JP3991868B2 - 金型成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型を用いてめねじ部を有する成形品を形成する金型成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、締結部となるめねじ部を有する成形品の形成方法として、例えば、ダイカスト鋳造加工によりアルミニウム合金の成形品を形成し、この成形品に切削加工(所謂タップ加工)によりめねじ部を形成する方法が採用されている。
【0003】
また、下記特許文献1では、ダイカスト鋳造加工を行なう金型にめねじ部形成用の中子ピンを設け、金型内に溶融金属を充填、冷却凝固した後、鋳造成形品内から中子ピンを回転退避させて、めねじ部を有する成形品を鋳造時に一体的に形成する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−187243号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダイカスト鋳造加工において一般的な充填材料であるアルミニウム合金を用い、上記特許文献1に提案された方法により成形品を形成すると、アルミニウム合金が中子ピンに焼き付きやすい。これにより、成形品内から中子ピンを回転退避するときにねじ山が破壊されやすく、めねじ部を安定して形成できないという不具合が発生する。
【0006】
また、この不具合を解消する方法として、前述のように、ダイカスト鋳造加工によりアルミニウム合金の成形品を形成し、この成形品に切削加工によりめねじ部を形成する方法を採用すると、製造工程が複雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、製造工程を複雑にすることなくめねじ部を安定して形成するとこが可能な金型成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、
めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
凝固工程の後で、成形品(50)内から中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を形成する金型成形方法において、
中子ピン部材(30)は鉄材製であり、
充填工程で充填される前記溶融材料もしくは半溶融材料は、マグネシウム合金からなり、
前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴としている。
【0009】
ここで、マグネシウム合金は、アルミニウム合金等に比較して、鉄材からなる中子ピン部材(30)を含む金型(1)に焼き付き難い性質を有している。したがって、中子ピン部材(30)を有する金型(1)による成形時に、めねじ部(53)を有する成形品(50)を一体的に形成することができる。このようにして、製造工程を複雑にすることなくめねじ部(53)を安定して形成することができる。
また、ねじ抜き工程を行なうときの中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、充填工程を行なう前に調節する金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることにより、成形品(50)内から回転退避する中子ピン部材の寸法を複数回に亘り略同一とすることができる。したがって、複数個の成形品(50)のめねじ部(53)のねじ寸法のばらつきを抑制することができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明では、
めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
めねじ部(53)を有する成形品(50)を形成する金型成形方法において、
前記ねじ抜き工程を行なうときの中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、充填工程を行なう前に調整する金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明のように、金型(1)は、成形品(50)を成形するための製品部(5)と、製品部(5)の温度を検出する温度検出手段(28)と、金型(1)の製品部(5)近傍を温度調節する温度調節手段(27)とを備え、
充填工程を行なう前に、温度検出手段(28)の検出結果に基づいて温度調節手段(27)を通電発熱させて、製品部(5)近傍を所定温度に調整し、前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、温度調節手段(27)は、ヒータ(27)とすることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、温度検出手段(28)は、熱電対(28)とすることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、金型(1)は、成形品(50)を成形するための製品部(5)と、製品部(5)の温度を検出する温度検出手段(28)と、熱媒体を流通する熱媒体配管とを備え、
充填工程を行なう前に、温度検出手段(28)の検出結果に基づいて熱媒体配管内に前記熱媒体を流通して、金型(1)の製品部(5)近傍を所定温度に調整し、前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることができる。
また、請求項7に記載の発明では、
めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
充填工程で充填された溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
めねじ部(53)を有する成形品(50)を成形する金型成形方法において、
充填工程の前に、中子ピン部材(30)に潤滑剤を塗布する塗布工程を備え、
塗布工程では、潤滑剤の塗布により中子ピン部材(30)が300℃以下となるように冷却し、
ねじ抜き工程を開始するときの中子ピン部材(30)の温度を、複数回の成形サイクルにおいて同一の所定温度とすること特徴としている。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本実施形態の成形用金型である金型1の概略断面構成図である。
【0027】
本実施形態の金型1は、溶融金属もしくは半溶融金属(本例では、マグネシウム合金)の射出成形用金型であって、鉄材からなる固定型11と可動型12とにより構成されている。固定型11内にはスプルー2が設けられ、スプルー2の下流側端部にはランナー3が接続している。そして、ランナー3の先端にゲート部4を介して製品部5が形成されている。
【0028】
図示は省略しているが、本実施形態では、射出機として、例えばインライン式のスクリュー射出機が使用され、成形時には、スクリューを内蔵したスクリュー外筒の先端部であるノズル部が、金型1のスプルー2の開口部に当接して配置されるようになっている。スプルー2およびランナー3からなる構成が、製品部5内に金属を供給するための供給経路である。
【0029】
可動型12に設けられた21はエジェクタピンであり、エジェクタピン21は図中右方に移動することにより、製品部5内および供給経路内で凝固した金属を可動型12から離型できるようになっている。
【0030】
上記製品部5内で成形される成形品50の概略断面構成を図2に示す。図2に示すように、成形品50は平板状のプレート部51と、プレート部51から垂直方向に延設された円筒部52とにより構成されている。そして、円筒部52の内面にはめねじ部53が形成されている。
【0031】
図1において30を付した部材が本実施形態における中子ピン部材であるねじ形状ピンである。ねじ形状ピン30は、一部が可動型12の摺動孔24内に配置され、図中右方側端部に前述の製品部5内に突設可能なめねじ形成部31を備えている。めねじ形成部31は、成形品50のめねじ部53に対応するように、おねじ形状をなしている。なお、ねじ形状ピン30は鉄材からなり、めねじ形成部31の表面には、マグネシウム合金との活性が低いセラミック材層(本実施形態の不活性材層)がコーティングされている。
【0032】
ねじ形状ピン30の図中左方側端部には、めねじ形成部31と同一ピッチのおねじが形成されたねじ部32を備えており、ねじ部32は可動型12に設けられためねじ形状のガイド部22と螺合するようになっている。ねじ部32とガイド部22とからなる構成が回転スライド機構として機能し、ねじ形状ピン30が回動することにより、めねじ形成部31が製品部5内に進退可能となっている。
【0033】
ねじ形状ピン30のねじ部32の図中右方側には、ギア33が形成されており、駆動モータ23に連結したギア23aと歯合している。そして、駆動モータ23が作動すると、ギア23a、33により駆動力が伝達され、ねじ形状ピン30が回動するようになっている。
【0034】
25は可動型12内に形成された流体経路であり、流体経路25の下流側端部は摺動孔24内に開口している。また、流体通路25の上流側端部には流体ノズル26が配設されており、流体通路25内に向かって流体(本例では離型剤)を吐出できるようになっている。
【0035】
27は、可動型12の製品部5近傍を温度調節する温調手段としてのヒータであり、28は可動型12の製品部5の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ(本例では熱電対)である。そして、温度センサ28の検出結果に基づいてヒータ27を通電発熱することで、金型1のめねじ形成部31を含む製品部5近傍を所定温度に制御するようになっている。
【0036】
次に、上記構成の金型1を用いた成形品50の製造方法について説明する。
【0037】
成形品50を製造する場合には、まず、図3に示すように、型開きした金型1の固定型11と可動型12との間に離型剤塗布用の塗布ノズル40を配置し、製品部5内面等に離型剤を塗布する。本実施形態では塗布ノズル40から水溶性離型剤を塗布しているが、油性離型剤等を塗布するものであってもよい。なお、このとき、ねじ形状ピン30は図中右方側に前進した位置にあり、めねじ形成部31は製品部5内に突出している。
【0038】
図3に示すように、離型剤を塗布したら、次に、図4に示すように、可動型12を移動させ、固定型11と可動型12とを(金型1を)型締めする。金型1を型締めしたら、スプルー2の上流側端部に図示しない射出ユニットのノズル部を当接し、溶融したマグネシウム合金を射出して、図5に示すように、スプルー2、ランナー3を介して、ゲート部4から製品部5内に溶融状態のマグネシウム合金を充填する。
【0039】
本例では、600℃の溶融マグネシウム合金(例えば、合金番号AZ91D材)を、2m/sのスピード(図示しない射出ユニットのスクリュー前進速度)で射出して、金型1内の製品部5に充填を行なった。なお、充填する材料は、上述のような溶融材料ではなく、一部固相が残る半溶融材料(例えば、560〜570℃に加熱されたAZ91D材)であってもよい。また、AZ91D材に限定されず、AM50A材、AM60B材等であってもよい。
【0040】
製品部5内に溶融状態のマグネシウム合金を充填すると、金型1がマグネシウム合金から熱を奪い、マグネシウム合金を冷却して凝固させる。これにより、金型1の製品部5内には、図2に示すような成形品50が形成される。マグネシウム合金が所定温度まで冷却、凝固したら、成形品50内からめねじ形成部31を回転しながら退避させるねじ抜き動作を行なう。
【0041】
ここで、溶融マグネシウム合金が充填される前の金型1(少なくとも製品部5の近傍)は、ヒータ27と温度センサ28とのより、予め設定された温度(本例では200℃)に温度調節されている。そこに、溶融マグネシウム合金が充填されることで、型温は一端急激に上昇した後、前述の設定温度(本例では200℃)に向かって下降してくる。その間、型温を温度センサ28により常時計測し、型温が予め設定された温度(本例では、ねじ抜き開始温度200℃)に到達したら、めねじ形成部31のねじ抜き動作を行なう。
【0042】
駆動モータ23を駆動させ、歯合したギア23a、33を介して、ねじ形状ピン30を回動させる。この回動に伴ない、図6に示すように、ガイド部22とねじ部32とからなる回転スライド機構の作用により、ねじ形状ピン30は図中左方側に移動する。回転スライド機構のねじピッチは、めねじ形成部31のねじピッチと同一であるので、めねじ形成部31は、凝固形成された成形品50のめねじ部53に沿って回転しながら図中左方側に退避する。
【0043】
図6に示すように、めねじ形成部31が成形品50(製品部5)内から完全に引抜かれたら(退避したら)、図7に示すように、可動型12を移動させて金型1を型開きする。そして、図8に示すように、エジェクタピン21を図中右方側に移動させて、成形品50および供給経路内の凝固物とを可動型12から離型する。
【0044】
離型した成形品50と供給経路内の凝固物とをゲート部4に対応する位置において切断することにより、図2に示すようなめねじ部53を有する成形品50が得られる。
【0045】
成形品50等を離型した金型1は、ねじ形状ピン30およびエジェクタピン21を図3に示す位置に復帰させ、上述と同様の成形サイクルにより、次回の成形を行なう。
【0046】
このようにして、成形サイクルを繰り返すときには、各種成形条件は略同一とし、特にねじ抜き開始温度は同一にすることが好ましい。これによると、成形品50内からねじ抜きするめねじ形成部31の寸法を複数回に亘り同一とすることができる。したがって、複数個の成形品50のめねじ部53のねじ寸法のばらつきを抑制することができる。
【0047】
なお、図3に示す工程が本実施形態における塗布工程である。図5に示す工程が本実施形態における充填工程であり、図5に示す状態で充填された金属が冷却凝固する工程が凝固工程である。また、図6に示す工程が本実施形態におけるねじ抜き工程である。
【0048】
ここで、上述の成形サイクルを繰り返すときに、充填工程の前に、前成形サイクル中に行なわれるねじ形状ピン30の冷却工程について説明する。上述の成形サイクル中、図3〜図6に示す工程では、ねじ形状ピン30は、図9に示す位置にあり、摺動孔24内において流体経路25の下流端を閉じている。
【0049】
その後、ねじ抜きおよび成形品50の離型が行なわれると、図10に示すように、流体経路25の下流端は摺動孔24内において開口し、めねじ形成部31のねじ溝を介して、製品部5および外部と連通する。図10に示す状態において、流体ノズル26は流体である離型剤を吐出する。吐出された離型剤は、めねじ形成部31のねじ溝に沿って流れ、めねじ形成部31を冷却しつつめねじ形成部31の全域に塗布される。
【0050】
これにより、可動型12の本体部に対し別部材で構成しているために成形時に昇温し易いねじ形状ピン30のめねじ形成部31を確実に(本例では200℃に)冷却し、充填工程以降の溶融マグネシウム合金との反応性を低下させることができる。また、塗布された離型剤により、ねじ抜き工程におけるめねじ形成部31とめねじ部53との摩擦抵抗を減少し離型を容易にすることができる。また、離型剤は摺動孔24の内面にも塗布されるので、摺動孔24とねじ形状ピン30との潤滑も良好に行なわれる。
【0051】
以上が充填工程前に行なわれる本実施形態における冷却工程である。なお、上記例では、ねじ形状ピン30のめねじ形成部31の温度を200℃に冷却したが、冷却温度は300℃以下とすることが好ましい。本発明者らは、冷却温度が300℃以下の場合には、300℃より高い場合よりも、めねじ形成部31とめねじ部53との焼き付きが発生し難いことを確認している。
【0052】
上述の構成および製造方法によれば、充填工程では、金型1内に溶融したマグネシウム合金が充填される。マグネシウム合金は、アルミニウム合金等に比較して、一般的な金型材料である鉄材に対し焼き付き難い性質を有している。したがって、金型1、特にねじ形状ピン30のめねじ形成部31に焼き付き難い。
【0053】
また、AZ91D材等のマグネシウム合金は、耐食性や強度特性等の向上を目的として数パーセントのアルミニウムを含有している。ところが、めねじ形成部31には表面にセラミック材層が形成されている。また、充填工程前には、製品部5内面に離型剤が塗布され、特にめねじ形成部31には確実に離型剤の塗布が行なわれている。したがって、充填されるマグネシウム合金に焼き付きを発生し易いアルミニウムが含まれていても、金型材料との接触を抑制することができる。
【0054】
さらに、充填工程の前には、冷却工程において、めねじ形成部31が確実に冷却されている。したがって、マグネシウム合金に含まれるアルミニウムがめねじ形成部31の金型材料に接触したとしても、焼き付きは発生し難い。
【0055】
このようにして、めねじ部53を切削工程等の別工程で形成することなく、成形品50形成時にめねじ部53を安定して形成することができる。
【0056】
従来から、成形品を樹脂により形成し、樹脂成形時に締結部となるめねじ部を形成する方法も知られているが、締結強度が確保し難いという問題がある。要求される締結強度が高い場合には、めねじ部が形成された金属部品をインサート成形する方法や、めねじ部が形成された金属部品を成形品に圧入する方法が用いられているが、製造工程は複雑である。本実施形態のように、製造工程を複雑にすることなく、めねじ部を安定して形成できる効果は非常に大きい。
【0057】
(他の実施形態)
上記一実施形態では、冷却工程において流体ノズル26が吐出する流体は離型剤であったが、めねじ形成部31を冷却できる流体であれば、これに限定されるものではない。たとえば、冷却と潤滑とを目的として潤滑剤を吐出するものであってもよいし、冷却のみを目的として、空気、特に冷却した空気、もしくは水等を吐出するものであってもよい。
【0058】
また、上記一実施形態では、製品部5近傍を温度調節する温調手段としてヒータ27を設けていたが、これに限定されるものではない。例えば、熱媒体配管を配設し、この配管内に油、空気、水等を熱媒体として流通して温度調節するものであってもよい。
【0059】
また、上記一実施形態では、図6に示すように、ねじ抜き工程が行なわれた後に、図7に示すように、型開きを行なうものであったが、型開き力を回転力とする機構を設け、ねじ抜きと型開きとを同時に行なうものであってもよい。
【0060】
また、上記一実施形態では、溶融したマグネシウム合金を射出ユニットから金型内に射出充填する所謂射出成形法を採用したが、上記一実施形態中でも説明した半溶融のマグネシウム合金を射出充填する所謂チクソモールディング法を採用してもよいし、ダイカスト鋳造法、スクイズ鋳造法、低圧鋳造法、重力鋳造法等を採用するものであってもよい。金型を用いる成形法であれば本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における成形用金型である金型1の概略構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における成形品の概略構造を示す断面図である。
【図3】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、離型剤の塗布工程を示す図である。
【図4】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、塗布工程の後、型締めした状態を示す図である。
【図5】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、マグネシウム合金の充填工程および凝固工程を示す図である。
【図6】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、めねじ形成部のねじ抜き工程を示す図である。
【図7】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、ねじ抜き工程の後、型開きをした状態を示す図である。
【図8】成形品の製造工程を説明するための概略断面図であり、成形品を離型した状態を示す図である。
【図9】成形品の製造工程を説明するための要部概略断面図であり、冷却工程を行なう前の状態を示す図である。
【図10】成形品の製造工程を説明するための要部概略断面図であり、冷却工程を示す図である。
【符号の説明】
1 金型
5 製品部
11 固定型
12 可動型
22 ガイド部
25 流体通路
26 流体ノズル
27 ヒータ(温調手段)
28 温度センサ
30 ねじ形状ピン(中子ピン部材)
40 塗布ノズル
50 成形品
53 めねじ部
Claims (7)
- めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
前記めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を形成する金型成形方法において、
前記中子ピン部材(30)は鉄材製であり、
前記充填工程で充填される前記溶融材料もしくは半溶融材料は、マグネシウム合金からなり、
前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴とする金型成形方法。 - めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
前記めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を形成する金型成形方法において、
前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴とする金型成形方法。 - めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
前記めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を形成する金型成形方法において、
前記中子ピン部材(30)は鉄材製であり、
前記充填工程で充填される前記溶融材料もしくは半溶融材料は、マグネシウム合金からなり、
前記金型(1)は、前記成形品(50)を成形するための製品部(5)と、前記製品部(5)の温度を検出する温度検出手段(28)と、前記製品部(5)近傍を温度調節する温度調節手段(27)とを備え、
前記充填工程を行なう前に、前記温度検出手段(28)の検出結果に基づいて前記温度調節手段(27)を通電発熱させて、前記製品部(5)近傍を所定温度に調整し、前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴とする金型成形方法。 - 前記温度調節手段(27)は、ヒータ(27)であることを特徴とする請求項3に記載の金型成形方法。
- 前記温度検出手段(28)は、熱電対(28)であることを特徴とする請求項3に記載の金型成形方法。
- めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
前記めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を形成する金型成形方法において、
前記中子ピン部材(30)は鉄材製であり、
前記充填工程で充填される前記溶融材料もしくは半溶融材料は、マグネシウム合金からなり、
前記金型(1)は、前記成形品(50)を成形するための製品部(5)と、前記製品部(5)の温度を検出する温度検出手段(28)と、熱媒体を流通する熱媒体配管とを備え、
前記充填工程を行なう前に、前記温度検出手段(28)の検出結果に基づいて前記熱媒体配管内に前記熱媒体を流通して、前記製品部(5)近傍を所定温度に調整し、前記ねじ抜き工程を行なうときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回に亘り、前記充填工程を行なう前に調整する前記金型(1)の予め設定した温度と実質的に同一とすることを特徴とする金型成形方法。 - 前記めねじ部(53)を形成するための中子ピン部材(30)を有する金型(1)内に、溶融材料もしくは半溶融材料を充填する充填工程と、
前記充填工程で充填された前記溶融材料もしくは半溶融材料を、冷却凝固して成形品(50)を形成する凝固工程と、
前記凝固工程の後で、前記成形品(50)内から前記中子ピン部材(30)を回転しながら退避させるねじ抜き工程とを備え、
前記めねじ部(53)を有する前記成形品(50)を成形する金型成形方法において、
前記充填工程の前に、前記中子ピン部材(30)に潤滑剤を塗布する塗布工程を備え、
前記塗布工程では、前記潤滑剤の塗布により前記中子ピン部材(30)が300℃以下となるように冷却し、
前記ねじ抜き工程を開始するときの前記中子ピン部材(30)の温度を、複数回の成形サイクルにおいて同一の所定温度とすることを特徴とする金型成形方法。
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