JP3991632B2 - 車両用のハンドル位置補正装置、及び車両 - Google Patents

車両用のハンドル位置補正装置、及び車両 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のハンドル位置補正装置、及び車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、フォークリフト等の産業車両では、ハンドル操作時に操舵機構が作動してハンドルに応じた切れ角となるように操舵輪が操舵される。例えば、この種の操舵機構として、ハンドルの操作量に応じた油量をステアリングシリンダに供給して操舵輪を操舵させる全油圧式のものがある。このハンドルにはハンドルノブが設けられており、ハンドルノブを操作することで荷役作業等の操作をしながら片手でハンドル操作ができるようになっている。そのため、運転者はハンドルノブのノブ位置を操舵輪の切れ角がどの程度であるかを判断する目安としてハンドル操作を行う場合がある。
【0003】
しかし、ハンドルの操作量に応じて吐出される油量が全てステアリングシリンダの駆動に供給されるとは限らず、場合によってはオイルリーク等が発生する。オイルリーク等が発生すると、ハンドルノブのノブ位置と操舵輪の切れ角との位置関係にずれが発生し、ハンドルの操作性が悪化する問題が生じてしまう。
【0004】
この問題を解決するために、例えば特公平3−30544号公報や特公平4−24270号公報等には、操舵輪の切れ角に対するハンドル角のずれを補正するハンドル角補正装置が開示されている。つまり、図15に示すようにパワーステアリング装置51はコントローラ52を備え、コントローラ52はハンドル角センサ53からハンドル回転信号θabs と、シリンダ位置センサ54からシリンダストローク信号sとを入力する。
【0005】
コントローラ52はハンドル回転信号θabs から目標シリンダストロークxgを求め、シリンダストローク信号sから求まるシリンダストロークxと目標シリンダストロークxgとの偏差が許容値を超えると電磁制御弁55を開弁する。これにより、油圧ライン56,57の一方の給送ラインから他方の返送ラインを介して作動油の一部がタンク58に還流し、ハンドル59が空転状態となってハンドル位置(ノブ位置)が操舵輪の切れ角に応じた正規の位置に補正される。
【0006】
また、操舵機構にはハンドルと操舵輪とが機械的に連結されていない電気式のものがあり、この種の操舵機構として特開平7−206399号公報に開示された図16に示す操舵装置がある。オーダーピッキングトラック61はコントローラ62を備え、コントローラ62はハンドル63の回転角をポテンショメータ64から入力し、操舵輪65の操舵角をポテンショメータ66から入力する。そして、コントローラ62はポテンショメータ64,66の検知電圧の偏差を算出し、その偏差に応じた駆動電圧をステアリングモータ67に出力する。これにより、操舵輪65はハンドル63の操作角に応じた切れ角となるように操舵される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の全電気式操舵機構ではハンドル63が操舵輪65と機械的に連結されていないために、操舵輪65がエンド位置で止まってもハンドル63を自由に回転できることから、ハンドルノブ68のノブ位置(実ノブ位置)が操舵輪65の切れ角によって決まるノブ位置(正規ノブ位置)から簡単にずれてしまう現状がある。実ノブ位置が正規ノブ位置に対してずれてしまうと、ノブ位置を目安に操舵輪65を操舵させた場合に、手の位置によって車両の進行方向が分からず操作性が悪化する問題があった。それに加え、ノブ位置が正規ノブ位置からずれてしまっていると、車両が停止しているときにハンドルノブ68の実位置から操舵輪65の切れ角が分からず、車両発進時に意図しない方向に発進してしまうこともある。
【0008】
これを解消するために、全油圧式操舵機構と同様の考え方から、ステアリングモータ67の出力を低減させることによって、実ノブ位置を目標ノブ位置に追いつかせてノブ位置を補正するハンドルノブ位置補正方法が考えられる。しかし、この補正方法においては、ステアリングモータ67の出力を低減することから、操舵輪65をある一定の角度で保持する保持力が小さくなってしまう。このため、横加速度が大きいときやカーブ走行時等には、操舵輪65に相対的に大きな外力が加わることから、上記ノブ位置補正を行ってステアリングモータ67の出力を低減させると車体の不安定さが増長する問題が生じるので、その補正を禁止する補正禁止領域を設定する必要がある。
【0009】
また、車体のバランス(重心)は揚高に応じて変化するものであり、特にオーダーピッキングトラック61等は運転台69が昇降可能に設けられていることから、運転者が高所に位置して運転する場合がある。このように運転者が高所に位置しているときには、比較的小さなゆれであっても揚高によっては大きく感じることがある。よって、ハンドルノブ位置補正を禁止する領域を設定するにしても、操舵機構が全油圧式や前電気式に拘わらず、補正を禁止する必要のある領域で補正を禁止し、禁止する必要のない領域で補正を禁止しないようにするには、揚高を考慮に入れて補正禁止領域を設定する必要がある。
【0010】
さらに、全油圧式操舵機構のハンドルノブ位置補正はハンドル59の空転状態を作り出す補正であることから、車両がカーブ走行している際に補正を行うと、ハンドル59を操作しても操舵輪が操舵されず、ハンドル59に対する操舵輪の追従性が悪いという問題が生じていた。また、このようなカーブ走行時では、走行路面から操舵輪に大きな外力が加わるので、操舵輪の保持力を充分に確保しておく必要がある。
【0011】
同様に、全電気式操舵機構の場合であっても、ハンドルノブ位置補正としてステアリングモータ67の出力を低減させるのであれば、操舵輪65の追従性に関する問題が生じると思われるため、何らかの対策が必要であった。特に全電気式操舵機構の場合は、ステアリングモータ67の出力を低減させると、操舵輪65の保持力も低下してしまうので、操舵輪65の保持力を確保する対策も必要である。
【0012】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ハンドル位置補正を実行する構成としても、操舵輪に加わる外力が大きい領域で補正を禁止することで操舵輪の保持力を確保できる車両用のハンドル位置補正装置、及び車両を提供することにある。第2の目的は、第1の目的を達成するとともに、揚高に対してきめ細かい禁止条件を設定できることにある。また、第3の目的は、第1の目的を達成するとともに、カーブ走行時のハンドルに対する操舵輪の追従性を確保できることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と、前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段とを備え、前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が速い操作速度とみなせる閾値を超えるときにはハンドル位置補正を禁止する
請求項2に記載の発明では、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、前記補正禁止手段は、前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
請求項3に記載の発明では、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正禁止手段は、前記ハンドルを操作した際に、その実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
請求項4に記載の発明では、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位 置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段と、ハンドルの実位置と目標位置が一致したとき、前記駆動手段の出力を抑える第2補正実行手段とを備え、前記補正禁止手段は、横加速度が閾値を超えるときに前記第1補正及び第2補正の両方を禁止する。
【0014】
請求項1〜4に記載の発明によれば、ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、ハンドル操作時において補正実行手段によって両者の間のずれがなくなるようにハンドル位置補正が実行される。このとき、閾値変更手段は揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更し、補正禁止手段は揚高に応じて設定された閾値を超えると補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。ここで、横加速度が大きいときには操舵輪に相対的に大きな外力が加わるが、ハンドル位置補正の禁止条件となる横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更するので、操舵輪に大きな外力が加わるときに操舵輪の保持力を確保できる上に、その補正禁止条件がきめ細やかな条件となる。
請求項1に記載の発明によれば、ハンドル操作速度検出手段によってハンドルの操作速度が検出され、ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、ハンドルの操作速度が閾値を超えると、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。よって、車両を緊急操舵するためにハンドルを高速で回転した場合において、ハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
請求項2に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係がずれたときには、駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。そして、補正禁止手段は前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止するので、この禁止条件成立時において操舵輪の保持力が低くなるような不具合が生じない。
請求項3に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルを操作した際に、ハンドルの実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときには、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。よって、ハンドル位置補正の実行中にハンドル操作を止めても、補正以前よりもずれが大きくならずに済む。
請求項4に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。また、ハンドルの実位置と目標位置とが一致したときには、駆動手段の出力を抑える第2補正が第2補正実行手段によって実行される。そして、横加速度が閾値以上となるとき、補正禁止手段によって第1補正及び第2補正の両方が禁止されるので、横加速度が大きいときに駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
請求項5に記載の発明では、請求項3又は4に記載の発明において、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、前記補正禁止手段は、各禁止条件のうち少なくとも一つを満たしたときに前記第1補正を禁止する。
この発明によれば、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。そして、各補正禁止条件をそれぞれ満たしたときには、補正禁止手段によって第1補正が禁止されるので、それぞれの場合において駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
請求項6に記載の発明では、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、車両の横加 速度を検出する横加速度検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、前記補正禁止手段は、前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときに前記第1補正を禁止する。
この発明によれば、ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、ハンドル操作時において補正実行手段によって両者の間のずれがなくなるようにハンドル位置補正が実行される。このとき、閾値変更手段は揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更し、補正禁止手段は揚高に応じて設定された閾値を超えると補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。ここで、横加速度が大きいときには操舵輪に相対的に大きな外力が加わるが、ハンドル位置補正の禁止条件となる横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更するので、操舵輪に大きな外力が加わるときに操舵輪の保持力を確保できる上に、その補正禁止条件がきめ細やかな条件となる。また、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。そして、前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときには、補正禁止手段によって第1補正が禁止されるので、この禁止条件成立時において駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
【0015】
請求項に記載の発明では、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の発明において、車速を検出する車速検出手段を備え、前記補正禁止手段は、横加速度が閾値以下であっても、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
【0016】
この発明によれば、横加速度が閾値以下となる場合であっても、車両がカーブ走行している領域では補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止されるので、カーブ走行時のハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
【0017】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域は、車速がその第1の閾値を超え、かつ前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値を超える領域と、前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える領域とからなる
【0018】
この発明によれば、操舵輪の切れ角がその第2の閾値を超える領域ではハンドル位置補正が禁止されるので、操舵輪をエンド付近まで操舵した際のハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項7又は8に記載の発明において、車速を検出する車速検出手段を備え、前記補正禁止手段は、前記車速検出手段からの検出値に基づき、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域とは別の、車速がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超え高速走行時の領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
【0020】
この発明によれば、車速検出手段からの検出値に基づき、車速がその第2の閾値を超え高速走行時の領域では補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止されるので、高速時におけるハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
【0021】
請求項10に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、 前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と、前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段とを備え、前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が速い操作速度とみなせる閾値を超えるときにはハンドル位置補正を禁止する
請求項11に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、前記補正禁止手段は、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
請求項12に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正禁止手段は、前記ハンドルを操作した際に、その実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
請求項13に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段と、ハンドルの実位置と目標位置が一致したとき、前記駆動手段の出力を抑える第2補正実行手段とを備え、前記補正禁止手段は、横加速度が閾値を超えるときに前記第1補正及び第2補正の両方を禁止する。
【0022】
請求項10〜13に記載の発明によれば、ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、ハンドル操作時において補正実行手段によって両者の間のずれがなくなるようにハンドル位置補正が実行される。そして、車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両がカーブ走行している領域では、補正実行手段によるハンドル位置補正が補正禁止手段によって禁止される。ここで、所定の角度でのカーブ走行時には、走行路面から操舵輪に対し、その向きを直進方向に復元するような相対的に大きな外力が加わるが、車両がカーブ走行している領域ではハンドル位置補正が禁止されるので、操舵輪に大きな外力が加わるときに操舵輪の保持力を確保できる上に、カーブ走行時のハンドル操作に対する追従性も確保される。
請求項10に記載の発明によれば、ハンドル操作速度検出手段によってハンドルの操作速度が検出され、ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、ハンドルの操作速度が閾値を超えると、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。よって、車両を緊急操舵するためにハンドルを高速で回転した場合において、ハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
請求項11に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係がずれたときには、駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。そして、補正禁止手段は前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止するので、この禁止条件成立時において操舵輪の保持力が低くなるような不具合が生じない。
請求項12に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルを操作した際に、ハンドルの実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときには、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。よって、ハンドル位置補正の実行中にハンドル操作を止めても、補正以前よりもずれが大きくならずに済む。
請求項13に記載の発明によれば、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。また、ハンドルの実位置と目標位置とが一致したときには、駆動手段の出力を抑える第2補正が第2補正実行手段によって実行される。そして、横加速度が閾値以上となるとき、補正禁止手段によって第1補正及び第2補正の両方が禁止されるので、横加速度が大きいときに駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
請求項14に記載の発明では、請求項12又は13に記載の発明において、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、前記補正禁止手段は、各禁止条件のうち少なくとも一つを満たしたときに前記第1補正を禁止する。
この発明によれば、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。そして、各補正禁止条件をそれぞれ満たしたときには、補正禁止手段によって第1補正が禁止されるので、それぞれの場合において駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
請求項15に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検 出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、前記補正禁止手段は、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときに前記第1補正を禁止する。
この発明によれば、ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、ハンドル操作時において補正実行手段によって両者の間のずれがなくなるようにハンドル位置補正が実行される。そして、車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両がカーブ走行している領域では、補正実行手段によるハンドル位置補正が補正禁止手段によって禁止される。ここで、所定の角度でのカーブ走行時には、走行路面から操舵輪に対し、その向きを直進方向に復元するような相対的に大きな外力が加わるが、車両がカーブ走行している領域ではハンドル位置補正が禁止されるので、操舵輪に大きな外力が加わるときに操舵輪の保持力を確保できる上に、カーブ走行時のハンドル操作に対する追従性も確保される。また、補正実行手段はハンドル位置検出手段の検出値からハンドルの実位置を検出し、切れ角検出手段からの検出値を基に相対角度でハンドルの目標位置を算出する。そして、補正実行手段はハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、そのずれをなくすようにハンドルの実位置が目標位置に近づくように駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。また、ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときには、駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正が第1補正実行手段によって実行される。そして、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときには、補正禁止手段によって第1補正が禁止されるので、この禁止条件成立時において駆動手段の出力が抑えられずに済み、車体の不安定抑制効果が高い。
【0023】
請求項16に記載の発明では、請求項10〜15のうちいずれか一項に記載の発明において、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域は、車速がその第1の閾値を超え、かつ前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値を超える領域と、前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える領域とからなる
【0024】
この発明によれば、操舵輪の切れ角がその第2の閾値を超える領域ではハンドル位置補正が禁止されるので、操舵輪をエンド付近まで操舵した際のハンドル操作に対する操舵輪の追従性が確保される。
【0025】
請求項17に記載の発明では、請求項10〜16のうちいずれか一項に記載の発明において、前記補正禁止手段は、前記車速検出手段からの検出値に基づき、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域とは別の、車速がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超え高速走行時の領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する。
【0026】
この発明によれば、車速検出手段からの検出値に基づき、車速がその第2の閾値を超え高速走行時の領域では補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止されるので、高速時におけるハンドルに対する操舵輪の追従性が確保される。
【0029】
請求項18に記載の発明では、請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の発明において、前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段を備え、前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が遅い操作速度とみなせる閾値を下回るときにはハンドル位置補正を禁止する。
【0030】
この発明によれば、ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、ハンドルの操作速度が閾値を下回ってハンドルが相対的に遅い速度で操作されたときには、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。よって、ハンドルをゆっくり操作したときに、運転者が微量操舵させたいにも拘わらず操舵輪が操舵しないような不具合が生じない。
【0033】
請求項19に記載の発明では、請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手段が電気式駆動手段であり、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記電気式駆動手段が電気的に制御されて前記操舵輪が操舵される全電気式操舵機構を備えた。
【0034】
この発明によれば、全電気式操舵機構はハンドルと操舵輪が機械的に連結されていないので、ハンドルが操舵輪の最大回転位置で規制されることなく自由に回転する。この構成ではハンドルと操舵輪と位置関係にずれが生じ易くなるが、ハンドル位置補正を実行する構成であるので、位置関係のずれが解消される。そして、ハンドル位置補正を実行する構成であっても、操舵輪に相対的に大きな外力が加わるときにはハンドル位置補正が禁止され、操舵輪の保持力が確保される。
【0043】
請求項20に記載の発明では、車速を検出する車速検出手段と、ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、操舵輪の切れ角を算出する切れ角検出手段と、揚高を検出する揚高検出手段と、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、前記車速検出手段、切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域ではハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段とを備え、前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、前記補正禁止手段は、前記切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域のときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する
【0044】
この発明によれば、ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、ハンドル操作時において補正実行手段によって両者の間のずれがなくなるようにハンドル位置補正が実行される。そして、車速検出手段、切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域では、補正禁止手段によってハンドル位置補正が禁止される。従って、この補正禁止領域を操舵輪に相対的に大きな外力が加わる領域に設定しておけば、この補正禁止領域ではハンドル位置補正が禁止されるので、操舵輪に大きな外力が加わるときに操舵輪の保持力が確保される。
【0045】
また、補正実行手段はハンドルの実位置と操舵輪の切れ角との間の位置関係がずれたときには、駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行する。そして、補正禁止手段は前記切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域のときにハンドル位置補正を禁止するので、この禁止条件成立時において操舵輪の保持力が低くなるような不具合が生じない。
請求項21に記載の発明では、請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置を備えた車両。
この発明によれば、請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の作用と同様の作用が得られる。
【0046】
請求項22に記載の発明では、請求項21に記載の発明において、車体に対して昇降する運転台が装備されている。
この発明によれば、車体に対して運転台を備えた車両では、運転台が高所に位置した状態で走行する場合がある。このとき、横加速度に対して閾値を設定して、その閾値を超えるときにハンドル位置補正を禁止するようにしても、閾値が一定だと運転台が高所に位置したときに、小さな横加速度でも運転者は大きな横揺れを感じる。しかし、横加速度の閾値を揚高に応じて変えることによって、補正禁止条件をきめ細やかに設定することが可能になり、横揺れが感じ難くなる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両用のハンドルノブ位置補正装置、及び車両の一実施形態を図1〜図13に従って説明する。
【0048】
図2は、オーダーピッキング型フォークリフトの斜視図である。車両としてのオーダーピッキング型フォークリフト(以下、単にフォークリフトという)1は車体(機台)2の後部にマスト装置3を装備している。マスト装置3には、運転台4がマスト5に沿って昇降可能に配備されている。マスト5はアウタマスト6およびインナマスト7を備え、インナマスト7の上端にリフトシリンダ8のピストンロッド9(図3参照)の先端が固定されている。そして、リフトシリンダ8が駆動することによって、インナマスト7がアウタマスト6に対してスライドしてマスト5が伸縮動作する。
【0049】
インナマスト7の上端部にはスプロケット10が取着され、運転台4はそのスプロケット10に掛装されたチェーン11に吊り下げられた状態で支持されている。そして、リフトシリンダ8の駆動時にインナマスト7がアウタマスト6に対して伸縮動作することによって、運転台4が車体2に対して昇降移動する。運転台4の下部には一対のフォーク12が取り付けられ、運転台4の昇降移動に伴ってフォーク12が上下方向で位置決めされる。
【0050】
フォークリフト1は後二輪が従動輪(片側のみ図示)、前一輪が駆動操舵輪のバッテリ車であり、車体2に搭載された走行モータ13を駆動源としている。従動輪14は車体2の左右両側から後方へ延出する左右一対のレグ15の後端部にそれぞれ取り付けられ、駆動操舵輪(以下、単に操舵輪という)16は車体2の前部の車幅方向略中央位置に配置されている。
【0051】
運転台4の前方正面(図1の右側側面)にはハンドル17が取り付けられ、このハンドル17を操作することにより操舵輪16が操舵されてフォークリフト1の進行向きが変えられる。ハンドル17は所定箇所にハンドルノブ18が形成され、左右方向のどちらも最大回転量が規制されずに回転できるようになっている。また、運転台4にはハンドル17の他にインストルメントパネル19、操作レバー20、各種スイッチ類(図示省略)が配設されている。
【0052】
図3は、フォークリフト1の概略的構成を示した模式側面図である。フォークリフト1はコントローラ21を備え、コントローラ21にはCPU22、ROM23、RAM24、EEPROM25等が内蔵されている。ROM23には、操舵輪16を操舵させる操舵制御用やハンドルノブ位置補正制御用の制御プログラムが記憶されている。RAM24にはCPU22の演算結果等が一時記憶され、EEPROM25には後述するリンク比や補正低減係数K等が記憶される。CPU22はROM23に記憶された制御プログラムに従って、操舵輪制御やノブ位置補正制御を実行する。なお、CPU22は横加速度検出手段、補正実行手段、閾値変更手段及び補正禁止手段を構成する。
【0053】
ハンドル17にはハンドル位置検出手段及びハンドル操作速度検出手段を構成するハンドル角センサ26が取り付けられ、ハンドル角センサ26はプーリ27に巻き掛けられた信号線(電線ケーブル)28を介してコントローラ21の入力側に接続されている。ハンドル角センサ26はロータリエンコーダからなり、図5(a)に示すようにハンドル17の主軸29に止着された円板30と、円板30の半径方向外側に配置された3つの受光素子31〜33と、発光素子(図示省略)とを備えている。
【0054】
円板30の周縁部には複数(本例では40個)のスリット34が周方向に等間隔で形成され、そのスリット34の半径方向内側に1つのスリット35が形成されている。半径方向外側の2つの受光素子31,32は、スリット34と相対する位置で周方向に所定の間隔をおいて並んだ状態で配置されている。また、残り1つの受光素子33はスリット35と相対する位置に、かつハンドルノブ18の原点位置に配置されている。
【0055】
受光素子31,32はスリット34を介して発光素子からの光を受光し、互いに位相が90度ずれた図5(b)に示す検出信号(パルス信号)S1,S2をCPU22にそれぞれ出力する。そして、CPU22はこれら2つの検出信号S1,S2のエッジを計数することでハンドル17の操作角(ハンドル角H、実ノブ位置N)を算出する。本例では、ハンドル17の1回転を160分割した分解能で角度検出され、1つのエッジを計数するごとに2.25度の値で角度検出される。
【0056】
また、受光素子33はスリット35を介して発光素子からの光を受光し、図5(b)に示す検出信号(パルス信号)S3をCPU22に出力する。そして、CPU22は検出信号S3のHレベルを検出したとき、ハンドルノブ18が原点位置に位置したと判断する。また、CPU22は検出信号S1の立ち上がりを検出したときに、検出信号S2がHレベルであれば「右操舵」、検出信号S2がLレベルであれば「左操舵」と判断する。さらに、CPU22はハンドル角センサ26からの検出信号に基づき、その検出信号S1(S2)のパルス間隔時間からハンドル17のハンドル操作速度Sを算出する。
【0057】
図3に示すように、フォークリフト1は車体2内に駆動手段及び電気式駆動手段としてのパワーステアリングモータ(以下、PSモータと記す)36を備え、このPSモータ36の出力軸36aに取着されたギヤ37が操舵輪16を支持するギヤホイール38に噛合している。そして、PSモータ36が駆動されると、その駆動力がギヤ37からギヤホイール38へ伝達されて、操舵輪16がPSモータ36の回転方向に応じた方向に操舵される。このPSモータ36および走行モータ13は、コントローラ21によって駆動制御される。
【0058】
ギヤホイール38と相対する位置には切れ角検出手段及び横加速度検出手段を構成するタイヤ角センサ39が取り付けられ、タイヤ角センサ39はコントローラ21の入力側に接続されている。タイヤ角センサ39は例えばポテンショメータからなり、操舵輪16の切れ角Rに応じた検出信号(電圧値)をCPU22に出力する。操舵輪16は左右それぞれ最大約90度まで操舵可能となっており、CPU22はタイヤ角センサ39からの検出信号を基にして、その角度範囲内の値で操舵輪16の切れ角Rを算出する。
【0059】
走行モータ13の駆動軸40と相対する位置には車速検出手段及び横加速度検出手段を構成する車速センサ41が取り付けられている。車速センサ41は走行モータ13の駆動軸40の外周面に形成された被検出部(図示省略)を検出することで駆動軸40の回転に応じた検出信号(パルス信号)をCPU22に出力する。そして、CPU22はその検出信号のパルス間隔時間からフォークリフト1の車速Vを算出する。
【0060】
一方、インナマスト7の上部に取り付けられたプーリ27には、ロータリエンコーダからなる揚高検出手段としての揚高センサ42が取り付けられ、揚高センサ42はプーリ27の回転量に比例した検出信号(パルス信号)を出力する。そして、CPU22は揚高センサ42からの検出信号のパルスをカウントすることにより、フォーク12(運転台4)の揚高Yを算出する。ちなみに、CPU22は揚高センサ42により得られるパルスのカウント値を、運転台4が上昇するときにインクリメントし、下降するときにデクリメントする。
【0061】
ここで、操舵輪16とハンドル17とは機械的に連結されていないことから、ハンドル17と操舵輪16との間にリンク比を設定する必要がある。リンク比とはハンドル17と操舵輪16との間の回転比率であり、本例ではこのリンク比が「12」と設定され、ハンドル17が6回転(360度×6)されると操舵輪16が一方のエンドから他方のエンド(約180度)まで回転する。
【0062】
図4は、フォークリフト1の電気構成図である。コントローラ21は、走行モータ13に接続されたモータ駆動回路43と、PSモータ36に接続されたモータ駆動回路44とを備えている。CPU22はハンドル角センサ26からの検出信号と、タイヤ角センサ39からの検出信号とを入力し、これら信号値に基づき算出された出力指令値(デューティ値)Dm をモータ駆動回路44に出力する。モータ駆動回路44はCPU22からの出力指令値に応じた駆動電流をPSモータ36に出力し、PSモータ36はその電流値に応じた駆動力(トルク)を出力するように駆動される。もちろん、PSモータ36は電圧制御により駆動されても構わない。このようにして、全電気式操舵機構では操舵輪16がハンドル17の操作に対した切れ角Rに操舵される。
【0063】
CPU22は、第1カウンタ45とハンドル位置検出手段を構成する第2カウンタ46とを備えている。これら第1カウンタ45および第2カウンタ46は、ハンドル角センサ26から出力される各パルス信号S1,S2の立ち上がり及び立ち下がりの各エッジをカウントし、ハンドル1回転当たり合計160パルスのカウント値をカウントする。これら2つのカウンタのうち、第1カウンタ45はPSモータ36に出力する出力指令値Dm を決めるために使用され、第2カウンタ46はノブ位置補正制御を実行するために使用される。
【0064】
図6は、PSモータ36の出力指令値の計算方法を説明する説明図である。リンク比が「12」の場合、操舵輪16が一方のエンドから他方のエンドまで回動する際にはハンドル17が6回転する。そして、ハンドル17を1回転したときパルスが0〜159までカウントされることから、操舵輪16が直進状態となったときを基準として、例えばハンドル17が左操舵されたときを「−」、右操舵されたときを「+」とすると、第1カウンタ45はハンドル17の6回転を−480〜+480の間のカウント値Chとしてカウントする。
【0065】
このとき、CPU22は第1カウンタ45により計数されたカウント値Chを角度換算し、−1080度(−480/160×360度)から+1080度(+480/160×360度)の範囲内で、ハンドル17のハンドル角Hを算出する。なお、第1カウンタ45は操舵輪16の左エンド位置以降、すなわち−480となるとそれ以下ではカウントダウンを行わず、一方の右エンド位置以降、すなわち+480となるとそれ以上ではカウントアップを行わない。
【0066】
一方、操舵輪16の切れ角Rは左右それぞれ最大90度まで回転可能となっていることから、左最大操舵を−90度、右最大操舵を+90度とすると、CPU22はタイヤ角センサ39からの検出信号に基づき、−90度〜+90度の範囲内で操舵輪16の切れ角Rを算出する。そして、CPU22は算出した操舵輪16の切れ角Rにリンク比「12」を乗算して、−1080度〜+1080度の範囲内で切れ角Rをハンドル角Hに換算したハンドル換算値Htを算出する。
【0067】
ハンドル角Hとハンドル換算値Htを算出した後、CPU22はこれら値の差をとってハンドル17と操舵輪16との間の差角ΔH(=H−Ht)を算出し、その差角ΔHの絶対値に所定の係数を乗算してPSモータ36への出力指令値Dm を算出する。この出力指令値(デューティ比)Dm は、差角ΔHの絶対値に対して図9に示す関係を有しており、差角ΔHの絶対値が0〜HA の範囲では比例的に増加する値をとり、HA を超えると100%の値をとる。このHA は、例えば50〜200度の範囲内の所定値に設定されている。なお、PSモータ36はΔH<0のときに左回転(左操舵回転)され、ΔH>0のときに右回転(右操舵回転)される。
【0068】
また、CPU22はハンドル17が切り返されたとき、または操舵が止められたときに、ハンドルの位置情報を操舵輪の位置情報に合わせ込む処理を行う。このとき、CPU22は操舵輪16の切れ角Rに応じたカウンタ換算値Ctを算出する。そして、CPU22は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rに応じて求まるカウンタ換算値Ctをセットする。これにより、第1カウンタ45のカウント値Chとカウンタ換算値Ctとが一致し、差角ΔHが「0」となってPSモータ36に供給される電流値が「0」となる。
【0069】
この結果、図8(a)に示す差角ΔHが存在する状態から図8(b)に示す差角ΔHがなくなった状態となる。そして、運転者がハンドル17を切り返した、または操舵を止めれば、その操舵タイミングでPSモータ36への電圧出力が停止される。よって、ハンドル17が停止されているにも拘わらず、操舵輪16の操舵が継続されたり、ハンドル17を切り返したにも拘わらず操舵輪16の操舵方向が反転しないような不具合が生じず、運転者の意図に沿った状態に操舵輪16が操舵される。
【0070】
また、例えばフォークリフト1が走行しているときに、操舵輪16が走行路面上の障害物に当接して、ハンドル17を操作していないにも関わらず、ハンドル17に対して操舵輪16の切れ角Rがずれる場合がある。このとき、CPU22はハンドル角Hとハンドル換算値Htと差角ΔHを算出し、この差角ΔHを基にPSモータ36を駆動させて、操舵輪16を元の位置に復帰させる。よって、フォークリフト1の進行方向が運転者の意図に反して変わらずに済み、ハンドル17の操作性がよくなる。
【0071】
図7は、ハンドルノブ位置補正制御を説明する説明図である。第2カウンタ46はハンドル17の回転に対して0〜159の間で計160パルスをカウントし、ハンドルノブ18がノブ位置原点と一致して、受光素子33からの検出信号S3のパルスを検出する度にそのカウント値がリセットされる。つまり、第2カウンタ46はハンドルノブ18のノブ位置が最下点にくるノブ位置原点を「0」とし、そのノブ位置原点からハンドル17を操舵したときに0〜159までのカウント値Cnをカウントする。CPU22は第2カウンタ46のカウント値Cnから、0〜360度の範囲内で図10に示すハンドルノブ18の実ノブ位置(実位置)Nを算出する。この実ノブ位置Nは、例えばノブ位置原点を基準としてハンドルノブ18がハンドル17上でなす角度である。
【0072】
一方、CPU22は上述したように、−90度〜+90度の範囲内で操舵輪16の切れ角Rを算出し、算出した切れ角Rにリンク比「12」を乗算してハンドル換算値Htを算出している。このとき、CPU22はハンドル換算値Htから、第2カウンタ46のカウント値Cnと比較を行うためのカウンタ換算値Ckを算出する。このカウンタ換算値Ckは0〜159の値であり、操舵輪16の切れ角に対応してハンドルノブ18がいるべき位置に応じた値である。CPU22はカウンタ換算値Ckから、0〜360度の範囲内で図10に示すハンドルノブ18の目標ノブ位置(目標位置)Noを算出する。
【0073】
また、CPU22はハンドル17の操舵を検出するとその操作方向を検出し、ハンドル17の操作方向側の経路上で実ノブ位置Nから目標ノブ位置Noへ至るまでのズレ角Δθを算出する。そして、CPU22はズレ角Δθが180度以内(図10(a)参照)であるときには第1補正を実行し、PSモータ36への出力指令値Dm に補正低減係数Kを乗算して出力指令値Dm の値を変化させる。ちなみに、本例では補正低減係数Kの値が「0.5」に設定され、第1補正が実行されることでPSモータ36への駆動電流値が50%に低減される。
【0074】
そして、CPU22は補正低減係数Kが乗算されることで50%に低減された出力指令値Dm (←K・Dm )をモータ駆動回路44に出力し、この出力指令値に基づく電流値がPSモータ36に出力される。これにより、PSモータ36が通常よりも低速で回転し、ハンドル操作時において実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに追いつくことで、ハンドルノブ18の位置ずれが解消される。
【0075】
一方、CPU22はズレ角Δθが180度を超える(図10(b)参照)ときには第1補正を実行しない。この理由として、本例で用いた全電気式操舵機構はハンドル17とPSモータ36とが機械的にリンクされていないので、ハンドル17の実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに対して大きくずれることがある。よって、ハンドル操作方向のズレ角Δθが180度を超える場合に第1補正を行うと、ハンドル操作を止めるタイミングによってはズレ角Δθが補正以前よりも大きくなる場合が生じてしまうからである。
【0076】
そして、ハンドル17を同一方向に回転した場合に、ハンドル17の実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noとの間にΔθ≦180度のずれが生じたときのみ補正低減係数Kが乗算されるので、PSモータ36の出力が低減される領域と、出力が低減されない領域とがズレ角Δθの180度ごとで交互に現れることになる。つまり、結果として、図11に示すように、ズレ角Δθが180度以内のときが補正許可領域となり、ズレ角Δθが180度を超えるときが補正禁止領域となる。
【0077】
また、CPU22は実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noと一致したときに第2補正を実行し、PSモータ36へ供給される電流値を「0」に落とす処理を実行する。つまり、CPU22は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rに応じて決まるカウンタ換算値Ctをセットすることで差角ΔHを「0」とし、PSモータ36へ出力される電流値を「0」にする。
【0078】
これは、例えば図12に示すようにフォークリフト1を略90度にカーブさせた際に、カーブ終了時に進行方向を直進状態に戻したときのハンドル操作の直進安定性を高めるためである。つまり、フォークリフト1をカーブした状態から直進状態に戻す際には、ほぼ直進状態に復帰したときにハンドル17を原点を中心として左右に微操作することがある。このときに第2補正が実行されることによって、実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noと一致したタイミングでPSモータ36が停止される。
【0079】
ところで、第1補正が実行されると、ハンドル17を左右に微操作する際に、実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに一致する前後で補正許可領域から補正禁止領域に移行し、PSモータ36の出力が低減された状態(K=0.5)から、通常の状態(K=1)に切り替る。しかし、実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noが一致する瞬間に、PSモータ36の出力が「0」となるので、PSモータ36の出力が増大せずに済む。従って、ハンドル17を左右に微操作する際に操舵輪16が余計に操舵されることがなくなり、ハンドル17の操作に対する操舵輪16の直進安定性が確保される。
【0080】
図13は、ハンドルノブ位置補正実行時にCPU22が行う手順を示すフローチャートである。なお、S160〜S190が第1補正に、S120,S130が第2補正に相当する。このフローチャートは、例えば2.0〜50(msec)の範囲内の所定時間の間隔で繰り返し実行される。
【0081】
まず、ステップ(以下、単にSと記す)100では、ハンドル17を切り返した瞬間か、またはハンドル17の操舵を止めた瞬間か否かを判断する。ハンドル17が切り返されたとき、または操舵を止めたときにはS110に移行し、そうでないときにはS120に移行する。
【0082】
S110では、ハンドル17の位置情報を操舵輪16の位置情報に合わせる。即ち、CPU22は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rから決まるカウンタ換算値Ctをセットする。これにより、差角ΔHが「0」となってPSモータ36の出力が「0」となり、操舵輪16の操舵が止まる。従って、ハンドル17が停止されているにも拘わらず、操舵輪16の操舵が継続されたり、ハンドル17を切り返したにも拘わらず操舵輪16の操舵方向が反転しないような不具合が生じない。
【0083】
S120では、ハンドルノブ18の実ノブ位置Nと、操舵輪16の切れ角Rから決まる目標ノブ位置Noとが一致したか否かを判断する。即ち、第2カウンタ46のカウント値Cnと、操舵輪16の切れ角Rから決まるカウンタ換算値Ckとが一致したか否かを判断する。実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに一致していればS130に進み、一致していなければS140に移行する。
【0084】
S130では、ハンドル17の位置情報を操舵輪16の位置情報に合わせる。即ち、CPU22は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rから決まるカウンタ換算値Ctをセットする。これにより、例えばハンドル操作中に、実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noが一致する度に、その瞬間の差角ΔHが「0」となってPSモータ36の出力が一旦停止される。
【0085】
よって、走行時の車両直進性を整えるためにハンドル17を左右に微操作する場合に、PSモータ36が余計に駆動されずに済み、車両が若干左右に蛇行ぎみに走行することが抑えられる。特に、フォークリフト1をカーブさせた状態から直進状態に復帰させたときに、カーブ走行から直進走行に戻ったときのハンドル操作に対する直進安定性が確保される。
【0086】
S140では、ハンドル17と操舵輪16の差角ΔHを算出する。即ち、CPU22は第1カウンタ45のカウント値Chを基にしてハンドル17のハンドル角Hを算出するとともに、タイヤ角センサ39からの検出信号を基にして操舵輪16の切れ角Rからハンドル換算値Htを算出する。そして、CPU22はHとHtの間の差をとって、ハンドル17と操舵輪16との間の差角ΔHを算出する。
【0087】
S150では、差角ΔHに応じたPSモータ36の出力指令値Dm を算出する。即ち、CPU22は差角ΔHの絶対値に図9から決まる所定係数を乗算して出力指令値Dm を算出する。
【0088】
S160では、ハンドル17の操舵方向を求める。即ち、CPU22はハンドル角センサ26から入力する位相のずれた2つのパルス信号を比較処理してハンドル17の操作方向を検出する。そして、ハンドル17が右操舵されたか、左操舵されたかが検出される。
【0089】
S170では、ハンドルノブ18の実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noとの間のハンドル操作方向におけるズレ角Δθを算出する。即ち、CPU22は第2カウンタ46のカウント値Cnを基にハンドルノブ18の実ノブ位置Nを算出するとともに、操舵輪16の切れ角Rから求まるカウンタ換算値Ckを基にハンドルノブ18の目標ノブ位置Noを算出する。そして、CPU22は図10に示すように、実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noとの間においてハンドル17の操作方向の差をとってズレ角Δθを算出する。
【0090】
S180では、ハンドル操作方向のズレ角Δθが180度以内(Δθ≦180度)か否かを判断する。Δθ≦180度が成立するときはS190に移行し、Δθ≦180度が不成立のときはS200に移行する。
【0091】
S190では、PSモータ36の出力指令値Dm に補正低減係数Kを乗算する。本例では、PSモータ36への出力指令値Dm に「0.5」が乗算され、その乗算結果として50%軽減された出力指令値Dm が得られる。
【0092】
S200では、出力指令値Dm をPSモータ36に出力する。つまり、補正低減係数Kが乗算された出力指令値Dm が出力されたときには、PSモータ36が低速で回転して操舵輪16が操舵される。これにより、ハンドル操作の割にPSモータ36の出力が抑えられ、実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに追いつくことでハンドルノブ18の位置ずれが解消される。一方、補正低減係数Kが乗算されない出力指令値Dm が出力されたときには、通常の駆動力でPSモータ36が駆動される。
【0093】
図1は、ハンドルノブ位置補正を禁止するか否かを決めるためのマップである。ROM23には図1に示すマップMが記憶され、このマップMは横軸のパラメータを切れ角Rとし縦軸のパラメータを車速Vとしている。CPU22はマップMを参照してハンドルノブ位置補正(第1補正、第2補正)を禁止するか否かを判定する。そして、車速Vと切れ角Rとの2つをパラメータとして求まるマップM上の座標(V,R)が補正禁止領域に位置するときにはハンドルノブ位置補正を禁止する。この補正禁止領域には第1補正と第2補正の両方を禁止する領域と第1補正のみを禁止する領域との2種類が設定されている。なお、本例ではVmax を約9.0(km/h)と設定している。
【0094】
マップMには横加速度Gの閾値Goが設定されており、マップM上において横加速度Gが閾値Goを超える領域を補正禁止領域Xaと設定している。この補正禁止領域Xaでは、第1補正と第2補正の両方を禁止するように設定されている。つまり、車速Vと切れ角Rとをパラメータとして求まるマップM上の座標(V,R)が、補正禁止領域Xaにある場合に第1補正と第2補正が禁止される。
【0095】
ところで、横加速度Gは、切れ角Rから決まる車両旋回半径をrとして次式により表わされる。
G=V2/r
よって、横加速度Gは車速Vと切れ角Rとによって一義的に決まり、横加速度Gが閾値Goを超える(V2/r>Goが成立する)組み合わせの領域(V,R)を補正禁止領域Xaとしている。
【0096】
これにより、例えばフォークリフト1を図12のように略90度にカーブさせた際に、横加速度Gが閾値Go以上となる場合には、第1補正と第2補正の両方が禁止される。よって、PSモータ36の出力が低減されずに済み、横加速度Gが原因で走行路面から操舵輪16に大きな外力が加わっても操舵輪16の保持力が確保される。また、車体2に大きな横加速度Gが加わっても操舵輪16の保持力が確保されているので、車体2の不安定化が防止される。
【0097】
また、横加速度Gの閾値Goは揚高Yに応じてその値が変更されるように設定されており、揚高Yが0〜Y1のときG1、Y1〜Y2のときG2、Y2〜Y3のときG3となるように設定されている。但し、これらY1〜Y3,G1〜G3には0<Y1<Y2<Y3、G1>G2>G3の関係にある。よって、揚高Yが高い場合には車両重心が高くなり、車体2のバランスが悪化して車体2が不安定な状態となり易いが、揚高Yに応じて横加速度Gの閾値Goを変更するので、閾値Goが揚高Yに応じた最も適した値となる。
【0098】
特に、オーダーピッキング型のフォークリフト1では運転台4がマスト5に沿って昇降する構成であることから、運転台4が高い位置にあると横加速度Gが比較的低くても運転者は横揺れを感じ易くなる。しかし、揚高Yが高いときには横加速度Gの閾値Goが小さくなるので、それだけ操舵輪16の保持力が確保され易く、運転台4が高所に位置しても運転者は横揺れを感じ難くなる。
【0099】
また、マップMは座標(V,R)が補正禁止領域Xaの範囲外にあっても、フォークリフト1をカーブ走行させる領域では、操舵輪16に比較的大きな外力が加わって車体2が不安定となる心配があるため、第1補正を禁止する補正禁止領域Xbを設定している。つまり、横加速度Gの閾値Goを下回る領域において、車速Vが閾値Va(<Vo)を超え、かつ切れ角Rが閾値Raを超える領域と、切れ角Rが閾値Rb(>Ra)を超える領域とを補正禁止領域Xbと設定し、マップM上の座標(V,R)が補正禁止領域Xbにある場合には第1補正が禁止される。
【0100】
この補正禁止領域Xbのうち、閾値Vaおよび閾値Raを超える領域は図12に示すようにフォークリフト1が略90度でカーブ走行している場合である。そして、補正禁止領域Xbでは第1補正が禁止されるので、カーブ走行が原因で走行路面から操舵輪16に大きな外力が加わっても操舵輪16の保持力が確保される。また、ハンドル17の操作に対する操舵輪16の追従性も確保され、運転者が意図した通りの旋回半径でカーブできるようになる。
【0101】
また、補正禁止領域Xbのうち、切れ角Rが閾値Rbを超える領域は操舵輪16がほぼエンド付近まで操舵された状態である。よって、操舵輪16の切れ角Rを大きく切ったことが原因で走行路面から操舵輪16に大きな外力が加わっても操舵輪16の保持力が確保される。また、操舵輪16がエンド付近にあるときのハンドル17の操作に対する操舵輪16の追従性も確保される。
【0102】
マップMは同マップM上の値が補正禁止領域Xaの範囲外であっても、車速Vが閾値Voを超える高速走行時の領域では第1補正を禁止するように設定されている。つまり、車速VがVoを超える領域を補正禁止領域Xcと設定し、マップM上の座標(V,R)が補正禁止領域Xcにある場合に第1補正が禁止される。よって、高速で略直進走行している際においても、ハンドル17の操作に対する操舵輪16の追従性が確保され、運転者が意図した角度に車両の進行方向を変えられる。
【0103】
また、車速Vが閾値Va〜Voの範囲で、切れ角Rが閾値Rc(<Ra)以下の領域を、ハンドルノブ位置補正が禁止されない領域Xeとする。このとき、マップMは補正禁止領域Xa,Xb,Xc,Xeを除く補正禁止領域Xdでは、ハンドル操作速度Sが設定値So以下となったときに第1補正を禁止するように設定されている。この設定値Soは約0.5(rps)に設定されている。
【0104】
これは、走行時においてハンドル17をゆっくりと操作するときに、第1補正が行われてPSモータ36の出力が低減されてしまうと、操舵輪16を少しずつ操舵させたいのに操舵できなくなってしまうからである。なお、領域Xeは切れ角Rがほぼ「0」とみなせる領域であって車両不安定要素がないので、第1補正と第2補正をともに実行できる領域としている。
【0105】
また、CPU22はマップMの全領域において、ハンドル角センサ26から求まるハンドル操作速度Sが設定値Sa以上となるときに第1補正を禁止する。この設定値Saは、例えば2.0(rps)に設定されている。ところで、走行路面の形状や障害物等により、ハンドル17を高速で回転させてフォークリフト1を緊急操舵させる場合がある。この状況下で第1補正を行ってPSモータ36の出力を低減させてしまうと、ハンドル17を回転しているにも拘わらず操舵輪16が充分に操舵されない状態となることがある。
【0106】
しかし、ハンドル17が高速で回転されているとみなし得るハンドル操作速度Sの設定値Saを設定しておき、ハンドル操作速度Sが設定値Sa以上となるときには第1補正を禁止するようにしている。よって、ハンドル17を比較的高速に操作するときに、PSモータ36の出力が低減されてしまうことがなくなり、ハンドル17の操作に対する操舵輪16の追従性が確保される。
【0107】
従って、この実施形態では以下のような効果を得ることができる。
(1)マップMを用いて各補正禁止条件を満たすときにはハンドルノブ位置補正を禁止するので、操舵輪16に大きな外力が加わるときにPSモータ36の出力が低く抑えられずに済み、操舵輪16の保持力が確保される。よって、ハンドルノブ位置補正を実行することに起因する車体2の不安定化を防止できる。
【0108】
(2)揚高センサ42により揚高Yを検出し、横加速度Gの閾値Goが揚高Yに応じて変更されるので、閾値Goが揚高Yに応じた最も適した値となり、きめ細かい補正禁止条件を設定できる。特に、オーダーピッキング型のフォークリフト1では運転台4が上昇する構成であり、運転台4が高い位置にあるときに比較的小さな横加速度Gでも運転者は横揺れを感じ易い。しかし、その不安を無くすように横加速度Gの閾値Goが小さく設定されるので、運転台4が高所に位置しても横揺れを感じ難い。よって、揚高Yが変化しても、無駄なハンドルノブ位置補正を減らすことができ、必要なノブ位置補正を確実に実行できる。
【0109】
(3)横加速度Gが閾値Goを超える補正禁止領域Xaでは、第1補正と第2補正をともに禁止する。従って、車体2の横加速度Gが大きい不安定な状態のときにPSモータ36の出力が低減されることがなく、操舵輪16の保持力が確保され、車体2の不安定化を防ぐことができる。
【0110】
(4)横加速度Gが閾値Go以下であっても、補正禁止領域Xbでは第1補正を禁止しているので、カーブ走行時等ではPSモータ36の出力が低減されずに済む。よって、ハンドル17の操作に対して操舵輪16の追従性が確保され、運転者が意図したカーブを描くように操舵輪16を操舵できる。また、操舵輪16がエンド付近ある場合のハンドル17に対する操舵輪16の追従性も確保できる。
【0111】
(5)車速Vが閾値Voを超えるとともに略直進状態で走行している補正禁止領域Xcでは第1補正を禁止しているので、高速状態のときにPSモータ36の出力が低減されずに済む。よって、例えば高速走行時にハンドル17を操作しても、そのハンドル17の操作に対する操舵輪16の追従性が確保され、運転者が意図した通りに操舵輪16を操舵できる。
【0112】
(6)ハンドル操作速度Sが設定値Sa以上となったときには、ハンドルノブ位置補正を禁止するようにしたので、フォークリフト1を緊急操舵したときにPSモータ36の出力が低減されてしまうことがなくなり、ハンドル17の操作に対して応答良く操舵輪16を操舵できる。
【0113】
(7)補正禁止領域Xdでは、ハンドル操作速度Sが設定値So以下となったとき、即ちハンドル17をゆっくり操作したときには第1補正を禁止しているので、ハンドル17のゆっくり操作に合わせて操舵輪16をゆっくりと操舵させることができる。
【0114】
(8)全電気式操舵機構ではハンドル17が操舵輪16と機械的に連結されていないため、操舵輪16がエンドに位置してもハンドル17が自由に回転することから、ハンドル17の実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに対してずれ易い。本例では、このずれをなくすためにPSモータ36の出力を低減させてハンドルノブ位置補正を実行できる上に、この補正を禁止する場合であっても、操舵輪16に大きな外力が加わる場合にはノブ位置補正を禁止できる。
【0115】
(9)横加速度Gの閾値Goは揚高Yに応じて、所定の範囲ごとに段階的に設定されるので、簡単なプログラムで済む。
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば、次の態様に変更してもよい。
【0116】
○ 横加速度Gが閾値Go以上となるか否かの判定はマップMを用いて車速と切れ角Rから判断することに限定されない。例えば、切れ角Rから旋回半径の逆数値1/rを求め、車速Vを用いて横加速度GをG=V2/rにより算出し、その値を閾値Goと比較するようにしてもよい。
【0117】
○ 横加速度Gは車速Vと切れ角RをパラメータとするマップMから求められることに限定されない。例えば、車体2に横加速度センサを設け、その横加速度センサの検出値から横加速度Gを算出してもよい。また、ヨーレートセンサと車速の2つをパラメータとするマップを用意し、そのマップ上の座標から横加速度を求めてもよい。
【0118】
○ 加速度Gの閾値G1,G2,G3の値は仕様に応じて自由に設定変更してもよい。また、揚高Yの範囲を指定するY1,Y2,Y3の値も仕様に応じて自由に設定変更してもよい。
【0119】
○ 横加速度Gの閾値Goは所定の範囲ごとに段階的に変化する値であることに限らず、揚高Yに応じて連続的に変化する値としてもよい。
○ 補正禁止領域Xaでは第1補正と第2補正の両方が禁止されることに限定されず、第1補正と第2補正のうち一方が禁止されればよい。
【0120】
○ 補正禁止領域Xb,Xc,Xdでは第1補正のみを禁止することに限定されず、第1補正と第2補正の両方を禁止するようにしてもよい。これとは逆に、補正禁止領域Xb,Xc,Xdで第1補正を禁止しないようにしてもよい。
【0121】
○ 補正禁止領域XbのマップM上の範囲は実施形態に限定されず、閾値Ra,Rb,Vaの値を変更することで設定変更してもよい。また、補正禁止領域XcのマップM上の範囲も実施形態に限定されず、閾値Voの値を変えることで補正禁止の範囲を設定変更してもよい。
【0122】
○ マップMは補正禁止領域Xa,Xb,Xc,Xdの全てを備えることに限定されない。例えば、マップMは補正禁止領域Xaのみが設定されているものでもよく、または補正禁止領域Xbのうちのカーブ走行時の領域のみで補正が禁止されてもよい。また、マップM上の補正禁止領域は、領域Xaとカーブ走行時の領域とのいずれか一方と、領域Xbと領域Xcと領域Xdと操舵輪16のエンド付近領域とハンドル高速操舵領域との少なくとも一つとの組み合わせで設定されていればよい。
【0123】
○ 補正禁止領域Xbは、揚高Yに応じて閾値Ra,Rb,Vaを変えることで領域範囲を変更してもよい。
○ ハンドル17が高速回転しているか否かの判定に用いられるハンドル操作速度Sの設定値Saは2.0(rps)に限定されず、例えば1.8や2.0などハンドル17が高速回転しているとみなし得る値であればよい。
【0124】
○ ハンドル17がゆっくりと操舵されているか否かの判定に用いられるハンドル操作速度Sの設定値Soは0.5(rps)に限定されず、例えば0.1や0.3などハンドル17がゆっくりと操作されているとみなし得る値であればよい。また、この判定は補正禁止領域Xdのみで行われることに限らず、それ以外の補正禁止領域Xa,Xb,Xcで行ってもよい。
【0125】
○ 補正低減係数Kは「0.5」であることに限定されず、リンク比も「12」であることに限定されない。つまり、EEPROM25に記憶されたこれら値を書き換えることで、上記以外の値に設定してもよい。
【0126】
○ 補正低減係数Kは一定値(0.5)であることに限定されない。例えば、図14に示すように、補正許可領域においてズレ角Δθが減少するに従って比例関係をもって増加する値としてもよい。
【0127】
○ 第1補正の補正許可領域はズレ角Δθが180度以内のときに限定されず、180度以内の任意の値以内のときとしてもよい。
○ ハンドル位置補正は、操舵輪16の切れ角Rから求まる目標ノブ位置にハンドル17の実ノブ位置を近づける方式に限定されない。例えば、ハンドル17のハンドル角から目標タイヤ角を求め、実タイヤ角が目標タイヤ角に近づける方式を採用してもよい。
【0128】
○ ハンドル17の実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noは0〜360度の相対角度で算出されることに限定されず、絶対角度で算出されてもよい。例えば、本例では実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noが−1080度〜+1080度の範囲内の絶対角度で算出されてもよい。
【0129】
○ 全電気式操舵機構は、ハンドル角Hとハンドル換算値Htとの差角ΔHに基づき操舵輪16を駆動する構成に限定されない。例えば、ハンドル操作速度Sに基づきPSモータ36が駆動されて、操舵輪16が操舵される構成でもよい。即ち、ハンドル操作速度Sに基づき出力指令値Dm を算出し、その出力指令値Dm に応じた駆動力でPSモータ36が回動して操舵輪16が操舵されてもよい。
【0130】
○ 操舵輪16を操舵するための操舵機構は全電気式に限らず、例えばハンドルの操作量に応じた作動油をステアリングシリンダに供給して操舵輪を操舵する油圧式であってもよい。
【0131】
○ ハンドル17にはハンドルノブ18が必ずしも設けられていることに限らず、ハンドル17にノブがないものでもよい。
○ 産業車両はオーダーピッキング型フォークリフト1に限定されず、カウンタバランス式やリーチ式等の他の様式のフォークリフトでもよい。また、本例のハンドルノブ位置補正制御は産業車両に用いることに限らず、自動車等の車両に用いてもよい。
【0132】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)前記閾値変更手段は、所定の範囲ごとに段階的に閾値を変化させる。この場合、簡単なプログラムで閾値変更ができる。
【0133】
(2)前記カーブ走行とは、操舵輪の切れ角が略40度以上の範囲の所定値となった状態で走行することである。この場合、切れ角が40度以上の状態で走行中であれば操舵輪に相対的に大きな外力が加わっているとみなせ、このときにハンドル補正を禁止すれば車体の不安定化が防止できる。
【0134】
(3)前記全電気式操舵機構では、操舵輪が外力によってハンドルに対してずれたとき、前記駆動手段を駆動して前記操舵輪を元の位置に復帰させる。この場合、操舵輪が外力によってずれたままの状態にならずに済む。
【0135】
(4)前記ハンドルノブ位置補正装置を備えた産業車両。
(5)前記技術的思想(4)において、前記産業車両は、車体に対して運転台が昇降するオーダーピッキング型である。
【0136】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項によれば、ハンドル位置補正を実行する構成としても、操舵輪に加わる外力が大きい領域で補正を禁止することで操舵輪の保持力を確保できる。
【0137】
請求項1〜2122によれば、揚高に対してきめ細かい禁止条件を設定できる。
請求項10〜17,2122によれば、カーブ走行時のハンドルに対する操舵輪の追従性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態における補正禁止時に使用するマップ。
【図2】 フォークリフトの斜視図。
【図3】 フォークリフトの概略的構成を示した模式側面図。
【図4】 フォークリフトの電気的構成を示す電気構成図。
【図5】 (a)はハンドル角センサの構成を示す構成図、(b)はハンドル角センサから出力される波形図。
【図6】 PSモータの出力指令値の計算方法を説明する説明図。
【図7】 ハンドルノブ位置補正制御を説明する説明図。
【図8】 (a)はハンドルと操舵輪との間に差角が生じたときの説明図、(b)はその差角がなくなったときの説明図。
【図9】 差角とモータの出力指令値との間の関係図。
【図10】 (a)はズレ角が180度以内のときの状態図、(b)はズレ角が180度を超えるときの状態図。
【図11】 ズレ角と補正低減係数との間の関係図。
【図12】 カーブしたときの動作図。
【図13】 ハンドルノブ位置補正の実行手順を示すフローチャート。
【図14】 別例におけるズレ角と補正低減係数との間の関係図。
【図15】 従来におけるパワーステアリング装置の概略構成図。
【図16】 従来における電気式のオーダーピッキングトラックの概略構成図。
【符号の説明】
1…車両としてのフォークリフト、2…車体、4…運転台、16…操舵輪、17…ハンドル、22…横加速度検出手段、補正実行手段、閾値変更手段及び補正禁止手段を構成するCPU、26…ハンドル位置検出手段及びハンドル操作速度検出手段を構成するハンドル角センサ、36…駆動手段及び電気式駆動手段としてのPSモータ、39…切れ角検出手段及び横加速度検出手段を構成するタイヤ角センサ、41…車速検出手段及び横加速度検出手段を構成する車速センサ、42…揚高検出手段としての揚高センサ、46…ハンドル位置検出手段を構成する第2カウンタ、G…横加速度、V…車速、R…切れ角、S…操作速度(ハンドル操作速度)、N…実位置(実ノブ位置)、No…目標位置(目標ノブ位置)。

Claims (22)

  1. ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、
    横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段と
    を備え
    前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が速い操作速度とみなせる閾値を超えるときにはハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  2. ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、
    横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、
    前記補正禁止手段は、前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  3. ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、
    横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが 生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正禁止手段は、前記ハンドルを操作した際に、その実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  4. ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、
    横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段と、ハンドルの実位置と目標位置が一致したとき、前記駆動手段の出力を抑える第2補正実行手段とを備え、
    前記補正禁止手段は、横加速度が閾値を超えるときに前記第1補正及び第2補正の両方を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  5. 前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、
    前記補正禁止手段は、各禁止条件のうち少なくとも一つを満たしたときに前記第1補正を禁止する請求項3又は4に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  6. ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記揚高検出手段からの検出値に基づき、横加速度の閾値を揚高に応じて設定変更する閾値変更手段と、
    横加速度検出手段からの検出値に基づき、車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えると前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、
    前記補正禁止手段は、前記車両の横加速度が揚高に応じて設定された前記閾値を超えたときに前記第1補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  7. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記補正禁止手段は、横加速度が閾値以下であっても、前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する請求項1〜のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  8. 前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域は、車速がその第1の閾値を超え、かつ前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値を超える領域と、前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える領域とからなる請求項に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  9. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記補正禁止手段は、前記車速検出手段からの検出値に基づき、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域とは別の、車速がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える高速走行時の領域では、前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する請求項7又は8に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  10. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と、
    前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段と
    を備え、
    前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が速い操作速度とみなせる閾値を超えるときにはハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  11. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、
    前記補正禁止手段は、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  12. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径で カーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正禁止手段は、前記ハンドルを操作した際に、その実位置が目標位置に対して離間する方向に操作されたときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  13. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段と、ハンドルの実位置と目標位置が一致したとき、前記駆動手段の出力を抑える第2補正実行手段とを備え、
    前記補正禁止手段は、横加速度が閾値を超えるときに前記第1補正及び第2補正の両方を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  14. 前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、
    前記補正禁止手段は、各禁止条件のうち少なくとも一つを満たしたときに前記第1補正を禁止する請求項12又は13に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  15. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域では前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記切れ角検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの相対角度で該ハンドルの目標位置を算出し、前記ハンドルの実位置と目標位置との間にずれが生じたときに、そのずれをなくすようにハンドル位置補正を実行し、
    前記補正実行手段は、前記ハンドルの実位置が目標位置に対してずれたときに、前記駆動手段の出力を抑えて実位置を目標位置に追いつかせる第1補正実行手段を備え、
    前記補正禁止手段は、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域のときに前記第1補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  16. 前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域は、車速がその第1の閾値を超え、かつ前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値を超える領域と、前記操舵輪の切れ角がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える領域とからなる請求項10〜15のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  17. 前記補正禁止手段は、前記車速検出手段からの検出値に基づき、前記車両が所定の旋回半径でカーブ走行している領域とは別の、車速がその第1の閾値より大きい値に設定された第2の閾値を超える高速走行時の領域では、前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する請求項10〜16のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置
  18. 前記ハンドルの操作速度を検出するハンドル操作速度検出手段を備え、
    前記補正禁止手段は、前記ハンドル操作速度検出手段からの検出値に基づき、前記ハンドルの操作速度が遅い操作速度とみなせる閾値を下回るときにはハンドル位置補正を禁止する請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置
  19. 前記駆動手段が電気式駆動手段であり、前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記電気式駆動手段が電気的に制御されて前記操舵輪が操舵される全電気式操舵機構を備えた請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置。
  20. 車速を検出する車速検出手段と、
    ハンドルの実位置を検出するハンドル位置検出手段と、
    操舵輪の切れ角を算出する切れ角検出手段と、
    揚高を検出する揚高検出手段と、
    前記ハンドル位置検出手段と切れ角検出手段とからの検出値に基づき、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときに、このずれをなくすように前記ハンドル操作時にハンドル位置補正を実行する補正実行手段と、
    前記車速検出手段、切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域ではハンドル位置補正を禁止する補正禁止手段と
    を備え、
    前記補正実行手段は、前記操舵輪が前記ハンドルの操作量に応じた切れ角となるように、前記操舵輪に操舵力を付与する駆動手段を備え、前記ハンドルの実位置と前記操舵輪の切れ角との間の位置関係にずれが生じたときには、前記駆動手段の出力を抑えることでハンドル位置補正を実行し、
    前記補正禁止手段は、前記切れ角検出手段及び揚高検出手段とからの検出値に基づいて決まる補正禁止領域のときに前記補正実行手段によるハンドル位置補正を禁止する車両用のハンドル位置補正装置。
  21. 請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の車両用のハンドル位置補正装置を備えた車両。
  22. 車体に対して昇降する運転台が装備されている請求項21に記載の車両。
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