JP2008049711A - 成形金型および貫通穴を有する成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第3の流路8が連通口11を介してキャビティ18に連通するように固定側の型13に形成され、ピン15がキャビティ18内を通って連通口11から第3の流路8内に延出するように可動側の型13に配設され、キャビティ流入口19が連通口11の内周面とピン15の外周面との間に形成される環状の流路に構成されている。そして、キャビティ流入口19は、第3の流路8の流路断面積に対して小さい流路断面積を有している。
【選択図】 図2
Description
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る成形品を説明する図であり、図1の(a)はその側面図、図1の(b)はその上面図である。
図1において、成形品20は、成形材料としてのポリカーボネート樹脂(PC樹脂)から作製され、円筒状のボス部20aと、ボス部20aの下端に同軸に一体に形成された円盤部20bとから構成されている。そして、貫通穴としての穴部20cが成形品20の軸心位置に穿設されている。さらに、凹部20dがボス部20aの上端面の穴部20cの外周縁部に凹設されている。
この貫通穴を有する成形品20においては、穴部20cと、円盤部20bとが最も精度を要求される部位であり、特に、穴部20cの内周面の円筒度および穴部20cと円盤部20bとの直角度が厳しく要求される。
図2において、成形金型は、衝合面(パーティングラインA)を境として固定側の型1と可動側の型13とから構成されている。
固定側の型1は、一面に溶融成形材料の金型流入口5を有する第1の型2と、一面を第1の型2の他面に密接させて配設され、他面にボス部20aの外形を規定するキャビティ4を有する第2の型3とから構成されている。そして、流路方向を第1の型2の一面と直交とする第1の流路6が金型流入口5から他面に至るように第1の型2に穿設されている。また、流路方向を第2の型3の一面と平行とする第2の流路7が、第1の流路6に対応する位置からキャビティ4に対応する位置に至るように第2の型3の一面に形成され、さらに、流路方向を第2の型3の一面と直交とする第3の流路8が第2の流路7とキャビティ4とを連通するように第2の型3に形成されている。また、第2ピンとしてのピン9が第1の型2を挿通し、その先端を第3の流路8内に延出させるように、第1の型2の他面と直交するように第1の型2に配設されている。そして、媒体流路10がピン9内に形成されている。また、環状の凸部12がキャビティ4と第3の流路8との連通口11の縁部をキャビティ4内に突出させて第2の型3に形成され、凹部20dの内形を規定している。
また、ピン9、15には、例えば冷間金型用合金工具鋼(SKD−11)、ステンレス鋼(SUS−420、SUS−440)などの鋼材を用いることができるが、金型温度調整用媒体との熱交換効率を高くするために、熱伝導率が高く、熱容量が小さい材料、例えば銅合金やアルミニウム合金を用いることが望ましい。なお、穴部20cの径が小さく、ピン15内に媒体流路16を形成できないような場合には、熱伝導率の優れた材料やヒートパイプ等を配置し、その根元部を金型温度調整用媒体により直接冷却するようにしてもよい。
そして、溶融成形材料がキャビティ18内に完全に充填された後、溶融成形材料の金型流入口5からの注入を一定圧力で一定時間継続する(保圧工程)。この保圧工程により、キャビティ18内の溶融成形材料の凝固収縮分が補充される。
ついで、図3の(d)に示されるように、成形品20を可動側の型13から取り外し、成形材料固化体21を第1の型2から取り外す(取り外し工程)。この取り外し方法としては、エジェクタピン(図示せず)を介して油圧シリンダ、エアシリンダ等の外部の力を伝達して成形品20や成形材料固化体21を取り出す方法、成形品20や樹脂固化体21と金型との密着面に空気を吹き付けて取り出す方法、ロボットや人の手でつまみ出す方法等がある。
その後、第1および第2の型2、3を密接させ、さらに可動側の型13を固定側の型1に密接させて(型閉め工程)、次の射出成形サイクルに移行する準備を行う。
充填工程において溶融成形材料の良好な流動性を確保し、保圧工程においてキャビティ18内の溶融成形材料に所定の圧力を印加できるように、金型の温度はできるだけ高いことが望ましい。しかし、金型の温度を高くし過ぎると、冷却工程において、成形品20および成形材料固化体21が十分に冷却されなくなり、それらの取り出し時に不具合が発生する。即ち、第1の型開き工程において、成形材料が所望としない部位、例えば成形品のボス部20aや第3の流路8の部位で引き裂かれたり、成形材料の最表層部が剥離して金型の表面に残留する不具合が発生する。また、取り出し工程において、エジェクタピンを用いて成形品20を取り出す場合には、成形品20を傷付けたり、最悪突き破る不具合が発生する。さらに、成形材料から発生する分解ガスの量が増大し、金型の腐食を促進させるという不具合が発生する。
そこで、これらの不具合の発生を抑えて、溶融成形材料の良好な流動性および離型性を確保するために、成形材料に応じて金型温度の上限値を設定する必要がある。そして、成形材料としてPC樹脂を用いているので、金型温度の上限値はほぼ418Kとなる。ここで、Kはケルビン温度である。
成形材料の引っ張り強度は、図4に示されるように、成形材料の温度に依存し、低温状態ほど大きくなる。従って、成形材料が高温の状態で第1の型開き工程を行えば、切断力が小さくなり、成形品20と成形材料固化体21とを安定して切り離すことができる。一方、離型抵抗力を大きくするには、ピン9、15の表面を荒らしたり、アンダーカットをつけることで静摩擦係数を上げることになる。
ただし、本実施の形態では、成形品の貫通穴内面に高い寸法精度が求められているため、ピン15自体に、表面を荒らしたり、アンダーカットをつけて、離型抵抗力を大きくすることはできない。そこで、本実施の形態では、切断力が離型抵抗力より下回る時の成形材料の温度は333K以上であることから、ここではより安定して切断できるように成形材料の温度が393Kに低下した段階で、第1の型開き工程を実施し、成形品20と成形材料固化体21とを切断した。
また、型開き工程時における成形材料の温度は、333K以上であればよい。
なお、金型温度および第1の型開き工程時における成形材料の温度は、成形材料に応じて適宜設定することになる。
また、ピン9、15の温度は、必ずしも他の金型温度と同一に制御する必要はない。例えば、ピン9、15の温度を他の金型温度より低い温度に制御することにより、成形材料の固化が促進されるので、成形時間が短縮されるとともに、金型から取り出された成形品20の収縮量が減り、穴部20cの内径寸法精度が向上される。
そこで、従来装置において必要であったゲートカットパンチのような摺動部品が不要となり、摺動部品を制御する装置も不要となり、駆動力をゲートカットパンチに伝達する動力伝達機構も不要となり、さらにクリアランス管理も不要となり、金型構造が簡略化され、低コスト化が図られる。さらに、従来装置のように頻繁に交換するゲートカットパンチのような摺動部品がないので、ランニングコストが低減される。
また、ピン15が可動側の型13に設けられているので、高い精度の円筒度に形成されたピン15を円盤部20bの面に対して高い精度の垂直度で可動側の型13に構成することができる。これにより、厳しい内周面の円筒度が要求される穴部20cと、この穴部20cに対して厳しい直角度が要求される円盤部20bとを備えた成形品20を成形することができる。
また、環状の凸部12がキャビティ4と第3の流路8との連通口11の縁部をキャビティ4内に突出させて第2の型3に形成されているので、第1の型開き工程において、成形品20と成形材料固化体21とをキャビティ流入口19の部位で切り離す際に、バリが生じても、該バリは成形品20の凹部20d内に存在し、成形品20の端面より突出することがなく、成形品20の外形寸法に影響を与えることもない。
また、第1の型開き工程を、成形材料の温度が、成形品20とピン15との間に作用する離型抵抗力が成形材料の引っ張り強度とキャビティ流入口19の流路断面積との積で決定される切断力よりも大きくなるような成形材料の温度以上の状態で行っているので、成形品20と成形材料固化体21とをキャビティ流入口19の部位で切り離すための切断力が小さくなり、第1の型開き工程で成形品20と成形材料固化体21とを安定して効率よく切断することができる。
図5に示される成形品30は、円筒状のボス部30aと、ボス部30aの下端に中心を一致させて一体に形成された矩形状の平板部30bと、ボス部30aの軸心位置に穿設されたから構成された正方形断面の穴部30cとから構成されている。そして、平板部30bおよび穴部30cは四角形に限定されるものではなく、三角形、五角形でもよい。また、図6に示される成形品31は、円筒状のボス部31a、ボス部31aの下端に同軸に一体に形成された円盤部31bと、ボス部31aの軸心位置に穿設された段付き穴部31cとから構成されている。さらに、図7に示される成形品32は、平板部32aと、平板部32aに穿設された穴部32bとから構成されている。また、成形品20では、穴部20cの上端縁部に凹部20dを設けるものとしているが、成形品の高さ寸法が厳しく管理されない場合には、凹部20dを特に設ける必要はない。
図8はこの発明の実施の形態2に係る射出成形用の成形金型を示す断面図である。
図8において、成形金型は、衝合面(パーティングラインA)を境として固定側の型1Aと可動側の型13Aとから構成されている。
固定側の型1Aは、一面に溶融樹脂の金型流入口5を有する第1の型2Aと、一面を第1の型2Aの他面に密接させて配設され、他面にボス部20aの外形を規定する2つのキャビティ4を有する第2の型3Aとから構成されている。そして、流路方向を第1の型2Aの一面と直交とする第1の流路6が金型流入口5から他面に至るように第1の型2Aに穿設されている。ここで、2つのキャビティ4は、第1の流路6の流路中心に対して対称な位置関係に形成されている。そして、流路方向を第2の型3Aの一面と平行とする第2の流路7が、第1の流路6に対応する位置から2つのキャビティ4に対応する位置に至るように第2の型3Aの一面に形成され、さらに、流路方向を第2の型3Aの一面と直交とする第3の流路8が第2の流路7とキャビティ4とをそれぞれ連通するように第2の型3Aに形成されている。また、ピン9が第1の型2Aを挿通し、その先端を各第3の流路8内に延出させるように、第1の型2Aの他面と直交するように第1の型2Aに配設されている。そして、媒体流路10が各ピン9内に形成されている。また、図示していないが、環状の凸部12がそれぞれキャビティ4と第3の流路8との連通口11の縁部をキャビティ4内に突出させて第2の型3Aに形成されている。
また、この実施の形態2においては、成形品20を2個取りできるので、生産性が向上される。
図9はこの発明の実施の形態3に係る成形金型を用いた成形方向を説明する工程断面図である。
この実施の形態3では、図9に示されるように、固定側の型1Bは、第1の型2Bと、一面を第1の型2Bの他面に密接させて配設される第2の型3Bとから構成されている。そして、金型流入口5が第1の型2Aの一面に形成され、流路方向を第1の型2Bの一面と直交とする第1の流路6が金型流入口5から他面に至るように第1の型2Bに穿設されている。また、ボス部20aの外形を規定するキャビティ4が第2の型3Bの他面に形成され、第3の流路8が連通口11を介してキャビティ4に連通するように第2の型3Bの一面に形成されている。また、2つのピン9が第1の流路6の流路中心に対して対称な位置関係で第1の型2Bを挿通し、その先端を第3の流路8内に延出させるように、第1の型2Bの他面と直交するように第1の型2Bに配設されている。そして、媒体流路10がピン9内に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
まず、固定側の型1Bが、第1の型2Bの他面と第2の型3Bの一面とを密接させて一体化されて用意される。ついで、可動側の型13を衝合面Aで固定側の型1Bに密接させ、図9の(a)に示される成形金型とする(型閉め工程)。ここで、媒体供給装置(図示せず)から金型温度調整用媒体としての水が温度調整回路に流通され、固定側および可動側の型1B、13およびピン9、15が設定された温度に保持される。
そして、溶融成形材料がキャビティ18内に完全に充填された後、溶融成形材料の金型流入口5からの注入を一定圧力で一定時間継続する(保圧工程)。
そして、保圧工程の終了後、溶融成形材料が固化し、キャビティ18の形状を保持できるまで、金型内を冷却し続ける(冷却工程)。
ついで、図9の(d)に示されるように、成形品20を可動側の型13から取り外し、成形材料固化体21を第1の型2Bから取り外す(取り外し工程)。
その後、第1および第2の型2B、3Bを密接させ、さらに可動側の型13を固定側の型1Bに密接させて(型閉め工程)、次の射出成形サイクルに移行する準備を行う。
また、この実施の形態3によれば、第2の流路7が省略されているので、金型流入口5からキャビティ18までの流路体積が縮小され、1つの成形品を成形するのに必要な成形材料の量を節約することができる。
また、金型流入口5からキャビティ18までの流路長さが短縮されるので、保圧工程時に、金型流入口5からキャビティ18内の成形材料に圧力を伝達し易くなり、より高精度の成形品を成形できる。
図10はこの発明の実施の形態4に係る成形金型を用いた成形方向を説明する工程断面図である。
この実施の形態4では、図10に示されるように、金型流入口5が可動側の型1Cの一面に形成され、ボス部20aの外形を規定するキャビティ4が固定側の型1Cの他面に形成されている。また、第3の流路8が連通口11を介してキャビティ4に連通するように固定側の型1C内に形成されている。さらに、流路方向を固定側の型1Cの一面と直交とする第1の流路6が金型流入口5から第3の流路8に至るように固定側の型1Cに穿設されている。また、2つのピン9が第1の流路6の流路中心に対して対称な位置関係で、その先端を第3の流路8内に延出させるように、固定側の型1Cの一面と直交するように固定側の型1Cに配設されている。そして、媒体流路10がピン9内に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
まず、可動側の型13を衝合面Aで固定側の型1Cに密接させ、図10の(a)に示される成形金型とする(型閉め工程)。ここで、媒体供給装置(図示せず)から金型温度調整用媒体としての水が温度調整回路に流通され、固定側および可動側の型1C、13およびピン9、15が設定された温度に保持される。
そして、溶融成形材料がキャビティ18内に完全に充填された後、溶融成形材料の金型流入口5からの注入を一定圧力で一定時間継続する(保圧工程)。
そして、保圧工程の終了後、溶融成形材料が固化し、キャビティ18の形状を保持できるまで、金型内を冷却し続ける(冷却工程)。
その後、可動側の型13を固定側の型1Cに密接させて(型閉め工程)、次の射出成形サイクルに移行する準備を行う。
また、この実施の形態4によれば、固定側の型1Cが1つの型で構成されているので、上記実施の形態1における第2の型開き工程が省略され、成形工程の簡素化が図られ、生産性が向上される。
また、この実施の形態4においても、第2の流路7が省略されているので、上記実施の形態3と同様に、1つの成形品を成形するのに必要な成形材料の量を節約することができるとともに、金型流入口5からキャビティ18までの流路長さが短縮され、保圧工程時に、金型流入口5からキャビティ18内の成形材料に圧力を伝達し易くなり、より高精度の成形品を成形できる。
また、この発明は、無機材料を用いた粉末成形にも適用できる。粉末成形としては、セラミック射出成形、金属粉末射出成形、超硬合金射出成形等がある。これらの粉末成形では、成形材料に可塑性を付与するためにバインダが混入される。バインダとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブラチール、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシポロピルセルロースや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリオキシメチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、パラフィンワックスやカルナバ蝋等のワックス類等がある。
Claims (6)
- キャビティ内に第1ピンを配置して固定側の型と可動側の型とを衝合させ、溶融された成形材料を成形材料流路からキャビティ流入口を介して上記キャビティ内に充填することにより、上記第1ピンにより内形を規定される貫通穴を有する成形品を成形する成形金型において、
成形時には上記成形材料流路が連通口を介して上記キャビティに連通するように上記固定側の型に形成され、
上記第1ピンが上記キャビティ内を通って上記連通口から上記成形材料流路内に延出するように上記可動側の型に配設され、
上記キャビティ流入口が上記連通口の内周面と上記第1ピンの外周面との間に形成される環状の流路に構成され、かつ、上記成形材料流路の流路断面積に対して小さい流路断面積を有し、さらに
上記第1ピンに対向する第2ピンが、上記成形材料流路の体積の増大を抑えるように上記成形材料流路内に延出して配設されることを特徴とする成形金型。 - 成形材料溜まり部が上記第1ピンの上記成形材料流路内に延出する先端に凹設されていることを特徴とする請求項1記載の成形金型。
- 上記第1および第2ピンが温度制御されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の成形金型。
- 第1の成形材料流路が形成された第1の固定側の型と、第2の成形材料流路およびキャビティが形成された第2の固定側の型と、可動側の型とを型閉めして、上記キャビティと上記第2の成形材料流路とを連通口を介して連通させ、上記可動側の型に配設された第1ピンが上記キャビティ内を通って上記連通口から上記第2の成形材料流路に延出され、かつ、上記第1の固定側の型に配設された第2ピンが上記第1ピンに対向して上記第2の成形材料流路の体積の増大を抑えるように上記第2の成形材料流路内に延出されるように成形金型を配置する型閉め工程と、
溶融された成形材料を上記第1の成形材料流路に注入し、上記連通口の内周面と上記第1ピンの外周面との間に形成される環状のキャビティ流入口に上記キャビティ流入口の全周から上記キャビティ内に充填する充填工程と、
上記溶融された成形材料を冷却して固化させ、上記キャビティ内で固化した成形材料と上記第1ピンとの間に、および、上記第2の成形材料流路内で固化した成形材料と上記第2ピンとの間にそれぞれ離型抵抗力を発生させる冷却工程と、
上記キャビティ内で固化した成形材料と上記第2の成形材料流路内で固化した成形材料とを、最小の流路断面積を有する上記キャビティ流入口の部位で切り離す第1の型開き工程と、
上記第1の固定側の型と上記第2の固定側の型とを離間させる第2の型開き工程と、
上記キャビティ内で固化した成形材料および上記第1の成形材料流路および上記第2の成形材料流路内で固化した成形材料を取り外し、上記キャビティ内で固化した成形材料の上記第1ピンの挿入部位を貫通穴として上記貫通穴を有する成形品とする取り外し工程と
を備えたことを特徴とする貫通穴を有する成形品の製造方法。 - 成形材料流路およびキャビティが形成された固定側の型と、可動側の型とを型閉めして、上記キャビティと上記成形材料流路とを連通口を介して連通させ、上記可動側の型に配設された第1ピンが上記キャビティ内を通って上記連通口から上記成形材料流路に延出され、かつ、上記固定側の型に配設された第2ピンが上記第1ピンに対向して上記成形材料流路の体積の増大を抑えるように上記成形材料流路内に延出されるように成形金型を配置する型閉め工程と、
溶融された成形材料を上記成形材料流路に注入し、上記連通口の内周面と上記第1ピンの外周面との間に形成される環状のキャビティ流入口に上記キャビティ流入口の全周から上記キャビティ内に充填する充填工程と、
上記溶融された成形材料を冷却して固化させ、上記キャビティ内で固化した成形材料と上記第1ピンとの間に、および、上記第2の成形材料流路内で固化した成形材料と上記第2ピンとの間にそれぞれ離型抵抗力を発生させる冷却工程と、
上記キャビティ内で固化した成形材料と上記成形材料流路内で固化した成形材料とを、最小の流路断面積を有するキャビティ流入口の部位で切り離し、上記キャビティ内で固化した成形材料を上記可動側の型に、上記成形材料流路内で固化した成形材料を上記固定側の型に、それぞれ上記離型抵抗力により残留させる型開き工程と、
上記キャビティ内で固化した成形材料および上記成形材料流路内で固化した成形材料を取り外し、上記キャビティ内で固化した成形材料の上記第1ピンの挿入部位を貫通穴として上記貫通穴を有する成形品とする取り外し工程と
を備えたことを特徴とする貫通穴を有する成形品の製造方法。 - 上記第1の型開き工程における成形材料の温度は、その温度における成形材料の引っ張り強度と上記キャビティ流入口の流路断面積との積が、上記キャビティ内で固化した成形材料と上記第1ピンとの間に発生する離型抵抗力および上記第2の成形材料流路内で固化した成形材料と上記第2ピンとの間に発生する離型抵抗力の少なくとも一方より下回るように設定されていることを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の貫通穴を有する成形品の製造方法。
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