JP3993291B2 - 回転工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械等に装着されるポリゴン加工用の回転工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤等の刃物台に回転工具を取り付け、この回転工具と主軸とを相対回転させつつポリゴン加工等の断続切削を行なう場合がある。
【0003】
ポリゴン加工は、例えば正六角形のような偶数の正多角形にワークを切削する場合、その角数の半分の例えば正三角形に刃物を配置した回転工具を用いて行なう。ワークと回転工具は平行軸上で同一方向に回転させ、回転工具の回転数はワークの回転数の倍とする。長いワークの場合は、回転工具をワークの軸方向に送るようにする。
【0004】
ところが、ポリゴン加工等の断続切削を行なうと切込が大きく変化するので、回転工具等にビビリと呼ばれる振動を発生し、加工精度を低下させ、ワークの仕上げ面に悪影響を及ぼす。
【0005】
従来、そのような問題を解決する手段として、主軸にフライホイールを取り付けたり、伝動系の歯車のバックラッシュを小さくすること等が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フライホイールの装着や、バックラッシュの低減は実際上困難であり、ポリゴン加工等におけるビビリ防止の効果を上げるまでには至っていない。
【0007】
一方、主軸の剛性を高め、バックラッシュやガタツキの影響を受け難くしたポリゴン加工専用機を用いれば精度の良いポリゴン加工を行なうことができる。しかし、専用機は汎用性がなく、設置スペースを多く取る等の欠点がある。
【0008】
したがって、本発明は、専用機を用いることなく旋盤等の通常の工作機械により精度良くポリゴン加工等の断続切削を行なうことができる手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明は、次のような手段を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、先端にポリゴンカッター(11)が取り付けられる主軸(2)をケース本体(1)で回転可能に保持した回転工具において、上記主軸(2)とケース本体(1)との間に形成された環状空室(12)内にころがり軸受(13)が収納され、該ころがり軸受(13)の内外輪(13a、13b)が上記環状空室(12)内でそれぞれ主軸(2)とケース本体(1)に主軸(2)の前後方向にスライド可能に嵌め込まれ、上記環状空室(12)の後部は上記ケース本体(1)により閉じられ、上記環状空室(12)の前部は、上記ポリゴンカッター(11)の背後で上記主軸(2)にスライド可能に嵌め込まれたラビリンスカラー(15)により閉じられ、上記内外輪(13a、13b)を上記主軸の前後方向に相対的にスライドさせて上記ころがり軸受(13)に抵抗力を加える弾性体(14)が上記環状空室(12)内に挿入され、上記ラビリンスカラー(15)と上記ケース本体(1)との間にラビリンス(18)が形成された回転工具を採用する。
【0011】
請求項2の発明は、上記弾性体(14)がスペーサー(17)と重ね合わされることで上記ころがり軸受(13)に生じる抵抗力が調整される請求項1に記載の回転工具を採用する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る回転工具の実施の形態について説明する。
【0013】
図1〜図4に示されるように、この回転工具は、ケース本体1と、該ケース本体1内に挿通された主軸2とを備えている。主軸2はケース本体1の中心を貫く空洞内にボールベアリング3、4を介し支えられている。ケース本体1の側面からは、シャンク5が分岐している。シャンク5の中には主軸2に対し傘歯車6、7を介して動力を伝達する分岐軸8が挿入されている。分岐軸8の後端には、該分岐軸8を工作機等の本体の駆動部に接続するためのクラッチ爪9が設けられている。
【0014】
この回転工具は、そのケース本体1及びシャンク5を介して、例えばタレット旋盤のタレット式刃物台に着脱自在に取り付けられる。取り付けと同時にクラッチ爪9が工作機械側の図示しないクラッチ爪と噛み合い、主軸2が回転可能になる。
【0015】
主軸2は、ケース本体1をその前後に貫通しており、ケース本体1外に突出した先端部には、複数本のバイト10を固定したポリゴンカッター11が取り付けられている。この実施の形態では、ポリゴンカッター11はワーク(図示せず)に対して正六角形のポリゴン切削を行うべく三本のバイト10を有し、各バイト10はそれらのチップの刃先10aが正三角形の頂点に来るように固定されている。ワークとしては望ましくは丸棒が用いられる。
【0016】
図4に示されるように、この回転工具には、ポリゴン加工の際にビビリと呼ばれる振動が発生しないように主軸2に対してブレーキを掛けるブレーキ手段が装着されている。
【0017】
すなわち、回転工具の前部において主軸2とケース本体1との間に環状空室12が形成され、この環状空室12内にころがり軸受であるローラーベアリング13が収納されている。このローラーベアリング13の介在は回転工具の剛性を高める上で役立つ。ローラーベアリング13の内外輪13a、13bは、環状空室12内でそれぞれ主軸2とケース本体1にスライド可能に嵌め込まれている。そして、ローラーベアリング13に抵抗が生じるように内輪13a又は外輪13bがポリゴンカッター11により後方へ押圧され、外輪13bがケース本体1の起立した内壁面1aにより前方に押圧されている。また、外輪13bとケース本体1の内壁面1aとの間には弾性体である皿バネ14が介装されている。このようにローラーベアリング11は、そのローラー13cが内外輪13a、13bを介し、かつ弾性体14を介し前後から挟み込まれるので、比較的大きな抵抗力を発生し、主軸に制動力を作用させポリゴン加工に伴う振動を吸収する。
【0018】
なお、ポリゴンカッター11による内輪13aの押圧はラビリンスカラー15を介して行われている。ラビリンスカラー15は主軸2の前部をポリゴンカッター11の背後で遮蔽するためのもので主軸2の前端にスライド可能に嵌め込まれている。ポリゴンカッター11が止めネジ16で主軸2に固定されることによりラビリンスカラー15は後方へ押され、それに伴い内輪13aを後方へと押している。
【0019】
上記ローラーベアリング13は、より具体的にはテーパーローラーベアリングであるが、上述のような抵抗力を生じさせるものであればこれに代えてボールベアリングを用いることも可能である。
【0020】
上記弾性体としての皿バネ14は主軸2の前後方向に複数枚重ね合わされているが一枚であってもよいし、また、皿バネ14に代えてOリング、コイルバネ等を用いることも可能である。
【0021】
上記弾性体である皿バネ14は、スペーサー17と重ね合わされた状態で外輪13bとケース本体1の内壁面1aとの間に挿入されている。このスペーサー17はリング状のカラーであり、厚さが異なるものと交換することにより上記皿バネ14に対する押圧力を調整し、上記ローラーベアリング13に掛かる抵抗力を加減することができる。
【0022】
スペーサー17等の装着、交換等は次のようにして行う。まず、止めネジ16を緩めてポリゴンカッター11を主軸2から外し、続いてラビリンスカラー15、ローラーベアリング13、皿バネ14の順に主軸2とケース本体1との間の環状空室12から抜き取り、最後にスペーサー17を抜き取る。その後、図示しない他のサイズのスペーサーを挿入し、上記と逆の操作により組み立て、皿バネ14の変形量を調整する。皿バネ14の変形量の調整によりローラーベアリング13に掛かる抵抗力の大きさひいては主軸に掛かるブレーキ力が加減される。
【0023】
次に、上記回転工具の作用について説明する。
【0024】
丸棒状のワークにポリゴン切削を行い、正六角形断面の棒を得るものとする。主軸2のポリゴンカッター11に三本のバイト10を固定する。バイト10はそれらの先端10aが正三角形の頂点に来るように位置決めする。
【0025】
ワークと主軸2とを平行な軸上で同じ方向に回転させる。主軸2の回転数はワークの回転数の倍とする。切削の開始と同時に切削油の供給が開始される。また、ワークが長尺物である場合は、ワーク又は回転工具をワークの軸方向に移動させる。これにより、ポリゴン加工が行われ、丸棒のワークから六角棒が切り出される。
【0026】
ポリゴン加工の際、環状空室12内において皿バネ14がローラーベアリング13の前後方向で外輪13bを内輪13aの方へ押し、その結果ローラー13cは内外輪13a、13bに挟まれて抵抗力を発生し、主軸2に対して制動力を掛けることになる。これにより、ワークのポリゴン切削において生じ易い主軸2のビビリが防止され、精度の良い加工が行われる。
【0027】
なお、上記実施の形態では弾性体である皿バネ14をローラーベアリング13の外輪13b側に設けたが、内輪13aとラビリンスカラー15との間に設けて前後方向上内輪13aを外輪13bの方へ押すようにしてもよい。或いは、ローラー13cを図示のものと反対向きに傾斜させ、皿バネ14の位置をローラーベアリング13の前後で入れ替えるようにしてもよい。或いは、皿バネ14などの弾性体をローラーベアリング13の前後双方に配置するようにしてもよい。
【0028】
その他、ポリゴンカッター11等に掛けられる切削油は、ラビリンスカラー15とケース本体1との間に形成されるラビリンス18により環状空室12内への進入を阻止される。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、主軸とケース本体との間に形成された環状空室内にころがり軸受を収納していることから、回転工具の剛性を高め工作精度を上げることができる。また、ころがり軸受の内外輪を環状空室内でそれぞれ主軸とケース本体にスライド可能に嵌め込み、内外輪を相対的にスライドさせてころがり軸受に抵抗力を加える弾性体を環状空室内に挿入していることから、ころがり軸受を介して主軸の回転に制動力を加えることができ、従ってポリゴン加工等の切込が大きく変化する切削を行ってもビビリと呼ばれる主軸の振動の発生を防止し、ポリゴン加工等の断続切削を精度良く行うことができる。しかも、専用機を用いることなく旋盤等の通常の工作機械により精度良くポリゴン加工等の断続切削を行なうことができる。
【0030】
また、本発明において、弾性体をスペーサーと重ね合わせる場合は、ころがり軸受に生じる抵抗力ひいては主軸に掛けるブレーキ力を適度に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転工具の垂直断面図である。
【図2】上記回転工具の正面図である。
【図3】上記回転工具の本体ケースの底面図である。
【図4】図1中要部の拡大図である。
【符号の説明】
1…ケース本体
2…主軸
11…ポリゴンカッター
12…環状空室
13…ローラーベアリング
13a…内輪
13b…外輪
13c…ローラー
14…弾性体
17…スペーサー
Claims (2)
- 先端にポリゴンカッターが取り付けられる主軸をケース本体で回転可能に保持した回転工具において、上記主軸とケース本体との間に形成された環状空室内にころがり軸受が収納され、該ころがり軸受の内外輪が上記環状空室内でそれぞれ主軸とケース本体に主軸の前後方向にスライド可能に嵌め込まれ、上記環状空室の後部は上記ケース本体により閉じられ、上記環状空室の前部は、上記ポリゴンカッターの背後で上記主軸にスライド可能に嵌め込まれたラビリンスカラーにより閉じられ、上記内外輪を上記主軸の前後方向に相対的にスライドさせて上記ころがり軸受に抵抗力を加える弾性体が上記環状空室内に挿入され、上記ラビリンスカラーと上記ケース本体との間にラビリンスが形成されたことを特徴とする回転工具。
- 上記弾性体がスペーサーと重ね合わされることで上記ころがり軸受に生じる抵抗力が調整されることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
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JP02425198A JP3993291B2 (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 回転工具 |
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JPH11221733A JPH11221733A (ja) | 1999-08-17 |
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ID=12133040
Family Applications (1)
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JP02425198A Expired - Fee Related JP3993291B2 (ja) | 1998-02-05 | 1998-02-05 | 回転工具 |
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1998
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