JP3994022B2 - 可逆画像記録媒体及びその記録方法 - Google Patents

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆画像記録媒体およびその記録方法に関し、詳しくは、光照射によりカラー情報の書込みが可能な可逆画像記録媒体およびその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光照射により可逆的な色変化を起こすフォトクロミック化合物を用いたカラー可逆画像記録媒体に関する研究は以前からいくつかなされているが、いまだに実現には至っていない。
フォトクロミック化合物を用いてカラー画像を形成する手段としては、例えば特開平5−271649号公報に開示されているように、254nmの紫外光で黄橙色、313nmの紫外光で赤色、365nmの紫外光で青紫色の発色をするフォトクロミック性ジアリールエテン化合物を3種類混合して、それぞれに対応する紫外光を照射する方法が提案されている。フルカラー画像を形成するためには3原色、すなわち、青、緑、赤、または、イエロー、マゼンタ、シアンを発色する少なくとも3種類のフォトクロミック化合物を光で制御しなければならないが、上記の方法では2つの問題点がある。
1つは、フォトクロミック化合物の特性であり、異なる3種類の紫外線を吸収してさらに3原色を発色する化合物を集めなければならない。上記の方法においても、青色、黄色などは発色されていないため、フルカラーを表示することはできない。また、実用化するためには発色特性だけではなく、繰り返し耐久性、熱・湿安定性なども考慮しなければならず、これらの全てを満たす材料を開発するのは大変困難である。
2つめは、照射光源に関してである。上記の方法では、照射光源として高圧水銀灯を用いているが、画像パターンを形成するためには半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)など小型で指向性の高い光源で書き込むことが必要である。この場合、紫外域で3種類、特に350nm以下の短波長LD、LEDを開発するのは非常に難しく、3種類の紫外光源を使用することを前提とした表示方法は実用的ではない。
【0003】
一方、特開平7−199401号公報には、発色状態でイエロー、マゼンタ、シアンを示す3種類のフォトクロミック性フルギド化合物の混合体に対して、366nmの紫外ランプで全種類のフォトクロミック化合物を発色させた後に、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を照射して選択的に消色する方法が提案されている。この方法は、紫外光が1種類のみであるという利点があり、画像記録方法としては有用であるが、特定の種類のフォトクロミック化合物を選択的に消去する過程に課題が残る。一般的なフォトクロミック化合物の吸収波長帯は、発色状態においてもブロードであり、1種類のフォトクロミック化合物を選択的に消色させることに困難な場合があるからである。図1は、発色状態でイエロー、マゼンタ、シアンを示す3種類の一般的なフォトクロミック化合物の吸収スペクトルの例であるが、各々の化合物の吸収帯がブロードであるため、吸収帯が部分的に重なっていることがわかる。この場合、例えばマゼンタに発色する化合物を消色させるために、その消色反応を引き起こす波長の光を照射すると、イエローに発色する化合物、シアンに発色する化合物も少なからず同時に消色してしまう。従って、色調を制御することが容易ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、色調制御を容易に行うことができる可逆画像記録媒体、およびその記録方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、支持基板上に、少なくとも、発色状態における吸収端波長が可視域に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第一の感光層と、発色状態における吸収端波長が第一の感光層より長波長側に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第二の感光層と、発色状態における吸収端波長が第二の感光層より長波長側に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第三の感光層と、発色状態における吸収波長帯が、第一の感光層の吸収端波長以上、第二の感光層の吸収端波長以下の範囲内のいずれかの波長を含み、かつ、吸収端波長が第三の感光層の吸収端波長より短波長側に存在する熱可逆型フォトクロミック化合物を含む第四の感光層と、発色状態における吸収波長帯が、第一の感光層の吸収端波長より短波長側のいずれかの波長を含み、かつ、吸収端波長が第二の感光層の吸収端波長より短波長側に存在する熱可逆型フォトクロミック化合物を含む第五の感光層とを有し、支持基板に近い側から、第三の感光層、第四の感光層、第二の感光層、第五の感光層、第一の感光層の順に積層されている可逆画像記録媒体である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可逆画像記録媒体において、前記第一の感光層は、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲であり、前記第二の感光層は、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲であり、前記第三の感光層は、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲である可逆画像記録媒体である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の可逆画像記録媒体において、前記可逆画像記録媒体は、表面に保護層を有する可逆画像記録媒体である。
【0006】
請求項4に記載の発明は、可逆画像記録媒体に画像記録を施す可逆画像記録方法であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の可逆画像記録媒体に対して、紫外光を照射することで前記全ての感光層に含まれる全種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程を施した後、前記第二の感光層の吸収端波長と前記第四の感光層の吸収端波長のうちの長波長側の波長以上であり、前記第三の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第三の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Aと、前記第一の感光層の吸収端波長と前記第五の感光層の吸収端波長のうちの長波長側の波長以上であり、前記第二の感光層および前記第四の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第二の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Bと、前記第一の感光層および前記第五の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第一の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Cの3つの工程を施し、その後、加熱により前記第四の感光層および前記第五の感光層を消色させる工程を施す可逆画像記録方法である。
請求項5に記載の発明は、可逆画像記録媒体に画像記録を施す可逆画像記録方法であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の可逆画像記録媒体に対して、少なくとも、紫外光を所望の領域に照射することにより、前記全ての感光層に含まれるフォトクロミック化合物を部分的に発色させる工程と、加熱により前記第四の感光層および前記第五の感光層を消色させる工程とをこの順序で施す可逆画像記録方法である。
【0007】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、ランプと光変調素子とを含む可逆画像記録方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、レーザー光源を含む可逆画像記録方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、発光ダイオードを含む可逆画像記録方法である。
請求項9に記載の発明は、請求項4ないし8のいずれかに記載の可逆画像記録方法において、前記可逆画像記録媒体を加熱するための加熱機構は、熱ローラーを含む可逆画像記録方法である。
請求項10に記載の発明は、請求項4ないし9のいずれかに記載の可逆画像記録方法において、前記可逆画像記録方法は、白色光を画像記録部全面に照射する工程を含む可逆画像記録方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の可逆画像記録媒体の基本的な構成を示す図である。本発明の可逆画像記録媒体の特徴は、支持基板(1)上に、異なる熱不可逆型フォトクロミック化合物をそれぞれ含む3種類の感光層と、更にその3種類の感光層の間に、熱可逆型フォトクロミック化合物を含む感光層を形成した構造にある。図2において、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)には、紫外光照射により発色状態となり、可視光照射により消色状態となる熱不可逆型フォトクロミック化合物が含まれる。熱不可逆型フォトクロミック化合物とは、発色状態が熱に安定であり、光のみによって色変化を起こすフォトクロミック化合物である。代表的なものとしては、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物などがある。
第二の感光層(3)には、発色状態における吸収端波長が、第一の感光層(2)より長波長側に存在するフォトクロミック化合物が含まれる。また、第三の感光層(4)には、発色状態における吸収端波長が、第二の感光層(2)より長波長側に存在するフォトクロミック化合物が含まれる。
【0009】
また、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)には、紫外光照射による発色状態が熱的に不安定であるがゆえに、加熱により消色状態となる熱可逆型フォトクロミック化合物が含まれる。熱可逆型フォトクロミック化合物の代表的なものとしては、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ナフトピラン系化合物などがある。
第四の感光層(5)には、発色状態における吸収波長帯に、第一の感光層(2)の吸収端波長以上、第二の感光層(3)の吸収端波長以下の範囲内のいずれかの波長が含まれる熱可逆型フォトクロミック化合物が含まれる。また、第五の感光層(6)には、発色状態における吸収波長帯に、第一の感光層(2)の吸収端波長より短波長側のいずれかの波長を含み、かつ、吸収端波長が第三の感光層(4)の吸収端波長よりも短波長側に存在する熱可逆型フォトクロミック化合物が含まれる。
【0010】
上記のようなフォトクロミック化合物をそれぞれ含む第一の感光層(2)ないし第五の感光層(6)は、図2に示す順序で積層される。すなわち、支持基板(1)に近い側から、第三の感光層(4)、第四の感光層(5)、第二の感光層(3)、第五の感光層(6)、第一の感光層(2)の順序である。このような順序で積層し、可逆画像記録媒体を作製する理由については、後の可逆画像記録方法についての説明のところで記述する。
【0011】
第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)に含まれるフォトクロミック化合物は、フルカラー画像を記録する場合は、それぞれその発色状態における極大吸収波長が、400nm以上500nm未満の範囲にある化合物と、500nm以上600nm未満の範囲にある化合物と、600nm以上700nm未満の範囲にある化合物であることが好ましい。これらのフォトクロミック化合物の発色状態において認識される色は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンに概ね相当し、これらにより3原色が構成されるため、フルカラーの画像表示が可能となるからである。
【0012】
イエローを発色する熱不可逆型フォトクロミック化合物としては、例えば、1,2−ビス(2−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)マレイン酸ジメチル、1,2−ビス(5−エトキシ−2−メチルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、2−[1−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(2−フェニル−5−メチル−4−オキサゾリル)ステアリリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物などが挙げられる。
また、マゼンタを発色する熱不可逆型フォトクロミック化合物としては、例えば、1,2−ビス(3−(2−メチル−6−(2−(4−メトキシフェニル)エチニル)ベンゾチエニル))−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2−ビス(5−メチル−2−フェニルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、2−[1−(2,5−ジメチル−1−フェニルピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(3−メトキシ−5−メチル−1−フェニル−4−ピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(2−メチル−5−スチリル−3−チエニル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物などが挙げられる。
また、シアンを発色する熱不可逆型フォトクロミック化合物としては、例えば、1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(5−シアノ−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(6−カルボキシル−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1−(6−シアノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、2−[1−(1,2,5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[2,6−ジメチル−3,5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物などが挙げられる。
【0013】
また、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)に含まれる熱可逆型フォトクロミック化合物は、前述したように、その発色状態における吸収波長帯、吸収端波長が、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、および第三の感光層(4)の吸収端波長との関係において決定されるため、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)に含まれるフォトクロミック化合物の材料特性に応じて所望の化合物を選択する必要がある。
第四の感光層(5)に含まれるフォトクロミック化合物は、後述する可逆画像記録方法において、発色後の第二の感光層(3)を部分的に消色させる際、第二の感光層(3)で吸収できなかった可視光を吸収する役目が必要であるため、500nm〜600nm程度に極大吸収波長をもつ化合物を用いるのが好ましい。500nm〜600nm程度に極大吸収波長をもつ熱可逆型フォトクロミック化合物としては、例えば、以下の(I)〜(VI)の構造を有する化合物があげられる。
【0014】
【化1】
Figure 0003994022
【0015】
第五の感光層(6)に含まれるフォトクロミック化合物は、後述する可逆画像記録方法において、発色後の第一の感光層(2)を部分的に消色させる際、第一の感光層(2)で吸収できなかった可視光を吸収する役目が必要であるため、400nm〜500nm程度に極大吸収波長をもつ化合物を用いるのが好ましい。400nm〜500nm程度に極大吸収波長をもつ熱可逆型フォトクロミック化合物としては、例えば、以下の(VII)〜(XII)の構造を有する化合物があげられる。
【0016】
【化2】
Figure 0003994022
【0017】
感光層内のフォトクロミック化合物は、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂あるいはウレタン樹脂等の樹脂に分散されていてもよいし、マイクロカプセル中に封入されていてもよい。
支持基板(1)は、表面が白色であることが好ましいが、用途に応じて着色していても構わない。また、支持基板(1)は紙やフィルムなどの比較的薄い媒体が好ましいが、これに限定されない。
【0018】
本発明の可逆画像記録媒体は、表面に保護層を形成することができる。フォトクロミック化合物の劣化の原因としては、光化学反応中の酸素との結合などがあるため、表面に保護層を形成することにより、感光層を大気から遮断し、フォトクロミック化合物の劣化を防いで可逆画像記録媒体の繰り返し耐久性を向上させる。保護層の材質としては、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、アクリル系樹脂などの透明樹脂が望ましい。また、成膜方法としては真空蒸着法、塗布法、スピンコーティング法、ディッピング法あるいはキャスト法などを用いることができる。
【0019】
次に、本発明の可逆画像記録方法を図面に基づいて説明する。
図3は、可逆画像記録方法の一例を説明するための模式図である。図3において、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)は、図1に示す吸収帯をもつ熱不可逆型フォトクロミック化合物類を用いて形成された層であり、第一の感光層(2)はイエロー、第二の感光層(3)はマゼンタ、第三の感光層(4)はシアンをそれぞれ発色する。また、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)は熱可逆型フォトクロミック化合物類を用いて形成された層であり、図4に示す吸収帯をもつ化合物を用いた。
尚、図1及び図4に示す吸収帯を有するフォトクロミック化合物は、一例として示すものであり、本発明は、これらの化合物に限定するものではない。また、以下に述べる可視光照射工程で用いる可視光の波長についても、フォトクロミック化合物の有する吸収帯に応じて決定するものであり、下記の例に限定されるものでないことを申し述べておく。
【0020】
記録方法としては、はじめに、可逆画像記録媒体全面に紫外光を照射することで、全ての感光層のフォトクロミック化合物を全面に発色させる。この状態で可逆画像記録媒体は全面黒色になる(図3(a))。
次に、可逆画像記録媒体に波長680nm程度の可視光を、シアンの画像パターンに応じて部分的に照射する。この工程Aでは、波長680nmに吸収帯がある第三の感光層(4)の光照射部のみが消色され、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)および第四の感光層(5)、第五の感光層(6)は全面発色状態のままである(図3(b))。
次に、可逆画像記録媒体に波長580nm程度の可視光を、マゼンタの画像パターンに応じて部分的に照射する。この工程Bでは、波長580nmに吸収帯がある第二の感光層(3)の光照射部が消色され、吸収帯のない第一の感光層(2)は全面発色状態のままである。さらに、第二の感光層(3)で吸収されずに漏れてきた光は、第四の感光層(5)で吸収されるため、第四の感光層(5)を透過する光はほとんどなくなり、下層にある第三の感光層(2)は光照射の影響を受けない。以上により、波長580nm程度の可視光照射によって第二の感光層(3)のみが選択的に消色される(図3(c))。
続いて、可逆画像記録媒体に波長470nm程度の可視光を、イエローの画像パターンに応じて部分的に照射する。この工程Cでは、第一の感光層(2)の光照射部が消色される。第一の感光層(2)で吸収されずに漏れてきた光は第五の感光層(6)で吸収されるため、第五の感光層(6)を透過する光はほとんどなくなり、下層にある第二の感光層(3)、第三の感光層(4)は光照射の影響を受けない。以上により、波長470nm程度の可視光照射によって第一の感光層(2)のみが選択的に消色される。
最後に、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)が消色状態になる温度に可逆画像記録媒体を加熱することで、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)の画像パターンが残り、記録媒体に対してフルカラー画像を記録することができる(図3(e))。
尚、上記に示す工程のうち、3種類の波長の可視光をそれぞれ照射する工程A〜Cは、どのような順番で行っても構わない。
【0021】
上述のように、本発明の可逆画像記録媒体および記録方法は、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)を可視光遮光層として利用することにより、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)に対して選択的に画像パターンを記録させることを特徴とする。ここで、十分な遮光効果を得るためには、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)に用いる熱可逆型フォトクロミック化合物の消色感度を最適化すること、および第四の感光層(5)、第五の感光層(6)の可視域の吸光度を最適化することが望ましい。
熱可逆型フォトクロミック化合物は、紫外光照射をやめると同時に消色反応を起こしはじめる。この消色反応が進行する速度は化合物によって大きく異なり、数秒程度で完全に消色してしまう化合物から、数日程度の発色状態を保つ化合物まで存在する。本発明の記録方法では、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)に対して可視光照射をしている間、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)は発色状態を維持する必要があり、また、加熱によって速やかに消色反応が進行することが望ましい。光照射する時間は、第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)の消色感度および光源の強度によって異なるため、これに合わせて最適な熱可逆型フォトクロミック化合物を選択すればよい。
第四の感光層(5)、第五の感光層(6)を可視光遮光層として利用するには、照射する可視光の波長に対して、ある程度の吸光度を有している必要がある。一方で、可視光の波長域の吸光度を大きくすると、紫外光の波長の吸光度も大きくなり、紫外光を遮光してしまう弊害が生じる。従って、必要最低限の吸光度を確保することが望ましい。例えば、吸光度が0.5では入射光の約68%を遮光できる。第四の感光層(5)、第五の感光層(6)に入射される光は、第二の感光層(3)、第一の感光層(2)で吸収されなかった弱い漏れ光であり、68%程度の遮光でも十分効果的である。また、吸光度が1.0では入射光の90%を遮光でき、ほとんど下層に光が漏れることはなくなる。第一の感光層(2)、第二の感光層(3)、第三の感光層(4)吸光度、発色感度、消色感度および照射光源の強度などを考慮して、最適な吸光度を選択すればよい。尚、吸光度の調整は、感光層に含むフォトクロミック化合物の濃度や感光層の膜厚を変えることで容易に制御できる。
【0022】
本発明の可逆画像記録媒体および記録方法は、フルカラー画像の記録ができることを特徴とするが、使用環境によっては文字情報などの白黒画像のみを記録することが多い場合もある。例えば、文字情報の場合、白地に対して黒文字部分は数%程度であるため、上述のような全ての感光層を発色させて全面黒色にした後に部分的に消去する可逆画像記録方法は効率があまり良くはない。そこで、本発明の可逆画像記録媒体を用いて、より効率的に白黒画像を記録する記録方法について説明する。図5は、白黒画像の記録方法を模式的に示す図である。画像情報に応じて紫外光を部分的に照射し、全ての感光層において照射部分のみを発色させる。発色した部分は黒色である(図5(a))。その後、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)が消色状態になる温度に可逆画像記録媒体を加熱することで、最終的な白黒画像を得る(図5(b))。本記録方法を用いれば、記録エネルギーが少なくて済み、また、記録速度を速くすることもできる。
【0023】
本発明の画像記録方法において、各々の波長の可視光または紫外光を所望の領域に照射する手法としては、例えばランプ光源と液晶シャッターのような光変調素子を組み合わせる方法、レーザーを走査する方法、発光ダイオードなどの小型光源を複数個並べる方法など様々な方法があり、どのような手法を用いても構わない。
ランプ光源と光変調素子を組み合わせる方法は、光源が安価で高効率であるという利点がある。ランプ光源としては、キセノンランプのような連続光源と各波長を取り出す光学フィルターの組み合わせ、または、蛍光管など特定の発光波長域をもつランプを複数種類使用することが可能であるが、どちらでも構わない。連続光源と各波長を取り出す光学フィルターを用いる場合は、光学フィルターの形成条件等によって波長の調整が容易にできる利点がある。特定の発光波長域をもつランプを複数種類使用する場合は、光の利用効率が高く、消費エネルギーの低減ができるという利点がある。
また、光源としてレーザー光を用いれば、照射スポットを小さくすることが容易にできるため、高解像度の画像を形成することができる。さらに、光源として発光ダイオードをライン状に複数設置して書き込む方法を用いれば、小型で高速な画像形成装置を作製することが可能である。
【0024】
本発明の画像記録方法においては、第四の感光層(5)、第五の感光層(6)の熱可逆型フォトクロミック化合物を消色させるための加熱手段が必要である。加熱手段は、どのような方法でも構わないが、熱ローラーなどに対して可逆画像記録媒体を搬送させるような機構を用いれば、小型で高速な画像形成装置を作製することが可能である。
【0025】
本発明の画像記録方法で作製した画像は、可逆画像記録媒体に再び紫外光および可視光を照射することで簡単に書き換えることができるが、一度白色に戻す必要がある場合、白色光を可逆画像記録媒体の全面に照射することが簡便である。白色光により可視領域の全波長を一度に照射することで、感光層に含まれる発色状態にある全てのフォトクロミック化合物が消色状態になり、可逆画像記録媒体は白色になる。
【0026】
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
熱不可逆型フォトクロミック化合物として、フルギド系化合物である2−[1−(2−フェニル−5−メチル−4−オキサゾリル)ステアリリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物(以下、「PC1」と称す。)、および、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物(以下、「PC2」と称す。)を用いた。
PC1のトルエン溶液に高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、極大吸収波長は465nmとなり、黄色を示した。また、可視域における吸収波長帯は400nm以上570nm以下であった。
PC2のトルエン溶液に高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、極大吸収波長は520nmとなり、赤紫色を示した。また、可視域における吸収波長帯は400nm以上625nm以下であった。
フォトクロミック化合物20mgをポリスチレン80mgとともにトルエン中に溶解させた溶液をPC1、PC2の各々で調製した。
【0027】
熱可逆型フォトクロミック化合物として、以下の(XIII)の構造を有するナフトピラン系化合物(以下、「PC5」と称す。)を用いた。
【化3】
Figure 0003994022
【0028】
PC5のトルエン溶液に高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、極大吸収波長は437nmとなり、黄色を示した。また、可視域における吸収波長帯は400nm以上530nm以下であった。光照射をやめた後、室温下に放置したところ15分経過しても消色反応はほとんど起こらなかった。この状態で80℃に加熱したところ、10秒程度で消色し、透明になった。
PC5の40mgをポリスチレン60mgとともにトルエン中に溶解させた溶液を調製した。
【0029】
白色ポリエチレンテレフタレート基板(厚さ188μm)上に、PC2のトルエン溶液、PC5のトルエン溶液、PC1のトルエン溶液の順でブレード塗布し、可逆画像記録媒体を作製した。感光層の厚みは、それぞれ約2μmであった。以下、PC1を含む感光層を第一の感光層、PC5を含む感光層を第五の感光層、PC2を含む感光層を第二の感光層と呼称する。
【0030】
(実施例1−1)
実施例1で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第五の感光、第二の感光層がともに発色し、橙色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、Xeランプと干渉フィルターから抽出した580nmの光を照射したところ、第二の感光層のみが消色反応を起こし、照射部が濃黄色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第五の感光層が消色反応を起こし、照射部が黄色に、非照射部が赤色になった。
【0031】
(実施例1−2)
実施例1で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第五の感光層、第二の感光層がともに発色し、橙色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、Xeランプと干渉フィルターから抽出した470nmの光を照射したところ、第一の感光層が消色反応を起こし、照射部が赤色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第五の感光層が消色反応を起こし、照射部が赤紫色に、非照射部が赤色になった。
【0032】
(比較例1)
実施例1で示した第一の感光層、第二の感光層のみを白色ポリエチレンテレフタレート基板上に積層した可逆画像記録媒体を作製した。
【0033】
(比較例1−1)
比較例1で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層がともに発色し、赤色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、実施例1−1と同様にして580nmの光を照射したところ、照射部が黄色になった。しかしながら、可逆画像記録媒体の別の部分に、実施例1−2と同様にして470nmの光を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層がともに消色反応を起こし、白色になった。
【0034】
(実施例2)
熱不可逆型フォトクロミック化合物として、PC1、PC2に加えてフルギド系化合物である2−[1−(1,2,5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物(以下、「PC3」と称す。)を用いた。
PC3のトルエン溶液に高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、極大吸収波長は654nmとなり、青緑色を示した。また、可視域における吸収波長帯は400nm以上700nm以下の全範囲であった。
PC3の20mgをポリスチレン80mgとともにトルエン中に溶解させた溶液を調製した。
【0035】
熱可逆型フォトクロミック化合物として、以下の(XIV)の構造を有するスピロピラン系化合物(以下、「PC4」と称す。)を用いた。
【化4】
Figure 0003994022
【0036】
PC4のトルエン溶液に高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、極大吸収波長は535nmとなり、赤紫色を示した。また、可視域における吸収波長帯は400nm以上650nm以下であった。光照射をやめた後、室温下に放置したところ5分経過しても消色反応はあまり起こらなかった。この状態で80℃に加熱したところ、3秒程度で消色し、透明になった。
PC4の40mgをポリスチレン60mgとともにトルエン中に溶解させた溶液を調製した。
【0037】
実施例1で用いた化合物PC1、PC2の溶液とともに、白色ポリエチレンテレフタレート基板上にブレード塗布により積層して可逆画像記録媒体を作製した。積層の順番は、白色ポリエチレンテレフタレート基板に近いほうから、PC3を含む感光層(以下、第三の感光層と呼称する。)、PC4を含む感光層(以下、第四の感光層と呼称する。)、第二の感光層、第五の感光層、第一の感光層とした。
【0038】
(実施例2−1)
実施例2で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層、第四の感光層、第五の感光層が全て発色し、黒色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、Xeランプと干渉フィルターから抽出した680nmの光を照射したところ、第三の感光層のみが消色反応を起こし、照射部が濃赤色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第四の感光層、第五の感光層が消色反応を起こし、照射部が赤色になった。
【0039】
(実施例2−2)
実施例2で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層、第四の感光層、第五の感光層が全て発色し、黒色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、Xeランプと干渉フィルターから抽出した580nmの光を照射したところ、第二の感光層のみが消色反応を起こし、照射部が黄緑色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第四の感光層、第五の感光層が消色反応を起こし、照射部が緑色になった。
【0040】
(実施例2−3)
実施例2で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層、第四の感光層、第五の感光層が全て発色し、黒色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、Xeランプと干渉フィルターから抽出した470nmの光を照射したところ、第一の感光層のみが消色反応を起こし、照射部が濃紫色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第四の感光層、第五の感光層が消色反応を起こし、照射部が青色になった。
【0041】
(比較例2)
第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層のみを白色ポリエチレンテレフタレート基板上に積層した可逆画像記録媒体を作製した。
【0042】
(比較例2−1)
比較例2で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層が全て発色し、黒色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、実施例2−1と同様にして680nmの光を照射したところ、照射部が赤色になった。しかしながら、可逆画像記録媒体の別の部分に実施例2−2と同様にして580nmの光を照射したところ、第二の感光層、第三の感光層が同時に消色反応を起こし、黄色になった。また、可逆画像記録媒体の別の部分に実施例2−3と同様にして470nmの光を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層が全て消色反応を起こし、白色になった。
【0043】
(実施例2−4)
実施例2で作製した可逆画像記録媒体に対して、高圧水銀灯の366nmの輝線を照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層、第四の感光層、第五の感光層が全て発色し、黒色に呈色した。この状態で、可逆画像記録媒体の一部分に、実施例2−1と同様にして680nmの光を照射したところ、照射部の第三の感光層が消色反応を起こし、濃赤色になった。次に、可逆画像記録媒体の別の部分に実施例2−2と同様にして580nmの光を照射したところ、照射部の第二の感光層が消色反応を起こし、黄緑色になった。さらに、可逆画像記録媒体の別の部分に実施例2−3と同様にして470nmの光を照射したところ、照射部の第一の感光層が消色反応を起こし、濃紫色になった。次に、可逆画像記録媒体を100℃のホットプレート上に置いたところ、第四の感光層、第五の感光層が消色反応を起こし、黒色、赤色、青色、緑色のカラー画像が記録できた。
【0044】
(実施例3)
実施例1−1〜1−2、及び実施例2−1〜2−4で光照射による記録を行った可逆画像記録媒体に対して、白色光(Xeランプ、75000lm)を10秒間照射したところ、第一の感光層、第二の感光層、第三の感光層が全て消色反応を起こし、元の白色状態に戻った。
【0045】
(実施例4)
実施例3で白色状態に戻した可逆画像記録媒体に対して、実施例1−1〜1−2、及び実施例2−1〜2−4の操作を再びおこなったところ、同様の色変化が起こり、書き換え記録ができた。
【0046】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、支持基板上に、異なる熱不可逆型フォトクロミック化合物をそれぞれ含む3種類の感光層と、更にその3種類の感光層の間に、熱可逆型フォトクロミック化合物を含む感光層を形成した構造の可逆画像記録媒体とすることで、熱可逆型フォトクロミック化合物を含む感光層を可視光遮光層として利用し、熱不可逆型フォトクロミック化合物をそれぞれ含む3種類の感光層に対して選択的に画像パターンを記録させることができ、色調制御を容易に行うことができる可逆画像記録媒体、およびその記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発色状態でイエロー、マゼンタ、シアンを示す3種類の一般的なフォトクロミック化合物の吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図2】本発明の可逆画像記録媒体の基本的な構成を示す図である。
【図3】可逆画像記録方法の一例を説明するための模式図である。
【図4】第四の感光層、第五の感光層に用いられる熱可逆型フォトクロミック化合物の吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図5】白黒画像の記録方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 第一の感光層
3 第二の感光層
4 第三の感光層
5 第四の感光層
6 第五の感光層

Claims (10)

  1. 支持基板上に、少なくとも、発色状態における吸収端波長が可視域に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第一の感光層と、
    発色状態における吸収端波長が第一の感光層より長波長側に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第二の感光層と、
    発色状態における吸収端波長が第二の感光層より長波長側に存在する熱不可逆型フォトクロミック化合物を含む第三の感光層と、
    発色状態における吸収波長帯が、第一の感光層の吸収端波長以上、第二の感光層の吸収端波長以下の範囲内のいずれかの波長を含み、かつ、吸収端波長が第三の感光層の吸収端波長より短波長側に存在する熱可逆型フォトクロミック化合物を含む第四の感光層と、
    発色状態における吸収波長帯が、第一の感光層の吸収端波長より短波長側のいずれかの波長を含み、かつ、吸収端波長が第二の感光層の吸収端波長より短波長側に存在する熱可逆型フォトクロミック化合物を含む第五の感光層とを有し、
    支持基板に近い側から、第三の感光層、第四の感光層、第二の感光層、第五の感光層、第一の感光層の順に積層されている
    ことを特徴とする可逆画像記録媒体。
  2. 請求項1に記載の可逆画像記録媒体において、
    前記第一の感光層は、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲であり、
    前記第二の感光層は、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲であり、
    前記第三の感光層は、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲である
    ことを特徴とする可逆画像記録媒体。
  3. 請求項1または2に記載の可逆画像記録媒体において、
    前記可逆画像記録媒体は、表面に保護層を有する
    ことを特徴とする可逆画像記録媒体。
  4. 可逆画像記録媒体に画像記録を施す可逆画像記録方法であって、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の可逆画像記録媒体に対して、紫外光を照射することで前記全ての感光層に含まれる全種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程を施した後、
    前記第二の感光層の吸収端波長と前記第四の感光層の吸収端波長のうちの長波長側の波長以上であり、前記第三の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第三の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Aと、
    前記第一の感光層の吸収端波長と前記第五の感光層の吸収端波長のうちの長波長側の波長以上であり、前記第二の感光層および前記第四の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第二の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Bと、
    前記第一の感光層および前記第五の感光層が吸収する波長の光を所望の領域に照射することにより、前記第一の感光層に含まれるフォトクロミック化合物を消色させる工程Cの3つの工程を施し、
    その後、加熱により前記第四の感光層および前記第五の感光層を消色させる工程を施す
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  5. 可逆画像記録媒体に画像記録を施す可逆画像記録方法であって、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の可逆画像記録媒体に対して、少なくとも、紫外光を所望の領域に照射することにより、前記全ての感光層に含まれるフォトクロミック化合物を部分的に発色させる工程と、
    加熱により前記第四の感光層および前記第五の感光層を消色させる工程とをこの順序で施す
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  6. 請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、
    前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、ランプと光変調素子とを含む
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  7. 請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、
    前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、レーザー光源を含む
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  8. 請求項4または5に記載の可逆画像記録方法において、
    前記可逆画像記録媒体への紫外光または可視光の照射に用いる照射光源は、発光ダイオードを含む
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  9. 請求項4ないし8のいずれかに記載の可逆画像記録方法において、
    前記可逆画像記録媒体を加熱するための加熱機構は、熱ローラーを含む
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
  10. 請求項4ないし9のいずれかに記載の可逆画像記録方法において、
    前記可逆画像記録方法は、白色光を画像記録部全面に照射する工程を含む
    ことを特徴とする可逆画像記録方法。
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