JP3996234B2 - ナフトオキサジニンスクアリリウム化合物とそれを含む記録材料 - Google Patents

ナフトオキサジニンスクアリリウム化合物とそれを含む記録材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なナフトオキサジニンスクアリリウム化合物及びそれを含む記録材料、特に熱現像感光材料、ハロゲン化銀写真感光材料及び感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナフトオキサジニン化合物は、CAN.J.CHEM.VOL51. 1981-1989(1973) に記載されているが、それを用いたスクアリリウム化合物は知られていない。
一方、写真感光材料(熱現像感光材料も含む)のハレーション防止及びイラジエーション防止染料として種々の化合物が知られている。特に、赤外波長に増感された記録材料、例えば近赤外レーザーの出力で記録する記録材料としての写真感光材料(熱現像感光材料も含む)用にはスペクトルの赤外領域で吸収するハレーション防止及びイラジエーション防止染料が必要である。US5,380,635号にはジヒドロペリミジンスクアリリウム染料が用いられているが、780nmのレーザーを用いると鮮鋭度が悪いといった問題があった。さらに、印刷感材に用いると350〜450nmの吸収が大きいことがわかった。また、特願平8−167416号には、光熱変換用色素として、ジヒドロペリミジンスクアリリウム染料が用いられているが色素残存率に問題があることがわかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なナフトオキサジニンスクアリリウム化合物を提供することであり、さらにはそれを染料として含む写真感光材料(熱現像感光材料も含む)及び光/熱変換用色素として含む感熱記録材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記一般式(1)で表されるナフトオキサジニンスクアリリウム化合物によって達成できた。
【0005】
【化2】
Figure 0003996234
【0006】
式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアラルキル基を表し、RとRそして、またはRとRがお互いに結合し5または6員環を形成してもよい。R及びRは水素原子、あるいは炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から6のアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基またはカルボキシル基を表し、スルホ基およびカルボキシル基は塩でもよい。nは1から3の整数を表す。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳述する。
一般式(1)において、RからRで表されるアルキル基は、炭素数1から20、より好ましくは1から12のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ウンデシル)である。また、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、イソブトキシ)、スルホ(塩でもよい)、カルボキシル(塩でもよい)またはアシルオキシ(例えば、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、ヘキシリルオキシ、ベンゾイルオキシ)等で置換されていてもよい。RからRで表されるシクロアルキル基は、シクロペンチル、シクロヘキシルを挙げることが出来る。RからRで表されるアリール基は、6から12の炭素数のものが好ましく、フェニル基またはナフチル基が挙げられる。アリール基は、置換していてもよい。置換基としては、炭素原子数1から8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル)、炭素原子数1から6のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基(例えば、メチルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホンアミド)、スルホ基(塩でもよい)およびカルボキシル基(塩でもよい)が含まれる。RからRで表されるアラルキル基は、7から12の炭素数を有するアラルキル基が好ましく(例えば、ベンジル、フェニルエチル)、置換基(例えば、メチル、メトキシ、クロル原子)を有していてもよい。RからRで表されるヘテロ環基としては、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジル、インドリル等を挙げることが出来る。R及びRは水素原子であることが好ましい。
及びRで表される上述の1価の基としては、上記アリール基で述べた置換基が挙げられる。
とR、RとRがお互いに結合してシクロペンタン又はシクロヘキサン環を形成してもよい。
スクアリン環の結合位置は、通常アミノ基に対しオルト位であるが場合によってはパラ位もありうる。オルト位が好ましい。
本発明の具体例を以下に示す。
【0008】
【化3】
Figure 0003996234
【0009】
【化4】
Figure 0003996234
【0010】
【化5】
Figure 0003996234
【0011】
本発明の化合物は、記録材料、例えばハロゲン化銀感光材料、熱現像感光材料におけるアンチハレーション及びイラジエーション染料として用いるほかに、近赤外光による記録、特に半導体レーザーを用いた記録材料用としてあるいは、近赤外光のフィルター用として、あるいは光/熱変換用色素として利用することが出来る。また医薬あるいは診断用途にも利用することができる。
該化合物は有機溶剤に溶かして添加することが好ましい。
化合物は、0.1〜1000mg/m2、好ましくは1〜200mg/m2添加するとよい。
バインダーを使用するときは、バインダーに対し0.1〜60重量%、好ましくは0.2〜30重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0012】
地球へのやさしさから、該化合物が観察される画像シートに実質的に残る熱現像感光材料であることが好ましい。さらに好ましくはモノシート型(画像形成するために供与した材料は全て観察される画像シートとして完成される型)熱現像感光材料である。
また、目的を達成するために赤外レーザー露光用熱現像感光材料であることが好ましい。さらに赤外レーザー露光の波長が750nm以上であるとよい。
【0013】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理法を用いて写真画像を形成するものである。このような熱現像感光材料としては例えば米国特許第3152904号、3457075号、及びD.モーガン(Morgan) とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems) 」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials )Neblette 第8版、スタージ(Sturge) 、V.ウォールワース(Walworth) 、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)等に開示されている。
【0014】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理を用いて写真画像を形成するものであればよいが、還元可能な銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、銀の色調を制御する色調剤及び還元剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱することで現像される。加熱することで還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0015】
本発明の熱現像感光材料は支持体上に少なくとも一層の感光層を有している。支持体の上に感光層のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。
感光層に通過する光の量または波長分布を制御するために感光層と同じ側または反対側にフィルター層を形成しても良いし、感光層に本願一般式(1)で表される染料、その他の染料または顔料を含ませても良い。
感光層は複数層にしても良く、また階調の調節のため感度を高感層/低感層または低感層/高感層にしても良い。
各種の添加剤は感光層、非感光層、またはその他の形成層のいずれに添加しても良い。
【0016】
本発明の熱現像感光材料に適用できる支持体には、例えば紙、ポリエチレンを被覆した紙、ポリプロピレンを被覆した紙、羊皮紙、布等の材料;例えば、アルミニウム、銅、マグネシウム、亜鉛のような金属のシート又は薄膜;ガラス又は、クロム合金、スチール、銀、金、白金のような金属で被覆したガラス;ポリ(アルキルメタクリレート類)(例えば、ポリ(メチルメタクリレート))、ポリ(エステル類)(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))、ポリ(ビニルアセタール類)、ポリ(アミド類)(例えば、ナイロン)、セルロースエステル類(例えば、セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)等の合成ポリマー状材料がある。
本発明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。
【0017】
本発明の熱現像感光材料中の化学薬品と共にそれぞれのバインダー層(例えば、合成ポリマー)は自己支持フィルムを形成してもよい。
支持体を、公知の補助材料、例えば、塩化ビニリデン、アクリル酸モノマー(例えば、アクリロニトリルやメチルアクリレート)及び不飽和ジカルボン酸(例えば、イタコン酸、アクリル酸)、カルボキシメチルセルロース、ポリ(アクリルアミド)のコポリマー及びターポリマー;及び類似のポリマー状材料で補助的に被覆してもよい。
【0018】
好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0019】
色調剤の添加は非常に望ましい。好適な色調剤の例は調査報告(Research Disclosure) 第17029号に開示されており、次のものがある:イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロックされたピラゾール類、イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N’ヘキサメチレン(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロシアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン(benzothiazolinylidene)) −1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(oxazolidinedione));フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメロカプト−1,4−ジフェニル−1H、4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン。
好ましい色調剤としてはフタラジン:
【0020】
【化6】
Figure 0003996234
【0021】
である。
還元剤としては、いわゆる写真現像剤、例えばフェニドン、ヒドロキノン類、カテコール等を含有してもよいが、ヒンダードフェノールが好ましい。米国特許第4460681号に開示されているようなカラー感光材料も、本発明の実現では考えられる。
【0022】
好適な還元剤の例は、米国特許第3770448号、3773512号、3593863号、及び調査報告(Research Disclosure)第17029及び29963に記載されており、次のものがある:アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシ−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン);現像剤の前駆体としてアミノリダクトン類(reductones) エステル(例えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルホヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルホヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシン類;アジン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニリンダン(phenylindane) −1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。
好ましい現像剤は一般式(A)のヒンダードフェノールである:
【0023】
【化7】
Figure 0003996234
【0024】
ここで;R40は水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C4 9 、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R41及びR42は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0025】
触媒活性量の光触媒として有用なハロゲン化銀は感光性のいかなるハロゲン化銀(例えば、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀等)であってもよいがヨウ素イオンを含むことが好ましい。このハロゲン化銀はいかなる方法で画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接するように配置する。ハロゲン化銀の含有量は、0.6〜0.03g/m2、さらに好ましくは、0.4〜0.05g/m2である。ハロゲン化銀は、ハロゲンイオンとの反応による銀石鹸部の変換によって調製してもよく、予備形成して石鹸の発生時にこれを添加してもよく、またはこれらの方法の組み合わせも可能である。後者が好ましい。
【0026】
還元可能な銀源は還元可能な銀イオン源を含有するいかなる材料でもよい。有機及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、調査報告(Research Disclosure)第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体また塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。好ましい銀源はベヘン酸銀である。還元可能な銀源は好ましくは銀量として3g/m2以下、0.1g/m2以上である。さらに好ましくは2g/m2以下、0.1g/m2以上である。
【0027】
このような感光材料中にはかぶり防止剤が含まれて良い。最も有効なかぶり防止剤は水銀イオンであった。感光材料中にかぶり防止剤として水銀化合物を使用することについては、例えば米国特許第3589903号に開示されている。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。非水銀かぶり防止剤としては例えば米国特許第4546075号及び4452885号及び日本特許公開公報特開昭59−57234号に開示されているようなかぶり防止剤が好ましい。
【0028】
特に好ましい非水銀かぶり防止剤は、米国特許第3874946号及び4756999号に開示さているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1 及びX2 はハロゲン(例えば、F、Cl、Br及びI)でX3 は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なかぶり防止剤の例としては次のものがある。
【0029】
【化8】
Figure 0003996234
【0030】
【化9】
Figure 0003996234
【0031】
更により好適なかぶり防止剤は米国特許第5028523号及び我々の英国特許出願第92221383.4号、9300147.7号、9311790.1号に開示されている。
【0032】
本発明の熱現像感光材料には、例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4639414号、同4740455号、同4741966号、同4751175号、同4835096号に記載された増感色素が使用できる。
【0033】
熱現像感光材料の印刷分野においては、網点画像による連続階調の画像の再生あるいは線画像の再生を良好にするために、超硬調の写真特性を示す画像形成システムが提供されており、超硬調画像形成のため超硬調化剤を用いることができる。例えば、米国特許第5,464,738号、同5,496,695号、同6,512,411号、同5,536,622号、日本特許特願平7−228627号、同8−215822号、同8−130842号、同8−148113号、同8−156378号、同8−148111号、同8−148116号に記載のヒドラジン誘導体、あるいは、日本特許特願平8−83566号に記載の四級窒素原子を有する化合物や米国特許第5,545,515号に記載のアクリロニトリル化合物を用いることができる。化合物の具体例としては、前記米国特許第5,464,738号の化合物1〜10、同5,496,695号のH−1〜H−28、特願平8−215822号のI−1〜I−86、同8−130842号のH−1〜H−62、同8−148113号の1−1〜1−21、同8−148111号の1〜50、同8−148116号の1〜40、同8−83566号のP−1〜P−26、およびT−1〜T−18、米国特許第5,545,515号のCN−1〜CN−13などが挙げられる。
また、本発明は超硬調画像形成のために、前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用することができる。例えば、米国特許第5,545,505号に記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、同5,545,507号に記載のヒドロキサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、同5,545,507号に記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN−13、同5,558,983号に記載のヒドラジン化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、日本特許特願平8−132836号に記載のオニューム塩類、具体的にはA−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14などを用いることができる。
これらの超硬調化剤、および硬調化促進剤の合成方法、添加方法、添加量等は、それぞれの前記引用特許に記載されているように行うことができる。
【0034】
本発明に用いられる超硬調化剤としては、本発明の目的を達成するための性能を有していれば上記のいずれの超硬調化剤を用いてもよいが、ヒドラジン誘導体が好ましく用いられる。
本発明に用いられるヒドラジン誘導体としては、下記のヒドラジン誘導体が好ましく用いられる。(場合によっては組み合わせて用いることもできる。)本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、下記の特許に記載された種々の方法により合成することができる。
【0035】
特公平6−77138号に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合物。特公平6−93082号に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−230497号に記載の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4─1〜化合物4−10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6−7。特開平6−289520号に記載の一般式(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)および2−1)。特開平6−313936号に記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6−313951号に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7−5610号に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜I−38。特開平7−77783号に記載の一般式(II) で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−102。特開平7−104426号に記載の一般式(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44。特開平9−22082号に記載の、ヒドラジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有することを特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物N−1からN−30。特開平9−22082号に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55。
【0036】
さらに1991年3月22日発行の「公知技術(1〜207頁)」(アズテック社刊)の25頁から34頁に記載の種々のヒドラジン誘導体。特開昭62−86354号(6頁〜7頁)の化合物D−2およびD−39。
本発明のヒドラジン系造核剤は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、ヒドラジン誘導体の粉末を適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、マントンゴーリング、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0037】
本発明のヒドラジン造核剤は、支持体に対してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層あるいは他のどの層に添加してもよいが、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
本発明の造核剤添加量は、ハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜1×10-2モルが好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましく、2×10-5〜5×10-3モルが最も好ましい。
【0038】
本発明の化合物は、ハロゲン化銀感光材料にも用いることが出来る。ハロゲン化銀感光材料に用いられる分光増感剤、ハロゲン化銀乳剤などについては、特開平6−43583号公報等を参考にすることができる。
また、本発明の化合物を感熱記録材料に用いる場合には、特願平8−167416号記載の方法を参考にすることができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、それらに限定されるものではない。
実施例1(合成)
(化合物2の合成)
8−アミノ−1−ナフトール6.3g及びエチルアルコール20mlに5−ウンデカノン8.1gを入れ9時間還流した。さらに、5−ウンデカノン15gを加え3時間還流した。反応物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1/5)で精製し、ナフトオキサジニン2.6gを得た。
上記で得たナフトオキサジニン2.6g、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.5g、n−ブタノール30ml及びトルエン30mlを外温140℃で生成する水を追い出しながら3時間反応させた。反応物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)で精製し、化合物2を0.6g得た。
λmax :781.3nm(CHCl3)、ε=1.69×105
融点 :193〜5℃
その他の化合物も同様に合成できる。合成した化合物のλmax と融点を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003996234
【0041】
実施例2(熱現像感光材料)
Figure 0003996234
【0042】
溶液▲1▼を85℃に保温した状態で激しく攪拌しながら溶液▲2▼を5分かけて添加しその後溶液▲3▼を25分かけて添加する。そのまま20分攪拌した後、35℃に降温する。35℃でより激しく攪拌しながら溶液▲4▼を5分かけて添加し、そのまま90分間攪拌し続ける。その後、溶液▲5▼を加え、攪拌をとめて放置し、水相を含まれる塩とともに抜き、油相を得、脱溶媒して痕跡の水を抜いた後、溶液▲6▼を添加して50℃で激しく攪拌した後、溶液▲7▼を20分かけて添加し、105分攪拌して乳剤Aを得た。
【0043】
染料−Aによって青色に着色されたポリエチレンテレフタレートの支持体の上に以下の各層を順次形成していった。乾燥は各々75℃5分間で行った。
【0044】
【化10】
Figure 0003996234
【0045】
バック面側塗布
アンチハレーション層(湿潤厚さ 80ミクロン)
ポリビニルブチラール(10%イソプロパノール溶液)とセルロース
アセテートブチレート(10%イソプロパノール溶液)の1:1混合物
150ml
染料(溶媒はアセトンを使用) 70mg
【0046】
【化11】
Figure 0003996234
【0047】
Figure 0003996234
【0048】
【化12】
Figure 0003996234
【0049】
Figure 0003996234
【0050】
【化13】
Figure 0003996234
【0051】
センシトメトリー
上記で作成した熱現像感光材料を半切サイズに加工し、780nmのレーザーダイオードを垂直面より13°傾いたビームで露光した。その後ヒートドラムを用いて120℃×5秒熱現像処理した。
鮮鋭度の評価
2856Kの白色光に780nmの干渉フィルターを用いて分光した光で露光し、上記の条件で処理し、鮮鋭度を光学濃度1.0で15本/mmでのMTF値を用いて評価した。
【0052】
色味の評価
露光を与えないで熱現像処理した試料を目視評価した。
○:良い
△:色味が気になる
×:色味が悪い
【0053】
【表2】
Figure 0003996234
【0054】
表2より本発明の試料は残色がなく、色味に問題がない。また、鮮鋭度も良い。
【0055】
実施例3(熱現像感光材料)
Figure 0003996234
【0056】
溶液▲1▼を85℃に保温した状態で激しく攪拌しながら溶液Aを10分かけて添加し、続いて溶液▲2▼を5分かけて添加し、その後、溶液▲3▼を25分かけて添加する。そのまま20分攪拌した後、35℃に降温する。35℃でより激しく攪拌しながら溶液▲4▼を5分かけて添加し、そのまま90分間攪拌し続ける。その後、溶液▲5▼を加え、攪拌をとめて放置し、水相を含まれる塩とともに抜き、油相を得、脱溶媒して痕跡の水を抜いた後、溶液▲6▼を添加して50℃で激しく攪拌した後、105分攪拌して乳剤Bを得た。
【0057】
実施例2と同様に(但しアンチハレーション層を感光層面側の感光層の下に設けた。)テストを行なった。
本発明の染料を用いた試料は実施例2と同様に残色がなく、色味もよく、鮮鋭度が高かった。
【0058】
実施例4(ハロゲン化銀感光材料)
1.ハロゲン化銀乳剤の調製
2 O 850mlにゼラチン34gを溶解し、65℃に加温された容器に塩化ナトリウム1.7g、臭化カリウム0.1g、および
下記化合物(A)
【0059】
【化14】
Figure 0003996234
【0060】
を70mg入れた後、170gの硝酸銀を含む水溶液500mlと、イリジウムと完成ハロゲン化銀モル比が5×10-7となるようなヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウムさらに塩化ナトリウム12g及び臭化カリウム98gを含む水溶液500mlとをダブルジェット法により添加して、平均粒子サイズが0.35μmの立方体単分散塩臭化銀粒子を調製した。この乳剤を脱塩処理後、ゼラチン50gを加え、pH6.5、pAg8.1に合わせてチオ硫酸ナトリウム2.5mgと塩化金酸5mgを加えて、65℃で化学増感を施した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.2gを加え、急冷固化した(乳剤A)。
次に上記ゼラチン溶液の加温を40℃とした以外は乳剤Aと同様にして0.3μmの立方体単分散塩臭化銀粒子を調製し、脱塩処理後、ゼラチン50gを加え、pH6.5、pAg8.1に合わせた。この乳剤にチオ硫酸ナトリウム2.5mgと塩化金酸5mgを加えて、65℃で化学増感後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.2gを加え、急冷固化し乳剤Bを調整した。
【0061】
2.乳剤塗布液の調製
乳剤(A)と(B)を重量比1:1で混合し、ハロゲン化銀1モル当り下記添加剤を加え乳剤塗布液とした。
【0062】
Figure 0003996234
【0063】
分光増感色素〔2〕
【0064】
【化15】
Figure 0003996234
【0065】
強色増感剤〔3〕
【0066】
【化16】
Figure 0003996234
【0067】
保存性改良剤〔4〕
【0068】
【化17】
Figure 0003996234
【0069】
3.乳剤層の表面保護層塗布液の調製
【0070】
容器を40℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えて塗布液とした。
【0071】
(乳剤層の表面保護層塗布液処方)
【0072】
Figure 0003996234
【0073】
【化18】
Figure 0003996234
【0074】
4.バック層塗布液の調製
容器を40℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えてバック層塗布液とした。但し、本発明の染料は、化合物(6a)に溶解し、常法により界面活性剤を適当量使用し、乳化分散した。
【0075】
【化19】
Figure 0003996234
【0076】
Figure 0003996234
【0077】
染料〔B〕
【0078】
【化20】
Figure 0003996234
【0079】
染料〔C〕
【0080】
【化21】
Figure 0003996234
【0081】
5.バックの表面保護層塗布液の調製
容器を40℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えて塗布液とした。
(バックの表面保護層塗布液処方)
【0082】
Figure 0003996234
【0083】
6.写真材料の作成
【0084】
前述のバック層塗布液をバック層の表面保護層塗布液とともにポリエチレンテレフタレート支持体の側に、ゼラチン総塗布量が3g/m2となるように塗布した。これに続いて支持体の反対の側に前述の乳剤塗布液と表面保護層塗布液とを、塗布Ag量が2.3g/m2でかつ表面保護層のゼラチン塗布量が1g/m2となるように塗布した(写真材料1)。
【0085】
写真材料1〜4を25℃60%の温湿度に保って塗布後7日放置し、実施例2のセンシトメトリーと同様に露光を行いローラー搬送型自動現像機を用いて、下記現像液〔I〕、定着液〔I〕にて現像処理した。現像時間は7秒、定着は7秒、水洗は4秒、水切り・乾燥は11秒である。この時、搬送スピードは300mm/分であった。
【0086】
現像液〔I〕組成
【0087】
Figure 0003996234
定着液〔I〕組成
【0088】
Figure 0003996234
鮮鋭度および色味の評価を実施例2と同様に行った。但し、現像は上記の現像方法によって行った。
得られた結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
Figure 0003996234
【0090】
表3の結果より、本発明の染料は、残色がなく、色味に問題がない。また、鮮鋭度もよい。
【0091】
実施例5
以下に示す化合物をメチルエチルケトンに溶解して着色組成液を作製し、厚み100μm のポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布、乾燥して着色透明シートを作製した。ポリビニルブチラールはモンサント社製 Butvar TMB76を用いた。
試料の作成
ポリビニルブチラール 0.85g/m2
ロイコ色素 1mmol/m2
酸 3mmol/m2
染料(表4に記載) 0.13mg/m2
【0092】
【化22】
Figure 0003996234
【0093】
【化23】
Figure 0003996234
【0094】
<画像形成のための露光条件>
Spectra Diode Labs No.SDL−2430(波長範囲:800〜830nm)を8本合波して、800mWの出力にして、画像書き込み用レーザーとした。
このレーザーを用いて、ビーム径160μm 、レーザー走査スピードを0.5m/秒(走査中央部)、試料送りスピードを15mm/秒、走査ピッチを8本/mmに設定して、22mm×9mmの画像となるような露光を前述した試料に対して行った。この時の試料上のレーザーエネルギー密度は10mJ/mm2 であった。また、レーザー走査スピードやレーザー出力を変えることで、表4のようにエネルギー密度を変化させた。
<レーザー走査中央部(画像部)の色素残存率の評価>
レーザー走査中央部(画像部)の最小濃度(Dmin) をマクベスのブルー光またはグリーン光濃度測定によって求め、非画像部との比から色素残存率を評価した。
得られた結果を表4に示す。
【0095】
【表4】
Figure 0003996234
【0096】
表4より、本発明の染料は色素残存率が少ないことがわかった。
【0097】
実施例6(熱現像感光材料)
(ハロゲン化銀粒子Aの調製)
水900mlにイナートゼラチン7.5gおよび臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃にてpHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと臭化カリウムと沃化カリウムとを94:6のモル比で含みK3〔IrCl6 〕を含む水溶液pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。〔IrCl6 -3は銀1モルに対して3×10-7モルになるように添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均サイズ0.06μm投影面積変動係数8%、{100}面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調製した。
【0098】
(有機酸銀乳剤Aの調製)
ベヘン酸10.6g、蒸留水300mlを90℃で15分間混合し、激しく攪拌しながら1N-NaOH 水溶液31.1mlを15分かけて添加し、そのまま1時間放置した後、30℃に降温した。次に、1N−リン酸水溶液7mlを添加し、より激しく攪拌しながら(C−11)0.13gを添加した後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒子Aをハロゲン化銀量が1.25ミリモルとなるように添加した。さらに、1N−硝酸銀水溶液25mlを2分かけて連続添加し、そのまま90分間攪拌し続けた。この水系混合物にポリ酢酸ビニルの1.2重量%の酢酸ブチル溶液37gを添加して分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に2回の水洗と水の除去を行った後、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラール♯3000-K) の2.5wt%の酢酸ブチルとイソプロピルアルコール1:2混合溶液20gを攪拌しながら加えた後、こうして得られたゲル状の有機酸、ハロゲン化銀の混合物にポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラール♯4000-2)7.8g、2−ブタノン57gを添加しホモジナイザーで分散し、ベヘン酸銀塩乳剤(平均短径0.06μm、平均長径1μm、変動係数30%の針状粒子)を得た。
【0099】
【化24】
Figure 0003996234
【0100】
(乳剤層塗布液Aの調製)
上記で得た有機酸銀乳剤に銀1モル当たり以下の量となるように各薬品を添加した。25℃でフェニルチオスルホン酸ナトリウム25mg、フェニルスルフィン酸ナトリウム25mg、(C-1)1.0 g、増感色素Aを0.65g、(C-2) 2.1g、(C-3) 14.2gと2−ブタノン580g、ジメチルホルムアミド220g、メタノール32gを攪拌しながら添加し3時間放置した。ついで、(C-4) 14.1g、(C-5) 125g、ヒドラジン誘導体(C-6) 0.61g、本発明の染料及び比較染料(表5に記載の種類で780nmの透過吸収が0.5になる量)、メガファックスF-176P(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤)1.1g、sumidur N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシアネート)3.7gを攪拌しながら添加した。
【0101】
【化25】
Figure 0003996234
【0102】
CAB171-15S(イーストマンケミカル(株)製酢酸酪酸セルロース)45g、2−ブタノン1520gと酢酸エチル10g、ジメチルホルムアミド50g、(C-7) 1.4g、(C-8) 11.6g、(C-9) 5.4g、(C-10)4.0g、メガファックスF-176P0.43g、シルデックスH31 (洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ3μm)1.2g、sumidur N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシアネート)0.42gを酢酸エチル4.2gに溶かした溶液を添加溶解したものを調製した。
【0103】
【化26】
Figure 0003996234
【0104】
(バック面を有した支持体の作成)
ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラール♯4000-2) 6g、シルデックスH121(洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ12μm)0.2g、シルデックスH51 (洞海化学社製真球状シリカ平均サイズ5μm)0.2g0.1gのメガファックスF-176P2−プロパノール64gに攪拌しながら添加し溶解および混合させた。さらに、本発明の染料及び比較染料(表5に記載の種類で780nmの透過吸収が0.7になる量)をメタノール10gとアセトン20gとジメチルホルムアミド20gに溶かした混合溶液およびsumidur N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシアネート)0.8gを酢酸エチル6gに溶かした溶液を添加し塗布液を調製した。
両面が塩化ビニリデンを含む防湿下塗りからなるポリエチレンテレフタレートフィルム上にバック面塗布液を780nmの光学濃度0.7となるように塗布した。
【0105】
上記のごとく調製した支持体上に乳剤層塗布液を銀が1.6g/m2となるように塗布した後、乳剤面上に乳剤面保護層塗布液を乾燥厚さ1.8μmとなるように塗布した。
【0106】
(写真性能の評価)
上記の試料を下記の2つの条件で露光し、それぞれヒートドラムを使用して115℃で25秒間熱現像処理を行なった。
▲1▼780nmにピークを持つ干渉フィルターとステップウェッジを介して発光時間10-4sec のキセノンフラッシュ光で露光した。
▲2▼780nmにピークを持つ干渉フィルターとステップウェッジ及び網点面積率50%のチント網の2つの条件を介して発光時間10-4sec のキセノンフラッシュ光で露光した。
▲3▼未露光試料をヒートドラムを使用して115℃で25秒間熱現像処理を行なった。
得られた画像の濃度測定、網点面積率測定及び分光吸収測定を行い、下記の項目で性能評価を行なった。
【0107】
▲1▼ΔS(50-60);S50とS60 の差の絶対値
S50;−log (網点面積率60%を得るに必要な露光量の逆数)
S60;−log (網点面積率50%を得るに必要な露光量の逆数)
従って、ΔS(50-60)が大きいほど露光量による網点面積率の変動が小さく好ましいことを意味する。
▲2▼D360nm、D410nm;
塗布試料を露光せずに熱現像処理した後に分光吸収を測定し、360nm及び410nmの吸光度を求めた。そして染料なしでの各波長での吸光度との濃度差で表わした。
本特性は、PS版或いは、返し用のプリンター光源の焼き付け波長に対応した波長特性であり、数値が小さいほど短時間で焼き付け可能となり、好ましい。
▲3▼色味:実施例2と同じ評価法
結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
Figure 0003996234
【0109】
(結果)
本発明の試料は、360nm及び410nmの吸収が小さく、且つ露光量による網点面積率の変動が小さく好ましい感材特性が得られた。
【0110】
実施例7
実施例6のヒドラジン誘導体(C−6)を下記の物に替えG0330 が実施例6の範囲になるように添加量を調整して添加した他は実施例6と同様に試料作成し写真性能評価を行なったところ、本発明の態様する試料では実施例6と同様に良好な性能が得られた。
【0111】
【化27】
Figure 0003996234

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表されるナフトオキサジニンスクアリリウム化合物。
    Figure 0003996234
    式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアラルキル基を表し、RとRそして、またはRとRがお互いに結合し5または6員環を形成してもよい。R及びRは水素原子、あるいは炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から6のアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基またはカルボキシル基を表し、スルホ基およびカルボキシル基は塩でもよく、nは1から3の整数を表す。
  2. 請求項1に記載の一般式(1)で表される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする記録材料。
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