JP3997147B2 - クリップ及びそれを用いたバンパー取付方法 - Google Patents

クリップ及びそれを用いたバンパー取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、衝撃吸収用バンパー等の取付部材をパネルに位置決めかつ本止め可能にするクリップ及びそれを用いたバンパー取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、通常、図9(a),(b)に例示されるごとく車体60Aや60Bにおいて前部と不図示の後部にバンパー30が取り付けられる。該バンパー30は、追突時等においてボデーパネル61やランプ類R等の機能部品を保護し外観デザイン上からも重要となる。形状的には、同図のごとく左右両端部31がパネル61のフェンダー部63と接続される。即ち、バンパー端部31は、フェンダー部63に接近して取り付けられ、該フェンダー部63や対応パネル部との間の連続性を維持しなければならない。
【0003】
図10及び図11は前記したバンパー端部31の従来取付構造を示している。なお、図11は下記文献1に開示のものである。各図において、バンパー30は端部31の裏面側に突設された取付片32を有している。図10(a),(b)の構造では、取付片32を挿入する保持用クリップ40及び固定用クリップ43とが用いられる。クリップ40はU形部41及び係合脚部42からなる。クリップ43は頭部44及び係合脚部45からなり、連続した穴46を有している。図11の構造では取付片32を挿入する保持固定用クリップ50が用いられる。該クリップ50は、L形本体の一方板側51に設けられた係合脚部53と、他方板側52に設けられて間に取付片32を挿入する押さえ爪54及び先端爪55a付きの係止片55とを有している。
【0004】
そして、図10の取付構造では、各クリップ40,43がフェンダー部63に設けられた対応する嵌合孔64,65に係合脚部42,45を挿入して取り付けられる。バンパー端部31は、取付片32がクリップ40のU形部41に挿入されて仮保持された状態から、取付片32の貫通孔33とクリップ45の穴46とが重なるよう位置出しされ、その後、ねじ部材78が貫通孔33からクリップ45の穴46にタッピング操作により係合脚部45の拡径を伴って係止される。これに対し、図11の取付構造では、クリップ50がフェンダー部63の嵌合孔66に係合脚部53を挿入し、かつボルト79を螺入して膨出されることで取り付けられる。バンパー端部31は、取付片32が他方板側52と押さえ爪54との間に挿入されて仮保持され、取付片32に設けられた長孔34に係止片55の爪55aが係合して位置決めされると共に係止片55の弾性復帰力で係止される。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第2540642号公報(第2〜第4頁、図1〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した取付構造では、取付片32が目視し難い箇所に配置され、バンパー端部31をパネル対応部に精度よく位置出し、該位置出し状態を維持して所定固定力により係止して外観特性を保つ。ところが、図10の構造では、複数のクリップ40,43を使用するため製造費が高く部品管理が煩雑となるだけではなく、取付片32の貫通孔33をクリップ43の穴46に一致させた状態を保ってねじ部材78を螺入操作しなくてはならないため作業性が悪い。これに対し、図11の構造では、バンパー端部31が係止片55の爪55aと長孔34との係合により係止されるため、位置出しが容易である反面、係止片55の弾性力を増大しても固定力不足になり易い。これは、バンパー30の幅が広くなったり重くなるほど顕著となり、位置出し状態を安定維持するためねじ部材等により別途補強しなくてはならない。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みなされたものである。その目的は、特に、クリップとして固定力を確保し、同時に取付操作性を向上する。取付方法としては位置出し精度を向上したり取付工数を少なくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の本発明は、図1〜図3の例で特定すると、取付片32が裏面側に突設された取付部材30を、パネル61に対し前記取付片32を利用して位置決め可能、かつ本止め可能にするクリップ1において、前記取付片32が挿入される略U形部11を有する本体10と、前記パネル61の嵌合孔67に対応して前記U形部11の一方片11aに突設された穴14付きの係合脚部15と、前記係合脚部15に対応して前記U形部11の他方片11bに切り欠かれた欠如部12と、前記欠如部12に配置されて前記取付片32に設けられた貫通孔35に挿入される筒部21を有する押さえ片20とを備え、前記嵌合孔67に挿入される前記係合脚部15を介し前記パネル61に取り付けられ、前記取付部材30を、前記取付片31の前記U形部11への挿入により保持し、前記筒部21と前記貫通孔35とを係合し、雄部材70を前記押さえ片の筒部21内より前記係合脚部の穴14に挿入係止して本止め可能にすることを特徴としている。
また、請求項7の発明は、取付片32を裏面側に突設した衝撃吸収用バンパー30を、車体側パネル61に対しクリップ1を介し取り付けるバンパー取付方法において、前記クリップ1として請求項1から6の何れか1つに記載のものを使用し、該クリップ1を前記パネル61に取り付けた状態から、前記バンパー30を、前記U形部11に挿入される前記取付片32を介して前記クリップ1に保持し、前記押さえ片20の筒部21を前記取付片32の貫通孔35に係合して位置決めした後、前記雄部材70を前記押さえ片の筒部21内より前記係合脚部の穴14に係止して本止めすることを特徴としている。
【0009】
以上の発明工夫点は、特に、U形部11が係合脚部15に対応して設けられた欠如部12と、該欠如部12に配置される筒部21付きの押さえ片20と、本止め用の雄部材70とを有している点にある。即ち、この構造では、バンパー等の取付部材30をパネル側に取り付けられた本体10のU形部11に保持した状態から、動かして位置出しするとき又は位置出しした後、欠如部12に配置される押さえ片20の筒部21を取付片32の貫通孔35に係合することにより確認でき、同時に、該位置出し状態が筒部21と貫通孔35との係合により不用意にずれなくなる(仮固定)。このため、本止め操作では、取付部材30が不用意にずれないことから、雄部材70を筒部21から係合脚部15の穴14へ螺入や押圧により効率よく係止操作でき、作業性を向上できる。加えて、この構造では、図10の構造に比べて部材数を少なくしてコスト低減を図ったり、図11の構造に比べて取付部材のクリップへの固定力を増大したり位置出し精度を向上できる。
【0010】
以上のクリップは請求項2〜6のように具体化されることが好ましい。即ち、(請求項2)前記係合脚部15の穴14がタッピング用穴であり、前記雄部材が前記穴14に係止されるねじ部材70である構成である。この場合は、取付片32がねじ部材70のタッピングにより締め付けられるが、取付片32を押さえ片20で面的に押圧した状態となるため安定した固定力となる。但し、発明の係合脚部15は、雄部材の挿入により拡径されて固定力を増大できればよく、雄部材としては図4(b)の例のごとくピン部材73であってもよい。
(請求項3)前記押さえ片20が、前記U形部11の対応部にヒンジ部20aを介して一体に設けられている構成である。この場合は、発明クリップの単一性が維持されているため取り扱い易く、上記した位置出しした後、仮固定を迅速に行えるようにする。
(請求項4)前記押さえ片20を前記欠如部12に配置した状態を維持する係脱手段(例えば、図2の符号24と13a)を有している構成である。この係脱手段は、取付部材30が押さえ片20の筒部21を取付片32の貫通孔35に係合して位置出しされると、該位置出し状態をより確実に固定して、例えば、雄部材70による本止め操作を時間をおいて行ったり自動化も実現容易にする。
【0011】
(請求項5)前記押さえ片20の側面に突設けられて、前記取付部材30を本止めした状態で前記U形部11の他方片11bを内側へ押圧する翼部26を有している構成である。これは、図7の例のごとく欠如部12と隣接する部分の剛性が相対的に弱くなるため、翼部26の押圧により当該箇所の剛性又は保持力を増大することに意義がある。
(請求項6)前記U形部11の一方片11aに突設されて前記パネル61の対応する嵌合孔68に挿入される補強用係合脚部16を有している構成である。この補強係合脚部16は、例えば、本体10の全寸が長いときにクリップをパネルに安定した状態で取り付けたり、上記した係合脚部15が雄部材70や73で拡径されて本止め状態となるまでの間にクリップのパネルへの固定力不足を解消する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照し説明する。この説明では、発明クリップを利用するパネル及び取付部材であるバンパーについて概説し、図1〜図3に示すクリップの第1形態及びそれを用いたバンパー取付方法について述べ、その後、クリップの他の構成例に言及する。なお、クリップとしては、図1〜図3の第1形態、図4及び図5に示す第1形態の3つの変形例、図6に示す第2形態、図7及び図8に示す第2形態の2つの変形例を挙げている。パネル及びバンパーについては従来と同じ部位に同一符号を付している。各クリップについては、実質的に同じ部位に同一符号を付して重複記載を極力省く。
【0013】
(概説)各形態のクリップ1,2は、図9(a),(b)に例示される車体60Aや60Bの前部や後部に衝撃吸収用バンパー30を取り付けるためのものであり、特にバンパー30の両端部31をパネル61のフェンダー部63や対応パネル部との間の位置出しを良好に行えるよう工夫したものである。ここで、バンパー30は、従来と同じく樹脂成形品であり、両端部31が車幅方向から対応側部に沿って配置される湾曲形状であり、裏面側にあって端末31aの少し手前に突設された取付片32を有している。取付片32には、図1(a)に示されるごとく円状の貫通孔35と、2つの嵌合凹部36とが設けられているが、第2形態のクリップ2を使用する場合には嵌合凹部36が省略される。パネル61のフェンダー部63には、折り曲げられた箇所に嵌合孔67及び嵌合孔68が設けられている。各嵌合孔67,68は矩形孔であり、ほぼ同一線上に位置している。各形態のクリップ1,2は、樹脂成形品であり、略U形部11を形成している本体10と、U形部11の一方片11aに設けられた係合脚部15及び補強用係合脚部16と、U形部11の他方片11bに切り欠かれた欠如部12と、欠如部12に配置される押さえ片20(20A〜20E)とを備えている点で同じ。細部は以下の通りである。
【0014】
(第1形態)図1(a)は第1形態のクリップ1、バンパー30の端部31(以下、バンパー端部31と称する)、パネル61のフェンダー部63の関係を示し、(b)はバンパー装着状態を示している。図2(a)はクリップ1の要部模式図、図2(b)は図1(b)のC−C線に沿った要部模式断面図、図3(a),(b)はバンパー端部31の取付操作例を図1(b)のD−D線に沿った模式断面で示している。同図のクリップ1において、本体10は細長いU形部11自体で形成されている。U形部11は対向片11a,11b及び中間片11cからなる。片11aは、フェンダー部63に当接される基板側に設定され、片11bより少し幅広に形成されている。片11aの外面には、前記した嵌合孔67,68に対応して本止め用の係合脚部15と、補強用の係合脚部16とが設けられている。係合脚部15は、図3のごとく片11aの板厚を貫通したタッピング用穴14と、対向する面に設けられた係止爪15aとを有し、嵌合孔67に対し弾性的に差し込まれたときに係止爪15aにより抜け止め可能となっている。係合脚部16は、図面上細部を省略しているが、対向する面に設けられて弾性揺動する係止片16aを有し、嵌合孔68に差し込まれたとき該係止片16aにより抜け止め可能となる。この構成自体は、例えば、特開平8−240207号の固定爪と同じか類似している。要は、クリップ1が嵌合孔67に対する係合脚部15の弾性係合によりフェンダー部63に取り付けられたとき、係合脚部15の固定力を補強してクリップ1の不用意な抜けやぐらつきを防ぐものである。従って、この係合脚部16は、例えば、バンパー30が小型・軽量な場合で、クリップ1の全寸が短くなるような態様では省略可能である。
【0015】
これに対し、片11bは、片11a及び中間片11cとの間に上記した取付片32を挟持して保持するもので、係合脚部15に対応して切り欠かれた欠如部12と、該欠如部12の両側から外へ突設された立壁13と、立壁13から離れる側端に突設された立壁13Aと、立壁13と立壁13Aとの間に設けられた複数の揺動片17と、欠如部12に配置される筒部21付きの押さえ片20とを有している。欠如部12は、係合脚部15の穴14を露出し、取付片32がU形部11内に挿入された状態で貫通孔35と押さえ片20の筒部21とを一致させることにより位置決めする箇所である。両立壁13は、欠如部12の両内面と面一に突出されて、下側に係止穴13aをそれぞれ形成している。立壁13Aは補強用である。各揺動片17は、コ形スリット17aで区画されて、内面上側に設けられてU形部11内へ突出した爪部を有している。該爪部は、取付片32がU形部11内に挿入された状態で上記した嵌合凹部36に嵌合する。該嵌合状態において、取付片32はU形部11から不用意に外れなくなるが、U形部11の長手方向への移動は少しだけ許容される。
【0016】
押さえ片20は、欠如部12に対応した矩形板状をなし、内面に突設された筒部21と、筒部21の内径と貫通した通し孔23と、両側面に突設された凸部24とを有しており、又、下側が中間片11cの対応部に薄肉ヒンジ部20aを介して連結されている。筒部21は、全寸が取付片32の厚さと略同じであり、貫通孔35の内径とほぼ径の基部21aと、基部21aから上側が先細りになった先端21bとからなる。これは、押さえ片20がヒンジ部20aを支点として欠如部12側へ回動されるとき、先端21bを取付片32の貫通孔35に挿入し易くし、かつ、挿入最終時には基端21aを貫通孔35に隙間なく係合するためである。通し孔23は本止めで使用する金属製のねじ部材70に対応した孔径である。ねじ部材70は、頭部71及び軸部72からなり、軸部72の下側周囲にタッピングねじ72aを有し、通し孔23から係合脚部15の穴14にねじを切りながら係止される。なお、凸部24は、押さえ片20が欠如部12の正規位置に配置されたとき、前記係止穴13aと弾性的に係合して、押さえ片20をその正規位置に保つ。この凸部24及び係止孔13aは発明の係脱手段に相当する。
【0017】
(バンパー取付方法)次に、以上のクリップ1を使用してバンパー30を取り付けるときの手順要領を概説する。バンパー取付操作に際しては、まず、2個のクリップ1がパネル63における両側のフェンダー部63に取り付けられる。この場合、クリップ1は、図1及び図3の各(a)のごとく係合脚部15,16を対応する嵌合穴67,68に挿入押圧されると、係合脚部15の係止爪15a及び係合脚部16の係止片16aが嵌合穴67,68に対し弾性変位を伴って所定強度で取り付けられる。この構造では、図10の構造に対しクリップ取付工数を半減できるだけではなく、クリップ1が2つの係合脚部15,16でフェンダー部63に取り付けられるため取付強度不足を解消しかつ安定した取付状態となる。
【0018】
バンパー30は、例えば、ロボットハンドで持ち上げられてパネル61の対応部に配置される。該操作では、両側のバンパー端部31において、取付片32がクリップ1のU形部11内に挿入されることにより、バンパー30がパネル61に対し簡易又はらふに位置出しされる。なお、バンパー30は、通常、左右中間部付近に突起等を有し、該突起等をパネル対応部に設けられた位置決め兼用取付穴等に係止することでバンパー中間部の位置規制が行われる。バンパー端部31は、該中間部付近の位置規制によって動く状態であり、特にフェンダー部63との連続性を得る態様だと、フェンダー部63に対する位置出しを高精度に行わなければならない。これは、例えば、図9(a)において、端末31aをフェンダー部63の対応部に、バンパー端部31の上縁31bをパネル対応部にそれぞれ隙間や段差なく接続することである(以下、ライン出しと言う)。本発明は、次に述べるごとくそのようなバンパー端部31のライン出しを簡易かつ効率よく行えるようにしたものである。
【0019】
即ち、バンパー端部31は、取付片32をクリップ1のU形部11に挿入した状態において、上記した各揺動片17の爪部が対応する嵌合凹部36に嵌合されている。この嵌合は、バンパー端部31がU形部11から不用意に抜けないよう規制するが、嵌合凹部36の左右又は上下方向に若干量だけ移動を許容する構成となっている。そこで、位置出し操作では、バンパー端部31が前記許容範囲内で動かされながらライン出しされ、設計通り位置出しされると、図3(a)のごとく取付片32の貫通孔35が係合脚部15の穴14と重なる。そして、この構造では、押さえ片20がヒンジ部20aを介して取付片32側へ回動操作される。すると、押さえ片31は、図2及び図3の各(b)のごとく筒部21が貫通孔35内に挿入係合され、凸部24が係止孔13aに係合される。これにより、バンパー端部31は、位置出しされた状態で押さえ片31を介して仮固定されるため、次に行う本止め操作までの間に不用意に動かない。この利点は、例えば、図10の構造の場合だと、ライン出しした後、ねじ部材78により本止めする間にずれて、ねじ部材78を取付片32の貫通孔33からクリップ45の穴46に挿入できなくなったり、正常にタッピングされないことも生じるが、そのような不具合を確実に解消でき、自動化する上で極めて有用となる。
【0020】
本止め操作では、ねじ部材70を用いて、軸部72が押さえ片20の通し孔23から係合脚部15の穴14に向かってねじを切りながら係止される。係合脚部15は、このタッピングにより拡径されてフェンダー部63に対する固定強度を増大する。バンパー端部31は、U形部11による保持力と、押さえ片20を介したねじ部材70による固定力とにより、安定かつ強固に固定される。この構造では、ねじ部材70による締め付け状態で、取付片32が押さえ片20を介在して面的に押さえ付けられ、かつ、取付片32がねじ部材70による固定部の両側ともにU形部11に保持されているため、例えば、追突荷重を受けたとき、図10の構造に比べて数段外れ難くなっており、固定強度的にも優れている。
【0021】
(図4の変形例)図4(a)のクリップ1は、上記第1形態の押さえ片20を変更した例である。即ち、この押さえ片20Aは、本体10やU形部11から分割されている。この構造では、両立壁13の対向面に突設した縦リブ13bと、押さえ片20Aの両側に設けられた縦溝22との係合ガイド作用を伴って押さえ片20Aが欠如部12の正規位置に配置され、かつ、押さえ片20Aが欠如部12の正規位置まで下移動されたとき、係合度合が強くなって不用意に外れなくなるよう形状設定される。
【0022】
図4(b)のクリップ1は、第1形態のねじ部材70をピン部材73に変えた例である。即ち、ピン部材73は、頭部74と、軸部75と、軸部75の先端に突出されてスリット77を介し縮径可能な対の爪部76とからなる。この構造では、通し孔23及び係合脚部15の穴14が軸部75に対応した孔径に設定される。そして、ピン部材73は、軸部75が通し孔23から係合脚部15の穴14に押し込められる過程で、係合脚部15を拡径し、爪部76が縮径した状態で穴14を貫通したときに復帰されて抜け止めされる。
【0023】
(図5の変形例)図5のクリップ1は、上記第1形態の押さえ片20が取付片32をU形部11内へ挿入しかつバンパー端部31の位置出しと同時に、同(a)の初期位置から同(b)の正規位置へ配置されるようにした例である。即ち、この構造では、押さえ片20Bが筒部21と薄肉ヒンジ部20aとの間に突設された作動片24を有し、又、U形部11が他方片11bの対応部を一段低く形成された逃げ部11dを有している。位置出し操作では、バンパー端部31のライン出し最終段階において、端部31を同(a)の矢印方向へ押すと、取付片32の先端面が作動片24に当たって該作動片24を押圧する結果、押さえ片20Bがその作動片24を介して回動されて、同(b)の正規位置に配置される。要は、押さえ片20がヒンジ部20aを介して自動的に回動され、筒部21が貫通孔35内に挿入係合され、上記した凸部24が係止孔13aに係合される構成である。このため、この押さえ片20Bでは、回動操作が省略されるため作業をより迅速に行えるという利点がある。
【0024】
(第2形態)図6のクリップ2は、第1形態に対し、U形部11が揺動片17に変えて圧接リブ18を採用している点、押さえ片20に対応する押さえ片20Cを正規位置に保つ係脱手段の点で変更されている。又、上記した立壁13が若干短めに形成されると共に、上記した立壁13Aが省略されている。まず、圧接リブ18は、片11bの内面に縦リブとして複数設けられており、U形部11内に挿入される取付片32に圧接し、該圧接力に応じた強さでバンパー端部31の動きを規制する。この係脱手段は、欠如部12の両側に突設される立壁13のうち、片側の立壁13に設けられた爪部13cと、図示省略した押さえ片20Cの対応部、つまり押さえ片20Cの上面側の前角部に設けられた係合凹部とにより形成されている。そして、押さえ片20Cは、薄肉ヒンジ部20aを介して欠如部12側へ回動されると、爪部13cに当たり、更に押されると爪部13cの弾性変位を伴って爪部13cを乗り越え、爪部13cが前記係合凹部と係合することにより正規位置に保持される。
【0025】
(図7の変形例)図7のクリップ2は、押さえ片20Dが翼部26を有し、該翼部26により片11bの対応部を押圧可能にした例である。即ち、この構造では、まず、上記した係脱手段が第1形態と同じく立壁13に設けられた係止孔13aと、押さえ片20Dの側面に設けられた凸部25とから構成されている。また、押さえ片20Dが矩形板状の両側面に突出された翼部26を有している。該翼部26は、押さえ片20Dが欠如部12に配置され、かつ、係止孔13aと凸部25との係合により正規位置に保持されたとき片11bの外面に当たり、更に、上記したようにねじ部材70Aを係合脚部15に係止して締め付けたとき、片11bを内側へ押圧して対応部を補強する。
【0026】
(図8の変形例)図8のクリップ2は、押さえ片20EのU形部10への連結構成を変更することにより上記した係脱手段を不要にした例である。このため、クリップ自体は第1形態のクリップ1でも差し支えない。なお、図8は図2(b)に対応して、又、図2(b)に対し天地を逆にした状態で示す模式断面図である。即ち、この構造では、押さえ片20Eが両側の立壁13に対し薄肉ヒンジ部28,28により連結されており、同(a)の状態で射出型成形される。そして、押さえ片20Eは、バンパー端部31が上記した要領でライン出しされた状態から、下へ押圧されると、両側のヒンジ部28が押さえ片11Eの側面と立壁13の内面との間の隙間に弾性変位して逃がされながら、最終的に同(b)のごとく立壁13の内面に沿って圧接される。この結果、押さえ片11Eは、押圧力が解放された後も、前記した圧接力により正規位置に保持される。
【0027】
なお、本発明は以上の形態例に制約されるものではなく、請求項で特定する要件を除いて種々変形可能である。具体例としては、第1形態に図7や図8の要部を採用したり、第2形態に図4や図5の要部を採用することである。また、取付部材としては、バンパー30に限られず、例えば、車体縁取り用や装飾用の比較的長尺なモール類でも差し支えない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクリップにあっては、請求項7のバンパー取付方法を可能にして、例えば、バンパーをパネル側に取り付けられたクリップ本体のU形部に保持した状態から、位置出しするとき、欠如部に配置される押さえ片の筒部を取付片の貫通孔に係合して該位置出し状態を目視しなくても確認できるようにしたり、該位置出し状態を筒部と貫通孔との係合により仮固定できるため、雄部材による本止め作業を効率よく行うことができ、作業性を向上できる。また、図10の構造に比べコストを低減したり取扱性等を改善でき、図11の構造に比べてバンパー等の固定力を増大したり位置決め精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明第1形態のクリップとバンパー取付方法を示す模式図である。
【図2】 図1のクリップの要部を示す模式構成図である。
【図3】 図1のバンパー取付方法を説明するための模式断面図である。
【図4】 図1のクリップの変形例を示す模式構成図である。
【図5】 図1のクリップの他の変形例を示す模式構成図である。
【図6】 発明第2形態のクリップを示す模式構成図である。
【図7】 図6のクリップの変形例を示す模式構成図である。
【図8】 図6のクリップの他の変形例を示す模式構成図である。
【図9】 発明対象の取付部材であるバンパー例を示す図である。
【図10】 バンパー取付構造の従来例を示す図である。
【図11】 バンパー取付構造の他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1,2…クリップ(10は本体)
11…U形部(11aは一方片、11bは他方片)
12…欠如部
15…本止め用係合脚部(14は穴)
16…補強用係合脚部
20,20A〜20E…押さえ片(21は筒部、20aと28はヒンジ部)
30…バンパー(取付部材に相当し、31は端部、31aは端末)
32…取付片(35は貫通孔)
61…パネル(63はフェンダー部、67と68は嵌合孔)
70,70A…ねじ部材(雄部材)
73…ピン部材(雄部材)

Claims (7)

  1. 取付片が裏面側に突設された取付部材を、パネルに対し前記取付片を利用して位置決め可能、かつ本止め可能にするクリップにおいて、
    前記取付片が挿入される略U形部を有する本体と、前記パネルの嵌合孔に対応して前記U形部の一方片に突設された穴付きの係合脚部と、前記係合脚部に対応して前記U形部の他方片に切り欠かれた欠如部と、前記欠如部に配置されて前記取付片に設けられた貫通孔に挿入される筒部を有する押さえ片とを備え、
    前記嵌合孔に挿入される前記係合脚部を介し前記パネルに取り付けられ、前記取付部材を、前記取付片の前記U形部への挿入により保持し、前記筒部と前記貫通孔とを係合し、雄部材を前記押さえ片の筒部内より前記係合脚部の穴に挿入係止して本止め可能にすることを特徴とするクリップ。
  2. 前記係合脚部の穴がタッピング用穴であり、前記雄部材が前記穴に係止されるねじ部材である請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記押さえ片が、前記U形部の対応部にヒンジ部を介して一体に設けられている請求項1又は2に記載のクリップ。
  4. 前記押さえ片を前記欠如部に配置した状態を維持する係脱手段を有している請求項1から3の何れか1つに記載のクリップ。
  5. 前記押さえ片の側面に突設されて、前記取付部材を本止めした状態で前記U形部の他方片を内側へ押圧する翼部を有している請求項1から4の何れか1つに記載のクリップ。
  6. 前記U形部の一方片に突設されて前記パネルの対応する嵌合孔に挿入される補強用係合脚部を有している請求項1から5の何れか1つに記載のクリップ。
  7. 取付片を裏面側に突設した衝撃吸収用バンパーを、車体側パネルに対しクリップを介して取り付けるバンパー取付方法において、
    前記クリップとして請求項1から6の何れか1つに記載のものを使用し、該クリップを前記パネルに取り付けた状態から、前記バンパーを、前記U形部に挿入される前記取付片を介して前記クリップに保持し、前記押さえ片の筒部を前記取付片の貫通孔に係合して位置決めした後、雄部材を前記押さえ片の筒部内より前記係合脚部の穴に係止して本止めすることを特徴とするバンパー取付方法。
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