JP4549884B2 - 流体機械 - Google Patents

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本発明は、流体を加圧して吐出する圧縮モードと、膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力する膨張モードとを兼ね備える流体機械に関するもので、熱エネルギーを回収するランキンサイクル等の熱回収システムを備える蒸気圧縮式冷凍機用の膨張機兼圧縮機に適用して好適である。
従来、ランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機に用いられる流体機械として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。この流体機械は、流体の圧縮機能(ポンプモード)および膨張機能(モータモード)を兼ね備えるポンプモータ機構を有しており、ポンプモータ機構には流体の圧縮用および膨張用の作動室と高圧部との間を連通させる第1連通路、第2連通路、および2つの連通路を開閉する弁機構が設けられている。第1連通路は、ポンプモード時に作動室から高圧部側に流体が流れる流路であり、第2連通路は、モータモード時に高圧部側から作動室に流体が流れる流路である。また、弁機構は、第1連通路を開閉する逆止弁、および第2連通路を開閉する開閉弁(例えば電気式の開閉弁)として形成されている。
そして、ポンプモード時には、開閉弁は第2連通路を閉じ、逆止弁が第1連通路に対して機能することで流体の圧縮を可能とし、また、モータモード時には、開閉弁が第2連通路を開くことで(逆止弁は流体によって閉じられる)、流体の膨張を可能としている。
特開2004−232492号公報
しかしながら、上記流体機械では、第2連通路はポンプモード時における流体のデッドボリューム(圧縮しても高圧部側に吐出されずに作動室に残る部位)となってしまうので、再圧縮損失が増加する。これは、特に、モータモード時に高流量の流体を流すために第2連通路の内径を大きくしたい場合、あるいは、圧縮機として1回転当りの吐出容量が小さく設定される場合に大きな問題となる。
尚、第1連通路の設定される通路体積によっては、第1連通路自身もデッドボリュームを形成する要因となる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、連通路形成に伴うデッドボリューム増加による再圧縮損失を低減可能とする流体機械を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、体積変化される作動室(V)で流体を加圧し、吐出通路(115)、逆止弁(121)を介して高圧部(114)に吐出する圧縮モードと、高圧部(114)から作動室(V)に連通される連通路(116)の高圧部(114)側開閉用の開閉弁(122)を開いて、高圧部(114)から作動室(V)に高圧の流体を流入させると共に、作動室(V)で膨張させて機械的エネルギーを出力する膨張モードとを兼ね備える流体機械において、開閉弁(122)には、この開閉弁(122)が連通路(116)を閉弁する際のシール部(116a)位置よりも作動室(V)側となる作動室側連通路(116b)へ突出する突出部(122c)が設けられ、開閉弁(122)は、作動室側連通路(116b)の延びる方向と同一方向に開閉し、突出部(122c)は、作動室側連通路(116b)をほぼ埋めるように形成されたことを特徴としている。
これにより、突出部(122c)が連通路(116)の容積を縮小させるので、連通路(116)形成に伴うデッドボリュームを小さくすることができ、圧縮モード時における再圧縮損失を低減することができる。
即ち、開閉弁(122)は、作動室側連通路(116b)の延びる方向と同一方向に開閉し、突出部(122c)は、作動室側連通路(116b)をほぼ埋めるように形成されているので、連通路(116)形成に伴うデッドボリュームをほぼゼロにすることができ、更に、圧縮モード時における再圧縮損失を低減することができる。
請求項に記載の発明では、作動室側連通路(116b)は、吐出通路(115)に通じており、突出部(122c)は、更に吐出通路(115)内に至るように形成されたことを特徴としている。
これにより、吐出通路(115)における容積をも縮小させることができるので、更に、圧縮モード時における再圧縮損失を低減することができる。
請求項に記載の発明では、吐出通路(115)の内径は、作動室側連通路(116b)が通じる部位よりも高圧部(114)側において、流体の吐出量に応じた寸法となるように小さく設定されたことを特徴としている。
これにより、吐出通路(115)としての機能を確保しつつ、吐出通路(115)のデッドボリュームを縮小することができる。
請求項に記載の発明では、突出部(122c)の断面は、円形に形成され、突出部(122c)は、開閉弁(122)の本体部(122a)と同軸上に配置されたことを特徴としている。
これにより、開閉弁(122)の加工を容易とすると共に、組付け時の軸線に対する回転方向の位置決めを不要とすることができる。
請求項に記載の発明では、作動室側連通路(116b)が、吐出通路(115)に対して斜めに形成されていることを特徴としている。
これにより、吐出通路(115)を過剰に長くすることなく、作動室側連通路(116b)を提供することができる。
請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の発明において、請求項に記載の発明では、作動室(V)と高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)を備え、壁(112a)には、吐出通路(115)が形成されると共に、壁(112a)の高圧部(114)側の壁面に逆止弁(121)が設けられており、更に、壁(112a)は、吐出通路(115)が形成された部位の厚さより、径方向外側の部位の厚さが、高圧部(114)側に向けて大きくなるように形成されており、作動室側連通路(116b)が、吐出通路(115)から径方向外側へ向けて延びるように形成されると共に、更に高圧部(114)側へ傾いて斜めに形成されており、作動室側連通路(116b)の軸方向の延長上の壁(112a)内に開閉弁(122)が高圧部(114)側へ傾いて斜めに収容されていることを特徴としている。
これにより、作動室(V)と高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)内に、吐出通路(115)の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路(116b)を形成し、更に開閉弁(122)を収容することができる。
また、請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の発明において、請求項に記載の発明では、作動室(V)と高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)を備え、壁(112a)には、作動室(V)と高圧部(114)との間の厚さが比較的厚い部位と、比較的薄い部位とが形成されており、吐出通路(115)が、壁(112a)の薄い部位に、壁(112a)の厚さ方向に延びて形成されており、作動室側連通路(116b)が、吐出通路(115)の厚さ方向の中間部から、壁(112a)の厚い部位に向けて、且つ、高圧部(114)側へ傾いて斜めに延びて形成されており、更に、壁(112a)の厚い部位には、壁(112a)の厚さ方向に延びて高圧部(114)と作動室側連通路(116b)とを連通する高圧室側連通路(116c)が形成されており、作動室側連通路(116b)の軸方向の延長上の壁(112a)の厚い部位に開閉弁(122)が収容されていることを特徴としている。
これにより、作動室(V)と高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)内に、吐出通路(115)の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路(116b)を形成し、更に開閉弁(122)を収容することができる。
請求項または請求項に記載の発明において、請求項に記載の発明では、圧縮モード、あるいは膨張モードを行う機構部は、スクロール型の回転機械であって、壁(112a)は、固定スクロール(112)の基板部(112a)であることを特徴としている。
これにより、固定スクロール(112)の基板部(112a)に、吐出通路(115)の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路(116b)を形成し、更に開閉弁(122)を収容することができる。
請求項に記載の発明において、請求項に記載の発明では、基板部(112a)には、高圧部(114)の外周壁を形成する環状の環状壁が形成されており、開閉弁(122)は、環状壁の外側から吐出通路(115)へ向けて延びる筒状の収容室内に収容されていることを特徴としている。
これにより、固定スクロール(112)の基板部(112a)に、吐出通路(115)の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路(116b)を形成し、更に開閉弁(122)を収容することができ、固定スクロール(112)を小型に構成することができる。
上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
第1実施形態を図1〜図4に示す。第1実施形態は、本発明に係る流体機械を、走行条件に応じてエンジン10が停止されるアイドルストップ車両やハイブリッド車両等に搭載される内燃機関の廃熱利用装置(以下、廃熱利用装置)20に用いられる膨張発電機兼電動圧縮機100(膨張機兼圧縮機110)に適用したものである。廃熱利用装置20は、冷凍サイクル20Aをベースとして、ランキンサイクル30Aが形成されたものであり、制御装置40によって各サイクル20A、30Aの作動が制御されるようになっている。まず、廃熱利用装置20の全体構成について図1を用いて簡単に説明する。
冷凍サイクル20Aは、低温側の熱を高温側に移動させて冷熱および温熱を空調に利用するもので、膨張機兼圧縮機110、凝縮器21、気液分離器22、減圧器23、蒸発器24等が環状に接続されて形成されている。
膨張機兼圧縮機110は、気相冷媒(本発明における流体に対応)を加圧して吐出する圧縮モード(圧縮機として作動)と、過熱蒸気冷媒(本発明における高圧の流体に対応)の膨張時の流体圧を運動エネルギーに変換して機械的エネルギーを出力する膨張モード(膨張機として作動)とを兼ね備えるものである。尚、膨張機兼圧縮機110の詳細については後述する。
凝縮器21は、膨張機兼圧縮機110(圧縮モード時)の冷媒吐出側に設けられ、高温高圧に圧縮された冷媒を冷却して、凝縮液化する熱交換器である。気液分離器22は、凝縮器21で凝縮された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出させるレシーバである。減圧器23は、気液分離器22で分離された液相冷媒を減圧膨脹させるもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ的に減圧すると共に、圧縮モード時の膨張機兼圧縮機110に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨脹弁を採用している。
蒸発器24は、減圧器23にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮する熱交換器であり、この吸熱作用によって空調空気を冷却する。そして、蒸発器24の冷媒流出側には、蒸発器24側から膨張機兼圧縮機110側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁24aが設けられている。
ランキンサイクル30Aは、車両の走行用動力を発生させるエンジン10で発生した廃熱からエネルギー(膨張機兼圧縮機110の膨張モード時における駆動力)を回収するものである。ランキンサイクル30Aは、上記冷凍サイクル20Aに対して、凝縮器21が共用されると共に、この凝縮器21をバイパスするように気液分離器22から膨張機兼圧縮機110および凝縮器21の間(A点)に接続される第1バイパス流路31と、膨張機兼圧縮機110および逆止弁24aの間(B点)から凝縮器21およびA点の間(C点)に接続される第2バイパス流路32とが設けられて、以下のように形成されている。
即ち、第1バイパス流路31には、液ポンプ33が配設されると共に、気液分離器22側から液ポンプ33側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁31aが設けられている。また、A点と膨張機兼圧縮機110との間に加熱器34が設けられている。
加熱器34は、液ポンプ33から送られる冷媒とエンジン10における温水回路10Aのエンジン冷却水(温水)との間で熱交換することにより冷媒を加熱する熱交換器であり、三方弁11によりエンジン10から流出したエンジン冷却水を加熱器34に循環させる場合と循環させない場合とが切替えられる。尚、三方弁11の流路切替えは、後述する制御装置40によって行われるようになっている。
尚、水ポンプ12は温水回路10A内でエンジン冷却水を循環させるポンプ(例えば、エンジン10によって駆動される機械式ポンプあるいは電動モータによって駆動される電動ポンプ)であり、ラジエータ13はエンジン冷却水と外気との間で熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。
また、エンジン10の出口側にはエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ14が設けられており、この水温センサ14で検出(出力)された温度信号は、後述する制御装置40に入力される。
そして、第2バイパス流路32には、膨張機兼圧縮機110側から凝縮器21の冷媒入口側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁32aが設けられている。また、A点とC点との間には開閉弁35が設けられている。開閉弁35は、冷媒流路を開閉する電磁式のバルブであり、後述する制御装置40により制御されるようになっている。また、膨張機兼圧縮機110が圧縮モードで作動する時の冷媒吐出側(後述する高圧室114側)には、膨張機兼圧縮機110の作動を圧縮モードあるいは膨張モードのいずれかに切替える弁機構120が設けられている。弁機構120は、後述する制御装置40により制御されるようになっている。弁機構120の詳細については膨張機兼圧縮機110と共に後述する。
上記気液分離器22、第1バイパス流路31、液ポンプ33、加熱器34、膨張機兼圧縮機110、第2バイパス流路32、凝縮器21等にてランキンサイクル30Aが形成される。
膨張機兼圧縮機110には、発電機および電動機としての両機能を有する発電機兼電動機130が接続されて、膨張発電機機兼電動圧縮機(以下、複合流体機械)100を形成している。以下、複合流体機械100の構成について、図2〜図4を加えて説明する。
複合流体機械100の膨張機兼圧縮機110は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、ミドルハウジング111aとエンドハウジング111bとの間に固定される固定スクロール112、この固定スクロール112に対向して旋回変位する旋回スクロール113、作動室Vと高圧室(本発明における高圧部に対応)114とを連通させる吐出通路(吐出ポート)115、および連通路(流入ポート)116を開閉する弁機構120等から成るものである。
固定スクロール112は、板状の基板部112aおよび基板部112aから旋回スクロール113側に突出した渦巻状の歯部112bを有して構成され、一方、旋回スクロール113は、上記歯部112bに接触して噛み合う渦巻状の歯部113b、およびこの歯部113bが形成された基板部113aを有して構成されており、両歯部112b、113bが接触した状態で旋回スクロール113が旋回することにより、両スクロール112、113により形成される作動室Vの体積が拡大縮小するようになっている。
シャフト117は、ミドルハウジング111aに固定された軸受け117bによって回転可能に支持されて、一方の長手方向端部に回転中心軸に対して偏心して設けられた偏心部117aを有するクランクシャフトである。この偏心部117aには、偏心部117aに対して揺動可能に装着されたブッシング117cが設けられており(従動クランク機構)、このブッシング117cがベアリング117dを介して旋回スクロール113に連結されている。
また、自転防止機構118は、シャフト117が1回転する間に旋回スクロール113がブッシング117c周りに1回転するようにするものである。このためシャフト117が回転すると、旋回スクロール113は、自転せずにシャフト117の回転中心軸周りを公転旋回する。そして、作動室Vは、例えばシャフト117が正方向に回転する時に、旋回スクロール113の外径側から中心側に変位するほど、その容積が縮小するように変化し、逆に、シャフト117が逆方向に回転する時に、旋回スクロール113の中心側から外径側に変位するほど、その容積が拡大するように変化する。
吐出通路115は、基板部112aの中心部に設けられて、膨張機兼圧縮機110の圧縮モード時に最小容積となる作動室Vと、エンドハウジング111bおよび固定スクロール112の間に形成された高圧室114とを連通させて圧縮された冷媒を吐出する断面円形状のポートである。吐出通路115は、基板部112aの面の拡がる方向に対して直交するように穿設されている。尚、高圧室114は、吐出通路115から吐出された冷媒の脈動を平滑化する吐出室の機能を有するものである。
また、連通路116は、吐出通路115と同様に基板部112aに設けられて、膨張機兼圧縮機110の膨張モード時に、高圧室114と、最小容積となる作動室Vとを連通させて高圧室114に導入された高温、高圧の冷媒、つまり過熱蒸気冷媒を作動室Vに導く断面円形状のポートである。
この連通路116は、高圧室114側において上記吐出通路115と隣接して開口されて、過熱蒸気冷媒流通時に圧損とならない通路面積が確保されている。連通路116は、図3に示すように、基板部112a内でくの字状に曲がり、曲がり部分で後述するスプール122の逆止バルブ部122bが当接するシール部116aを形成して、吐出通路115(作動室V側)に通じるように穿設されている。そして、連通路116のうち、シール部116aから吐出通路115(作動室V側)に繋がる間を作動室側連通路116bとしており、作動室側連通路116bは、吐出通路115に対して斜めに形成されている。連通路116は、基板部112aの厚さ方向、即ち、吐出通路115と並行に延びる高圧室側連通路116cを備えている。基板部112aには、比較的厚さが薄い部位と、比較的厚さが厚い部位とが形成されている。そして、吐出通路115は、比較的厚さが薄い部位にこれを貫通して形成されている。作動室側連通路116bは、吐出通路115から、上記の比較的厚い部位に向けて径方向に延びている。高圧室側連通路116cは、上記の比較的厚い部位に位置して形成されている。
尚、高圧室114を形成するエンドハウジング111bには、加熱器34および凝縮器21側に接続される高圧ポート119aが設けられている。また、蒸発器24および第2バイパス流路32側に接続される低圧ポート119bは、後述するモータハウジング131に設けられて、モータハウジング131内を経由して、ミドルハウジング111aと固定スクロール112とによって形成される空間に連通している。
弁機構120は、吐出弁121、スプール122、電磁弁129等から成る。吐出弁121は、吐出通路115の高圧室114側に配置されて吐出通路115から吐出された冷媒が高圧室114から作動室Vに逆流することを防止するリード弁状の逆止弁であり、ストッパー121aは吐出弁121の最大開度を規制する弁止板であり、吐出弁121およびストッパー121aはボルト121bによって基板部112aに固定されている。
スプール122は、連通路116を開閉して膨張機兼圧縮機110の圧縮モードと膨張モードとを切替える開閉弁であり、主にスライド部122a、逆止バルブ部122b、突出部122cを有している。スライド部122aは、スプール122の本体部を成す部位であり、後端側が開口する円筒状に形成されている。スライド部122aの軸方向寸法は、外径寸法に対して大きくなるように設定されている。逆止バルブ部122bはスライド部122aの先端側で、首状部を介して円形の平板状に形成されている。そして、突出部122cは逆止バルブ部122bよりも小径寸法となる円柱状に形成されて、逆止バルブ部122bの先端側に突出するように設けられている。ここでは、突出部122cの体積は、作動室側連通路116bの容積とほぼ同等となるように設定している。また、逆止バルブ部122b、突出部122cは、スライド部122aに対して同軸となるように配置されている。
固定スクロール112の基板部112aには、作動室側連通路116bと同軸で(吐出通路115に対して傾いて)外部に連通する空間が穿設されている。スプール122のスライド部122aの外周にはシール部材124が装着され、スプール122は、突出部122cが作動室側連通路116bを向くようにして空間内に配設され、軸方向に摺動可能となっている。空間の外部開口側はストッパー123(固定)により閉塞されて、スライド部122aとストッパー123との間の空間は背圧室126として形成されている。尚、ストッパー123には、このストッパー123の外径よりも小径で、スライド部122a側に延びる円柱状のガイド部123aが設けられている。また、逆止バルブ部122bがシール部116aに当接した状態で、スライド部122aとストッパー123との間には、スプール122の摺動可能量(スライド量)に対応する隙間が設けられている。
スプール122が背圧室126に配設された状態で、連通孔116の高圧室側連通路116cは、スライド部122aよりも先端側に位置するようになっており、スライド部122aの先端側には、常に高圧室114における冷媒の高圧P1が作用するようになっている。また、背圧室126にはスプール摺動用ガス出入り口部(以下、出入り口部)127が設けられており、後述する絞り128あるいは電磁弁129からの圧力P2が出入り口部127を介して背圧室126に、即ちスライド部122aの後端側に作用するようになっている。
スライド部122aとストッパー123との間にはガイド部123aにガイドされるバネ125が挿入されており、バネ125はスプール122の逆止バルブ部122bがシール部116aに当接して連通路116(作動室側連通路116b)を閉じる方向に弾性力Fを作用させるようになっている。尚、バネ125の弾性力Fは、圧縮モード時の過圧縮が生じてもスプール122がストッパー123側に摺動しない大きさとしている。
突出部122cは、それが作動室側連通路116b内に位置する閉弁時に、作動室側連通路116bによって区画される容積を有意に減少させる程度の径と長さとを与えられる。突出部122cは、作動室側連通路116bによって区画される容積をほぼ満たす程度の径と長さとを与えられることができる。突出部122cの長さは、スプール122の有効な作動範囲内において、突出部122cが作動室側連通路116bから完全に引き出されることができ、しかもシール部116aよりも後退して、シール部116aとの間に必要な流量を流すことのできる環状の通路断面積を提供できるように設定される。よって、スプール122の可動範囲は、スプール122が前進した閉弁時には、突出部122cを作動室側連通路116b内に位置させることができ、スプール122が後退した開弁時には、突出部122cが作動室側連通路116bから完全に引き出され、更に作動室側連通路116bの高圧室側の端部に位置するシール部116aとの間に所要の隙間を形成するまで突出部122cを移動させることができるように設定される。
固定スクロール112(図2中の上側)には、高圧室114と連通して所定の流通抵抗を有する抵抗手段としての絞り128が設けられており、出入り口部127と接続されている。また、固定スクロール112の外周部には電磁弁129が設けられている。電磁弁129は、低圧側流路129aを介して低圧ポート119b側と出入り口部127との連通状態を制御することにより背圧室126内の圧力P2を制御する制御弁であり、後述する制御装置40によって制御される。
具体的には、電磁弁129が閉じた状態では、高圧室114の圧力P1が絞り128および出入り口部127を通って背圧室126に作用し、即ち出入り口部127における圧力P2が高圧P1となって作用する。すると、スライド部122aの先端側および後端側には共に高圧P1が作用することになるので、スプール122はバネ125の弾性力Fにより図3中の左上側に変位され(前進し)、逆止バルブ部122bがシール部116aに当接して流入ポート116が閉じられることになる。尚、絞り128での圧力損失は非常に大きいので、高圧室114から背圧室126に流れ込む冷媒量は無視できるほど小さい。
逆に、電磁弁129を開くと、背圧室126の圧力が低圧ポート119b側に抜けて、出入り口部127における圧力P2が高圧P1より低下して作用する。よって、スライド部122aには(P1−P2)の圧力差ΔPが生じ、圧力差ΔP×スライド部断面積によって得られる作用力はバネ125の弾性力Fに打ち勝って、スプール122はバネ125を押し縮めながら図4中の右下側に変位され(後退し)、逆止バルブ部122bがシール部116aから離れて、連通路116が開かれることになる。つまり、スプール122、バネ125、背圧室126、出入り口部127、絞り128および電磁弁129等により連通路116を開閉するパイロット式の電気開閉弁が構成される。
尚、スプール122が後退する時には、作動室側連通路116bは充分に開口されて、スライド部122aがストッパー123に当接することで(図4)、スライド量が規制される。また、スライド部122aの断面積は、上記圧力差ΔP×スライド部断面積がバネ125の弾性力Fよりも大きくなるように設定することで決定される。
発電機兼電動機130は、直流3相ブラシレスのセンサレス方式の回転電機であり、ミドルハウジング111aに固定されるモータハウジング131内に収容されており、ステータ132およびステータ132内で回転するロータ133等から成る。ステータ132は、巻き線が巻かれたステータコイルであり、モータハウジング131の内周面に固定されている。ロータ133は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、モータ軸134に固定されている。モータ軸134の一端側は、上記膨張機兼圧縮機110のシャフト117に接続されており、また、他端側は、モータハウジング131に固定される軸受け135によって回転可能となるように支持されている。
そして、発電機兼電動機120は、インバータ16を介して、バッテリ15からステータ132に電力が供給された場合には、ロータ133を回転(正方向回転)させて、膨張機兼圧縮機110を(圧縮機として)駆動する電動機として作動する。また、膨張機兼圧縮機110の膨張モード時に発生した駆動力によってロータ133を回転させるトルクが入力された場合(逆方向回転時)には、電力を発生させる発電機として作動する。そして、得られた電力は、インバータ16を介してバッテリ15に充電され、バッテリ15の電力は、車両の各種電気負荷(ヘッドライト、エンジン補機等)17に供給されるようになっている。
制御装置40は、図1に示すように、乗員の設定する設定温度や環境条件等に基づいて決定されるA/C要求信号、水温センサ14等からの信号が入力され、これらの信号に基づいて三方弁11、液ポンプ33、開閉弁35、膨張機兼型圧縮機110の弁機構120(電磁弁129)、発電機兼電動機130の作動を制御する。
次に、本実施形態に係る複合流体機械100の作動およびその作用効果について説明する。
1.圧縮モード
このモードは、シャフト117に発電機兼電動機130によって回転力を与えることにより膨張機兼圧縮機110の旋回スクロール113を旋回させて冷媒を吸入圧縮する運転モードである。
具体的には、乗員からのA/C要求が有ると、制御装置40は、液ポンプ33を停止させた状態で開閉弁35を開き、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させないようにする。また、電磁弁129を閉じてスプール122によって連通路116を閉じた状態で、発電機兼電動機130を電動機として作動させ(正方向回転)、シャフト117を回転させるようにする。
すると、発電機兼電動機130の作動により、膨脹機兼圧縮機110は、周知のスクロール型圧縮機と同様に、低圧ポート119bから冷媒を吸引して作動室Vにて圧縮した後、吐出通路115から高圧室114に圧縮した冷媒を吐出し、高圧ポート119aから圧縮された冷媒を凝縮器21側に吐出する。
そして、高圧ポート119aから吐出される冷媒は、加熱器34→開閉弁35→凝縮器21→気液分離器22→減圧器23→蒸発器24→逆止弁24a→膨脹機兼圧縮機110の低圧ポート119bの順に循環(冷凍サイクル20Aを循環)し、蒸発器24の吸熱による冷房(あるいは凝縮器21の放熱による暖房)が行われる。尚、加熱器34にエンジン冷却水が循環しないので、加熱器34にて冷媒は加熱されず、加熱器34は単なる冷媒通路として機能する。
2.膨張モード
このモードは、高圧室114に加熱器34にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒を膨張機兼圧縮機110に導入して膨脹させることにより、旋回スクロール113を旋回させてシャフト117を回転させ、機械的出力を得るものである。尚、本実施形態では、得られた機械的出力によりロータ133を回転させて発電機兼電動機130(発電機として作動)により発電し、その発電された電力をバッテリ15に蓄えるようにしている。
具体的には、乗員からのA/C要求が無い場合、あるいは空調空気が充分冷却され設定温度より低い場合で、エンジン10の廃熱量が所定量以上ある時(水温センサ14の検出信号から得られる温度が予め定めた所定冷却水温度より高い時)に、制御装置40は、開閉弁35を閉じた状態で液ポンプ33を稼動させ、三方弁11の切替えによって、エンジン冷却水を加熱器34側に循環させるようにする。また、膨張機兼圧縮機110電磁弁129を開いてスプール122によって連通路116を開き、高圧室114に加熱器34にて加熱された高圧の過熱蒸気冷媒を連通路116を経由させて作動室Vに導入して膨脹させる。膨脹を終えて圧力が低下した冷媒は、低圧ポート119bから凝縮器21側に流出される。
作動室Vに導入された過熱蒸気冷媒の膨脹により、旋回スクロール113が圧縮モード実行時の逆向きに回転し、旋回スクロール113に与えられた回転エネルギーは、ロータ133に伝達される。そして、発電機兼電動機130は発電機として作動され、発電された電力はインバータ16を介してバッテリ15に蓄えられる。
そして、低圧ポート119bから流出される冷媒は、第2バイパス流路32→逆止弁32a→凝縮器21→気液分離器22→第1バイパス流路31→逆止弁31a→液ポンプ33→加熱器34→膨脹機兼圧縮機110(高圧ポート119a)の順に循環することになる(ランキンサイクル30Aを循環)。尚、液ポンプ33は、加熱器34にて加熱されて生成された過熱蒸気冷媒の温度に応じた圧力に加圧して液相冷媒を加熱器34に送り込む。
本実施形態においては、スプール122の先端側に突出部122cを設け、この突出部122cが作動室側連通路116b内に入り込み、その体積設定により作動室側連通路116bをほぼ埋めるようにしているので、圧縮モード時における作動室側連通路116bの容積をほぼゼロとすることができ、即ち、デッドボリュームをほぼゼロとすることができ、再圧縮損失を低減することができる。
また、逆止バルブ部122b、突出部122cをスライド部122aに対して、同軸上に配置しているので、スプール122の加工を容易とすると共に、組付け時の軸線に対する回転方向の位置決めを不要とすることができる。
ところで、作動室側連通路116bを吐出通路115と同一方向(基板部112aに直交する方向)として、その方向にスプール122を開閉するように設定すると、複合流体機械100の吐出通路方向の全長が長くなってしまう。そこで、作動室側連通路116bを吐出通路115に対して直交させてスプール122の開閉方向をその方向とすると、スプール122の設置に合わせて吐出通路115が形成される固定スクロール112(基板部112a)の肉厚を大きくする必要が生じ、その分、吐出通路115が長くなり、デッドスペースが増大してしまう。
本実施形態では、作動側連通路116bを吐出通路115に対して斜めに形成すると共に、スプール122が作動室側連通路116bの延びる方向と同一方向に開閉するようにしている。よって、複合流体機械100の全長を悪化させること無く、基板部112aの肉厚の増大を抑えて、吐出通路115におけるデッドスペースを小さくすることができる。
本実施形態では、作動室Vと高圧室114との間を仕切る壁(112a)を備えている。この壁には、そのほぼ中央、つまり回転機械としての回転軸上またはその近傍において、吐出通路115が壁の厚さ方向に真っ直ぐに延びて形成されている。この壁の高圧部114側の壁面には、吐出通路115への逆流を阻止するための逆止弁121が設けられている。さらに、壁は、吐出通路115が形成された部位の厚さより、径方向外側の部位の厚さが、高圧室114側に向けて大きくなるように形成されている。例えば、ほぼ円板状の壁の高圧室114側の壁面に、径方向に沿って延在する半円柱状の隆起を設けることで、壁に所要の厚さを設けることができる。また、ほぼ円板状の壁の高圧室114側の壁面のほぼ半円範囲を厚く、残部を薄く形成することで所要の厚さを与えることもできる。作動室側連通路116bは、吐出通路115から径方向外側へ向けて延びるように形成されると共に、更に高圧室114側へ傾いて斜めに形成される。上記のように壁には径方向外側に向けて厚くなる厚さが与えられているから、高圧室114側へ傾いた通路を形成することが可能となる。そして、作動室側連通路116bの軸方向の延長上の壁内にスプール122が高圧室114側へ傾いて斜めに収容される。ここでも、上記のように壁には径方向外側に向けて厚くなる厚さが与えられているから、スプール122をその壁内に収容することが可能となる。この構成によると、作動室Vと高圧室114との間を仕切る壁内に、吐出通路115の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路116bを形成し、更にスプール122を収容することができる。
本実施形態では、作動室Vと高圧室114との間を仕切る壁(112a)を備えている。この壁には、作動室Vと高圧室114との間の厚さが比較的厚い部位と、比較的薄い部位とが形成されている。そして、吐出通路115が、壁の薄い部位に形成される。この吐出通路115は、壁の厚さ方向に延びて形成される。作動室側連通路116bは、吐出通路115の厚さ方向の中間部から、壁の厚い部位に向けて、且つ、高圧室114側へ傾いて斜めに延びて形成されている。更に壁の厚い部位には、壁の厚さ方向に延びて高圧室114と作動室側連通路116bとを連通する高圧室側連通路116cが形成されている。そして、作動室側連通路116bの軸方向の延長上の壁の厚い部位に、スプール122が収容されている。この構成によると、作動室Vと高圧室114との間を仕切る壁内に、吐出通路115の長さを過剰に長くすることなく作動室側連通路116bを形成し、更に開閉弁122を収容することができる。
本実施形態では、膨張機兼圧縮機110は、スクロール型の回転機械である。そして、壁は、固定スクロール112の基板部112aによって提供される。
本実施形態では、基板部112aには、高圧室114の外周壁を形成する環状の環状壁が形成されることができる。環状壁は、固定スクロール112としてのスクロール室を形成する渦巻壁とは反対側に向けて延び出して形成される。環状壁の端部には、エンドハウジング111b等を装着して高圧室114を区画することができる。そして、スプール122は、環状壁の外側から吐出通路115へ向けて延びる筒状の収容室内に収容されている。この構成によると、固定スクロール112を小型に構成することができる。
尚、スプール122にはシール部材124を設けているので、スライド部122aの連通路116側と背圧室126側との間での冷媒漏れが防止される。また、スライド部122aは、外径寸法よりも軸方向寸法が大きく設定されているので、背圧室126内をスムースに摺動可能となる。また、バネ125はガイド部123aにガイドされるようにしているので、スプール122が開弁する時(後退する時)のバネ125の座屈を防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、スプール122の突出部122cの先端側を更に延ばして、突出部122cが吐出流路115内に至るようにしたものである。そして、吐出流路115の内径を、作動室側連通路116bが通じる部位よりも高圧室114側で、圧縮された冷媒の吐出量に応じた内径寸法となるように小径化し、小径吐出流路115aとして形成している。
これにより、圧縮モード時には、突出部122cによって吐出通路115の容積も縮小させることができるので、吐出通路115におけるデッドボリュームを縮小できる。この時、小径吐出流路115aが本来の吐出通路の機能を果たすことになる。
(第3実施形態)
図6に示すように、バネ125をガイドするガイド部123aは廃止しても良い。即ち、バネ125の外径および全長に応じて(例えば外径に対して全長が短い場合等)ガイド部123aを廃止できる。尚、ストッパー123には、バネ125の内径側を位置決めする位置決め部123bを設けるのが良い。
(第4実施形態)
また、図7に示すように、スプール122(スライド部122a)とバネ125との間に摺動プレート122dを介在させても良い。これによれば、スプール122用材料(例えばアルミニウム系材料)の硬度が、バネ125用材料(例えば鉄系材料)の硬度よりも低い場合に、摺動プレート122dをバネ125と同等の高硬度材とする、あるいは摺動プレート122dの表面にメッキ等の表面硬化処理を行うことで、スプール122におけるバネ125との摺動による磨耗を防止することができる。尚、摺動プレート122dには、バネ125をガイドするガイド部122eを設けても良い。
(その他の実施形態)
複合流体機械100としては、図8(その他の実施形態1)に示すように、電磁クラッチ140を設けると共に、膨張機兼圧縮機110、発電機兼電動機130、電磁クラッチ140の間を変速機構150で接続したものとしても良い。
電磁クラッチ130は、Vベルト(図省略)を介してエンジン10からの動力を受けて回転するプーリ部141、磁界を発生させる励磁コイル142、励磁コイル142により誘起された磁界の電磁力により変位してプーリ部141に吸着するフリクションプレート143、フリクションプレート143に固定されたシャフト144等から成るものである。尚、シャフト144には、ワンウェイクラッチ144aおよびリップシール144bが設けられている。
ワンウェイクラッチ144aは、シャフト144が一方向(プーリ部141の回転方向)にのみ回転することを許容するクラッチであり、また、リップシール144bは、シャフト144とモータハウジング131との隙間から冷媒がモータハウジング131外に漏れ出すことを防止する軸封装置である。
変速機構150は、中心部に設けられたサンギヤ151と、サンギヤ151の外周で自転しつつ公転するピニオンギヤ152aに連結されるプラネタリーキャリヤ152と、ピニオンギヤ152aの更に外周に設けられたリング状のリングギヤ153とから成るものである。そして、サンギヤ151は、発電機兼電動機130のロータ133と一体化され、プラネタリーキャリヤ152は、電磁クラッチ140のシャフト144に一体化され、更に、リングギヤ153は、膨張機兼圧縮機110のシャフト117の反偏心部側に一体化されている。
この複合流体機械100では圧縮モード時において、エンジン10の作動状態(作動あるいは停止)に応じて、膨張機兼圧縮機110の駆動源をエンジン10と発電機兼電動機130とから選択可能となる。即ち、膨張機兼圧縮機110のシャフト117に回転力を与えるに当たって、主に電磁クラッチ140にてエンジン10側と膨脹機兼圧縮機110側とを繋いでエンジン10の動力により回転力を与える場合と、電磁クラッチ140にてエンジン10側と膨脹機件圧縮機110側とを切り離して発電機兼電動機130により回転力を与える場合とが可能となる。
具体的には、エンジン10の作動時に、電磁クラッチ140に通電して電磁クラッチ140を繋ぐと共に、サンギヤ151、つまりロータ133が回転しない程度のトルクがロータ133に発生するように発電機兼電動機130に通電すると、プーリ部141に伝達されたエンジン10の回転力は、変速機構150によって増速されて膨張機兼圧縮機110に伝達され、膨張機兼圧縮機110が圧縮機として稼動される。
また、エンジン10の停止時に(作動時でも良い)、電磁クラッチ140への通電を停止して、エンジン10側と膨脹機兼圧縮機110側とを切り離して、発電機兼電動機130に通電して、プーリ部141の回転方向とは逆回転方向に作動させることで、膨張機兼圧縮機110が圧縮機として稼動される。この時、シャフト144(プラネタリーキャリヤ152)は、ワンウェイクラッチ144aによりロックされ回転しないので、発電機兼電動機130の回転力は、変速機構150にて減速されて膨張機兼圧縮機110に伝達される。
尚、膨張モード時は、電磁クラッチ140への通電を遮断して電磁クラッチ300を切り離すことで、過熱蒸気冷媒の膨脹により旋回スクロール113が圧縮モード実行時の逆向きに回転し、旋回スクロール113に与えられた回転エネルギーは、発電機兼電動機130のロータ133に伝達される。この時、シャフト144(プラネタリーキャリヤ152)は、ワンウェイクラッチ144aによりロックされ回転しないので、旋回スクロール113の回転力は、変速機構150にて増速されて発電機兼電動機130に伝達される。
また、複合流体機械100としては、図9(その他の実施形態2)に示すように、上記第1実施形態に対して、電磁クラッチ140を追加したものとしても良い。即ち、上記第5実施形態で説明した電磁クラッチ140を設けて、電磁クラッチ140のシャフト144を発電機兼電動機130のモータ軸134に接続したものである。
これにより、上記その他の実施形態1と同様に、圧縮モード時に、エンジン10の作動状態(作動あるいは停止)に応じて、膨張機兼圧縮機110の駆動源をエンジン10と発電機兼電動機130とから選択可能となる。尚、膨張モード時は、電磁クラッチ140を切り離すことで、過熱蒸気冷媒の膨脹により旋回スクロール113が回転され、旋回スクロール113に与えられた回転エネルギーは、発電機兼電動機130のロータ133に伝達される。
尚、上記の各実施形態では、スクロール型の膨張機兼圧縮機110を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロータリ型、ピストン型、ベーン型等のその他の形式の膨張機兼圧縮機にも適用することができる。
また、上記の各実施形態では、膨脹機兼圧縮機110にて回収したエネルギーをバッテリ15にて蓄えたが、フライホィールによる運動エネルギーまたはバネによる弾性エネルギー等の機械的エネルギーとして蓄えても良い。
また、ランキンサイクル30Aを備える内燃機関の廃熱利用装置20に本発明に係る流体機械を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
本発明の実施形態におけるランキンサイクルを備える内燃機関の廃熱利用装置を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における膨脹発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。 図2におけるスプール(閉弁状態)近傍を示す拡大断面図である。 図2におけるスプール(開弁状態)近傍を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態におけるスプール近傍を示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態におけるスプール近傍を示す拡大断面図である。 本発明の第4実施形態におけるスプール近傍を示す拡大断面図である。 本発明のその他の実施形態1における膨脹発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。 本発明のその他の実施形態2における膨脹発電機兼電動圧縮機を示す断面図である。
符号の説明
100 膨張発電機兼電動圧縮機(流体機械)
112 固定スクロール
112a 基板部(壁)
114 高圧室(高圧部)
115 吐出通路
116 連通路
116a シール部
116b 作動室側連通路
116c 高圧室側連通路
121 吐出弁(逆止弁)
122 スプール(開閉弁)
122a スライド部(本体部)
122c 突出部
V 作動室

Claims (9)

  1. 体積変化される作動室(V)で流体を加圧し、吐出通路(115)、逆止弁(121)を介して高圧部(114)に吐出する圧縮モードと、
    前記高圧部(114)から前記作動室(V)に連通される連通路(116)の前記高圧部(114)側開閉用の開閉弁(122)を開いて、前記高圧部(114)から前記作動室(V)に高圧の流体を流入させると共に、前記作動室(V)で膨張させて機械的エネルギーを出力する膨張モードとを兼ね備える流体機械において、
    前記開閉弁(122)には、前記開閉弁(122)が前記連通路(116)を閉弁する際のシール部(116a)位置よりも前記作動室(V)側となる作動室側連通路(116b)へ突出する突出部(122c)が設けられ
    前記開閉弁(122)は、前記作動室側連通路(116b)の延びる方向と同一方向に開閉し、
    前記突出部(122c)は、前記作動室側連通路(116b)をほぼ埋めるように形成されたことを特徴とする流体機械。
  2. 前記作動室側連通路(116b)は、前記吐出通路(115)に通じており、
    前記突出部(122c)は、更に前記吐出通路(115)内に至るように形成されたことを特徴とする請求項に記載の流体機械。
  3. 前記吐出通路(115)の内径は、前記作動室側連通路(116b)が通じる部位よりも前記高圧部(114)側において、前記流体の吐出量に応じた寸法となるように小さく設定されたことを特徴とする請求項に記載の流体機械。
  4. 前記突出部(122c)の断面は、円形に形成され、
    前記突出部(122c)は、前記開閉弁(122)の本体部(122a)と同軸上に配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の流体機械。
  5. 前記作動室側連通路(116b)が、前記吐出通路(115)に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の流体機械。
  6. 前記作動室(V)と前記高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)を備え、
    前記壁(112a)には、前記吐出通路(115)が形成されると共に、前記壁(112a)の前記高圧部(114)側の壁面に前記逆止弁(121)が設けられており、
    更に、前記壁(112a)は、前記吐出通路(115)が形成された部位の厚さより、径方向外側の部位の厚さが、前記高圧部(114)側に向けて大きくなるように形成されており、
    前記作動室側連通路(116b)が、前記吐出通路(115)から径方向外側へ向けて延びるように形成されると共に、更に前記高圧部(114)側へ傾いて斜めに形成されており、
    前記作動室側連通路(116b)の軸方向の延長上の前記壁(112a)内に前記開閉弁(122)が前記高圧部(114)側へ傾いて斜めに収容されていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の流体機械。
  7. 前記作動室(V)と前記高圧部(114)との間を仕切る壁(112a)を備え、
    前記壁(112a)には、前記作動室(V)と前記高圧部(114)との間の厚さが比較的厚い部位と、比較的薄い部位とが形成されており、
    前記吐出通路(115)が、前記壁(112a)の前記薄い部位に、前記壁(112a)の厚さ方向に延びて形成されており、
    前記作動室側連通路(116b)が、前記吐出通路(115)の厚さ方向の中間部から、前記壁(112a)の前記厚い部位に向けて、且つ、前記高圧部(114)側へ傾いて斜めに延びて形成されており、
    更に、前記壁(112a)の前記厚い部位には、前記壁(112a)の厚さ方向に延びて前記高圧部(114)と前記作動室側連通路(116b)とを連通する高圧室側連通路(116c)が形成されており、
    前記作動室側連通路(116b)の軸方向の延長上の前記壁(112a)の前記厚い部位に前記開閉弁(122)が収容されていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の流体機械。
  8. 前記圧縮モード、あるいは前記膨張モードを行う機構部は、スクロール型の回転機械であって、前記壁(112a)は、固定スクロール(112)の基板部(112a)であることを特徴とする請求項または請求項に記載の流体機械。
  9. 前記基板部(112a)には、前記高圧部(114)の外周壁を形成する環状の環状壁が形成されており、前記開閉弁(122)は、前記環状壁の外側から前記吐出通路(115)へ向けて延びる筒状の収容室内に収容されていることを特徴とする請求項に記載の流体機械。
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