係止位置にある状態を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の2B−2B線に沿う断面図、(C)は(A)の2C−2C線に沿う断面図である。但し、図2(B)においてはコンタクトを図示していない。 ハウジングを前方斜め上側から見た斜視図である。 ハウジングを後方斜め上方から見た斜視図である。 リテーナを前方斜め上方から見た斜視図である。 リテーナを後方斜め上方から見た斜視図である。 リテーナを後方斜め下方から見た斜視図である。 本発明に係る電気コネクタを構成するキャップコネクタにおいてリテーナが仮係止位置にある状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図8(B)の9−9線に沿う断面図である。 図8(B)の10−10線に沿う断面図である。 図8(B)の11−11線に沿う断面図である。 本発明に係る電気コネクタを構成するキャップコネクタにおいてリテーナが本係止位置にある状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図12(B)の13−13線に沿う断面図である。 図12(B)の14−14線に沿う断面図である。 図12(B)の15−15線に沿う断面図である。 ハウジングを前方斜め上側から見た斜視図である。 リテーナを前方斜め上側から見た斜視図である。 リテーナを後方斜め上側から見た斜視図である。 従来例の前差しのリテーナを備えた電気コネクタを示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 従来の他の例の電気コネクタの説明図である。
符号の説明
1 プラグコネクタ(電気コネクタ)
10 ハウジング
19a 支持部
19b 撓み許容空間
20 コンタクト
30 リテーナ
35 本係止アーム
36 本係止突起
50 キャップコネクタ(電気コネクタ)
60 ハウジング
70 リテーナ
75 仮係止アーム
76 仮係止突起
81 支持部

Claims (1)

  1. 絶縁性のハウジングと、該ハウジングに収容されるコンタクトと、前記ハウジングの前面から挿入され、前記コンタクトの前記ハウジングへの挿入を可能とする仮係止位置と前記コンタクトの抜け止めを保証する本係止位置とで前記ハウジングに係止されるリテーナとを備え、該リテーナは、該リテーナが仮係止位置にあるときに前記リテーナの押し込みを防止すると共に前記リテーナが本係止位置にあるときに前記リテーナの引き抜きを防止する本係止突起を備えた本係止アームを有し、前記本係止突起が、前記リテーナが本係止位置にあるときに前記ハウジングの側面から露出する電気コネクタにおいて、
    前記ハウジングは、前記リテーナが本係止位置にあるときに前記本係止突起近傍の前記本係止アームの背面側を支持する支持部を有し、
    前記本係止突起の外面は、検査プローブと面接触可能な平坦面に形成されており、
    前記ハウジングの支持部よりも前方に、前記リテーナの前記本係止アームの撓みを許容する撓み許容空間を設けたことを特徴とする電気コネクタ。
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