JP3999182B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、流体を加圧して吐出するポンプモードと、膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力するモータモードとを兼ね備える流体機械に関するもので、熱エネルギーを回収するランキンサイクル等の熱回収システムを備える蒸気圧縮式冷凍機用の膨脹機一体型圧縮機に適用して有効である。
従来のランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機では、例えば、特許文献1に示されるように、ランキンサイクルにてエネルギー回収を行う場合には、蒸気圧縮式冷凍機の圧縮機を膨脹機として利用している。
特許第2540738号公報
ところで、圧縮機は、外部から機械的エネルギーを与えて気相冷媒等のガスを作動室内に吸入した後、作動室の体積を縮小させてガスを圧縮して吐出するものである。一方、膨脹機は、高圧のガスを作動室内に流入させて、そのガス圧により作動室を膨脹させて機械的エネルギー等を取り出すものである。このため、圧縮機を膨脹機として利用するには、冷媒流れを逆転させる必要がある。
しかし、特許文献1に記載の発明では、エネルギー回収を行う際の膨脹機(圧縮機)の冷媒入口側及び冷媒出口側が、蒸気圧縮式冷凍機にて冷凍能力を発揮させる場合の圧縮機(膨脹機)の冷媒入口側及び冷媒出口側と同じ側に設定されているので、1台の圧縮機を膨脹機として作動させることはできず、現実的には、ランキンサイクル作動及び蒸気圧縮式冷凍機のうちいずれか一方は正常作動しない。
即ち、圧縮機は、ピストンや可動スクロール等の可動部材を変位させて作動室の体積を縮小させてガスを圧縮するものであるので、作動室と高圧室(吐出室)とを連通させる吐出ポートには、高圧室から作動室にガスが逆流することを防止する逆止弁が設けられている。
一方、膨脹機は、高圧室から高圧のガスを作動室に流入させることにより可動部材を変位させて機械的出力を得るものであるので、単純にガスの入口と出口とを逆転させるといった手段では、圧縮機を膨脹機として作動させる時に、逆止弁が障害となって高圧のガスを作動室に供給することができない。従って、ガスの入口と出口とを逆転させるといった手段では、圧縮機を膨脹機として作動させることはできない訳である。
また、通常、圧縮機の容量は蒸気圧縮式冷凍機作動時を前提に設定されるものであるが、ランキンサイクル作動時の圧力は、蒸気圧縮式冷凍機作動時の圧力よりも高いので、ガスの重量流量が同等であっても体積流量が小さく成る。よって、圧縮機を膨張機として使用する時の回転数が低下し、一回転当たりの洩れの寄与度が大きくなり、その分、膨張機としての効率が低下する。
本発明は、上記点に鑑み、流体を加圧して吐出するポンプモードと、膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力するモータモードとを兼ね備える新規な流体機械を提供すると共に、モータモード実行時における効率向上を可能とする流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、可動部材(104)の摺動によって体積が拡大縮小される作動室(V)を備え、作動室(V)にて流体を加圧して吐出するポンプモードと、膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力するモータモードとを兼ね備える流体機械であって、ポンプモード実行時には、流体の逆流を防止しつつ低圧部(108)側から作動室(V)を経て高圧部(107)側に連通させ、且つ、モータモード実行時には、流体の逆流を防止しつつ高圧部(107)側から作動室(V)を経て低圧部(108)側に連通させる弁機構(111)と、モータモード実行時に、制御部(116)によって制御されると共に、作動室(V)で膨張し得る流体の容量を可変可能とする容量可変機構(102)とを設けたことを特徴としている。
これにより、ポンプモードとモータモードとを兼ね備える新規な流体機械とすることができる。そして、モータモード実行時に容量を可変することで、流体の膨張に要する時間を調整することができ、流体の洩れの影響を小さくしてモータモード実行時における効率を向上することができる。
そして、請求項2に記載の発明のように、モータモード実行時における流体の流量の増減と容量の増減は、同傾向と成るようにすると良い。
請求項3に記載の発明では、容量可変機構(102)は、制御部(116)によって、ポンプモード実行時においても、作動室(V)から吐出される流体の容量を可変可能とすることを特徴としている。
これにより、制御部(116)を増設する事無く、簡素な構成でポンプモード実行時においても容量可変が可能となる。
請求項4に記載の発明では、可動部材(104)は、回転駆動する駆動軸(101)によって摺動するように構成されており、モータモード実行時には、駆動軸(101)は、発電機(200)または外部駆動源(20)に接続されることを特徴としている。
これにより、モータモード実行時に得られた機械的エネルギーを用いて、発電機(200)で発電したり、外部駆動源(20)に対して動力アシストすることが可能となる。
請求項5に記載の発明では、可動部材(104)は、回転駆動する駆動軸(101)によって摺動するように構成されており、ポンプモード実行時には、駆動軸(101)は、外部駆動源(20)または電動機(200)に接続されることを特徴としている。
これにより、外部駆動源(20)または電動機(200)を駆動源としてポンプモードの実行可能な流体機械(10)とすることができる。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、ランキンサイクルを備える車両用蒸気圧縮式冷凍機に本発明に係る流体機械を適用したものであって、図1は本実施形態に係る蒸気圧縮式冷凍機を示す模式図である。
そして、本実施形態に係るランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機は、走行用動力を発生させる熱機関を成すエンジン20で発生した廃熱からエネルギーを回収すると共に、蒸気圧縮式冷凍機で発生した冷熱及び温熱を空調に利用するものである。以下、ランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機について述べる。
膨脹機一体型圧縮機10は、気相冷媒を加圧して吐出するポンプモードと、過熱蒸気冷媒の膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力するモータモードとを兼ね備える流体機械であり、放熱器11は、膨脹機一体型圧縮機10の吐出側(後述する高圧室107)に接続されて放熱しながら冷媒を冷却する放冷器である。尚、膨脹機一体型圧縮機10の詳細については後述する。
気液分離器12は放熱器11から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するレシーバであり、減圧器13は気液分離器12で分離された液相冷媒を減圧膨脹させるもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ的に減圧するとともに、膨脹機一体型圧縮機10がポンプモードで作動している時に膨脹機一体型圧縮機10に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨脹弁を採用している。
蒸発器14は、減圧器13にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器であり、これらの膨脹機一体型圧縮機10、放熱器11、気液分離器12、減圧器13及び蒸発器14等にて低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍機が構成される。
加熱器30は、膨脹機一体型圧縮機10と放熱器11とを繋ぐ冷媒回路に設けられて、この冷媒回路を流れる冷媒とエンジン冷却水とを熱交換することにより冷媒を加熱する熱交換器であり、三方弁21によりエンジン20から流出したエンジン冷却水を加熱器30に循環させる場合と循環させない場合とが切替えられる。三方弁21は図示しない電子制御装置により制御されている。
第1バイパス回路31は、気液分離器12で分離された液相冷媒を加熱器30のうち放熱器11の冷媒入口側に導く冷媒通路であり、この第1バイパス回路31には、液相冷媒を循環させるための液ポンプ32及び気液分離器12側から加熱器30側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁31aが設けられている。尚、液ポンプ32は、本実施形態では、電動式のポンプを採用していおり、図示しない電子制御装置により制御されている。
また、第2バイパス回路33は、膨脹機一体型圧縮機10がモータモードで作動するときの冷媒出口側(後述する低圧室108)と放熱器11の冷媒入口側とを繋ぐ冷媒通路であり、この第2バイパス回路33には、膨脹機一体型圧縮機10側から放熱器11の冷媒入口側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁33aが設けられている。
尚、逆止弁14aは蒸発器14の冷媒出口側から膨脹機一体型圧縮機10がポンプモードで作動するとき冷媒吸入側(後述する低圧室108)にのみ冷媒が流れることを許容するものである。また、開閉弁34は冷媒通路を開閉する電磁式のバルブであり、図示しない電子制御装置により制御されている。
因みに、水ポンプ22はエンジン冷却水を循環させるもので、ラジエータ23はエンジン冷却水と外気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。尚、図1では、ラジエータ23を迂回させて冷却水を流すバイパス回路及びこのバイパス回路に流す冷却水量とラジエータ23に流す冷却水量とを調節する流量調整弁は省略されている。
また、水ポンプ22はエンジン20から動力を得て稼動する機械式のポンプであるが、電動モータにて駆動される電動ポンプを用いても良いことは言うまでもない。
次に、膨脹機一体型圧縮機10の詳細(図2〜図4)について述べる。
図2は膨脹機一体型圧縮機10を示す断面図であり、膨脹機一体型圧縮機10は、気相冷媒(流体)を圧縮又は膨脹させるポンプモータ機構100、回転エネルギーが入力されることにより電気エネルギーを出力し、電力が入力されることにより回転エネルギーを出力する回転電機(モータジェネレータ)200及び、外部駆動源を成すエンジン20からの動力を断続可能にポンプモータ機構100側に伝達する電磁クラッチ300等から構成されている。
ここで、回転電機200はステータ210及びステータ210内で回転するロータ220等から成るもので、ステータ210は巻き線が巻かれたステータコイルであり、ロータ220は永久磁石が埋設されたマグネットロータである。尚、回転電機200は、ステータ210に電力が供給された場合にはロータ220を回転させてポンプモータ機構100を駆動する電動機として作動し、ロータ220を回転させるトルクが入力された場合には電力を発生させる発電機として作動する。
また、電磁クラッチ300は、Vベルトを介してエンジン20からの動力を受けるプーリ部310、磁界を発生させる励磁コイル320、及び励磁コイル320により誘起された磁界による電磁力により変位するフリクションプレート330等から成るもので、エンジン20側と膨脹機一体型圧縮機10側とを繋ぐときは励磁コイル320に通電し、エンジン20側と膨脹機一体型圧縮機10側とを切り離すときは励磁コイル320への通電を遮断する。
そして、ポンプモータ機構100は、周知の可変容量方式の斜板型圧縮機構と同一構造を有するもので、以下、その構造を具体的に述べる。
斜板102は、駆動軸を成すシャフト101の軸方向(長手方向)に対して傾いた状態でシャフト101と一体的に回転する略円盤状のものであり、この斜板102の外径側には、一対のシュー103を介してピストン104が揺動可能に連結されている。
尚、ピストン104は、シャフト101の周りに複数本(本実施形態では、5本)設けられており、複数本のピストン104は、所定の位相差を有して互いに連動して往復運動する。
ここで、斜板102及びシュー103は、ポンプモード実行時にはシャフト101の回転運動を往復運動に変換してピストン104に伝達し、モータモード実行時にはピストン104の往復運動を回転運動に変換してシャフト101に伝達する。
そして、ピストン(本発明の可動部材に対応)104がシンリンダボア105内で往復運動(摺動)することにより、作動室Vの体積が拡大縮小する。この時、ピストン104のストローク(行程)は、斜板102とシャフト101とのなす角(以下、この角を傾斜角θと呼ぶ)が小さくなるほど大きくなり、傾斜角θが大きくなるほど小さくなることから、本実施形態では、斜板102の傾斜角θを変化させることにより、ポンプモータ機構100の容量を変化させるようにしている。尚、斜板102は本発明の容量可変機構に対応する。
因みに、ポンプモータ機構100の容量とは、シャフト101が1回転するときに吐出又は吸入(膨張)される理論流量、つまりピストン104のストロークと直径との積に基づいて決定される量(体積)である。
また、斜板102が収納された空間(以下、斜板室106と表記する)は、高圧室(本発明の高圧部に対応)107及び低圧室(本発明の低圧部に対応)108と連通しており(図2、図4中の2点鎖線)、斜板室106と高圧室107とを結ぶ通路には、高圧室107の圧力を調節して斜板室106に導く圧力制御弁(本発明における制御部に対応)116が設けられ、斜板室106と低圧室108とは所定の圧力損失を発生させるオリフィス等の固定絞りを介して常に連通している。
そして、斜板102の傾斜角θは、斜板室106内の圧力と作動室Vで発生する圧縮反力との釣り合い状態で決定するので、本実施形態では、傾斜角θを小さくする時、つまりポンプモータ機構100の容量を大きくする時には圧力制御弁116の開度を小さくして斜板室106内の圧力を低下させ、逆に、傾斜角θを大きくする時、つまりポンプモータ機構100の容量を小さくする時には圧力制御弁116の開度を大きくして斜板室106内の圧力を上昇させている。
尚、高圧室107は、ポンプモード実行時には作動室Vから吐出される高圧冷媒が排出される空間として機能し、モータモード実行時には加熱器30から供給される高圧の過熱蒸気冷媒が供給される空間として機能する。
また、低圧室108は、ポンプモード実行時には蒸発器14から流出した低圧蒸気冷媒が供給される空間として機能し、モータモード時にはポンプモータ機構100にて膨脹を終えた低圧冷媒が排出される空間として機能する。
吐出ポート109は高圧室107と作動室Vとを連通させる連通路であり、逆止弁110は高圧室107から作動室Vに冷媒が逆流することを防止するものである。
尚、本実施形態係る逆止弁110は、逆止弁110の弁体をなすリード弁を高圧室107側に配置することにより、作動室Vから高圧室107に向かう動圧が作用したときには開き、逆に、高圧室107から作動室Vに向かう動圧が作用したときには閉じるようにしたものである。
略円柱状を成す弁体(以下、ロータリバルブ)112は、シャフト101の端部に形成された二面幅101aと係合してシャフト101と一体的に回転することにより、ポンプモード実行時には、作動室Vから低圧室108に流体が逆流することを防止しながら低圧室108と作動室Vとを連通させ、且つ、モータモード実行時には、作動室Vから高圧室107に流体が逆流することを防止しながら高圧室107と作動室Vとを連通させると共に、低圧室108から作動室Vに流体が逆流することを防止しながら作動室Vと低圧室108とを連通させるものである。
ロータリバルブ112は、図3に示すように、内部に低圧室108と常に連通する低圧導入路112aを有しており、その外周側には、低圧溝112b、高圧導入溝112c、高圧溝112d、連通溝112eが設けられている。
低圧溝112bは、ロータリバルブ112のシャフト101側において半円を描くように設けられ、低圧導入路112aと連通している。高圧導入溝112cは、低圧溝112bの反シャフト側においてロータリバルブ112の全周に渡って形成されている。高圧溝112dは、低圧溝112bの高圧導入溝112c側の位置に対応して矩形状を成すように形成されている。高圧導入溝112cと高圧溝112dとは、連通溝112eによって連通されている。
そして、低圧溝112bは連通ポート117を介して作動室Vと連通し、また、高圧導入溝112cは高圧導入穴118を介して常に高圧室107と連通している。更に、後述するロータリバルブ112のシャフト101方向の移動に伴い、高圧溝112dが連通ポート117を介して作動室Vに連通する場合(図2)と、連通しない場合(図4)が形成される。
このため、ロータリバルブ112が回転すると、低圧溝112bと連通ポート117(作動室V)との連通(図2、図4)、あるいは、高圧溝112dと連通ポート117(作動室V)との連通(図4)が、シャフト101の回転運動、つまりピストン104の往復運動に連動して切替わる。
また、ロータリバルブ112の軸方向一端側には、図2に示すように、高圧室107内の高圧を導入する背圧室114が設けられており、この背圧室114と高圧室107とを繋ぐ背圧路114aには、背圧路114aの連通状態を制御する電磁弁113が設けられている。尚、背圧室114と低圧室108とは、斜板室106と同様に、所定の圧力損失を発生させるオリフィス等の固定絞りを介して常に連通している(図省略)。
一方、ロータリバルブ112の軸方向他端側には、ロータリバルブ112を軸方向一端側に移動させる力を作用させるバネ115が配置されており、電磁弁113により背圧室114の圧力を調節してロータリバルブ112をシャフト101の軸方向と平行な方向に変位させる。
そして、電磁弁113、背圧室114及びバネ115等により、ポンプモードの実行とモータモードの実行とを切替えるアクチュエータが構成される。
更に、本実施形態では、この弁体112、逆止弁110、電磁弁113、背圧室114及びバネ115により、特許請求の範囲に記載された「ポンプモード実行時には、流体の逆流を防止しつつ低圧部(108)側から作動室(V)を経て高圧部(107)側に連通させ、且つ、モータモード実行時には、流体の逆流を防止しつつ高圧部(107)側から作動室(V)を経て低圧部(108)側に連通させる弁機構(111)」が構成される。
次に、本実施形態に係る膨脹機一体型圧縮機10の作動について述べる。
1.ポンプモード
このモードは、シャフト101に回転力を与えることによりポンプモータ機構100のピストン104を往復運動させて冷媒を吸入圧縮する運転モードである。
具体的には、液ポンプ32を停止させた状態で開閉弁34を開き、三方弁21の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器30側に循環させないようにする。また、膨張機一体型圧縮機10の電磁弁113を閉じて、図4に示すように、ロータリバルブ112を紙面右側に移動させて、低圧溝112bと作動室Vとが連通するようにすると共に、高圧溝112dと作動室Vとが連通しないようにする。
これにより、ピストン104が上死点から下死点側に摺動する時に、蒸発器14からの低圧蒸気冷媒は低圧室108、低圧導入路112a、低圧溝112b、連通ポート117を経て、作動室Vに吸入される。そして、ピストン104が下死点から上死点側に摺動する時に、連通ポート117は、ロータリバルブ112の外周面によって閉塞され、低圧蒸気冷媒は作動室Vで圧縮され、圧縮された高圧冷媒は、吐出ポート109から高圧室107に吐出される。
この時、図5に示すように、低圧溝112bと連通する作動室Vがシャフト101の回転に機械的に連動して切替わるので、各作動室Vにて連続的に冷媒が吸入圧縮される。尚、ポンプモータ機構100の容量は、必要とされる圧縮冷媒量に応じて、圧力制御弁116によって斜板102の傾斜角θが変化されることで調整される。
そして、高圧室107から吐出される冷媒は、加熱器30→開閉弁34→放熱器11→気液分離器12→減圧器13→蒸発器14→逆止弁14a→膨脹機一体型圧縮機10の低圧室108の順に循環する。尚、加熱器30にエンジン冷却水が循環しないので、加熱器30にて冷媒は加熱されず、加熱器30は単なる冷媒通路として機能する。
ポンプモード実行時において、シャフト101に回転力を与えるに当たっては、電磁クラッチ300に通電してエンジン20側と膨脹機一体型圧縮機10側とを繋いでエンジン20の動力により回転力を与える場合と、電磁クラッチ300への通電を遮断してエンジン20側と膨脹機一体型圧縮機10側とを切り離して、回転電機200を電動機として作動させ回転力を与える場合とがある。
尚、エンジン20の動力によってシャフト101に回転力を与える場合は、シャフト101と共にロータ220が回転して回転電機200にて発電作用が発生するので、本実施形態では、回転電機200で発生した電力は、バッテリ又はキャパシタ等の蓄電器に充電される。
2.モータモード
このモードは、加熱器30にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒を高圧室107からポンプモータ機構100に導入して、作動室Vにて膨脹させてピストン104を往復運動させてシャフト101を回転させることにより、機械的出力を得る運転モードである。尚、本実施形態では、得られた機械的出力によりロータ220を回転させて回転電機200を発電機として作動させて発電し、その発電された電力を蓄電器に蓄える。
具体的には、開閉弁34を閉じた状態で液ポンプ32を稼動させ、三方弁21の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器30側に循環させるようにする。また、膨張機一体型圧縮機10の電磁クラッチ300への通電を遮断して電磁クラッチ300を切った状態で電磁弁113を開いて、図2に示すように、ロータリバルブ112を紙面左側に移動させて、低圧溝112bと作動室Vと、及び高圧溝112dと作動室Vとが連通するようにする。
これにより、ピストン104が上死点から下死点側に摺動する時に、加熱器30からの過熱蒸気冷媒は高圧室107、高圧導入穴118、高圧導入溝112c、連通溝112e、高圧溝112d、連通ポート117を経て、作動室Vに流入される。そして、連通ポート117は、ロータリバルブ112の外周面によって閉塞され、過熱蒸気冷媒は作動室Vで膨張し、ピストン104を下死点側に変位させ、シャフト101を回転させる。更に、ピストン104が下死点から上死点側に摺動する時に、連通ポート117は低圧溝112bに連通し、膨脹を終えて圧力が低下した冷媒は、低圧導入路112aに流入して、低圧室108から放熱器11側に流出する。
この時、図6に示すように、低圧溝112bと連通する作動室V、及び高圧溝112dと連通する作動室Vがシャフト101の回転に機械的に連動して切替わるので、各作動室Vにて連続的に過熱蒸気冷媒が膨脹する。
また、高圧室107に流入される高圧の過熱蒸気冷媒によって、逆止弁110は閉じられ、作動室Vからこの高圧室107への冷媒の逆流が防止されることになる。
ランキンサイクルにおいて、冷媒は、気液分離器12→第1バイパス回路31→液ポンプ32→加熱器30→膨脹機一体型圧縮機10(高圧室107→低圧室108)→第2バイパス回路33→逆止弁33a→放熱器11→気液分離器12の順に循環することになる。尚、液ポンプ32は、加熱器30にて加熱されて生成された過熱蒸気冷媒が気液分離器12側に逆流しない程度の圧力にて液相冷媒を加熱器30に送り込む。
ここで、モータモード実行時においては、図7(a)に示すように、加熱器30から高圧室107に流入される過熱蒸気冷媒の流量に応じて、圧力制御弁116によって斜板102の傾斜角θを可変してポンプモータ機構100の容量(作動室Vで膨張する過熱蒸気冷媒の容量)を調整する。即ち、過熱蒸気冷媒の流量が少なくなるほど容量を小さくして、膨張によって得られるポンプモータ機構100の回転数を維持する。
また、過熱蒸気冷媒の流量が例えば低流量で一定の場合は、図7(b)に示すように、容量を小さくすることで、ポンプモータ機構100の回転数を上昇させる。
尚、ロータリバルブ112の低圧溝112bを図3における逆側の外周面に設定することで、モータモード実行時における回転方向を逆側にすることができる。
以上、本実施形態の構成および作動説明より、本膨張機一体型圧縮機10においては、ロータリバルブ112を設けることによって、ポンプモードとモータモードとを兼ね備える新規な流体機械とすることができる。
そして、モータモード実行時にポンプモータ機構100の容量を可変することで、過熱蒸気冷媒の膨張に要する時間を調整することができ、過熱蒸気冷媒の洩れの影響を小さくしてモータモード実行時の効率を向上することができる。
具体的には、過熱蒸気冷媒の流量が少なくなるほど、容量が小さくなるようにしており、流量に応じて膨張時間、即ち、ポンプモータ機構100の回転数を一定に維持することができ、回転電機200での発電量を維持することができるようになる。
また、過熱蒸気冷媒の流量が例えば低流量で一定の場合は、容量を小さくすることによって、ポンプモータ機構100の回転数を上げることができ、回転電機200における発電量を増加させることができる。
また、ポンプモード実行時においても、同一の圧力制御弁116によって斜板102の傾斜角θを可変して容量の調整を可能としているので、制御部を増設することなく、簡素な構成にすることができる。
尚、モータモード実行時に電磁クラッチ300を接続状態にすれば、エンジン20に対する動力アシストが可能である。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ポンプモータ機構100として可変容量方式の斜板型のもの(斜板の片側にピストン104が配設されるもの)を用いて説明したが、これに限らず斜板の両側にピストン104を有する両斜板型のものや、スクロール型のもの等としても良い。
また、断続可能に動力を伝達する動力伝達部として、電磁クラッチを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばワンウェイクラッチ等であっても良い。
また、上述の実施形態では、膨脹機一体型圧縮機10にて回収したエネルギーを蓄電器にて蓄えたが、フライホィールによる運動エネルギー又はバネにより弾性エネルギー等の機械的エネルギーとして蓄えても良い。
また、ランキンサイクルを備える車両用蒸気圧縮式冷凍機に本発明に係る流体機械を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
また、弁機構111は、上述の実施形態に示されたものに限定されるものではなく、例えば電気信号に基づいて作動する弁機構を採用しても良い。
本発明の実施形態に係るランキン蒸気圧縮式冷凍機を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る膨脹機一体型圧縮機であり、モータモード実行時を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る膨脹機一体型圧縮機に用いられる弁体を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る膨脹機一体型圧縮機であり、ポンプモード実行時を示す断面図である。 図4のA−A部を示す断面図である。 図2のB−B部を示す断面図である。 ポンプモータ機構(膨脹機)の回転数、冷媒流量及びポンプモータ機構の容量の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 膨張機一体型圧縮機(流体機械)
20 エンジン(外部駆動源)
101 シャフト(駆動軸)
102 斜板(容量可変機構)
104 ピストン(可動部材)
107 高圧室(高圧部)
108 低圧室(低圧部)
111 弁機構
116 圧力制御弁(制御部)
200 回転電機(発電機、電動機)

Claims (5)

  1. 可動部材(104)の摺動によって体積が拡大縮小される作動室(V)を備え、前記作動室(V)にて流体を加圧して吐出するポンプモードと、膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力するモータモードとを兼ね備える流体機械であって、
    前記ポンプモード実行時には、前記流体の逆流を防止しつつ低圧部(108)側から前記作動室(V)を経て高圧部(107)側に連通させ、且つ、前記モータモード実行時には、前記流体の逆流を防止しつつ前記高圧部(107)側から前記作動室(V)を経て前記低圧部(108)側に連通させる弁機構(111)と、
    前記モータモード実行時に、制御部(116)によって制御されると共に、前記作動室(V)で膨張し得る前記流体の容量を可変可能とする容量可変機構(102)とを設けたことを特徴とする流体機械。
  2. 前記モータモード実行時における前記流体の流量の増減と前記容量の増減は、同傾向と成るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記容量可変機構(102)は、前記制御部(116)によって、前記ポンプモード実行時においても、前記作動室(V)から吐出される前記流体の容量を可変可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記可動部材(104)は、回転駆動する駆動軸(101)によって摺動するように構成されており、
    前記モータモード実行時には、前記駆動軸(101)は、発電機(200)または外部駆動源(20)に接続されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流体機械。
  5. 前記可動部材(104)は、回転駆動する駆動軸(101)によって摺動するように構成されており、
    前記ポンプモード実行時には、前記駆動軸(101)は、外部駆動源(20)または電動機(200)に接続されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流体機械。
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