JP3995931B2 - 車両用ペダル支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊り下げ式の車両用ペダルを揺動可能に支持する車両用ペダル支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両前部への所定の高荷重作用時になると、エンジンルームの変形がダッシュパネルに伝わり、ダッシュパネルが略車両後方側へ変位する。この現象に着目し、車両前部への所定の高荷重作用時にダッシュパネルの後方変位を利用して吊下げ式の車両用ペダルのペダルパッド(踏面)を略車両前方側へ回転変位させる技術が、既に本件出願人によって提案されている(一例として、特開平9−123948号公報参照)。
【0003】
以下、前記公報に開示された技術について簡単に説明する。吊下げ式のブレーキペダルの上端部には回転軸部(ペダルボス)が設けられており、かかる回転軸部を揺動中心としてブレーキペダルは揺動するようになっている。この回転軸部を軸支しているのがペダルサポート(ペダルブラケット)である。ペダルサポートの前端部はダッシュパネル側に固定されており、後端部はインパネリインフォース側或いはカウル側に固定されている。
【0004】
ここで、前記公報に開示された技術では、ペダルサポートの両側部に略車両前後方向に延びる長孔が形成されている。さらに、ペダルサポートの各側部の外側面には、略車両前後方向に沿って延びる高剛性のプッシュプレートが配置されている。プッシュプレートの前端部はペダルサポートの前端部と共にダッシュパネル側に固定されており、プッシュプレートの後端部は回転軸部の軸方向の端部に連結されている。さらに、連結後の状態では、回転軸部が長孔の前端部に位置されるようになっている。
【0005】
上記構成によれば、車両前部への所定の高荷重作用時、エンジンルームを介してダッシュパネルに荷重が入力されると、ダッシュパネルは略車両後方側へ変位するが、インパネリインフォース側或いはカウル側は殆ど変位しない。従って、両者の間に相対変位が生じることになる。この相対変位により、ペダルサポートに略車両前後方向への圧縮力が加わる。従って、ペダルサポートは略車両前後方向に座屈曲するように変形し、これに伴って高剛性のプッシュプレートは回転軸部を長孔の前端位置から後端位置まで移動させる。これにより、ブレーキペダルは、プッシュロッドとの連結点回りに略車両前方側へ回転変位し、その結果、ペダルパッドが略車両前方側へ変位するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成による場合、ペダルサポートの前端側の取付相手となるダッシュパネル側(第1の車体側構成部材)とペダルサポートの後端側の取付相手となるインパネリインフォース側或いはカウル側(第2の車体側構成部材)との相対変位量が小さい場合には、ブレーキペダルのペダルパッドが充分には略車両前方側へ回転変位しない可能性もある。
【0007】
その一方で、ブレーキペダルを通常操作する際には、ブレーキペダルの回転軸部に略車両下方側への操作力が作用するが、かかる操作力に対する支持剛性を充分に確保しなければならないという要請もある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、車両用ペダルの通常操作時には充分な支持力を確保することができ、しかも車両前部への所定の高荷重作用時には車両用ペダルの踏面を確実に略車両前方側へ変位させることができる車両用ペダル支持構造を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、前端側が第1の車体側構成部材に固定されると共に後端側が第1の車体側構成部材よりも略車両後方側に配置された第2の車体側構成部材に固定され、車両前部への所定の高荷重作用時に第2の車体側構成部材に対する第1の車体側構成部材の相対変位により略車両前後方向への圧縮力を受けるペダルサポートに、吊り下げ式の車両用ペダルの揺動中心となる回転軸部が軸支された車両用ペダル支持構造であって、前記ペダルサポートは略車両前後方向に分割されていると共に、分割されたサポート前部の後端側とサポート後部の前端側とが前記車両用ペダルの回転軸部を用いて相対回転可能に連結されており、前記サポート前部及び前記サポート後部の少なくとも一方側には、当該サポート前部と当該サポート後部との間に設定されかつ当該サポート前部と当該サポート後部とを係合状態とし、車両用ペダルの通常操作時には前記回転軸部に作用する略車両下方側への操作力によってサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で下向きに凸となる相対回転が生じるのを阻害するように当該係合状態を維持し、車両前部への所定の高荷重作用時にはサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じるのを許容するように当該係合状態が解除される係合手段が設けられており、前記サポート後部及び前記車両用ペダルの少なくとも一方側には、車両前部への所定の高荷重作用時にサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じた際に当該回転変位を利用して当該車両用ペダルを回転軸部回りに強制的に略車両前方側へ回転変位させる強制変位手段が設けられている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、請求項1に記載の発明において、前記強制変位手段は、前記サポート後部に設けられ、前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転時に前記車両用ペダルの背面に干渉して当該背面を略車両前方側へ押圧する干渉部である、ことを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、ペダルサポートが略車両前後方向に分割されており、分割されたサポート前部の後端側とサポート後部の前端側とが、吊り下げ式の車両用ペダルの揺動中心となる回転軸部を用いて相対回転可能に連結されている。
【0014】
上記構成の本発明では、車両用ペダルの通常操作時には、車両用ペダルの揺動中心となる回転軸部に略車両下方側への操作力が作用することになる。このため、サポート前部とサポート後部との間に回転軸部で下向きに凸となる相対回転が生じようとする。しかし、本発明の場合には、サポート前部とサポート後部の少なくとも一方側に、当該サポート前部と当該サポート後部との間に設定されかつ当該サポート前部と当該サポート後部とを係合状態とする係合手段が設けられており、両者間に回転軸部で前記下向きに凸となる相対回転が生じるのが阻害されるように当該係合状態が維持される。従って、車両用ペダルの通常操作時には、ペダルサポート側に充分な支持力が確保される。
【0015】
一方、車両前部への所定の高荷重作用時になると、第1の車体側構成部材が第2の車体側構成部材に対して相対変位し、これによりペダルサポートには略車両前後方向への圧縮力が作用する。この場合、本発明では、サポート前部とサポート後部との間に回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じようとするが、このときには係合手段によって両者間に当該相対回転が生じるのを阻害されることはなく、逆に両者間に当該相対回転が生じるのを許容するように係合手段の係合状態が解除される。そして、当該相対回転を利用して、サポート後部及び車両用ペダルの少なくとも一方側に設けられた強制変位手段によって、車両用ペダルは回転軸部回りに略車両前方側へ強制的に回転変位される。その結果、車両前部への所定の高荷重作用時には、第2の車体側構成部材に対する第1の車体側構成部材の相対変位量が小さい場合でも、車両用ペダルの踏面を確実に略車両前方側へ変位させることができる。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、上述した強制変位手段はサポート後部に設けられた干渉部によって構成されており、上述した回転軸部で上向きに凸となる相対回転時には当該干渉部が車両用ペダルの背面に干渉して当該背面を略車両前方側へ強制的に押圧する。従って、車両用ペダルの略車両前方側への回転変位を積極的に生じさせることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
【0021】
図1には、本実施形態に係るブレーキペダル10の支持構造が側面視で示されている。この図に示されるように、エンジンルーム12と車室内空間14とを仕切る位置には、「第1の車体側構成部材」としてのダッシュパネル16が略垂直に配置されている。ダッシュパネル16の上端部は、車両幅方向を長手方向として配置されてカウル18の一部を構成するカウルインナパネル18Aの下面側にスポット溶接等により固着されている。また、ダッシュパネル16の下端部は、図示しないフロアパネルにスポット溶接等により固着されている。
【0022】
上述したダッシュパネル16の前方側には、ブレーキペダル10に付与された乗員の踏力を増強するための踏力増強手段として機能するブレーキブースタ20と、このブレーキブースタ20によって増強された圧力を液圧に変換するための液圧変換用のマスタシリンダ22と、液圧系統の体積変化に追従してブレーキフルードを貯留及び補充するリザーバタンク(図示省略)とが一体的に配設されている。
【0023】
一方、ダッシュパネル16の後方側には、後に詳述するペダルサポート26に支持された「車両用ペダル」としての吊り下げ式のブレーキペダル10が配設されている。ブレーキペダル10は、狭幅の板材を適宜屈曲させて形成したペダルアーム56と、このペダルアーム56の下端部に設けられ乗員の踏力が付与されるペダルパッド(踏面)58と、を含んで構成されている。なお、ブレーキペダル10のペダルアーム56には図示しないリターンスプリングが係止されており、このリターンスプリングによってブレーキペダル10は初期位置に復帰する方向へ常時付勢されている。
【0024】
また、ブレーキペダル10のペダルアーム56の上端部には、揺動中心となる回転軸部60が設けられている。回転軸部60の構成の一例について簡単に触れると、ペダルアーム56の上端部に形成された貫通孔72内に円筒状のペダルボス74が挿入されて溶接等により固着されると共に、ペダルボス74の両端部に鍔付き円筒形状のブッシュ76が各々嵌入され、更に双方のブッシュ76の軸心部へ円筒形状のカラー78が挿入された後、取付ボルト62がペダルサポート26の外側から挿入されてワッシャ63を介してナット64が螺合されることにより回転軸部60が構成される。
【0025】
図1に戻り、上述したブレーキペダル10のペダルアーム56の中間部には、ブレーキブースタ20から突出してダッシュパネル16を貫通した状態で配置されるプッシュロッド(オペレーティングロッド)66の先端部が連結されている。具体的には、プッシュロッド66の先端部には、平面視で略コ字形に形成されたクレビス68が取り付けられている。このクレビス68の内方にはペダルアーム56が挿入状態で配置されており、クレビス68の両側部及びペダルアーム56をクレビスピン70が貫通し、その貫通端部にβピン、止め輪等が嵌着されて抜止めされることによりプッシュロッド66とペダルアーム56とが相対回転自在に連結されている。
【0026】
次に、上述したブレーキペダル10を揺動可能に支持するペダルサポート26の構成について詳述する。
【0027】
ペダルサポート26は、「サポート前部」としてのフロントサポート28と「サポート後部」としてのリヤサポート30とに分割されている。フロントサポート28は、ダッシュパネル16への取付座面を構成するフロントベース部32と、このフロントベース部32の両側部から略車両後方側へ平行に延出された一対のフロントサイド部34と、を含んで構成されており、平面視でコ字形に形成されている。
【0028】
フロントベース部32の前面四隅には、ブレーキブースタ20から突出するスタッドボルト(図示省略)を挿通させるための円筒状のカラー38が固着されている。フロントベース部32は、これらのカラー38をダッシュパネル16に当接させた状態で、内部に挿通されたスタッドボルトにナット(図示省略)を螺合させることによりダッシュパネル16に固定されている。これにより、フロントサポート28がダッシュパネル16に結合されている。なお、ダッシュパネル16の前面にウエルドナットを予め溶着させておいて、取付ボルトをフロントベース部32側から螺入して固定することも可能である。また、ダッシュパネル16とフロントベース部32との間には、遮音材として用いられる図示しないダッシュインシュレータが介在されている。
【0029】
一方、フロントサポート28の後方側に配置されるリヤサポート30は、各々略「へ」の字状に形成されかつブレーキペダル10の回転軸部60を軸支する一対のリヤサイド部42と、これらのリヤサイド部42の後端部同士を繋ぐリヤベース部44と、を含んで構成されており、全体としては平面視で略コ字形に形成されている。
【0030】
リヤベース部44は、インパネリインフォース48から略車両前方側へ突出した状態で配置されたサポート部材50の前端部に固定ボルト52及びウエルドナット54によって固定されている。なお、インパネリインフォース48は車両幅方向を長手方向として配置される高強度部材であり、又サポート部材50も所定の高強度に設定されており、両者合わせて本発明における「第2の車体側構成部材」を構成する。
【0031】
ここで、図5に示されるように、上述したフロントサポート28並びにリヤサポート30は、回転軸部60を用いて相対回転可能に共締めされている。具体的には、フロントサイド部34の後端側の外側にリヤサイド部42の前端側が重合され、この状態で前述した取付ボルト62が挿入されてナット64が螺合されることにより、リヤサポート30がフロントサポート28に対して相対回転可能に連結されている。
【0032】
また、図3及び図4に示されるように、上述したリヤサポート30の側部を構成するリヤサイド部42の前端部42Aは、略車両斜め下方側に屈曲されている。前端部42Aの下縁側には、略U字形状の係合溝80が形成されている。これに対応して、フロントサポート28の側部を構成するフロントサイド部34の後端部34Aには、係合溝80の閉止端と重合する位置にボルト挿通孔82が形成されている。さらに、ボルト挿通孔82の周囲には、同軸上にウエルドナット84が溶着されている。そして、これらの係合溝80及びボルト挿通孔82内へボルト86が挿入されてウエルドナット84に螺合されることにより、リヤサポート30は回転軸部60回りに相対回転可能とされている。なお、上記構成における係合溝80、ウエルドナット84、及びボルト86が本発明における「係合手段」に相当する。
【0033】
さらに、図1及び図3に示されるように、リヤサポート30の底壁部には、略車両下方側へ向けて突出する「干渉部」としての突起部88が形成されている。この突起部88は、ブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aと対向して配置されており、車両前部への所定の高荷重作用時においてフロントサポート28とリヤサポート30との間に上向きに凸となるような相対回転が生じると、ブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aに干渉(当接)して略車両前方側へ押圧するようになっている。
【0034】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0035】
図1に示される状態が通常時の状態である。ブレーキ非操作時においては、ブレーキペダル10はリターンスプリングの付勢力によって初期位置に保持されている。この状態から、乗員がブレーキペダル10のペダルパッド58に踏力を付与すると、ブレーキペダル10は回転軸部60回りに略車両前方側(図1の矢印A方向側)へ揺動され、プッシュロッド66が略車両前方側(図1の矢印B方向側)へ押圧される。これにより、ペダルパッド58に付与された乗員の踏力がプッシュロッド66を介してブレーキブースタ20に伝達され、当該ブレーキブースタ20で増強された後、マスタシリンダ22によって液圧に変換される。
【0036】
ここで、ブレーキペダル10のペダルパッド58を踏み込んだ場合(即ち、ブレーキペダル10の通常操作時)には、ブレーキペダル10の揺動中心となる回転軸部60に略車両下方側への操作力(図1の矢印P方向への外力)が作用することになる。このため、フロントサポート28とリヤサポート30との間に下向きに凸となるような相対回転が生じようとする(即ち、固定点である固定ボルト52及びウエルドナット54を中心として、リヤサポート30が図1の矢印M1方向へ回転しようとする)。しかし、本実施形態の場合には、リヤサポート30のリヤサイド部42に下向きに開口された係合溝80が形成されており、この係合溝80がフロントサポート28とリヤサポート30との係合点となるボルト86に係合されるため、両者間に下向きに凸となる相対回転が生じるのが阻害される。従って、ブレーキペダル10の通常操作時には、ペダルサポート26側に充分な支持力が確保される。
【0037】
一方、車両前部への所定の高荷重作用時になると、その際の荷重がマスタシリンダ22及びブレーキブースタ20を介してダッシュパネル16に入力される。このため、図2に示される如く、ダッシュパネル16には略車両後方側(かつ略車両上方側)への押圧力(図2の矢印Q方向への外力)が作用し、これによりダッシュパネル16が同方向へ相対変位することがある。
【0038】
この場合、ペダルサポート26にはダッシュパネル16の後方変位に伴って略車両後方側への荷重が入力されるが、ペダルサポート26の後端側(即ち、リヤサポート30の後端側)が結合されたサポート部材50ひいてはその取付相手となるインパネリインフォース48は共に高強度部材であることから、これらのサポート部材50及びインパネリインフォース48は略車両後方側へは殆ど変位しない。このため、ダッシュパネル16がインパネリインフォース48に対して略車両後方側へ相対変位し、これによりペダルサポート26には略車両前後方向への圧縮力が作用する。
【0039】
この場合、本実施形態では、ペダルサポート26がフロントサポート28とリヤサポート30とに分割されており、両者が回転軸部60によって相対回転可能に連結されているため、両者の間には上向きに凸となる相対回転が生じようとする(即ち、固定点である固定ボルト52及びウエルドナット54を中心として、リヤサポート30が図1の矢印M2方向へ回転しようとする)。このため、係合溝80がボルト86から外れて(即ち、係合溝80とボルト86との係合状態が解除されて)、両者間に上向きに凸となる相対回転が生じる。これにより、リヤサポート30に設けられた突起部88がブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aに干渉(当接)し、当該ブレーキペダル10を回転軸部60回りに略車両前方側へ強制的に押圧する。その結果、車両前部への所定の高荷重作用時には、インパネリインフォース48に対するダッシュパネル16の相対変位量が小さい場合でも、ブレーキペダル10のペダルパッド58を確実に略車両前方側へ変位させることができる。よって、車両前部への所定の高荷重作用時における乗員の慣性移動による脚部の膝の屈曲を抑制することができ、ひいては乗員の脚部の膝をステアリングコラムから遠ざけることができる。
【0040】
以上説明した内容を総括すると、本実施形態に係るブレーキペダル10の支持構造によれば、ブレーキペダル10の通常操作時には充分な支持力を確保することができ、しかも車両前部への所定の高荷重作用時にはインパネリインフォース48に対するダッシュパネル16の相対変位量が小さい場合でも、ブレーキペダル10のペダルパッド58を確実に略車両前方側へ変位させることができるということになる。
【0041】
加えて、本実施形態に係るブレーキペダル10の支持構造では、リヤサポート30の底壁部に突起部88を設け、この突起部88によってブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aを略車両前方側へ積極的に押圧する構成を採ったので、簡単な構成で効果的に、ブレーキペダル10を略車両前方側へ回転変位させることができる。
【0059】
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した第1実施形態では、吊り下げ式の主ブレーキペダルを対象として本発明を適用したが、これに限らず、吊り下げ式のクラッチペダル等に対して本発明を適用することも可能である。
【0060】
また、上述した第1実施形態では、リヤサポート30に突起部88を形成し、当該突起部88をブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aに干渉させる構成を採ったが、これ以外にも種々の構成或いは組合せを採用し得る。第1実施形態を例にすれば、ブレーキペダル10のペダルアーム56の背面56Aに、突起部88をより早く干渉させるべく、突起部88側へ突出した形状の段部を設けてもよい。
【0061】
さらに、上述した第1実施形態では、ペダルサポート26の後端側がインパネリインフォース48のサポート部材50に固定される構成を採ったが、これに限らず、ペダルサポート26の後端側がカウル18側に固定される構成を採ってもよい。
【0062】
また、上述した第1実施形態では、係合手段として、ボルト86を係合溝80に係合させる構成を採ったが、これに限らず、種々の構成が適用可能である。以下、第1実施形態の構成を例にして、係合手段の他の実施形態を説明する。
【0064】
図6及び図7に示される実施形態では、ボルト86を使用せず、フロントサポート28とリヤサポート30との組付状態において、フロントサポート28の上縁フランジ部142の下面にリヤサポート30の上縁フランジ部144の上面が当接されている(僅かに離間させておいてもよい)点に特徴がある。この場合、車両前部への所定の高荷重作用時に、フロントサポート28の上縁フランジ部142に所定値以上の突き上げ荷重がリヤサポート30の上縁フランジ部144から作用することにより、フロントサポート28の上縁フランジ部142が開く方向に塑性変形し、係合状態が解除される。なお、この構成の場合、上縁フランジ部142、144が本発明における「係合手段」に相当する。
【0065】
この構成によれば、ボルト86を使用しないため、部品点数を削減することができ、組付工数も削減される。従って、低コスト化を図ることができる利点がある。また、双方の上縁フランジ部142、144同士の接触面積や板厚等によってフロントサポート28とリヤサポート30との相対回転開始荷重を任意に制御することができるという利点もある。
【0066】
その他にも、フロントサポート28及びリヤサポート30のいずれか一方に比較的小さなスリットを形成すると共に、フロントサポート28及びリヤサポート30のいずれか他方に前記スリットに係合する鉤状の爪を形成する構成を採ってもよい。この場合、鉤状の爪が塑性変形してスリットから外れるか、或いは、爪が破断することにより、両者の係合状態が解除される。
【0067】
また、上述した実施形態では、フロントサポート28側のボルト86にリヤサポート30の係合溝80が係合することで、ブレーキペダル10の通常操作時の支持力確保と車両前部への所定の高荷重作用時におけるペダルパッド58の略車両前方側への回転変位の両立を図る構成を採ったが、これに限らず、図8(A)、(B)に模式的に図示されるように、フロントサポート150の後端側に略車両後方側へ延出する延出部152を設け、この延出部152の下縁側に形成された係合溝(又は切欠)154にリヤサポート156側に設定したボルト158が係合するようにしてもよい。なお、本図においては、第1実施形態で説明した突起部88等の図示を省略している。このように、フロントサポート側とリヤサポート側とで、係合手段を構成する(ボルトやピン等の)係合部と(溝や切欠、孔等の)被係合部との設定関係を逆にすることも可能であり、その場合においても同様の効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、ペダルサポートを略車両前後方向に分割して、サポート前部の後端側とサポート後部の前端側とを車両用ペダルの回転軸部を用いて相対回転可能に連結し、サポート前部及びサポート後部の少なくとも一方側には、当該サポート前部と当該サポート後部との間に設定されかつ当該サポート前部と当該サポート後部とを係合状態とし、車両用ペダルの通常操作時には回転軸部に作用する略車両下方側への操作力によってサポート前部とサポート後部との間に回転軸部で下向きに凸となる相対回転が生じるのを阻害するように当該係合状態を維持し、車両前部への所定の高荷重作用時にはサポート前部とサポート後部との間に回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じるのを許容するように当該係合状態が解除される係合手段を設け、さらに、サポート後部及び車両用ペダルの少なくとも一方側には、車両前部への所定の高荷重作用時にサポート前部とサポート後部との間に回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じた際に当該回転変位を利用して当該車両用ペダルを回転軸部回りに略車両前方側へ強制的に押圧する強制変位手段を設けたので、車両用ペダルの通常操作時には充分な支持力を確保することができ、しかも車両前部への所定の高荷重作用時には車両用ペダルの踏面を確実に略車両前方側へ変位させることができるという優れた効果を有する。
【0069】
請求項2記載の本発明に係る車両用ペダル支持構造は、請求項1記載の発明において、回転軸部で上向きに凸となる相対回転時に車両用ペダルの背面に干渉して当該背面を略車両前方側へ押圧する干渉部をサポート後部に設け、かかる干渉部によって上述した強制変位手段を構成したので、簡単な構成で効果的に、車両用ペダルを略車両前方側へ回転変位させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係るブレーキペダル支持構造の全体構成(通常操作時)を示す側面図である。
【図2】 車両前部への所定の高荷重作用時にペダルパッドが略車両前方側へ回転変位した状態を示す図1に対応する側面図である。
【図3】 フロントサポートとリヤサポートとの連結部付近を拡大して示した側面図である。
【図4】 図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】 回転軸部の構成を示す縦断面図である。
【図6】 フランジ部同士を当接させた係合手段の構成を示す図3に対応する側面図である。
【図7】 図6の7−7線に沿う断面図である。
【図8】 フロントサポート側とリヤサポート側とで係合部と被係合部との設定関係を逆にした実施形態を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル(車両用ペダル)
16 ダッシュパネル(第1の車体側構成部材)
18 カウル(第2の車体側構成部材)
22 マスタシリンダ
26 ペダルサポート
28 フロントサポート(サポート前部)
30 リヤサポート(サポート後部)
48 インパネリインフォース(第2の車体側構成部材)
50 サポート部材(第2の車体側構成部材)
56A 背面
58 ペダルパッド
60 回転軸部
80 係合溝(係合手段)
84 ウエルドナット(係合手段)
86 ボルト(係合手段)
88 突起部(干渉部、強制変位手段)
142 上縁フランジ部(係合手段)
144 上縁フランジ部(係合手段)
150 フロントサポート(サポート前部)
154 係合溝(係合手段)
156 リヤサポート(サポート後部)
158 ボルト(係合手段)

Claims (2)

  1. 前端側が第1の車体側構成部材に固定されると共に後端側が第1の車体側構成部材よりも略車両後方側に配置された第2の車体側構成部材に固定され、車両前部への所定の高荷重作用時に第2の車体側構成部材に対する第1の車体側構成部材の相対変位により略車両前後方向への圧縮力を受けるペダルサポートに、吊り下げ式の車両用ペダルの揺動中心となる回転軸部が軸支された車両用ペダル支持構造であって、
    前記ペダルサポートは略車両前後方向に分割されていると共に、分割されたサポート前部の後端側とサポート後部の前端側とが前記車両用ペダルの回転軸部を用いて相対回転可能に連結されており、
    前記サポート前部及び前記サポート後部の少なくとも一方側には、当該サポート前部と当該サポート後部との間に設定されかつ当該サポート前部と当該サポート後部とを係合状態とし、車両用ペダルの通常操作時には前記回転軸部に作用する略車両下方側への操作力によってサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で下向きに凸となる相対回転が生じるのを阻害するように当該係合状態を維持し、車両前部への所定の高荷重作用時にはサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じるのを許容するように当該係合状態が解除される係合手段が設けられており、
    前記サポート後部及び前記車両用ペダルの少なくとも一方側には、車両前部への所定の高荷重作用時にサポート前部とサポート後部との間に前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転が生じた際に当該回転変位を利用して当該車両用ペダルを回転軸部回りに強制的に略車両前方側へ回転変位させる強制変位手段が設けられている、
    ことを特徴とする車両用ペダル支持構造。
  2. 前記強制変位手段は、前記サポート後部に設けられ、前記回転軸部で上向きに凸となる相対回転時に前記車両用ペダルの背面に干渉して当該背面を略車両前方側へ押圧する干渉部である、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用ペダル支持構造。
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