JP3998993B2 - ウェブに実装されたicチップへのアンテナパターン形成方法と印刷回路形成方法、およびicタグ付き包装体 - Google Patents

ウェブに実装されたicチップへのアンテナパターン形成方法と印刷回路形成方法、およびicタグ付き包装体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、連続的に供給するウェブ材料にICチップを実装し、当該ICチップにアンテナパターンの印刷を行って非接触通信機能を有するICタグ付き包装体や印刷回路を製造する方法等に関する。
包装体に非接触通信機能を有するICタグを装着することが行われるようになってきている。本発明はかかる非接触ICタグ用のICチップを包装体の製造工程において、直接、ウェブ材料に実装し、さらにアンテナパターンや回路の印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来技術】
非接触で情報を記録し、かつ読み取りできる「非接触ICタグ」(一般に、「非接触データキャリア」、「無線ICタグ」、「非接触IC」、「非接触ICラベル」、「RFIDタグ」等と表現される場合もある。)が、物品や商品の情報管理、物流管理等に広く利用されるようになってきている。
食品等の包装体の分野でも非接触ICタグを装着して、流通や品質管理、使用期限管理等に利用することが行われようとしている。
【0003】
包装材料における非接触ICタグの形態について検討すると、基材や包装材料面にアンテナパターンを導電性インキで印刷し、これに、インターポーザ形態のICタグラベルを装着することが行われている。
図10は、従来法による非接触ICタグの実施形態を示す図である。
図10(A)は、ICタグラベル20をパッケージ基材のアンテナパターン11,12の双方に接続するように貼着した平面状態、図10(B)は、アンテナパターン11,12からICタグラベル20を部分的に剥離した状態を示し、図10(C)は、図10(A)のA−A線において拡大した断面を示す図である。
この実施形態の場合、非接触ICタグ10は、パッケージ基材1bにアンテナパターンを直接印刷し、当該アンテナパターン11,12にICタグラベル20を装着した構成となる。
【0004】
なお、ICタグラベル20とは、シリコン基板に集積回路またはメモリあるいはその双方を設けたICチップ21をアンテナパターン11,12に装着可能にタックラベル化した状態のものを意味し、当該ラベル自体にもICチップ21に接続した小型のアンテナ部22,23有するものである(図10(C)参照)。
インターポーザ形態のラベルとしては、モトローラ社の「BiStatix」(商標)が主に使用され、ラベラを用いて簡単に実装できる利点がある反面、ICチップ単体で実装する場合に比べてコスト高になる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このようにタックラベル状のインターポーザが使用されるているのは、ICチップ単体をウェブ材料に加工速度に連動して効率的に装着する技術が無かったことに起因すると考えられる。
一方、ガラス等の枚用状の媒体にICチップを実装する技術は、電子部品基盤等に見られるように古くから確立している。これらの技術では、ICチップをロボットアーム、真空吸引等により実装するものであるが、ICチップの微小化に伴い機械的操作が困難になってきている。
ところで、近年、特開平9-120943号公報、特表平9-506742号公報、または米国特許 5,284,186号、 5,783,856号、 5,904,545号、 6,274,508号、 6,281,038号に見られるように流体を使用して硬質や軟質基材に微小な半導体等を実装する技術(FSA=Fluidic Self Assembly ) が提案されている。
【0006】
本発明は、包装体へのICタグラベルの実装を従来のように、非接触ICタグラベルの貼着によるのではなく、包装材料の製造工程において、特にFSA技術を用いて軟質ウェブ材料に直接ICチップを実装し、さらにアンテナパターンや回路を印刷して非接触ICタグ付き包装体や印刷回路製造の効率化と製造コスト低減を図ろうとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し、アンテナパターンを形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するようにアンテナパターンを、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法、にある。かかる形成方法であるため、効率良くICチップを実装しアンテナパターンを位置合わせして印刷することができる。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し、アンテナパターンを形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するようにアンテナパターンを、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、()ICチップが嵌合し、アンテナパターンを印刷したウェブ材料の凹孔部を含む全面に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムを被覆する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法、にある。かかる形成方法であるため、効率良くICチップを実装しアンテナパターンを位置合わせして印刷し、かつチップの脱落を防止できる。
【0009】
上記形成方法において、アンテナパターンを、パッチアンテナ、平面コイル状アンテナ、ダイポール型アンテナのいずれか、とすることができる。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第3は、ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し印刷回路を形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、
)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するように回路を、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへの印刷回路形成方法、にある。かかる形成方法であるため、凹孔内に嵌合したICチップに回路を位置合わせして印刷することができる。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第4は、ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し印刷回路を形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、
)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するように回路を、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、
)ICチップが嵌合し、回路を印刷したウェブ材料の凹孔部を含む全面に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムを被覆する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへの印刷回路形成方法、にある。かかる形成方法であるため、凹孔内に嵌合したICチップに回路を位置合わせして印刷し、かつチップの脱落を防止できる。
【0012】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第5は、非接触ICタグ機能を有するICタグ付き包装体であって、ウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔が形成され、当該凹孔内にICチップが嵌合し、ホットメルト剤によりウェブ材料に固定した状態で、当該ICチップのパッドに接続するように、アンテナパターンが、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷され、さらに当該ICチップ、アンテナパターン上に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムが被覆されていることを特徴とするICタグ付き包装体、にある。かかるICタグ付き包装体であるため、低コストで量産性あるICタグ付き包装体となる。
【0013】
上記包装体において、アンテナパターンを、パッチアンテナ、平面コイル状アンテナ、ダイポール型アンテナのいずれか、とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
非接触ICタグ付き包装体は、食品等の内容物充填後にICタグを貼着する手間の省略と、流通過程における剥落を防止する観点から、軟包装材料やカートンの場合は、積層するフィルム間にICタグをあらかじめ保持した構成が有利となる。
したがって、非接触ICタグは、ウェブ材料に凹孔を形成してからICチップを充填し、当該充填したICチップに位置合わせしてアンテナパターンや回路を印刷し、その後、接着剤を介してまたは介さずシーラントフィルムを積層する形態が有利である。
本発明は従来のように、アンテナパターンにICタグラベルを貼着するものではなく、上記のようにしてウェブ材料に非接触ICタグの機能を持たせるものである。
【0018】
以下、まず本発明のICタグ付き包装体について図面を参照し説明する。
図1は、本発明のICタグ付き包装体の例を示す図である。図1(A)は、ICタグ付き包装体1の平面図であって、図1(B)は、図1(A)のA−A線において、包装体上側基材のICチップ部を示す断面図である。厚み方向の倍率は横方向よりも拡大して図示している。
図1のように、ICタグ付き包装体1には、凹孔4が形成され当該凹孔内にICチップ2が嵌合している。アンテナパターン11,12は導電性インキによりICチップのパッド(またはバンプ)に接続するように印刷されている。
図1において包装体1は、製袋して内容物を充填した後の状態が示されているが、本発明のICタグ付き包装体は製袋や製函後の状態のみを意味せず、積層フィルムや積層シートであって製袋や製函前の巻き取り状等の形態のものをも包含するものとする。
【0019】
図1(B)のように、アンテナパターン11,12はICチップのパッド2p,2qに接続するように印刷するので、ICチップ2を凹孔4内に充填後に印刷することになる。この際、ICチップが凹孔内に固定された状態にあるのが好ましく、比較的低温で溶融する熱溶融性樹脂層6を設けて固定する。
熱溶融性樹脂層6は、ウェブ材料1bの全面に塗工されているものであっても良いが、少なくとも凹孔4の底面部分に塗工されていることが必要になる。したがって、熱溶融性樹脂層6はICチップの底部2bに事前に塗工されたものであってもよい。
当該ICチップ2とアンテナパターン11,12とにより非接触ICタグ10を構成している。
【0020】
アンテナパターン11,12と共に、包装体に必要な他の絵柄印刷5をすることができる。これはアンテナパターンと同時の工程であっても良く、別工程の異なる印刷方式であっても良い。
ICチップとアンテナパターン面には、EC層または接着剤層等を介してシーラントフィルム3が積層されている。
【0021】
図1(B)の断面図のように、本発明のICタグ付き包装体1では、凹孔4がICチップ2と略同一サイズ、形状で同じ厚みの深さに形成されていて(ICチップ2と凹孔4が相補形状にされている趣旨)、ICチップ2は当該凹孔4内に嵌合するようにして装着されている。このICチップは、後に詳述するように流体中において凹孔4内にセルフアライン(自己整列)させることで充填できるが、他の方式により充填させるものであってもよい。
ICチップ2は実際には、図1(B)断面図よりも平面的のものであるが、表面2uと底部2bとでは面積が異なるので、表裏が逆転して凹孔4内に嵌合しない特徴がある。ICチップ2のパッド2p,2qは通常状態では、表面側に現われるようになる。
【0022】
また、ICチップの表面を矩形状にし、表裏が正しければ左右の向きが入れ替わっても特性に影響ないようにされている。表面が正方形状であるとパッド間を結ぶ方向とそれに直交する方向の制御ができなくなるからである。
もっとも、ICチップの左右の形状を異なるものとし、凹孔の左右の形状も異なるようにし、ICチップの向きと凹孔が一致した場合にのみ嵌合するようにすれば(一方位性とする意味)、表面が正方形状であっても表裏および上下左右の位置規制も可能となる。
【0023】
ICチップはシリコン基盤に半導体を形成後、ダイシングして切断する場合は、矩形状の立方体に形成され、形状のみで表裏を区別することはできない。
しかし、微小なICチップを低コストで製造する場合は、ダイシング溝面積を減少させ収率を高める必要から分離は、基盤の背面側からのエッチングにより行う。そのため、パッド部分が有る表面側に対し背面側は必然的に狭い面積になり、表面と背面間の面は傾斜面になるのが通常である。
チップの表面形状は通常矩形状であるので、ICチップの全体形状は断面台形状であり、特に四角錐の截頭ピラミッド形状となるのが一般的である。
ただし、目的と用途によって、直方体や立方体、円形や円柱状、その他の形状とされる場合もある。
【0024】
ICチップが四角錐の截頭ピラミッド形状である場合、凹孔4とICチップ2の外形形状は完全に同一であるよりは、凹孔の斜面とICチップの斜面の間には、2〜20°、好ましくは3〜5°程度範囲内の角度αがあるのが好ましい。
この角度によりICチップの円滑な嵌合が促進されるからである。また、微小な間隙があってもアンテナパターンの印刷の際は導電性インキが充填されるので導通不良となるようなことはない。
ICチップ2の上面側は、シーラントフィルム3により被覆されているので、凹孔からのICチップの脱落を防止できる。シーラントフィルム3によりウェブ材料の強度が補強されると共に、ヒートシール性や耐湿性の付与、あるいは内容物への印刷インキの付着等も防止できる。
【0025】
アンテナパターンとICチップのパッド(またはバンプ)間は直接的に接続するのが原則であるが、多少位置ずれがあっても「オーミックコンタクト」(オーム性接合)により非接触ICタグとして動作可能となる。
ただし、アンテナパターンの接続端子11c,12cに対し、ICチップのパッドが一方の接続端子側に極端にずれる場合は、パッド間が短絡した状態になり通信回路を形成できない。これはICチップのパッド2p,2qに対するアンテナパターン11,12の印刷位置精度の問題に帰結することになる。
【0026】
図2は、アンテナパターンの接続端子とICチップの相対位置を示す図である。図2(A)は正常の場合、図2(B)は、アンテナパターン11,12の位置がずれた状態を示している。図2(B)では、ICチップの双方のパッド2p,2qが、アンテナパターン12側に接近するので短絡が生じることになる。
結論的には、ICチップのパッド2p,2q間距離Lの1/2以上に、アンテナパターンの接続端子11c,12cの中心位置との距離が、離れた場合は通信回路を形成し難くなることになる。
ちなみに表面が長方形状のICチップの一辺は、10μm〜5mm程度であるから、図2のようなアンテナパターンの場合は、それぞれ5μm〜2.5mm程度の位置精度で形成する必要がある。ICチップが微小になるにしたがい高い開孔位置精度が求められることになる。
なお、ICチップの厚みは5μm〜1000μm程度である。
【0027】
ICチップ2に対してアンテナパターン11,12の位置がずれても、短絡し難くするためには、ICチップのパッド2p,2q間を結ぶ線に対して直交する長い辺を有する接続端子11c,12cを設けるのが有利である。
すなわち、図2(A)において、矢印Y方向に接続端子11c,12cの対向する辺が長ければ、凹孔の位置ずれに対する許容を大きくすることができる。
一般的には、ウェブの走行方向の位置ずれに対して、ウェブの幅方向の位置ずれは小さく制御できるので、矢印Yの方向をウェブの走行方向としてアンテナパターンを印刷するのが有利と考えられる。
ただし、位置制御の容易な方向は、装置によってまちまちであって一律なものではない。したがって、通常の電気部品の場合よりも拡大または延長した方向を有する接続端子部であれば、凹孔の位置ずれに対する許容を大きくできる。
【0028】
アンテナパターンは、図1、図2図示のように静電結合型パターンに限らず、図3のようにコイル状(平面捲線状)の電磁誘導型パターンであってもよい。
静電結合型の場合は、図1、図2のように2片に分離したパッチアンテナ型に印刷し125kHzの通信に使用する。電磁誘導型の場合は、図3(A)の平面コイル状パターン(13.56MHz)や図3(B)のようなダイポール型(UHF−SHF帯)パターンとなる。図3(A)の場合、両接続端子13c,13c間は、ICチップが搭載できるように細線にするのが通常である。
【0029】
パッチアンテナの場合、図1、図2のようにICチップ2を装着したパッド部分に2片のアンテナパターンの接続端子部11c,12cを設ける。
コイル状パターンの場合もICチップの接続端子が形成されるが、図3(A)のようにパターン13の両端部を接近した位置に形成すれば、当該部分を接続端子13cとしてICチップ2に位置合わせして印刷することができる。
図3(B)のダイポール型パターン14の場合も同様であって、ICチップ2の部分に接続端子14cを設けることができる。
図3(C)のように、コイルが13tの部分で折り返すような平面コイルであっても良い。この場合、接続端子13cはコイルの内側にすることもできる。
図3(A),(C)のいずれの場合も、従来のように裏面に回路を設け、かしめ金具で接続したりジャンピング回路を設ける必要がない。
いずれの場合もICチップ2のパッドに対して拡張したまたは延長した接続端子形状とすることにより、印刷位置ずれに対する許容を大きくすることができる。
【0030】
次に、本発明のウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法と印刷回路形成方法について説明する。
図4は、ウェブ材料へICチップを実装しアンテナパターン等の印刷を行う製造ライン図である。
パッケー等に使用するウェブ材料1bを給紙部から供給し凹孔4を形成し、当該凹孔内にICチップ2を実装し、アンテナパターンまたは電気的な回路をインクジェット法で印刷し、さらに、ICチップ2とアンテナパターンまたは電気的な回路を含むウェブ材料面にシーラントフィルム3を被覆する一連の製造ラインを示している。
ただし、本発明は全ての工程を連続したラインで行うことを要件とするものではないので、例えば、ICチップ充填とアンテナパターン印刷を別工程で行うもの、アンテナパターン印刷とその後のEC工程を別工程で行うもの、であっても良い。
【0031】
図4において、エンボス工程では、図示しないエンボス機等によりウェブ材料1bへ凹孔4を形成する。
凹孔の形成とは、ウェブ材料に「くぼみ」状部分を設けることであり、凹孔の深さは実質的に実装されるICチップの厚みや高さに相当し、開口形状はICチップが平面的なものであれば当該平面形状、角錐状または截頭ピラミッド形状等であれば当該外形形状に合わせた形状にする。
通常使用のICチップは厚みは5μm〜1000μm程度であって、表面形状は、一辺が10μm〜5mm角程度の截頭ピラミッド形状のものが多いが、目的により多角錐形状としたり平面な矩形状、等とすることもできる。
凹孔の形成は、加熱可能な適宜な型具を用いる熱エンボス、あるいは熱条件下における真空/圧空成形、レーザー照射等により形成する。
【0032】
ICチップ実装工程では、凹孔4内にICチップ2を嵌合させて充填する。
この工程には、流体を使用するICチップ実装方法(FSA実装)が好適に用いられICチップ充填槽15内で行われる。
ICチップ2は上記の形状に均一に切断または立体形状化したものを、流体内に分散したスラリー状にして使用する。
ICチップをウェブ走行方向に平行な一定ライン上にのみ配列して実装する場合は、ICチップを分散した流体を液中においてディスペンサー等から当該ライン上に流出するようにするのがよい。同一特性、形状のICチップを各凹孔内に1個づつ嵌合させることが原則となるが、複数の特性、形状のICチップを各目的の位置に、それぞれ充填させることもできる。
後者の場合は、異なる特性のICチップ毎に共通の形状を保持させて、流体中にも異なる特性、形状のICチップを分散し、それぞれの形状に合致する凹孔を基材に設け、ICチップ形状と凹孔形状が一致する場合に、当該凹孔内にICチップが嵌合するようにする。
【0033】
用いられる流体は、水や有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、エチルアルコールやメチルアルコール、アセトン、シリコンオイル等であってICやプラスチックフィルムに作用せず、かつ包装体に使用する場合は食品の変質や人体に悪影響を及ぼさないものに限られることになる。包装体の場合、現実的には水やエチルアルコールが好ましく用いられることになる。
分散するICチップの数は、基材に充填する密度により調整する必要があるが、分散量を多くし過剰なICチップは、ウェブ材料を振動させて落下させるようにすれば、充填の効率を高めることができる。分散するICチップの数は、目的とICチップの大きさ等にも関係するが、通常1000〜1000000個/リットル程度とする。
包装材料に非接触ICタグとして実装する場合は、ウェブ材料の1m2 に対して、通常1個以上〜100個以下の数量になる。
【0034】
ICチップを分散した流体が、ICチップが常時流体中に拡散し流動する状態でウェブ基材に当接するためには、ポンプにより液流をつくり層流状態にして基材面に流すことが好ましい。前記のように、ピペットやディスペンサー状の先端部から凹孔のラインに沿って流すようにすることもできる。
凹孔内に嵌合しないICチップは、ウェブ表面に沿って液体を吸引するヘッドを設けて充填槽内で除去することができる。
ICチップ充填槽15の詳細については後述する。
【0035】
ウェブ材料が充填槽から引き出された直後に凹孔以外の部分にもICチップが付着し液体も残っている場合はこれらを除去する必要がある。
このためにはウェブ材料を傾斜して振動を与えるか、ドクターブレード、ブラシ、スクレーパ等の機械的手段により不要なICチップの落下、除去を促進させるが凹孔内に充填したICチップまで取り去らないようにする。
温風や空気流により残余の液体の乾燥を促進することも好ましい。
【0036】
本発明では、上記のようにFSA技術を用いて凹孔にICチップを充填するのが効率良い充填方法であるが、当該方法に限定しない充填方法を採用できる。充填効率の問題もあるが、ICチップをロボットアーム、真空吸引等によりピックアップし、所定の目標位置に実装する技術は既に確立しており、それらの技術を採用することができる。
【0037】
ICチップを凹孔内に一時的に固定するためには、凹孔内の少なくとも底部部分またはICチップの底面に塗工した熱溶融性樹脂層6(図1)を加熱して溶融してから冷却し(室温に戻し)、ICチップをウェブ材料に固定する必要がある。その後のEC工程やラミネート工程での脱落を防止するためである。
これには、前記のように集積回路を形成したシリコン基盤の底面に熱溶融性樹脂を塗工するものでも良く、ウェブ材料の少なくとも凹孔内に部分的に塗工層を設けるものであっても良い。凹孔4の形成と同時に樹脂層を設ける方法も可能である。
【0038】
アンテナ印刷工程では、ICチップ2の充填後、インクジェット印刷機7によりICチップのパッドに接続するようにアンテナパターン11,12の印刷を導電性インキにより行う。印刷するアンテナパターンは図2、図3に図示する各種のパターンとなる。回路とは非接触ICタグの機能を開始させるための短絡回路(切断により短絡が解除される)やその他の電気的な回路である。
印刷方式は各種の方法を採用できるが、微細なアンテナコイルや回路の印刷のためには、インクジェット印刷方式が好ましい。
本発明では、特に無圧で高精度で印刷できるマイクロキャピラリによるインクジェット印刷方式を採用する。インクの吐出方式として、ヘッド部71のマイクロキャピラリ71cと対向電極である金属ロール9の間に電界を印加するコーンジェット(cone-jet) 方式が高粘度インキを吐出できることから好ましい。
図4では、ロータリ式のインクジェット印刷機7を図示しているが、ステージのような平面板上でヘッドを走査させる印刷方式であってもよい。
マイクロキャピラリ71cによるインクジェット印刷法の詳細については後述する。
【0039】
EC工程では、ウェブ材料にシーラントフィルムを積層して被覆する。凹孔内に充填されたICチップ2はウェブ基材と物理的に完全に接合した状態にはないので、フィルムが揺れたり振動したり、下向きになれば凹孔内から脱落することが生じ得る。そこで、ICチップを充填後、凹孔およびウェブ材料の他の部分を含む全面をシーラントフィルムを被覆する。図4では、イクストルージョンコーター(EC)機の場合を例示している。
ウェブ材料1bに溶融したポリエチレン(シーラントフィルム)3等を被覆する場合は、EC機18のゴムロールであるニップロール181側からウェブ材料1bを供給し、Tダイ183から溶融ポリエチレンを押し出し、ウェブ材料と溶融ポリエチレンの一体化フィルムを金属ロールであるチルロール182に押圧して積層する。この際、チルロール側からフィルム3bを供給して3層積層体としてもよい。
本実装方法では、実装したICチップ2が凹孔内に嵌合しているので、ICチップ2がチルロール182側に面するように実装されていても、チルロールを損傷することはない。前工程にAC剤の塗工工程を設ける場合も同様である。
【0040】
シーラントフィルムのラミネート方法としては、EC以外にドライラミネート方式あるいは接着剤を使用するラミネート等、適宜の形態を採用することができる。このようにしてシーラントフィルムが被覆された状態では、ICチップ2は安定した状態になり、その後の製袋や内容物を充填する加工を行っても凹孔4内から脱落するようなことはない。
【0041】
図5は、ICチップ充填槽を示す詳細図である。
ICチップ充填槽15は、ガラスまたは透明アクリル板等で形成する漏斗状の容器からなる。容器の材質は、スラリーで影響を受けることのない他の金属やプラスチックを使用できる。この充填槽に液体を満たし、凹孔4を形成したウェブ材料1bを液体中に走行させる。図5においては、搬送ロールR3とR4間の傾斜面において、ディスペンサー151からICチップの分散したスラリーをウェブ表面に流すようにしている。
ウェブ材料面を流れるスラリーの流速は、1mm/secから約1000mm/sec程度であるが、ウェブ材料の搬送速度やICチップの嵌合速度、ウェブからの除去速度を勘案して適宜に調整するのが好ましい。
ICチップ充填槽15内の液体とスラリーの液体はもちろん同質の液体であるので、ディスペンサー151から流れた液体は速やかに充填槽内に拡散するが、液体よりはやや比重の大きいICチップは沈降してウェブ表面に落ちる。沈降したICチップの幾つかは凹孔に嵌合するが、嵌合しない残余の大多数のICチップはウェブ表面から除去される。
【0042】
ICチップ充填槽15中では凹孔にICチップ2を嵌合させて充填すると共に、余分なICチップを迅速に落下させる必要があるので、ウェブに連続的な振動を与えたり、ICチップを分散しない弱い液流を与えてICチップの嵌合と落下を促進させる。
ウェブ材料は、図5のようにウェブ材料の進行方向に上昇して傾斜するものでなく、進行方向に向かって下降したり、右または左に傾斜して走行するものであっても良い。
【0043】
ディスペンサー151は、ポンプ152からのガス噴出流により加速した流体をウェブ表面に流出させることができる。ディスペンサー151の先端部分は、凹孔の並ぶラインに近い部分に位置させる。1つのディスペンサーで凹孔が完全に充填されない場合は複数のディスペンサーを凹孔のラインに沿って配列することができる。
凹孔に嵌合しないICチップは振動により加速されてウェブの傾斜面を滑り落ちるが、前記のように吸引や強制落下させる機構を設けても良い。
落下したICチップは、漏斗状の受容槽153面に蓄積するので、導通管(カラム)を通じて液流を循環させてディスペンサー151に戻す。これには、空気や水素(H2 )や酸素(O2 )、窒素ガス(N2 )や炭酸ガス、あるいはアルゴンやヘリウム等の不活性ガスをポンプを用いて気泡と共にに流す搬送方法を採用できる。
【0044】
本発明で採用するインクジェット印刷法の詳細について説明する。
図6は、マイクロキャピラリアレイ作製プロセスを示す図である。
まず、シリコンウェハ8上にLPCVD(減圧CVD)法により、シリコン窒化膜(Si3 4 )81を膜厚0.1μmに形成する。その後、スパッタ法によりウェハ両面にアルミ薄膜82を膜厚0.2μm堆積させる。フォトリソグラフィー法により、レジスト層をパターニングし、アルミエッチャントによりアルミ層をパターニングする(図6(A))。
アルミ薄膜82はシリコンをディープエッチングする際のマスクとなる。アルミ層のパターニングの後、ICP−RIE(誘導結合型プラズマ−反応性イオンエッチング)装置を用いた Boschプロセスにより、シリコンウェハ8に貫通孔83のエッチングを行う(図6(B))。
【0045】
この後、アルミ薄膜82の剥離を行い、熱酸化法により貫通孔内部のみ酸化を行いSiO2 層84を設ける(図6(C))。このとき、ウェハ8表面はシリコン窒化膜81に覆われているため、酸化は行われない。
次に、ICP−RIE装置によりシリコン窒化膜81及びシリコンのみ選択的にエッチングし、シリコン酸化物のキャピラリを突出させる(図6(D))。 最後にキャピラリ71cの強度を向上させるため、LPCVD法によりキャピラリ外壁に4〜5μm厚のシリコン酸化膜(SiO2 )を堆積させ、さらにその上に撥水処理として、フルオロカーボン(CFx )系の膜をプラズマCVD法によりコートする(図6(E))。
【0046】
図7は、マイクロキャピラリアレイのSEM写真を図化したものである。図7(B)はキャピラリ頭部の拡大図である。
図7のキャピラリアレイのディメンジョンは、内径20μm、外径30μm、肉厚5μm、間隔100μm、高さ100μmであるが、内径、外径、間隔のいずれもより小さく形成できる。キャピラリの長さは、シリコンウェハの厚みやエッチング時間の調節により行う。
なお、広い面の印刷面の場合は、キャピラリの間隔を適宜に調整したマイクロキャピラリアレイを準備し、各キャピラリを制御して印刷することになるが、線状コイルのような場合は単一のキャピラリを走査して描画することができる。
【0047】
図8は、キャピラリアレイをヘッド部に組み付けた状態を示す模式図である。図8(A)は斜視図、図8(B)はキャピラリ付きチップを下から覗いた底面図である。このキャピラリ付きシリコンチップ85を中心にし、径8mm程度の穴の開いたパイレックスガラス72と接着し、アルミ製の電極73をキャピラリ71cの周囲に配置する。その後、ポリエーテルエーテルケトン製等のヘッドホルダー74に接続し、パッキングを介して不図示のインクリザーバ、圧力導入ポートに接続する。
【0048】
印刷は、幅の広いキャピラリアレイを使用する場合は、キャピラリを制御し金属ドラムを対向電極とするロータリー方式で印刷できるが、1本のキャピラリーで印刷する場合は線描となるので平面で行うのが有利である。後者の場合、ウェブ材料下面の平面板を金属板として対向電極にする。
【0049】
図9は、コーンジェットの模式図を示す図である。コーンジェット吐出方式は、金属キャピラリ17と対向電極19の間に電界を印加し、液体を吐出または噴霧するもので、高粘度液体の吐出も可能である。細管先端に形成されるメニスカスはテイラーコーンと呼ばれている。テイラーコーンの先端から流出するインクストリームは印加電圧により調整されてさらに細流になる。
本発明の形成方法では金属キャピラリではないが、シリコン製キャピラリに電極を配するので、コーンジェット吐出方式を実現できる。
【0050】
次に、本発明に使用する他の材料について説明する。
包装体のウェブ材料には、被覆したカートン紙や板紙、樹脂含浸紙、PETやPBT等のポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、また、無機蒸着フィルムやEVOH等のバリアフィルムが用いられる。流体塗工を行う場合は被覆されていないカートン紙や板紙、通常の紙類は適切とは考えられない。
シーラントフィルムにはPEやPP等のポリオレフィンもしくはそれらの2種以上のフィルムやシートの積層体を使用できる。
基材やシーラントフィルムの厚みは15〜500μmが使用できるが、強度、加工作業性、コスト等の点から20〜200μmがより好ましい。
【0051】
熱溶融性樹脂層6としては、ポリエチレンもしくはエチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体などのオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性エラストマー系、反応ホットメルト系などのホットメルト系樹脂、ワックス等がある。
【0052】
導電性インキには、導電性カーボンや黒鉛、銀粉やアルミ粉、あるいはこれらの混合体をビヒクルに分散したインキを使用する。
あるいはまた、インキコストは割高となるが、酸化錫、酸化インジウム、ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化チタン粉末、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯体(TCNQ錯体)を溶解したもの等を使用した透明導電性インキであってもよい。
アンテナパターンの表面抵抗は、JISK6911による測定値で、106 Ω/ □以下が適用でき、好ましくは104 Ω/□以下で、交信の信頼性を高められる。
【0053】
【実施例】
(実施例)
図1、図3〜図10等を参照して、ICタグ付き包装体の実施例を説明する。厚み40μm、幅300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製「E−5102」)をウェブ材料1bとし、これに、アクリル系ホットメルト剤(熱溶融性樹脂層6)を幅1cm、厚み2μmのライン状になるように印刷してウェブ材料を作成した。
次に、ホットメルト剤塗工ライン上に、開孔4の表面が1520×2040μm、底面が1200×1700μmの矩形状、深さが200μmの逆截頭ピラミッド型になるように、当該形状を有する雄型と雌型の熱成形具を用いて、10cm間隔置きに各1個の凹孔を連続して形成した。
【0054】
ICチップ塗布用スラリーとして、ICチップ約8000個を1リットルの水に分散させたものを準備した。当該ICチップは、表面が1500×2000μm、底面が1200×1700μmの矩形状で、厚みが200μmの截頭ピラミッド型形状、非接触ICタグ用途のものである。
このICチップを分散したスラリーを、図5図示の充填槽内において、前記ウェブ材料面にディスペンサー151から噴射した。
ICチップ充填後のウェブ材料を加熱して熱溶融性樹脂層6によりICチップ2を基材に固定した。
【0055】
別に、前述の方法によりシリコンチップをエッチングして、アレイ状ではない単一のキャピラリを準備した。キャピラリの外径は30μm、内径は20μm、高さ100μmとした。このマイクロキャピラリ71cを前述のようにしてヘッド部71に装着し(図8参照)、以下のようにして印刷した。
金属板面に、凹孔4にICチップ2が嵌合したウェブ材料1bを間欠的に送り、ウェブ材料が停止している間にヘッド部71をXYステージで走査し、キャピラリ71cから導電性インキを吐出して平面コイル状パターン(図3(C))を描画した。
キャピラリ先端から金属板面までの距離は150μmであり、印加圧力は10kPa、印加電圧はDC1.0kVとした。この場合、インクの線幅は、約5μmになった。なお、印加電圧をDC0.6kVとした場合にはインクの太さは約2μmと細くなった。
【0056】
導電性インキには、藤倉化成株式会社製「銀ペースト」を使用した。当該インキは、有機銀化合物と銀フレークの混合物ペーストからなる材料であり、インキ焼成によりさらに低抵抗の導電体になるが、乾燥後未焼成でもICタグとして十分な導電性が得られる。
当該インキの粘度を溶剤で7mPasに調整して使用した。
アンテナパターンを図3(C)のコイル状とし、ICチップのパッドに対して正しく位置合わせして描画することができた。
【0057】
アンテナパターン印刷後、シングルEC機を用いて、ICチップ側にAC(アンカーコート)剤(武田薬品工業株式会社製「A3210/A3075」、固形分5%)を塗布し、乾燥後、樹脂温度320°Cの押出しPE(三井化学株式会社製「ミラソン16P」);押出し厚み20μmにて、厚み40μmのPEフィルム(大日本樹脂株式会社製「SKLフィルム」)と押出しラミネーションを行い、シーラントフィルムを作製した。
【0058】
上記の工程により作製した、ICタグ付き包装体の構成は、
(表)PET40μm/ICチップ/アンテナパターン印刷/AC/PE20μm/PEフィルム40μm(裏)
となった。
【0059】
実施例のICタグ付き包装体を使用して、スナック菓子用包装材料を作製した。確認事項として非接触ICタグ10に対して所定のデータの記録を行った後、読取装置として、モトローラ社製BiStatixリーダー「WAVE」を用いて、情報の読取り試験を行ったところ、全ての包装体の非接触ICタグを正しく読み取りすることができた。
【0060】
本発明のICタグ付き包装体は、データの書き換えができるので、出荷検査結果のデータ、成分表示や賞味期限、製造者名、出荷日等の各種の記録ができ、商品の流通管理、品質管理に好適である。
本発明の包装体は軟包装材料に限らず、紙−フィルム等を積層するカートン等にも適用が可能であり函体状の包装体を除外するものではない。
なお、上記実施例の場合は、コイル状のアンテナパターンであるが、数μm以下の細幅の線も自由に描画できるので、電気回路の印刷も十分に可能である。
【0061】
【発明の効果】
上述のように、本発明のICチップへのアンテナパターン形成方法によれば、ICチップを実装したウェブ材料に対して、高い精度でアンテナパターンを印刷することができる。
本発明のICチップへの印刷回路形成方法によれば、ウェブ材料に実装したICチップに対して精度の高い印刷回路を形成することができる。
また、インクジェット印刷の場合、ICチップに対して無圧で印刷できのでICチップの欠損や破壊を防止できるほか、従来、回路印刷に用いられているシルクスクリーン印刷よりも印刷速度を早くできる利点がある。
本発明のICタグ付き包装体は、従来のように、非接触ICタグラベルを使用しないので、製造原価を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のICタグ付き包装体の例を示す図である。
【図2】 アンテナパターンの接続端子とICチップの相対位置を示す図である。
【図3】 電磁誘導型アンテナパターンを示す。
【図4】 ウェブ材料へのICチップ実装を行う製造ライン図である。
【図5】 ICチップ充填槽を示す図である。
【図6】 マイクロキャピラリアレイ作製プロセスを示す図である。
【図7】 マイクロキャピラリアレイのSEM写真を図化したものである。
【図8】 キャピラリアレイをヘッド部に組み付けた状態を示す模式図である。
【図9】 コーンジェットの模式図を示す図である。
【図10】 従来法による非接触ICタグの実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 ICタグ付き包装体
1b パッケージ基材、ウェブ材料
2 ICチップ
2b ICチップの底部
2u ICチップの表面
2p,2u パッド
3 シーラントフィルム
4 凹孔
5 絵柄印刷
6 熱溶融性樹脂層
7 インクジェット印刷機
8 シリコンウェハ
9 金属ロール
10 非接触ICタグ
11,12 アンテナパターン
13 コイル状パターン
14 ダイポール型パターン
15 ICチップ充填槽
17 金属キャピラリ
18 EC機
19 対向電極
20 ICタグラベル
21 ICチップ

Claims (7)

  1. ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し、アンテナパターンを形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するようにアンテナパターンを、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法。
  2. ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し、アンテナパターンを形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するようにアンテナパターンを、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、()ICチップが嵌合し、アンテナパターンを印刷したウェブ材料の凹孔部を含む全面に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムを被覆する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法。
  3. アンテナパターンが、パッチアンテナ、平面コイル状アンテナ、ダイポール型アンテナのいずれかのパターンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のウェブに実装されたICチップへのアンテナパターン形成方法。
  4. ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し印刷回路を形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するように回路を、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへの印刷回路形成方法。
  5. ウェブ材料に対してICタグ用ICチップを実装し印刷回路を形成する方法であって、(1)走行するウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔を形成する工程と、(2)当該ウェブ材料の凹孔内に、前記外形、深さに相応する形状を有するICチップを嵌合した状態で各1個残す工程と、(3)ホットメルト剤によりICチップを固定する工程と、)前記凹孔内に嵌合したICチップのパッドに接続するように回路を、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷する工程と、()ICチップが嵌合し、回路を印刷したウェブ材料の凹孔部を含む全面に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムを被覆する工程と、からなることを特徴とするウェブに実装されたICチップへの印刷回路形成方法。
  6. 非接触ICタグ機能を有するICタグ付き包装体であって、ウェブ材料に、間隔を置いてICチップの外形、深さに相当する凹孔が形成され、当該凹孔内にICチップが嵌合し、ホットメルト剤によりウェブ材料に固定した状態で、当該ICチップのパッドに接続するように、アンテナパターンが、キャピラリと対向電極間に電界を印加してインクを吐出するインクジェット法で印刷され、さらに当該ICチップ、アンテナパターン上に、EC層または接着剤層を介してシーラントフィルムが被覆されていることを特徴とするICタグ付き包装体。
  7. アンテナパターンが、パッチアンテナ、平面コイル状アンテナ、ダイポール型アンテナのいずれかのパターンであることを特徴とする請求項6記載のICタグ付き包装体。
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