JP4027587B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、現像装置から離隔した位置に配置したトナーボトル等から効率よく現像装置にトナーを搬送することを可能とした画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式の画像形成装置においては、感光体ドラム等の画像担持体上に原稿反射光などの画像光を照射することによって得た静電潜像を現像ユニットからのトナーによって現像することによってトナー像とし、このトナー像を転写紙上に転写してから定着することによって画像形成を行っている。
ところで、従来の画像形成装置においては、トナーなどの消耗品の補給間隔が長い方がユーザーにとっては好ましいため、トナーボトルの大型化・大容量化が進められているが、機器のレイアウト上十分な大きさのトナーボトルを現像ユニット近傍に配置することは困難であり、その解決策として機器全体の中で比較的余裕のあるスペース(通常は、現像ユニットから離隔した位置)にトナーボトルを装着し、そこからトナー搬送手段を使って現像ユニットまでトナーを搬送する方式が実施されている。
トナー搬送手段として一般的なものは、パイプ内に回転自在に配置したトナー搬送管体を使ってトナーを送る構成を備えているが、この搬送方式は直線的にしかトナーを搬送できず、柔軟性があまりない。このため、離隔した位置にあるトナーボトルから種々の障害物を回避しつつ非直線的な経路を経て現像ユニットまでトナー搬送手段を配設することは不可能である。
次に、トナーボトルから現像ユニットまで柔軟なチューブを配管して、エアー圧を利用してトナーを離隔した位置にある現像ユニットまで搬送する方式は、レイアウト上の柔軟性はあるが、搬送経路が長くなると圧力損失が大きくなり、効率的にトナーを送れない、という欠点を有する。
そこで、トナーボトルから現像ユニットに至る経路の途中まで上記トナー搬送管体を使い、トナー搬送管体の終端部に連設したチューブを利用してエアー圧によってトナーを送る方式が提案され、実用化されている。しかし、複数種類の搬送手段を組み合わせた複雑な構成となるばかりでなく、直線搬送しかできないトナー搬送管体を使用するためレイアウトの自由度には自ずと限界があった。
【0003】
また、コストパフォーマンスという見地から見ると、例えば1本のトナーボトルからとれるコピー枚数、プリント枚数は多い方が当然ながら有利である。そのため、転写紙に転写されずに画像担持体上に付着残留したトナーを回収し再度現像ユニットに戻して使用するトナーリサイクル方式が採用されることも多くなってきている。この場合に、クリーニング装置から直接現像ユニットに対してトナー搬送管体などを用いて回収トナーを搬送すると、回収トナー中に含まれる異物が画質の低下等の不具合をもたらす。即ち、一度使用されたトナーは、現像ユニット、感光体上、クリーニングユニット等において、電気的、熱的、機械的なストレスを受けており、初期状態のトナーと比べると固まりやすくなっていると考えられる。これらの固まったトナーが現像ユニットに入ると、画像不良を発生させる可能性がある。
また、転写紙の裁断面あるいは表面には、紙の繊維の切れ端(紙粉)が付着しており、この紙粉は、転写紙→感光体→クリーニング装置を通って、リサイクルトナー中に混ざってしまう。この紙粉が核となって上記リサイクルトナーが固まることも確認されている。また、紙粉が現像ユニット内のトナー中に混入することによって画像不良を発生させることもある。
近年、複写機やプリンタにおいては更なる高画質化が目標となっており、また、ユーザーの要求品質も非常に厳しくなってきているため、画像不良発生の可能性を少しでも低減する 必要がある。
なお、特開平5−142901号公報には、トナー搬送路にフィルタを設け、フィルタを超音波振動させることにより、異物を除去する構成が開示されているが、超音波振動の発生手段等を付加する必要があるために、構成が複雑化してコストアップする虞がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、現像装置から離隔した位置に配置したトナーボトル等から効率よく現像装置にトナーを搬送することを可能とし、しかもリサイクルトナー中に含まれた紙粉、凝集トナーなどの異物を効率的に除去することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、画像担持体上に形成された静電潜像を現像ユニットからのトナーによって現像することによって得た該トナー画像を転写紙に転写、定着して画像形成を行うとともに、エアポンプモータを用いてトナーボトル内のトナーを現像ユニットへ搬送して補給するトナー搬送機構を備えた画像形成装置において、前記エアポンプモータとトナーボトルとの間のトナー搬送経路中に、現像ユニットへ搬送すべきトナーを一時的に蓄えるトナー補給シリンダを配置し、該トナー補給シリンダは、その下部に位置するエア導入口よりシリンダ内部にエアーを導入し、且つ上部に位置する吐出口よりトナーとエアーを現像ユニットに向けて吐出することを特徴とする。
本発明は、前記トナー補給シリンダの、前記エア導入口と前記吐出口との中間位置に、一定以上の大きさの物体の通過を妨げるフィルタを設置したことを特徴とする。
本発明は、前記フィルタは、網目の開口の大きさが0.5mm以下であることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は、トナー搬送機構の概略構成を示す斜視図であり、このトナー搬送機構は、トナーボトル(トナー収容容器)1を保持するボトル保持部2と、トナーボトル1から送り出されるトナーを搬送するトナー搬送管体3と、トナー搬送管体の他端に接続されたトナー補給シリンダ4と、トナー補給シリンダ4と現像ユニット7のトナーホッパ8(トナー導入口8a)との間を接続するトナー搬送チューブ5の途中に配置されたエアポンプモータ6と、トナーホッパ8の吐出口8bとトナー補給シリンダ4との間を接続するエア戻しチューブ9と、を有する。
画像形成装置本体Aの筐体内の隅部には、トナーボトル1を2本備えたボトル保持部(補給用トナー貯蔵部)2が配置されている。各トナーボトル1は、保持部2に設けたトナーボトル回転モータ(図示せず)によって回転し、その開口1aから吐出されたトナーがトナーバンク部10に供給される。トナーバンク部10内に供給されたトナーは、トナー搬送管体3によりトナー補給シリンダ4へ搬送される。
トナー搬送管体3は、パイプ3a内に回転自在なコイル3bを配置した構成を備え、コイル3bを図示しないモータにより回転させることによってトナーバンク部10内のトナーをトナー補給シリンダ4へ送り込む。
トナー補給シリンダ4とエアポンプ6及び現像ユニット7はトナー搬送チューブ5でつながっており、トナー補給シリンダ4内のトナーは、エアポンプモータ6により吸引されて、現像ユニット7のトナーホッパ8の導入口8aにエアーと一緒に搬送される。トナーホッパ8の吐出口8bからエアーを戻すためのエア戻しチューブ9がトナー補給シリンダ4につながっており、エアーはトナー補給シリンダ4を介して循環している。
画像形成装置の画像形成動作中は、現像ユニット7内のトナーが少なくなると、トナーボトル1、トナー搬送管体3、エアポンプモータ6がそれぞれ回転し、トナー補給を行っている。
【0007】
図2に本発明によるトナー補給シリンダの概略構成を示す。
トナー補給シリンダ4は、例えば直径約30mm、高さ約80mmの円筒形状を有している。トナー補給シリンダ4の上部には吐出口15があり、ここからトナーとエアーを現像ユニット7に向けて吐出する。トナー補給シリンダ4の下部にはエア導入口16があり、可撓性を有したチューブ9を介して現像ユニット(エアポンプモータ)からのエアーが流入してくる。
エア導入口16と吐出口15は、夫々可撓性を有したチューブ5,9を介してエアポンプモータ6、現像ユニット7につながっている。
また、吐出口15とエア導入口16との中間位置のトナー補給シリンダ外壁には、トナーバンク部10からトナーの供給を受けるトナー供給口17があり、トナーバンク部10からトナー搬送管体3によってトナーが供給される。
画像形成装置の動作時に図示しない制御部にトナー補給信号が入ると、まず図示しないモータの駆動によってトナー搬送管体3の搬送コイル3bが回転し、トナー補給シリンダ4内にトナーが充填される。これとほぼ同時にエアポンプモータ6が回転し、エア導入口16からトナー補給シリンダ4の中空内部にエアーを送り込むとともに、吐出口15からエアーを吐出し始める。トナーは一般的に10μm程度の粉体であるので、トナー補給シリンダ4内の気流により中空のシリンダ内で撹拌され、吐出口15よりエアーとともに吸い出されていく。この連続動作によりトナーホッパ8内へのトナー補給動作が行われる。
例えば、トナーホッパ8の吐出口8bには、図示しないフィルタを設けてトナー補給シリンダ4に戻るエアー中からトナーを除去するように構成する。
なお、画像形成部の感光体(画像担持体)等からクリーニング装置によって回収された残留トナー(リサイクルトナー)も、図示しないリサイクルトナー搬送機構によって、新規トナーと混ざり合った状態で、トナー補給シリンダ4内に供給されるが、その中で数百μm〜1mm位の塊となったトナーは、その大きい質量のためにシリンダ内で上方に向けて舞いにくいため、吐出口15から吐出されずにシリンダ4内に残る。このため、画質低下をもたらすトナー凝集体、紙粉等が現像装置側へ搬送されることが防止される。
【0008】
図3は、トナー補給シリンダ4内にフィルタ20を設置した実施形態例を示す図である。
フィルタ20は、正常な粒径を有したトナーのみを通過させ得る開口寸法(例えば、0.5mm以下)備えたメッシュ等であり、吐出口15とトナー供給口17との間に、シリンダ内を上下2分割するように設置される。
フィルタ20の材質としては、例えば金網のようなものが最適と考えられるが、スポンジあるいはエアーフィルターのようなものであっても良い。
このように本発明では、予めトナーバンク10からトナー補給シリンダ4に溜められたトナーを、小型のエアポンプモータ6からの吸引力を駆動源として、現像ユニットにエアーと共に供給し、エアーのみはトナー補給シリンダを介して循環させるようにしたので、トナー漏れが生じることもなく、コンパクトな構成によってトナー搬送機構、リサイクルトナー搬送機構を実現することができる。
【0009】
【発明の効果】
このように本発明によれば、現像装置から離隔した位置に配置したトナーボトル等から効率よく現像装置にトナーを搬送することができ、しかもリサイクルトナー中に含まれた紙粉、凝集トナーなどの異物を効率的に除去することができる。
まず、本発明の画像形成装置においては、トナー補給シリンダ内でトナーを舞わしてから(浮揚させてから)、現像ユニットへ向けて吐出しているので、質量の小さい粉体のトナーのみが吐出され、質量の大きいトナー塊やゴミのようなものは吐出されにくくなり、トナー塊やゴミによる画像不良の発生を防止することができる。
また、本発明の画像形成装置においては、トナー補給シリンダ内の下部エア導入口(或いは、トナー供給口)と上部吐出口との中間にフィルタを設けたので、トナー塊やゴミのようなものの除去がより確実にでき、画像不良の発生を更に有効に防止することができる。
また、本発明の画像形成装置においては、フィルタの開口部の大きさを0.5mm以下としたので、紙粉も除去することができ、画質の更なる安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトナー搬送機構の概略構成を示す斜視図。
【図2】本発明によるトナー補給シリンダの概略構成を示す図。
【図3】他の実施形態に係るトナー補給シリンダの構成図。
【符号の説明】
1 トナーボトル、2 ボトル保持部、3 トナー搬送管体、4 トナー補給シリンダ、5トナー搬チューブ、6 エアポンプモータ、7 現像ユニット、8 トナーホッパ、8a トナー導入口、8b 吐出口、9 エア戻しチューブ、10 トナーバンク部、15 吐出口、16 エア導入口、17 トナー供給口

Claims (4)

  1. 画像担持体上に形成された静電潜像を現像ユニットからのトナーによって現像することによって得た該トナー画像を転写紙に転写、定着して画像形成を行なうとともに、エアポンプモータを用いてトナーボトル内のトナーを現像ユニットへ搬送して補給するトナー搬送機構を備えた画像形成装置において、
    前記トナーボトルを保持するボトル保持部と、
    前記トナーボトルからトナーが供給されるトナーバンク部と、
    前記トナーバンク部に供給されたトナーを搬送するトナー搬送管体と、
    前記トナー搬送管体によって搬送されたトナーを蓄えるトナー補給シリンダと、
    前記トナー補給シリンダと前記現像ユニットのトナー導入口との間を接続するトナー搬送チューブと、
    前記トナー搬送チューブの途中に設けられた前記エアポンプモータと、
    前記現像ユニットの吐出口と、前記トナー補給シリンダとの間を接続するエア戻しチューブと、を備え、
    前記トナー補給シリンダに搬送されたトナーは前記エアポンプモータによって前記トナー搬送チューブでエアと一緒に搬送され、前記搬送されたエアは前記エア戻しチューブで前記トナー補給シリンダに戻ることでエアは前記トナー補給シリンダを介して循環していると共に、前記搬送管体のトナー搬送量を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナー補給シリンダ内部に送り込まれるエアーと、前記トナー補給シリンダ内部から吐出されるエアーとによって前記トナー補給シリンダ内に気流が発生し、前記気流によって前記シリンダ内で前記トナーが攪拌されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー補給シリンダの、エア導入口と吐出口との中間位置に、一定以上の大きさの物体の通過を妨げるフィルタを設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記フィルタは、網目の開口の大きさが0.5mm以下であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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