JP3996264B2 - フルオロ誘導体の合成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は少なくとも部分的に錯塩の形態であるフッ素を含む反応体を用いたフッ素より高い列のハロゲンの交換によりアルキル鎖の炭素上がフッ素化された炭化水素化合物の合成方法に関する。本発明は、より詳細には、誘起効果により電子吸引性である炭素原子含有基がフッ素化された誘導体を得ることができる方法に関する。
【0002】
フルオロ化合物は一般に得ることが困難である。フッ素の反応性はフルオロ誘導体を直接的に得ることが困難であり、更には不可能であるような反応性である。
【0003】
フルオロ誘導体を製造するための最も一般的に用いられている技術のうちの1つは無機フッ素であって一般にはアルカリ金属フッ化物であって一般には高い原子量のアルカリ金属フッ化物でハロゲンを交換するために、ハロゲン誘導体であって一般にはクロロ誘導体を反応させることからなる。
【0004】
一般に、用いられるフッ化物はフッ化カリウムであり、それは妥協として経済的に満足できるものである。
【0005】
これらの条件下で、多くの方法、例えば、Certificate of Addition No.2,353,516号に記載の方法およびChem. Ind.(1978)-56 の論文に記載の方法はアリール上で電子吸引性基がグラフト化されたフッ化アリールを得るために産業上用いられている。
【0006】
このタイプの合成に特に適切な基質の場合を除いて、この技術は欠点を有し、主な欠点を下記に分析するであろう。
【0007】
反応は、アルカリ金属フッ化物、例えば、フッ化カリウムのような反応体を必要とし、それはこのタイプの合成に適切であるために満たさなければならない仕様により比較的に高価である。それは非常に純粋で、乾燥しており、そして適切な物理形態でなければならない。
【0008】
更に、この反応は、全てのクラスの製品、特に、ハロ保有炭素( 即ち、フッ素との交換がされるハロゲンを有する炭素) 上で置換されている製品の全てのクラスの製品について機能するわけではない。
【0009】
液体の状態であるかまたは極性非プロトン溶剤で希釈されたフッ化水素酸のような反応体も用いられる。しかし、フッ化水素酸は反応体として強すぎ、そしてしばしば望ましくない重合反応物またはタールを生じる。
【0010】
この場合、そして、特に、電子吸引性基の存在により電子が少なくなったアルキルタイプ( アラルキルを含む) の炭素上のフッ素化誘導体を得ることが所望されている場合には、非常に過酷な条件が選ばれ、そしてタールが特に得られるか、または、穏やかな反応条件が選ばれ、そして最良の場合にも基質に変化が見られないといったあまり望ましくない問題に当業者は直面する。ある著者は、酸化物またはフッ化物の形態での重質元素の存在下でフッ化水素酸塩を反応体として用いて、交換を行うことを提案していることが指摘されるべきである。アンチモン、および、銀およびクイックシルバー( 水銀) のような重金属が用いられる元素として挙げられるべきである。
【0011】
別の問題は反応の選択性にある。同一の炭素上で交換されようとする幾つかのハロゲンがあるときには、そのうちの幾つかだけを交換することがしばしば困難である。
【0012】
結果的に、本発明の目的の1 つは、反応の選択性を大きく増加しながら、一方で塩素のような重いハロゲンと、もう一方でフッ素の間の交換を行うことができる方法を提供することである。本発明の別の目的は、特に、穏やかな反応条件を用いて、一方で塩素のような重いハロゲンと、もう一方でフッ素の間の交換を行うことができる方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、フッ素化物のモルホロジーがあまり問題にならないフッ化物供給源を用いることができる方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、2 個または3 個の可能なハロゲン原子のうちの1 個のみを交換することができる方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は3 個の可能なハロゲン原子のうちの2 個のみを交換することができる方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、フッ素原子以外の1 個の他のハロゲン原子と同時に1 個のみのフッ素原子を有する炭素原子を得ることができるかぎりにおいてのみ、分子または原子を交換することができる方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、フッ素原子以外の1 個または2 個の他のハロゲン原子と同時に2 個のみのフッ素原子を有する炭素原子を得ることができるかぎりにおいてのみ、分子または原子を交換することができる方法を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、水銀および/または銀のような高価であるかまたは毒性であると考えられている金属を多量に用いることを回避することができる方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、水銀および/または銀のような高価であるかまたは毒性であると考えられている金属の量を、前記金属とハロゲン原子が交換されようとする基質とのモル比が0.5 以下であり、有利には0.2 以下であり、好ましくは0.1 以下である値になるように、低減することができる方法を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、反応混合物に上記に記載の元素を加えないように; 即ち、前記金属の各々の濃度が10-3M 以下、有利には10-4M 以下、好ましくは10-5M 以下であるように、水銀および/または銀のような高価であるかまたは毒性であると考えられている金属の使用を完全に回避することができる方法を提供することである。
【0021】
下記に示すこれらの目的および他の目的は、少なくとも2 個のハロゲンを有し、その少なくとも片方がフッ素の原子番号よりも大きな原子番号のハロゲンである少なくとも1 個のsp3 混成ハロ保有炭素を含む基質であって、前記ハロ保有炭素が少なくとも1 個のカルコゲン原子に結合している基質を、所定数n のフッ化水素酸との組み合わせのブロンステッド塩基からなる群より選ばれた少なくとも1 種の所定の化合物を含む反応体であって、n が少なくとも3 であり、そして20以下であり、好ましくは10である反応体の作用を受けさせることの工程を含むフルオロ誘導体の合成に有用な方法により達成される。
【0022】
実際、本発明の研究の間に、誘起効果により電子吸引性である基を保有する特定の炭素原子は、電子吸引性基の少なくとも1 個がカルコゲンであるという条件で、上記のタイプの反応体と反応することができることが示された。
【0023】
反応温度は、反応混合物の融点からその分解温度または沸点までの範囲であり、一般には0 ℃〜150 ℃であり、有利には20℃〜100 ℃である。
【0024】
本方法は一般には周囲圧力で行われるが、20x105パスカルに達する圧力で機能することができる。
【0025】
好ましい塩基として記載されうるのは、有利には元素の周期律表(Bulletin de la Societe Chimique de France 1966 年1 月、No.1の増補) の少なくとも第二周期であって、一般には第六周期より低い第VB族元素の三価の炭化水素誘導体である。下記の詳説される化合物に加えて、列挙されうるこのような化合物の例は三価の誘導体であり、それは、このとき、三置換されており、実際にはピニクチンであり、これらのピニクチンが下記の詳説の主題を形成する。
【0026】
前記の第V 族の元素の炭化水素誘導体のうちで好ましいのは、炭化水素残基の水素の全置換または部分置換により水素ピニクチドから誘導されたものであり、前記炭化水素は二重結合を介して( 例えば、イミン) または三重結合を介して( 例えば、ニトリル) 第VB族原子に結合されていてよい。
【0027】
しかし、第V 族の元素から誘導された炭化水素誘導体は一価の炭化水素残基、有利にはアルキル( 本明細書中、アルキルとは、アルコール( またはオール) 官能基を除去した後のアルコールの炭化水素残基という語源的な意味である。) で水素の全置換または部分置換により水素ピニクチドから有利には誘導されたものである。これらのアルキル化合物は、用語ピニクチドと同様に、本明細書中において、用語ピニクチンにより示される。
【0028】
このように、窒素の場合には、窒化水素( アンモニア) の置換はアミンを提供し、燐の場合には、燐化水素の置換はホスフィンを提供し、ヒ素の場合には、ヒ化水素の置換はアルシンを提供し、そしてアンチモンの場合には、アンチモン化水素の置換はスチビンを提供する。それらはホスフィンのような燐の炭化水素誘導体から有利には選ばれる。
【0029】
更に、塩基が弱いほど、交換は完全である。この為、第一級、第二級および好ましくは第三級アミンは少ないHF基を含み(5以下であり、一般には更に少ない) 且つ、ヘテロ原子またはヘテロ原子の少なくとも1 個が第V 族から選ばれた芳香族複素環式塩基よりも弱い反応体を生じる。
【0030】
塩基および明確な数のHF単位から形成されたこれらの化合物は「HF- 塩基」または「塩基-HF 」錯体により示されるであろう。
【0031】
本発明は金属フッ化物( 特に、KF、CsF 等のようなアルカリ金属フッ化物) による交換に向けられたわけではなく、それは量((アルカリ金属、アンモニウム) カチオンの当量で表される) が、開放されたハロゲン化水素酸若しくは「F-HF」を含めた「塩基-HF 」錯体の遊離プロトンの形態での水素の量に対して少なくとも1 倍( 有利には少なくとも4/3 倍、好ましくは約2 倍) でなければならないという事実により表されることができる。
【0032】
次の経験的規則が提供されうる; もし、塩基が塩基官能基当たりに5 個より多くのHFの所定の化合物を形成するならば、これは、非常に穏やかな条件下で同一炭素上の2 個の重いハロゲンを交換することができ、且つ、若干過酷な条件( 温度および圧力) 下で3 個の重いハロゲンを交換することができる強力な反応体である。さもなければ、それは、一般に、穏やかな条件下で炭素上に1 つのみのフッ素を提供し、且つ、より過酷な条件下で、所謂ハロ保有炭素上に2 個のフッ素を提供するように交換する、より選択的な反応体である。本発明は塩素をフッ素により置換するために特に有利である。
【0033】
このように、交換反応は本質的に連続的であり( 実際には、ハロ保有炭素上の各々の追加のフッ素原子はフッ素より重いハロゲン原子のフッ素での交換を遅らせる。) 、その為、操作条件および反応体の選択を変えることにより、選択的であり且つ完全な交換を行うことが可能になる。フッ素より重いハロゲンの全てがフッ素により置換されてしまう前に交換反応が止まる条件を見つけることが一般に可能であるから、2 倍の選択性が可能であるということになる。一方で、限定された数のフッ素より重いハロゲンのみを交換することが可能であり、そして他方で、既に部分フッ素化された混合物を処理し、そして所望の数のフッ素原子に達していなかった分子にのみ有意に作用することが可能である。
【0034】
一般に、フッ素より重いハロゲン原子のフッ素による交換の容易性はその原子番号の増加ととも増加する。
【0035】
明らかに、1 分子当たりに交換されるハロゲン原子の数を制限するために、理論量および理論過剰量は変化されうる。
【0036】
1 分子当たりに幾つかのハロ保有炭素原子が存在してよい。2 個のハロ保有原子は互いに阻害しないために好ましい。上記の反応体の作用下でフッ素により重いハロゲンを最も交換しそうな炭素原子または分子のタイプを下記に示す。下記の各々の特性は前記炭素のための本発明の価値を高める。
【0037】
ハロ保有炭素の可能な残基結合が有利には誘起効果により電子吸引性である基から選ばれた基と結合されることが特に有利である。電子吸引性基から選ばれる前記基は有利にはハロゲンである。
【0038】
良好な反応性を達成するために、前記カルコゲンの原子番号の合計が少なくとも10であることが好ましい。換言すれば、もし、1 個のみのカルコゲン原子が存在するならば、酸素より重いカルコゲン原子から選ばれることが好ましい。本発明はカルコゲン原子のうちの少なくとも1 個が硫黄であるときには特に有利である。
【0039】
本発明は、前記ハロ保有炭素がフッ素より大きな原子番号の少なくとも2 個のハロゲンを有するときに特に有用である。
【0040】
このように、下記に明らかになるように、本発明は、前記ハロ保有炭素がトリハロメチル、即ち、有利には塩素およびフッ素から選ばれた3 個のハロゲンを有するときに、特に有利である。
【0041】
前記カルコゲンに関して、それは好ましくは、それが単独のときには二価( 酸化数=-2)であり、そして2 個存在するときには、そのうち片方は二価であり、もう片方は、例えば、前記カルコゲン( それは勿論、酸素であると化学的な意味がなくなるので、酸素でないという条件である) と酸素とのドナー- アクセプタータイプの結合のために単に電子吸引性であることができる( 例えば、スルホンまたはスルホキシド) ことが記載されるべきである。
【0042】
このように、上記に記載の内容を余分なく要約すると、基質が式I の分子であることが示されうる。
R-CXX'-Y(O) r -R5 (I)
( 式中、R は炭化水素残基、ハロゲン、電子吸引性基およびヒドロカルビルカルコゲニル基、例えば、アルコキシル基およびアリールオキシ基、および、その硫黄、セレンおよびテルル類似物から選ばれ;
X およびX'は同一でもまたは異なっていてもよく、ハロゲンから選ばれ、好ましくは塩素であり( ここで、勿論、R 、X およびX'は同時にフッ素であることができず、且つ、その少なくとも1 個がフッ素原子と交換されるべきフッ素より重いハロゲンであることが条件である。);
Y はカルコゲンから選ばれ、特にR がヒドロカルビルカルコゲニル以外であるときには、有利には酸素より大きい原子列から選ばれ、そしてY が酸素であるときにはr は0 であり;
r は0 であるかまたは1 若しくは2 から選ばれた整数であり、そして有利には2 より小さく;
R5はあらゆる基であってよく、有利には炭化水素基である。)
【0043】
基R は二価のカルコゲンを有しないときには( 即ち、二個のダブレットが供給されるもの) 、r は2 より小さいことが好ましく、そして好ましくは0 である。
【0044】
R5が、特にメソメリー効果により電子吸引性であるときには、特に同一炭素上の第三のフッ素原子のために、交換がより困難であることが注意されるべきである。
【0045】
このように、完全な交換のためには、前記カルコゲンは、誘起またはメソメリー効果により電子供与性である原子へ第二の結合により結合されていることが望ましい。前記電子供与性原子は別のカルコゲン( メソメリー効果により供与体である) であってよく、有利には酸素より大きい原子列から選ばれる。
【0046】
前記電子供与性原子は、また、アルキル基または電子が豊富なアリール基に属する炭素であってもよい。この場合、前記アルキルは有利にはアラルキル基であり、好ましくはベンジル基から選ばれ、そして前記の電子が豊富なアリール基は有利には五員複素環基であり、または六員同素環基である。
【0047】
このように、同一のハロ保有炭素上で3 個のフッ素原子を導く交換では、R がアルキルであり、即ち、sp3 混成炭素による結合であることが好ましく、有利には、sp3 混成炭素は全体として吸引性でなくまたは弱い吸引性である( 即ち、ジクロロフェニルより低い吸引性である) 置換基を有し、好ましくは前記sp3 混成炭素は少なくとも1 個の、有利には2 個の水素原子を有する。
【0048】
反応はR が水素であり、下記の2 つの条件のうちの1 つが満たされるときに進行しうる。
・反応体が強力である(即ち、もし、塩基が、塩基官能基当たりに 5個より多くのHFを含む特定の化合物を形成するならば);
・前記カルコゲンの原子番号の合計が少なくとも10である。
しかし、一般に、それでも、この値はR=H であるときには好ましくない。
R5は有利には、特に、
・所望により置換されたアリール、特にヘテロアリールであってよく、
・アルキル、特に:
-CR'R"-Ar
( 式中、R'およびR"は同一であってもまたは異なっていてもよく、水素、アリールおよび低級アルキル( 即ち、1 〜4 個の炭素数) からなる群より選ばれ、好ましくは片方または両方が水素であり、
Arは少なくとも1 個の二重結合を有する化合物であり、そして開結合を有する炭素がsp1 炭素であり、そして好ましくはsp2 炭素であり、Arは有利には低級アリールであり、好ましくは10以下の炭素原子を有し、そして有利には同素環である。) ;
-CR'R"-CR1R2-EWG
( 式中、R'およびR"基は上記に規定され、EWG は二重結合を安定化させる電子吸引性基であり、または離脱基であり、R1およびR2は同一であってもまたは異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭化水素残基であって特にアルキル、アルキンおよびアリールから選ばれ、そして片方または両方が有利には水素である。) である。
【0049】
各基R およびR5は、通常、30個以下の炭素および/または窒素原子( そのうち炭素原子は20個以下) を含み、有利には、20個以下の炭素および/または窒素原子( そのうち炭素原子は15個以下) を含み、好ましくは、15個以下の炭素および/または窒素原子( そのうち炭素原子は12個以下) を含む。基質分子中の合計の炭素数は50個を越えることはまれであり、そして有利には30個以下である。
【0050】
R5がアリールであるときに、特に下記の化合物が挙げられることができる。
-Rは低級アルキル( 所望により置換されており、そして特にハロゲン化されており( 過ハロゲン化されたもの、特にペルフルオロ化されたものを含む))、ハロゲン、アリールまたはAr'O若しくはAr'S- であり、ここで、Ar' は低級アリール( 即ち、10個以下の炭素原子を含む) であり;
-R5 は所望により置換されたフェニル環であり、所望により置換された複素環であり、有利には五員環であり、好ましくは2 個のヘテロ原子を含む五員環であり(2個の窒素原子を有することが望ましい);この為、例えば、-Y(O) r -R5 基は有利には式(X) に対応する。
【0051】
【化1】
Figure 0003996264
(式中、n はr と同一の値、即ち、0 、1 または2 であり、
R11 およびR12 は、同一であってもまたは異なっていてもよく、それらは有利にはオルト位にあり、水素またはハロゲンであり、
R13 は有利にはパラ位にあり、ハロゲン、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアルキル基( ペルフルオロアルキルから選ばれる基を含む) 、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアルキルオキシル( ペルフルオロアルキルオキシルから選ばれる基を含む) 、またはSF5 基である。)
【0052】
X"がニトリル官能基またはハロゲンである場合には、
R15 はアミノ基であって、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアルキル( ペルフルオロアルキルを含む) 、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアシル( ペルフルオロアシルを含む) およびアルキルオキシカルボニルから選ばれた基により所望により一置換または二置換されたアミノ基であることができる( 二置換の場合には、置換基は同一であってもまたは異なっていてもよい) 。
【0053】
アルキル、アルキルオキシルおよびアシルは好ましくは低級であり、即ち、4 個以下の炭素原子を含む。
【0054】
R13 が所望により幾つかのハロゲンで置換されたアルキルオキシル基であり、且つ、前記ハロゲンのうちの少なくとも1 個がフッ素より高い列の原子であるときには、2 つの可能な交換の炭素中心があることに注目されるべきである。
【0055】
残基R5およびR が1 個の同一の基を構成することができるが、これは二価基である。例えば、それらはアリール基を構成することができ、その結合点は同一環上で且つ互いに隣接位の2 個の炭素により保有されるか; または、同一環に属さず、この2 個の環が縮合環である( 例えば、ナフタレンまたは同等物の2 個のα位の場合) 互いにβ位の2 個の炭素により保有されるか; またはフェナントレンのように、第三の環により分離された環に属する互いにγ位の2 個の炭素原子により保有されることができる。
【0056】
このような式の例として、次の例が提供されうる。
【0057】
同一環上の隣接炭素の場合:
【化2】
Figure 0003996264
【0058】
Y'は単結合であるか、またはカルコゲン(Yに規定した通り) であるか、または所望によりハロゲンにより一置換または二置換されたメチレンであるか、または二価基-Y"-C ΘΘ'-若しくは-CΘΘ'-Y"であることができ、ここで、Y"はY と同一であることができ、ΘおよびΘ' はそれぞれX およびX'と同一であることができる( ΘおよびΘ' は同時にフッ素であってよい) 。
【0059】
R6およびR7は、独立に、水素、ハロゲン、ニトロ基、ニトリル、炭素基であって、有利には5 個以下の炭素原子を含み、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアルキル基( ペルフルオロアルキルから選ばれた基を含む) 、所望により1 個以上のハロゲンにより置換されたアルキルオキシル基( ペルフルオロアルキルオキシル基を含む) またはSF5 基である。
【0060】
そして特に
【化3】
Figure 0003996264
である。
【0061】
R8がR6またはR7と同一である2 個の別個の環上の炭素原子の場合:
【化4】
Figure 0003996264
【0062】
本発明の特に有用な態様によると、有機合成およびカルコゲン保有酸合成(カルコゲンは少なくとも硫黄と同一の列から選ばれる)に特に有用な化合物を生成するために、開裂が行われることができる。本発明によると、化合物の酸化は、本質的に既知の条件下で、過酸化物により、特に水素の過酸化物(過酸化水素の水溶液または様々なヒドロペルオキシド(例えば、アシルヒドロペルオキシドおよびアルキルヒドロペルオキシド))により、またはハロゲン、特に塩素により行われることができる。この中で、前記カルコゲンが硫黄であり、そして前記硫黄原子の酸化の逐次工程を含むことがしばしば有利である。前記酸化工程は、有利には、スルホンの形態の前記硫黄原子を得るために行われる。前記酸化は、スルホキシド、スルホネートまたは等価の酸化状態の形態の前記硫黄原子を得るためにも行われることができる。
【0063】
これは、次に、対応するスルフィン酸塩またはスルホン酸塩を提供するために、有利にはアルカリ媒質中での加水分解の後工程を含むことができる。
【0064】
このタイプの反応は、条件により、スルフェニルまたはスルホキシドを生じ、または、最終的には、既に示した通り、スルホン酸またはスルフィン酸にまで分解され、または、カルコゲンが硫黄の代わりにセレンまたはテルルのときにはその等価体を生じることができる。
【0065】
更に、驚くべきことに、もし、理論量のみまたは若干理論過剰量が用いられる(ハロゲンの量が0.5 〜1.5SA 、有利には8 〜1.3 、好ましくは0.9 〜1.2SA)ならば、硫黄と隣接の炭素がフッ素化されたスルフェネートはハロゲン( 有利には塩素) により酸化されたときにスルフィニルハロゲン化物を提供することが示された。
【0066】
前記ハロゲン化は、有利には非常に無極性( 即ち、5 質量% を越える水を溶解することができない) であり、本質的に無水( 即ち、水の含有分が基質のモルの1/3 以下、有利には1/5 以下、好ましくは1/10以下である) であり且つ塩素に感受性のない溶剤により希釈された前記スルフェネートに、実質的に化学量論量の塩素の作用を、100 ℃以下の温度、有利には0 〜50℃の温度で受けさせることにより行われる。
【0067】
問題の反応は次の通りである。
R5-O-S-CF2-R Cl 2 → R5-Cl + Cl-(O)S-CF2-R
【0068】
この反応は10以下の炭素原子を含むR 基で特に興味深い。全てがより良好に機能するほど、安定なカルボカチオンR5+ となる。このように、この反応では、R5は有利にはベンジル、アリルまたはtert- アルキルである。このように、Y が硫黄またはそれより大きいカルコゲンであり、r が1 であり、そして酸素が有利にY とCR'R" の間に介されている式IIの化合物は、適切な基質として挙げられる。
【0069】
ハロゲン化物、特に塩化スルフィニル(R-CF2-SO-タイプ) は特に重要な合成中間体であることを覚えておくべきである。
【0070】
この反応に適切な分子は、特に、式I から誘導された式(II)の化合物である。
R-CFX-Y(O)r -CR'R"-Ar (II)
(式中、R はハロゲン、電子吸引性基、ヒドロカルビル、例えば、アルキル、アリール、および、ヒドロカルビルカルコゲニル、例えば、アルキルオキシ、アリールオキシ並びに硫黄、セレンおよびテルルのその類似体から選ばれ;
X はハロゲンから選ばれ、好ましくは塩素、特にフッ素であり;
Y はカルコゲンから選ばれ、有利には酸素より高い列の原子であり、但し、Y が酸素であるときにはr は0 であり;
r は0 であるかまたは1 若しくは2 の整数であり;
R'およびR"は同一であってもまたは異なっていてもよく、それらはアリールおよび低級アルキルから選ばれ、好ましくは片方または両方は水素である。)
【0071】
Arは少なくとも1 個の二重結合を有し、且つ、開結合を有する炭素がsp1 炭素そして好ましくはsp2 炭素である化合物である。Arは有利には低級アリールであり、好ましくは10個以下の炭素原子を有し、そして有利には同素環である。
【0072】
本発明の好ましい態様によると、式
【化5】
Figure 0003996264
の化合物にβ−脱離を受けさせることが可能である。上式中、R'、R"、R1またはR2基のうちの1 個、有利には少なくとも2 個が水素であり( αおよびβ炭素の各々の基のうちの1 個が水素であることが望ましい);
EWG は二重結合を安定化させる電子吸引性基であり、または離脱基( β炭素とEWG の間の開裂によるβ- 脱離により、式CFX-Y(O)r -CR'R"=CR1R2の誘導体を形成することが望ましい場合) である。
【0073】
選ばれることができる電子吸引性基は、カルボニル官能基を含む基( 例えば、アミド、エステル、ケトンおよびアルデヒド) 、カルボニルから誘導された基( 例えば、イミン、アミジン、オキシム、チオケトン、チオエステル、チオアミドおよびチオロエステル) 、ニトリル、ピニクトニウム( 特にホスホニウムおよびアンモニウム、下記参照) 、ニトロ基、オルトエステル、遊離結合( または開結合、即ち、考えられる分子の残部に基を結合するための結合)に隣接した原子が少なくとも過ハロゲン化され、特にペルフルオロ化された基であって; ペルフルオロアルキル基、例えば、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが適切であり、1,1-ジフルオロおよび1,1,2,2-テトラフルオロアルキル、例えば、1,1-ジフルオロエチル、1,1-ジフルオロ- および1,1,2,2-テトラフルオロプロピルも適切であることが指摘されうる。
【0074】
更に挙げることができる電子吸引性基は酸素化されたカルコゲン( 例えば、スルホキシドおよびスルホン) から誘導された基であり、または酸素化された周期律表の第VB族の元素、例えば、ホスフィンオキシドおよびホスホン酸若しくはホスフィン酸エステルから誘導された基であり、遊離結合は有利にはメタロイド( カルコゲンまたは第VB族元素) により保有される。
【0075】
更にβ- 脱離の場合に、離脱基として、上記に既に記載したハロゲン以外に、下記の意味での疑似ハロゲンが挙げられる。この説明において、疑似ハロゲンとは、分子の残部に結合された基( 一般には、この基は軽質カルコゲン( 硫黄または好ましくは酸素) であると考えられ、それは離脱時に、アニオンを形成し、その酸は酢酸の酸度と少なくとも同等の酸度を有する(Hammett定数で測定して) 。挙げることができる典型的な疑似ハロゲンは、アシルオキシ官能基のα位において過ハロゲン化された酸に対応するアシルオキシ基、例えば、トリフルオロアセトキシ(CF3-CO-O-)、および、特にスルホニルオキシ基、特に硫黄を有する炭素がペルフルオロ化されているスルホニルオキシ、例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(CF3-SO2-O-)である。
【0076】
本発明のために、離脱時に、スルホン酸と少なくとも同等の酸度を有する疑似ハロゲン、例えば、トシル( アリールスルホン酸の例) またはメシル( アルキルスルホン酸の例) は好ましい。
【0077】
本明細書中、ピニクトニウムはヒドロカルビル基( 例えば、アリールまたはアルキルであり、アラルキルを含む) で第四級化された第三級ピニクチンである。
【0078】
前記ピニクチンは第VB族の元素の三価炭化水素の誘導体である。それは、二重結合を介して( 例えば、イミン) または三重結合を介して( 例えば、ニトリル) 第VB族の原子に結合されていてよい炭化水素残基により水素を全置換または部分置換することにより水素ピニクチドから誘導される。
【0079】
しかし、第V 族の元素の炭化水素誘導体は、有利には、一価の炭化水素残基、有利にはアルキル( 本明細書中、アルキルはアルコール( またはオール) 官能基を除去した後のアルコール炭化水素残基であるという語源的な意味である) により水素を全置換または部分置換することにより水素ピニクチドから誘導され、これらのピニクチドから誘導された化合物は、用語「ピニクチド」と同様に、本明細書中で用語「ピニクチン」により示される。
【0080】
このように、窒素の場合には、窒化水素( アンモニア) の置換はアミンを提供し、燐の場合には、燐化水素の置換はホスフィンを提供し、ヒ素の場合には、ヒ化水素の置換はアルシンを提供し、そしてアンチモンの場合には、アンチモン化水素の置換はスチビンを提供する。それらはホスフィンのような燐の炭化水素誘導体から有利には選ばれる。
【0081】
一般に、β- 脱離はY(O)r とCR'R" の間の開裂で起こることが望ましく、この場合、R1およびR2のうちの少なくとも1 つは水素でなければならず、そしてこの場合、EWG は電子吸引性基または二重結合を安定化させる基であることが好ましい。二重結合を安定化させる基としては、αおよびβ炭素の間の可能な二重結合と共役であることができる結合を有するあらゆる基が挙げられ、既に上記に記載した二重結合を含む電子吸引性基に加えて、挙げることができるこのような基はアルキン、アルケンおよびアリールである。
【0082】
EGW がβ位のカルボアニオンを安定化させるために充分に電子吸引性であることも望ましい。EGW がアリールであり、特に、所望により置換されたフェニルであるときに、R1および/またはR2基自身がEWG 含有基、特にアルキン、アルケンおよびアリールから選ばれることが望ましい。
【0083】
最後に、更に、Y(O)r とCR'R" の間の開裂によるβ- 脱離の場合に、EGW は中程度の離脱基であることが望ましく、有利には、R-CFX-Y(O)r ほど良好な離脱基でないものである。r は有利には少なくとも1 であり、好ましくは少なくとも2 である。
【0084】
反応は、本質的に既知の技術により、共役酸のpKa が有利には少なくとも14である強塩基を用いて行われる。当業者が遭遇するケースにより選択すべき条件を決定するのを手助けするために、遭遇される多くの状況において用いられることができる経験則を下記に示す。
【0085】
用語「ヒドロカルビルカルコゲニル」はR6-Y" の基であり、ここで、R6は炭化水素であり、即ち、少なくとも水素および炭素を含む基であり、結合を有する原子( ここでY"との) は炭素であり、そしてY"はカルコゲン( 酸素、硫黄、セレンまたはテルル) である。R6は有利にはアルキル( 過ハロゲン化されたアルキルおよびペルフルオロ化されたアルキルを含む) または、所望により置換されたアリールである。
【0086】
基についての参照は式(I) に関する。
R-CXX'-Y(O) r -R5 (I)
【0087】
表現「電子供与性」および「弱い電子吸引性」はジクロロフェニル基以下の電子吸引性であると理解されるべきである(この定義は非電子吸引性アリールに関しても適切である。)。逆に、「電子吸引性」および「大きな電子吸引性」はここでは同一の意味を有し、その定義は上記の「電子供与性」および「弱い電子吸引性」の定義の反対であることから導き出せ、即ち、ジクロロフェニルより電子吸引性である。
【0088】
弱い反応体の例(より正確にはパラダイム)(上記経験則を参照)はトリエチルアミン・3HFとして規定される化合物である。
【0089】
強い反応体の例(より正確にはパラダイム)(上記経験則を参照)はピリジン・10HFとして規定される化合物である。
【0090】
穏やかな条件:Θ= 50℃以下での融点;
過酷な条件:50℃〜100 ℃( または、考えられる圧力で沸点がより低いならば、その沸点);
非常に過酷な条件: Θ=100〜150 ℃であり、適切ならば、周囲圧力より高い圧力;
式(I) において、X およびX'がフッ素より重いハロゲンである場合には、反応式は下記の通りに示される。
ハロ保有炭素上にフッ素を導く反応
R-CXX'-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → R-CFX'-Y(O) r -R5
ハロ保有炭素上に2 個のフッ素を導く反応
R-CXX'-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → R-CFX'-Y(O) r -R5
R-CFX'-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → R-CF2-Y(O) r -R5
ここで、R はフッ素より重いハロゲンである。
ハロ保有炭素上に3 個のフッ素を導く反応
R-CXX'-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → R-CFX'-Y(O) r -R5
R-CFX'-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → R-CF2-Y(O) r -R5
R-CF2-Y(O) r -R5 HF- 塩基 → CF3-Y(O) r -R5
【0091】
【表1】
Figure 0003996264
【0092】
【表2】
Figure 0003996264
【0093】
本発明を例示する制限しない実施例である。
例1. HF- 塩基溶液の調製
一般手順
様々なHF- 塩基媒質は次の通りに合成される。
Xモルの有機塩基( ピリジン、トリエチルアミン、ジオキサン等) または無機塩基(KF 、bu4NF 等) に、攪拌しながら( 所望により-20 ℃に冷却) 、Y モルの無水フッ化水素を加える。無水フッ化水素の添加後、反応媒質を室温に加熱し、そしてなにも処理なしに用いる。このように、HF- 塩基錯体は(HF)y - 塩基x を有する。
【0094】
反応後、フッ素化粗生成物は、考えられるHF- 塩基媒質と不混和性であるが、できた生成物を溶解することができる無水有機相( 例えば、CH2Cl2のみ( 氷または水を含まない))で処理したときに、2 相が得られる。交換後に得られる生成物を含む、より極性でない相( 例えば、CH2Cl2) および、より極性の相「HF- 塩基」であり、それは、所望により、(HF の) 初期滴定溶液に戻し、そして反応により開放されたハロ保有酸を除去( 例えば、蒸留) した後、再循環されてよい。この再循環は本発明に係る方法に特有であり、そしてこの方法の更なる利点である。
【0095】
例2 ベンジルトリクロロメチルスルフィドを用いたCl-F交換
基質の合成
反応式
φ-CH2-SCN + HCCl3 NaOH 相間移動触媒 → φ-CH2-S-CCl3
用いる手順
ベンジルトリクロロメチルスルフィド1 を、M Makosza の研究(Synthesis (1974), 274) により得る。
2a) 3 個の塩素の交換
反応式
Figure 0003996264
用いる手順
90.1g(0.374 モル) のスルフィド1 を、0 ℃に冷却された297gのピリジン-[HF]11 錯体(77.3gのピリジンと219.7gの無水フッ化水素から調製) に加える。
その後、反応媒質を室温に温め、18時間攪拌する。
反応粗生成物を、その後、CH2Cl2(5200ml)および氷(500g)の混合物に注ぐ。
有機相を100ml の水で4 回洗い、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶剤(CH2Cl2)を蒸発除去し、68g のスルフィド2(1 に対して95%)を提供し、それを蒸留により精製する(bp=77/30mmHg)。
19F NMR = 35.9ppm(対照:TFA- トリフルオロ酢酸)
フッ素化粗生成物がCH2Cl2のみ( 氷または水を含まない) に注ぐと、2 相が得られる。スルフィド2 を含むCH2Cl2相および再循環されてよいピリジン-HF 相。
【0096】
2b) 反応式
Figure 0003996264
用いる手順
2g(8.3x10 -3モル) のスルフィド1 を、室温で20mlのEt3 N-(HF)3 錯体に加える。反応媒質を20℃で4 時間攪拌し、その後、CH2Cl2(100ml) および25g の氷および50mlの水の混合物に注ぐ。有機相を水(50ml)で3 回洗い、その後、MgSO4 で乾燥する。溶剤の蒸発により1.7gのスルフィド3 (91.5%) を得る。
【0097】
2c) 反応式
Figure 0003996264
用いる手順
上記反応と同一の条件であるが、反応媒質を75℃で18時間攪拌する。処理は蒸気試験と同一であり、そして1.64g のスルフィド4(1 に対して95%)を生じる。
19F NMR = 50.8ppm(対照:TFA)
【0098】
例3
2-クロロシクロヘキシルトリクロロメチルスルフィド上の交換
反応式
【0099】
【化6】
Figure 0003996264
【0100】
用いる手順
最初のスルフィド(レベル5)(2- クロロシクロヘキシルトリクロロメチルスルフィド) はCCl3SCl のシクロヘキセンへのトランス付加により得られる。
1g(3.73x10-3モル) のスルフィド5 を、0 ℃に冷却されたピリジン-[HF] 10錯体(5g)に加える。反応媒質を室温において6 時間攪拌し、その後、CH2Cl2(50ml)および氷水(50g) の混合物に注ぐ。
有機相を50mlの水で3 回洗い、その後、MgSO4 で乾燥する。溶剤を蒸発させ、0.73g のスルフィド6 (5に対して90%)を提供する。
19F NMR = 167ppm( 対照:TFA [トリフルオロ酢酸])
【0101】
3b) 部分交換
1g(3.73x10-3モル) のスルフィド5 を、室温で、10mlのEt3 N-[HF]3 錯体に加える。反応媒質を室温において5 時間攪拌する。処理は上記の試験と同一であり、スルフィド8 とともに0.85g のスルフィド7(5 に対して91%)を提供する。
【0102】
例4
トリフリン酸( トリフルオロメタンスルフィン酸) の合成
反応式
CCl3-S-CH2-CH2-CO-O-C2H5 ピリジン -HF 錯体 → CF3-S-CH2-CH2-CO-O-C2H5
CF3-S-CH2-CH2-CO-O-C2H5 酸化 → CF3-SO2-CH2-CH2-CO-O-C2H5
CF3-SO2-CH2-CH2-CO-O-C2H5 塩基 → CH2=CH2-CO-O-C2H5 + CF3-SO2-
【0103】
4a)CCl3S(CH2)2CO2Et 9 上の交換
100mg のスルフィド9 を0 ℃で1ml のピリジン-[HF] 10錯体に加える。反応媒質を、その後、室温において24時間攪拌し、その後、CH2Cl2(20ml)および氷水(20g) の混合物に注ぐ。
CH2Cl2相を10mlの水で3 回洗い、MgSO4 で乾燥し、そしてCH2Cl2溶剤を蒸発させて、約50% のスルフィド10を含む黄色の油(80mg)を提供する。
スルフィド10の19F NMR :-41.93ppm(%CFCl3)
【0104】
5)ピラゾール誘導体上の交換
R-CXX'-Y(O) r -R5(I) → R-CFX'-Y(O)r -R5 +R-CF2-Y(O) r -R5 +FCF2-Y(O) r-R5
ここで、R はハロゲン( この場合、塩素) であり、X=X'= 塩素 ; Y=S ; r=0およびR5=
【0105】
【化7】
Figure 0003996264
x"= ニトリル;R11 =R12 = オルト- クロロおよびR13=パラスルオロメチル
【0106】
一般手順
トリクロロピラゾール11をHFx - 塩基y 混合物(xおよびy は既知) に加える。反応混合物を所定の温度で所定の時間、攪拌する。
室温に戻した後、反応粗生成物をCH2Cl2/ 氷水混合物上に注ぐ。CH2Cl2有機相を水で3 回洗い、そしてMgSO4 で乾燥し、その後、溶剤を蒸発させる。
得られた粗生成物をHPLCで分析する。
行った主要な試験の結果を次の表に示す。
【0107】
【表3】
Figure 0003996264
【0108】
例6 ジクロロ-MDB上のCl-F交換
【0109】
【化8】
Figure 0003996264
6a) ピリジン-[HF] 10での交換
収率の測定は半定量的な測定である(GC 分析) 。
191mg(1 モル) のDCMDB を0 ℃で2ml のピリジン-[HF] 10に加える。反応媒質を室温で2 時間攪拌し、その後、CH2Cl2/ 氷水混合物上に注ぐ。有機相を洗浄した後、GC分析は
DFMDB - 95% (GC面積)
DCMDB - 定量困難(1% 以下)
クロロフルオロ-MDB - 1%
【0110】
6b) Et3N-[HF]3での交換
収率の測定は半定量的な測定である(GC 分析) 。
191mg のDCMDB を0 ℃で2ml のEt3N-[HF]3に加える。室温での反応時間は3 時間である。
処理は上記試験と同一である。
GC分析は
DFMDB - 90% GC 面積
DCMDB - 定量困難(10%以下)
【0111】
6c) 「触媒」HF +塩基媒質でのDCMDB からDFMDB への交換
次の試験において、塩基( 有機または無機) の量は上記試験よりも非常に小さい。触媒のHF- 塩基錯体は上記で用いられた塩基-HF 錯体と同様に形成される。下記の表は、塩基を加えない「ブランク」試験と比較した塩基(Et3N およびKF) の触媒量の影響を示す。
触媒の塩基-HF での試験体の処理はピリジン-[HF]10 およびEt3N-[HF]3での試験体の処理と同一である。
【0112】
【表4】
Figure 0003996264
【0113】
例7 スルフェネートを提供するための酸化
反応式
φ-CH2-S-CF3 H 2 O 2 / 酢酸 50 ℃、 18 時間 → φ-CH2-O-S-CF3
Mw=192 Mw=208
手順
1ml の酢酸中で希釈された192mg(1 当量) のベンジルトリフルオロメチルスルフィドに0.11ml(1.1当量) の30% 過酸化水素水を加える。
この媒質を18時間50℃で加熱する。反応粗生成物をジクロロメタン中に吸収させ、そして有機相を水で洗い、その後、硫酸ナトリウムで乾燥した。蒸発後、白色固体を得て、それは、90% の収率に対応する量で期待されたスルフェネートと同定される。
【0114】
例8 スルフェネートの酸化
反応式
φ-CH2-O-S-CF3 Cl 2 → φ-CH2-Cl + (O)S-CF3
手順
2ml のメチレンクロリド( 即ち、ジクロロメタン、CH2Cl2) 中に希釈された208mg(1 当量) トリフルオロメチルベンジルスルフェネートに71mg(1.1当量) の気体の塩素を加える。室温で18時間後、ガスクロマトグラフィー分析( しばしばイニシャルで示される:GC)は基質の転化が完全であり、そして塩化ベンジルおよびトリフルオロメタンスルフィニルクロリドの収率もそれぞれ75% および80% であることを示す。
【0115】
例9 PhCH2SCCl3 の合成
ベンジルチオシアネート(29.8g、0.2 モル) 、クロロホルム(76g、0.6 モル) およびトリエチルベンジルアンモニウムクロリド(0.5g 、 0.002モル) を激しく攪拌する。40mlの50% 水酸化ナトリウム水溶液をこの溶液にゆっくりと加える( 緩やかな発熱) 。温度は40℃に上がり、そして充分な攪拌とともに4 時間この温度を維持する。
反応体を、その後、水で希釈し、そしてクロロホルムで抽出する。混合された有機相を水で洗い、MgSO4 で乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで減圧下で濃縮する。収率は80% である。
【0116】
例10 PhCH2SO2CF3の合成
-PhCH2SCF3から
12.7mlの30% 過酸化水素水溶液(124.3ミリモル) を、23mlの99% 酢酸中のベンジルトリフルオロメチルスルフィド(5.96mg 、31.06 ミリモル) 溶液上に滴下する。90℃で2 時間攪拌の後、反応体を水で希釈した後、エーテル(3x100ml) で抽出する。有機相を3x75mlの水、2x75mlのNaHCO3飽和溶液および2X75mlの水で洗う。それをMgSO4 で乾燥し、そして減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮する。得られた固体をCCl4(25 〜30ml) から再結晶させる。4.604gの白色固体を得て、その構造および純度をNMR で管理する。単離した生成物の収率は66% である。1H NMR (CDCl3):
4.47ppm (s, 2H)
7.43ppm (m, 5H, 芳香族H)
19F NMR (CDCl3): -76.91ppm
【0117】
例11 1,2-ジフェニルエチルトリフロン
ベンジルトリフロン(0.673g 、3 ミリモル) を12mlの乾燥アセトニトリル中に溶解させる。K2CO3 (0.485g 、3.5 ミリモル) を、その後、導入し、次に、臭化ベンジル(0.365ml、3 ミリモル) を導入する。反応体を還流(82 ℃) で20時間維持する。その後、濾過し、水で希釈し、そしてエーテルで抽出する。混合された有機相を水(2x20ml)で洗い、そしてNaCl飽和溶液(1x20ml)で洗う。MgSO4 で乾燥後、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮し、黄色の油を得る。生成物を3ml の石油エーテルから再結晶化させる。単離された生成物の収率は68% 〜82%(0.637g〜0.768gの白色固体) であり、NMR で特定される。
Figure 0003996264
【0118】
例12 1,2- ジフェニルエチルトリフロンのβ- 脱離によるトリフリネートの合成- 塩基DBU(ジアザビシクロウンデセン)
トリフロン(186mg、0.592 ミリモル) 、DBU(104mg 、0.655 ミリモル) および1,4-ジオキサン(3.2ml) を100 ℃で67時間加熱する。冷却後、反応体を20mlのジクロロメタンで希釈し、10mlの水で洗う。水性相を2x20mlのジクロロメタンで抽出する。水性相をよける。
混合された有機相を1x15mlの水で洗い( それは上記の水性相に加えられる) 、2x20mlの水で洗い、そして1x20mlのNaCl溶液で洗う。MgSO4 で乾燥し、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮した後、134mg の黄色味のある白色固体を回収し、その生成物を1H NMR (CDCl3)で分析する。これは、- トランススチルベン( 文献中に見られる対照物と同一のスペクトル(20))
- 出発材料( 上記と同一のスペクトル)
- 未確定不純物
を含む混合物である。
トランススチルベンの出発材料に対する比率は70/30(モル%)である。
よけた水性相を、5.9ml の0.1Nの水酸化ナトリウムの添加により塩基性化する。その後、それを4x30mlのジクロロメタンで抽出し(DBUの抽出) 、0.1Nの塩化水素酸で中和し、4x20mlのトルエンで抽出し( 有機残留物の抽出) 、そして減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮する。得られる油状の黄色の付着物はNMR により特定され、そして検定される( 標準CF3CH2OH) 。収率は2%である。
19F NMR(H2O): -87.2ppm (s, CF3SO2Na)
【0119】
- 塩基:NaH
油中の50% 懸濁液としての水素化ナトリウム(29mg 、0.604 ミリモル) を10mlの丸底フラスコに導入する。このフラスコを窒素でフラッシュする。3ml のTHF を、その後、入れ、次に、1ml のTHF 中の1,2-ジフェニルエチルトリフロン(188mg、0.599 ミリモル) の溶液を入れる。窒素流下で、この媒質を室温で攪拌する。6 時間の攪拌後、更に水素化ナトリウムを加える(10mg 、0.208 ミリモル) 。反応をGCでモニターする( 生成される可能な生成物および出発材料の滞留時間は純粋な試料の特性から判る。) 。
【0120】
- 塩基:NaOMe
760mg の1,2-ジフェニルエチルトリフラン(2.42 ミリモル) 、408mg のナトリウムメトキシト(7.55 ミリモル) および10mlの無水メタノールを60℃で24時間攪拌する。
反応体を、その後、ロータリーエバポレーターで減圧下で濃縮し、そして45mlのエタノール/ 水混合物(2/1) で希釈し、静置した後に相分離を起こす。水性相を4x25mlのCH2Cl2で抽出する。混合された有機相を1x25mlで洗い、それを上記水性相、2x40mlの水および1x40mlのブラインに加える。MgSO4 で乾燥し、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮した後、0.747gの黄色味のある白色固体を回収し、その生成物を1H NMR(CDCl3) で分析する。これは、
-1.82 ミリモルのトランススチルベン(75%収率)(文献に見られる対照と同一のスペクトル)
-0.58 ミリモルの出発材料(24%収率)(上記のスペクトルと同一のスペクトル)
を含む。
シフトδは上記と同一である。
水性相を約5 のpHにまでHCl 6N溶液で処理し、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮する。回収後、0.514gの白色固体を19F NMR(標準:CF3CH2OH)で分析する。トリフリン酸ナトリウムの収率は72% ( 上記と同一のスペクトル)
【0121】
例13 エチル 3- フェニル-3-(トリフルオロメタンスルホニル) プロピオネートのβ- 脱離によるトリフリン酸カリウムの合成
ベンジルトリフロン(559mg、2.5 ミリモル) 、炭酸カリウム(1043mg 、7.55ミリモル) および10mlのアセトニトリルを25ml丸底フラスコに装填する。ブロモ酢酸エチル(300μl 、2.65ミリモル) を一回で入れる。その後、フラスコを閉じ、攪拌しながら16時間80℃で加熱する。
冷却後、反応体を30mlの水および60mlのエタノールで希釈する。混合物を相の沈降で分離する。水性相を40mlのEt2Oで抽出する。混合された有機相を4x40mlの水で洗う。MgSO4 で乾燥し、減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮した後、400mg の黄色の液体を得る。収率88% の生成物を1H NMRで特定する。
全ての水性相を合わせ、0.1 N HCl 溶液で中和し、そして減圧下でロータリーエバポレーターで濃縮する( τ=65 ℃) 。残存水をトルエンとともに共沸共留する。1.156gの白色固体を得て、その生成物を19F NMR(標準:CF3CH2OH)で分析する。収率は68% である。トリフリン酸カリウムを8x10mlの酢酸エチルで抽出する。390mg の白色固体を単離する。単離された生成物の収率は19F NMR で特定して49% である。

Claims (15)

  1. R−CXX’−Y(O)r −R5 (I)
    ( 式中、Rは炭化水素残基、ハロゲン、電子吸引性基、並びに、アルコキシル基およびアリールオキシ基およびその硫黄、セレンおよびテルル類似物からなる群より選ばれたヒドロカルビルカルコゲニル基、からなる群より選ばれ;
    XおよびX’は同一でもまたは異なっていてもよく、ハロゲンから選ばれ、ここでR、XおよびX’は同時にフッ素であることができず、且つ、その少なくとも1個がフッ素原子と交換されるべきフッ素より重いハロゲンであり;
    rは0であるかまたは1であり;
    Yは硫黄であり;
    5 は炭化水素基である。)
    により表される基質を、
    フッ化水素酸n分子とブロンステッド塩基1分子とからなりnが少なくとも3であり且つ20以下である塩基−HF錯体と、
    水銀および銀からなる群より選ばれた金属元素の非存在下において、または、前記金属元素と、ハロゲン原子が交換されようとする前記基質とのモル比が0.1以下の値であるような前記金属元素の存在下において、
    反応させてフッ素置換生成物を生成させ、その後、前記フッ素置換生成物の硫黄原子を酸化させることを特徴とする、前記基質のフッ素化および酸化に用いられる方法。
  2. 酸化工程が前記硫黄原子をスルホンの形態で得るために行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 応するスルフィン酸塩またはスルホン酸塩を提供するように、続いて行う加水分解の工程を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記加水分解の工程をアルカリ媒質中で行なうことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記酸化が、スルホキシド、スルフェネート、スルフェニル又はスルフィニルの形態の前記硫黄原子を得るために行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記酸化が、プロトン性媒質中で、ヒドロペルオキシドの添加により行われ、且つ、1時間〜2日間の間、20℃〜80℃の温度で維持されることを特徴とする請求項記載の方法。
  7. 前記酸化がカルボン酸の存在下で行なわれることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記ヒドロペルオキシドが過酸化水素水溶液であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. ハロゲン化スルフィニルを得るために、適度に、ハロゲン化するという続いて行う工程を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記ハロゲン化が塩素化であることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 前記ハロゲン化が、非常に無極性(即ち、5質量%より多量の水を溶解しない)で、本質的に無水性(即ち、水の含有分が基質のモルの1/3 以下である)であり、そして塩素に感受性のない溶剤で希釈された前記スルフェネートに、少なくとも理論量で、100 ℃以下の温度で、塩素の作用を受けさせることを特徴とする請求項9または 10記載の方法。
  12. 前記温度が0〜 50 ℃であることを特徴とする請求項 11 記載の方法。
  13. 前記水の含有分が基質のモルの 1/5 以下であることを特徴とする請求項 11 記載の方法。
  14. 前記水の含有分が基質のモルの 1/10 以下であることを特徴とする請求項 11 記載の方法。
  15. 前記ブロンステッド塩基が、ピニクチン、および、複素環ヘテロ原子が第V 族( 窒素族) の原子から選ばれた原子である芳香族複素環式化合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
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