JP5090206B2 - 射出成形装置及び射出成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融した樹脂を型のキャビティに射出して樹脂成形品を成形する射出成形装置及び射出成形方法に関する。
従来、図10(a)に示すように、一方の型51にヒータ52を備えたホットブッシュ53を設け、溶融した樹脂54をホットブッシュ53のホットブッシュ出口55からキャビティ56に射出し、スプールやランナーを付属しない樹脂成形品57を成形するホットランナー式の射出成形装置50が知られている。しかし、この装置50では、ホットブッシュ出口55に残る高温の溶融した樹脂54が冷却固化した樹脂成形品57に接触しているため、図10(b)に示すように、型開きに際し、樹脂54が糸を引き、樹脂成形品57の表面に凸部58ができたり、糸引き部59がホットブッシュ出口55の周囲で型51の成形面に付着したりするなどの不具合があった。
そこで、特許文献1には、図11に示すように、他方の型61にホットブッシュ出口55を開閉するバルブピン62と、バルブピン62を上方へ付勢するスプリング63とを設け、型閉じ状態において、バルブピン62を射出圧で押し下げ、バルブピン62の先端面をホットブッシュ出口55から離間させて該ホットブッシュ出口55を開き、射出圧が消滅したときに、バルブピン62をスプリング63の付勢力で押し上げ、バルブピン62の先端面をホットブッシュ出口55に当接させて該ホットブッシュ出口55を閉じ、糸引きを抑える射出成形装置60が記載されている。
特開平5−50464号公報
ところが、特許文献1の射出成形装置60では、バルブピン62のうちキャビティ56の厚さ分の極短い先端部に樹脂54が接するにすぎないので、バルブピン62の温度が上昇しにくい。このため、型開きに際し、低温のバルブピン62が溶融した高温の樹脂54をホットブッシュ出口55から引き出し、図10(b)に示すような糸引き部59を形成する可能性があった。
また、一方の型51にホットブッシュ出口55をキャビティ56に開口するようPL面と面一に設定する必要があるため、型51の取付面(上面)からPL面に向けての、ホットブッシュ用の取付穴の加工が深くなる。ホットブッシュ用の取付穴は径が大きいため、これが深いと型51の強度が低下しやすい。
また、他方の型61にバルブピン62をキャビティ56を貫いてホットブッシュ出口55に当接するように設ける必要があるため、樹脂成形品57にバルブピン62形状の穴があく。このため、樹脂成形品57の穴あきが許されない場合には実施できない。
本発明の第1の目的は、バルブピンが適度に温度上昇するようにし、溶融樹脂の糸引きをより確実に防止することにある。
本発明の第2の目的は、ホットブッシュを設ける場合でも、スプールブッシュを設けることで、ホットブッシュ用の取付穴の加工深さを型の強度を考慮して浅く設定できるようにすることにある。
本発明の第3の目的は、スプールブッシュを型間のランナーに開口させ、バルブピンがランナーを貫くようにすることにより、樹脂成形品に穴が空かないようにすることにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の手段を採ったものである。
(1)射出成形装置
両型間にランナー及びキャビティを又はキャビティのみを形成する第一型と第二型とを備え、
第一型に、両型間のランナー又はキャビティに開口するスプール出口と、スプール出口より第一型内に奥まった所に位置するスプール入口と、スプール入口からスプール出口まで延びるスプール内周面とを有するスプールブッシュが設けられ、
第二型に、型閉じ時にピン先端部がスプール出口からスプールブッシュに進入してスプール内周面との間にを形成し、この状態で、射出時にピン先端面がスプール入口から離間して該スプール入口を開き、射出終了時にピン先端面がスプール入口に当接して該スプール入口を閉じる、バルブピンが設けられたことを特徴とする射出成形装置。
ここで、スプールブッシュは所定長さの筒形に形成することができる。スプール内周面の長さは30〜100mmが好ましく、スプール内周面はストレート形状でもよいし、スプール入口に向って細くなるテーパ形状でもよい。これに対応し、スプールブッシュに進入するバルブピンのピン先端部の長さは30〜100mmが好ましく、ピン先端部は先端面に向かって細くなるテーパ形状でよい。なお、スプールブッシュは樹脂を加熱するヒータを備えない。
また、バルブピンは、自身の軸線方向へ移動できるように第二型に支持されることができる。バルブピンを駆動する手段としては、流体圧シリンダや電動モータ等を使用することもできるが、動力源を不要にできる点で、付勢部材と樹脂射出圧とを併用した手段が好ましい。具体的には、バルブピンを閉位置(スプール入口を閉じる位置)に向けて付勢するスプリング等の付勢部材を第二型に設け、付勢部材の付勢力を樹脂の射出圧よりも小さく設定するという手段を採用できる。また、第二型に、射出成形された樹脂成形品を第二型から突き出すスリーブを設け、スリーブの内側にバルブピンを挿通してもよい。
上記(1)の装置によれば、バルブピンのピン先端部がスプール内周面との間に筒状間隙を形成した状態で、溶融した樹脂が筒状間隙を経て射出されるので、樹脂がピン先端部に長く接してバルブピンの温度が適度に上昇する。このため、型開きに際し、バルブピンのピン先端面が(射出終了後に当接していた)スプール入口から離間するときに、樹脂の糸引きを防止することができる。
その反面、本発明者の検討によると、上記の構成から次のような別の課題も生じた。すなわち、射出成形後の型開きにより、ピン先端部を筒状間隙で固化したスプール樹脂とともにスプールブッシュから退出させた後、ピン先端部からスプール樹脂を抜き外すときに、上記のようにバルブピンの温度が上昇していると、ピン先端部に接している部分の樹脂が冷却固化の遅れによりスプール樹脂から剥がれて、ピン先端部に付着してくることが起きやすくなる。このピン先端部に付着した樹脂は、本来的にはショット毎にピン先端部から除去することが好ましいが、その手間とそれによる効率低下を考えると、除去することなく付着したまま次のショットに移ることが望まれる。
しかるところ、ピン先端部の表面が滑らかに研磨されたものである場合(これも上記発明の範囲である)、樹脂の付着性が高くないので、樹脂がよく付着するところとあまり付着しないところとが生じ、また、射出圧で吹き寄せられるようにしてピン先端部の下流側に塊りとなって付着することもあり、結局いびつな形での付着となりやすい。この状態で次のショットを行うと、筒状間隙において射出された樹脂が前記付着樹脂により乱流を起こしたり、前記塊りの付着樹脂がスプール出口に引っ掛かったりして、樹脂成形品の表面にジェッティング等の不具合を及ぼす可能性がある。
そこで、バルブピンのピン先端部(少なくともスプールブッシュに進入する部分)の外周表面に、樹脂が喰い込む複数の窪みよりなるアンカー部を形成することが好ましい。このアンカー部に樹脂が喰い込むことによるアンカー効果により、樹脂の付着性が高められるので、上記のようにピン先端部からスプール樹脂を抜き外すときに、スプール樹脂から剥がれた樹脂がピン先端部の外周表面に(上記の研磨されたものと比べて)均一な膜厚で強く付着し、表面の滑らかな樹脂皮膜を形成して残留する。そして、この状態で次のショットを行うと、筒状間隙において射出された樹脂が前記樹脂皮膜により乱流を起こすこともないし、前記樹脂皮膜がスプール出口に引っ掛かることもないため(複数回ショットを繰り返しても樹脂皮膜はほぼ同じ膜厚に維持される)、樹脂成形品の表面にジェッティング等の不具合が生じない。ここで、窪みの深さは10〜70μmが好ましい。複数の窪みは均一に分布させることが好ましい。アンカー部の形成にあたっては、ディンプル加工、ローレット加工、ネジ切り加工、シボ付け加工等その他の各種方法を採用できる。
また、別の観点からは、バルブピンの先端部表面にテフロン(登録商標)皮膜や銅メッキ層を設けたり、これらの材料でピンの先端部を形成したりするなど、そもそも樹脂を付着させない又は付着しにくくするための手段も有効である。
スプールブッシュのスプール入口側に接続する構成について、次の態様ア)イ)を例示できる。
ア)スプールブッシュのスプール入口側にホットブッシュのホットブッシュ出口が接続された態様
すなわち、第一型には、ホットランナー式の成形金型を使用できる。ホットブッシュとしては、ヒータを備えた筒形又はポット形のものを例示できる。ヒータは、ホットブッシの内側に挿入してもよく、ホットブッシュの外側に装着してもよく、あるいは、ホットブッシュの周壁に埋設してもよい。
イ)スプールブッシュのスプール入口側に射出ノズルが接続された態様
(2)射出成形方法
上記(1)又は上記で説明したその各態様の射出成形装置を使用する射出成形方法であって、
第一型と第二型とを型閉じし、樹脂を、バルブピンが開いたスプール入口から筒状間隙及びスプール出口を経て、両型間のランナー及びキャビティに又はキャビティのみに射出する段階と、
樹脂の射出終了時にバルブピンがスプール入口を閉じる段階と、
第一型と第二型とを型開きし、バルブピンのピン先端部を筒状間隙で固化したスプール樹脂とともにスプールブッシュから退出させる段階とを含む射出成形方法。
ここで、上記でも説明したとおり、バルブピンのピン先端部の外周表面に、樹脂が喰い込む複数の窪みよりなるアンカー部を形成しておき、型開き後にピン先端部からスプール樹脂を抜き外すと、アンカー部に樹脂が食い込むことによるアンカー効果によりピン先端部に樹脂皮膜が付着した状態で残留するようにし、この状態で次のショットを行うことができる。
本発明の射出成形装置及び射出成形方法によれば、射出終了時にスプールブッシュのスプール入口を閉じるバルブピンのピン先端部が、射出時に筒状間隙を経る溶融した樹脂により適度に温度上昇しているので、型開きに際し、ピン先端面がスプール入口から離間するときに樹脂の糸引きを確実に防止することができる。
また、バルブピンのピン先端部の外周表面にアンカー部を形成した場合には、ピン先端部に樹脂皮膜が付着した状態で次のショットを行うことができ、効率的である。
また、ホットブッシュを設ける場合でも、スプールブッシュを設けることで、ホットブッシュ用の取付穴の加工深さを型の強度を考慮して浅く設定することができる。
また、スプールブッシュを型間のランナーに開口させ、バルブピンがランナーを貫くようにする場合には、樹脂成形品に穴が空かないようにすることができる。
射出成形装置(1、41)は、両型間にランナー(7)及びキャビティ(9)を又はキャビティ(39)のみを形成する第一型(2)と第二型(3)とを備え、第一型(2)に、両型間のランナー(7)又はキャビティ(39)に開口するスプール出口(15)と、スプール出口(15)より第一型(2)内に奥まった所に位置するスプール入口(14)と、スプール入口(14)からスプール出口(15)まで延びるスプール内周面(17)とを有するスプールブッシュ(13)が設けられ、第二型(3)に、型閉じ時にピン先端部(24)がスプール出口(15)からスプールブッシュ(13)に進入してスプール内周面(17)との間に筒状間隙(16)を形成し、この状態で、射出時にピン先端面がスプール入口(14)から離間して該スプール入口(14)を開き、射出終了時にピン先端面がスプール入口(14)に当接して該スプール入口(14)を閉じる、バルブピン(19)が設けられている。
この射出成形装置(1、41)を使用する射出成形方法は、第一型(2)と第二型(3)とを型閉じし、樹脂を、バルブピン(19)が開いたスプールブッシュ(13)のスプール入口(14)から筒状間隙(16)及びスプール出口(15)を経て、両型間のランナー(7)及びキャビティ(9)に又はキャビティ(39)のみに射出する段階と、射出終了時にバルブピン(19)がスプール入口(14)を閉じる段階と、第一型(2)と第二型(3)とを型開きし、バルブピン(19)のピン先端部(24)を筒状間隙(16)で固化したスプール樹脂(4)とともにスプールブッシュ(13)から退出させる段階とを含む。ここで、バルブピンのピン先端部の外周表面に、樹脂が喰い込む複数の窪みよりなるアンカー部を形成しておき、型開き後にピン先端部からスプール樹脂を抜き外すと、アンカー部に樹脂が食い込むことによるアンカー効果によりピン先端部に樹脂皮膜が付着した状態で残留するようにし、この状態で次のショットを行うことができる。
図1〜図8に示す実施例1の射出成形装置1は、型割り面で分割された第一型2とコア側金型である第二型3とを備えている。二つの型2,3が型閉じされた状態では、両型間にランナー7、ゲート8及びキャビティ9が形成され、キャビティ9に射出された樹脂5によって樹脂成形品6が成形される(図4参照)。
第一型2には、ノズル接続部材31とマニホールド32とホットブッシュ34とスプールブッシュ13とが配設され、これらの部材により溶融した樹脂5を流通させるための通路が形成されている。溶融した樹脂5は、射出ノズル30からノズル接続部材31に注入され、マニホールド32を介してホットブッシュ34の内部に供給される。ホットブッシュ34の外周にはヒータ35が装着され、樹脂5はヒータ35により所定温度に加熱される。
スプールブッシュ13は、軸線方向に所定の長さを有する筒形に形成され、ランナー7に開口するスプール出口15と、スプール出口15より第一型2内に奥まった所に位置するスプール入口14と、スプール入口14からスプール出口15まで延びるスプール内周面17とを有している。スプール入口14側にはホットブッシュ34のホットブッシュ出口36が接続され、樹脂5はホットブッシュ出口36からスプールブッシュ13の内側に供給される。スプール内周面17は、後述するピン先端部24とともに筒状間隙16を形成するものであり、スプール入口14側ほど細くなるテーパ状に形成されている。そして、樹脂5は、ホットブッシュ出口36からスプール入口14、筒状間隙16及びスプール出口15を経てランナー7に射出され、ゲート8からキャビティ9に充填される。
第二型3には、スプール入口14を開閉するバルブピン19と、バルブピン19を閉位置(スプール入口を閉じる位置)に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング20と、樹脂成形品6をキャビティ9から突き出すスリーブ21と、スリーブ21を保持するエジェクトプレート22とが設けられている。バルブピン19はスリーブ21の内側に摺動可能に挿通されている。バルブピン19は、型閉じ時にピン先端部24がスプール出口15からスプールブッシュ13に進入してスプール内周面17との間に筒状間隙16を形成し、この状態で、射出時にピン先端面がスプール入口14から離間して該スプール入口14を開き、射出終了時にピン先端面がスプール入口14に当接して該スプール入口14を閉じるものである。ピン先端部24は先端側ほど細くなるテーパ状に形成されている。バルブピン19の基端側の大径部23はスプリング20に当接し、スプリング20は第二型3の取付面37から取付面37以内に螺合した止めネジ25で止められており、このスプリング20の付勢力によりピン先端部24のピン先端面がスプール入口14に当接するようになっている。スプリング20の付勢力は樹脂5の射出圧よりも小さく設定されているが、止めネジ25の螺合調節により、スプリング20の付勢力を前記設定下で変えて、ピン先端面とスプール入口14との当接力を調整することができる。スリーブ21の基端はエジェクトプレート22に結合され、エジェクトプレート22が外部駆動装置(図示略)によって駆動される。
図8はバルブピン19のピン先端部24を詳細に示す。図8(a)に示すバルブピン19は、ピン先端部24の外周表面が研磨加工によって滑らかに形成されている。このバルブピン19の場合、スプールブッシュ13の内側でピン先端部24がホットブッシュ34の熱で温度上昇すると、前述したように、ピン先端部24の表面に樹脂5がいびつな形で付着残留し、樹脂成形品6に悪影響が及ぶ可能性がある。図8(b)に示すバルブピン19では、ピン先端部24の外周表面に、樹脂5を喰い込ませるためのアンカー部26が形成されている。本例のアンカー部26は、多数の窪み27がピン先端部24の表面全域に均一に分布するように、バルブピン19の先端部にディンプル加工されている。これによれば、前述したように、ピン先端部24の表面に付着した樹脂5をアンカー部26により均一に保持し、バルブピン19の先端部に表面の滑らかな樹脂皮膜28を形成できるようになっている。この樹脂皮膜28はその後空冷され固化するため、次のショット時にピン先端部24に付着したまま剥がれることなく、繰り返し射出成形に耐えることができる。
次に、この射出成形装置1を使用する射出成形方法について説明する。
図2に示すように、第一型2と第二型3を型開きした状態では、バルブピン19がスプリング20で押し出され、ピン先端部24が第二型3の型面から突出した位置に配置されている。
図3に示すように、両型2,3を型閉じ(型締め)すると、ピン先端部24がスプール出口15からスプールブッシュ13内に進入してスプール内周面17との間に筒状間隙16を形成し、ピン先端部24の先端面がスプール入口14に当接して該スプール入口14を閉じ、バルブピン19がスプリング20を圧縮して所定距離(例えば約3mm)後退し、スプリング20がバルブピン19を閉位置に保持する。
この状態で、射出ノズル30から溶融した樹脂5を吐出し、この樹脂5がノズル接続部材31、マニホールド32及びホットブッシュ34を経てスプールブッシュ13のスプール入口14に到ると、図4に示すように、該樹脂5の圧力によりバルブピン19がスプリング20をさらに圧縮して所定距離(例えば約3mm)後退し、ピン先端部24の先端面がスプール入口14から離間して該スプール入口14を開く。これにより、ホットブッシュ34を経た樹脂5が、スプール入口14から筒状間隙16及びスプール出口15を経て、両型間のランナー7に射出され、ゲート8からキャビティ9に充満し、樹脂成形品6を形成する。
この射出終了時に、樹脂5の射出圧が消滅すると、図5に示すように、バルブピン19がスプリング20の付勢力で閉位置側へ所定距離(例えば約3mm)押し戻され、ピン先端部24の先端面がスプール入口14に当接した該スプール入口14を閉じ、スプリング20がバルブピン19を閉位置に保持する。
この状態で樹脂成形品6の冷却固化を待ってから、型2,3を型開きすると、図6に示すように、樹脂成形品6が第一型2の型面から引き離され、ピン先端部24が筒状間隙16で固化したスプール樹脂4とともにスプールブッシュ13から引き抜かれ退出する。このとき、ピン先端部24の先端面が型開き初期の時点までスプール入口14を閉じているため、この時点でほぼ(ピン先端部24に接した部分を除いて)冷却固化しているスプール樹脂4が、スプール入口14から溶融した樹脂5を引き出すおそれが少ない。しかも、射出時には溶融した樹脂5が筒状間隙16を経て射出される結果、樹脂5がピン先端部24に長く接してバルブピン19の温度が適度に上昇している。このため、型開きに際し、ピン先端部24のピン先端面がスプール入口14から離間するときに、樹脂5の糸引きをより確実に防止することができる。
型開き後には、図7に示すように、エジェクトプレート22がスリーブ21を突出させ、スリーブ21が樹脂成形品6を第二型3の型面から外すとともに、ピン先端部24からスプール樹脂4を抜き外す。このとき、上記のようにバルブピン19の温度が上昇しているため、ピン先端部24に接している部分の樹脂5が冷却固化の遅れによりスプール樹脂4から剥がれて、ピン先端部24に付着してくる。ここで、図8(a)に示すピン先端部24を研磨加工したバルブピン19を使用した場合には、前述したように、ピン先端部24に樹脂5がいびつな形で付着残留するので、該樹脂5を除去してから次のショットを行うことが好ましい。一方、図8(b)に示すアンカー部26が形成されたバルブピン19を使用した場合には、前述したように、ピン先端部24に表面の滑らかな樹脂皮膜28が強く付着して残留するため、この状態で次のショットを行うことができ、除去の手間がかからず効率的である。
以上説明した実施例1の射出成形装置1によれば、上記の効果に加えて次の効果も得られる。
a)ホットブッシュ34を設ける場合でも、スプールブッシュ13を設けることで、ホットブッシュ用の取付穴の加工深さを第一型2の強度を考慮して浅く設定することができる。
b)スプールブッシュ13を型間のランナー7に開口させ、バルブピン19がランナー7を貫くようにすることにより、樹脂成形品6に穴が空かないようにすることができる。
図9に示す実施例2の射出成形装置41は、両型2,3間にキャビティ39のみを形成し(ランナーを形成しないという意味である)、スプールブッシュ13のスプール出口15をキャビティ39に開口するように設け、バルブピン19をキャビティ39を貫くように設けた点と、スプールブッシュ13のスプール入口14側に射出ノズル30を接続するようにした(ホットブッシュを省いた)点において、実施例一と相違するものであり、その他の構成及び該装置を使用した射出成形方法は実施例1と同様である。
この実施例2は、樹脂成形品6に穴が空くので、それを許容できる樹脂成形品の場合に適用することができるものである。この実施例2によっても、上記a)b)の効果は得ることができないものの、その以外の実施例1の基本的な効果は得ることができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明の実施例1の射出成形装置を示す断面図である。 該装置の型開き状態を示す断面図である。 該装置の型閉じ状態を示す断面図である。 該装置の射出工程を示す断面図である。 該装置の射出終了状態を示す断面図である。 該装置の型開き工程を示す断面図である。 該装置の型開き工程を示す断面図である。 該装置のバルブピンを詳細に示す断面図である。 本発明の実施例2の射出成形装置を示す断面図である。 従来の射出成形装置を示す断面図である。 従来の別の射出成形装置を示す断面図である。
符号の説明
1 射出成形装置
2 第一型
3 第二型
4 スプール樹脂
5 樹脂
6 樹脂成形品
7 ランナー
9 キャビティ
13 スプールブッシュ
14 スプール入口
15 スプール出口
16 筒状間隙
17 スプール内周面
19 バルブピン
24 ピン先端部
26 アンカー部
27 窪み
28 樹脂皮膜
30 射出ノズル
34 ホットブッシュ
39 キャビティ
41 射出成形装置

Claims (7)

  1. 両型間にランナー(7)及びキャビティ(9)を又はキャビティ(39)のみを形成する第一型(2)と第二型(3)とを備え、
    第一型(2)に、両型間のランナー(7)又はキャビティ(39)に開口するスプール出口(15)と、スプール出口(15)より第一型(2)内に奥まった所に位置するスプール入口(14)と、スプール入口(14)からスプール出口(15)まで延びるスプール内周面(17)とを有するスプールブッシュ(13)が設けられ、
    第二型(3)に、型閉じ時にピン先端部(24)がスプール出口(15)からスプールブッシュ(13)に進入してスプール内周面(17)との間に筒状間隙(16)を形成し、この状態で、射出時にピン先端面がスプール入口(14)から離間して該スプール入口(14)を開き、射出終了時にピン先端面がスプール入口(14)に当接して該スプール入口(14)を閉じる、バルブピン(19)が設けられたことを特徴とする射出成形装置。
  2. 第二型(3)に、射出成形された樹脂成形品(6)を第二型(3)から突き出すスリーブ(21)を設け、スリーブ(21)の内側にバルブピン(19)を挿通した請求項1記載の射出成形装置。
  3. バルブピン(19)のピン先端部(24)の外周表面に、樹脂が喰い込む複数の窪み(27)よりなるアンカー部(26)を形成した請求項1又は2記載の射出成形装置。
  4. スプールブッシュ(13)のスプール入口(14)側にホットブッシュ(34)のホットブッシュ出口(36)が接続された請求項1、2又は3記載の射出成形装置。
  5. スプールブッシュ(13)のスプール入口(14)側に射出ノズル(30)が接続された請求項1、2又は3記載の射出成形装置。
  6. 請求項1記載の射出成形装置を使用する射出成形方法であって、
    第一型(2)と第二型(3)とを型閉じし、樹脂を、バルブピン(19)が開いたスプールブッシュ(13)のスプール入口(14)から筒状間隙(16)及びスプール出口(15)を経て、両型間のランナー(7)及びキャビティ(9)に又はキャビティ(39)のみに射出する段階と、
    射出終了時にバルブピン(19)がスプール入口(14)を閉じる段階と、
    第一型(2)と第二型(3)とを型開きし、バルブピン(19)のピン先端部(24)を筒状間隙(16)で固化したスプール樹脂(4)とともにスプールブッシュ(13)から退出させる段階とを含む射出成形方法。
  7. バルブピン(19)のピン先端部(24)の外周表面に、樹脂が喰い込む複数の窪み(27)よりなるアンカー部(26)を形成しておき、型開き後にピン先端部(24)からスプール樹脂(4)を抜き外すと、アンカー部(26)に樹脂が食い込むことによるアンカー効果によりピン先端部(24)に樹脂皮膜(28)が付着した状態で残留するようにし、この状態で次のショットを行う請求項6記載の射出成形方法。
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