JP3997398B2 - 被ポップアップ体の駆動機構およびこれを具備する記録、再生装置 - Google Patents

被ポップアップ体の駆動機構およびこれを具備する記録、再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被ポップアップ体の駆動機構およびこれを具備する記録、再生装置に関するものであり、更に詳しくは、被ポップアップ体をポップアップ位置から格納位置へ戻す操作が円滑に行われる駆動機構、格納位置において被ポップアップ体に遊びを生じない駆動機構、およびそのような駆動機構を具備する記録、再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラ装置の発光部を備えたフラッシュ・ケースがボタン操作によってオートでポップアップするようにした方式のものがある。この種の駆動機構の一例として、フラッシュ・ケースをポップアップ位置に跳ね上げる付勢バネを有すると共に、モータにより移動可能とされた係止レバーを備え、この係止レバーによりフラッシュ・ケースを係止することで付勢バネによる付勢に抗してフラッシュ・ケースが格納位置に格納される。そして、係止レバーによる係止が解除されると、フラッシュ・ケースが付勢バネによってポップアップ位置に跳ね上げられるものである。しかし、このような駆動機構はモータの駆動力によって係止レバーを係止位置と解除位置との間を移動させるものであるから、駆動力の伝達に数段のギア列を必要とし、その分だけ大きいスペースを要することからビデオカメラ装置の小型化の妨げとなるほか、部品点数の増大はコストアップの要因となっていた。
【0003】
これに対してモータやギア列を使用しない駆動機構の考案もある。この駆動機構においては、被ポップアップ体の格納位置での電磁石による保持機構の保持を解除して被ポップアップ体をポップアップさせた後には、電磁石による保持機構の初期化を行うことを必要とするが、その初期化は被ポップアップ体をポップアップ位置へ向けて付勢しているバネと、保持機構に取り付けられているバネとのバネ力の差によるものであり、バネ力のバラツキや、摩擦損によって初期化が十分に行えない場合が存在する。
【0004】
(従来例)
上記のバネ力の差に依ることなく初期化を行ない得るものとして、被ポップアップ体のポップアップと駆動機構の初期化を分離して同時に行う駆動機構が考案されている。図11はそのような従来例のデジタル式スチルカメラ10の正面図であり、発光部69を備えたフラッシュ・ケース61が本体のポップアップ軸72に取付けられており、図示を省略したバネによって実線で示す格納位置から矢印Pで示す反時計回りの方向に回動され、一点鎖線で示すポップアップ位置へ跳ね上げられた状態を示す。なお、同カメラ10にはフラッシュ・ケース61のほか前面にレンズG、上面に機能選択ノブK、シャッターボタン64が配置されている。図11において二点鎖線で示すフラッシュ・ケース61の位置に付いては後述する。
【0005】
また、図12は同カメラ10において、本体側のフラッシュ・ベース71に取り付けられたフラッシュ・ケース61と、その駆動機構80を示す断面図であり、フラッシュ・ケース61が一点鎖線で示す格納位置〜実線で示すポップアップ位置へ跳ね上げられた状態を示す。
【0006】
図12に示すように、フラッシュ・ケース61の左端部に形成された軸穴66にフラッシュ・ベース71のポップアップ軸72が挿通されており、かつフラッシュ・ケース61のピン78とフラッシュ・ベース71のピン68との間に引張コイルバネ67が張設されているので、駆動機構80のソレノイド101の電磁コイル106に電流が流され、可動子108が永久磁石103の吸着から解放されることにより、可動子108の連結穴109に係止軸88が挿入されて連結された第1レバー81のフック部83と、フラッシュ・ケース61の右端側の切欠き62によって形成された突起状係合部63との係合が外れてフラッシュ・ケース61がポップアップ位置へ跳ね上げられる。
【0007】
そして第1レバー81は長孔86内の回動軸76の回り回動可能とされ、第1レバー81と対になっている第2レバー91は軸穴96内の回動軸77の回りに回動可能とされ、かつ第1レバー81と第2レバー91とは引張コイルバネ97によって連結されている。このとき、第2レバー91の軸77から引張コイルバネ97の取付け箇所までの距離Qの方第1レバー81の軸76から引張コイルバネ97の取付け箇所までの距離Sよりも大とすることで、第2レバー91は反時計回りの方向に回動されて、第2レバー91の下端部95が第1レバー81の下端部85を介してソレノイド101の可動子108を右方へ移動させる。
【0008】
そのことによって可動子108の二股部108a、108bを固定子105の穴へ押し込みソレノイド101に取り付けの永久磁石103に吸着させることにより駆動機構80はフラッシュ・ケース61の格納に備えて初期化されるのである。駆動機構80が初期化されていないと、ポップアップ位置にあるフラッシュ・ケース61を元の格納位置へ戻す時に、フラッシュ・ケース61の突起状係合部63と第1レバー81のフック部83との係合が不能になるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記駆動機構80の初期化は第1レバー81と第2レバー91の機構的な動作によって行うものであるが、第1レバー81の長穴86の故に第1レバー81と第2レバー91の位置関係がやや不安定なこともあり、外部衝撃、その他の原因によって、時として第1レバー81による駆動機構80の初期化が不能となり、フラッシュ・ケース61を格納位置へ戻せない場合が発生するのである。
【0010】
更には、図11において、フラッシュ・ケース61の二点鎖線で示す位置は、誇張して描いたものであるが、フラッシュ・ケース61が下方へ完全に押し下げられた実線で示す位置から実際にはポップアップ軸72を中心として反時計回りの方向に僅かに浮き上がった位置を示す。この浮き上がりは、ポップアップ軸72から最も遠い部分でも1mm以下であるが、手指で押し下げることのできる遊びである。この遊びを生じている原因を調べたところ、図13に拡大して示すがフラッシュ・ケース61の突起状係合部63に係合する第1レバー81のフック部83は、図13のAに示すように、突起状係合部63の上面がフック部83の下面より僅かの間隔hだけ低い位置とした状態において、すなわち、フラッシュ・ケース61を下方へ若干オーバーストロークさせた状態において、反時計回りの方向へ付勢されている第1レバー81のフック部83が切欠き62内へ入り込む。
【0011】
そして人手が離れると、フラッシュ・ケース61は反時計回りの方向へ付勢されていることから、突起状係合部63は上記の間隔hだけ浮き上がって図13のB に示すように、突起状係合部63とフック部83との係合が完了する。すなわちフラッシュ・ケース61のオーバーストロークが遊びの原因となっていた。従って、このフラッシュ・ケース61の遊びは採用している駆動機構80に基づくものであり、この機構80に依る限り完全には防ぎ得ないものである。
【0012】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、初期化トラブルを招かない被ポップアップ体の駆動機構、被ポップアップ体が格納位置において遊びを持たない被ポップアップ体の駆動機構、およびそのよう駆動機構を具備する記録、再生装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は請求項1の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、次の如くである。
【0014】
請求項1の被ポップアップ体の駆動機構は、第1付勢手段により所定の方向に常に付勢力を受ける被ポップアップ体を所定の格納位置と所定のポップアップ位置との間で移動させるように設けられた被ポップアップ体の駆動機構において、静止体に固定された第1回動軸が上端部の第1挿入穴に挿通されて、第1回動軸の回りに回動可能に取り付けられており、第1挿入穴を挟む一方に被ポップアップ体の突起状係合部に係合するフック部を備え、他方に第2付勢手段の一端の係止部を備え、かつ下端部が第2レバー上の第2回動軸の回りに回動可能に取り付けられた第1レバーと、上端部の第2挿入穴に第1回動軸が第1レバーと共通に挿通されて、第1回動軸の回りに回動可能に取り付けられており、第1回動軸から下方のそれぞれ異なる方向上に形成された傾斜平面部と、第1回動軸に平行な第2回動軸と、先端側に球面体部を備えた棒状連結部と、を有する第2レバーと、一端を第1レバーの係止部に係止され、他端を静止体に係止されて、両端を拡げる方向に付勢された第2付勢手段と、マグネットおよび電磁コイルの巻装された固定子を備え、固定子内に挿入された可動子の脚部がマグネットによる吸着位置とマグネットからの離脱位置との間を移動可能に設けられ、可動子の頭部に形成された連結穴に第レバーの棒状連結部が先端の球面部を挿着して傾動自在に連結されたマグネット付き電磁吸着装置と、から構成されており、被ポップアップ体が格納位置にある場合に、電磁コイルに通電しない時には、マグネットの磁気吸着力によって可動子の脚部がマグネットによる吸着位置にあり、第2付勢手段の付勢力によって第1レバーが第1回動軸の回りに回動され、第1レバーのフック部が被ポップアップ体の突起状係合部に係合されて被ポップアップ体のポップアップを抑止し、電磁コイルに通電する時には、マグネットの磁気吸着力に抗する反対方向の磁気力を生じ、第1付勢手段の付勢力によって可動子の脚部がマグネットによる吸着位置から離脱され、第1レバーおよびその下端部と第2回動軸で連結されている第2レバーが第1回動軸の回りに回動されて、被ポップアップ体の突起状係合部に対する第レバーのフック部の係合が解放されることにより、被ポップアップ体が格納位置からポップアップ位置までポップアップされる被ポップアップ体の駆動機構である。
【0015】
このような被ポップアップ体の駆動機構は、格納位置にある被ポップアップ体に対し、必要な時にマグネット付き電磁吸着装置の電磁コイルに電流を流すことによって直ちにポップアップ位置へ跳ね上げることができ、被ポップアップ体を格納位置へ戻す時には駆動機構の初期化が確実に行われる。
【0016】
請求項1に従属する請求項2の被ポップアップ体の駆動機構は、被ポップアップ体のポップアップ位置から格納位置への格納が人手によって行われる駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、格納位置への復帰を人手で行うことにより復帰のための機構を必要とせず、駆動機構を単純化させコストを低下させる。
【0017】
請求項1に従属する請求項3の被ポップアップ体の駆動機構は、第2レバーの傾斜平面部が第1レバーのフック部の下方となる位置に外側へ向かって下向きの傾斜面として形成されており、被ポップアップ体が格納位置となる時に、被ポップアップ体の突起状係合部が第2付勢手段によって付勢されている第1レバーのフック部と第2レバーの傾斜平面部との間の奥ほど狭くなるに間隙に挟持される駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、被ポップアップ体の突起状係合部を付勢された第1レバーのフック部と第2レバーの傾斜平面部との間の奥になる程狭くなる間隙に被ポップアップ体の突起状係合部を緩みなく挟持する故に被ポップアップ体の浮き上がりを完全に抑止する。
【0018】
請求項1に従属する請求項4の被ポップアップ体の駆動機構は、人手によって被ポップアップ体が格納される時に、被ポップアップ体の突起状係合部が第2レバーの傾斜平面部に当接し押し下げて第2レバーを第1回動軸の回りに回動させるが、それに伴い第2レバーの棒状連結部がマグネット付き電磁吸着装置の可動子の脚部を固定子内へ押し込みマグネットに吸着させることによって初期化が行われる駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、人手で被ポップアップ体を格納位置へ戻すに際し、通常的には第1回動軸の挿通された長穴が移動するような動作が含まれず、自由度の小さい動作によって駆動機構の初期化が行われることから、誤動作による駆動機構の初期化不良を発生させない。
【0019】
請求項1に従属する請求項5の被ポップアップ体の駆動機構は、第1レバーの第1挿入穴が円弧状長穴とされており、被ポップアップ体がポップアップの動作中またはポップアップ動作の終了後に、何らかの原因によって可動子の脚部がマグネットに吸着されて、第1レバーのフック部が既に被ポップアップ体の突起状係合部との係合位置となっている場合に、被ポップアップ体の格納に際し、被ポップアップ体の突起状係合部が第1レバーのフック部を押すことにより、第1レバーが、第1回動軸の挿通された円弧状長穴の範囲内で、第2レバー上の第2回動軸の回りに回動され、それに伴って回動される第2レバーの棒状連結部が可動子をマグネットによる吸着位置から離脱させることによって初期化が行われる駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、被ポップアップ体を人為的にポップアップさせた場合にも、駆動機構を破損させない。
【0020】
請求項1に従属する請求項6の被ポップアップ体の駆動機構は、被ポップアップ体が被写体を撮影する機器の閃光装置の発光部である駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、必要に応じて閃光装置の発光部がポップアップ位置に跳ね上げられてフラッシュ撮影が可能となり、発光部を格納位置へ戻すに際しても、駆動機構の初期化が確実に行われポップアップ不能や格納不能のトラブルを招かない。
【0021】
請求項6に従属する請求項7の被ポップアップ体の駆動機構は、計測された被写体の照度が所定値より小さい時に電磁吸着装置の電磁コイルへの通電が行われる駆動機構である。
このような被ポップアップ体の駆動機構は、被写体の照度が所定値より小さい場合には自動的に直ちに閃光装置の発光部がポップアップされ、シャッターチャンスを逃さないで撮影することができる。
【0022】
請求項8の記録、再生装置は、請求項1から請求項7までの何れかに該当する被ポップアップ体の駆動機構を具備する記録、再生装置である。
このような記録、再生装置はカメラ等の撮影機器以外の録音、再生装置や受信機、発信機等においても、請求項1から請求項7までの何れかの駆動機構によってマイクロフォン、アンテナ、センサー、レンズ、またはミラーを必要に応じポップアップさせ、また格納することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の被ポップアップ体の駆動機構は、被ポップアップ体を格納位置からポップアップ位置まで跳ね上げるポップアップ動作は駆動機構によって行い、ポップアップ位置から格納位置までの格納動作は手動で行うものであるが、勿論、駆動機構の機能を高めて格納動作を自動的に行うことを排除するものではない。
また、被ポップアップ体をポップアップさせる駆動機構には種々の方法によるものがあり得るが、被ポップアップ体をポップアップ位置へ跳ね上げた後に、次の格納に備えて駆動機構を初期化させるに際し、初期化が確実に行われるものとすること、被ポップアップ体が格納位置において遊びを持たないものにすることを目的とするものであるから、その目的にかなった構成の駆動機構となっている。
【0024】
本発明の被ポップアップ体の駆動機構は、上述したように、被ポップアップ体を格納位置からポップアップ位置へ開動させる駆動源である第1付勢手段には例えば引張コイルバネが採用され、ポップアップ位置から格納位置への閉動と引張コイルバネの引き伸ばしは人手によるものとなっている。そのために、静止部と静止部上の格納位置にある被ポップアップ体の一端部とを回動軸によって連結すると共に、被ポップアップ体の下端部の一端側と静止部との間に引張コイルバネを張設して被ポップアップ体を回動軸の周りに回動するように付勢される。第1付勢手段としては引張コイルバネが好適に使用されるが、勿論、引張コイルバネ以外のものを採用してもよい。
【0025】
上記の付勢手段と共に、被ポップアップ体の下端部の他端側の切欠きによって形成されている突起状係合部に対し、静止部に回動可能に取り付けた第1レバーのフック部を係合することにより、付勢されている被ポップアップ体を格納位置に保持するものとなっている。この時、第1レバーのフック部による係合を確実なものとするために、第2付勢手段としての例えば捩りコイルバネの一端を第1レバーに係止し、他端を静止部に係止して、両端を拡げるように付勢することにより、第1レバーのフック部を被ポップアップ体の突起状係合部側へ付勢することが行われる。
【0026】
そして、被ポップアップ体を格納位置からポップアップ位置へポップアップさせるには、マグネットを備えた電磁吸着装置により第2レバーを介して第1レバーを回動させることにより被ポップアップ体の突起状係合部に対する第1レバーのフック部の係合が解放され、付勢されている被ポップアップ体が回動してポップアップされる。なお、上記のマグネット付き電磁吸着装置とは、例えば永久磁石を備えたソレノイドであり、ソレノイドの固定子に巻装された電磁コイルに電流が流れていない時には固定子内に挿入された可動子の脚部がマグネットに吸着され、電磁コイルに直流電流を流した時にはマグネットの吸着力に抗する磁界が形成されることにより、可動子の脚部がマグネットの吸着から離脱されるものである。従って被ポップアップ体を格納位置からポップアップさせる必要がある時に電磁コイルに向きの決まった直流電流が流される。
【0027】
上記マグネット付き電磁吸着装置の可動子の往復は静止部に回動可能に取り付けられた第2レバーによって第1レバーの回動運動に変換される。すなわち、第2レバーには先端に球面体部を有する棒状連結部が設けられており、棒状連結部の球面体部が可動子の頭部に形成された係合穴の内壁面に接して挿着されており、棒状連結部は傾動自在な状態で可動子と連結されていることから、可動子の往復は第2レバーの回動に円滑に変換される。そして、回動を必要としているのは第1レバーであるから、第2レバーの回動をそのまま第1レバーの回動とするために、第2レバーに設けられた第2回動軸の回りに第1レバーを回動可能に取り付けると共に、両レバーを静止部に設けられた第1回動軸の回りに共に回動可能に取り付けたものとしている。勿論、第1レバーに棒状連結部を設けてもよくそのことよって可動子の往復を直接に第1レバーの回動運動に変換することは可能であるが、しかし後述するように、レバーに上記の運動の変換と、それ以外の機能を同時に持たせる場合には第2レバーを導入することの方が好ましい選択となる。
【0028】
例えば、ポップアップ位置にある被ポップアップ体を格納位置に復帰させる場合、回動されて変化している第1レバーの位置も復帰させて初期の状態に戻さないと被ポップアップ体の突起状係合部に第1レバーのフック部が係合されない状態を生ずるので、第1レバーを含む駆動機構全体を初期化させることを要する。その初期化のために、下降される被ポップアップ体の突起状係合部によって第1レバーを押し下げ、ポップアップ時の係合を解放した方向とは反対の方向に第1レバーを回動させ、それによって第2レバーを回動させて可動子を押し戻し、その脚部をマグネットに吸着させることができれば好ましいが、押し下げるべき第1レバーのフック部はポップアップ時に既に回動されており、被ポップアップ体の突起状係合部が下降される時の回動軌跡上には存在しない。従って、その回動軌跡上で、フック部の係合時には障害とならない位置に、下降されるフック部が当接して押し下げることのできる部分、好ましくは平面部を設けることが必要になる。しかし目的がそれだけであれば、第1レバーのフック部の直下を避けた箇所に上記の平面部を設けることで目的を達成することができるので、第2レバーは敢えて必要としない。
【0029】
更に考慮すべきことは、まだ駆動機構を初期化させていない時点で、何らかの原因によって可動子がマグネットに吸着されて駆動機構が既に初期化されてしまっている場合であり、その場合には殆ど下降した被ポップアップ体の突起状係合部の下方に通常の係合時には上方となる第1レバーのフック部が存在することになるので、被ポップアップ体を格納位置へ戻せないことになる。この問題を解決するには、突起状係合部に押されるフック部をその場で逃げるように回動させ、そのことによって可動子のマグネットによる吸着を離脱させることができれば、本来の状態が取り戻せることなる。そして、そのことは、静止部に設けられた第1回動軸が挿通される第1レバーの挿入穴を円弧状長穴にすると共に、第1レバーと一体的に第2レバーを設け、第1レバーを第2レバーに設けた第2回動軸の回りに回動させるように両レバーを組み合わせることによって可能になる。
【0030】
すなわち、第1レバーには、被ポップアップ体の突起状係合部に係合させるフック部と、第2付勢手段である捩りコイルバネの一端の係止部と、第2レバーに設けられた第2回動軸に回動可能に係止される鉤部と、静止部の第1回動軸が挿通される円弧状長穴とが設けられ、第2レバーには静止部の第1回動軸が挿通される丸穴と、マグネット付き電磁吸着装置の可動子の連結穴に連結される先端が球面体部の棒状連結部と、第1レバーの鉤部が係止される第2回動軸と、被ポップアップ体の突起状係合部が当接して押し下げるための傾斜平面部とが設けられる。そして、第1レバーの円弧状長穴と第2レバーの丸穴には静止部の第1回動軸が共通して挿通されることから、第1レバーと第2レバーとは協同的に作動することになる。そして、上記の通常時における駆動機構の初期化は、格納するべく下降される被ポップアップ体の突起状係合部が第2レバーの傾斜平面部を押し下げることにより、第2レバーが第1回動軸の回りに回動され、第2レバーの棒状連結部がマグネット付き電磁吸着装置の可動子の脚部を固定子内に押し込みマグネットに吸着させることによって行われることになる。
【0031】
更には、第2レバーの傾斜平面部の形成位置と、外側へ向かって下向きの傾斜角度を適切に設定することにより、被ポップアップ体の突起状係合部を押さえる第1レバーのフック部と第2レバーの傾斜平面部とによって奥ほど狭くなる間隙を形成し、格納位置となる被ポップアップ体の突起状係合部を上記の間隙で挟持すると、第1レバーは第2付勢手段である捩りコイルバネによって外側へ、すなわち突起状係合部の方へ付勢されているので、突起状係合部は上下に遊びなく保持され、格納位置にある被ポップアップ体に遊びを発生させない。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の被ポップアップ体の駆動機構を実施例によって図面を参照し具体的に説明する。
【0033】
(実施例)
図1は本発明の被ポップアップ体の駆動機構が適用されたデジタル式スチルカメラ1の斜視図ある。すなわち、デジタル式スチルカメラ1はレンズ2とその上部にポップアップされる発光部19を備えたフラッシュ・ケース11が設けられており、フラッシュ・ケース11は通常的には人手によって矢印Aで示す方向に押し下げることによって格納される。そのほか同カメラ1の上面には機能選択ノブ3やシャッターボタン4などが取り付けられている。
【0034】
「駆動機構の構成」
図2は、フラッシュの発光部19を収容するフラッシュ・ケース11が格納位置にある状態を、その駆動機構30と共に示す部分断面図である。図2に示すように、フラッシュ・ケース11はフラッシュ・ベース21上において、フラッシュ・ベース21の軸穴23に挿通されたポップアップ軸13の回りに回動可能に取り付けられている。そして、フラッシュ・ケース11の係止ビス18とフラッシュ・ベース21の係止ビス28との間に引張コイルバネ17が張設されており、フラッシュ・ケース11は常に矢印Bで示す時計回りの方向に回動するように付勢されている。そして、詳しくは後述するが、フラッシュ・ケース11はその左側の底部の突起状係合部12が第1レバー31のフック部32によって係合されており、第1レバー31と協同的に作動する第2レバー42を介して駆動機構30の自己保持型電磁吸着装置であるマグネット付きソレノイド51と連結されている。
【0035】
図3は図2におけるマグネット付きソレノイド51の平面図であり、図4は図2における第1レバー31と第2レバー41の外形を分離して示す図である。図2および図3を参照して、マグネット付きソレノイド51は、マグネット保持部52に永久磁石53が保持されており、かつ、マグネット保持部52に形成された2個の固定穴54にはフラッシュ・ベース21のボス25が挿通されて固定されている。そして、マグネット保持部52と磁気回路を構成するように固定子55が設けられており、この固定子55に穴55a、55bが形成され、固定子55の周囲には電磁コイル56が巻装されている。また、電磁コイル56の巻き始めと巻き終わりはコイル端子57a、57bに接続されているほか、ほぼU字形状とした二股の可動子58がその脚部58a、58bを固定子55の穴55a、55bへ挿入されて底面に達している。更には、脚部58a、58fが一体となった根元部には連結穴59が形成されており、後述するように、その内壁に接して第2レバー41の棒状連結部45の先端の球面体部46が挿着される。
【0036】
また図2および図4を参照して、第1レバー31の円弧状長穴33と第2レバー41の丸穴43には、フラッシュ・ベース21に立設された第1回動軸26が共に挿通されており、かつ第2レバー設けられた第2回動軸42に第1レバー31の鉤部35が回動可能に係止されている。また、両端を拡げるように付勢されている捩りコイルバネ37の一端が第1レバー31の係止穴34に係止され、他端はフラッシュ・ベース21の切欠き部27に係止されており、第1レバー31は第2レバー41の第2回動軸42の回りに反時計回りに回動するように付勢されている。加えて、第2レバー41の丸穴43に挿通される第1回動軸26から下方の異なる三方向に、傾斜平面部47と、第1回動軸26に平行な第2回動軸42と、棒状連結部45が形成されており、棒状連結部45の先端側は球面体部46となっている。
【0037】
そして、図5は第1レバー31、第2レバー41とマグネット付きソレノイド51との関係をフラッシュ・ケース11と共に更に詳しく示す斜視図であり、図6は図5における第1レバー31と第2レバー41の分解斜視図である。図6を参照して、第2レバー41は軸受部44aと軸受部44bとが、第1レバー31の挟持間隔49をあけて、連結部48および第2回動軸42によって一体に形成されており、軸受部44a、44bの丸穴43にはフラッシュ・ベース21に立設された第1回動軸26が挿通される。また、軸受部44aには下方へ棒状連結部45が設けられ、その先端は後述するようにマグネット付きソレノイド51の可動子58と連結される球面体部46となっている。そして、第1レバー31は、第2レバー41の挟持間隔49内において、鉤部35が第2レバー41の第2回動軸42に回動可能に係止され、第1回動軸26が円弧状長穴33を挿通されて、両者は連動するように連結される。
【0038】
そして、図5は図6の第1レバー31と第2レバー41が連結されてマグネット付きソレノイド51と組み合わされた状態を示すが、第2レバー41の棒状連結部45の先端の球面体部46がマグネット付きソレノイド51の可動子58に形成された連結穴59内に挿着される。そして、フラッシュ・ケース11は分解斜視図的に高さ位置を異ならせて示しているが、フラッシュ・ケース11の突起状係合部12に第1レバー31のフック部32が係合され、突起状係合部12がポップアップ位置から下降される時には、突起状係合部12の底面部14が第2レバー41の傾斜平面部47に当接して押し下げ第2レバー41を第1回動軸26の回りに回動させる。
【0039】
そして、図2へ戻り、図3も参照して、マグネット付きソレノイド51における2個の固定穴54の外縁を結ぶ線分から連結穴59の外縁までの距離Lはフラッシュ・ケース11が格納位置にある状態において最も短く、第2レバー41はフラッシュ・ケース11の格納位置に対応する位置にある。また、第1レバー31は、上述したように、捩りコイルばね37によって、第2レバー41の第2回動軸42の回りに反時計回りに回動するように付勢されているので、図2において第1レバー31の左上のフック部32は第2レバー41の傾斜平面部47に当接しているフラッシュ・ケース11の左側下端の突起状係合部12を押さえており、このことによってフラッシュ・ケース11が矢印Bで示す時計回りの方向へ僅かでも回動することを抑止している。
【0040】
「フラッシュ・ケースのポップアップ位置への回動、開動動作(1)」
次に上記の駆動機構によるフラッシュ・ケース11のポップアップ動作について説明する。図3のマグネット付きソレノイド51においては、可動子58の脚部58a、58bは、常には、永久磁石53によって吸着されており、実線で示す位置にあるが、被写体の撮影に際し、被写体の照度が所定値より小さいことが検出されると、ソレノイド51のコイル端子57a、57b間に短時間の通電が行われ、永久磁石53の磁力に反発する磁力が電磁コイル56に発生し、図2において、永久磁石53による可動子58の吸着力は微小となり、可動子58は自由に動き得るようになる。従って、引張コイルバネ17によって付勢されているフラッシュ・ケース11は矢印Bの方向へ回動し始め、フラッシュ・ケース11の突起状係合部12が第1レバー31のフック部32を持ち上げ、捩りコイルバネ37の付勢に抗して、第1レバー31を第1回動軸26の回りに矢印Cで示す時計回りの方向へ回動させる。
【0041】
そのことによって、第1レバー31の鉤部35と第2回動軸42で連結されている第2レバー41も第1回動軸26の回りに同様に回動される。そのことによって、第1レバー31のフック部32によるフラッシュ・ケース11の突起状係合部12の押さえ、すなわち、回動の抑止が外され、図7に示すように、フラッシュ・ケース11はコイルバネ17の付勢力によって所定のポップアップ位置まで開動し、突起状係合部12は軌跡Rに沿って上昇する。それに伴い、第2レバー41の棒状連結部45に連結されているマグネット付きソレノイド51の可動子58は図3において一点鎖線で示す位置まで引き出される。また、マグネット付きソレノイド51の固定穴54の外縁を結ぶ線分から連結穴59の外縁までの距離L’は図2に示した距離Lよりも大になる。
【0042】
「開動動作(2)」
上記はフラッシュ・ケース11の通常的な開動動作であるが、本実施例の駆動機構30は通常は行われない人手による開動動作にも耐え得る。図2を参照して、フラッシュ・ケース11が人手によってポップアップ軸13を中心として矢印Bで示す方向へ回動されると、フラッシュ・ケース11の突起状係合部12は第1レバー31のフック部32を持ち上げるが、その円弧状長穴33に第1回動軸26が挿通されていることから第1レバー31は、矢印Cで示すように、第2レバー41の第2回動軸42の回りに時計回りに回動されて、第1レバー31のフック部32とフラッシュ・ケース11の突起状係合部12との係合が解放され、フラッシュ・ケース11は引張コイルバネ17による付勢力によって回動してポップアップ位置へ跳ね上がる。また、やや遅れて第2レバー41も同様に回動されることから、棒状連結部45を介してマグネット付きソレノイド51の可動子58は押し戻され永久磁石53に吸着されて駆動機構30の初期化が行われる。
【0043】
「フラッシュ・ケースの格納位置への人手による復帰、閉動動作(1)」
ポップアップ位置にあるフラッシュ・ケース11を格納位置へ復帰させる閉動は人手によって行われる。図8を参照して、フラッシュ・ケース11を矢印Dで示す反時計回りの方向へ押し下げることにより、フラッシュ・ケース11の突起状係合部12が軌跡R’に沿って下降し、第2レバー41の傾斜平面部47と当接して押し下げる。従って第2レバー41は、矢印Eで示すように、第1回動軸26の回りに反時計回りに回動し始め、その回動は突起状係合部12の下面部14がフラッシュ・ベース21の上面部24に当接して回動が停止されるまで続く。そして、フラッシュ・ケース11の閉動動作の終了時には、第2レバー41の棒状連結部45の球面体部46によって連結されている可動子58は固定子55の方へ移動されて永久磁石53に吸着される。そして、第1レバー31は捩りコイルバネ37によって第2レバー41の第2回動軸42の回りに反時計回りの方向に付勢されているので、閉動作の終了前の時点からフラッシュ・ケース11の突起状係合部12は付勢されている第1レバー31のフック部32と第2レバー41の傾斜平面部47との間の奥ほど狭くなる間隙に挟持されて押され続ける。そのことによって、フラッシュ・ケース11のオーバーストロークによる遊びを生ずることなく図2に示す格納位置に格納される。
【0044】
「閉動動作(2)」
フラッシュ・ケース11が閉動の動作中または動作後に何らかの理由によってソレノイド51の可動子58が永久磁石53の磁力に吸着された時、すなわち図9に示すように、第2レバー41が閉動動作の終了時と同じ位置にある場合には、フラッシュ・ケース11の突起状係合部12は第1レバー31のフック部32の上面と当接するが、このフック部32を押しのけてフラッシュ・ケース11を閉動させることが可能である。すなわち、第1レバー31は円弧状長穴33を有しており、かつ第2レバー41の第2回動軸42の回りに回動が可能であるので、第1レバー31は突起状係合部12に押されて時計回りの方向に回動されることによって閉動動作が行われる。上記に代表されるように、第1レバー31の円弧状長穴33と第2回動軸42の回りの回動とによって、第1レバー31の如何なる状況に対しても閉動動作に支障を来たさないフェイルセーフな構造となっている。また、閉動動作の途中においてマグネット付きソレノイド51の可動子58が耐え切れずに永久磁石53による吸着から離脱したとしても、その結果は通常の閉動動作と同一になるので全く問題はない。
【0045】
以上、本発明の被ポップアップ体の駆動機構およびそれを具備する記録、再生装置を実施例によって説明したが、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0046】
例えば本実施例においては、第1回動軸26が挿通される第1レバー31の挿通穴を円弧状長穴33としたが、これは第1レバー31が第2レバー41上の第2回動軸42の回りに回動されることから、第1回動軸26が接触して回動が阻害されることのないように円弧状長穴33としたものであり、回動が阻害されない限りにおいて円弧状以外の形状であってもよい。
また本実施例においては、第1付勢手段として引張コイルバネ17を使用し、第2付勢手段としては捩りコイルバネ37を使用したが、付勢手段はコイルバネ以外のものであってもよく、板バネ、トーションバネ等のバネを使用し得る。また付勢手段の材質として通常は金属類が使用されるが、プラスチック製のものであってもよい。
【0047】
また本実施例においては、マグネット付きソレノイド51を、その可動子58の二股の脚部58jが水平面となるような姿勢でフラッシュ・ベース21に取り付けたが、垂直面となるような姿勢で取り付けてもよい。すなわち、永久磁石付きソレノイドの取り付け姿勢は限定されない。
また本実施例においては、永久磁石付きソレノイド51がフラッシュ・ベース21に取り付けられている場合を説明したが、フラッシュ・ベース以外の静止部に取り付けたものであってもよく、取り付け箇所は限定されない。
【0048】
また本実施例においては、電磁コイル56を巻装した固定子55によるマグネット付きソレノイド51を使用したが、電磁コイルを巻装したプラスチック製のコイルボビンを固定子とするものであってもよい。
また本実施例においては、被ポップアップ体を回動軸の回りに回動させてポップアップさせるものを説明したが、格納位置からポップアップ位置まで直線状にポップアップさせるものであってもよい。
【0049】
また本実施においては、本発明をデジタル式スチルカメラに適用した場合を説明したが、勿論、銀塩式スチルカメラについても同様に適用することができるほか、それら以外の撮影装置、例えば各種のビデオカメラ、赤外線カメラにも適用することができる。また、これら撮影装置以外に録音機や録音再生装置、受信機や送信機にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の被ポップアップ体の駆動機構およびそれを具備する記録、再生装置は以上に説明したような形態で実施され、次に述べるような効果を奏する。
【0051】
請求項1の被ポップアップ体の駆動機構によれば、被ポップアップ体を所定の格納位置と所定のポップアップ位置との間で移動させる駆動機構において、第1レバー、第2レバー、第1付勢手段、第2付勢手段、およびマグネット付き電磁吸着装置が適切に組み合わされているので、格納位置にある被ポップアップ体に対し、必要な時にマグネット付き電磁吸着装置の電磁コイルに電流を流すことによって直ちにポップアップ位置へ跳ね上げることができ、被ポップアップ体を格納位置へ戻す時には駆動機構の初期化が確実に行われるので、被ポップアップ体に信頼性の高い動作性を与える。
【0052】
請求項2の被ポップアップ体の駆動機構によれば、被ポップアップ体のポップアップ位置から格納位置への格納が人手によって行われるので、格納のための機構を要せず、駆動機構を単純化させコストを低下させる。
請求項3の被ポップアップ体の駆動機構によれば、被ポップアップ体が格納位置となる時に、被ポップアップ体の突起状係合部を付勢された第1レバーのフック部と第2レバーの傾斜平面部との間の奥ほど狭くなるに両面間に挟持するので、突起状係合部は緩みのない状態で保持され、僅かなポップアップも抑止されるので、格納された被ポップアップ体は格納位置からの僅かな浮き上がりも発生せず、またフック部や突起状係合部が経時的に摩損するようなことがあっても遊びを生じないので、このような駆動機構を備えた製品の品位および価値を高める。
【0053】
請求項4の被ポップアップ体の駆動機構によれば、人手によって被ポップアップ体を格納する時に、被ポップアップ体の突起状係合部が第2レバーの傾斜平面部に当接して押し下げて回動軸の回りに回動させ、それによって可動子の脚部をマグネットに吸着させることにより駆動機構を初期化させるので、初期化のプロセスが簡易であり、初期化が確実に行われ初期化不良を発生させない。
請求項5の被ポップアップ体の駆動機構によれば、第1レバーの第1挿入穴が円弧状長穴とされており、何らかの原因によって可動子の脚部がマグネットに吸着されて、第1レバーのフック部が被ポップアップ体の突起状係合部との係合位置に移動している場合にも、円弧状長穴の存在によって、第2レバーが被ポップアップ体の突起状係合部によって押されて第2レバー上の回動軸の回りに回動され、それによって可動子の脚部をマグネットによる吸着から離脱させるので、駆動機構がどのような状況にあっても駆動機構はフェイルセーフに初期化され、被ポップアップ体が格納されないというようなトラブルを招かない。また、この円弧状長穴は第1レバーのフック部や第2レバーの傾斜平面部が摩損しても、捩りコイルバネによって付勢されている第1レバーは円弧状長穴の範囲内で回動されて、被ポップアップ体の突起状係合部を緩みなく保持し、格納位置の被ポップアップ体に遊びを生じさせない。
【0054】
請求項6の被ポップアップ体の駆動機構によれば、被ポップアップ体が被写体を撮影する機器の閃光装置の発光部であり、必要に応じて発光部が直ちにポップアップされてフラッシュ撮影が可能になるほか、発光部を格納位置へ戻すに際し、駆動機構の初期化が確実に行われるので格納不良等のトラブルを招かない。
請求項7の被ポップアップ体の駆動機構によれば、被写体の照度が所定値より小さい時には電磁コイルへの通電が行われるので、直ちに発光部がポップアップされ、フラッシュ撮影が可能となりシャッターチャンスを逃さないで撮影することができる。
請求項8の記録、再生装置によれば、請求項1から請求項7までの何れかのポップアップ体の駆動機構を具備しているので、閃光装置の発光部だけでなく、記録、再生装置の種類によって、マイクロフォン、アンテナ、光センサー、レンズ、またはミラー等を必要に応じてポップアップさせて事態に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のデジタル式スチルカメラの斜視図である。
【図2】同カメラのフラッシュ・ケースとその駆動機構を示す部分断面図である。
【図3】図2におけるマグネット付きソレノイドの平面図である。
【図4】図2における第1レバーと第2レバーを分離して外形を示す図である。
【図5】同カメラの駆動機構における第1レバーと第2レバーがマグネット付ソレノイドと組み合わされた状態の斜視図である。
【図6】図5における第1レバーと第2レバーとの分解斜図である。
【図7】図2の状態からフラッシュ・ケースがポップアップされた状態を示す図である。
【図8】図7の状態からフラッシュ・ケースが格納され始める状態を示す図である。
【図9】図8の状態からフラッシュ・ケースが格納された状態を示す図である。
【図10】通常でない状態でのフラッシュ・ケースの格納を示す図である。
【図11】従来例のデジタル式スチルカメラの正面図である。
【図12】同カメラのフラッシュ・ケースとその駆動機構を示す断面図である。
【図13】同駆動機構の拡大図であり、Aはフラッシュ・ケースが僅かオーバーストロークして押し下げられた状態、BはAに続いて格納された状態を示す。
【符号の説明】
1…デジタル式スチルカメラ、11…フラッシュ・ケース、12…突起状係合部、13…ポップアップ軸、17…引張コイルバネ、21…フラッシュ・ベース、26…第1回動軸、30…駆動機構、31…第1レバー、32…フック部、33…円弧状長穴、35…鉤部、37…捩りコイルバネ、41…第2レバー、42…第2回動軸、45…棒状連結部、46…球面体部、47…傾斜平面部、51…マグネット付きソレノイド、58…可動子。

Claims (8)

  1. 第1付勢手段により所定の方向に常に付勢力を受ける被ポップアップ体を所定の格納位置と所定のポップアップ位置との間で移動させるように設けられた被ポップアップ体の駆動機構において、
    静止体に固定された第1回動軸が上端部の第1挿入穴に挿通されて、前記第1回動軸の回りに回動可能に取り付けられており、前記第1挿入穴を挟む一方に前記被ポップアップ体の突起状係合部に係合するフック部を備え、他方に第2付勢手段の一端の係止部を備え、かつ下端部が第2レバー上の第2回動軸の回りに回動可能に取り付けられた第1レバーと、
    上端部の第2挿入穴に前記第1回動軸が前記第1レバーと共通に挿通されて、前記第1回動軸の回りに回動可能に取り付けられており、前記第1回動軸から下方のそれぞれ異なる方向上に形成された傾斜平面部と、前記第1回動軸に平行な前記第2回動軸と、先端側に球面体部を備えた棒状連結部とを有する第2レバーと、
    前記一端を前記第1レバーの係止部に係止され、他端を前記静止体に係止されて、両端を拡げる方向に付勢された前記第2付勢手段と、
    マグネットおよび電磁コイルの巻装された固定子を備え、前記固定子内に挿入された可動子の脚部が前記マグネットによる吸着位置と前記マグネットからの離脱位置との間を移動可能に設けられ、前記可動子の頭部に形成された連結穴に前記第2レバーの棒状連結部が先端の前記球面体部を挿着して傾動自在に連結されたマグネット付き電磁吸着装置と、から構成されており、
    前記被ポップアップ体が、前記格納位置にある場合に、前記電磁コイルに通電しない時には、前記マグネットの磁気吸着力によって前記可動子の脚部が前記マグネットによる吸着位置にあり、前記第2付勢手段の付勢によって前記第1レバーが前記第1回動軸の回りに回動され、前記第1レバーのフック部が前記被ポップアップ体の突起状係合部に係合されて前記被ポップアップ体のポップアップを抑止し、
    前記電磁コイルに通電する時には、前記マグネットの磁気吸着力に抗する反対方向の磁気力を生じることから、前記第1付勢手段の付勢力によって前記第1レバーおよび前記第2レバーを介し前記可動子の脚部が前記マグネットによる吸着位置から離脱され、前記第1レバーおよびその下端部と前記第2回動軸で連結されている前記第2レバーが前記第1回動軸の回りに回動されて、前記被ポップアップ体の突起状係合部に対する前記第1レバーのフック部の係合が解放されることにより、前記被ポップアップ体が前記格納位置から前記ポップアップ位置までポップアップされることを特徴とする被ポップアップ体の駆動機構。
  2. 前記被ポップアップ体の前記ポップアップ位置から前記格納位置への格納が人手によって行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  3. 前記第2レバーの傾斜平面部が前記第1レバーのフック部の下方となる位置に外側へ向かって下向きの傾斜面として形成されており、前記被ポップアップ体が前記格納位置となる時に、前記被ポップアップ体の突起状係合部が前記第2付勢手段によって付勢された前記第1レバーのフック部と前記第2レバーの傾斜平面部との間の奥ほど狭くなる間隙に挟持される
    ことを特徴とする請求項1に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  4. 人手によって前記被ポップアップ体が格納される時に、前記被ポップアップ体の突起状係合部が前記第2レバーの傾斜平面部に当接し押し下げて前記第2レバーを前記第1回動軸の回りに回動させ、それに伴い前記棒状連結部が前記マグネット付き電磁吸着装置の可動子の脚部を前記固定子内へ押し込み、前記マグネットに吸着させることによって前記被ポップアップ体を受け入れることができるように前記駆動機構の初期化が行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  5. 前記第1レバーの第1挿入穴が円弧状長穴とされており、前記被ポップアップ体がポップアップの動作中またはポップアップの動作の終了後に、何らかの原因によって前記可動子の脚部が前記マグネットに吸着されて、前記第1レバーのフック部が既に前記被ポップアップ体の突起状係合部との係合位置となっている場合に、前記被ポップアップ体の格納に際し、前記被ポップアップ体の突起状係合部が前記第1レバーのフック部を押すことにより、前記第1レバーが、前記第1回動軸の挿通された前記円弧状長穴の範囲内で、前記第2レバー上の第2回動軸の回りに回動され、それに伴って回動される前記第2レバーの棒状連結部が前記可動子の脚部を前記マグネットによる吸着位置から離脱させることにより前記駆動機構の初期化が行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  6. 前記被ポップアップ体が被写体を撮影する機器の閃光装置の発光部である
    ことを特徴とする請求項1に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  7. 計測された前記被写体の照度が所定値より小さい時に前記マグネット付き電磁吸着装置の電磁コイルへの通電が行われる
    ことを特徴とする請求項6に記載の被ポップアップ体の駆動機構。
  8. 前記請求項1から請求項7までの何れかに該当する被ポップアップ体の駆動機構を具備する
    ことを特徴とする記録、再生装置。
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