JP3992013B2 - 車両用有段式自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用有段式自動変速機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用有段式自動変速機の制御装置に関し、特に有段式自動変速機の入力軸が機械的にエンジンに連結された状態で変速が行われる場合においてその変速直後に発生するトルク振動を抑制する技術に関するものである。
エンジンに機械的に連結される入力軸を有して複数のギヤ段のいずれかに択一的に切り換えられる有段式自動変速機を備えた車両がある。たとえば、特許文献1に記載された車両などがそれである。このような車両では、たとえばトルクコンバータのようなトルク振動吸収機能の大きい流体伝動装置がエンジンと有段式自動変速機との間に備えられない代りに直結クラッチが設けられるとともに、その直結クラッチの入力側回転部材とその直結クラッチの出力側回転部材とにそれぞれ電動機が設けられ、直結クラッチの解放によってモータ走行が可能とされ、直結クラッチの係合によってエンジン走行或いはエンジンおよびモータ走行が可能とされる。
米国特許公開2003/0127262A1号公報 特開平9−291838号公報 特開平9−308008号公報 特開平7−331603号公報 特開平10−24745号公報
ところで、上記のような車両によれば、有段式自動変速機の入力軸とエンジンとが機械的に連結されるため、有段式自動変速機の変速時においてその変速比が比較的短い変速作動期間内に段階(ステップ)的に変化させられることから、エンジン回転速度が変速後の変速比に対応する同期回転速度に向かって急速に変化させられるとともにその同期回転速度に一致するとその回転速度変化が急停止させられるので、その変速終了時のエンジン回転速度変化の急停止に起因して、エンジンから駆動輪までの動力伝達経路に弾性的なねじれ振動が発生し、その弾性ねじれ振動に由来する変速ショックが発生する可能性があった。トルクコンバータのロックアップクラッチの係合状態で有段式自動変速機の変速が行われる場合も同様の不都合が発生する。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンに直結クラッチを介して機械的に連結される入力軸を有して複数のギヤ段のいずれかに択一的に切り換えられる有段式自動変速機を備えた車両において、変速終了時の変速ショックを好適に抑制する車両用有段式自動変速機の制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、有段式自動変速機と、エンジンとその有段式自動変速機の入力軸との間に介挿された直結クラッチを備え、その有段式自動変速機の入力軸がその直結クラッチを介してエンジンと機械的に連結された状態で変速を実行する車両用有段式自動変速機の制御装置であって、上記有段式自動変速機の変速中前記直結クラッチを係合状態に保つとともに、その有段式自動変速機の変速の終了時に一時的に前記直結クラッチをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段を、含むことにある。
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記変速終了時に前記直結クラッチのスリップ或いは解放が可能であるか否かを判定する直結クラッチ作動可否判定手段と、その直結クラッチ作動可否判定手段によって前記直結クラッチのスリップ或いは解放が不能であると判定された場合に、前記有段式自動変速機の変速の終了時に車両の動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するための抑制トルクをその動力伝達経路に付与する抑制トルク制御手段とを、さらに含むことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項2に係る発明において、前記有段式自動変速機の入力軸に作動的に連結された電動機を備え、前記抑制トルク制御手段は、その電動機から前記トルク振動を抑制するための抑制トルクを出力させるものであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項3に係る発明において、前記抑制トルク制御手段は、前記トルク振動を抑制するための抑制トルクとして前記トルク振動とは逆位相の逆位相トルク振動を前記電動機から出力させる逆位相トルク出力制御手段を含むことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれかに係る発明において、前記有段式自動変速機の変速の終期に前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段をさらに含むことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項4に係る発明において、前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の要旨とするところは、請求項4に係る発明において、前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速の種類に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至7の何れかに係る発明において、前記直結クラッチ制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものであることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至7の何れかに係る発明において、前記直結クラッチ制御手段は、前記変速の種類に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものであることを特徴とする。
上記請求項1に係る発明では、有段式自動変速機と、エンジンとその有段式自動変速機の入力軸との間に介挿された直結クラッチを備え、その有段式自動変速機の入力軸がその直結クラッチを介してエンジンと機械的に連結された状態で変速を実行する車両用有段式自動変速機の制御装置であって、上記有段式自動変速機の変速中前記直結クラッチを係合状態に保つとともに、その有段式自動変速機の変速の終了時に一時的に前記直結クラッチをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段を、含むことから、変速終了時にエンジン回転速度変化の急停止により発生するトルク振動が上記一時的な直結クラッチのスリップ或いは解放によって吸収されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、請求項2に係る発明では、前記変速終了時に前記直結クラッチによるスリップ或いは解放制御が可能であるか否かを判定する直結クラッチ作動可否判定手段と、その直結クラッチ作動可否判定手段によって前記直結クラッチのスリップ或いは解放が不能であると判定された場合に、前記有段式自動変速機の変速の終了時に車両の動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するための抑制トルクをその動力伝達経路に付与する抑制トルク制御手段とがさらに含まれることから、変速終了時にエンジン回転速度変化の急停止により発生するトルク振動が上記直結クラッチのスリップ或いは解放によって吸収されない場合には、それに替えて、動力伝達経路に付与されたトルク振動を抑制するための抑制トルクによってそのトルク振動が抑制されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、請求項3に係る発明では、前記有段式自動変速機の入力軸に作動的に連結された電動機を備え、前記抑制トルク制御手段は、その電動機から前記トルク振動を抑制するための抑制トルクを出力させるものであることから、その電動機から動力伝達経路に付与された抑制トルクによって上記トルク振動が抑制されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、請求項4に係る発明では、前記抑制トルク制御手段は、前記トルク振動を抑制するための抑制トルクとして前記トルク振動とは逆位相の逆位相トルク振動を前記電動機から出力させる逆位相トルク出力制御手段を含むことから、その電動機から動力伝達経路に付与された逆位相トルク振動によって上記トルク振動が相殺されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、請求項5に係る発明では、前記有段式自動変速機の変速の終期に前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段をさらに含むことから、変速終了時に発生するトルク振動が小さくされるので、それを吸収するための直結クラッチのスリップ制御量やそれを相殺するための逆位相トルク振動が軽減される。
また、請求項6に係る発明では、前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることから、適切な大きさの逆位相トルク振動によって変速終了時に発生するトルク振動が好適に相殺される。
また、請求項7に係る発明では、前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速の種類に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることから、適切な大きさの逆位相トルク振動によって変速終了時に発生するトルク振動が好適に相殺される。
また、請求項8に係る発明では、前記直結クラッチ制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものであることから、適切な大きさのスリップ量によって変速終了時に発生するトルク振動が好適に吸収される。
また、請求項9に係る発明では、前記直結クラッチ制御手段は、前記変速の種類に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものであることから、適切な大きさのスリップ量によって変速終了時に発生するトルク振動が好適に吸収される。
ここで、前記車両用有段式自動変速機は、複数組の遊星歯車装置の回転要素が油圧式摩擦係合装置によって選択的に連結されることによりギヤ段が切換られる遊星歯車式多段変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式自動変速機などにより構成される。上記車両用有段式自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
前記有段式自動変速機は、複数のギヤ段が択一的に達成されるものであればよく、たとえば、前進4段、前進5段、前進6段、前進7段、前進8段等の種々の多段式自動変速機が使用され得る。
前記エンジンと自動変速機の入力軸との間には、直結クラッチ、ダンパー付直結クラッチが介在させられるもの、ロックアップクラッチ(直結クラッチ)付トルクコンバータが介在させられるものであってもよい。要するに、有段式自動変速機の入力軸がエンジンと機械的に連結された状態でその有段式自動変速機の変速が実行される形式の車両であればよいのである。
また、好適には、前記エンジンと自動変速機の入力軸との間に直結クラッチが設けられる。この場合には、その直結クラッチの入力側回転部材とその直結クラッチの出力側回転部材とにそれぞれ第1電動機および第2電動機が設けられ、その第1電動機および/または第2電動機から逆位相のトルク振動が付与される。この第2電動機は、有段式自動変速機の出力軸等に設けられてもよい。
図1は、本発明が適用された車両に備えられた有段式自動変速機(以下自動変速機という)10の構成を説明する骨子図である。自動変速機10は車体に取り付けられるトランスミッションケース12内において、共通の軸心上に、エンジン8のクランク軸9に直結クラッチCiを介して連結された入力軸16、第1遊星歯車装置18を主体として構成されている第1変速部20、第2遊星歯車装置22と第3遊星歯車装置24とを主体として構成されている第2変速部26、および出力軸28が順次配設されている。上記入力軸16は直結クラッチCiの出力側回転部材として機能するものであると同時に、自動変速機10の入力回転部材としても機能する。また、出力軸28は自動変速機10の出力回転部材に相当し、上記トランスミッションケース12は非回転部材に相当する。出力軸28はたとえば図示しない差動歯車装置等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、自動変速機10はその軸心に対して対称的に構成されているため、第1図の骨子図においてはその下側が省略されている。
上記第1遊星歯車装置18はダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、サンギヤS1、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP1、そのピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持するキャリヤCA1、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えている。キャリヤCA1は入力軸16に連結されて回転駆動され、サンギヤS1は回転不能にトランスミッションケース12に一体的に固定されている。リングギヤR1は中間出力部材として機能し、入力軸16に対して減速回転させられて、回転を第2変速部26へ伝達する。本実施例では、入力軸16の回転をそのままの速度で第2変速部26へ伝達する経路が、予め定められた一定の変速比(=1.0)で回転を伝達する第1中間出力経路PA1であり、第1中間出力経路PA1には、入力軸16から第1遊星歯車装置18を経ることなく第2変速部26へ回転を伝達する直結経路PA1aと、入力軸16から第1遊星歯車装置18のキャリヤCA1を経て第2変速部26へ回転を伝達する間接経路PA1bとがある。また、入力軸16からキャリヤCA1、そのキャリヤCA1に配設されたピニオンギヤP1、およびリングギヤR1を経て第2変速部26へ伝達する経路が、第1中間出力経路PA1よりも大きい変速比(>1.0)で入力軸16の回転を変速(減速)して伝達する第2中間出力経路PA2である。
第2遊星歯車装置22はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、サンギヤS2、ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持するキャリヤCA2、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。第3遊星歯車装置24はダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、サンギヤS3、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP2およびP3、そのピニオンギヤP2およびP3を自転および公転可能に支持するキャリヤCA3、ピニオンギヤP2およびP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3を備えている。
上記第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24では、ピニオンギヤP2、それを回転可能に支持するキャリヤCA2およびCA3、リングギヤR2およびR3は相互に共用されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されている。すなわち、第2遊星歯車装置22のサンギヤS2によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置22のキャリヤCA2および第3遊星歯車装置のキャリヤCA3が互いに一体的に連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置22のリングギヤR2および第3遊星歯車装置24のリングギヤR3によって第3回転要素RM3が構成され、第3遊星歯車装置24のサンギヤS3が互いに連結されて第4回転要素RM4が構成されている。
第1回転要素RM1(サンギヤS2)は、第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結されて回転停止され、第3クラッチC3を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置18のリングギヤR1(すなわち第2中間出力経路PA2)に選択的に連結され、さらに、第4クラッチC4を介して入力軸16(すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1a)に選択的に連結されている。第2回転要素RM2(キャリヤCA2およびCA3)は、第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結されて回転停止させられるとともに、第2クラッチC2を介して入力軸16に選択的に連結されている。第3回転要素RM3(リングギヤR2およびR3)は、出力歯車28に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第4回転要素RM4(サンギヤS3)は、第1クラッチC1を介してリングギヤR1に連結されている。なお、ブレーキB1、B2、およびクラッチC1〜C4は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式等の油圧式摩擦係合装置である。
図2は、上記第1変速部20および第2変速部26の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」を示し、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸16と同じ回転速度を示している。また、第1変速部20の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリヤCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1(=サンギヤS1の歯数/リングギヤR1の歯数)に応じて定められる。図2は、たとえばギヤ比ρ1=0.463の場合である。第2変速部26の4本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RM1(サンギヤS2)、第2回転要素RM2(キャリヤCA2およびキャリヤCA3)、第3回転要素RM3(リングギヤR2およびリングギヤR3)、第4回転要素RM4(サンギヤS3)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ2および第3遊星歯車装置24のギヤ比ρ3に応じて定められる。図2は、たとえばギヤ比ρ2=0.463、ρ3=0.415の場合である。
そして、この共線図から明らかなように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられるとともに、第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力歯車28に連結された第3回転要素RM3は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比(=入力軸16の回転速度/出力歯車28の回転速度)の第1変速段「1st」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられるとともに、第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1変速段「1st」よりも変速比が小さい第2変速段「2nd」が成立させられる。第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられて、第4回転要素RM4および第1回転要素RM1が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられて第2変速部26が一体回転させられると、第3回転要素RM3は「3rd」で示す回転速度で回転させられ、第2変速段「2nd」よりも変速比が小さい第3変速段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第4クラッチC4が係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられるとともに、第1回転要素RM1が入力軸16と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「4th」で示す回転速度で回転させられ、第3変速段「3rd」よりも変速比が小さい第4変速段「4th」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2係合させられて、第4回転要素RM4が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられるとともに、第2回転要素RM2が入力軸16と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4変速段「4th」よりも変速比が小さい第5変速段「5th」が成立させられる。第2クラッチC2および第4クラッチC4が係合させられて、第2変速部26が入力軸16と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「6th」で示す回転速度すなわち入力軸16と同じ回転速度で回転させられ、第5変速段「5th」よりも変速比が小さい第6変速段「6th」が成立させられる。この第6変速段「6th」の変速比は1である。第2クラッチC2および第3クラッチC3が係合させられて、第1回転要素RM1が第1変速部20を介して入力軸16に対して減速回転させられるとともに、第2回転要素RM2が入力軸16と一体回転させられると、第3回転要素RM3は「7th」で示す回転速度で回転させられ、第6変速段「6th」よりも変速比が小さい第7変速段「7th」が成立させられる。第2クラッチC2および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸16と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第3回転要素RM3は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7変速段「7th」よりも変速比が小さい第8変速段「8th」が成立させられる。
また、第3クラッチC3および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が第1変速部20を介して減速回転させられるとともに、第2回転要素RM2が回転停止させられて、第3回転要素RM3は「Rev1」で示す回転速度で逆回転させられ、逆回転方向で変速比が最も大きい第1後進変速段「Rev1」が成立させられる。第4クラッチC4および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が入力軸16と一体回転させられるとともに、第2回転要素RM2が回転停止させられ、第3回転要素RM3は「Rev2」で示す回転速度で逆回転させられ、第1後進変速段「Rev1」よりも変速比が小さい第2後進変速段「Rev2」が成立させられる。第1後進変速段「Rev1」、第2後進変速段「Rev2」は、それぞれ逆回転方向の第1変速段、第2変速段に相当する。
図3は、上記各変速段を成立させる際の係合要素および変速比を説明する作動表であり、「○」は係合状態を表しており、空欄は解放である。各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置22、第3遊星歯車装置24の各ギヤ比ρ1〜ρ3によって適宜定められ、例えばρ1=0.463、ρ2=0.463、ρ3=0.415とすれば、変速比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であるとともにトータルの変速比幅(=4.532/0.667)も6.578程度と大きく、後進変速段「Rev1」、「Rev2」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
このように本実施例の自動変速機10は、変速比が異なる2つの中間出力経路PA1、PA2を有する第1変速部20および2組の遊星歯車装置22、24を有する第2変速部26により、4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1、B2の係合切換えで前進8速の変速ギヤ段が達成されるため、小型に構成され、車両への搭載性が向上する。また、図3に示されるように、本実施例の自動変速機10は、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切となっている。しかも、図3から明らかなように、クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替えるだけで各変速段の変速を行うことができるため、変速制御が容易で変速ショックの発生が抑制される。
図4は、本実施例の車両において、上記エンジン8、直結クラッチCi、自動変速機10の変速段、モータジェネレータMG1およびMG2などを制御するための制御系統を説明するブロック線図である。図4において、アクセルペダル50の操作量Accがアクセル操作量センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるものであることからアクセル操作部材に相当し、アクセル操作量Accは出力要求量に相当する。エンジン8の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によってアクセル操作量Accに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度制御のために上記電子スロットル弁56をバイパスさせるバイパス通路52には、エンジン8のアイドル回転速度NEIDL を制御するために電子スロットル弁56の全閉時の吸気量を制御するISC(アイドル回転速度制御)バルブ53が設けられている。この他、エンジン8の回転速度NE(=第1モータジェネレータMG1の回転速度)を検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン8の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットル弁開度センサ62、車速V(出力軸28の回転速度Nout に対応)を検出するための車速センサ64、自動変速機10の入力軸16の回転速度Nin(=第2モータジェネレータMG2の回転速度)を検出するための入力軸回転速度センサ66、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ68、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、エンジン8の冷却水温を検出するための冷却水温センサ76、自動変速機10の作動油温度を検出するための油温センサ80、排気ガスを浄化する触媒の温度を検出するための触媒温度センサ82、車両の加速度を検出するための加速度センサ84などが設けられており、それらのセンサやスイッチなどから、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、スロットル弁開度θTH、車速V、入力軸回転速度Nin、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、冷却水温Iw 、油温Toil 、触媒温度Tre、車両の加速度Gなどを表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっている。
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン8の出力制御、自動変速機10の変速制御、変速終了時ショック緩和制御、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2の力行制御や回生制御を行うハイブリッド制御などを実行するようになっており、必要に応じて、エンジン制御用、変速制御用、ハイブリッド制御用等に分けて構成される。
上記電子制御装置90によるエンジン8の出力制御では、スロットルアクチュエータ54により電子スロットル弁56を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射装置92を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置94を制御し、アイドル回転速度制御のためにISCバルブ53を制御する。電子スロットル弁56の制御は、例えば図5に示す関係から実際のアクセル操作量Accに基づいてスロットルアクチュエータ54を駆動し、アクセル操作量Accが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させる。また、エンジン8の始動時には、たとえば直結クラッチCiを解放させた状態で第1モータジェネレータMG196を電動モータとして作動させることによってエンジン8のクランク軸9を回転駆動(クランキング)する。
上記電子制御装置90による自動変速機10の変速制御では、たとえば図6に示す予め記憶された関係から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTHに基づいて変速判断が行われ、その判断された変速が得られるように変速用の油圧制御回路99内のATシフトソレノイドの励磁、非励磁により油圧回路を切り換えるなどして自動変速機16の変速制御を行う。この変速は、少なくともパワーオン走行において、通常、油圧制御回路98に設けられた直結クラッチ制御弁96により直結クラッチCiが係合させられた状態で実行される。上記ATシフトソレノイドは、切換弁などの作動状態を変更して油圧制御回路98を切り換えることにより、前記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4の係合、解放状態を切り換えて、前記複数の変速段やニュートラル「N」などを成立させるためのものであり、複数設けられている。上記電子制御装置90は、このATシフトソレノイドにより、上記図6に例示する車速Vおよびスロットル弁開度θTHをパラメータとして予め記憶された変速マップ(変速条件)に従って変速制御を行う変速制御手段を機能的に備えており、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って変速比が大きい低速側の変速段が成立させられるようにする。また、その変速時に係合または解放される前記クラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の過渡油圧をATライン圧コントロールソレノイドやリニアソレノイド弁SLNなどにより制御し、滑らかな変速を実行させる。
シフトレバー72は、図7に示すように、自動変速機10内の動力伝達経路を解放し且つその出力軸28の回転をロックするためのPポジション、自動変速機10の出力軸28を逆回転とするためのRポジション、自動変速機10内の動力伝達経路を解放するためのNポジション、自動変速機10の第1速乃至第8速の変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で自動変速制御を実行させるDポジション、手動変速モードに切換るためのMポジション、手動変速モードにおいて操作毎に変速範囲或いはギヤ段をアップ側にシフトさせるための「+」ポジション、手動変速モードにおいて操作毎に変速範囲或いはギヤ段をダウン側にシフトさせるための「−」ポジションへ操作されるようになっており、前記レバーポジションセンサ74はそのシフトレバー72の操作位置を検出する。上記電子制御装置90による自動変速機10の変速制御では、上記手動変速モードにおける手動操作に応答して、自動変速機10の変速範囲或いはギヤ段が変更される。
ところで、上記変速期間内では、エンジン8の回転速度が変速前の回転速度から変速後の回転速度へ向かって所定の変化速度で変化させられた後にその変速後の回転速度に同期させられるが、エンジン8の回転速度はその変速後の回転速度に強制的に維持されようとして回転速度変化が停止させられるときに動力伝達経路に弾性的なねじり振動が発生し、変速ショックの原因となる。このようなねじり振動は、トルクコンバータのような流体式伝動装置が介在させられる動力伝達系では目立たないが、図1に示すような、直結クラッチCiを介してクランク軸9と入力軸16とが直接連結される場合のようにクランク軸9と入力軸16とが機械的に連結される動力伝達系において顕著に発生する。上記電子制御装置90による自動変速機10の変速終了時ショック緩和制御では、このようなねじり振動を緩和するために、上記ねじり振動と逆位相のトルク振動をモータジェネレータMG1および/またはモータジェネレータMG2から付与する制御が行われるとともに、必要に応じて、変速過渡期間に点火時期の遅角によってエンジン出力を低下させるエンジン出力低下制御や、変速終了時期に直結クラッチCiを解放するか或いは滑らせる直結クラッチ制御が実行される。
また、上記電子制御装置90によるハイブリッド制御では、車両の走行状態に応じて、モータ走行、エンジン走行、モータ及びエンジン走行、回生制動走行等を行うために、直結クラッチCiの開閉制御、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2の力行制御、回生制御等が実行される。たとえば、モータ走行制御では、静粛な車両発進や走行のために、油圧制御回路98に設けられた直結クラッチ制御100により弁直結クラッチCiが解放させられた状態で、MG2コントローラ102によりインバータ106から駆動電流が第2モータジェネレータMG2に供給されてそれが駆動される。また、エンジン走行制御では、蓄電装置108の充電残量が少なくなったような場合でも走行するために、直結クラッチ制御100により直結クラッチCiが連結されることによりエンジン8の出力が自動変速機10の入力軸16に直接伝達されるとともに、必要に応じて第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2がMG2コントローラ102或いはMG1コントローラ104により発電状態とされ、その発電エネルギが蓄電装置108に蓄電される。また、モータ及びエンジン走行制御では、加速走行のために、上記直結クラッチCiが連結された状態で、エンジン8の出力と第1モータジェネレータMG1および/または第2モータジェネレータMG2の出力が自動変速機10の入力軸16に直接伝達される。回生制動制御では、ブレーキペダルが操作された制動操作時或いはコースト走行時において、所望の制動力を得るためにMG2コントローラ102によって第2モータジェネレータMG2が発電状態とされ、その発電に消費される回生トルクにより制動力を得ると共に発電エネルギがインバータ106を介して蓄電装置108に貯えられる。
図8は、前記電子制御装置90の制御機能の要部すなわち変速終了時ショック緩和制御を説明する機能ブロック線図である。図8において、変速制御手段110は、たとえば図6に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル開度θTHに基づいて変速判断を実行し、判断された変速を実行させるための変速出力を行うことにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える。たとえば、2→3アップ変速では、ブレーキB1を解放開始させ、その係合トルクがある程度維持されているときに、クラッチC3の係合を開始させてその係合トルクを発生させ、この状態で第2速の変速比γ2 から第3速の変速比γ3 へ移行させつつ、ブレーキB1の解放とクラッチC3の係合とを完了させる。変速判断手段は112は、上記変速制御手段110による変速が開始されたか否か、すなわち図9、図10のタイムチャートで言えばt1 時点をたとえば変速制御手段110の変速出力に基づいて判定する。変速終了判定手段114は、変速終了を、入力軸16の回転速度Ninが変速前の値から変速後の値へ変化する回転速度変化が完了したか否かすなわち入力軸16の回転速度Ninが変速後の同期回転速度に一致したか否かに基づいて判定する。また、変速終了判定手段114は、その変速終了直前を入力軸16の回転速度Ninが同期回転速度に近接したことに基づいて判定する。たとえば図9の2→3アップ変速では、入力軸16の回転速度Ninが第3速の同期回転速度(=回転速度Nout ×γ3 )に一致したt5 時点或いはその直前のt4 時点か否かが判断される。また、図10の3→2ダウン変速では、入力軸16の回転速度Ninが第2速の同期回転速度(=回転速度Nout ×γ2 )に一致したt5 時点或いはその直前のt4 時点であるか否かが判断される。なお、図9、図10のタイムチャートでは、変速直後に発生するトルク振動を直結クラッチCiのスリップと同時に逆位相トルク振動の付与が併用された例が示されているが、好適には、その逆位相トルク振動の付与は後述のように直結クラッチCiのスリップが不可能であると判定された場合に実行される。
スリップ制御可否判定手段116は、変速終期に動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するために直結クラッチ制御手段120による直結クラッチCiをスリップ或いは解放させる制御が可能か否かを判断する。すなわち、直結クラッチ制御弁96の故障、直結クラッチCiの故障或いは過熱等の有無に基づいて判断する。
上記直結クラッチ制御手段120は、上記変速終了判定手段114によって変速終了が判定されると或いはその変速終了の直前が判定されると、その変速終了時に動力伝達経路に発生するトルク振動の大きさを抑制するために、たとえば図11に示す予め記憶された関係から実際の自動変速機10の変速比γに基づいてスリップ制御量を決定し、変速終了直後のトルク振動が発生する所定期間において、たとえば図9或いは図10において、同期直前のt4 時点から逆位相トルク振動の終了であるt6 時点までの区間において、決定したスリップ制御量が得られるように直結クラッチ制御弁96を用いて直結クラッチCiを制御し、一時的にスリップさせて係合トルクを低下させる。上記スリップ制御量とは直結クラッチCiのすべり量である。なお、上記変速終期に発生するトルク振動は、図9、図10において破線の脈動により例示されている。
また、上記直結クラッチ制御手段120は、たとえば図12に示す予め記憶された関係からトルク制御率(%)に基づいてスリップ率を決定し、そのスリップ率が得られるように直結クラッチ制御弁96を用いて直結クラッチCiを制御し、一時的にスリップさせる。上記トルク制御率とは、前記トルク振動を抑制するために必要な制御量に対して逆位相トルク振動出力制御手段122、エンジン出力低下手段124により実際に作用するトルク制御量の割合(比率)である。また、上記スリップ率とは、前記トルク振動を抑制するために必要なスリップ量に対して実際に作用するスリップ量の割合である。なお、図12に示す関係において、トルク制御率に替えてトルク制御量が用いられてもよい。トルク制御率にそれほど変化がなければ、同じ効果が得られる。上記により、直結クラッチ制御手段120は、他の手段によるトルク振動の抑制を併用するときは、単独で実施する場合に比較して、スリップ制御量を減少させる。上記図12に示す関係は、トルク制御率が低いほどそれを補うためにスリップ率が高くされ、逆にトルク制御率が大きくなるほどスリップ率を低くする関係である。
抑制トルク制御手段118は、上記直結クラッチ制御手段120による直結クラッチCiのスリップ或いは解放に併用される状態で、変速終了直後のトルク振動を抑制するために、たとえば図9、図10に示すように、そのトルク振動とは逆位相のトルク振動を第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から発生させてそのトルク振動を相殺したり、直結クラッチCiを解放或いはスリップさせたり、エンジン8の出力を一時的に低下させたりして、上記トルク振動を抑制する。
抑制トルク制御手段118は、変速終期たとえば変速直後においてエンジン8の回転速度変化の停止に由来してエンジン8から駆動輪に至る動力伝達経路に発生するトルク振動とは逆位相のトルク振動を第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から発生させてそのトルク振動を相殺したり、直結クラッチCiを解放或いはスリップさせたり、エンジン8の出力を一時的に低下させたりして、自動変速機10の変速の終了時に車両の動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するための抑制トルクをその動力伝達経路に付与し、上記トルク振動を抑制する。上記変速終期に発生するトルク振動は、図9、図10において破線の脈動により示されている。
上記抑制トルク制御手段118は、逆位相トルク振動出力制御手段122と、エンジン出力低下手段124とを備えている。逆位相トルク振動出力制御手段122は、上記スリップ制御可否判定手段116によって、直結クラッチ制御手段120による直結クラッチCiをスリップ或いは解放させる制御が不能であると判定されると、変速直後に発生するトルク振動とは逆位相の逆位相トルク振動を動力伝達系に付与し、そのトルク振動を抑制する。逆位相トルク振動出力制御手段122は、上記逆位相のトルク振動の大きさを、たとえば図13に示す予め記憶された関係から実際の自動変速機10の変速比γに基づいて決定し、決定した逆位相のトルク振動を第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から前記動力伝達経路へ出力させる。図9或いは図10のt5 時点からt6 時点までの区間はこの状態を示している。上記変速終了に動力伝達経路に発生するトルク振動は、車両の動力伝達系固有のものであり、予め実験的にその周波数、減衰率が求められて記憶されているので、上記逆位相のトルク振動は、上記のトルク振動に対して反転した波形ではあって、そのトルク振動と同じ周波数および減衰率を備えている。上記逆位相のトルク振動の大きさは、図13の縦軸に示す逆位相トルク振動出力制御手段120のトルク制御量であって、逆位相のトルク振動の第1波形の振幅を示す。上記図13に示す関係は、変速比γが小さくなるほどトルク制御量が小さくなる関係である。
また、逆位相トルク振動出力制御手段122は、さらに、たとえば図14に示す予め記憶された関係からエンジン出力低下手段124によるエンジン8の出力トルクの一時的な低下量に基づいてトルク制御量を決定し、決定したトルク制御量すなわち逆位相のトルク振動の大きさで第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から前記動力伝達経路へ出力させる。
また、エンジン出力低下手段124は、上記変速終了に動力伝達経路に発生するトルク振動の大きさを抑制するために、アップ変速では変速過渡期間内のイナーシャ相の間、ダウン変速では変速過渡期間内のイナーシャ相の終期において、たとえば点火時期の遅角、スロットル弁開度の閉側操作、燃料噴射量の制限等を作動させることによってエンジン8の出力トルクを一時的に低下させる。
図15は、前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわち変速終了時ショック緩和制御作動を説明するフローチャートである。このフローチャートは、所定の周期で繰り返し実行される。
図15において、前記変速判断手段112に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1では、自動変速機10を変速させるための変速判断が行われたか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合はS2において他の制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。しかし、S1の判断が肯定される場合は、前記エンジン出力低下手段124に対応するS3において、エンジン8の出力トルクが一時的に低下させられる。このエンジン出力トルクの一時的低下は、アップ変速では図9に示すようにエンジン回転速度NEが変化する区間であるイナーシャ相の全般にわたって実行され、ダウン変速では図10に示すようにイナーシャ相の終期において実行される。
次いで、前記変速終了判定手段114に対応するS4において、変速終了であるか否かがたとえばエンジン回転速度NEが変速後のギヤ段で決まる同期回転速度に一致したことに基づいて判断される。このS5の判断が否定される場合は前記S2において他の制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。しかし、このS4の判断が肯定される場合は、前記スリップ制御可否判定手段116に対応するS5において、前記変速終期に発生するトルク振動を抑制するために直結クラッチCiをスリップ或いは解放させる制御が可能な状態であるか否かが、直結クラッチ制御弁96の異常、直結クラッチCiの異常或いは過熱の有無に基づいて判断される。
上記S5の判断が肯定される場合は、前記直結クラッチ制御手段120に対応するS6において、図11および図12に示す関係から変速比γおよびトルク制御率に基づいてスリップ量およびスリップ率が決定され、上記逆位相トルク振動が動力伝達系に付与されている間において、上記決定されたスリップ量およびスリップ率となるように直結クラッチCiがスリップさせられてその係合トルクが一時的に低下させられる。そして、S8において、変速終了処理が実行されて本ルーチンが終了させられる。
しかし、上記S5の判断が肯定される場合は、前記逆位相トルク振動出力制御手段122に対応するS8において、エンジン8の回転速度NEが同期回転速度に一致してそれに維持されることにより発生するトルク振動と逆位相のトルク振動の大きさ(トルク制御量)がたとえば図13に示す予め記憶された関係から実際の自動変速機10の変速比γに基づいて決定されるとともに、たとえば図14に示す予め記憶された関係からエンジン出力低下手段122によるトルク低下量に基づいてトルク制御量が決定され、決定されたトルク制御量に対応する逆位相のトルク振動が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から前記動力伝達経路へ出力させられる。図9或いは図10のt5 時点からt6 時点までの区間はこの状態を示している。そして、S8において、変速終了処理が実行される。
上述のように、本実施例では、自動変速機10の変速の終了時に直結クラッチCiをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段120を、含むことから、変速終了時にエンジン回転速度変化の急停止により発生するトルク振動が上記直結クラッチCiのスリップ或いは解放によって吸収されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、本実施例では、変速終了時に直結クラッチCiのスリップ或いは解放制御が可能であるか否かを判定する直結クラッチ作動可否判定手段116と、その直結クラッチ作動可否判定手段116によって直結クラッチCiのスリップ或いは解放制御が不能であると判定された場合に、自動変速機10の変速の終了時に車両の動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するための抑制トルクをその動力伝達経路に付与する抑制トルク制御手段118とがさらに含まれることから、変速終了時にエンジン回転速度変化の急停止により発生するトルク振動が上記直結クラッチCiのスリップ或いは解放によって吸収されない場合には、それに替えて、動力伝達経路に付与されたトルク振動を抑制するための上記抑制トルクによってそのトルク振動が抑制されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、本実施例では、自動変速機10の入力軸16に作動的に連結された第1モータジェネレータMG1および/または第2モータジェネレータMG2(電動機)を備え、前記抑制トルク制御手段118は、その電動機からトルク振動を抑制するための抑制トルクを出力させるものであることから、その電動機から動力伝達経路に付与された抑制トルクによって前記トルク振動が抑制されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、本実施例では、上記抑制トルク制御手段118は、前記トルク振動を抑制するための抑制トルクとしてそのトルク振動とは逆位相の逆位相トルク振動を前記電動機から出力させる逆位相トルク出力制御手段122を含むことから、その電動機から動力伝達経路に付与された逆位相トルク振動によって上記トルク振動が相殺されるので、変速終了時のトルク振動による変速ショックが好適に抑制される。
また、本実施例では、自動変速機10の変速の終期にエンジン8の出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段124がさらに設けられていることから、変速終了時に発生するトルク振動がその出力トルクの一時的低下により小さくされるので、それを吸収するための直結クラッチのスリップ制御量やそれを相殺するための逆位相トルク振動が軽減される。
また、本実施例では、逆位相トルク出力制御手段122は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることから、適切な大きさの逆位相トルク振動が動力伝達系に付与されることによって変速終了時に発生するトルク振動が好適に相殺される。
また、本実施例では、上記逆位相トルク出力制御手段122は、変速の種類に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものであることから、適切な大きさの逆位相トルク振動が動力伝達系に付与されることによって変速終了時に発生するトルク振動が好適に相殺される。
また、本実施例では、直結クラッチ制御手段120は、変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して直結クラッチCiのスリップ量を変更するものであることから、適切な大きさのスリップ量のすべりが動力伝達系に直列に介挿された直結クラッチCiに発生させられることによって変速終了時に発生するトルク振動が好適に吸収される。
また、本実施例では、直結クラッチ制御手段120は、前記変速の種類に依存して直結クラッチCiのスリップ量を変更するものであることから、適切な大きさのスリップ量のすべりが動力伝達系に直列に介挿された直結クラッチCiに発生によって変速終了時に発生するトルク振動が好適に吸収される。
図16は、前記電子制御装置90の制御作動の他の実施例の要部すなわち変速終了時ショック緩和制御作動の他の実施例の作動を説明するフローチャートである。このフローチャートも、所定の周期で繰り返し実行される。
図16において、変速判断手段に対応するステップS11、他の制御が実行されるS12、エンジン出力低下手段に対応するS13、変速終了判定手段に対応するS14は、前述の図15のS1、S2、S3、S4と同様に実行される。すなわち、S11の判断が否定されるとS12の他の制御が実行された後で本ルーチンが終了させられるが、S11の判断が肯定される場合は、前記エンジン出力低下手段124に対応するS13において、エンジン8の出力トルクが一時的に低下させられる。このエンジン出力トルクの一時的低下は、アップ変速では図9に示すようにエンジン回転速度NEが変化する区間であるイナーシャ相の全般にわたって実行され、ダウン変速では図10に示すようにイナーシャ相の終期において実行される。次いで、S14において変速が終了したか否かが、図15のS4と同様に、たとえばエンジン回転速度NEが変速後のギヤ段で決まる同期回転速度に一致したことに基づいて判断される。
このS14の判断が否定される場合は前記S2において他の制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。しかし、このS14の判断が肯定される場合は、入力トルクダウン制御可否判定手段に対応するS15において、エンジン出力トルクすなわち自動変速機10の入力トルクを一時的に低下させる制御が可能な状態であるか否かが、点火時期調節装置の故障や触媒の過熱の有無等に基づいて判断される。
上記S15の判断が肯定される場合は、逆位相トルク振動出力制御手段に対応するS16において、エンジン8の回転速度NEが同期回転速度に一致してそれに維持されることにより発生するトルク振動と逆位相のトルク振動の大きさが、たとえば図11に示す予め記憶された関係から実際の自動変速機10の変速比γに基づいて決定され、決定された逆位相のトルク振動が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2から前記動力伝達経路へ出力させられる。同時に、直結クラッチ制御手段に対応するS17において、上記変速終了に動力伝達経路に発生するトルク振動の大きさを抑制するために、たとえば図12に示す予め記憶された関係から実際のトルク制御率に基づいてスリップ率が決定され、上記逆位相トルク振動が動力伝達系に付与されている間において、上記決定されたスリップ率となるように直結クラッチCiの係合トルクが一時的に低下させられる。そして、S8において、変速終了処理が実行される。
しかし、前記S15の判断が否定される場合は、前記直結クラッチ制御手段に対応するS19において、S17の場合よりも大きくなるようにスリップ率が決定され、上記逆位相トルク振動が動力伝達系に付与されている間において、上記決定されたスリップ率となるように直結クラッチCiの係合トルクが一時的に低下させられる。そして、S8において、変速終了処理が実行される。
上述のように、本実施例においても、前述の実施例と同様に、変速周期のショックが好適に抑制される。また、本実施例においては、入力トルクダウン制御が不可能である場合は、S17の場合よりも大きくなるように決定されたスリップ率となるように直結クラッチCiの係合トルクが一時的に低下させられるので、入力トルクダウン制御が実行され得ない場合でも好適に変速ショックが緩和される。なお、本実施例の場合、S15の判断が肯定される場合に実行されるS17は必ずしも設けられていなくてもよいし、逆位相トルク振動出力制御手段に対応するステップが、上記S19の前または後にに隣接して設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例において、逆位相トルク振動出力制御手段122、エンジン出力低下手段124を含む抑制トルク制御手段118や、スリップ制御可否判定手段116は必ずしも設けられていなくてもよい。
また、前述の実施例では、第2モータジェネレータMG2は入力軸16に設けられていたが、自動変速機16の入力軸16よりも下流側たとえば入力軸16と出力軸28との間に設けられていてもよい。
また、前述の実施例では、直結クラッチ制御手段122は、トルク振動を小さくするために、変速期間内において直結クラッチCiを一時的にスリップさせていたが、その代りに直結クラッチCiを一時的に解放させてもよい。
また、前述の実施例の直結クラッチ制御手段120では、直結クラッチCiのスリップ量やスリップ率が、図11に示される関係から実際の自動変速機10の変速比γに依存して決定されたり、図12に示される関係から変速期間内に一時的に実行されるエンジン出力低下手段124に関連するトルク制御率に依存して決定されたりしていたが、自動変速機10の変速比γおよびトルク制御率の一方に依存して決定されてもよいし、必ずしもそれら自動変速機10の変速比γおよびトルク低下量に依存して決定されなくてもよい。たとえば上記スリップ量は一定値であっても相応の効果が得られる。
また、前述の実施例において、図11および図13の横軸は自動変速機10の変速前或いは変速後の変速比γを示すものであるが、1→2変速、2→3変速、3→4変速等の変速の種類を示すものであってもよいし、イナーシャトルクの大きさを示すものであってもよい。要するに、変速終了直後にエンジン8の回転速度が同期回転速度に一致させられてエンジン8の回転速度変化が停止させられたときに発生するイナーシャトルクの大きさに対応してトルク振動が発生するので、上記横軸はイナーシャトルクの大きさに関連するパラメータであればよい。飛び越し変速の場合は自動変速機10の変速比γが一挙に大きく変化させられるので、図11の関係からトルク制御量も大きく変化させられる。
また、前述の実施例の逆位相トルク振動出力制御手段122では、逆位相トルク振動の大きさ(トルク制御量)が、図13に示される関係から実際の自動変速機10の変速比γに依存して決定されたり、図14に示される関係から変速期間内に一時的に実行されるエンジン出力低下手段124によるトルク低下量に依存して決定されたりしていたが、自動変速機10の変速比γおよびトルク低下量の一方に依存して決定されてもよいし、必ずしもそれら自動変速機10の変速比γおよびトルク低下量に依存して決定されなくてもよい。たとえば上記トルク制御量は一定値であっても相応の効果が得られる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例の制御装置が適用される有段式自動変速機の要部構成を説明する骨子図である。 図2の有段式自動変速機の作動を説明する共線図である。 図1の有段式自動変速機の変速段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとの関係を示す作動表である。 図1の有段式自動変速機を制御するための制御装置の制御系統を説明する図である。 図4の電子制御装置の電子式スロットル弁開制御において用いられる関係を示す図である。 図4の電子制御装置の変速制御において用いられる変速線図を示す図である。 図4のシフトレバーの操作位置を説明する図である。 図4の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図4の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートであって、2→3アップ変速時の作動を示している。 図4の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートであって、3→2ダウン変速時の作動を示している。 図8の直結クラッチ制御手段において、自動変速機の変速比に基づいてスリップ量を決定する際に用いられる関係を示す図である。 図8の直結クラッチ制御手段において、トルク制御率に基づいてトルク制御量を決定する際に用いられる関係を示す図である。 図8の逆位相トルク振動出力制御手段において、自動変速機の変速比に基づいてトルク制御量を決定する際に用いられる関係を示す図である。 図8の逆位相トルク振動出力制御手段において、エンジン出力トルク低下手段によるトルク低下量に基づいてトルク制御量を決定する際に用いられる関係を示す図である。 図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例における電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
符号の説明
8:エンジン
10:自動変速機(有段式自動変速機)
16:入力軸
90:電子制御装置(制御装置)
116:逆位相トルク付与可否判定手段
118:抑制トルク制御手段
120:直結クラッチ制御手段
122:逆位相トルク振動出力制御手段
124:エンジン出力低下手段
Ci:直結クラッチ
MR1:第1モータジェネレータ(電動機)
MR2:第2モータジェネレータ(電動機)

Claims (11)

  1. 有段式自動変速機と、エンジンと該有段式自動変速機の入力軸との間に介挿された直結クラッチを備え、該有段式自動変速機の入力軸が該直結クラッチを介してエンジンと機械的に連結された状態で変速を実行する車両用有段式自動変速機の制御装置であって、
    前記有段式自動変速機の変速中前記直結クラッチを係合状態に保つとともに、該有段式自動変速機の変速の終了時に一時的に前記直結クラッチをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段を、含むことを特徴とする車両用有段式自動変速機の制御装置。
  2. 前記変速終了時に前記直結クラッチのスリップ或いは解放が可能であるか否かを判定する直結クラッチ作動可否判定手段と、
    該直結クラッチ作動可否判定手段によって前記直結クラッチのスリップ或いは解放が不能であると判定された場合に、前記有段式自動変速機の変速の終了時に車両の動力伝達経路に発生するトルク振動を抑制するための抑制トルクを該動力伝達経路に付与する抑制トルク制御手段と
    を、含むことを特徴とする請求項1の車両用有段式自動変速機の制御装置。
  3. 前記有段式自動変速機の入力軸に作動的に連結された電動機を備え、
    前記抑制トルク制御手段は、該電動機から前記トルク振動を抑制するための抑制トルクを出力させるものである請求項2の車両用有段式自動変速機の制御装置。
  4. 前記抑制トルク制御手段は、前記トルク振動を抑制するための抑制トルクとして前記トルク振動とは逆位相の逆位相トルク振動を前記電動機から出力させる逆位相トルク出力制御手段を含むものである請求項3の車両用有段式自動変速機の制御装置。
  5. 前記有段式自動変速機の変速の終期に前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの車両用有段式自動変速機の制御装置。
  6. 前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものである請求項4の車両用有段式自動変速機の制御装置。
  7. 前記逆位相トルク出力制御手段は、前記変速の種類に依存して前記逆位相トルク振動の大きさを変更するものである請求項4の車両用有段式自動変速機の制御装置。
  8. 前記直結クラッチ制御手段は、前記変速終了時に発生するイナーシャトルク低下量に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものである請求項1乃至7の何れかの車両用有段式自動変速機の制御装置。
  9. 前記直結クラッチ制御手段は、前記変速の種類に依存して前記直結クラッチのスリップ量を変更するものである請求項1乃至7の何れかの車両用有段式自動変速機の制御装置。
  10. 有段式自動変速機と、エンジンと該有段式自動変速機の入力軸との間に介挿された直結クラッチを備え、該有段式自動変速機の入力軸が該直結クラッチを介してエンジンと機械的に連結された状態で変速を実行する車両用有段式自動変速機の制御装置であって、
    前記有段式自動変速機の変速の終期に前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段と、
    前記有段式自動変速機の変速中前記直結クラッチを係合状態に保つとともに、該有段式自動変速機の変速の終了時に一時的に前記直結クラッチをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用有段式自動変速機の制御装置。
  11. 有段式自動変速機と、エンジンと該有段式自動変速機の入力軸との間に介挿された直結クラッチを備え、該有段式自動変速機の入力軸が該直結クラッチを介してエンジンと機械的に連結された状態で変速を実行する車両用有段式自動変速機の制御装置であって、
    前記有段式自動変速機の変速の終期に前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるエンジン出力低下手段と、
    前記有段式自動変速機の変速中前記直結クラッチを係合状態に保つとともに、該エンジン出力低下手段による前記エンジンの出力トルクの一時的な低下ができない場合に、該有段式自動変速機の変速の終了時に一時的に前記直結クラッチをスリップ或いは解放させる直結クラッチ制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用有段式自動変速機の制御装置。
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