JP3993946B2 - トナー収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に使用する粉体のトナーを収納するトナー収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光導電性感光体に静電潜像を形成し、この潜像を粉体トナーによって現像し、得られた像を転写紙へ転写する電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は広く使用されている。このような画像形成装置においては、内蔵する現像ユニットに粉体トナーを供給するために、ハードケースで形成されたトナーを充填した収納容器が装着されてトナーが供給される。このトナー収納容器の殆どは、トナーが充填された状態で、画像形成装置本体とは別個の独立した商品として販売され、顧客に供給されている。
【0003】
また、従来のトナー収納容器はカートリッジ、ボトルといったハードボトルで作られているために、トナー収納容器の交換に伴う使用済み容器の廃棄に大きな課題を生じていた。すなわち、使用済みトナー収納容器はユーザー先からメーカーが引き取り、再生、再利用、焼却処理が行われるが、該容器は容量が嵩み、回収するまでの物流コストに高額を要していた。
【0004】
ところで、未だ公知ではないが、トナー収納容器に空気を供給し、その空気もしくは空気と粉体ポンプの吸引力とによりトナーを該容器から排出させ、そのトナーを現像ユニットに補給する機構が本願出願人より提案されている。そして、この場合のトナー収納容器は、折り畳み可能な容器で構成しても機能上何ら問題なく、このようなフレキシブルのトナー収納容器は上記した運搬効率の悪化を大幅に改善できるとともに、ハードケースのものより、トナー容器内でのトナー凝固が生じにくいという利点があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した空気を供給するトナー収納容器において、例えば上部より容器内に挿入してその下部近くまで達するパイプを用いて空気の供給やトナーの排出するものがある。しかし、このようなパイプ付き容器はそのパイプが容器減容の妨げになるため、その改善が要望されていた。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、収納容器内に入り込む部材を有するものであっても容器減容が容易に行うことができるトナー収納容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、電子写真方式の画像形成装置に装着されて使用されるトナー収納容器において、フレキシブルな樹脂製のシートを袋状に形成した収納容器に入り込む、収納したトナーを排出されるトナー吸い込みパイプと、収納したトナーにエアーを供給するエアー供給パイプとを設け、該トナー吸い込みパイプとエアー供給パイプとがともに折り畳める弾性を有することを特徴とするトナー収納容器を提案する。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、電子写真方式の画像形成装置に装着されて使用されるトナー収納容器において、フレキシブルな樹脂製のシートを袋状に形成した収納容器に入り込む、収納したトナーを排出されるトナー吸い込みパイプと、収納したトナーにエアーを供給するエアー供給パイプとを設け、該トナー吸い込みパイプとエアー供給パイプとがともに折り畳める蛇腹形状を有することを特徴とするトナー収納容器を提案する。
【0009】
さらにまた、本発明は、前記蛇腹形状に形成されたパイプは前記収納容器内に入り込んだ側の端部が該収納容器に固定されていると、効果的である。
【発明の実施の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るトナー収納容器を使用するのに最適な画像形成装置のトナー補給機構を示す構成図、図2はそのトナーが補給される側である現像装置の一部を示す断面図である。
【0011】
図1において、本実施形態の剤補給装置は現像装置10にトナーを補給するものであって、トナーを収納した収納手段としてのトナー収納容器20、該トナー収納容器20に収納されたトナーを現像装置10に移送するための粉体ポンプ手段40とを有している。
【0012】
現像装置10には、図1および図2に示すように、像担持体としての感光体1に対向配置された現像剤担持体としての現像スリーブ11と、この現像スリーブ11と軸線が平行な搬送部材としての第1攪拌スクリュー12、第2攪拌スクリュー13とが備えられている。現像装置10内での現像剤は、第1攪拌スクリュー12によって図2の左から右へ搬送され、第2攪拌スクリュー13によって右から左へ搬送されるようにして循環される。この循環の間に搬送路の途中で現像スリーブ11に移送された現像剤のトナーにより感光体1上に形成された静電潜像を現像する。
【0013】
この現像装置10には、図2に明示するように、装置の手前側端部において粉体ポンプ手段40が設けられ、該手段は吸い込み型の一軸偏芯スクリューポンプ41を具備している。このスクリューポンプ41の構成は、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ42と、ゴム等の弾性体で内側に2条スクリュー形状に作られ固定されて設置されるステータ43と、これらを包みかつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ44とを有している。そして、符号46はロータ42を駆動する駆動手段としてのモータであり、例えばステッピングモータ、サーボモータ等が用いられている。
【0014】
上記現像装置10には、透磁率検出器18が設けられており、該検出器18により現像装置10内のトナーとキャリアの混合比の変化を検知する。そして、この透磁率検出器18によりトナーが少ないと検知されると、モータ46が正転し、1軸偏芯スクリューポンプ41が作動されることによりトナー収納容器20内のトナーが吸引されて補給される。そして、現像装置10内の現像剤の濃度が所定濃度に達すると、モータ46の駆動がオフされ、トナー補給が停止される。なお、現像装置10は感光体上に形成したトナー像の反射濃度を検知してトナー補給量を制御する方法等を採用することもできる。
【0015】
このスクリューポンプ41は、ロータ42の回転により強い自吸力が生じ、トナー収納容器20からトナーを吸い込むことができる。吸い込まれたトナーは、スクリューポンプ41と第1攪拌スクリュー12との間に形成された供給孔17により現像装置10内に移送され、そして2成分現像方式を用いている場合にはこの移送工程中に補給されたトナーが現像装置10内の現像剤と攪拌混合され、均一な剤濃度と適正な帯電量になる。なお、現像装置には脱気孔14aとその脱気孔14aを覆うフィルター14が設けられ、トナーとともに移送される空気を現像装置10から脱気し、現像装置10からのトナー飛散を防止するように構成している。1軸偏芯スクリューポンプ41の吸い込み部に接続したトナー移送管としてのチューブ15は例えば直径4〜10mm、肉厚1〜2mm程のチューブ状であって、フレキシブルでかつ耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られているものを用いることがきわめて有効である。
【0016】
トナー移送管としてフレキシブルなチューブ15を用いれば、現像装置10に対するトナー収納容器20の設置上の制約が少なくなり、設置場所の有功活用がはかれ、また機械メンテナンス等の作業性も向上する。なお、スクリューポンプ41の吸引量はロータ42の回転数、ロータ42の断面積や偏心量、またトナーの流動性等に依存するが、本実施形態で用いているスクリューポンプ41はトナー吸引距離1m程度の性能を持っており、トナーの移送方向を上下左右任意の方向へ自由に選択することができる。
【0017】
図3は、トナー収納手段20の一例を示す断面説明図である。
図3において、トナー収納手段20は袋状に形成されたトナー収納容器21を有し、トナー収納容器21は、ポリエチレンやナイロン等の樹脂製で、80〜120μm程度の厚味を持ったフレキシブルなシートを単層または複層の構成にして作られている。なお、これらシートの表面にアルミ蒸着処理することは静電気対策に有効である。
【0018】
トナー収納容器21の上部には、トナー吸い込みパイプ22とエアー供給パイプ23が超音波等により溶着されて一体的に結合されている。このトナー吸い込みパイプ22とエアー供給パイプ23の下端は、トナー収納容器21の底部近くまで達し、また上端はトナー収納容器21から多少飛び出した位置に達している。そして、トナー吸い込みパイプ22は図示していないが、上記チューブ15が連結され、またエアー供給パイプ23も図示していないエアーポンプからのチューブ(図示せず)が連結されている。このトナー吸い込みパイプ22とエアー供給パイプ23が本実施形態における容器内に入り込んだ入り部材を構成している。
【0019】
上記のように、トナー収納容器21はフレキシブルであるので、トナーを補給してほぼ空になると小さく折り畳む等の減容ができるが、このとき、トナー吸い込みパイプ22とエアー供給パイプ23が容器の減容を妨げるということは先に説明した。
【0020】
そこで、本実施形態ではトナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23を例えばナイロン等の樹脂製であってフレキシブルになるように構成している。このように構成すると、トナー収納容器21を図4に示すように折り畳むと、トナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23も図5に示すように折り畳むことができ、両者をともに減容することができる。よって、トナー収納容器21は両パイプとともに折り畳むことできるので、回収のための運搬等を効率よく行うことができる。
【0021】
ところで、上記実施形態の場合、トナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23は折り畳み可能であってもパイプ形状を維持する程度の弾性を持たせている。よって、トナー収納容器21ともに折り畳み減容してもその形状を維持させるような拘束が必要であり、何ら拘束を受けないと元の状態、もしくはそれに近い状態に戻ってしまう。
【0022】
図6に示す実施形態はかかる不具合を軽減できるものであって、本実施形態ではトナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23におけるトナー収納容器21に入り込んでいる部分を蛇腹形状24,25に形成している。
【0023】
このように構成すると、トナー収納容器21を図4に示すように折り畳むと、トナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23は図7に示すように折り畳まれる。そして、このとき蛇腹形状24,25のトナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23はその折り畳まれた形状を維持するので、折り畳まれたトナー収納容器21が拘束を受けずともその形態が維持される。
【0024】
図8は、図6に示す実施形態の変形例を示すものであって、本例では容器に入り込んでいる部分が蛇腹形状24,25に形成されたトナー吸い込みパイプ22およびエアー供給パイプ23が下端近く、すなわち容器に入り込んだ部分の先端近くでトナー収納容器21に固定した固定部26,27を設けている。
【0025】
このように構成すると、トナー収納容器21を図4のように折り畳んでも、また図9のように蛇腹形状24,25を縮める方向に折り畳んでも減容後の容器の形態を維持することができる。すなわち、固定部26,27のない図6に示すものでは蛇腹形状24,25を縮める方向に折り畳んでも容器は追随せず、減容後の容器の形態を維持することができない。
【0026】
【発明の効果】
請求項1および2の構成によれば、折り畳み可能なトナー収納容器内に入り込んだ入り部材があっても、容器をその入り部材とともに折り曲げて減容することができる。
【0027】
請求項3の構成によれば、トナー収納容器を丸めて折り畳んでも潰す方向に折り畳んでも折り畳まれたトナー収納容器をその減容した状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器が使用できるトナー移送の構成を説明するための説明図である。
【図2】現像装置のトナー受け入れ部を示す断面図である。
【図3】本発明に係るトナー収納容器の一実施形態例を示す断面説明図である。
【図4】そのトナー収納容器を折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図5】トナー収納容器の挿入されているパイプの折り畳んみ状態を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す断面説明図である。
【図7】図6のパイプを折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図8】図6のトナー収納容器の変形実施形態を示す説明図である。
【図9】図8のパイプを折り畳んだ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
21 トナー収納容器
22 トナー吸い込みパイプ
23 エアー供給パイプ
24,25 蛇腹形状
26,27 固定部
Claims (3)
- 電子写真方式の画像形成装置に装着されて使用されるトナー収納容器において、
フレキシブルな樹脂製のシートを袋状に形成した収納容器に入り込む、収納したトナーを排出されるトナー吸い込みパイプと、収納したトナーにエアーを供給するエアー供給パイプとを設け、
該トナー吸い込みパイプとエアー供給パイプとがともに折り畳める弾性を有することを特徴とするトナー収納容器。 - 電子写真方式の画像形成装置に装着されて使用されるトナー収納容器において、
フレキシブルな樹脂製のシートを袋状に形成した収納容器に入り込む、収納したトナーを排出されるトナー吸い込みパイプと、収納したトナーにエアーを供給するエアー供給パイプとを設け、
該トナー吸い込みパイプとエアー供給パイプとがともに折り畳める蛇腹形状を有することを特徴とするトナー収納容器。 - 請求項2に記載のトナー収納容器において、前記蛇腹形状に形成されたパイプは前記収納容器内に入り込んだ側の端部が該収納容器に固定されていることを特徴とするトナー収納容器。
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