JP3996659B2 - 血管新生抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、システインプロテアーゼ阻害化合物を含んでなる血管新生抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管新生は生体に新たに血管が新生し、新しい血管網が形成される現象をいう。血管新生は発生や生殖などの正常な生理的条件の下で、胚、胎児、胎盤、子宮などにおいて観察される場合や、創傷治癒、炎症、腫瘍の増殖などに伴う場合、また、眼科的には糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症、老人性円板状黄斑変性症などでみられる病理的現象である。
【0003】
血管新生は内皮細胞の機能および増殖に大きく依存し、最小静脈において次の過程に従って進行するカスケード反応であると考えられている。すなわち、(1)分化した休止期状態にある血管内皮細胞の活性化、(2)プロテアーゼ活性を発現した内皮細胞による基底膜などの細胞マトリックスの破壊、(3)内皮細胞の遊走、(4)内皮細胞の増殖、(5)分化による内皮細胞の管腔化、といった素反応が連続して起こることにより、新生血管は形成されると考えられている〔T. Oikawa, Drug News Perspest,6巻, 157−162頁 (1993年) 〕。これら反応の各過程は血管新生促進因子によって促進されることが判明してきている。これら血管新生促進因子として、腫瘍組織から分泌される血管誘発因子〔tumor angiogenetic factor (TAF)〕、種々の正常組織に存在する線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来内皮細胞増殖因子や血管内皮細胞増殖因子などの増殖因子がある。この他、サイトカイン、プロスタグランジン、モノブチリンおよびアンギオゲニンなども直接的または間接的に同様の作用があることが報告されている〔M. Klagsbrunなど, Annu. Rev. Physiol.,53巻, 217−239 (1991年)〕。
【0004】
かかる血管新生を抑制する物質としては、内皮細胞の増殖を阻害するコルチゾンなどの血管静止性(angiostatic )ステロイド〔Folkman, J. など, Science, 221巻,719 頁 (1983年)〕、内皮細胞によるプラスミノーゲンアクチベーター産生を阻害する酢酸メドロキシプロゲステロン、内皮細胞の増殖阻害と管腔形成を阻害するフマギリン酸誘導体、内皮細胞の増殖と遊走を阻害する硫酸多糖SD−4152、内皮細胞の分化の修飾に関与するレチノイン酸などが報告されている(及川勉,血管と内皮,2巻,470−478頁,1992年)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の血管新生を抑制する薬物は、副作用が強く安全性において問題がある場合やその効果において十分ではないなど、臨床的に血管新生を抑制する治療薬剤として未だ確立されたものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、強力な血管新生を抑制する薬剤の開発を目的として鋭意研究を行った。その結果、システインプロテアーゼ阻害活性を有する化合物が、強い血管新生抑制作用を有することを見いだし本発明を完成した。
すなわち本発明によれば、(1)システインプロテアーゼ阻害化合物を含む血管新生抑制剤が提供される。
【0007】
システインプロテアーゼは、プロテアーゼの中で酵素の活性中心にシステイン残基を有するものをいい、代表的なものとして、リソソーム酵素であるカテプシンB、H、L、ジペプチジルペプチダーゼ、細胞質に存在するカルパインなどが挙げられる。これらの酵素の生理的な役割には不明なことも多いが、近年、その役割が徐々に解明されつつある。たとえば、カルパインは生体内に広く存在し、カルシウムイオンによって活性化され、中性付近に至適pHを持つ蛋白分解酵素であり、その役割は現在まで明らかにされているのは、細胞骨格蛋白質の分解、プロテインキナーゼCなどの不活性細胞前駆体の活性化、レセプター蛋白質の分解などである。さらにこの酵素の活性異常が多く疾患に関与していることが明らかになってきた。たとえば、脳卒中、クモ膜下出血、アルツハイマー病、虚血性疾患、筋ジストロフィー、白内障、血小板凝集、関節炎、骨粗鬆症などの難治性疾患への関与が示唆されている〔Trends in Pharmacological Science, 15 巻、412 頁(1994)〕。
【0008】
さらに本発明の血管新生抑制剤として以下の態様が挙げられる。
(2)システインプロテアーゼ阻害化合物が、カルパイン阻害化合物である上記(1)記載の血管新生抑制剤。
【0009】
(3)カルパイン阻害化合物が、カルパスタチンおよびカルパスタチンペプチドから選択される1種以上の化合物である上記(2)記載の血管新生抑制剤。
【0010】
(4)カルパスタチンペプチドが、下記一般式
-Gly-A-Tyr-Arg-
(式中、Aは -Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Ile-Pro-Pro-Lys-、-Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Leu-Pro-Pro-Lys- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Ile-Pro-Ser-Glu- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Val-Pro-Pro-Glu- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Val-Pro-Ala-Glu- 、-Glu-Lys-Glu-Glu-Thr-Ile-Pro-Pro-Asp- または -Glu-Arg-Asp-Asp-Thr-Ile-Pro-Pro-Glu-を示す。)のアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1種以上の化合物である上記(3)記載の血管新生抑制剤。
【0011】
(5)カルパスタチンペプチドが次のアミノ酸配列を有する上記(4)記載の血管新生抑制剤。
Asp-Pro-Met-Ser-Ser-Thr-Tyr-Ile-Glu-Glu-Leu-Gly-Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Ile-Pro-Pro-Lys-Tyr-Arg-Glu-Leu-Leu-Ala
【0012】
(6)カルパイン阻害化合物が、カルパインのカルモデュリンと相同性の高いCa2+結合部位を阻害する物質から選択される1種以上の化合物である上記(2)記載の血管新生抑制剤。
【0013】
(7)カルパインのカルモデュリンと相同性の高いCa2+結合部位を阻害する物質が、カルモデュリン拮抗化合物から選択される1種以上の化合物である上記(6)記載の血管新生抑制剤。
【0014】
(8)システインプロテアーゼ阻害化合物が、エポキシコハク酸ペプチド化合物、ペプチドアルデヒド化合物、ペプチドハロメタン化合物、ペプチドジアゾメタン化合物、ペプチドハロヒドラジド化合物、ペプチドジスルフィド化合物、ペプチドケトアミド化合物およびイソクマリン化合物から選択される1種以上の化合物である請求項1記載の血管新生抑制剤。
【0015】
(9)システインプロテアーゼ阻害化合物が、エポキシコハク酸ペプチド化合物である上記(8)記載の血管新生抑制剤。
【0016】
(10)エポキシコハク酸ペプチド化合物が、式(I):
【0017】
【化5】
Figure 0003996659
【0018】
〔式中、R1 はエステル化されていてもよいカルボキシル基または置換されていてもよいカルボキサミドを示し、
2 は水素または低級(本明細書で「低級」とは特に断らない限り1〜6個の炭素数をいう)アルキル基を示すか、またはR3 あるいはR4 と連結して環を形成してもよく、
3 およびR4 は同一または異なって、水素、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよいスルフィド基を示し、またR3 とR4 は連結して環を形成してもよく、
5 は式(II)
【0019】
【化6】
Figure 0003996659
【0020】
(式中、R6 はハロゲン原子またはアルコキシ基を示す)で表わされる置換フェニル基、または式(III)
SO2-R7 (III)
(式中、R7 は低級アルキル基で置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアミノ基を示す)で表わされる置換スルホニル基を示し、
nは0または1を示す〕で表わされる化合物またはその塩である上記(9)記載の血管新生抑制剤。
【0021】
(11)R1 が、エステル化されていてもよいカルボキシル基、またはヒドロキシ基あるいはアラルキルオキシ基で置換されていてもよいカルボキサミド基である上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0022】
(12)R2 が、水素またはメチル基である上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0023】
(13)R2 が、R3 あるいはR4 と連結してピロリジン環を形成している上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0024】
(14)R3 およびR4 は同一または異なって水素、芳香族またはカルバモイル基で置換されていてもよい低級アルキル基またはアシルアミノ基で置換されていてもよいスルフィド基である上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0025】
(15)R3 とR4 が連結してシクロペンタン環を形成している上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0026】
(16)式(II)のR6 が、塩素またはフッ素である上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0027】
(17)式(III)のR7 が、低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはジメチルアミノ基である上記(10)記載の血管新生抑制剤。
【0028】
(18)システインプロテアーゼ阻害化合物が、ペプチドアルデヒド化合物である上記(8)記載の血管新生抑制剤。
【0029】
(19)ペプチドアルデヒド化合物が、ロイペプチンである上記(18)記載の血管新生抑制剤。
【0030】
(20)ペプチドアルデヒド化合物が、式(VI):
【0031】
【化7】
Figure 0003996659
【0032】
(式中、R11は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を示し、R12とR13は同一または異なって、水素、炭素数1〜4のアルキル基を示すか、または連結して炭素数3〜7の環を形成してもよく、R14はアリール基、シクロアルキル基または芳香族複素環で置換されていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる化合物またはその塩である請求項18記載の血管新生抑制剤。
【0033】
(21)R11が、フッ素、塩素もしくはメチル基で置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基である上記(20)記載の血管新生抑制剤。
【0034】
(22)R11が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、p−トリルおよび2−ナフチルから選ばれる基である上記(21)記載の血管新生抑制剤。
【0035】
(23)R12がプロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルであって、R13が水素である上記(20)記載の血管新生抑制剤。
【0036】
(24)R12がイソプロピルであって、R13が水素である上記(23)記載の血管新生抑制剤。
【0037】
(25)R12とR13が連結して形成する環がシクロヘキシリデンである上記(20)記載の血管新生抑制剤。
【0038】
(26)R14が、イソブチル、ベンジル、シクロヘキシルメチルまたはインドール−3−イルメチルである上記(20)記載の血管新生抑制剤。
【0039】
(27) 式(VI):
【0040】
【化8】
Figure 0003996659
【0041】
(式中、R11は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を示し、R12とR13は同一または異なって、水素、炭素数1〜4のアルキル基を示すか、または連結して炭素数3〜7の環を形成してもよく、R14はアリール基、シクロアルキル基または芳香族複素環で置換されていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる化合物またはその塩。
【0042】
(28) R11が、フッ素、塩素もしくはメチル基で置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基である上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0043】
(29) R11が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、p−トリルまたは2−ナフチルから選ばれる基である上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0044】
(30) R12がプロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルであって、R13が水素である上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0045】
(31) R12がイソプロピルであって、R13が水素である上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0046】
(32) R12とR13が連結して形成する環がシクロヘキシリデンである上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0047】
(33) R14が、イソブチル、ベンジル、シクロヘキシルメチルまたはインドール−3−イルメチルである上記(27)記載の化合物またはその塩。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の血管新生抑制剤において使用されるシステインプロテアーゼ阻害剤は、システインプロテアーゼを阻害する化合物であればいずれの化合物でも好適に使用することができる。かかる化合物として、たとえば(+)−(2S,3S)−3−〔〔〔1−〔〔〔4−〔(アミノイミノメチル)アミノ〕ブチル〕アミノ〕カルボニル〕−3−メチルブチル〕アミノ〕カルボニル〕−2−オキシランカルボン酸(E−64)、(+)−(2S,3S)−3〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル〕−2−オキシランカルボン酸(E−64c)、(+)−(2S,3S)−3〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル〕−2−オキシランカルボン酸エチルエステル(E−64d)などのエポキシコハク酸ペプチド化合物;ロイペプチン、カルペプチン、Ac-Leu-Leu-nLeu-H (カルパインインヒビターペプチドI )、Ac-Leu-Leu-nMet-H (カルパインインヒビターペプチドII)、Z-Val-Phe-H(MDL28170)、Boc-Leu-Nle-H などのペプチドアルデヒド化合物;Z-Leu-Leu-Tyr-CH2 F などのペプチドハロメタン化合物;Z-Leu-Leu-Tyr-CHN 2 などのペプチドジアゾメタン化合物;Z-3-I-Tyr-NHNHCOCH2 I などのペプチドハロヒドラジド化合物;Leu-Leu-(3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル)Cys-NH2 などのペプチドジスルフィド化合物;Z-Leu-Abu-CONHEt(AK275)などのペプチドケトアミド化合物;7−アミノ−4−クロロ−3−(3−イソチオウレイドプロポキシ)イソクマリンなどのイソクマリン化合物などが挙げられる。
【0049】
本発明の血管新生抑制剤において使用されるシステインプロテアーゼ阻害化合物はシステインプロテアーゼのうちカルパインまたはカテプシンB、H、Lを特異的に阻害する物質も使用することができる。このうち、カルパインを特異的に阻害する物質としては、たとえばカルパスタチン、カルパスタチンペプチドなどが挙げられる。
【0050】
上記カルパスタチンペプチドは、下記一般式
-Gly-A-Tyr-Arg-
(式中、Aは -Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Ile-Pro-Pro-Lys-、-Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Leu-Pro-Pro-Lys- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Ile-Pro-Ser-Glu- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Val-Pro-Pro-Glu- 、-Glu-Asp-Asp-Glu-Thr-Val-Pro-Ala-Glu- 、-Glu-Lys-Glu-Glu-Thr-Ile-Pro-Pro-Asp- または -Glu-Arg-Asp-Asp-Thr-Ile-Pro-Pro-Glu-を示す)のアミノ酸配列を有するペプチドが好ましく、特に、次のアミノ酸配列を有するペプチド(27mer カルパスタチンペプチド)が好ましい。
Asp-Pro-Met-Ser-Ser-Thr-Tyr-Ile-Glu-Glu-Leu-Gly-Lys-Arg-Glu-Val-Thr-Ile-Pro-Pro-Lys-Tyr-Arg-Glu-Leu-Leu-Ala
【0051】
本発明の血管新生抑制剤において使用されるシステインプロテアーゼ阻害化合物には、カルパインのカルモデュリンと相同性の高いCa2+結合部位を阻害する物質も含まれる。このような物質としては、メリチン、カルミダゾリウム、トリフルオペラジンおよびN−(6−アミノヘキシル)−5−クロロ−1−ナフタレンスルフォンアミド塩酸塩(W7)などのカルモデュリン拮抗化合物およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが含まれる。
これらシステインプロテアーゼ阻害化合物はその何れかを単独で使用できるほか、2種以上を混合して使用することもできる。
【0052】
さらに、強いシステインプロテアーゼ阻害活性を有するエポキシコハク酸ペプチド化合物として、下記一般式(I)で示される新規化合物を用いることができる。
【0053】
【化9】
Figure 0003996659
【0054】
(式中、各記号は前記と同義)
【0055】
上記一般式(I)中、R1 で示されるエステル化されていてもよいカルボキシル基としては、たとえば、カルボキシル基、アルコキシカルボキシル基が挙げられる。アルコキシカルボキシル基のアルコキシ基としては、たとえば、炭素数1〜6のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec −ブトキシおよび tert-ブトキシなどが挙げられる。このうち特にエトキシが好ましい。
1 で示される置換されていてもよいカルボキサミドの該置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシなど)が挙げられる。好ましくはヒドロキシおよびベンジルオキシである。
【0056】
2 で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、 tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、水素およびメチルである。
【0057】
2 がR3 あるいはR4 と連結して形成する環としては、たとえば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられる。このうち特にピロリジンが好ましい。
【0058】
3 およびR4 の置換されていてもよい低級アルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、 tert-ペンチル、n-ヘキシル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、イソブチルおよび sec−ブチルである。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香環またはカルバモイル基が挙げられる。該芳香環としては、たとえば、ベンゼン環などの芳香族炭素環、インドール環などの芳香族複素環が挙げられる。このうち特にベンゼン環が好ましい。
【0059】
3 またはR4 の置換されていてもよいスルフィド基のスルフィド基としては、アルキルチオアルキル基、好ましくはC1 〜C4 アルキルチオC1 〜C4 アルキル基、具体的には、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジペンチルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、エチルブチルスルフィドなどが挙げられる。好ましくは、ジメチルスルフィドおよびメチルエチルスルフィドである。該スルフィド基が有していてもよい置換基としては、アシルアミノ基が挙げられる。該アシルアミノ基としては、たとえば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルアミノ、ピバロイルアミノ、n-ヘキサノイルアミノなどが挙げられる。好ましくは、アセチルアミノである。
【0060】
3 とR4 が連結して形成してもよい環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどが挙げられる。このうち特にシクロペンタンが好ましい。
式(II)で示される置換フェニル基の置換基であるR6 で示されるハロゲン原子としては、たとえば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。好ましくはフッ素および塩素である。これらハロゲン原子はフェニル基のメタ位、パラ位またはオルト位のいずれの位置に置換されていてもよい。
また、置換フェニル基(II)の置換基R6 のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、 tert-ブトキシなどが挙げられる。このうち特にメトキシが好ましい。
【0061】
式(III)で示される置換スルホニル基の置換基であるR7 で示される低級アルキルで置換されていてもよいアリール基のアリール基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、該アリール基に置換していてもよい低級アルキル基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどが挙げられる。置換基はアリール基のいずれの位置に置換されていてもよい。
【0062】
またR7 で示されるアミノ基としては、アミノ基、および炭素数1〜6の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が1または2個アミノ基に置換したもの、たとえば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジブチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが挙げられる。このうち特にジメチルアミノが好ましい。
【0063】
一般式(I)で表される化合物の塩としては、生理学的に許容される塩が好ましく、たとえば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、たとえば、トリメチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、たとえば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は下記反応式
【0064】
【化10】
Figure 0003996659
【0065】
(式中、各記号は前記と同意)により製造することができる。本製造法では、一般式(IV)で表わされる化合物〔以下、化合物(IV)と記載することもある〕またはカルボキシル基におけるその反応性誘導体またはその塩を、一般式(V)で表わされる化合物〔以下、化合物(V)と記載することもある〕またはその反応性誘導体またはその塩と反応させることにより、化合物(I)を製造することができる。
【0066】
上記製造法は、たとえば、液相合成法、固相合成法のペプチド合成の常套手段が用いられる。このようなペプチド合成の手段は、任意の公知の方法に従えばよく、たとえば、泉屋信夫他著、「ペプチド合成の基礎と実験」、丸善株式会社、1985年;矢島治明、榊原俊平著、「生化学実験講座1」、日本生化学会編、東京化学同人、1977年;木村俊也著、「続生化学実験講座1」、日本生化学会編、東京化学同人、1987年;鈴木信夫著、「第4版 実験化学講座 22 有機合成 IV 」、日本化学会編、丸善株式会社、1992年などに記載された方法またはそれに準じた方法により製造される。
【0067】
化合物(IV)のカルボキシル基における好適な反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステルなどが挙げられる。酸ハロゲン化物としては酸塩化物などが挙げられ、酸無水物としては、たとえば、置換されたリン酸(ジアルキルリン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン化リン酸など)、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、スルホン酸(メタンスルホン酸など)、脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、トリクロロ酢酸など)または芳香族カルボン酸(安息香酸など)のような酸との混合酸無水物または対称酸無水物などが挙げられる。活性化アミドの好適な例としては、たとえば、イミダゾール、4−置換イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾールまたはテトラゾールなどが挙げられる。活性化エステルの好適な例としては、たとえば、シアノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミノメチルエステル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メチルフェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレジルチオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジルエステル、8−キノリルチオエステル、またはN,N−ジメチルヒドロキシアミン、1−ヒドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールなどのN−ヒドロキシ化合物とのエステルなどが挙げられる。
【0068】
化合物(IV)およびその反応性誘導体の好適な塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩、たとえば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機塩基塩などのような塩基塩が挙げられる。これら反応性誘導体は、使用する化合物(IV)の種類によって任意に選択することができる。
【0069】
化合物(V)のアミノ基における好適な反応性誘導体としては、化合物(V)とアルデヒド、ケトンなどのようなカルボニル化合物との反応によって生成するシッフ塩基型イミノまたはエナミン型互変異性体、または、化合物(V)とビス(トリメチルシリル)アセトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素などのようなシリル化合物との反応によって生成するシリル誘導体、または化合物(V)と三塩化リンまたはホスゲンとの反応によって生成する誘導体などが挙げられる。化合物(V)およびその反応性誘導体の好適な塩としては、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、たとえば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマール酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。これら反応性誘導体は、使用する化合物(V)の種類によって任意に選択することができる。
【0070】
化合物(IV)と(V)の反応は通常、水、たとえば、メタノール、エタノール等のアルコ−ル類、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンのような常用の溶媒中で行われるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればその他のいかなる有機溶媒中でも反応を行うことができる。これら常用の溶媒は水との混合物として使用してもよい。
【0071】
この反応において、化合物(IV)を遊離の形またはその塩の形で使用する場合にはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、N,N’−ジエチルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−カルボニルビス(2−メチルイミダゾール)、ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイミン、ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン、エトキシアセチレン、1−アルコキシ−1−クロロエチレン、亜リン酸トリメチル、ポリリン酸エチル、ポリリン酸イソプロピル、オキシ塩化リン、ジフェニルホスホリルアジド、塩化チオニル、塩化オキサリル、ハロギ酸低級アルキル(たとえば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピルなど)、トリフェニルホスフィン、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リンなどとの反応によって調製したいわゆるビルスマイヤ−試薬などのような常用の縮合剤の存在下に反応を行うのが望ましい。反応はまたアルカリ金属炭酸水素塩、トリC1-6 アルキルアミン、ピリジン、N−C1-6 アルキルモルホリン、N,N−ジC1-6 アルキルベンジルアミンなどのような無機塩基または有機塩基の存在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、通常は冷却下、室温または加温下に反応が行われる。
後述の実施例によって得られた化合物の構造式を下記に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0003996659
【0073】
【表2】
Figure 0003996659
【0074】
【表3】
Figure 0003996659
【0075】
やはり強いシステインプロテアーゼ阻害活性を有するペプチドアルデヒド化合物として、下記一般式(VI)で示される新規化合物も用いることもできる。
【0076】
【化11】
Figure 0003996659
【0077】
(式中、各記号は前記と同義)
なお、本発明で使用するアミノ酸に光学異性体がある場合、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0078】
11の炭素数6〜10のアリール基としては、たとえば、フェニル、ナフチル、ペンタフェニル、インデニル、アズレニルなどが挙げられる。好ましくは、フェニルおよびナフチルである。アリール基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素など)、炭素数1〜5のアルキル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルコキシ、ヒドロキシル、炭素数2〜5のアシルオキシ、カルボキシル及び炭素数2〜5のアシル基が挙げられる。好ましくはハロゲン原子および炭素数1〜5のアルキル基である。より好ましくは、フッ素、塩素およびメチルである。R11の好適な具体例としては、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、p−トリルおよび2−ナフチルである。
【0079】
12またはR13で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、それぞれたとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチルなどが挙げられる。好ましくはプロピル、イソプロピルおよび tert-ブチルである。より好ましくはイソプロピルである。R12およびR13は、好ましくはR12またはR13の一方が水素で他方がプロピル、イソプロピル、イソブチルまたは tert-ブチルであり、より好ましくは、R12がプロピル、イソプロピル、イソブチルまたは tert-ブチルで、R13が水素であり、さらに好ましくはR12がイソプロピルでR13が水素である。R12とR13が連結して形成してもよい炭素数3〜7の環としては、たとえば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデンなどが挙げられる。とりわけシクロヘキシリデンが好ましい。
【0080】
14で表される低級アルキル基としては、直鎖状、分枝状または環状の炭素数1〜6のもの、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、 tert-ペンチル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。好ましくはメチルおよびイソブチルである。
【0081】
該低級アルキル基を置換してもよいアリール基としては、たとえば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが挙げられる。とりわけフェニルが好ましい。また、該低級アルキル基を置換してもよいシクロアルキル基としては、たとえば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。とりわけシクロヘキサンが好ましい。さらに該低級アルキル基を置換してもよい芳香族複素環残基としては、酸素、窒素およびイオウ原子で置換された単環式複素環残基および縮合型複素環残基が挙げられる。単環式複素環残基としては、たとえば、ピロリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルなど、縮合型複素環残基としては、たとえば、インドリル、キノリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、インダゾリル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニルなどが挙げられる。とりわけインドリルが好ましい。
【0082】
14で表される好適な具体的例としては、イソブチル、ベンジル、シクロヘキシルメチル、インドール−3−イルメチルである。
【0083】
一般式(VI)で表される化合物の塩としては、生理学的に許容される塩が好ましく、たとえば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、たとえば、トリメチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、たとえば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマ−ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
化合物(VI)は、たとえば下記反応式
【0084】
【化12】
Figure 0003996659
【0085】
(式中、各記号は前記と同意)により製造することができる。
【0086】
一般式(VII)で表されるスルホニルクロリド〔以下、化合物(VII)と記載することもある〕としては、たとえば、ナフタレンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、フルオロベンゼンスルホニルクロリド、クロロベンゼンスルホニルクロリド、ブロモベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリドなどが挙げらる。
【0087】
一般式(VIII)〔以下、化合物(VIII)と記載することもある〕としては、たとえば、グリシン、アラニン、バリン、D−バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、 tert-ロイシン、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロブタンカルボン酸、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸などが挙げらる。
化合物(VII)と化合物(VIII)の反応は、通常知られうる方法たとえば、ショッテン−バウマン(Shotten−Baumann)反応などより行なうことができる。
【0088】
一般式(IX)で表される化合物とN−ヒドロキシコハク酸イミドは、通常使用される有機溶媒(たとえば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチルなど)に溶解し、縮合剤で縮合させる。該縮合剤としては、たとえば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などが好適に使用される。
【0089】
一般式(XI)で表されるアミノアルコール〔以下、化合物(XI)と記載することもある。〕としては、たとえば、バリノール、ロイシノール、D−ロイシノール、フェニルアラニノール、トリプトファノール、(s)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−1−プロパノールなどが挙げられる。
【0090】
一般式(X)で表される化合物と化合物(XI)は、たとえば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチルなどの溶媒に溶解し、塩基(トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下で反応させる。
【0091】
さらに、一般式(XII)で表される化合物を酸化剤(三酸化硫黄ピリジン錯体、オキザリルクロリド、クロム酸−ピリジンなど)で酸化すると、新規化合物(VI)を製造することができる。
【0092】
反応温度は特に限定されないが、通常は、冷却下、室温または加温下に行なわれる。
後述の実施例によって得られた化合物の構造式を下記に示す。
【0093】
【表4】
Figure 0003996659
【0094】
【表5】
Figure 0003996659
【0095】
【表6】
Figure 0003996659
【0096】
システインプロテアーゼ阻害化合物は、全身的または局所的に投与され得る。全身的には経口投与の他、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射等の非経口法で投与され得る。局所的には皮膚、粘膜、鼻内、眼内等に投与され得る。
【0097】
システインプロテアーゼ阻害化合物は、医薬組成物に使用するために処方され得る。ヒトに経口的に投与される組成物としては、たとえば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤および液剤等が挙げられる。組成物が粉末、顆粒、錠剤等として処方される場合、固形組成物を処方するのに好適な任意の製薬担体、たとえば賦形剤(澱粉、ブドウ糖、果糖、白糖等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、崩壊剤(澱粉、結晶セルロース等)、結合剤(澱粉、アラビアゴム等)等を用いることができ、コーティング剤(ゼラチン、白糖等)でコーティングされていてもよい。また、組成物がシロップや液剤として処方される場合、たとえば安定剤(エデト酸ナトリウム等)、懸濁化剤(アラビアゴム、カルメロース等)、矯味剤(単シロップ、ブドウ糖等)、芳香剤等を適宜に選択して使用することができる。非経口的に処方される組成物としては、注射剤、坐剤等が挙げられる。組成物が注射剤として処方される場合、たとえば溶剤(注射用蒸留水等)、安定化剤(エデト酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトール等)、pH調整剤(塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等)、懸濁化剤(メチルセルロース等)を用いることができ、坐剤として処方される場合、たとえば坐剤基剤(カカオ脂、マクロゴール等)等を適宜に選択して使用することができる。外用組成物としては、たとえば軟膏、クリーム剤、ローション剤、点鼻剤および点眼剤等が挙げられる。これら外用組成物には該阻害化合物に加えて、たとえば軟膏基剤(ワセリン、ラノリン等)、溶剤(生理食塩水、精製水等)、安定剤(エデト酸ナトリウム、クエン酸等)、湿潤剤(グリセリン等)、乳化剤(ポリビニルピロリドン等)、懸濁化剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等)、界面活性剤(ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、保存剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン類、クロロブタノール等)、緩衝剤(ホウ酸、ホウ砂、酢酸ナトリウム、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤等)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトール等)、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム等)等の公知の化合物を適宜に選択して使用することできる。
【0098】
本発明の血管新生抑制剤には、その他の医薬成分、例えば抗炎症薬、抗腫瘍薬、抗菌剤などを配合して製剤してもよい。
【0099】
システインプロテアーゼ阻害化合物の投与量は、対象となる疾患、症状、投与対象、投与方法等により異なるが、一回あたりの投与量は、経口投与では通常1〜500mg、好ましくは10〜200mg、注射剤では通常0.1〜100mg、好ましくは1〜50mgが疾患の治療に使用される。
また、局所的使用する場合には、通常0.001〜1.0w/v%、好ましくは0.01〜0.5w/v%に調整した点眼液を、1回20〜50μ1、1日5〜6回点眼するのがよい。
【0100】
本発明を以下の実施例および試験例に従い更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0101】
実施例1(錠剤)
E−64 30mg
乳糖 80mg
デンプン 17mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
以上を1錠分の材料として常法により錠剤を成形する。必要に応じて糖衣を施してもよい。
【0102】
実施例2(注射剤)
ロイペプチン 100mg
塩化ナトリウム 900mg
1N水酸化ナトリウム 適量
注射用蒸留水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して注射剤とする。
【0103】
実施例3(点眼剤)
27mer カルパスタチンペプチド 1 g
ホウ酸 0.7 g
ホウ砂 適量
塩化ナトリウム 0.5 g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1 g
EDTAナトリウム 0.02 g
塩化ベンザルコニウム 0.005g
滅菌精製水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して点眼用懸濁液剤とする。
【0104】
参考例1
N−tert−ブトキシカルボニルフェニルアラニン(53 g, 0.2 mol)と p−ニトロフェノール(27.8 g, 0.2 mol)の酢酸エチル(200 ml)溶液に、氷冷下、N, N' −ジシクロヘキシルカルボジイミド(41.2 g, 0.2 mol)の酢酸エチル(100 ml)溶液を滴下し、そのまま、3時間撹拌し、さらに 20 時間室温で撹拌した。析出したN, N' −ジシクロヘキシルカルボジウレアをろ去し、ろ液を減圧下に濃縮し、残留物を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、N−tert−ブトキシカルボニルフェニルアラニン p−ニトロフェニルエステル〔61.7 g, 80%(以下特に断らない限り重量%を示す)〕を得た。
【0105】
参考例2
N−tert−ブトキシカルボニルロイシン(6.94 g, 30 mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(3.45 g, 30 mmol)のジオキサン(50 ml)溶液に、氷冷下、N−エチル−N' −(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(5.75 g, 30 mmol)のジオキサン溶液を滴下し、そのまま20分間撹拌し、さらに 24 時間室温で撹拌した。反応液を冷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、10w/v%クエン酸水溶液、10w/v%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に濃縮し、残留物をイソプロピルエーテルから再結晶し、N−tert−ブトキシカルボニルロイシン N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(7.77 g, 78.9%)を得た。
【0106】
参考例3
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩(2.53 g, 10 mmol)のN, N' −ジメチルホルムアミド(40 ml)溶液に、トリエチルアミン(2.8 ml, 20 mmol)とN−tert−ブトキシカルボニルフェニルアラニン p-ニトロフェニルエステル(2.65 g, 10 mmol)を順次加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を冷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、1w/v%アンモニア水溶液、飽和食塩水、0.1N塩酸、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付した。クロロホルム:メタノール(50:1、容量比、以下同)で溶出し、2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(2.7 g, 92.2%)を無色油状物質として得た。
【0107】
参考例4
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、1−(o−フルオロフェニル)ピペラジン一塩酸塩を用い、参考例3と同様の操作をし、2−(4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステル(1.89 g, 88.4%)を得た。
【0108】
参考例5
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩(0.91 g, 3 mmol)とN−tert−ブトキシカルボニルロイシン N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.99 g, 3 mmol)のジクロロメタン(50 ml)混液に、トリエチルアミン(1.3 ml, 9 mmol)を加え、室温にて20時間撹拌した。反応液を 0.1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出し、2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(1.05 g, 89.0%)を無色油状物質として得た。
【0109】
参考例6
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、4−フェニルピペラジンを用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−フェニル−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(7.99 g, 99%)を得た。
【0110】
参考例7
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、1−ジメチルスルファモイルピペラジンを用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−ジメチルスルファモイル−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(7.19 g, 88.4%)を得た。
【0111】
参考例8
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、p-トルエンスルホニルピペラジンを用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(6.95 g, 79.4%)を得た。
【0112】
参考例9
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、1−(2−クロロフェニル)ピペラジンを用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(5.70 g, 95.5%)を得た。
【0113】
参考例10
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、1−(m-クロロフェニル)ピペラジン一塩酸塩を用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(2.63 g, 88.4%)を得た。
【0114】
参考例11
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、1−(4−クロロフェニル)ピペラジン一塩酸塩を用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(2.83 g, 94.8%)を得た。
【0115】
参考例12
1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン二塩酸塩の代わりに、N−(p−メトキシフェニル)ピペラジンコハク酸塩を用い、参考例5と同様の操作をし、2−(4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(2.73 g, 92.3%)を得た。
【0116】
参考例13
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1, 1−ジメチルエチルエステル(2.7 g, 6.3 mmol)の酢酸エチル(20 mmol)溶液に、4N塩化水素の酢酸エチル(20 ml)溶液を氷冷下滴下し、室温にて一晩撹拌した。析出した結晶をろ取し、エタノール+ジエチルエーテルから再結晶し、1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩(2.2 g, 96.1 %)を微黄色結晶として得た。
【0117】
参考例14
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.3 g, 99.1 %)を白色結晶として得た。
【0118】
参考例15
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩(0.56 g, 70.4%)を白色結晶として得た。
【0119】
参考例16
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−フェニル−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−フェニルピペラジン塩酸塩(6.5 g, 99.2 %)を白色結晶として得た。
【0120】
参考例17
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−ジメチルスルファモイル−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−ジメチルスルファモイルピペラジン塩酸塩(5.0 g, 83.3 %)を白色結晶として得た。
【0121】
参考例18
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ピペラジン塩酸塩(4.83 g, 78.4%)を白色結晶として得た。
【0122】
参考例19
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.54 g, 62.6%)を白色結晶として得た。
【0123】
参考例20
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(3−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.40 g, 65.7%)を白色結晶として得た。
【0124】
参考例21
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.50 g, 65.3%)を白色結晶として得た。
【0125】
参考例22
2−(4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、2−(4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−(2−メチルプロピル)エチルカルバミド酸 1,1−ジメチルエチルエステルを用い、参考例13と同様の操作をし、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン塩酸塩(2.21 g, 87.4%)を白色結晶として得た。
【0126】
参考例23
N−tert−ブトキシカルボニル−L−バリン(2.27 g, 10 mmol)と1−(2−クロロフェニル)ピペラジン(2.00 g, 10 mmol)のN, N−ジメチルホルムアミド(50 ml)溶液に、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.2 g, 11 mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.5 g, 11 mmol)のジクロロメタン(50 ml)溶液を滴下した。反応混合物を室温で 15 時間撹拌した後、減圧下ジクロロメタンを留去し、残留物に酢酸エチル(200 ml)を加えた。酢酸エチル層を、10w/v%クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して、酢酸エチル:n−ヘキサン(1:2)で溶出し、2−(4−(2−クロロフェニル)ピペラジニル)−2−オキソ−(s) −1−(2−プロピル)エチルカルバミン酸1, 1−ジメチルエチルエステルを得た。この無色油状物質を酢酸エチル(50 ml)に溶かし、氷冷下、4N塩化水素の酢酸エチル溶液(50 ml)を滴下した後、室温で3時間撹拌した。
生成物を濾過し、酢酸エチル−n−ヘキサン(1:1)で洗浄し、1−((s) −2−アミノ−3−メチル−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(3.32 g, 95.8%)を無色結晶として得た。
【0127】
参考例24
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−グリシンより、1−(2−アミノ−1−オキソエチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(2.4 g, 90.4 %)を無色結晶として得た。
【0128】
参考例25
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−L−アラニンより、1−((s) −2−アミノ−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.7 g, 58.8 %)を無色結晶として得た。
【0129】
参考例26
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシンより、1−((s) −2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(3.4 g, 90.2 %)を無色結晶として得た。
【0130】
参考例27
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニンより1−(3−アミノ−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(2.9 g, 90.0 %)を無色結晶として得た。
【0131】
参考例28
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−サルコシンより、1−(2−メチルアミノ−1−オキソエチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(3.0 g, 93.3 %)を無色結晶として得た。
【0132】
参考例29
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−L−プロリンより、1−(1−(2−ピロリジニル)−1−オキソメチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(4.3. g, 98.0%)を無色結晶として得た。
【0133】
参考例30
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−(s)-アセトアミドメチル)−L−システインより、1−((s) −2−アミノ−3−(アセチルアミノメチルチオ)−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(4.0 g, 95.9 %)を無色結晶として得た。
【0134】
参考例31
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニンより、1−((s) −2−アミノ−4−メチルチオ−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(3.7 g, 97.1 %)を無色結晶として得た。
【0135】
参考例32
参考例23と同様の方法を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−L−グルタミンより、1−((s) −2−アミノ−4−カルバモイル−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩(2.7 g, 60.7 %)を無色結晶として得た。
【0136】
実施例4
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩(1.82 g, 5 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20 ml)溶液にトリエチルアミン(0.697 ml, 5 mmol)を加え室温で10分間撹拌した後、TAMAI 等の方法〔Chem. Pharm. Bull., 35巻, 1098頁(1987年)〕に準じて合成した、p-ニトロフェニル L-trans-エポキシコハク酸エチルエステル(1.41 g, 5 mmol)を加え室温で20時間撹拌した。反応液を冷水中にそそぎ、酢酸エチルで抽出し、1w/v%アンモニア水溶液、飽和食塩水、0.1N塩酸、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順に洗浄した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出し、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.2 g, 51.1%; 化合物1)を得た。
【0137】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.31 (t, 3H, J=7.0 Hz, -C-CH3), 2.42〜2.50 (m, 1H, piperazine ring), 2.83 〜2.94 (m, 2H,piperazine ring), 3.00 (d, 2H, J=7.6 Hz, ph-CH2-C-),2.97〜3.07 (m, 1H, piperazine ring), 3.14 〜3.22 (m, 1H, piperazine ring), 3.35 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring), 3.43〜3.52(m, 1H, piperazine ring), 3.64 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring), 3.71(t, 2H, J=5.4 Hz, piperazine ring), 4.25 (dq, 2H, J=7.3, 2.6 Hz,-O-CH2-C), 5.18 (q, 1H, J=5.3 Hz, -N-CH-CO), 6.75 〜6.83 (m, 2H,aromatic), 6.91 〜7.04 (m, 2H, aromatic, 1H, NH), 7.17〜7.34 (m, 5H,aromatic) .
【0138】
実施例5
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.83 g, 58.6%; 化合物2)を得た。
【0139】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.31 (t, 3H, J=7.1 Hz, -C-CH3), 2.42〜2.49 (m, 1H, piperazine ring), 2.72 〜2.90 (m, 2H,piperazine ring), 3.02 (d, 2H, J=8.3 Hz, ph-CH2-C-),2.94〜3.10 (m, 1H, piperazine ring), 3.17 〜3.29 (m, 1H,piperazine ring), 3.36 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.44〜3.57(m, 1H, piperazine ring), 3.65 (d, 1H, J=1.3 Hz, epoxy ring), 3.66〜3.80(m, 2H, piperazine ring), 4.25 (dq, 2H, J=7.1, 2.3 Hz, -O-CH2-C), 5.19 (q, 1H, J=7.6 Hz, -N-CH-CO), 6.8 (t, 1H, J=8.3 Hz,-NH-), 6.93〜7.11 (m, 4H, aromatic), 7.18〜7.34 (m, 5H, aromatic).
【0140】
実施例6
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.30 g, 45.6%;化合物3)を得た。
【0141】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.93 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.00 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.40 〜1.63 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 3.06〜3.15 (m, 4H,piperazine ring), 3.49 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.60〜3.89 (m, 4H, piperazine ring), 3.68 (d, 1H, J=1.7 Hz,epoxy ring), 4.26 (dq, 2H, J=7.3, 3.3 Hz, -O-CH2-C),5.03 (dt, 1H, J=8.91, 4.3 Hz, -N-CH-CO), 6.85 〜7.03 (m, 5H, aromatic and -NH).
【0142】
実施例7
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−フェニルピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(3.96 g, 63.3%;化合物4)を得た。
【0143】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.93 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.00 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.40 〜1.63 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2, 3.16 〜3.24 (m, 4H, piperazine ring), 3.49 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.60〜3.89 (m, 4H, piperazine ring), 3.68 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 4.26 (dq, 2H, J=7.3, 3.3Hz, -O-CH2-C), 5.03 (dt, 1H, J=8.9, 4.3Hz, -N-CH-CO), 6.90 〜6.95 (m, 4H,aromatic and -NH), 7.25 〜7.33 (m, 2H, aromatic).
【0144】
実施例8
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−ジメチルスルファモイルピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−ジメチルスルファモイル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(3.7 g, 82.6 %;化合物5)を得た。
【0145】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.92 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 0.89 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.38 〜1.60 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 2.85 (s, 6H, -N-CH3), 3.15〜3.38 (m, 4H, piperazine ring),3.48 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.52〜3.68 (m, 3H,piperazine ring), 3.67 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.79〜3.87 (m, 1H,piperazine ring), 4.27 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz, -O-CH2-C), 4.96 (dt, 1H, J=8.9, 4.3 Hz, -N-CH-CO), 6.90 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0146】
実施例9
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(2s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(4.31 g, 95.1%;化合物6)を得た。
【0147】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.87 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 0.94 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.30 (t, 3H, J=7.3 Hz, -C-CH3), 1.31 〜1.55 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 2.45 (s, 6H, -ph-CH3), 2.70 〜2.84 (m, 2H, piperazine ring),3.22〜3.54 (m, 4H, piperazine ring), 3.43 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.61 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.68 〜3.78(m, 1H, piperazine ring), 3.96〜4.06 (m, 1H, piperazine ring),4.25 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz, -O-CH2-C), 4.87 (dt, 1H, J=9.2, 4.0 Hz, -N-CH-CO), 6.81 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-), 7.35 (d, 2H, J=7.9 Hz, aromatic), 7.63 (d, 2H, J=8.3 Hz, aromatic).
【0148】
実施例10
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.65 g, 35.9%;化合物7)を得た。
【0149】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.93 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.01 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.41 〜1.61 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 2.96〜3.10 (m, 4H, piperazine ring), 3.49 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.61 〜3.81 (m, 3H, piperazine ring), 3.68 (d,1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.90 〜3.98 (m, 1H, piperazine ring),4.27 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz, -O-CH2-C), 5.03 (dt, 1H, J=8.9,4.3 Hz, -N-CH-CO), 6.91 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-), 7.00 〜7.06(m, 2H, aromatic), 7.21 〜7.27 (m, 1H, aromatic), 7.37〜7.41(m, 1H, aromatic).
【0150】
実施例11
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(3−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.24 g, 68.4%;化合物8)を得た。
【0151】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.93 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.00 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.42 〜1.63 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 3.17〜3.25 (m, 4H, piperazine ring), 3.48 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.60 〜3.90 (m, 4H, piperazine ring), 3.67 (d,1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 4.27 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz, -O-CH2-C), 5.02 (dt, 1H, J=8.9, 4.3 Hz, -N-CH-CO),6.77〜6.81 (m, 1H, aromatic), 6.86〜6.89 (m, 3H, aromatic and -NH), 7.16〜7.22 (m, 1H, aromatic).
【0152】
実施例12
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.55 g, 27.1%;化合物9)を得た。
【0153】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.93 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.0 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz, -C-CH3), 1.42 〜1.63 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 3.12〜3.20 (m, 4H, piperazine ring), 3.48 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.60 〜3.90 (m, 4H, piperazine ring), 3.67 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 4.27 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz,-O-CH2-C), 5.02 (dt, 1H, J=8.9, 4.3 Hz, -N-CH-CO),6.83〜6.87 (m, 2H, aromatic), 6.90 (d, 1H, J=9.9 Hz, -NH),7.21〜7.3 (m, 2H, aromatic).
【0154】
実施例13
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−4−メチル−1−オキソペンチル)−4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.94 g, 65.2%;化合物10)を得た。
【0155】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.92 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 1.00 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz,-C-CH3), 1.40 〜1.60 (m, 3H, -C-CH2-CH-C2), 3.03〜3.11 (m, 4H, piperazine ring), 3.49 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.60 〜3.88 (m, 4H, piperazine ring), 3.67 (d,1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.78 (s, 3H, -O-CH3),4.27 (dq, 2H, J=7.3, 4.0 Hz, -O-CH2-C), 5.03 (dt, 1H, J=8.9, 4.3 Hz, -N-CH-CO), 6.83〜6.96 (m, 5H, aromatic and -NH).
【0156】
実施例14
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.3 g, 57.4 %)を無色油状物質として得た。
【0157】
実施例15
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−アミノ−1−オキソエチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.75 g, 53.5%)を無色油状物質として得た。
【0158】
実施例16
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.23 g, 55.0%)を無色油状物質として得た。
【0159】
実施例17
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.48 g, 56.6%)を無色油状物質として得た。
【0160】
実施例18
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(3−アミノ−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.16, 52.9%)を無色油状物質として得た。
【0161】
実施例19
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(2−メチルアミノ−1−オキソエチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[N−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]−N−メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.55 g, 76.7%)を無色油状物質として得た。
【0162】
実施例20
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−(1−(2−ピロリジニル)−1−オキソメチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[(2s)−2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−1−ピロリジニル]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.42 g, 49.9%)を無色油状物質として得た。
【0163】
実施例21
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−3−(アセチルアミノメチルチオ)−1−オキソプロピル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−アセチルアミノメチルチオ]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.19 g, 43.7%)を無色油状物質として得た。
【0164】
実施例22
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−4−メチルチオ−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−4−メチルチオ]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(1.54 g, 61.5%)を無色油状物質として得た。
【0165】
実施例23
1−(2−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン塩酸塩の代わりに、1−((s)−2−アミノ−4−カルバモイル−1−オキソブチル)−4−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を用い、実施例4と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−カルバモイル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.2 g, 5.8%)を無色油状物質として得た。
【0166】
実施例24
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステル(0.5 g, 1.06 mmol)のエタノール(20 ml)溶液に、氷冷下、0.1N水酸化ナトリウムのエタノール溶液(16 ml)を加え、室温にて20時間撹拌した。反応液を冷水中にそそぎ、1N塩酸で酸性にし、析出した白色物をろ取し、乾燥した後、酢酸エチル+ヘキサンから再結晶し、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.36 g, 77.8%;化合物11)を得た。
【0167】
1H NMR (CDCl3)δ: 2.34〜2.41 (m, 1H, piperazine ring),2.82〜2.96 (m, 2H, piperazine ring), 2.99 〜3.08 (m, 1H,piperazine ring), 3.06 (d, 2H, J=7.3 Hz, ph-CH2-C-),3.16〜3.24 (m, 1H, piperazine ring), 3.49 〜3.58 (m, 1H,piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.57 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.71 (t, 2H, J=5.1 Hz, piperazine ring), 4.5 〜6.0 (brd, 1H, -COOH), 5.23 (q, 1H, J=7.9 Hz,-N-CH-CO), 6.74 〜6.82 (m, 2H, aromatic), 6.91〜7.00 (m, 2H,aromatic), 7.20 〜7.35 (m, 5H, aromatic), 8.23 (d, 1H,J=8.6 Hz, -NH-).
【0168】
実施例25
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、((2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.1 g, 29.6 %;化合物12)を得た。
1H NMR (CDCl3)δ: 2.38〜2.43 (m, 1H, piperazine ring),2.83〜2.93 (m, 2H, piperazine ring), 2.95 〜3.08 (m, 1H, piperazine ring), 3.06 (d, 2H, J=7.6 Hz, ph-CH2-C-), 3.20〜3.28 (m, 1H,piperazine ring), 3.49〜3.66 (m, 1H, piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.58 (d, 1H, J=1.3 Hz, epoxy ring),3.67〜3.80 (m, 2H, piperazine ring), 4.0〜6.0 (brd, 1H, -COOH), 5.23 (q, 1H, J=7.9 Hz, -N-CH-CO), 6.77〜6.87 (m, 1H, aromatic), 6.93〜7.09 (m, 3H, aromatic), 7.20〜7.36 (m, 5H, aromatic), 8.23 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0169】
実施例26
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.13 g, 69.5%;化合物13)を得た。
【0170】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.96 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 0.99 (d, 3H, J=6.59 Hz, -C-CH3), 1.42 (ddd, 1H, J=14.1, 10.5, 3.6 Hz, -C-CH2-C), 1.6〜1.82 (m, 1H, -C-CH-C2), 1.69 (ddd, 1H, J=14.5, 10.7, 4.23 Hz, -C-CH2-C), 3.08 〜3.26(m, 4H, piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.60〜3.92 (m, 4H, piperazine ring), 3.62 (d, 1H, J=1.8 Hz, epoxy ring), 5.08 (ddd, 1H, J=10.6, 8.6, 3.6 Hz, -N-CH-CO), 5.2 〜 6.4 (brd, 1H, -COOH), 6.84 〜7.03 (m, 4H, aromatic), 8.18 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0171】
実施例27
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.06 g, 29.1%;化合物14)を得た。
【0172】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.96 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 0.99 (d, 3H, J=6.26 Hz, -C-CH3), 1.37 〜1.47 (m, 1H,-C-CH-C2), 1.64 〜1.80 (m, 2H, -C-CH2-C-), 3.17 〜3.36 (m, 4H, piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.62 (d, 1H, J=1.3 Hz, epoxy ring), 3.70〜3.90 (m, 4H, piperazine ring), 5.10 (m, 1H, -N-CH-CO), 6.5〜7.5 (brd, 1H, -COOH), 6.87〜6.96 (m, 3H, aromatic), 7.27〜7.33 (m, 2H, aromatic), 8.20 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0173】
実施例28
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−ジメチルスルファモイル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[(4−ジメチルスルファモイル−1−ピペラジニル)カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.28 g, 39.0%;化合物15)を得た。
【0174】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.94 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 0.96 (d, 3H, J=5.6 Hz, -C-CH3), 1.36〜1.44 (m, 1H,-C-CH-C2), 1.61 〜1.68 (m, 2H, -C-CH2-C-), 2.85 (s, 6H, -N-CH3), 3.17 〜3.35 (m, 4H, piperazine ring), 3.48 〜3.60(m, 2H, piperazine ring), 3.58 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.62 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.70〜3.80 (m, 1H, piperazine ring),3.83〜3.95 (m, 1H, piperazine ring), 4.95 〜5.05 (m, 1H, -N-CH-CO), 7.7 〜8.1 (brd, 1H, -COOH), 7.94 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0175】
実施例29
(2s,3s)−1−[[[[(1s)[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(2.8 g, 70.0 %;化合物16)を得た。
【0176】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.90 (d, 3H, J=6.6 Hz,-C-CH3, 0.93 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 1.23〜1.33(m, 1H, -C-CH-C2), 1.53 〜1.67 (m, 2H, -C-CH2-C-),2.45 (s, 3H, -ph-CH3), 2.73 〜2.91 (m, 2H, piperazine ring),3.28〜3.59 (m, 4H, piperazine ring), 3.45 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.48 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.70〜3.83 (m, 1H,piperazine ring), 3.98〜4.08 (m, 1H, piperazine ring), 4.85 〜 4.97 (m, 1H, -N-CH-CO), 7.35 (d, 2H, J=7.9 Hz, aromatic), 7.63 (d, 2H, J=8.3 Hz, aromatic), 7.97 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0177】
実施例30
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.41 g, 67.2%;化合物17)を得た。
【0178】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.97 (d, 3H, J=6.9 Hz,-C-CH3), 0.98 (d, 3H, J=7.3 Hz, -C-CH3), 1.38 〜1.47(m, 1H, -C-CH-C2), 1.65 〜1.77 (m, 2H, -C-CH2-C-),2.98〜3.19 (m, 4H, piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz,epoxy ring), 3.61 〜3.77 (m, 2H, piperazine ring), 3.64 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.77 〜3.89 (m, 1H, piperazine ring), 3.89 〜4.15(m, 1H, piperazine ring), 5.04〜5.18 (m, 1H, -N-CH-CO), 7.00〜7.06(m, 2H, aromatic), 7.21 〜7.28 (m, 1H, aromatic), 7.37〜7.41 (m,1H, aromatic), 8.25 (d, 1H, J=8.9 Hz, -NH-).
【0179】
実施例31
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.39 g, 67.2%;化合物18)を得た。
【0180】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.96 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 0.99 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 1.36〜1.47 (m, 1H,-C-CH-C2), 1.64 〜1.80 (m, 2H, -C-CH2-C-), 3.18 〜3.36(m, 4H, piperazine ring), 3.53 (d, 1H, J=1.7Hz, epoxy ring), 3.60 〜3.92 (m, 4H, piperazine ring),3.62 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 5.04〜5.12 (m, 1H,-N-CH-CO), 5.5〜6.5 (brd, 1H, -COOH), 6.77〜6.82 (m, 1H, aromatic), 6.88〜6.90 (m, 2H, aromatic), 7.17〜7.23 (m, 1H, aromatic), 8.21 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0181】
実施例32
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.33 g, 63.4%;化合物19)を得た。
【0182】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.96 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 0.99 (d, 3H, J=6.59 Hz, -C-CH3), 1.36 〜1.47 (m, 1H,-C-CH-C2), 1.64 〜1.80 (m, 2H, -C-CH2-C-), 3.10 〜3.31 (m, 4H, piperazine ring), 3.54 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.58〜3.93 (m, 4H, piperazine ring), 3.62 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 5.04 〜5.12 (m, 1H, -N-CH-CO), 4.8 〜6.5 (brd, 1H, -COOH), 6.82〜6.88 (m, 2H, aromatic), 7.21〜7.26 (m, 1H, aromatic), 8.18 (d, 1H, J=8.9 Hz, -NH-).
【0183】
実施例33
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.49 g, 56.7%;化合物20)を得た。
【0184】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.95 (d, 3H, J=6.3 Hz, -C-CH3), 0.99 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3), 1.38〜1.46 (m, 1H,-C-CH-C2), 1.63 〜1.80 (m, 2H, -C-CH2-C-),3.05〜3.19 (m, 4H, piperazine ring), 3.55 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.60 〜3.90 (m, 4H, piperazine ring), 3.62 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 5.06 〜5.13 (m, 1H, -N-CH-CO), 4.8 〜5.8 (brd, 1H, -COOH), 6.84〜7.00, (m, 4H, aromatic),8.14 (d, 1H, J=8.6 Hz, -NH-).
【0185】
実施例34
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.09 g, 89.5%;化合物21)を無色結晶として得た。
【0186】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.98 (d,3H, J=6.6 Hz, -C-CH3),1.01 (d, 3H, J=6.6 Hz, -C-CH3, 2.10 (m, 1H, -CH-C2),2.98〜3.14 (m, 4H, piperazine ring), 3.64 (d, J=1.6 Hz, 1H, epoxy ring), 3.66 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.68〜4.01 (m, 4H, piperazine ring), 4.98 (dd, 1H, J=8.9, 5.9 Hz, -N-CH-CO), 7.00 〜7.06 (m, 2H, aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.39 (m, 1H, aromatic), 8.29 (d,1H, J=8.9, -NH).
【0187】
実施例35
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.08 g, 66.5%;化合物22)を無色結晶として得た。
【0188】
1H NMR (CDCl3)δ: 3.02〜3.09 (m, 4H, piperazine ring),3.63 (m, 2H, piperazine ring), 3.66 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring),3.78 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.80 (m, 2H, piperazine ring),4.11 (dd, 1H, J=17.0, 5.4 Hz, -N-CH-CO), 4.33 (dd, 1H, J=17.0,5.4 Hz, -N-CH-CO), 6.99 〜7.05 (m, 2H, aromatic), 7.23 (m, 1H,aromatic), 7.38 (m, 1H, aromatic), 8.67 (brd, 1H, -NH).
【0189】
実施例36
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[(1s−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[(1s−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.87 g, 77.5%;化合物23)を無色結晶として得た。
【0190】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.41 (d, 3H, J=6.8 Hz, -C-CH3), 2.98〜3.13 (m, 4H, piperazine ring), 3.61 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.63 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.67 〜3.84(m, 3H, piperazine ring), 3.95 (m, 1H, piperazine ring),5.06 (dq, 1H, J=8.4, 6.8 Hz, -N-CH-CO), 7.00〜7.06 (m, 2H, aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.39 (m, 1H, aromatic), 8.13 (d,1H, J=8.4, -NH).
【0191】
実施例37
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.07 g, 77.4%;化合物24)を無色結晶として得た。
【0192】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.92 (t, 3H, J=7.3 Hz, -C-CH3), 1.00 (d, 3H, J=6.8 Hz, -C-CH3), 1.22 (m, 1H, -CH-C2-),1.54 (m, 1H, -CH-C), 1.84 (m, 1H, -CH-C), 2.97〜3.17 (m, 4H,piperazine ring), 3.60 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.64(d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.65 〜3.79 (m, 2H, piperazine ring),3.85〜4.05 (m, 2H, piperazine ring), 4.98 (dd, 1H, J=9.2, 6.3 Hz, -N-CH-CO), 7.00 〜7.06 (m, 2H, aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.39 (m, 1H, aromatic), 8.29 (d, 1H, J=9.2, -NH).
【0193】
実施例38
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.85 g, 78.9%;化合物25)を無色結晶として得た。
【0194】
1H NMR (DMSO-d6)δ: 2.56 (t, 2H, J=6.9 Hz, -C-CH2-CO),2.91〜2.98 (m, 4H, piperazine ring), 3.35 (td, 2H, J=6.9, 5.6 Hz, N-CH2-C), 3.49 (d, 1H, J=2.0 Hz, epoxy ring), 3.59 (d, 1H,J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.56 〜3.64 (m, 2H, piperazine ring),3.80 (m, 2H, piperazine ring), 7.07 (td, 1H, J=7.9, 1.7 Hz, aromatic), 7.15 (dd, 1H, J=7.9, 1.7 Hz, aromatic), 7.43 (dd, 1H,J=7.9, 1.7 Hz, aromatic), 7.31 (m, 1H, aromatic), 8.40 (t, 1H,J=5.6 Hz, -NH), 13.50 (brd, 1H, -COOH).
【0195】
実施例39
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[N−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]−N−メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[N−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]メチル]−N−メチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.08 g, 74.8%;化合物26)を無色結晶として得た。
【0196】
1H NMR (CDCl3)δ: 3.01〜3.10 (m, 6H, piperazine ring),3.27 (s, 3H, -NCH3), 3.63 〜3.71 (m, 2H, -N-CH2-CO), 3.75 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring), 3.78 〜3.90 (m, 2H, piperazine ring),4.02 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring), 6.98〜7.05 (m, 2H, aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.36 (m, 1H, aromatic).
【0197】
実施例40
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[(2s)−2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−1−ピロリジニル]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[(2s)−2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−1−ピロリジニル]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.94 g, 7.07%;化合物27)を無色結晶として得た。
【0198】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.94-2.11 (m, 2H, pyrrolidine ring),2.17〜2.30 (m, 2H, pyrrolidine ring), 3.06〜3.20 (m, 4H,piperazine ring), 3.63〜3.76 (m, 2H, piperazine ring), 3.81 〜3.85(m, 5H), 4.00 (dt, 1H, J=13.7, 4.4 Hz, pyrrolidine ring), 4.96 (dd, 1H, J=7.8, 4.3 Hz, pyrrolidine ring), 6.97〜7.04 (m, 2H,aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.37 (m, 1H, aromatic).
【0199】
実施例41
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−アセチルアミノメチルチオ]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−アセチルアミノメチルチオ]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.88 g, 77.9%;化合物28)を無色結晶として得た。
【0200】
1H NMR (CDCl3)δ: 2.05 (s, 3H, -COCH3), 2.85(dd, 1H, J=13.9, 8.3 Hz, -C-CH-S), 2.96 〜3.16 (m, 5H), 3.69(d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.78 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring),3.71〜3.89 (m, 4H, piperazine ring), 4.39 (d, 2H, J=8.3 Hz, -S-CH2-N), 5.21 (m, 1H, -N-CH-CO), 6.97 〜7.02 (m, 2H, aromatic), 7.22 (m, 1H, aromatic), 7.36 (m, 1H, aromatic), 7.80 (d, 1H,J=8.3, -NH), 9.00 (brd, 1H, -NH).
【0201】
実施例42
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチルチオ]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチルチオ]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(1.17 g, 80.7%;化合物29)を無色結晶として得た。
【0202】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.98 (dd, 2H, J=6.9, 6.6 Hz,-CH-C-C), 2.12 (s, 3H, -SCH3), 2.57 (dt, 2H, J=6.9, 2.3 Hz, -C-CH2-C-S), 3.05 〜3.19 (m, 4H, piperazine ring), 3.63 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring), 3.65 (d, 1H, J=1.9 Hz, epoxy ring),3.71〜3.94 (m, 4H, piperazine ring), 5.26 (m, 1H, -N-CH-CO),7.00〜7.06 (m, 2H, aromatic), 7.24 (m, 1H, aromatic), 7.38 (m, 1H, aromatic), 8.18 (d, 1H, J=8.6, -NH).
【0203】
実施例43
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−カルバモイル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−カルバモイル]プロピル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.14 g, 74.5 %;化合物30)を無色結晶として得た。
【0204】
1H NMR (CDCl3)δ: 1.85 (brd, 2H, -NH2), 2.14 (m, 1H, -C-CH-C-CO-), 2.36 〜2.53 (m, 3H, -CH-CH2-C-CO-),2.89〜3.06 (m, 4H, piperazine ring), 3.57 〜3.79 (m, 6H, piperazine and epoxy ring), 5.02 (m, 1H, -N-CH-CO), 6.96 〜7.02 (m, 2H,aromatic), 7.21 (m, 1H, aromatic), 7.37 (m, 1H, aromatic),7.88 (brd, 1H, -NH).
【0205】
実施例44
(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−2−フェニル]エチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルの代わりに、(2s,3s)−3−[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−1−シクロペンチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸エチルエステルを用い、実施例24と同様の操作をし、(2s,3s)−3−[[[(1s)−1−[[4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−1−シクロペンチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.52 g, 55.6%;化合物31)を無色結晶として得た。
【0206】
1H NMR (DMSO-d6)δ: 1.61 (m, 4H, cyclopentyl),1.87 (m, 2H, cyclopentyl), 2.22 (m, 2H, cyclopentyl), 2.97 (m, 4H, piperazine), 3.45 (d, 1H, J=1.6 Hz, epoxy ring), 3.58 (d, 1H, J=2.1 Hz, epoxy ring), 3.60 (m, 4H, piperazine ring),6.95〜7.20 (m, 4H, aromatic), 8.89 (s, 1H, -NH), 13.4 (brd, 1H, -COOH).
【0207】
実施例45
実施例29で得られた(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸(0.935 g, 2 mmol )のジクロロメタン(15 ml)溶液に、o-ベンジルヒドロキシルアミン(0.638 g, 4.0 mmol)とN−メチルモルホリン(0.405 g, 4.0 mmol )を加えさらにジシクロヘキシルカルボジイミド(0.619 g, 3.0 mmol)のジクロロメタン(5 ml)溶液を、氷冷下、滴下した。室温で24時間撹拌した後、析出物を濾去し、ジクロロメタン(20 ml)で洗浄し、濾液とあわせ、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル:ヘキサン(2:1)で溶出し、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸ベンジルオキシアミド(0.86 g, 75.1%;化合物32)を得た。
【0208】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.84 (d, 3H, J=6.2 Hz, -C-CH3), 0.91 (d, 3H, J=6.5 Hz, -C-CH3), 1.23〜1.31 (m, 1H, -C-CH2-C), 1.36〜1.58 (m, 2H, -C-CH-C, -C-CH-C2), 2.43 (s, 3H, -ph-CH3), 2.72〜2.86 (m, 2H, piperazine ring), 3.14 〜3.27 (m, 2H, piperazine ring), 3.31 〜3.51 (m, 2H, piperazine ring), 3.40 (d, 1H, J=1.4 Hz, epoxy ring), 3.43 (d, 1H, J=1.7 Hz, epoxy ring), 3.63 〜3.74(m, 1H, piperazine ring), 3.84〜3.98 (m, 1H, piperazine ring),4.80〜4.90 (m, 1H, -N-CH-CO), 4.87 (s, 3H, -O-CH2-ph),7.30〜7.40 (m, 8H, aromatic, -NH-), 7.56〜7.66 (m, 2H, aromatic), 9.05 (s, 1H, -NH-).
【0209】
実施例46
実施例45で得られた(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボン酸ベンジルオキシアミド(0.57 g, 1 mmol)のメタノール(25 ml)溶液に、触媒量のパラジウムカーボンを加え接触水素還元を行った。反応終了後、パラジウムカーボンを濾去し、濾液を濃縮した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付した。酢酸エチルで溶出し、(2s,3s)−3−[[[[(1s)−1−[[4−(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ピペラジニル]カルボニル]−3−メチル]ブチル]アミノ]カルボニル]オキシランカルボヒドロキサム酸(0.18 g, 37.3%;化合物33)を得た。
【0210】
1H NMR (CDCl3)δ: 0.84 (d, 3H, J=5.9 Hz,-C-CH3), 0.90 (d, 3H, J=5.9 Hz, -C-CH3),1.24〜1.33 (m, 1H, -C-CH2-C), 1.50〜1.64 (m, 2H, -C-CH-C, -C-CH-C2), 2.42 (s, 3H, -ph-CH3), 2.90〜3.20 (m, 4H,piperazine ring), 3.44〜3.80 (m, 3H, piperazine ring),3.51 (s, 1H, epoxy ring), 3.68 (s, 1H, epoxy ring), 4.56〜4.66(m, 1H, piperazine ring), 4.76〜4.90 (m, 1H, -N-CH-CO), 7.33 (d, 2H, J=7.8 Hz, aromatic), 7.62 (dd, 2H, J=7.8, 1.7 Hz,aromatic), 7.84 〜7.94 (brd, 1H, -NH-) 9.80 〜10.40 (brd, 1H, -OH).
【0211】
実施例47(錠剤)
化合物23 88mg
デンプン 17mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
以上の成分を1錠分の材料として、常法により錠剤に成型する。必要に応じて糖衣錠を付してもよい。
【0212】
実施例48(カプセル剤)
化合物18 50mg
乳糖 100mg
デンプン 30mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
以上の成分を混和して、1カプセル分の材料として、ゼラチンカプセルに充填する。
【0213】
実施例49(注射剤)
化合物21 2.5mg
塩化ナトリウム 900mg
1N水酸化ナトリウム 適量
注射用蒸留水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して注射剤とする。
【0214】
実施例50(点眼剤)
化合物18 50mg
ホウ酸 700mg
ホウ砂 適量
塩化ナトリウム 500mg
エデト酸ナトリウム 0.05mg
塩化ベンザルコニウム 0.005mg
滅菌精製水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して点眼剤とする。
【0215】
実施例51
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−ロイシナール
バリン(11.5g)を1M水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し、さらに精製水200mlとテトラヒドロフラン100mlを加え、氷冷下で撹拌しながら、1M水酸化ナトリウム水溶液100mlと2−ナフタレンスルホニルクロリド(18.5g)のテトラヒドロフラン溶液100mlを同時に滴下した。この溶液を室温で一昼夜撹拌し、反応させた。反応終了後、反応液をpH2〜3に調整して酢酸エチルで抽出した。抽出液を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリン12.8gを白色結晶として得た。
【0216】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリン(12.0g)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(5.4g)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(9.0g)のジクロロメタン溶液200mlをゆっくりと加えた。この溶液を室温で約4時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル14.1gを白色結晶として得た。
【0217】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(1.8g)とロイシノール(0.63g)をジクロロメタン100mlに加え、室温で撹拌しながらトリエチルアミン(0.68g)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。ジクロロメタンを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−ロイシノール1.3gを白色結晶として得た。
【0218】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−ロイシノール(1.3g)をジメチルスルホキシド20mlとジクロロメタン10mlに溶解しトリエチルアミン(1.9g)を加えた。この溶液を室温で撹拌しながら三酸化硫黄ピリジン錯体(2.0g)のジメチルスルホキシド溶液20mlを加え、さらに2時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−ロイシナール(化合物34)0.98gを白色結晶として得た。
【0219】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.42 (d, 3H, J=6.3Hz),0.55 (d, 3H, J=6.3Hz), 0.84 (d, 3H, J=6.6Hz), 0.88 (d, 3H, J=6.6Hz),0.93-1.12 (m, 2H), 1.14-1.28 (m, 1H), 1.82-2.00 (m, 1H), 3.63-3.72(m, 2H), 7.62-8.40 (m, 9H), 9.02 (s, 1H).
Anal. (C21H28N2O4S) C, H, N.
【0220】
実施例51−2
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−ロイシナール(化合物35)を白色結晶として得た。
【0221】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74 (d, 3H, J=5.9Hz),0.80 (d, 6H, J=6.4Hz), 0.85 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.14-1.46 (m, 3H),1.81-1.93 (m, 1H), 3.56-3.62 (dd, 1H, J=6.6, 9.5Hz), 3.80-3.88(m, 1H), 7.33-7.42 (m, 2H), 7.79-7.86 (m, 2H), 7.96 (d, 1H, J=9.8Hz), 8.27 (d, 1H, J=7.3Hz), 9.14 (s, 1H).
Anal. (C17H25FN2O4S) C, H, N.
【0222】
実施例51−3
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−クロロベンゼンスルホニルクロリドを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−ロイシナール(化合物36)を白色結晶として得た。
【0223】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74 (d, 3H, J=5.9Hz),0.82 (d, 6H, J=6.8Hz), 0.88 (d, 3H, J=6.3Hz), 1.15-1.46 (m, 1H),3.61 (dd, 1H, J=6.8, 9.3Hz), 3.82-3.90 (m, 1H), 7.56-7.63 (m, 2H),7.44-7.79 (m, 2H), 8.03 (d, 1H, J=9.3Hz), 8.26 (d, 1H, J=7.3Hz),9.15 (s, 1H).
Anal. (C17H25ClN2O4S) C, H, N.
【0224】
実施例51−4
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりにp−トルエンスルホニルクロリドを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−メチルフェニルスルホニル)−L−バリル−L−ロイシナール(化合物37)を白色結晶として得た。
【0225】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.72-0.90 (m, 12H), 1.18-1.45 (m, 3H), 1.79-1.91 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 3.57(t, 1H, J=7.7Hz), 3.77-3.84 (m, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.62-7.70 (m, 2H), 7.76 (d, 1H, J=8.3Hz), 8.26 (d, 1H, J=6.8Hz), 9.07 (s, 1H).
Anal. (C18H28N2O4S) C, H, N.
【0226】
実施例51−5
実施例51のバリンの代わりにtert−ロイシンを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−ロイシナール(化合物38)を白色結晶として得た。
【0227】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.35 (d, 3H, J=6.4Hz),0.46 (d, 3H, J=6.4Hz), 0.78-0.95 (m, 2H), 0.95 (s, 9H), 1.08-1.20 (m, 1H), 3.45-3.55 (m, 1H), 3.67 (d, 1H, J=10.3Hz), 7.62-7.72 (m, 2H), 7.82-7.86 (m, 1H), 7.97-8.10 (m, 4H), 8.17 (d, 1H, J=6.4Hz), 8.29 (m, 1H), 8.91 (s, 1H).
Anal. (C22H30N2O4S) C, H, N.
【0228】
実施例51−6
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、バリンの代わりにD−バリンを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリル−L−ロイシナール(化合物39)を白色結晶として得た。
【0229】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.78 (d, 3H, J=6.3Hz),0.82 (d, 3H, J=6.9Hz), 0.83 (d, 6H, J=6.3Hz), 1.24-1.50 (m, 3H),1.80-1.92 (m, 1H), 3.62 (s br, 1H), 3.84-3.92 (m, 1H), 7.32-7.41(m, 2H), 7.79 (m, 3H), 8.33 (d, 1H, J=6.9Hz), 8.96 (s, 1H).
Anal. (C22H30N2O4S) C, H, N.
【0230】
実施例51−7
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、バリンの代わりにノルロイシンを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−ノルロイシル−L−ロイシナール(化合物40)を白色結晶として得た。
【0231】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74-0.90 (m, 9H),1.07-1.59 (m, 9H), 3.76 (t, 1H, J=5.4Hz), 3.84-3.91 (m, 1H),7.34-7.45 (m, 2H), 7.79-8.07 (m, 3H), 8.29 (d, 1H, J=7.3Hz), 9.18 (s, 1H).
Anal. (C22H30N2O4S) C, H, N.
【0232】
実施例51−8
実施例51の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、バリンの代わりにノルバリンを用い、実施例51と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−ノルバリル−L−ロイシナール(化合物41)を白色結晶として得た。
【0233】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.69-0.85 (m, 9H),1.14-1.66 (m, 7H), 3.78 (t, 1H, J=6.3Hz), 3.84-3.92 (m, 1H), 7.34-7.42 (m, 2H), 7.79-8.02 (m, 3H), 8.28 (d, 1H, J=7.3Hz),9.18 (s, 1H).;
Anal. (C22H30N2O4S) C, H, N.
【0234】
実施例52
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−フェニルアラニナール
tert−ロイシン(13.1g)を1M水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し、さらに精製水200mlとテトラヒドロフラン100mlを加え、氷冷下で撹拌しながら、1M水酸化ナトリウム水溶液100mlと2−ナフタレンスルホニルクロリド(20.4g)のテトラヒドロフラン溶液100mlを同時に滴下した。この溶液を室温で一昼夜撹拌し、反応させた。反応終了後、反応液をpH2〜3に調整して酢酸エチルで抽出した。抽出液を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシン16.5gを白色結晶として得た。
【0235】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシン(16.0g)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(6.9g)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(11.5g)のジクロロメタン溶液200mlをゆっくりと加えた。この溶液を室温で約12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル18.3gを白色結晶として得た。
【0236】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(1.8g)とフェニルアラニノール(1.0g)をジクロロメタン50mlに加え、室温で撹拌しながらトリエチルアミン(0.86g)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。ジクロロメタンを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−フェニルアラニノール1.6gを白色結晶として得た。
【0237】
N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−フェニルアラニノール(1.6g)をジメチルスルホキシド20mlとジクロロメタン10mlに溶解しトリエチルアミン(2.1g)を加え、室温で撹拌しながら三酸化硫黄ピリジン錯体(2.2g)のジメチルスルホキシド溶液15mlを加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−フェニルアラニナール(化合物42)1.1gを白色結晶として得た。
【0238】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.86 (s, 9H), 2.26-2.40 (m, 1H), 2.63-2.77 (m, 1H), 3.56 (dd, 1H, J=6.8, 13.2Hz), 3.63-3.68 (m, 1H), 6.87-6.90 (m, 1H), 6.99-7.03 (m, 1H), 7.11-7.22(m, 3H), 7.60-7.72 (m, 2H), 7.80-7.87 (m, 1H), 7.92-8.19 (m, 4H), 8.35 (d, 1H, J=6.8Hz), 8.40-8.43 (m, 1H), 8.63 (s, 1H).
Anal. (C25H28N2O4S) C, H, N.
【0239】
実施例52−2
実施例52の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、tert−ロイシンの代わりにバリンを用い、実施例52と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−フェニルアラニナール(化合物43)を白色結晶として得た。
【0240】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.76 (d, 3H, J=6.4Hz),0.77 (d, 3H, J=6.4Hz), 1.69-1.86 (m, 1H), 2.67 (dd, 1H, J=8.8,14.2Hz), 3.02 (dd, 1H, J=5.1, 14.2Hz), 3.56 (dd, 1H, J=6.4, 9.3Hz), 3.99-4.07 (m, 1H), 7.12-7.29 (m, 7H), 7.72-7.84 (m, 2H), 7.92 (d, 1H, J=9.3Hz), 8.44 (d, 1H, J=6.8Hz), 9.07 (s, 1H).
Anal. (C20H23FN2O4S) C, H, N.
【0241】
実施例52−3
実施例52のtert−ロイシンの代わりにバリンを用い、実施例52と同様の操作をしてN−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−フェニルアラニナール(化合物44)を白色結晶として得た。
【0242】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.63 (d, 3H, J=6.6Hz),0.76 (d, 3H, J=6.6Hz), 1.68-1.82 (m, 1H,), 2.40-2.92 (m, 1H), 3.64(dd, 1H, J=6.6, 9.2Hz), 3.97-3.87 (m, 1H), 6.95-7.02 (m, 2H), 7.10-7.23 (m, 3H), 7.62-7.82 (m, 3H), 7.94-8.10 (m, 4H), 8.36-8.43(m, 2H), 8.86 (s, 1H).
Anal. (C24H26N2O4S) C, H, N.
【0243】
実施例52−4
実施例52の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりに4−クロロベンゼンスルホニルクロリドを用い、tert−ロイシンの代わりにバリンを用い、実施例52と同様の操作をしてN−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−フェニルアラニナール(化合物45)を白色結晶として得た。
【0244】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.77 (d, 3H, J=6.8Hz),0.79 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.70-1.87 (m, 1H), 2.67 (dd, 1H, J=8.8,14.2Hz), 3.01 (dd, 1H, J=5.4, 14.2Hz), 3.60 (dd, 1H, J=6.4, 9.3Hz), 4.00-4.07 (m, 1H), 7.12-7.32 (m, 5H), 7.50-7.60 (m, 2H), 7.68-8.00(m, 2H), 7.98 (d, 1H, J=9.3Hz), 8.44 (d, 1H, J=6.8Hz), 9.09 (s, 1H).
Anal. (C20H23ClN2O4S) C, H, N.
【0245】
実施例52−5
実施例52の2−ナフタレンスルホニルクロリドの代わりにp−トルエンスルホニルクロリドを用い、tert−ロイシンの代わりにバリンを用い、実施例52と同様の操作をしてN−(4−メチルフェニルスルホニル)−L−バリル−L−フェニルアラニナール(化合物46)を白色結晶として得た。
【0246】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74 (d, 6H, J=6.4Hz),1.71-1.81 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.65 (dd, 1H, J=8.8, 14.2),2.99 (dd, 1H, J=5.4, 14.2), 3.55 (dd, 1H, J=6.4, 9.3Hz), 3.97-4.05(m, 1H), 7.11-7.37 (m, 7H), 7.59-7.66 (m, 2H), 7.73 (d, 1H, J=9.3Hz), 8.41 (d, 1H, J=6.8Hz), 8.99 (s, 1H).
Anal. (C21H26N2O4S) C, H, N.
【0247】
実施例52−6
実施例52のtert−ロイシンの代わりに1−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、実施例52と同様の操作をして1−(2−ナフタレンスルホニルアミノ)シクロヘキサンカルボニル−L−フェニルアラニノール(化合物47)を白色結晶として得た。
【0248】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 1.12 (s br, 6H), 1.65 (s br, 4H), 2.28 (dd, 1H, J=8.6, 14.2Hz), 3.06 (dd, 1H, J=5.3,14.2Hz), 4.07-4.14 (m, 1H), 7.16-7.29(m, 5H), 7.63-7.72 (m, 2H),7.86-7.72 (m, 2H), 7.98-8.15 (m, 4H), 8.41 (s, 1H), 9.29 (s, 1H).
Anal. (C26H28N2O4S) C, H, N.
【0249】
実施例53
N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−トリプトファナール
バリン(13.1g)を1M水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し、さらに精製水250mlとテトラヒドロフラン100mlを加え、氷冷下で撹拌しながら1M水酸化ナトリウム水溶液100mlと4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(19.0g)のテトラヒドロフラン溶液100mlを5回に分けて交互に加えた。この溶液を室温で一昼夜攪拌し、反応させた。反応終了後、反応液をpH2〜3に調整して酢酸エチルで抽出した。抽出液を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリン13.6gを白色結晶として得た。
【0250】
N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリン(13.5g)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(6.4g)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(10.6g)のジクロロメタン溶液200mlをゆっくりと加えた。この溶液を室温で約12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル14.3gを白色結晶として得た。
【0251】
N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(1.5g)とL−トリプトファノール(0.88g)をジクロロメタン100mlに加え、室温で撹拌しながらトリエチルアミン(1.2g)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解して、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−トリプトファノール1.6gを白色結晶として得た。
【0252】
N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−トリプトファノール(1.5g)をジメチルスルホキシド20mlとジクロロメタン15mlに溶解しトリエチルアミン(2.0g)を加え、室温で撹拌しながら三酸化硫黄ピリジン錯体(2.1g)のジメチルスルホキシド溶液20mlを加え、さらに1時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、残渣を分取TLCプレート(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル、1:1)を用いて精製し、N−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−トリプトファナール(化合物48)0.10gを白色結晶として得た。
【0253】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.81 (d, 3H, J=6.8Hz),0.82 (d, 3H, J=6.4Hz), 1.77-1.91(m, 1H), 2.82 (dd, 1H, J=7.8, 15.1Hz),3.07 (dd, 1H, J=5.9, 15.1Hz), 3.65 (dd, 1H, J=6.8, 9.3Hz),4.06-4.14 (m, 1H), 6.96-7.69 (m, 9H), 7.99 (d, 1H, J=9.8Hz),8.41 (d, 1H, J=6.4Hz), 9.21 (s, 1H), 10.92 (s, 1H).;
Anal. (C22H24ClN3O4S) C, H, N.
【0254】
実施例53−2
実施例53の4−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用い、実施例53と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−トリプトファナール(化合物49)を白色結晶として得た。
【0255】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.80 (d, 3H, J=6.8Hz),0.81 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.76-1.88 (m, 1H), 2.82 (dd, 1H, J=8.1,15.1Hz), 3.06 (dd, 1H, J=6.1, 15.1Hz), 3.63 (dd, 1H, J=6.8, 9.3Hz), 4.04-4.12 (m, 1H), 6.98-7.56 (m, 7H), 7.68-7.76 (m, 2H), 7.93 (d, 1H, J=9.3Hz), 8.41 (d, 1H, J=6.4Hz), 9.19 (s, 1H), 10.92 (s, 1H).
Anal. (C22H24FN3O4S) C, H, N.
【0256】
実施例53−3
実施例53の4−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ナフタレンスルホニルクロリドを用い、バリンの代わりに1−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、実施例53と同様の操作をして1−(2−ナフタレンスルホニルアミノ)シクロヘキサンカルボニル−L−トリプトファナール(化合物50)を白色結晶として得た。
【0257】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 1.17 (s br, 6H), 1.72 (s br, 4H), 2.97-3.16 (m, 2H), 4.10-4.17 (m, 1H), 6.95-7.22 (m, 3H), 7.33 (d, 1H, J=8.3Hz), 7.48 (d, 1H, J=7.6Hz), 7.61-7.72 (m, 2H), 7.83-8.14 (m, 6H), 8.41 (s, 1H), 10.89 (s, 1H).
Anal. (C28H29N3O4S) C, H, N.
【0258】
実施例53−4
実施例53の4−クロロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ナフタレンスルホニルクロリドを用い、バリンの代わりにtert−ロイシンを用い、実施例53と同様の操作をしてN−(2−ナフタレンスルホニル)−L−tert−ロイシル−L−トリプトファナール(化合物51)を白色結晶として得た。
【0259】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.89 (s, 9H), 2.43 (dd, 1H, J=6.8, 15.1Hz), 2.68 (dd, 1H, J=7.3, 15.1Hz), 3.64-3.75 (m, 2H), 6.93-7.16 (m, 3H), 7.19 (d, 1H, J=7.8Hz), 7.32 (d, 1H, J=8.3Hz), 7,58-7.67 (m, 2H), 7.76-7.80 (m, 2H), 7.88-8.01 (m, 3H),8.05-8.09 (m, 1H), 8.37 (d, 1H, J=6.4Hz), 8.43 (m, 1H), 8.83 (s, 1H), 10.80 (s, 1H).;
Anal. (C27H29N3O4S) C, H, N.
【0260】
実施例54
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニナール
バリン(11.5g)を1M水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し、さらに精製水200mlとテトラヒドロフラン100mlを加え、氷冷下で撹拌しながら1M水酸化ナトリウム水溶液100mlと4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(17.5g)のテトラヒドロフラン溶液100mlを同時に滴下した。この溶液を室温で一昼夜撹拌し、反応させた。反応終了後、反応液をpH2〜3に調整して酢酸エチルで抽出した。抽出液を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリン15.5gを白色結晶として得た。
【0261】
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリン(12.0g)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(7.6g)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(12.6g)のジクロロメタン溶液200mlをゆっくりと加えた。この溶液を室温で約4時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル14.1gを白色結晶として得た。
【0262】
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(1.5g)と(S)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−1−プロパノール塩酸塩(1.5g)をジクロロメタン80mlに加え、室温で撹拌しながらトリエチルアミン(2.0g)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解して、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニノール1.4gを白色結晶として得た。
【0263】
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニノール(1.3g)をジメチルスルホキシド20ml溶液とジクロロメタン10mlに溶解しトリエチルアミン(1.9g)を加えた。この溶液を室温で撹拌しながら三酸化硫黄ピリジン錯体(2.0g)のジメチルスルホキシド溶液10mlを加え、さらに1時間撹拌を続けた。反応終了後、酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、残渣を分取TLCプレート(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル、1:1)を用いて精製し、イソプロピルエーテルで結晶化を行い、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニナール(化合物52)0.37gを白色結晶として得た。
【0264】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74-1.61 (m, 13H), 0.82 (d, 3H, J=10.9Hz), 0.84 (d, 3H, J=10.9Hz), 1.80-1.93 (m, 1H),3.53-3.66 (m, 1H), 3.77-3.85 (m, 1H), 7.32-7.42 (m, 2H), 7.79-7.87(m, 2H), 7.96 (d, 1H, J=8.9Hz), 8.29 (d, 1H, J=6.6Hz), 9.10 (s, 1H).
Anal. (C20H29FN2O4S) C, H, N.
【0265】
実施例54−2
実施例54の4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ナフタレンスルホニルクロリドを用い、実施例54と同様の操作をしてN−(2−ナフタレンスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニナール(化合物53)を白色結晶として得た。
【0266】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.52-0.82 (m, 13H), 0.82 (d, 3H, J=6.6Hz), 0.84 (d, 3H, J=5.6Hz), 1.81-1.99 (m, 1H),3.63-3.69 (m, 2H), 7.80 (dd, 1H, J=1.9, 8.8Hz), 8.00-8.11(m, 4H), 8.26 (d, 1H, J=6.6Hz), 8.39 (m, 1H), 8.96 (s, 1H).
Anal. (C24H32N2O4S) C, H, N.
【0267】
実施例54−3
実施例54の4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4−クロロフェニルスルホニルクロリドを用い、実施例54と同様の操作をしてN−(4−クロロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−シクロヘキシルアラニナール(化合物54)を白色結晶として得た。
【0268】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74-1.61 (m, 13H), 0.82 (d, 3H, J=10.2Hz), 0.85 (d, 3H, J=10.5Hz), 1.89-1.93 (m, 1H),3.58-3.63 (m, 1H), 3.77-3.85 (m, 1H), 7.58-7.63 (m, 2H), 7.75-7.80(m, 2H), 8.05 (d, 1H, J=7.3Hz), 8.40 (d, 1H, J=6.6Hz), 9.11 (s, 1H).
Anal. (C20H29Cl-N2O4S) C, H, N.
【0269】
実施例55
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリル−D−ロイシナール
D−バリン(6.6g)を1M水酸化ナトリウム水溶液50mlに溶解し、さらに精製水200mlとテトラヒドロフラン100mlを加え、氷冷下で撹拌しながら1M水酸化ナトリウム水溶液100mlと4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(9.7g)のテトラヒドロフラン溶液50mlを同時に滴下した。この溶液を室温で一昼夜撹拌し、反応させた。反応終了後、反応液をpH2〜3に調整して酢酸エチルで抽出した。抽出液を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリン8.3gを白色結晶として得た。
【0270】
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリン(8.0g)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(4.4g)をテトラヒドロフラン150mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(7.3g)のジクロロメタン溶液150mlをゆっくりと加えた。この溶液を室温で約12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル9.6gを白色結晶として得た。
【0271】
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリンN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(1.8g)とD−ロイシノール(0.74g)をジクロロメタン80mlに加え、室温で撹拌しながらトリエチルアミン(1.5g)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解して、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルを減圧留去して、残渣をヘキサン−酢酸エチル混液で洗浄し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリル−D−ロイシノール1.6gを白色結晶として得た。
N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリル−D−ロイシノール(1.5g)をジメチルスルホキシド溶液20mlとジクロロメタン10mlに溶解し、トリエチルアミン(2.4g)を加え、室温で撹拌しながら三酸化硫黄ピリジン錯体(2.6g)のジメチルスルホキシド20mlを加え、さらに1時間撹拌し、反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、分取残渣をTLCプレート(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル、1:1)を用いて精製し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−D−バリル−D−ロイシナール(化合物55)1.0gを白色結晶として得た。
【0272】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.74 (d, 3H, J=6.3Hz),0.82 (d, 6H, J=6.3Hz), 0.87 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.15-1.45 (m, 3H),1.81-1.93 (m, 1H), 3.59 (t, 1H, J=6.8Hz), 3.80-3.88 (m, 1H),7.33-7.42 (m, 2H), 7.79-7.86 (m, 2H), 7.95 (d, 1H, J=6.9Hz),8.26 (d, 1H, J=6.9Hz), 9.14 (s, 1H).
Anal. (C22H30N2O4S) C, H, N.
【0273】
実施例55−2
実施例55のD−バリンの代わりにバリンを用い、実施例55と同様の操作をしてN−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−D−ロイシナール(化合物56)を白色結晶として得た。
【0274】
1H-NMR (DMSO-d6 270MHz) δ: 0.78 (d, 3H, J=6.3Hz),0.82 (d, 3H, J=6.6Hz), 0.83 (d, 6H, J=6.3Hz), 1.18-1.50 (m, 3H),1.79-1.92 (m, 1H), 3.61-3.63 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 1H), 7.33-7.44(m, 2H), 7.80-7.96 (m, 3H), 8.22 (d, 1H, J=6.9Hz), 8.96 (s, 1H).
Anal. (C20H29FN2O4S) C, H, N.
【0275】
実施例56(錠剤)
化合物35 30mg
乳糖 80mg
デンプン 17mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
以上の成分を1錠分の材料として常法により錠剤を成形する。必要に応じて糖衣を施してもよい。
【0276】
実施例57(注射剤)
化合物48 2.5mg
塩化ナトリウム 900mg
1N水酸化ナトリウム 適量
注射用蒸留水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して注射剤とする。
【0277】
実施例58(点眼剤)
化合物35 50mg
ホウ酸 700mg
ホウ砂 適量
塩化ナトリウム 500mg
ヒドロキシメチルセルロース 500mg
エデト酸ナトリウム 0.05mg
塩化ベンザルコニウム 0.005mg
滅菌精製水 全量 100ml
以上の成分を常法により混和して点眼用懸濁液剤とする。
【0278】
試験例1
ベーシックFGF(bFGF)移植によるモルモット角膜の血管新生に対するシステインプロテアーゼ阻害剤の効果
(試験方法)
(1)移植用ペレットの作成方法
8%エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)のジクロロメタン溶液5μlをテフロン板上に落とし風乾させ、その上に0.0167w/v%bFGF3μlを落とし風乾させた。乾燥後丸めて小杆状に成形してbFGF(500ng)含有ペレットを作製した。
また、同様に0.0167w/v%bFGFの代わりに被験液を使用し、被験薬含有ペレットを作製した。被験薬含有ペレットは、27mer カルパスタチンペプチド(シグマ社製) 0.03μmole,0.1μmole/ペレットおよびロイペプチン(ペプチド研社製)0.1μmole/ペレットとなるよう調製した。
対照としてEVAのみのペレットを作製し、基剤ペレットとした。
(2)モルモット角膜へのペレットの移植
M. Kusaka ら〔Biochem. Biophys. Res. Comm., 174 巻, 1070-1076 頁(1991年) 〕の方法に準じて行った。すなわち、体重300〜400gの雄性モルモットにケタラール50(塩酸ケタミン;三共株式会社製)とセラクタール(塩酸キシラジン;バイエル薬品株式会社製)の1:1の混合液で全身麻酔を施した後、両眼の角膜実質層の中層に0.5mm幅の眼科用スパーテルを用いて角膜輪部より角膜中央に向かってポケットを作成した。作成したポケットに、被験薬含有ペレットを挿入し、そのペレットに隣接するようにbFGF含有ペレットを挿入した。感染防止のためオフロキサシン眼軟膏〔タリビット眼軟膏(オフロキサシン0.3%)、参天製薬株式会社製)を両ペレット挿入直後に1回点入し、以降0.3%ロメフロキサシン(ロメフロン眼科用耳科用液、千寿製薬株式会社製)を1日1回、5日間点眼した。
(3)システインプロテアーゼ阻害剤の効果の判定
システインプロテアーゼ阻害剤の効果は、スリットランプを用いた角膜観察により行った。また、無血管組織である角膜に新たに形成された血管は透過性が高く、血漿成分が角膜に流入することにより角膜の湿重量および血漿成分が増加すると推察し、ペレット移植9日後にモルモットを屠殺し、角膜を採取した。採取した角膜は湿重量を測定した。湿重量測定後、角膜をホモジネートし、遠心分離によって得られた水溶性タンパク質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離した。電気泳動後、クーマシーブリリアントブルーでゲルを染色し、画像解析(NIH Image 1.31)により血漿成分の主タンパクの一つであるアルブミンの定量を行った。標準物質としてモルモット血清アルブミンを使用した。
【0279】
(試験結果)
(1)スリットランプによる角膜観察結果
無処置群の角膜と比較して、基剤ペレット移植群では、角膜に変化は認められなかった。bFGF含有ペレット移植群(以下コントロール群という場合もある)では、移植後4日後からbFGF含有ペレット移植部近辺から血管の出現が認められ、移植後9日後ではモルモットの角膜全体に放射状に血管が新生された。27mer カルパスタチンペプチド含有ペレットおよびロイペプチン含有ペレットをbFGF含有ペレットと共に移植した群では、いずれの群とも血管の出現が認められたが、コントロール群に比較しその程度は軽度で、角膜輪部に主として血管の新生が認められたのみであった。移植後9日後のモルモットの角膜の状態を図1および図2に示した。
(2)角膜の湿重量
その結果を図3に示した。無処置群と基剤ペレット移植群の角膜湿重量は、ほぼ同重量で、基剤ペレット移植による影響は認められなかった。これに対し、コントロール群の角膜湿重量は、無処置群および基剤ペレット移植群と比較して増加していた。27mer カルパスタチンペプチド含有ペレットまたはロイペプチン含有ペレットをbFGF含有ペレットと共に移植した群では、コントロール群に比較し、角膜湿重量の増加が抑制された。
このことから、27mer カルパスタチンペプチドおよびロイペプチンは血管新生による角膜の湿重量の増加を抑制することが判明した。
(3)角膜のアルブミン量
その結果を図4に示した。無処置群のアルブミン量は35.2±9.6(S.D.)または56.1±13.5(S.D.)と非常に少なかった。これは角膜が無血管組織であるからである。これに比較し、基剤ペレット移植群のアルブミン量は無処置群よりわずかに増加していた。これはペレット移植時の外科的刺激によるものと考えられた。これに対し、コントロール群のアルブミン量は、無処置群の約17倍または約9倍、および基剤ペレット移植群の約8倍に増加した。これは新生された血管は透過性が高く、血漿の主成分であるアルブミンが新生された血管に対応して増加したものである。27mer カルパスタチンペプチド含有ペレットおよびロイペプチン含有ペレットをbFGF含有ペレットと共に移植した群では、コントロール群に比較し、角膜中のアルブミン量の増加が抑制された。
以上のように、システインプロテアーゼ阻害剤は血管新性を抑制することが明らかとなった。
【0280】
試験例2
一般式(I)および(IV)で表される化合物の生物活性について記載する。該化合物(I)、(IV)およびこれらの塩は、チオールプロテアーゼ阻害作用を示すが、下記の方法により、カルパイン、カテプシンLおよびパパイン、およびセリンプロテアーゼのトリプシンに対する阻害活性を測定し、その結果を表6、7に示す。
μ−カルパイン阻害作用
μ−カルパイン(ナカライテスク社製)の活性は文献[Anal. Biochem., 208巻, 387 - 392 頁(1993 年)]に記載された方法に準じて測定した。すなわち、0.5mg/mlカゼイン、50mMTris-HCl(pH7.4)、20mMジチオスレイトール、4mM塩化カルシウムを含む溶液に種々の濃度の被験薬を含むジメチルスルホキシド溶液2.5μlと0.03酵素単位μ−カルパインを添加し、反応を開始した。最終液量は250μlとした。30℃、60分間反応させた後、反応液100μlを別の容器に移し、精製水50μlと50%クマーシブリリアントブルー溶液100μlを加えて室温で15分間静置した後、595nmにおける吸光度を測定した。被験薬を含まないジメチルスルホキシド溶液2.5μlを添加し、同様に処理した後、測定したものをコントロール値、4mM塩化カルシウム水溶液の代わりに0.2mM EDTAを添加したものをブランク値として、以下の式により阻害率を計算し、阻害剤の濃度との関係を対数グラフにプロットし、50%阻害に必要な量(IC50)を求めた。
【0281】
【数1】
Figure 0003996659
【0282】
カテプシンL阻害活性の測定法
システインプロテアーゼであるカテプシンL(コスモバイオ社製)の活性は文献 [Methods in Enzymology, 80 巻, 535 - 561(1981)]に記載された方法に準じて測定した。すなわち、85mM酢酸緩衝液(pH5.5)、2mMジチオスレイトール、1mM EDTA、2μgカテプシンL、種々の濃度の被験薬を含む溶液に20μM Carbobenzoxy-L-Phenylalanyl-L-Arginine-4-Methyl-Coumaryl-7-Amide (Z-Phe-Arg-MCA)を50μl添加し、最終液量を200μlとして反応を開始した。30℃、20分間反応させた後、1M Tris-HCl(pH8.0)を20μl加えて反応を停止した。遊離した4−メチル−7−アミノクマリンの量を蛍光光度計を用いて、励起波長360nm 、蛍光波長450nmで測定した。被試験無添加で同様に処理した後測定したものをコントロール値、酵素無添加のものをブランク値とし、上記と同様にIC50を求めた。
【0283】
パパインおよびトリプシン阻害活性の測定法
システインプロテアーゼであるパパインおよびセリンプロテアーゼであるトリプシン(シグマ社製)の活性は文献[Anal. Biochem., 208巻, 387 - 392 頁 (1993)]に記載された方法に準じて測定した。即ち、0.5mg/mlカゼイン、50mM Tris−HCl(pH8.0)、20mMジチオスレイトール、0.2mM EDTAを含む溶液に種々の濃度の被験薬を含むジメチルスルホキシド溶液2.5μlと0.03酵素単位のパパインまたはトリプシンを添加し、反応を開始した。最終液量は250μlとした。30℃、60分間反応させた後、反応液100μlを別の容器に移し、精製水50μlと50%クマシーブリリアントブルー溶液100μlを加えて、室温で15分間静置した後、595nmにおける吸光度を測定した。被験薬を含まないジメチルスルホキシド溶液2.5μlを添加し、同様に処理した後測定したものをコントロール値、酵素無添加のものをブランク値とし、上記と同様にIC50を求めた。
【0284】
【表7】
Figure 0003996659
【0285】
【表8】
Figure 0003996659
【0286】
また、本発明で使用されるシステインプロテアーゼ阻害化合物は、ヒトおよび動物に対して毒性を示さなかった。
【0287】
【発明の効果】
本発明の血管新生抑制剤は、生体組織での血管の新生を抑制することから、創傷治癒、炎症、腫瘍の増殖などに伴う血管新生や、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症、老人性円板状黄斑変性症などでみられる血管新生の優れた治療および予防剤として、また腫瘍の転移予防剤として利用できる。
このように一般式(I)、(IV)で表される化合物およびこれらの塩は、カルパイン、カテプシンLおよびパパイン等のシステインプロテアーゼに対する阻害活性を有し、セリンプロテアーゼ(トリプシン)に対する阻害作用を有さなかった。このことから、化合物(I)、(IV)およびこれらの塩は、システインプロテアーゼが関与する種々の疾患、たとえば、哺乳類(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒトなど)の虚血性疾患、炎症、筋ジストロフィー、免疫疾患、本態性高血圧、アルツハイマー病、クモ膜下出血および骨粗鬆症などの予防および治療薬として、特に血管新生抑制剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】bFGF含有ペレット、および27merカルパスタチンペプチド(0.03μmoleおよび0.1μmole)含有ペレットをbFGF含有ペレットと共にモルモット角膜に移植し、9日後にスリットランプで観察したモルモット角膜の状態を示す図面(生物の形態を表している写真)である。
【図2】bFGF含有ペレット、およびロイペプチン(0.1μmole)含有ペレットをbFGF含有ペレットと共にモルモット角膜に移植し、9日後にスリットランプで観察したモルモット角膜の状態を示す図面(生物の形態を表している写真)である。
【図3】bFGF含有ペレット、および27merカルパスタチンペプチド(0.03μmoleおよび0.1μmole)またはロイペプチン(0.1μmole)含有ペレットをbFGF含有ペレットと共にモルモット角膜に移植し、9日後に採取したモルモット角膜の湿重量を示すグラフである。
【図4】bFGF含有ペレット、および27merカルパスタチンペプチド(0.03μmoleおよび0.1μmole)含有ペレットまたはロイペプチン(0.1μmole)含有ペレットをbFGF含有ペレットと共にモルモット角膜に移植し、9日後に採取したモルモット角膜中のアルブミン量を示すグラフである。

Claims (1)

  1. (VI):
    Figure 0003996659
    (式中、R11はハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基、カルボキシル基または炭素数2〜5のアシル基で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を示し、R12とR13は同一または異なって、水素、炭素数1〜4のアルキル基を示すか、または連結して炭素数3〜7の環を形成してもよく、R14はアリール基、シクロアルキル基または芳香族複素環で置換されていてもよい直鎖状、分枝状または環状の炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表わされる化合物またはその塩を含む血管新生抑制剤。
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