JP3998323B2 - 画面生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータで画面表示プログラムを実行して画面の部位毎の明るさを適宜変化させた表示画面を生成する画面生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画面生成装置として図9に示すものが知られている。
同図において、PC1における主基板1aは、図示しないCPUやRAMといった電子部品を備えており、起動時にハードディスク1bに記憶されたオペレーティングシステム1b1をロードしてワープロソフト1b2や描画ソフト1b3などのプログラムを実行可能となる。さらに、主基板1a上の図示しないグラフィックチップは、オペレーティングシステム1b1の備えるディスプレイドライバにより表示しようとする画像の画像データを生成する。そして、同画像データは所定の信号化処理にて映像信号に変換された後、インターフェイスケーブル2を介してディスプレイ3に伝送され、ディスプレイ3は同映像信号に基づいて実際の画面表示を行っている。
【0003】
ワープロソフト1b2にあっては、表示対象が文字であるため表示画面が明るく見える必要性はなく、むしろ比較的長時間にわたって文字を入力する作業が想定されるため、暗めの表示画面が適していると言える。他方、描画ソフト1b3にあっては、イラストを描いたり、写真を取り込んだりすることからコントラストを強調したい場面が多い。そこで、必要に応じてディスプレイ3に設置された明暗調節つまみ3aやコントラスト調節つまみ3bを操作して明暗を調節したり、コントラストを調節したりしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画面生成装置においては、次のような課題があった。
使必要に応じて利用者が明暗調節つまみ3aやコントラスト調節つまみ3bを操作して表示画面の明暗やコントラストを変更するなどしており、かかる操作が煩わしいことがあった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画面表示プログラムを実行することによって表示画面を生成するにあたり、最適な明るさの表示画面を生成することが可能な画面生成装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、コンピュータで画面表示プログラムを実行して画面の明るさを適宜変化させた表示画面を生成する表示画面生成手段と、複数の画面表示プログラムのそれぞれについて表示内容の特性を表す識別情報を記憶しており、画面表示プログラムの起動時に同画面表示プログラムについての識別情報に基づいて対応する表示内容の特性を識別する表示内容識別手段と、識別された表示内容の特性に応じて視認者にとって見やすい明るさとなるように予め対応づけられた対応関係に基づいて上記表示画面の明るさを変更する明るさ制御手段とを具備する構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、表示画面生成手段は、コンピュータで画面表示プログラムを実行することにより画面の部位毎の明るさを適宜変化させた表示画面を生成し、表示内容識別手段が同画面表示プログラムにて生成される表示内容を識別する。すると、明るさ制御手段が識別された表示内容の特性に応じて視認者にとって見やすい明るさとなるように予め対応づけられた対応関係に基づいて上記表示画面の明るさを変更する。
【0008】
ここで、表示画面生成手段にて生成される表示画面の明るさは画面の部位毎に適宜変化しているが、ここにおける明るさとは利用者が表示画面を視認して主観的に明るいと感じたり、暗いと感じたりする程度であればよい。すなわち、部位毎に明るさが変化するというものの、それが表示画面全体の明暗を意味する場合もあれば、表示画面の濃淡を意味する場合もあり、いずれの場合をも含むものとする。そこで、明るさ制御手段が表示画面の明るさを変更する場合の変更手法の一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、上記表示画面生成手段にて生成される表示画面の輝度を変更する構成としてある。
【0009】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、明るさ制御手段は、表示画面 の輝度を変更可能であり、実際に輝度を変更すると、表示画面全体が明るくなったり、暗くなったりする。
【0010】
また、別の一例として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、上記表示画面生成手段にて生成される表示画面のコントラストを変更する構成としてある。
【0011】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、明るさ制御手段は、表示画面のコントラストを変更可能であり、実際にコントラストを変更すると、表示画面の濃淡が強くなったり、弱くなったりする。むろん、表示画面全体の輝度を変更しつつ、コントラストを変更するというように、複合的に明るさを変更可能であることはいうまでもない。
【0012】
表示画面生成手段による表示画面の生成態様については広義に捉えるものとし、その一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、所定の表示器を備えて上記表示画面を表示する構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、表示画面生成手段は、表示器自体を備えており、この表示器に表示画面を表示する。
【0014】
また、表示画面生成手段が表示器を備えているか否かに関わらず、表示画面の生成態様の別の一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、別体の表示器に上記表示画面を表示するための画像情報を生成して出力する構成としてある。
【0015】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、表示画面生成手段は、所定の画像情報を生成し、別体の表示器が同画像情報に基づいて実際の表示画面を表示する。むろん、ここにおける画像情報は、少なくとも別体の表示器がこれに基づいて実際の表示画面を表示することができればよく、ディジタル画像データであったり、アナログ映像信号であるなど各種の形態のものを適用することができる。また、かかる画像情報を表示器に伝送するインターフェイスは全くの任意であり、シリアルインターフェイス、パラレルインターフェイスやUSBインターフェイスなど各種の形態を適用可能である。
【0016】
このように、表示画面を生成するという場合、画面生成装置が備える表示器に表示するもののみならず、画面生成装置とは別体の表示器に表示画面を表示するための画像情報を生成する場合も含むものとする。例えば、PCが画面表示プログラムを実行して所定のディスプレイに表示する場合、同PCとディスプレイが一体として画面生成装置を構成することもあれば、PC本体のみで画面生成装置を構成することもあり、いずれの場合も本発明に含まれることになる。
【0017】
ところで、近年ではいわゆるマルチウィンドウ機能が採用されるなど、複数のウィンドウを表示して各ウィンドウで異なる表示内容を表示することが行われるに至った。そこで、かかる事情にかんがみ、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記複数の画面表示プログラムを起動して複数の表示窓を表示する表示画面を生成可能であり、上記表示内容識別手段は、上記複数の表示窓の中でアクティブな表示窓の表示内容を識別する構成としてある。
【0018】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、表示画面生成手段は複数の画面表示プログラムを起動して複数の表示窓を表示すると、表示内容識別手段は同複数の表示窓の中からアクティブな表示窓の表示内容を識別する。むろん、アクティブな表示窓を厳密な意味で捉えれば、内部的にCPUの占有率が高い画面表示プログラムに対する表示窓ということになるが、ここにおいては利用者が着目する表示窓としての意味を有する。例えば、複数の表示窓が重なるようにして表示される場合には、最前面の表示窓と考えればよい。また、利用者がアクティブな表示窓を他の表示窓に切り換えた場合には、その切換に応じて表示内容識別手段にてアクティブな表示窓を識別し直し、表示画面の明るさを変更すればよい。
【0019】
表示内容識別手段は、画面表示プログラムが生成する表示内容を識別するが、その識別手法としても各種の手法を適用可能である。例えば、表示画面を走査するとともにパターン認識等の手法を利用して同表示画面の表示内容を認識することも可能である。また、別の識別手法の一例として、請求項1の発明は、上記表示内容識別手段は、複数の画面表示プログラムのそれぞれについて表示内容の特性を表す識別情報を記憶しており、画面表示プログラムの起動時に同画面表示プログラムについての識別情報に基づいて対応する表示内容の特性を識別する構成としてある。
【0020】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、表示内容識別手段は、複数の画面表示プログラムのそれぞれについて表示内容の特性を表す識別情報を記憶しており、画面表示プログラムが起動されると、同識別情報に基づいて同画面表示プログラムに対応する表示内容の特性を識別する。ここで識別すべき表示内容の特性とは、明るさ制御手段が同表示内容の特性に基づいて視認者にとって見やすい明るさとなるように表示画面の明るさを変更することができればよい。むろん、見やすい明るさであるか否かの厳格な判断基準は必要とせず、表示内容の利用状況等に応じて、通常、視認者が見やすいと思われる明るさであれば足りる。例えば、画面表示プログラムがワープロソフトである場合、表示内容の大部分が文字等であるため、表示画面を明るくする必要性はないし、むしろ長時間にわたる入力作業が想定されるため、表示画面を全体として暗くした方が好適であるといえる。
【0021】
このように、実行する画面表示プログラムに応じて明るさを制御する方向性はある程度判明しており、予めその対応関係を記憶しておけばよいが、明るさの感覚については各視認者によって個人差があって一律ではない。そこで、請求項7にかかる発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、利用者が任意に設定可能な上記対応関係に基づいて明るさを変更する構成としてある。
【0022】
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、各画面表示プログラムの表示内容の特性に対して表示画面の明るさの対応関係を利用者が任意に設定可能であり、明るさ制御手段は同対応関係に基づいて表示画面の明るさを変更する。具体的には、所定のユーティリティを用いてかかる対応関係を利用者が容易に設定できるようにしておけば好適である。
【0023】
画面表示プログラムによる表示画面をCRTディスプレイに表示するにあたり、表示画面全体の輝度を変更するであるとか、コントラストを変更する場合、既存の輝度調節回路やコントラスト調節回路を用いて実現することができるが、具体的な明るさの変更方法については、むろん、この構成に限定されることはない。その一例として、請求項8にかかる発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記表示画面をバックライト方式の液晶表示パネルに表示し、上記明るさ御手段は、上記液晶表示パネルのバックライトの発光量を変化させることにより上記表示画面全体の輝度を変更する構成としてある。
【0024】
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、表示画面生成手段は、バックライト方式の液晶表示パネルに表示画面を表示しており、明るさ制御手段が同液晶表示パネルのバックライトの発光量を変化させると表示画面の明暗が変更される。この場合、RGB信号を修正する必要がなく、極めて容易に表示画面の明暗を変更することができる。
【0025】
さらに、表示画面の明るさを変更する別の手法として、請求項9にかかる発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素について輝度情報を表すディジタルデータを生成し、上記明るさ制御手段は、上記輝度情報を修正して上記表示画面の明るさを変更する構成としてある。
【0026】
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、表示画面生成手段は、表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素について輝度情報を表すディジタルデータを生成しており、明るさ制御手段が同輝度情報を修正すると表示画面の明るさが変更される。例えば、表示画面全体の明暗を変更する場合には、各画素について全体として輝度情報を変更すればよいし、コントラストを変更する場合には最大輝度と最低輝度の格差が大きくなるように輝度情報を修正すればよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、画面表示プログラムが生成する表示内容の特性に応じて視認者にとって見やすい明るさとなるように表示画面の明るさを変更するようにしたため、利用者が手動で明るさを調節するなどの煩わしい操作をしなくとも最適な明るさの表示画面を生成することが可能な画面生成装置を提供することができる。
【0028】
また、請求項2にかかる発明によれば、表示画面の明るさを変更する一態様として、表示画面全体の明暗を変更することができる。
【0029】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、表示画面の明るさを変更する一態様として、表示画面のコントラストを変更することができる。
【0030】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、表示画面生成の一態様として表示器に表示画面を表示することができる。
【0031】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、別体の表示器に画面表示する場合に対応することができる。
【0032】
さらに、請求項6にかかる発明によれば、複数の表示窓を表示する表示画面を生成可能な場合に、視認者が着目する表示窓の表示内容にあわせて表示画面の明るさを変更することができる。
【0033】
さらに、請求項1にかかる発明によれば、所定の識別情報に基づいて同画面表示プログラムによる表示内容の特性を容易に識別することができる。
【0034】
さらに、請求項7にかかる発明によれば、利用者が表示画面の明るさを任意に設定することができるため、より見やすい明るさで表示画面を生成することができる。
【0035】
さらに、請求項8にかかる発明によれば、表示画面生成手段がバックライト方式の液晶表示パネルに表示画面を表示する場合に表示画面の明暗を極めて容易に変更することができる。
【0036】
さらに、請求項9にかかる発明によれば、表示画面生成手段が表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素について輝度情報を表すディジタルデータを生成する場合に表示画面の明るさを変更することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる画面生成装置を斜視図により示しており、図2は同画面生成装置を構成するPCとCRTディスプレイの電気的な接続形態を概略ブロック図により示している。
図において、PC10の筐体背面には、CRTディスプレイ20や、キーボードKやマウスMなどの入力系機器がそれぞれ所定のインターフェイスにて接続されており、CRTディスプレイ20はPC10にて表示しようとする表示内容を表示するとともに、利用者は同CRTディスプレイ20の表示内容を視認しつつキーボードKやマウスMなどを用いてPC10に対して入力作業を行う。
【0038】
ここで、PC10とCRTディスプレイ20の具体的な接続形態に着目すると、PC10側の主基板11に配設されたディスプレイ接続端子11aとCRTディスプレイ20側の接続端子21aとが所定のケーブルにて接続されるとともに、主基板11上のシリアルポート11bとCRTディスプレイ20側のシリアルポート21bとが同様に接続されている。そして、前者の接続を介してPC10からCRTディスプレイ20にアナログのRGB信号が伝送され、後者の接続を介してPC10からCRTディスプレイ20に所定のシリアルデータが伝送される。以下、各々の伝送形態について説明する。
【0039】
主基板11は、図示しないCPUやRAMを用いて電源投入時にハードディスク12からオペレーティングシステム12aを読み込んでプログラム実行可能状態となるとともに、オペレーティングシステム12aのディスプレイドライバを実行することによって、図示しないグラフィックチップが表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素についてRGBの輝度情報を表すディジタル画像データを生成する。そして、主基板11は生成したディジタル画像データを所定の信号化処理にてアナログRGB信号に変換した後、ディスプレイ接続端子11aを介して出力する。このアナログRGB信号はCRTディスプレイ20側の接続端子21aを介して映像処理回路22に入力され、当該映像処理回路22が同アナログRGB信号に基づいてCRT23をドライブすることにより画面表示が行われる。
【0040】
オペレーティングシステム12aは、いわゆるGUI(Graphical User Interface)を有するマルチタスク機能を備えており、複数のウィンドウを立ち上げて各ウィンドウで同時にアプリケーションを実行することが可能であるとともに、CPUの空き時間を利用して処理するバックグラウンド処理と、このバックグラウンド処理に優先して処理するフォアグラウンド処理とで処理の優先度を使い分けることが可能である。
例えば、図3は二つのウィンドウを立ち上げて各々のウィンドウで異なるアプリケーションを同時に実行したときのCRTディスプレイ20の表示画面を示している。本実施形態においては、画面最前面にあるウィンドウにて実行されるアプリケーションがフォアグラウンド処理にて処理され、後面側のウィンドウにて実行されるアプリケーションがバックグラウンド処理にて処理されるようになっている。そして、マウス操作や所定のキー操作によって所望のウィンドウを最前面に移動することが可能であり、これに伴ってアプリケーションのフォアグラウンド処理およびバックグラウンド処理が切り替えられる。
【0041】
ハードディスク12には、オペレーティングシステム12aのほかに、同オペレーティングシステム12aのもとで実行可能アプリケーションA、アプリケーションBといった複数のアプリケーションと、監視プログラム12bとが備えられている。ここに、アプリケーションAはワープロソフトであり、他方、アプリケーションBは描画ソフトである。これらのアプリケーションをオペレーティングシステム12a上で実行してワープロ入力画面を表示したり、描画入力画面などを表示するためのアナログRGB信号が生成されることから、本実施形態においては、オペレーティングシステム12aと、これらのアプリケーションとが全体として画面表示プログラムを構成するとともに、同画面表示プログラムと当該画面表示プログラムを実行するハードウェア構成とが表示画面生成手段を構成する。
【0042】
一方、監視プログラム12bは、オペレーティングシステム12aの起動時にメモリに常駐する常駐型のプログラムであり、概略、図4に示すフローチャートに従って処理を実行している。
同図において、ステップS110ではフォアグラウンド処理にて実行されるアプリケーションを検出する。具体的には、オペレーティングシステム12aは、マルチタスク機能を有していることからタスク管理に関する情報を備えており、ステップS110にてかかる情報からフォアグラウンド処理にて実行されるアプリケーションを検出する。
【0043】
監視プログラム12bは、図5に示すように複数のアプリケーションについて、所定の明暗設定情報と、コントラスト設定情報とを対応づけた識別情報を備えており、次なるステップS120ではかかる識別情報を検索して上記のようにして検出したアプリケーションに対応する明暗設定情報と、コントラスト設定情報とを取得する。この明暗設定情報と、コントラスト設定情報は、各アプリケーションによって見やすいと思われる表示画面の明るさを設定するための情報である。同図からも分かるように、明暗設定情報とコントラスト設定情報は、それぞれ「1」〜「10」の整数値で可変であり、数値が高い方が「明るい」、またはコントラストが「高い」を意味している。この明暗設定情報やコントラスト設定情報は、所定のユーティリティを用いて利用者が任意に設定することができるようになっており、各アプリケーションについて利用者が最も見やすいと思われる数値を設定する。
【0044】
アプリケーションがワープロソフトである場合、その表示画面を明るくする必要はないし、むしろ、長時間にわたる入力作業も想定されるため、暗めの表示画面が適しているといえる。一方、描画ソフトにあっては、イラストを描いたり、写真を取り込んだりすることからコントラストを強調したい場面が多い。そこで、かかる要件を満たすべく利用者は上記のような明暗設定情報とコントラスト設定情報とを予め設定しておく。すなわち、設定された明暗設定情報やコントラスト設定情報が間接的に各アプリケーションによる表示内容の特性を表している。従って、本実施形態においては、かかる識別情報を取得する監視プログラム12bと当該監視プログラム12bを実行するハードウェア構成とが表示内容識別手段を構成する。
【0045】
次のステップS130では、ステップS120で取得した明暗設定情報とコントラスト設定情報とに基づいて所定の識別データを生成するとともに主基板11上のシリアルポート11bを介して送出し、以降、同様にしてステップS110〜S130を順繰りに実行する。このように、ステップS110にて繰り返してフォアグラウンド処理のアプリケーションを検出しており、フォアグラウンド処理のアプリケーションが切り換えられたとしても、ステップS110にて切換後のアプリケーションが検出されて同アプリケーションに対する識別データが新たに生成されて送出される。
【0046】
上述したようにして出力される識別データは、CRTディスプレイ20側のシリアルポート21bを介してデコーダ24に入力される。デコーダ24は、同識別データを解析して明暗設定情報とコントラスト設定情報とを検知するとともに、その検知結果に予め対応づけられた所定の制御データを出力する。そして、ここで出力された制御データは、DAC25にてアナログの制御電圧に変換されて出力される。
上述しなかったが、映像処理回路22は既存のABL回路等を利用した輝度・コントラスト調節回路22aを備えており、所定の制御電圧によって表示画面全体の輝度およびコントラストを変化させることができるようになっており、DAC25から出力された制御電圧は、輝度・コントラスト調節回路22aに入力される。すると、輝度・コントラスト調節回路22aは、図5に示す識別情報の内容に基づいて、PC10側の最前面のウィンドウで実行されているアプリケーションに応じた表示画面の明暗およびコントラストに調節することになり、利用者が特に操作しなくとも最適な明るさの表示画面が表示されることになる。
【0047】
以上のように、本実施形態においては、デコーダ24がPC10側の表示内容の特性を表す識別データを検知して表示画面の明暗およびコントラストを制御するための制御データを生成するとともに、DAC25が同制御データをアナログの制御電圧に変換し、輝度・コントラスト調節回路22aが同制御電圧に基づいて表示画面の明暗およびコントラストを制御しており、これらのハードウェア構成が明るさ制御手段を構成する。
【0048】
本実施形態においては、PC10側で生成した識別データをCRTディスプレイ20側に個別のシリアルインターフェイスにて伝送しているが、むろん、かかる識別データの伝送インターフェイスについては、これに限定されることはない。例えば、近年ではディスプレイの最大解像度や型番等の情報を有するDDCチップをディスプレイ側に備えるとともに、このDDCチップとPC側のグラフィックチップとで通信を行って上記のような最大解像度や型番等の情報をPC側で取得することができるようになっている。そこで、かかる通信路を利用してディスプレイ側の輝度やコントラストを制御するようにしてもよい。また、パラレルインターフェイスやUSBインターフェイスなどのインターフェイスを利用するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0049】
さらに、本実施形態においては、CRTディスプレイ20の表示画面の明るさを調節する構成としてあるが、むろん、適用するディスプレイの種類としては、これに限られることはなく、適宜変更可能である。例えば、図6の概略ブロック図に示すものは、PC10の空きスロットに専用のディスプレイボード13を装着し、このディスプレイボード13のディスプレイ接続端子13aとDSTN方式の液晶ディスプレイ30の接続端子30aとがUSBインターフェイスにて接続されている。
【0050】
同図においてディスプレイボード13は、図示しないディジタルデータ生成チップを備えており、同様にしてPC10側にてディスプレイドライバを実行することにより表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素についてRGBの輝度情報を表すディジタル画像データを生成する。そして、このディジタル画像データと、垂直同期信号、水平同期信号やその他のタイミング信号やクロック信号とからなるディジタルデータを生成する。また、PC10側では監視プログラム12bがオペレーティングシステム12aの起動時にメモリに常駐しており、フォアグラウンド処理にて実行されるアプリケーションに応じて所定の識別データを生成していることは上述したものと同様である。ディスプレイボード13は、上記のようなディジタルデータと識別データとをUSBインターフェイスにて液晶ディスプレイ30に伝送する。
【0051】
液晶ディスプレイ30に入力された上記ディジタルデータは、接続端子30aを介してパネル部31に入力される。このパネル部31には、液晶表示パネル31aやインバータ部31bや調光部31cが備えられており、調光部31cにて発光量を調節しながらインバータ部31bにてバックライトを照射しつつ、液晶表示パネル31aにて上記ディジタルデータに基づいて所定の駆動信号を生成するとともに、同駆動信号を用いてX軸とY軸の交点に電圧を印加して画面表示を行っている。
【0052】
他方、液晶ディスプレイ30に入力された上記識別データはデコーダ32に入力され、同デコーダ32はPC10側でフォアグラウンド処理で実行されているアプリケーションの明暗設定情報を検知し、その検知結果に応じてインバータ部31bと調光部31cによるバックライトの発光量を制御する。例えば、PC10側でフォアグラウンド処理にて実行されているアプリケーションがワープロソフトである場合にバックライトの発光量を抑制し、同アプリケーションが描画ソフトである場合にバックライトの発光量を高めるなどする。この場合、バックライトの発光量を制御するだけで極めて容易に表示画面の明暗を変更することができる。
【0053】
また、適用するディスプレイの種別がCRTディスプレイであるか、液晶ディスプレイであるかにかかわらず、PC10は表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素についてRGBの輝度情報で表した画像データを生成していることから、かかる画像データを直接修正することにより表示画面全体の明暗やコントラストを制御することも可能である。例えば、図7に示すように、生成した画像データ(R,G,B)に所定のフィルタ14を適用することにより、輝度成分を変更した画像データ(R’,G’,B’)を新たに生成し、この画像データに基づいて画面表示するようにしてもよい。むろん、このフィルタ14は必ずしも実体として存在する必要はなく、ディスプレイドライバ内の演算処理により実現することも可能である。
さらに、本実施形態においては、PC10とCRTディスプレイ20とを別体に構成しているが、画面表示プログラムを実行する装置と、実際の画面表示を行う表示装置とが一体に構成されていてもよく、例えば、図8に示すようなノート型パソコン100にも適用可能であることは言うまでもない。
【0054】
次に、上記のように構成した本実施形態の動作について説明する。
まず、PC10のディスプレイ接続端子11aとCRTディスプレイ20の接続端子21aとを所定のケーブルにて接続するとともに、PC10のシリアルポート11bとCRTディスプレイ20のシリアルポート21bとを同様に接続したら、PC10とCRTディスプレイ20の電源を投入する。すると、PC10は、ハードディスク12からオペレーティングシステム12aを読み込んでプログラムの実行可能状態となるとともに、アナログRGB信号を生成してディスプレイ接続端子11aから出力する。そして、CRTディスプレイ20は接続端子21aを介して同アナログRGB信号を入力し、映像処理回路22にて所定のドライブ信号を生成してCRT23に画面表示する。また、オペレーティングシステム12aの起動時に監視プログラム12bがメモリに読み込まれてPC10に常駐する。
【0055】
ここで、CRTディスプレイ20の表示画面上でウィンドウを立ち上げてアプリケーションAを実行したものとする。
すると、監視プログラム12bはアプリケーションAが起動されたことを検知し(ステップS110)、対応する識別情報を検索すると、図5の対応関係に示す明暗設定情報「2」とコントラスト設定情報「2」とが取得される(ステップS120)。その後、監視プログラム12bは、かかる明暗設定情報とコントラスト設定情報を表す識別データを生成してシリアルポート11bを介して送出する(ステップS130)。
【0056】
このようにしてCRTディスプレイ20に伝送された識別データはデコーダ24に入力される。デコーダ24は、同識別データを解析して明暗設定情報とコントラスト設定情報とを検知するとともに、その検知結果に予め対応づけられた所定の制御データを出力する。その後、この制御データはDAC25にてアナログの制御電圧に変換されて輝度・コントラスト調節回路22aに入力される。すると、輝度・コントラスト調節回路22aは、同制御電圧に基づいて表示画面全体の輝度とコントラストを調節する。この明暗設定情報とコントラスト設定情報は、「1」〜「10」の整数値で利用者が任意に設定可能であり、それぞれの数値が高い方が表示画面が明るく、コントラストが高いことを示している。従って、この場合の表示画面は、比較的暗く、コントラストも低いことになる。
【0057】
この後、アプリケーションAを立ち上げた状態としつつ、表示画面上で別のウィンドウを立ち上げてアプリケーションBを起動したものとする。すると、アプリケーションAはバックグラウンド処理に変更され、アプリケーションBがフォアグラウンド処理にて実行される。その後、監視プログラム12bは、同様にしてアプリケーションBを検出して上記識別情報を検索すると、図5の対応関係に示す明暗設定情報「6」とコントラスト設定情報「8」が取得される。そして、同様にしてかかる明暗設定情報とコントラスト設定情報を表す識別データを生成してシリアルポート11bを介して送出する(ステップS110〜S130)。
【0058】
CRTディスプレイ20側では、デコーダ24が同識別データを解析して明暗設定情報とコントラスト設定情報とを検知するとともに、その検知結果に予め対応づけられた所定の制御データを出力する。その後、この制御データはDAC25にてアナログの制御電圧に変換されて輝度・コントラスト調節回路22aに入力される。すると、輝度・コントラスト調節回路22aは、同制御電圧に基づいて表示画面の輝度とコントラストを調節する。むろん、このアプリケーションBの場合、アプリケーションAに比べて表示画面は明るく、コントラストも高いことは言うまでもない。
【0059】
アプリケーションBをフォアグラウンド処理にて実行している状態からマウス操作や所定のキー操作によってアプリケーションAのウィンドウを最前面に移動すると、このアプリケーションAがフォアグラウンド処理に切り替わるとともに、アプリケーションBがバックグラウンド処理に切り替わる。すると、監視プログラム12bは、同様にしてフォアグラウンド処理にて実行されるアプリケーションAについての識別データを送信し、CRTディスプレイ20はこの識別データに基づいて表示画面全体の輝度とコントラストを調節する。
【0060】
このように、オペレーティングシステム12a上でアプリケーションA,Bを実行可能なPC10は、オペレーティングシステム12aを介してアナログRGB信号を出力しつつ、常駐型の監視プログラム12bにてPC10側で実行されるアプリケーションに応じて予め利用者によって対応づけられた明暗設定情報とコントラスト設定情報を含む識別データを出力するとともに、CRTディスプレイ20は、同アナログRGB信号に基づいてCRT23に画面表示しつつ、デコーダ24にて同識別データを解析して所定の制御データを生成し、この制御データに基づいて輝度・コントラスト調節回路22aにて表示画面全体の輝度とコントラストを変更するようにしたため、使用する画面表示プログラムに応じて最適な明るさの表示画面を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる画面生成装置を示す斜視図である。
【図2】 同画面生成装置を構成するPCとCRTディスプレイの電気的な接続形態を示す概略ブロック図である。
【図3】 二つのウィンドウで異なるアプリケーションを同時に実行したときのディスプレイの表示画面である。
【図4】 監視プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 識別情報の内容を概念的に示すテーブルである。
【図6】 変形例にかかる画面生成装置の電気的な接続形態を示すブロック図である。
【図7】 RGBの輝度情報で表した画像データにフィルタを適用することによってその輝度成分が変化する様子を示す模式図である。
【図8】 別の変形例にかかる画面生成装置を示す斜視図である。
【図9】 従来例にかかる画面生成装置の電気的な接続形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…PC
11…主基板
11a…ディスプレイ接続端子
11b…シリアルポート
12…ハードディスク
12a…オペレーティングシステム
12b…監視プログラム
20…CRTディスプレイ
21a…接続端子
21b…シリアルポート
22…映像処理回路
22a…輝度・コントラスト調節回路
23…CRT
24…デコーダ
25…DAC
Claims (9)
- コンピュータで画面表示プログラムを実行して画面の明るさを適宜変化させた表示画面を生成する表示画面生成手段と、
複数の画面表示プログラムのそれぞれについて表示内容の特性を表す識別情報を記憶しており、画面表示プログラムの起動時に同画面表示プログラムについての識別情報に基づいて対応する表示内容の特性を識別する表示内容識別手段と、
識別された表示内容の特性に応じて視認者にとって見やすい明るさとなるように予め対応づけられた対応関係に基づいて上記表示画面の明るさを変更する明るさ制御手段とを具備することを特徴とする画面生成装置。 - 上記請求項1に記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、上記表示画面生成手段にて生成される表示画面の輝度を変更することを特徴とする画面生成装置。
- 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、上記表示画面生成手段にて生成される表示画面のコントラストを変更することを特徴とする画面生成装置。
- 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、所定の表示器を備えて上記表示画面を表示することを特徴とする画面生成装置。
- 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、別体の表示器に上記表示画面を表示するための画像情報を生成して出力することを特徴とする画面生成装置。
- 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記複数の画面表示プログラムを起動して複数の表示窓を表示する表示画面を生成可能であり、
上記表示内容識別手段は、上記複数の表示窓の中でアクティブな表示窓の表示内容を識別することを特徴とする画面生成装置。 - 上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画面生成装置において、上記明るさ制御手段は、利用者が任意に設定可能な上記対応関係に基づいて明るさを変更することを特徴とする画面生成装置。
- 上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記表示画面をバックライト方式の液晶表示パネルに表示し、
上記明るさ御手段は、上記液晶表示パネルのバックライトの発光量を変化させることにより上記表示画面全体の輝度を変更することを特徴とする画面生成装置。 - 上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画面生成装置において、上記表示画面生成手段は、上記表示画面を構成するドットマトリクス状の各画素について輝度情報を表すディジタルデータを生成し、
上記明るさ制御手段は、上記輝度情報を修正して上記表示画面の明るさを変更することを特徴とする画面生成装置。
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