JP2005122074A - 機密情報隠蔽のための情報記録方法、情報記録媒体および情報記録装置 - Google Patents

機密情報隠蔽のための情報記録方法、情報記録媒体および情報記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 表示された機密情報を容易に消去でき、かつ、消去後は全く形跡が残らない機密情報隠蔽媒体を提供すること。
【解決手段】 基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有する情報記録媒体を用い、該記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物を発色させる波長帯の紫外光を所望の領域に照射することにより情報記録した後、該情報をただちに隠蔽することを特徴とする情報記録方法。
【選択図】 図1


Description

本発明は、可視光により消色するフォトクロミック化合物を記録層に用いた情報記録媒体に関し、特に、機密性の高い情報を記載した郵送媒体として適用可能な情報記録方法、情報記録媒体および情報記録装置に関する。
現在、パスワードや明細票など機密性の高い情報が、ハガキなどの郵送手段によって頻繁に行き来し、これらの機密情報を守秘する手段としては、ハガキに剥離可能な隠蔽シートを貼り付ける方法が一般的に使用されている。
しかしながら、この方法では、郵送時に情報を第三者に見られる可能性は少ないものの、受け取り人が隠蔽シートを剥がした後は情報が露呈してしまう。特に、情報を一見した後には往々にして情報の安全管理に関しておろそかになりがちであり、また、うっかり机上などに置き忘れたりした場合には、多くの人に情報を見られる可能性が発生してしまう。
さらに、情報を破棄する必要がある場合に、シュレッダにかけても修復することは不可能ではなく、完全に消去するには焼却するしか方法がないが、焼却するにはゴミ箱から多くの工程を経て焼却炉にいくのが通常であり、第三者に情報を見られる可能性が生じてしまう。
このような問題の解決策としては、情報を磁気記録などの目視では判別できない形で送付する方法が考えられる。しかしながら、この方法では受け取り人に情報を読み取るための装置を導入する必要性があるためコストもかかり、操作も煩わしい。
別の方法としては、例えば、感熱転写リボンに含んだフォトクロミック化合物をサーマルプリンタによってハガキやカードに印字する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
この方法は、印字時は透明であり、情報を見るときに紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させるやり方であり、フォトクロミック化合物が可視光または熱によって再び透明状態になるためにセキュリティーは高くなる利点がある。しかしながら、この方法においては、受け取り人が情報を読み取るためには紫外光源が必要となり、ブラックライトなどの簡易紫外光源があるものの、一般的にはあまり普及していない。さらに、情報を直接印字する方法であるため、紫外光源を有する第三者に情報を見られてしまう恐れがある。
また、紫外線照射によって発光または発色する第一記録層と紫外線照射によって紫外線非透過性に変化するフォトクロミック材料からなる第二記録層とを積層させてなる媒体についての技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
この方法では、第二記録層をパターン上に露光し、それをマスクに紫外線照射をおこない、第一記録層を発光・発色させることで情報を見ることができる。しかしながらこの方法においても、受け取り人が情報を読み取るためには紫外光源が必要となり、一般的に普及するのは難しいものと考えられる。
特開2001−171236公報 特開2000−348156公報
本発明の課題は、上述の従来技術の状況および問題を鑑みてなされたものであり、表示された機密情報を容易に消去でき、かつ、消去後は全く形跡が残らない機密情報隠蔽媒体を提供することである。
上記課題は、本発明の(1)「基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有する情報記録媒体を用い、該記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物を発色させる波長帯の紫外光を所望の領域に照射することにより情報記録した後、該情報をただちに隠蔽することを特徴とする情報記録方法」、(2)「情報を隠蔽するための情報隠蔽手段として、剥離可能な粘着剤層を有する遮光シートを用い、発色し情報が記録された情報記録媒体の表面層に粘着剤層によって遮光シートを貼り付けて情報を隠蔽することを特徴とする前記第(1)項に記載の情報記録方法」、(3)「遮光シートを剥離した後、該フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を照射して、前記発色情報を消色することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の情報記録方法」、(4)「発色する色の異なる複数のフォトクロミック化合物を含有する記録層が設けられた情報記録媒体を用い、記録層に含まれる全ての熱不可逆性フォトクロミック化合物を発色させる波長帯の紫外光を全面に照射する工程、記録した情報をただちに隠蔽する工程及び発色した各々の熱不可逆性フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射して各熱不可逆性フォトクロミック化合物を選択的に消色する工程を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の情報記録方法」、(5)「白色光を記録層全面に照射する工程を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の情報記録方法」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(6)「前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の情報記録方法の用いられる情報記録媒体」、(7)「記録層の表面に保護層を有することを特徴とする前記第(6)項に記載の情報記録媒体」、(8)「記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物の消色体における吸収帯が400nm以下であることを特徴とする前記第(6)項または第(7)項に記載の情報記録媒体」、(9)「記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物の発色体から消色体への量子収率が0.25以上であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(8)項の何れかに記載の情報記録媒体」、(10)「記録層に異なる色を発色する複数の熱不可逆性フォトクロミック化合物を含むことを特徴とする前記第(6)項乃至第(9)項の何れかに記載の情報記録媒体」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(11)「前記第(6)項乃至第(10)項の何れかに記載の情報記録媒体と遮光シートとのセット」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(12)「前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の方法に用いられることを特徴とする情報記録装置」により達成される。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の、基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有し、さらに該記録層の情報を隠蔽する手段を有する機密情報隠蔽媒体(情報記憶媒体ともいう)は、熱不可逆性フォトクロミック化合物を記録層に使用したことによって、記録された情報を容易に消去でき、かつ、消去後は全く形跡が残らないものであり、このような構成にしたことによって、従来の方法より記録された機密情報を第三者に見られる可能性が低くなり、安全性が高くなる。
また、本発明においては、隠蔽する手段として隔離可能な遮光シートを用いると、機密情報を郵送などの簡便な手段で配布することができ好ましい。
また、本発明本発明においては、耐久性を向上させるために、機密情報隠蔽媒体の表面層として保護層を設けた構成とすることができる。
また、本発明においては、フォトクロミック化合物の消色体として吸収帯が400nm以下のものを用いると、消色状態において記録層を透明にすることができる。こうすることによって、発色状態とのコントラストを向上させ視認性に優れる表示を形成することができ、また、基板上に文字などの情報をあらかじめ記載しておいた場合、記録層を透過してこの情報を見ることができので、情報量を増やすことができる。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体は、量子収率が高いため消色に要する時間が短くなり、また、自然消去する時間が短くなるので情報の安全性が高くなる利点がある。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体は、複数のフォトクロミック化合物を使用する構成とすることができ、それによって、発色する色を増やすことができより多くの情報を記録することができる。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体は、紫外光による記録が可能なので、高速な書込みができるものである。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体は、前述のように複数のフォトクロミック化合物を使用した媒体とすることができ、このような媒体に対して、紫外光および可視光で記録することによって、多色記録を実現することができる。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体は、白色光を照射することによって、記録されていた情報を一度に消去することができ、これによって繰り返し使用することができるものである。
また、本発明の機密情報隠蔽媒体を用いた、機密情報を記録するための情報記録装置を実現することができる。
図1は、本発明の機密情報隠蔽媒体の構成例の断面概念図である。
図1における本発明の機密情報隠蔽媒体は、基板上の全面に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を形成し、さらに該記録層上の全面に情報を隠蔽する手段としての遮光シートを設けたものである。
本発明の機密情報隠蔽媒体としては、図1の構成に限らず、該記録層を該基板上の全面のみならず一部に設けても、また情報を隠蔽する手段を該記録層上の全面のみならず一部に設けたものとすることができる。
この媒体構成の特徴としては、特許文献1のように、情報を直接印字するのではなく、基本的に記録層はベタ塗りにすることである。
フォトクロミック化合物は、紫外光を照射すると消色体から発色体になり、可視光を照射すると消色体になる化合物である。
フォトクロミック化合物には、熱可逆性フォトクロミック化合物と熱不可逆性フォトクロミック化合物がある。前者は発色体が熱的に消色体になる性質を併せ持つ化合物であり、後者は発色体が熱的に安定であり、可視光照射によってのみ消色体になる化合物である。
代表的な熱可逆性フォトクロミック化合物としては、スピロピラン、スピロオキサジン、アゾベンゼンなどがあり、これらの発色体は室温暗所下で数秒〜数日で消色体になる。 また、代表的な熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、フルギド、ジアリールエテンなどがある。これらの発色体は暗所下では消色体にならないものである。
本発明の機密情報隠蔽媒体は、熱不可逆性フォトクロミック化合物を使用することを特徴とするものであり、その情報記録方法としては、記録層に対して所望の画像パターン(例えば文字など)の紫外光を露光することによって露光した部分のみを発色反応させて、対応した画像が記録層に形成される。
画像形成が終わった後に速やかに可視光を遮光すると、この画像は半永久的に保持され自然に消去することはない。
また、情報を消去するには記録層に対して強めの可視光を照射する、例えば卓上蛍光灯などに近づけるような操作をするだけでよい。材料や光源のパワーによって異なるが、数秒〜数十秒程度で消去できる。
また、記録層を室内の蛍光灯下に放置しておいても自然に消去される。材料によるが、一般オフィスの蛍光灯下(700lx程度)では数十分〜数時間程度で消去される。
すなわち、情報の受け取り人が内容を確認するには充分な時間であり、かつ、放置してしまっても第三者に見られる前に自然消去する可能性が高い。
さらに、本発明の情報記録方法の利点として、紫外光照射によって情報の書込みを行なうことが可能であるために、非接触で記録できることが挙げられる。
接触式で書き込みを行なう方式では、筆圧などで記録層や基板にダメージを与え、そこから情報を読み取られてしまう可能性もあるが、非接触では全く危惧することがない。
本発明の機密情報隠蔽媒体は、可視光照射で消色するだけで完全に情報が消去され、非常にセキュリティー効果が高い。
本発明の機密情報隠蔽媒体に情報記録するための紫外光源および書き込み方式としては、紫外光レーザーを走査する方法、紫外光LEDチップを並べて順次発光させる方法、紫外光ランプ光源と液晶シャッター等の光変調素子を組み合わせる方法などがあるが、どのような方法でも構わない。
次に本発明の機密情報隠蔽媒体における、記録層を隠蔽するための手段について説明する。
記録層の隠蔽=可視光の遮光であるため、記録層を隠蔽できさえすれば、その隠蔽手段は限定的でない。可視光不透過フィルムを記録層表面に載せてもよいし、記録層を塗布した基板を密閉した箱に入れるといった形態でもよい。
より利用価値の高い隠蔽手段としては、記録層表面に剥離可能な粘着剤層を有する遮光シートを貼り合わせることである。
すなわち、現在、ハガキなどの情報の隠蔽に使われている隠蔽シートをそのまま使用すればよい。薄く、軽く、隠蔽性が高く(=遮光性が高く)、剥離性粘着剤に関しても多くの技術が開発されているため、これらを使用することもできる。
本発明の機密情報隠蔽媒体に使用する基板は、用途に応じてどのような形態のものでも構わない。紙やフィルムなどの比較的薄い媒体であればハガキ、カードとして利用できる。
本発明の機密情報隠蔽媒体に使用するフォトクロミック化合物としては、熱不可逆性質を有していさえすれば、どのような構造の化合物のものでも適用可能である。
消色体と発色体で視認できる程度の色の違いが必要であるが、それぞれどのような色であっても構わない。ただし、消色体が透明、すなわち吸収帯が400nm以下に存在する構造であれば、発色体との色の区別がしやすくなり、視認性に優れる。
さらに、あらかじめ基板表面に文字や枠線などの情報を記載しておいた場合、消色体が透明であればこの情報を透過して見ることができるため有用である。
本発明の機密情報隠蔽媒体の特徴は、可視光を照射することで機密情報を容易に完全消去できることであることである。
一般的な蛍光灯などで消去することを想定すると、消去に要する時間は、主としてフォトクロミック化合物の発色体から消色体への量子収率に依存する。消去に要する時間は使用目的に応じて適当な値があるため、それに応じた量子収率を有するフォトクロミック化合物を選択すればよい。
ただし、機密情報を扱う場合、情報を受け取る人が一見した後はできるだけ速やかに消去されるほうが良い場合が多いと考えられ、量子収率の大きいフォトクロミック化合物を選択することが望まれる。
本発明者等の実験結果によると、発色体から消色体への量子収率が0.26であるフォトクロミック化合物の場合、発色状態で卓上蛍光灯に近接した場合(約100000lx)に約10秒で消色し、また、発色状態で室内蛍光灯下に放置した場合(約700lx)には約24分で消色した。
この結果から概算して、発色体から消色体への量子収率が0.25程度あれば、強制的に消去したい場合は10秒程度、放置した場合は約30分程度で自然消去されるので、使いやすさ、セキュリティーの面から有用な機密情報隠蔽媒体になる。
本発明の機密情報隠蔽媒体の記録層に含まれるフォトクロミック化合物は、1種類でも、複数種類あっても良く、限定されない。
複数種類のフォトクロミック化合物を使用する場合、各々の化合物の発色する色が異なれば、より有用な機密情報隠蔽媒体になる。
例えば、イエロー、マゼンタ、シアンを発色する3種類のフォトクロミック化合物を混合し、同時に発色させれば黒色を得ることができ、視認性のとても優れた機密情報隠蔽になる。
また、イエロー、マゼンタ、シアンを発色する3種類のフォトクロミック化合物を個別に発色させれば、フルカラー記録が可能であり、利用価値が広がる。
イエローを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1,2−ビス(2−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)マレイン酸ジメチル」、「1,2−ビス(5−エトキシ−2−メチルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(2−フェニル−5−メチル−4−オキサゾリル)ステアリリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」などが挙げられる。
また、マゼンタを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1,2−ビス(3−(2−メチル−6−(2−(4−メトキシフェニル)エチニル)ベンゾチエニル))−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1,2−ビス(5−メチル−2−フェニルチアゾ−ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(2,5−ジメチル−1−フェニルピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(3−メトキシ−5−メチル−1−フェニル−4−ピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[1−(2−メチル−5−スチリル−3−チエニル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」などが挙げられる。
また、シアンを発色する熱不可逆性フォトクロミック化合物としては、例えば、「1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(5−シアノ−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(6−カルボキシル−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「1−(6−シアノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン」、「2−[1−(1,2,5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」、「2−[2,6−ジメチル−3,5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物」などが挙げられる。
記録層内のフォトクロミック化合物は、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂あるいはウレタン樹脂等の樹脂に分散されていてもよいし、マイクロカプセル中に封入されていてもよい。
記録層にイエロー、マゼンタ、シアンを発色するフォトクロミック化合物を含んだ機密情報隠蔽媒体を用いてフルカラー表示を行なうには、まずイエロー発色化合物、マゼンタ発色化合物、シアン発色化合物を全面発色させた後、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射することにより、各フォトクロミック化合物を選択的に消色する方法が最もよい。
本発明の機密情報隠蔽媒体は、使用した後に廃棄しても構わないが、繰り返し使用することもできる。フォトクロミック化合物は光照射によって発色体と消色体とを繰り返し形成する。
従って、一度記録された情報を可視光照射によって消去した後、再び紫外光を所望の範囲に照射すれば何度も利用できる。例えば、情報記録装置に白色光源を設置しておき、はじめに記録層全面に照射した後、紫外光による記録を行なうようにすればよい。
本発明の機密情報隠蔽媒体の記録層の表面には保護層を形成することができる。
フォトクロミック化合物の光劣化の原因としては、光化学反応中の酸素の結合などが挙げられており、保護層によって大気を遮断して繰り返し耐久性を向上させることができる。
また、隠蔽手段として記録層表面に剥離可能な粘着剤層を有する遮光シートを貼り合わせることをした場合、遮光シートが剥離しやすいように保護層表面をコーティングしておけば、遮光シートが剥離することによる物理的なダメージを軽減することができる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
熱不可逆性フォトクロミック化合物として、2−[1−(2,5−ジメチル−3−フリル)エチリデン]−3−アダマンチリデンコハク酸無水物(以下PC1と略す)を用いた。
該PC1の発色体の極大吸収波長は、520nmであり、マゼンタ色を示した。
また、消色体の吸収帯は、400nm以下であり透明であった。発色体から消色体への量子収率は0.26であった。
PC1をポリスチレン中に10wt%分散し、白色ポリエチレンテレフタレート基板(厚さ188μm)上にスピンコートすることで、記録層を作製した。
記録層の一部に主波長365nmのブラックライト(強度10mW/cm)を10秒間照射したところ、照射部がマゼンタ色に発色した。照射終了後、ただちに記録層全面に剥離可能な粘着層を有する不透明カバーを貼り合わせた。
その後、不透明カバーを剥がすと、照射した部分がマゼンタ色になっており、記録した情報を視認することができた。
(実施例2)
実施例1で作製した機密情報隠蔽媒体を発色させ、不透明カバーを貼り合わせた状態で30日間放置した。
不透明カバーを剥がすと、照射した部分がマゼンタ色になっており、30日間においても記録した情報を視認することができた。
(実施例3)
実施例1で作製した機密情報隠蔽媒体を発色させ、不透明カバーを貼り合わせた。
不透明カバーを剥がした後、卓上蛍光灯に近づけたところ約10秒でマゼンタ色は全て消色した。
(実施例4)
実施例1で作製した機密情報隠蔽媒体を発色させ、不透明カバーを貼り合わせた。不透明カバーを剥がした後、室内蛍光灯に放置したところ約24分でマゼンタ色は全て消色した。
(実施例5)
熱不可逆性フォトクロミック化合物として、PC1に加えて、2−[1−(5−メチル−2−ピリジル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物(以下PC2と略す)、および2−[1−(1、2、5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物(以下PC3と略す)を用いた。
PC2の発色体の極大吸収波長は、452nmであり、イエロー色を示し、また、PC3の発色体の極大吸収波長は、634nmであり、シアン色を示した。
それぞれのフォトクロミック化合物20mgを各々ポリスチレン80mgと共にトルエン中に溶解させた溶液を調製した。
白色ポリエチレンテレフタレート基板(厚さ188μm)上にPC1、PC2、PC3の溶液をそれぞれブレード塗布し、記録層を作製した。
(実施例6)
実施例5で作製した記録層の一部に主波長365nmのブラックライト(強度10mW/cm)を10秒間照射したところ、照射部が黒色に発色した。照射終了後、ただちに記録層全面に剥離可能な粘着層を有する不透明カバーを貼り合わせた。
その後、不透明カバーを剥がすと、照射した部分が黒色になっており、視認性の高い記録をすることができた。
(実施例7)
実施例5で作製した記録層の全面に主波長365nmのブラックライト(強度10mW/cm)を10秒間照射したところ、記録層全面が黒色に発色した。さらに、波長650nmの可視光を記録層の一部に照射したところ、照射部が赤色になった。ただちに記録層全面に剥離可能な粘着層を有する不透明カバーを貼り合わせた。
その後、不透明カバーを剥がすと、照射した部分が赤色になっており、記録した情報を視認することができた。
(実施例8)
実施例5で作製した記録層の全面に主波長365nmのブラックライト(強度10mW/cm)を10秒間照射したところ、記録層全面が黒色に発色した。さらに、波長560nmの可視光を記録層の一部に照射したところ、照射部が緑色になった。ただちに記録層全面に剥離可能な粘着層を有する不透明カバーを貼り合わせた。
その後、不透明カバーを剥がすと、照射した部分が緑色になっており、記録した情報を視認することができた。
(実施例9)
実施例5で作製した記録層の全面に主波長365nmのブラックライト(強度10mW/cm)を10秒間照射したところ、記録層全面が黒色に発色した。さらに、波長420nmの可視光を記録層の一部に照射したところ、照射部が青色になった。ただちに記録層全面に剥離可能な粘着層を有する不透明カバーを貼り合わせた。
その後、不透明カバーを剥がすと、照射した部分が青色になっており、記録した情報を視認することができた。
(実施例10)
実施例1、6、7、8、9の記録層全面に卓上蛍光灯を照射したところ、すべての熱不可逆性フォトクロミック化合物が消色反応をおこし、記録層は透明になった。再び紫外線を照射したところ発色した。
(実施例11)
実施例1で作製した記録層に対して、波長366nmの水銀灯の輝線を液晶シャッター越しに照射した。記録層には液晶シャッターで描いた文字がそのまま記録された。
本発明の機密情報隠蔽媒体の例を示した図である。

Claims (12)

  1. 基板上の少なくとも一部に熱不可逆性フォトクロミック化合物を含んだ記録層を有する情報記録媒体を用い、該記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物を発色させる波長帯の紫外光を所望の領域に照射することにより情報記録した後、該情報をただちに隠蔽することを特徴とする情報記録方法。
  2. 情報を隠蔽するための情報隠蔽手段として、剥離可能な粘着剤層を有する遮光シートを用い、発色し情報が記録された情報記録媒体の表面層に粘着剤層によって遮光シートを貼り付けて情報を隠蔽することを特徴とする請求項1に記載の情報記録方法。
  3. 遮光シートを剥離した後、該フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を照射して、前記発色情報を消色することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録方法。
  4. 発色する色の異なる複数のフォトクロミック化合物を含有する記録層が設けられた情報記録媒体を用い、記録層に含まれる全ての熱不可逆性フォトクロミック化合物を発色させる波長帯の紫外光を全面に照射する工程、記録した情報をただちに隠蔽する工程及び発色した各々の熱不可逆性フォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所望の領域に照射して各熱不可逆性フォトクロミック化合物を選択的に消色する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報記録方法。
  5. 白色光を記録層全面に照射する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の情報記録方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の情報記録方法の用いられる情報記録媒体。
  7. 記録層の表面に保護層を有することを特徴とする請求項6に記載の情報記録媒体。
  8. 記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物の消色体における吸収帯が400nm以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の情報記録媒体。
  9. 記録層に含まれる熱不可逆性フォトクロミック化合物の発色体から消色体への量子収率が0.25以上であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の情報記録媒体。
  10. 記録層に異なる色を発色する複数の熱不可逆性フォトクロミック化合物を含むことを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の情報記録媒体。
  11. 請求項6乃至10の何れかに記載の情報記録媒体と遮光シートとのセット。
  12. 請求項1乃至5の何れかに記載の方法に用いられることを特徴とする情報記録装置。
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