JP3994697B2 - トナーおよびその製造方法並びに画像形成方法 - Google Patents

トナーおよびその製造方法並びに画像形成方法

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトナーおよびその製造方法並びに画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術は公知であり、例えば懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが行われている。
しかし、懸濁重合法で得られるトナー粒子は球形であり、クリーニング性に劣るという欠点がある。
そこで、乳化重合法により得られる樹脂粒子と着色剤粒子とを会合させることにより、不定形のトナー粒子を得る方法が開示されている(特開昭63−186253号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにして得られるトナー粒子の表面には着色剤が露出しているため、当該トナーを、例えば高湿度環境下において長期にわたる画像形成に使用すると、その帯電性・現像性が変化する。
そして、トナーの帯電性・現像性の変化は、画像濃度の変化(低下)やカブリの発生を招くとともに、カラー画像形成における色味の変化を招く。
【0004】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、粒子表面における着色剤の存在量が少ない重合トナーを提供することにある。
本発明の第2の目的は、高湿度環境下において長期にわたる画像形成に供されても、帯電性・現像性の変化に起因する画像濃度の変化やカブリを発生させない重合トナーを提供することにある。
本発明の第3の目的は、高湿度環境下において長期にわたるカラー画像形成に供されても、帯電性・現像性の変化に起因する色味の変化の小さい重合トナーを提供することにある。
本発明の第4の目的は、上記のような優れた重合トナーを好適に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明の第5の目的は、上記のような優れた重合トナーを使用して行う画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のトナーは、樹脂および着色剤を含有する着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析と融着とを同時に起こさせる塩析/融着法によってシェル形成用の樹脂粒子(B)を融着させてなる樹脂層(シェル)が形成されたトナー粒子からなることを特徴とする。
【0006】
本発明のトナーにおいては、着色粒子(コア粒子)が、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて得られるものとすることができる。
【0007】
本発明のトナーにおいては、前記樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)が15,000〜500,000であり、かつ、当該重量平均分子量(MwA)と、前記樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)との間に下記式が成立することが好ましい。
【0008】
式) 0.1≦(MwA/MwB)≦20.0
【0009】
本発明のトナーにおいては、前記樹脂微粒子(B)中に、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000の低分子量樹脂が含有されていることが好ましい。
【0010】
本発明のトナーにおいては、前記樹脂粒子(A)および前記樹脂微粒子(B)の少なくとも一方が、多段重合法により得られる複合樹脂粒子であることが好ましい。
【0011】
本発明のトナーの製造方法は、樹脂および着色剤を含有する着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析と融着とを同時に起こさせることによってシェル形成用の樹脂粒子(B)を融着させて樹脂層(シェル)を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のトナーの製造方法においては、着色粒子(コア粒子)が、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて得られるものとすることができる。
【0013】
本発明の製造方法においては、着色粒子(コア粒子)を形成する工程と、着色粒子の表面に樹脂層(シェル)を形成する工程とを連続して行うことが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法においては、平均円形度が0.850〜0.950である着色粒子(コア粒子)の表面に樹脂層(シェル)を形成する工程を含むことが好ましい。
【0015】
本発明の製造方法においては、前記樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)が15,000〜500,000であり、かつ、当該重量平均分子量(MwA)と、前記樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)との間に下記式が成立することが好ましい。
【0016】
式) 0.1≦(MwA/MwB)≦20.0
【0017】
本発明の製造方法においては、前記樹脂微粒子(B)中に、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000の低分子量樹脂が含有されていることが好ましい。
【0018】
本発明の製造方法においては、前記樹脂粒子(A)および前記樹脂微粒子(B)の少なくとも一方が、好ましくは両方が、多段重合法により得られる複合樹脂粒子であることが好ましい。
【0019】
本発明の画像形成方法は、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法であって、本発明のトナーを使用することを特徴とする。
【0020】
【作用】
着色剤を含有する着色粒子(コア粒子)の表面が、高抵抗の樹脂層(シェル)により被覆されてトナー粒子が構成されているので、当該トナー粒子の表面には着色剤が露出しない。この結果、高湿度環境下において長期にわたる画像形成に供しても、帯電性・現像性の安定化を図ることができる。
また、トナー粒子間で表面特性のバラツキがなく、帯電量分布がシャープで、鮮鋭性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができる。
また、樹脂層(シェル)を形成するための樹脂微粒子(B)中に低分子量樹脂(Mw=5,000〜20,000)が含有されていることにより、当該樹脂微粒子(B)は、着色粒子表面への融着性・成膜性に優れたものとなり、得られるトナー粒子の表面形状を円滑化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<トナーの構造>
本発明のトナーは、実質的に着色剤を含まない樹脂層(シェル)が、着色粒子(コア粒子)の表面に形成されたトナー粒子から構成される。
トナー粒子を構成する樹脂層(シェル)は、着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着法によって樹脂粒子〔樹脂粒子(B)〕を融着させることにより形成される。
また、着色粒子(コア粒子)は、樹脂粒子〔樹脂粒子(A)〕と着色剤粒子とを塩析/融着させることにより製造することができる。
【0022】
本発明において、「塩析/融着」とは、塩析(微粒子の凝集)と融着(微粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。
塩析と融着とを同時に行わせるためには、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子を凝集させる必要がある。
【0023】
<トナーの分子量(コア粒子)>
着色粒子(コア粒子)を構成する樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)は、通常15,000〜500,000とされ、好ましくは20,000〜200,000、更に好ましくは25,000〜150,000とされる。
【0024】
樹脂粒子(A)は、分子量の異なる複数の樹脂粒子(例えば、高分子量樹脂粒子,中間分子量樹脂粒子,低分子量樹脂粒子)から構成されていてもよいし、多段重合法により分子量の異なる樹脂を多層化(複合化)させた樹脂粒子(複合樹脂粒子)から構成されていてもよい。
すなわち、着色粒子(コア粒子)は、分子量の異なる複数の樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させることにより、また、複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させることにより得ることができる。
【0025】
樹脂粒子(A)を構成する高分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の高分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常160,000〜500,000とされる。
かかる高分子量樹脂粒子(高分子量成分)からなる樹脂粒子(A)を使用することにより、得られるトナーに十分な内部凝集力(高温時の耐オフセット性)を付与することができる。
【0026】
樹脂粒子(A)を構成する低分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の低分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常15,000〜20,000とされる。
かかる低分子量樹脂粒子(低分子量成分)からなる樹脂粒子(A)を使用することにより、得られるトナーに優れた定着性(画像形成支持体に対する接着力)を付与することができる。
【0027】
樹脂粒子(A)を構成する中間分子量樹脂粒子(複合樹脂粒子の中間分子量成分)の重量平均分子量(Mw)は、通常20,001〜159,999とされる。
【0028】
<トナーの分子量(シェル)>
樹脂層(シェル)を構成する樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)は、樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)に対して、式):0.1≦(MwA/MwB)≦20.0が成立する範囲にあることが好ましい。
また、当該樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)は5,000〜200,000であることが好ましい。
【0029】
また、樹脂粒子(B)を構成する樹脂の全部または一部として、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000の低分子量樹脂が含有されていることが好ましい。樹脂微粒子(B)中に低分子量樹脂が含有されていることにより、当該樹脂微粒子(B)は、着色粒子表面への融着性・成膜性に優れたものとなり、得られるトナー粒子の表面形状を円滑化することができるとともに、得られるトナーに優れた定着性を付与することができる。
樹脂粒子(B)を構成する樹脂のうち、低分子量樹脂(Mw=5,000〜20,000)の割合としては、20〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは30〜70質量%とされる。
【0030】
また、樹脂粒子(B)を構成する樹脂の一部に、重量平均分子量(Mw)が20,000〜120,000の中間分子量樹脂が含有されていることが好ましい。
【0031】
樹脂粒子(B)は、分子量の異なる複数の樹脂粒子(例えば、中間分子量樹脂粒子,低分子量樹脂粒子)から構成されていてもよいし、多段重合法により分子量の異なる樹脂を多層化(複合化)させた樹脂粒子(複合樹脂粒子)から構成されていてもよい。
すなわち、樹脂層(シェル)は、分子量の異なる複数の樹脂粒子を塩析/融着させることにより、また、複合樹脂粒子を塩析/融着させることにより形成することができる。
【0032】
<分子量の測定法>
樹脂粒子(A)の重量平均分子量〔分子量の異なる複数の樹脂粒子についての個々の重量平均分子量および全体の重量平均分子量(MwA)〕並びに樹脂粒子(B)の重量平均分子量〔分子量の異なる複数の樹脂粒子についての個々の重量平均分子量および全体の重量平均分子量(MwB)〕は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用して測定されたスチレン換算の分子量である。
【0033】
GPCによる樹脂の分子量の測定方法としては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的には1mg)に対してTHFを1cc加え、室温にてマグネチックスターラなどを用いて攪拌を行って十分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後にGPCへ注入する。
GPCの測定条件としては、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1ccの流速で流し、1mg/ccの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H,G3000H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,TSKguardcolumnの組合せなどを挙げることができる。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)またはUV検出器を用いることが好ましい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0034】
本発明のトナーを構成する樹脂(樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)を構成する樹脂)を得るための重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、「酸性基を有するラジカル重合性単量体」および「塩基性基を有するラジカル重合性単量体」から選ばれた少なくとも1種類の単量体を使用することが好ましい。
【0035】
(1)ラジカル重合性単量体:
ラジカル重合性単量体としては特に限定されるものではなく、要求される特性に応じて、従来公知の単量体を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかるラジカル重合性単量体としては、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を挙げることができる。
【0036】
芳香族系ビニル単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0038】
ビニルエステル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0039】
ビニルエーテル系単量体としては、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0040】
モノオレフィン系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0041】
ジオレフィン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0042】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0043】
(2)架橋剤:
トナーの特性を改良するための架橋剤として、ラジカル重合性架橋剤を添加してもよい。かかるラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
使用する単量体(単量体混合物)に占めるラジカル重合性架橋剤の割合としては0.1〜10質量%であることが好ましい。
【0044】
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体:
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等のカルボン酸基含有単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等のスルホン酸基含有単量体が挙げられる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体の全部または一部は、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩またはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
使用する単量体(単量体混合物)に占める酸性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
【0045】
(4)塩基性基を有するラジカル重合性単量体:
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系化合物を挙げることができる。かかるアミン系化合物の具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、およびこれらの第4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
使用する単量体(単量体混合物)に占める塩基性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
【0046】
〔連鎖移動剤〕
本発明のトナーを構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタンおよびスチレンダイマー等を挙げることができる。
【0047】
〔重合開始剤〕
本発明のトナーを構成する樹脂を得るためのラジカル重合開始剤は、水溶性のラジカル重合開始剤であれば適宜使用することができる。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
さらに、上記のラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることができる。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性が上昇して重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であれば特に限定されないが、例えば50〜90℃の範囲とされる。但し、過酸化水素と還元剤(アスコルビン酸等)との組合せなどの常温開始の重合開始剤を用いることにより、室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0048】
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体の重合を行うために使用する界面活性剤としては特に限定されるものではないが、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。
また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレノキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
これらの界面活性剤は乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
【0049】
〔着色剤〕
本発明のトナーを構成する着色剤としては、各種の無機顔料、有機顔料および染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、好適な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は所望に応じて、単独または複数を選択併用することが可能である。
本発明のトナーにおける無機顔料の含有割合は、樹脂成分(重合体)100重量部に対して2〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは3〜15重量部とされる。
また、磁性トナーにおけるマグネタイトの含有割合は、所期の磁気特性を発現させる観点から、20〜60質量%であることが好ましい。
【0050】
有機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0051】
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同1 11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同8 2、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー 25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
【0052】
これらの有機顔料および染料は所望に応じて、単独または複数を選択併用することが可能である。
【0053】
本発明のトナーにおける着色剤の含有割合は、樹脂成分(重合体)100重量部に対して2〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは3〜15重量部とされる。
【0054】
本発明のトナーを構成する着色剤(着色剤粒子)は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができる。
【0055】
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0056】
チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
【0057】
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜5質量%とされる。
【0058】
着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法を挙げることができる。
表面改質された着色剤粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理される。
【0059】
<本発明のトナーの具体的構成>
本発明のトナーは、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて得られる着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着法により樹脂粒子(B)を融着させてなる樹脂層(シェル)が形成されたコア−シェル構造のトナー粒子からなる。
【0060】
コア−シェル構造を有する本発明のトナーとして、下記〔I〕または〔II〕に示すものが好ましい。
【0061】
〔I〕高分子量の樹脂粒子(A)と、中間分子量の樹脂粒子(A)と、低分子量の樹脂粒子(A)と、着色剤粒子とを塩析/融着させて着色粒子(コア粒子)を得、この着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着法によって、中間分子量の樹脂粒子(B)と、低分子量の樹脂粒子(B)とを融着させて樹脂層(シェル)を形成して得られるトナー粒子(後述する実施例の「トナー粒子1Bk」〜「トナー粒子11Bk」)。
【0062】
〔II〕高分子量樹脂と、中間分子量樹脂と、低分子量樹脂とを多層化(複合化)させた複合樹脂粒子からなる樹脂粒子(A)と、着色剤粒子とを塩析/融着させて着色粒子(コア粒子)を得、この着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着法によって、中間分子量樹脂と、低分子量樹脂とを多層化(複合化)させた複合樹脂粒子からなる樹脂粒子(B)を融着させて樹脂層(シェル)を形成して得られるトナー粒子(後述する実施例の「トナー粒子12Bk」)。
【0063】
樹脂粒子(A)および樹脂粒子(B)として複合樹脂粒子を用いることにより、トナー粒子間において組成および構成樹脂の分子量等にバラツキのないトナーを調製することができ、当該トナーは、巻き付き防止特性、耐オフセット性、帯電特性などに特に優れたものとなる。
【0064】
コア粒子を構成する樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)は45〜70℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは50〜65℃である。
また、樹脂粒子(A)の軟化点は100〜140℃の範囲にあることが好ましい。
また、樹脂粒子(A)の重量平均粒径は50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
【0065】
シェルを構成する樹脂粒子(B)のガラス転移温度(Tg)は45〜70℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは50〜65℃である。
また、樹脂粒子(B)の軟化点は100〜140℃の範囲にあることが好ましい。
また、樹脂粒子(B)の重量平均粒径は50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
【0066】
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSCにて測定された値をいい、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をガラス転移点とする。具体的には、示差走査熱量計を用い、100℃まで昇温しその温度にて3分間放置した後に降下温度10℃/minで室温まで冷却する。次いで、このサンプルを昇温速度10℃/minで測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点として示す。
測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7等を使用することができる。
【0067】
また、軟化点とは、高化式フローテスターを使用して測定された値をいう。具体的には、高化式フローテスター「CFT−500」(島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、長さ1mm、荷重20kg/cm2 、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3 の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点として示す。
【0068】
樹脂粒子の重量平均粒径(分散粒子径)は、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定された値である。
【0069】
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、離型剤が含有されていてもよい。
ここに、離型剤としては、種々の公知のもので、かつ水中に分散することができるものを例示することができる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、これらオレフィン系ワックスの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げることができる。
【0070】
本発明のトナーを構成する好適な離型剤として、下記一般式(1)で示される結晶性のエステル化合物(以下、「特定のエステル化合物」という。)からなるものを挙げることができる。
【0071】
【化1】
一般式(1):R1 −(OCO−R2 n
【0072】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
【0073】
特定のエステル化合物を示す一般式(1)において、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
炭化水素基R1 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされる。
炭化水素基R2 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26とされる。
また、一般式(1)において、nは1〜4の整数とされ、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4とされる。
特定のエステル化合物は、アルコールとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成することができる。
【0074】
特定のエステル化合物の具体例としては、下記式1)〜22)に示す化合物を例示することができる。
【0075】
【化2】
Figure 0003994697
【0076】
【化3】
Figure 0003994697
【0077】
トナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、
(1)着色粒子(コア粒子)の形成工程において、離型剤粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、樹脂粒子(A)と着色剤粒子と離型剤粒子とを塩析/融着させる方法、
(2)着色粒子(コア粒子)の形成工程において、離型剤を含有する樹脂粒子(A)と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法、
(3)樹脂層(シェル)の形成工程において、離型剤粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、樹脂粒子(B)と離型剤粒子とを塩析/融着させる方法、
(4)樹脂層(シェル)の形成工程において、離型剤を含有する樹脂粒子(B)を塩析/融着させる方法を挙げることができ、
これら(1)〜(4)の方法を組み合わせてもよい。
【0078】
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、通常1〜30質量%とされ、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜15質量%とされる。
【0079】
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、荷電制御剤などの種々の内添剤が含有されていてもよい。
トナー粒子中に含有される荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
トナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記(1)〜(4)に示した離型剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
【0080】
<トナー粒子の粒径>
本発明のトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜9μmであることが好ましく、更に好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積平均粒径が3〜9μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0081】
トナーの体積平均粒径はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。
本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおけるアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
【0082】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0083】
さらに、本発明のトナーとしては、3μm以下のトナー粒子の割合が20個数%以下であることが好ましく、2μm以下のトナー粒子の割合が10個数%以下であることが更に好ましい。このようなトナー粒子(微粉トナー)の量は、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定することができる。このように粒径分布を調整するためには、塩析/融着工程での温度制御を狭くすることが好ましい。具体的にはできるだけすばやく昇温する、すなわち、昇温速度を大きくすることである。この条件としては、昇温までの時間としては30分未満、好ましくは10分未満、さらに、昇温速度としては、1〜15℃/分が好ましい。
【0084】
<トナー粒子の形状>
本発明のトナーを構成するトナー粒子の形状としては、平均円形度(下記式で示される円形度の平均値)が0.930〜0.980であることが好ましく、更に好ましくは0.940〜0.975とされる。
【0085】
【数1】
円形度=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
【0086】
平均円形度を0.930〜0.980とすることで、トナーが有する形状をある程度不定形化することができ、熱の伝達を効率化することができ、定着性をより向上することができる。すなわち、平均円形度を0.980以下とすることで定着性を向上することができる。また、0.930以上の平均円形度とすることで、粒子の不定形度合いを抑制し、長期にわたる使用時のストレスによる粒子の破砕性を抑制することができる。
【0087】
また、円形度の分布がシャープであることが好ましく、円形度の標準偏差は0.10以下であることが好ましく、下記式で算出されるCV値は20%未満であることが好ましく、さらに好ましくは10%未満である。
【0088】
【数2】
CV値=(円形度の標準偏差/平均円形度)×100
【0089】
円形度の標準偏差を0.10以下とすることで、形状が揃ったトナーとすることができ、トナー間での定着性能の差を少なくすることができるため、定着率の向上及び耐オフセット性の低減による定着装置の汚染防止効果がより発揮される。また、CV値を20%未満とすることで、同様にシャープな形状分布とすることができ、定着性向上効果をより顕著に発揮することができる。
平均円形度の測定方法は限定されるものではないが、例えばトナー粒子を電子顕微鏡で500倍に拡大した写真を撮影し、画像解析装置を使用し、500個以上のトナーについて円形度を測定し、その算術平均値を求めることで、平均円形度を算出することができる。また、簡便な測定方法としては、「FPIA−1000」(東亜医用電子株式会社製)により測定することができる。
【0090】
トナー粒子の円形度を制御する方法として、塩析/融着工程(着色粒子の表面への樹脂層の形成工程)において、融着粒子(トナー粒子)の形状・粒径をモニタリングして適正な工程終了時期を決める方法を挙げることができる。
具体的には、円形度の測定装置をインラインに組み込み、塩析/融着工程において、融着粒子のサンプリングを行って、その円形度や粒径を測定し、所望の形状および粒径になった時点で融着反応を停止させる。
【0091】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)を使用する方法を挙げることができる。この装置は、試料液(融着粒子の分散液)を通過させつつ、リアルタイムで画像処理を行うことで融着粒子の形状をモニタリングできる。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状を測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0092】
(外添剤)
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。かかる外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子および滑剤を挙げることができる。
【0093】
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。
【0094】
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のHVK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0095】
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイカ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産(株)製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0096】
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−604、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0097】
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものではないが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり攪拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0098】
【数3】
Figure 0003994697
【0099】
外添剤として使用できる有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのを挙げることができる。
【0100】
外添剤として使用できる滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウムなどのリシノール酸金属塩等が挙げられる。
【0101】
外添剤の添加量としては、トナー粒子に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜4質量%とされる。
【0102】
<本発明の製造方法>
本発明の製造方法は、着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着により樹脂粒子を融着させて樹脂層(シェル)を形成する工程を含む点に特徴を有する。
さらに具体的には、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて着色粒子(コア粒子)を形成する工程と、得られる着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/融着により樹脂粒子(B)を融着させて樹脂層(シェル)を形成する工程とを含む。
【0103】
本発明の製造方法の一例としては、
(1)樹脂粒子(A)を調製するための重合工程、
(2)樹脂粒子(B)を調製するための重合工程、
(3)樹脂粒子(A)と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて着色粒子(コア粒子)を得る塩析/融着工程、
(4)着色粒子(コア粒子)の表面に、樹脂粒子(B)を塩析/融着により融着させて樹脂層(シェル)を形成し、コア−シェル構造のトナー粒子を得る塩析/融着工程、
(5)トナー粒子の分散系(水系媒体)から当該トナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程、
(6)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(7)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程から構成される。
【0104】
以下、各工程について説明する。
〔樹脂粒子(A)を調製するための重合工程〕
この重合工程では、基本的には従来公知の重合法(乳化重合法、懸濁重合法)を採用することができる。
重合法の一例としては、ラジカル重合開始剤を水性媒体(界面活性剤の水溶液)中に溶解させて加熱し、所定の温度(重合温度)になった時点でラジカル重合性単量体(単量体混合物)を添加し、通常、窒素雰囲気下において、この系を攪拌しながら加熱する。
ここに、単量体混合物中には、酸性基を有するラジカル重合性単量体および塩基性基を有するラジカル重合性単量体の少なくとも1種が0.1〜20質量%の割合で含有されていることが好ましい。
重合温度および重合時間は、重合反応が起こる範囲で適宜設定することができる。
樹脂粒子(A)の分子量は、重合開始剤の量や反応温度、さらには連鎖移動剤の添加により調整することができる。
樹脂の分子量を調節するために連鎖移動剤を使用する場合には、当該連鎖移動剤をラジカル重合性単量体と混合して添加することが好ましい。
このようにして得られる樹脂粒子(A)の粒子径は、重量平均粒径で50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
【0105】
2山以上の分子量分布を有する樹脂粒子(A)を製造する好適な方法としては、乳化重合法等の常法に従って樹脂粒子を調製し、当該樹脂粒子の分散系液にラジカル重合性単量体を追加して添加し、重合を行うことで多層化(複合化)する方法を挙げることができる。
【0106】
更に具体的に説明すると、樹脂粒子(A)として、高分子量樹脂と中間分子量樹脂と低分子量樹脂とを多層化(複合化)させた複合樹脂粒子を製造するためには、常法に従った重合処理(第1段重合)により調製した高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と、単量体混合物(中間分子量樹脂を得るための重合性単量体)とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)し、得られた複合樹脂粒子(高分子量樹脂−中間分子量樹脂)の分散液に、重合開始剤と、単量体混合物(低分子量樹脂を得るための重合性単量体)とを添加し、この系を重合処理(第3段重合)する方法を採用することができる。
【0107】
樹脂粒子(A)として、離型剤を含有する樹脂粒子を製造する方法としては、単量体中に離型剤を溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中に分散させ、この系を重合処理することにより、ラテックス粒子として得る方法を採用することができる。このようにして得られる離型剤を含有する樹脂粒子(A)の重量平均粒径は50〜2000nmであることが好ましい。
【0108】
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0109】
離型剤を含有する樹脂粒子を得るための好ましい重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、単量体中に離型剤を溶解してなる単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方法(以下、この明細書において「ミニエマルジョン法」という。)を挙げることができる。なお、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性重合開始剤を添加するとともに、油溶性の重合開始剤を前記単量体溶液中に添加してもよい。
【0110】
ここに、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10〜1000nmとされ、好ましくは30〜300nmとされる。
【0111】
〔樹脂粒子(B)を調製するための重合工程〕
この重合工程も、樹脂粒子(A)を調製するための重合工程と同様に、従来公知の重合法(乳化重合法、懸濁重合法)を採用することができる。
【0112】
シェルを構成する樹脂粒子(B)の粒子径は、重量平均粒径で50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
【0113】
2山以上の分子量分布を有する樹脂粒子(B)を製造する方法としては、乳化重合法等の常法に従って樹脂粒子を調製し、当該樹脂粒子の分散系液にラジカル重合性単量体を追加して添加し、重合を行うことで多層化(複合化)する方法を挙げることができる。
【0114】
更に具体的に説明すると、樹脂粒子(B)として、中間分子量樹脂と低分子量樹脂とを多層化(複合化)させた複合樹脂粒子を製造するためには、常法に従った重合処理(第1段重合)により調製した中間分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と、単量体混合物(低分子量樹脂を得るための重合性単量体)とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
【0115】
また、離型剤を含有する樹脂粒子(A)を得るための方法と同様の方法(好ましくはミニエマルジョン法)により、離型剤を含有する樹脂粒子(B)を得ることができる。
【0116】
〔着色粒子(コア粒子)を得るための塩析/融着工程〕
この塩析/融着工程は、樹脂粒子(A)と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことにより、不定形(非球形)の着色粒子を得る工程である。
この工程においては、樹脂粒子(A)および着色剤粒子とともに、離型剤、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が50〜500nm程度の粒子)を塩析/融着させてもよい。
【0117】
着色剤粒子は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状態で塩析/融着処理に供される。着色剤粒子が分散される水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で界面活性剤が溶解されている水溶液を挙げることができる。
ここに界面活性剤としては、重合工程で乳化剤として使用した界面活性剤を使用することができる。
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0118】
樹脂粒子(A)と着色剤粒子とを塩析/融着させるためには、樹脂粒子(A)および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の塩析剤(凝集剤)を添加するとともに、この分散液を、樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが必要である。
【0119】
塩析/融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)とされる。
また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加して、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)を実質的に下げてもよい。
【0120】
ここに、塩析/融着の際に使用する「塩析剤」としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
塩析剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、塩析剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。
前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン等が挙げられる。
【0121】
塩析/融着の際に添加することのできる「水に無限溶解する有機溶媒」としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等が挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの炭素数が3以下のアルコールが好ましく、特に2−プロパノールが好ましい。
【0122】
なお、樹脂粒子(A)および着色剤粒子が分散している分散液中に塩析剤を添加する際の当該分散液の温度は、樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、具体的には5〜55℃の範囲であることが好ましく、更に好ましくは10℃〜45℃とされる。
塩析剤を添加するときの分散液の温度が、樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以上となる場合には、粒径の制御を行うことが困難となり巨大粒子が生成されやすい。
【0123】
このように、この塩析/融着工程においては、樹脂粒子(A)および着色剤粒子の分散液の温度が、当該樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以下のときに当該分散液中に塩析剤を添加し、その後速やかに当該分散液の加熱を開始し、樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以上の温度とすることが必要である。
【0124】
塩析/融着を行うため、すなわち、塩析と融着とを同時に起こさせるために、樹脂粒子(A)および着色剤粒子が分散している分散液中に塩析剤を添加してから、当該分散液の温度が樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)以上の温度(融着が可能な温度)に達するまでのインターバルは、通常120分以内とされ、好ましくは90分以内とされる。
このインターバルが120分間を超える場合には、塩析による凝集粒子(非融着粒子)の凝集状態が変動し、これを融着して得られる着色粒子の粒径分布がブロードになったり、最終的に得られるトナー粒子の表面性が変動したりする。
【0125】
また、当該分散液中に塩析剤を添加してから当該分散液の加熱を開始するまでのインターバルは、通常30分以内とされ、好ましくは15分以内、更に好ましくは10分以内とされる。
塩析剤の添加後における分散液の昇温速度としては、0.25〜15℃/minであることが好ましく、更に好ましくは1〜15℃/minとされる。昇温速度が過小である場合には、ガラス転移温度(Tg)以上に到達するまでに長時間を要し、塩析と融着とを同時に行わせることができない。一方、昇温速度が過大である場合には、粒径の制御を行うことが困難となり巨大粒子が生成されやすい。
【0126】
以上のようにして得られる着色粒子(コア粒子)の粒径は、体積平均粒径で2〜9μmの範囲にあることが好ましい。
【0127】
この着色粒子(コア粒子)の平均円形度は0.850〜0.950であることが好ましく、更に好ましくは0.860〜0.940とされる。
【0128】
着色粒子の平均円形度が0.850未満(不定形度合いが過度)である場合には、当該着色粒子の表面に均一な樹脂層(シェル)を被覆形成することが困難となる。一方、着色粒子の平均円形度が0.950を超える場合には、最終的に得られるトナー粒子の平均円形度が0.980を超えて、定着性が損なわれることがある。
【0129】
〔トナー粒子(コア−シェル粒子)を得るための塩析/融着工程〕
この塩析/融着工程は、上記の工程で得られた着色粒子(コア粒子)の表面に、樹脂粒子(B)を塩析/融着により融着させて樹脂層(シェル)を形成することによりコア−シェル構造を有する不定形のトナー粒子を得る工程である。
この塩析/融着工程は、
(i)着色粒子(コア粒子)の表面に樹脂粒子(B)を付着させて粒子成長させる段階と、
(ii)粒子成長停止後、加熱処理することにより、被膜化・粒子の形状制御を行なう熟成処理段階とを含む。
【0130】
着色粒子(コア粒子)の表面に樹脂粒子(B)を塩析/融着により融着させるためには、当該着色粒子を得るための塩析/融着工程に連続して、この工程(シェルの形成工程)を実施することが好ましい。
すなわち、上記の工程で得られた着色粒子の分散液〔塩析剤および必要に応じて水に無限溶解する有機溶媒を含有し、樹脂粒子(B)を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度に維持されている着色粒子の分散液〕に樹脂粒子(B)の分散液を添加し、前記ガラス転移温度(Tg)以上の温度を保持することが好ましい。
塩析/融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)とされる。
【0131】
樹脂粒子(B)の分散液の添加量としては、当該樹脂粒子(B)がトナー粒子の1〜30質量%となる量であることが好ましい。
【0132】
以上のようにして得られるコア−シェル構造のトナー粒子の形状(好ましくは平均円形度=0.930〜0.980)は、コア粒子である着色粒子の形状(好ましくは平均円形度=0.850〜0.950)、この塩析/融着工程の熟成処理段階における加熱条件を調整することで制御することができる。
【0133】
〔濾過・洗浄工程〕
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系から当該トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などの特に限定されるものではない。
【0134】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0135】
なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
【0136】
〔外添剤の添加工程〕
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。
外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
【0137】
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは25〜60μmとされる。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0138】
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。
樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂等が挙げられる。
また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0139】
(定着プロセス・条件)
本発明のトナーは、接触加熱方式による定着工程、すなわち、画像支持体に転写されたトナー像を熱ロールなどの加熱部材に接触させて定着させる工程を含む画像形成方法(本発明の画像形成方法)に好適に使用することができる。
接触加熱方式としては、熱圧定着方式、特には熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
【0140】
ここに、熱ロール定着方式は、テトラフロオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を表面に被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダー内部に熱源を有する上ローラとシリコーンゴム等で形成された下ローラとから形成されているもの等である。詳しくは、熱源として線状のヒーターを有し、上ローラの表面温度を約120〜200℃程度に加熱するものである。定着部においては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速は40〜600mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生する。
【0141】
必要に応じて定着クリーニングの機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着の上ローラあるいはフィルムに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド・ローラ・ウェッブ等でクリーニングする方法が使用できる。シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、フッ素を含有するポリシロキサン等が使用される。粘度の低いものは使用時に流出が大きくなることから、20℃における粘度が1,000〜100,000cpのものが好適に使用される。
【0142】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0143】
〔調製例HP−1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.45gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃で2時間にわたり加熱・攪拌することにより、ラテックス(高分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(HP−1)」とする。
このラテックス(HP−1)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は318,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は105nmであった。
【0144】
〔調製例HP−2〕
反応温度を85℃に変更したこと以外は調製例HP−1と同様にしてラテックス(高分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(HP−2)」とする。
このラテックス(HP−2)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は235,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は106nmであった。
【0145】
〔調製例HP−3〕
重合開始剤(KPS)の添加量を0.90gに変更したこと以外は調製例HP−1と同様にしてラテックス(高分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(HP−3)」とする。
このラテックス(HP−3)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は262,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0146】
〔調製例HP−4〕
過硫酸カリウム(KPS)の添加量を0.90gに変更し、反応温度を90℃に変更したこと以外は調製例HP−1と同様にしてラテックス(高分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(HP−4)」とする。
このラテックス(HP−4)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は195,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0147】
〔調製例MP−1〕
攪拌装置を取り付けたフラスコにて、上記式19)で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」という。)72.0gを、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(SDS)1.6gをイオン交換水2000gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、内温を80℃に昇温させた。
次いで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(KPS)19.1gをイオン交換水240gに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750gとを添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱・攪拌することにより重合を行い、ラテックス(例示化合物(19)を含有する中間分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(MP−1)」とする。
このラテックス(MP−1)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は93,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は105nmであった。
【0148】
〔調製例MP−2〕
単量体混合液を構成するドデシルメルカプタンの量を8.3gに変更したこと以外は調製例MP−1と同様にして、ラテックス(例示化合物(19)を含有する中間分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(MP−2)」とする。
このラテックス(MP−2)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は85,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0149】
〔調製例MP−3〕
単量体混合液への例示化合物(19)の添加量を144.0gに変更したこと以外は調製例MP−1と同様にして、ラテックス(例示化合物(19)を含有する中間分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(MP−3)」とする。
このラテックス(MP−3)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は93,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0150】
〔調製例MP−4〕
例示化合物(19)に代えて、上記式21)で表される化合物(以下、「例示化合物(21)」という。)72.0gを単量体混合液へ添加したこと以外は調製例MP−1と同様にして、ラテックス(例示化合物(21)を含有する中間分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(MP−4)」とする。
このラテックス(MP−4)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は105,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0151】
〔調製例MP−5〕
例示化合物(19)に代えて、上記式18)で表される化合物(以下、「例示化合物(18)」という。)72.0gを単量体混合液へ添加したこと以外は調製例MP−1と同様にして、ラテックス(例示化合物(18)を含有する中間分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(MP−5)」とする。
このラテックス(MP−5)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は105,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は115nmであった。
【0152】
〔調製例LP−1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けたフラスコに、アニオン系界面活性剤(SDS)60gをイオン交換水5000gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(KPS)22.8gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を80℃に保った状態で、スチレン850g、ブチルアクリレート252g、メタクリル酸98g、t−ドデシルメルカプタン32gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃で2時間にわたり加熱・攪拌することにより、ラテックス(低分子量の樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(LP−1)」とする。
このラテックス(LP−1)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は18,000であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
【0153】
〔調製例HML−1〕
(1)核粒子の調製(第1段重合):
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.42gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
【0154】
(2)中間層の形成(第2段重合):
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に例示化合物(19)72.0gを添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(SDS)1.6gをイオン交換水2000mlに溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径(110nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
他方、ラテックス(1H)に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)19.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を80℃に加熱した。その後、この系に前記乳化液を添加し、80℃にて3時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1M)」とする。
【0155】
(3)外層の形成(第3段重合):
上記のようにして得られたラテックス(1M)に、重合開始剤(KPS)22.8gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン850g、n−ブチルアクリレート252g、メタクリル酸98g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル32gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、30℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(HMLP−1)」とする。
このラテックス(HMLP−1)を構成する樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は8,900であった。また、この樹脂粒子の重量平均粒径は125nmであった。
【0156】
〔製造例1Bk〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)200gを徐々に添加し、次いで、「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(Bk)」という。)を調製した。この着色剤分散液(Bk)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で101nmであった。
【0157】
調製例HP−1で得られたラテックス(HP−1)3000gと、調製例MP−1で得られたラテックス(MP−1)2500gと、調製例LP−1で得られたラテックス(LP−1)6000gと、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(Bk)1800gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に仕込み攪拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物526gをイオン交換水720mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて測定された融着粒子の体積平均粒径が6.5μmになり、かつ、インラインに組み込んだ形状測定装置(FPIA)によって測定された融着粒子(着色粒子)の平均円形度が0.860になった時点で、調製例MP−1で得られたラテックス(MP−1)2000gと、調製例LP−1で得られたラテックス(LP−1)3000gと、塩化マグネシウム400gをイオン交換水500mlに溶解させた水溶液とを添加し、30分間攪拌した。次いで、塩化ナトリウム1150gをイオン交換水7000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度85℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させた。その後、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥してトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子1Bk」とする。
【0158】
〔製造例2Bk〜12Bk〕
下記表1に示す処方に従って、(1)着色粒子(コア粒子)を形成するために反応容器に最初に仕込んだラテックス(樹脂粒子(A)の分散液)の種類(使用量は同じ。)、(2)樹脂層(シェル)を形成するために添加したラテックス(樹脂粒子(B)の分散液)の種類(使用量は同じ。)、(3)樹脂層を形成するためのラテックスの添加時における融着粒子(コア粒子)の平均円形度、(4)熟成処理温度、(5)熟成処理時間の少なくとも1つを変更したこと以外は製造例1Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子2Bk」〜「トナー粒子12Bk」とする。
【0159】
製造例1Bkにおいて、融着粒子の体積平均粒径が6.5μmになり、平均円形度が0.860になった時点で、ラテックスMP−1 2000gと、ラテックスLP−1 3000gを添加する代わりにラテックスLP−1 5000gとした以外は製造例1Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子13Bk」とする。
【0160】
〔比較製造例1bk〕
下記表1に示す処方に従って、樹脂層(シェル)を形成するためのラテックス〔(MP−1)および(LP−1)〕を添加しなかったこと以外は製造例2Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「比較用トナー粒子1bk」とする。
【0161】
【表1】
Figure 0003994697
【0162】
〔製造例1Y〕
カーボンブラックに代えて、染料(C.I.ソルベントイエロー93)200gを使用して着色剤粒子(重量平均粒子径=105nm)の分散液(以下、「着色剤分散液(Y)」という。)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて、着色剤分散液(Y)を使用したこと以外は製造例1Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子1Y」とする。
【0163】
〔製造例1M〕
カーボンブラックに代えて、顔料(C.I.ピグメントレッド122)200gを使用して着色剤粒子(重量平均粒子径=110nm)の分散液(以下、「着色剤分散液(M)」という。)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて、着色剤分散液(M)を使用したこと以外は製造例1Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子1M」とする。
【0164】
〔製造例1C〕
カーボンブラックに代えて、顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)200gを使用して着色剤粒子(重量平均粒子径=110nm)の分散液(以下、「着色剤分散液(C)」という。)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて、着色剤分散液(C)を使用したこと以外は製造例1Bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「トナー粒子1C」とする。
【0165】
〔比較製造例1y〕
カーボンブラックに代えて染料(C.I.ソルベントイエロー93)200gを使用して着色剤分散液(Y)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散液(Y)を使用したこと以外は比較製造例1bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「比較用トナー粒子1y」とする。
【0166】
〔比較製造例1m〕
カーボンブラックに代えて顔料(C.I.ピグメントレッド122)200gを使用して着色剤分散液(M)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散液(M)を使用したこと以外は比較製造例1bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「比較用トナー粒子1m」とする。
【0167】
〔比較製造例1c〕
カーボンブラックに代えて顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)200gを使用して着色剤分散液(C)を調製し、着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散液(C)を使用したこと以外は比較製造例1bkと同様にしてトナー粒子を得た。このようにして得られたトナー粒子を「比較用トナー粒子1c」とする。
【0168】
上記のようにして得られたトナー粒子(トナー粒子1Bk〜13Bk、トナー粒子1Y、トナー粒子1M、トナー粒子1C、比較用トナー粒子1bk、比較用トナー粒子1y、比較用トナー粒子1m、比較用トナー粒子1c)の各々について、体積平均粒径、平均円形度、円形度の標準偏差、円形度のCV値を測定した。これらの結果を下記表2に示す。
【0169】
【表2】
Figure 0003994697
【0170】
(*上記「円形度」は:FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)を使用し、試料分析量=0.3μl、検出粒子数=1500〜5000個の条件で測定したものである。)
【0171】
トナー粒子1Bk〜13Bk、トナー粒子1Y、トナー粒子1M、トナー粒子1C、比較用トナー粒子1bk、比較用トナー粒子1y、比較用トナー粒子1m、比較用トナー粒子1cの各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1.0質量%となる割合で添加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合した。
なお、これらのトナー粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
【0172】
次いで、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンが添加されたトナー粒子の各々と、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアとを混合し、トナー濃度が6質量%の現像剤を調製した。これらの現像剤を、トナー粒子1Bk〜13Bk、トナー粒子1Y、トナー粒子1M、トナー粒子1C、比較用トナー粒子1bk、比較用トナー粒子1y、比較用トナー粒子1m、比較用トナー粒子1cに対応して、現像剤1Bk〜13Bk、現像剤1Y、現像剤1M、現像剤1C、比較用現像剤1bk、比較用現像剤1y、比較用現像剤1m、比較用現像剤1cとする。
【0173】
<実施例1〜13および比較例1(黒色トナーの実写テスト)>
現像剤1Bk〜13Bkおよび比較用現像剤1bkの各々について、デジタル複写機「7065」(コニカ(株)製)を使用し、温度25℃、相対湿度80%の常温高湿環境下で、2枚間欠印字にて5%画素率の原稿を20万枚印字する実写テストを行い、画像形成初期および20万枚形成後において、画像濃度およびカブリ濃度を測定した。ここに、「画像濃度」は、ベタ黒画像を使用し、その反射濃度をマクベス社製RD−918を使用し、絶対濃度で評価した。「カブリ濃度」はベタ白画像を使用し、マクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」としたときの相対濃度で評価した。結果を下記表3に示す。
【0174】
なお、定着方式としては圧接方式の加熱定着装置を用いた。具体的構成は下記のとおりである。
中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなるチューブ(厚み=120μm)で被覆することにより加熱ローラー(上ローラー)を構成し、鉄からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48、厚み=2mm)で被覆することにより加圧ローラー(下ローラー)を構成し、当該加熱ローラーと当該加圧ローラーとを150Nの総荷重により当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着装置を使用して、印字の線速を250mm/secに設定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。
定着の温度は加熱ローラーの表面温度で175℃に制御した。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
【0175】
【表3】
Figure 0003994697
【0176】
<実施例14および比較例2(カラートナーの実写テスト)>
現像剤1Bk、現像剤1Y、現像剤1Mおよび現像剤1Cの組合せ、並びに、比較用現像剤1bk、比較用現像剤1y、比較用現像剤1mおよび比較用現像剤1cの組合せの各々について、デジタルカラー複写機「Konica3015」(コニカ(株))を使用し、温度25℃、相対湿度80%の常温高湿環境下で、画素率の25%のフルカラー原稿を連続して5万枚印字する実写テストを行い、1枚目の形成画像および5万枚目の画像の各々について、二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「マクベスカラーアイ(MacbethColor−Eye)7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。結果を下記表4に示す。
CMC(2:1)色差式で求められた色差が5以下であれば、形成された画像の色味の変化が許容できる程度といえる。
【0177】
なお、定着方式としては圧接方式の加熱定着装置を用いた。具体的構成は下記のとおりである。
中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなるチューブ(厚み=120μm)で被覆することにより加熱ローラー(上ローラー)を構成し、鉄からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48、厚み=2mm)で被覆することにより加圧ローラー(下ローラー)を構成し、当該加熱ローラーと当該加圧ローラーとを150Nの総荷重により当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着装置を使用して、印字の線速を250mm/secに設定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。
定着の温度は加熱ローラーの表面温度で175℃に制御した。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.6mg/A4とした。
【0178】
【表4】
Figure 0003994697
【0179】
【発明の効果】
(1)本発明に係るトナーは、粒子表面における着色剤の存在量が少なく、当該トナーの有する優れた帯電性および現像性が使用環境によって影響を受けにくい。
(2)本発明に係るトナーによれば、高湿度環境下において長期にわたる画像形成に供されても、画像濃度変化やカブリを発生させにくい。
(3)本発明に係るトナーによれば、高湿度環境下において長期にわたるカラー画像形成に供されても、形成画像に色味の変化を発生させにくい。

Claims (13)

  1. 樹脂および着色剤を含有する着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析と融着とを同時に起こさせる塩析/融着法によってシェル形成用の樹脂粒子(B)を融着させてなる樹脂層(シェル)が形成されたトナー粒子からなることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーであって、
    前記着色粒子(コア粒子)が、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて得られるものであることを特徴とするトナー。
  3. 請求項2記載のトナーであって、
    前記樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)が15,000〜500,000であり、かつ、当該重量平均分子量(MwA)と、前記樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)との間に下記式が成立することを特徴とするトナー。
    式) 0.1≦(MwA/MwB)≦20.0
  4. 請求項2または請求項3記載のトナーであって、
    前記樹脂微粒子(B)中に、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000の低分子量樹脂が含有されていることを特徴とするトナー。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れかに記載のトナーであって、
    前記樹脂粒子(A)および前記樹脂微粒子(B)の少なくとも一方が、多段重合法により得られる複合樹脂粒子であることを特徴とするトナー。
  6. 樹脂および着色剤を含有する着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析と融着とを同時に起こさせることによってシェル形成用の樹脂粒子(B)を融着させて樹脂層(シェル)を形成する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  7. 請求項6に記載のトナーの製造方法であって、
    前記着色粒子(コア粒子)が、樹脂粒子(A)および着色剤粒子を塩析/融着させて得られるものであることを特徴とするトナーの製造方法。
  8. 請求項7記載のトナーの製造方法であって、
    着色粒子(コア粒子)を形成する工程と、着色粒子の表面に樹脂層(シェル)を形成する工程とを連続して行うことを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 請求項7または請求項8記載のトナーの製造方法であって、
    平均円形度が0.850〜0.950である着色粒子(コア粒子)の表面に樹脂層(シェル)を形成する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  10. 請求項7乃至請求項9の何れかに記載のトナーの製造方法であって、
    前記樹脂粒子(A)の重量平均分子量(MwA)が15,000〜500,000であり、かつ、当該重量平均分子量(MwA)と、前記樹脂粒子(B)の重量平均分子量(MwB)との間に下記式が成立することを特徴とするトナーの製造方法。
    式) 0.1≦(MwA/MwB)≦20.0
  11. 請求項7乃至請求項10の何れかに記載のトナーの製造方法であって、
    前記樹脂微粒子(B)中に、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000の低分子量樹脂が含有されていることを特徴とするトナーの製造方法。
  12. 請求項7乃至請求項11の何れかに記載のトナーの製造方法であって、
    前記樹脂粒子(A)および前記樹脂微粒子(B)の少なくとも一方が、多段重合法により得られる複合樹脂粒子であることを特徴とするトナーの製造方法。
  13. 接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法であって、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のトナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
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