JP3991508B2 - スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネルに装着される押しボタンスイッチやキースイッチなどのスイッチで、特には、操作部とスイッチ部とが着脱できる分離型のスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記分離型のスイッチとしては、パネルに取り付けられた操作部に対して、スイッチ部をパネル背面側から装着して固定するとともに、必要に応じてスイッチ部を操作部から取り外してスイッチ部のメンテナンスや交換を行え得るように構成したものが知られている。そして、この種スイッチにおいては、操作部にスイッチ部を装着した後、連結操作レバーを連結位置に操作してその装着状態を維持し、連結操作レバーを連結解除位置に操作することでスイッチ部を操作部から分離することができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のスイッチにおいては、連結操作レバーを所定の連結位置に操作しておけば、凹凸部の係合を利用した位置決めデテント手段によってレバー位置が安定維持されるようにはなっているのであるが、無造作なレバー操作によって確実に連結位置に操作されない状態となったり、スイッチ部に脱着操作の際に隣接する他のスイッチの連結操作レバーに触れて、所定の連結位置からずれてしまったりするおそれがある。そして、このような不確実なレバー操作状態のままで使用していると、繰り返しスイッチ操作力を受けている間に発生する振動などによって、連結操作レバーが次第にズレ動いてしまって、ついにはスイッチが勝手に脱落してしまうような事態に陥るおそれもあった。
【0004】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、連結操作レバーを連結位置に確実に保持できるように工夫することで、不測なスイッチ脱落事故を未然に回避することを主たる目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0006】
請求項1に係る発明のスイッチは、前面側から操作可能にパネルに取り付けられる操作部と、この操作部にパネル背面側から脱着されるスイッチ部とからなり、前記操作部とスイッチ部とを連結するとともに、その連結を解除する連結操作レバーを備えてあるスイッチにおいて、前記連結操作レバーを連結位置に固定するレバーロック部材を、パネル前後方向に沿って脱着自在に装着するものであって、前記レバーロック部材は、前記スイッチ部に備えられたスイッチ取付け台に係合する係合部と、前記連結操作レバーに形成された操作孔に嵌入される嵌入部とを有し、後方から前記嵌入部を前記操作孔に嵌入するとともに、前記係合部を前記スイッチ取付け台に係合して、前記連結操作レバーを固定することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明のスイッチは、請求項1に係る発明において、前記操作部は、押圧操作される押しボタンを備えている。
【0011】
〔作用〕
請求項1に係る発明の構成によると、パネルに取り付けた操作部にパネル背面側より所望のスイッチ部を連結した後、連結操作レバーを連結位置に移動させ、この連結操作レバーにレバーロック部材を作用させて連結操作レバーを連結解除位置への不測な移動を阻止しておく。スイッチ部の交換やメンテナンスに際しては、レバーロック部材を外して連結操作レバーを連結解除位置へ移動させることで、スイッチ部を操作部から取り外すことができる。しかも、レバーロック部材を脱着する場合には、このレバーロック部材をパネル前後方向に移動操作することになるので、複数のスイッチが近接してパネルに並列配備されていても、隣接するスイッチがレバーロック部材の脱着に邪魔になることがない。また、複数のスイッチが並べて配備された際に、連結操作レバーの操作孔にドライバーなど工具の先を引っ掛けて操作することができるとともに、この操作孔にレバーロック部材の嵌入部を嵌入して、連結操作レバーを連結位置に固定することができる。
【0015】
請求項2に係る発明の構成によると、操作部に押し操作が加えられる度に振動などが発生しても、レバーロック部材で固定された連結操作レバーは連結位置からズレ動くことはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に本発明に係るスイッチの一例である押しボタンスイッチAを後方から見た斜視図が、図2にその平面図が、また、図3にその要部を縦断した側面図がそれぞれ示されており、この押しボタンスイッチAは、例えば、非常停止用スイッチとして用いられるものであり、各種機器のパネル1に取り付けられる操作部2と、この操作部2にパネル背面側から脱着されるスイッチ部3とから構成されている。
【0018】
前記操作部2自体は、前記パネル1に挿通して固定される円筒状の支持ケース4と、これの前部に装着された押しボタン5とからなり、前記支持ケース4をパネル1に前面から挿通して環状段部4aに当て付け支持した状態で、パネル背面側への突出部位に装着したナット6を締め込むことで、支持ケース4がパネル1に固定されるようになっている。
【0019】
また、前記押しボタン5は、支持ケース4に対して前後にスライド移動可能かつ回動可能に外嵌装着されるとともに、前方側に向けてスライド突出付勢されており、この付勢力に抗して押しボタン5を押し込み操作すると、内装されたロック手段によって図2中の仮想線で示す押し込み位置にロックされ、押し込み位置のボタン5をその前面に付された矢印マークの方向(図8参照)に少し回動すると、押し込みロックが解除されて元の位置にスライド復帰されるようになっている。そして、図7の分解斜視図に示すように、支持ケース4の内部には、押しボタン5の前後動に応じて前後に直線変位する円筒状の操作スリーブ7が内嵌されている。
【0020】
前記スイッチ部3は、図6にも示されるように、スイッチ取付け台8と、これに装着支持される左右のスイッチ本体9とで構成されており、このスイッチ取付け台8が前記操作部2における支持ケース4の連結端部4bにパネル背面側から脱着可能となっている。
【0021】
図8および図9に示すように、前記スイッチ取付け台8の前面には、操作部連結用として略円形の開口10が形成されており、その背部の左右に前記スイッチ本体9が縦向き姿勢で脱着可能に装着されている。
【0022】
詳述すると、スイッチ取付け台8における背部の上部には、後向き片持ち状の3個の係止片11が左右に並列して設けられるとともに、図6に示されるように各係止片11にはそれぞれ係止孔12が形成され、さらに、スイッチ取付け台8における背部の下部には、3個の係止孔13が左右に並列して設けられている。また、スイッチ本体9の上下端面には、上下の前記係止孔12,13に係入可能な係止突起14,15が形成されており、左右両端の係合孔12,13対を用いて左右2個のスイッチ本体9がスイッチ取付け台8に位置決め係合連結されるようになっている。なお、左右中間の係合孔12,13対には必要に応じてランプユニットが装着され、押しボタン5の操作状態をそのボタン中央に備えた透光窓5aを通してランプ表示することが可能となっている。
【0023】
また、各係止片11の遊端には先細りの爪部11aが形成されており、スイッチ本体9をスイッチ取付け台8から取り外す場合に、ドライバーなどの工具の先端をスイッチ本体9の上面と前記爪部と11aの間に差し込んで、係止片11をこじ上げ変形させて上部の係止突起14を上部の係止孔12から容易に離脱させることができるよう構成されている。
【0024】
スイッチ本体9は、その前面に付勢突出された操作突起16を押し込み操作することで、内装されたスイッチ機構の接点切り換えを行うよう構成されたものであり、常開タイプ(NO)と常閉タイプ(NC)が用意され、使用条件に応じて任意に使い分けることができるようになっている。なお、スイッチ本体9の内部には、図2に示される外部配線用の端子ネジ17が上下一対設けられるとともに、スイッチ本体9の上下面には配線挿入用の開口18が、また、スイッチ本体9の後面の上下にはネジ操作孔19が形成されている。
【0025】
そして、図示のように、左右一対のスイッチ本体9を装着使用する場合、各スイッチ本体9の操作突起16が、前記操作部2の支持ケース4に組み込まれた前記操作スリーブ7の後端の対角部位に対向され、押しボタン5が押し込み操作されることで操作スリーブ7を介して両スイッチ本体9の操作突起16が同時に押し込み操作されるようになっている。
【0026】
また、スイッチ取付け台8の前面に形成した開口10の内部には、操作部2の支持ケース4とスイッチ取付け台8とを連結および連結解除するための連結操作レバー21が組み込まれている。
【0027】
図9に示すように、この連結操作レバー21は環状基部21aから径方向外方に向けて延出されたものであり、スイッチ取付け台11の前部上面に形成された左右に長いスリット22から上方に突出されている。前記環状基部21aは、前記開口10と同径の内周を有するとともに、開口の中心c周りに左右回動可能に支持されており、スリット22の両端がその回動限界となっている。そして、連結操作レバー21の先端にはドライバーなどを差し込むための操作孔23が形成されるとともに、その少し基部側にはデテント孔24が形成されている。また、スイッチ取付け台8の上部前面には、連結操作レバー21が左右の回動限界に到達した時に前記デテント孔24に係入される小突起25が形成されており、左右の回動限界にある連結操作レバー21がデテント孔24と小突起25との係合によって軽く位置決め保持されるようになっている。
【0028】
スイッチ取付け台8の前面に形成した開口10は、操作部2における支持ケース4の連結用端部4bの外形形状に対応して部分的に大径部を有する形状に形成されており、一定回動位相でのみ支持ケース4の連結用端部4bを開口10に相対挿入することができるようになっている。そして、前記連結用端部4bの外周の上下二箇所には、図7および図8に示されるように周方向に沿う係合溝26が形成されるとともに、前記連結操作レバー21における環状基部21aの内周における対角部位には一対の係合爪部27が設けられており、図9(a)に示すように、連結操作レバー21が一方の回動限界である連結解除位置fに回動されている時には、前記係合爪部27が開口10から退入されて、支持ケース4の連結用端部4bを開口10に挿抜することができ、図9(b)に示すように、連結操作レバー21が他方の回動限界である連結位置rに回動されると、前記係合爪部27が開口10内に突出し、開口10に挿入されている連結用端部4bの各係合溝26に各係合爪部27が係合して、支持ケース4の連結用端部4bとスイッチ部3のスイッチ取付け台8との相対分離が阻止されるようになっている。
【0029】
以上説明した構成は特には従来と変わることはなく、本発明では、連結位置rに操作された前記連結操作レバー21が不用意に連結解除位置fに向けてずれ動くのを阻止するために、図5に示すようなレバーロック部材31を導入している。
【0030】
このレバーロック部材31は、スイッチ取付け台8を左右から抱き込む左右一対の位置決め片32を備えた下向きコの字形状に形成されたものであり、その左右中間部には後方に突出する係合部としての連結片33と、前方に突出する嵌入部としてのピン部34が連設されている。
【0031】
前記連結片33には、スイッチ取付け台8における中央の係止片11の爪部11aを係入する孔35が形成されるとともに、連結片33の先端下面には、前記爪部11aをに下方から係合する係合突起36が設けられており、連結操作レバー21が連結位置rにある状態で、このレバーロック部材31を後方からスイッチ取付け台8に嵌め付け操作して、ピン部34を連結操作レバー21の操作孔23に係入するとともに、スイッチ取付け台8における中央の係止片11に連結片33を係合させることで、連結位置rに操作された前記連結操作レバー21が不用意に連結解除位置f側にずれ動くのを阻止することが可能となっている。
【0032】
なお、前記ピン部34の先端は連結操作レバー21の操作孔23より若干大径に形成されるとともに、ピン部34の先端側にはスリット37が形成されて、このスリット37を介しての左右弾性変形によってピン径が多少減縮可能となっており、ピン部34の先端部が連結操作レバー21の操作孔23を通過する際に縮径変形し、通過すると復元してピン部34の後方への抜け出しに抵抗がもたらされるようになっている。
【0033】
本発明は、以下のような形態で実施することも可能である。
【0035】
▲2▼ 押しボタンスイッチに限らず、キースイッチ、セレクタスイッチやその他の分離型スイッチに適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下に示すような効果が期待できる。
【0037】
請求項1に係る発明によれば、レバーロック部材の装着によって連結操作レバーを連結位置に確実に固定できるので、使用中の連結操作レバーがスイッチ操作時に振動などによって勝手にずれ動いて、スイッチ部が操作部から脱落してしまうような事故の発生を未然に防止でき、信頼性の高い使用状態を実現できる。
【0038】
しかも、このレバーロック部材を取り外しさえすれば、連結操作レバーを連結解除位置に動かしてスイッチ部を操作部から分離することができ、スイッチ部の交換やメンテナンスを従来と同様に容易に行うことができ、この種スイッチの機能を何ら損なうことなく便利に使用できる。
【0039】
さらに、レバーロック部材を脱着する際に左右上下に大きいスペースを必要としないので、複数のスイッチを近接してパネルに並列配備しても、隣接するスイッチがレバーロック部材の脱着の邪魔になることがなく、取扱い性に優れたものとなる。
【0042】
また、連結操作レバーを連結位置に固定した状態では、連結操作レバーの操作孔にレバーロック部材の嵌入部が嵌入されているので、この操作孔にドライバーなどの工具を挿入して連結操作レバーをすることが不能となり、レバーロックをかけたままで誤って連結操作レバーを無理に操作して損傷させてしまうようなおそれがなく、信頼性の面でも優れたものとなる。
【0043】
請求項2に係る発明によれば、無造作な押しボタン操作に伴う振動などが繰り返し発生しても、レバーロックをかけた連結操作レバーが連結位置からズレ動くことはなく、スイッチ部の不測なズレ動きや脱落のおそれなく確実な押しボタン操作を実行する上で有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチを後方から見た斜視図
【図2】本発明に係るスイッチの平面図
【図3】本発明に係るスイッチの要部を縦断した側面図
【図4】スイッチとレバーロック部材を分離した状態の斜視図
【図5】レバーロック部材を下方から見た斜視図
【図6】一方のスイッチ本体を分離した状態の斜視図
【図7】操作部とスイッチ部を分離したスイッチを後方から見た斜視図
【図8】操作部とスイッチ部を分離したスイッチを前方から見た斜視図
【図9】(a)連結操作レバーが連結解除位置にあるスイッチ取付け台の正面図
(b)連結操作レバーが連結位置にあるスイッチ取付け台の正面図
【符号の説明】
1 パネル
2 操作部
3 スイッチ部
8 スイッチ取付け台
9 スイッチ本体
21 連結操作レバー
23 操作孔
31 レバーロック部材
34 ピン部
Claims (2)
- 前面側から操作可能にパネルに取り付けられる操作部と、この操作部にパネル背面側から脱着されるスイッチ部とからなり、前記操作部とスイッチ部とを連結するとともに、その連結を解除する連結操作レバーを備えてあるスイッチにおいて、
前記連結操作レバーを連結位置に固定するレバーロック部材を、パネル前後方向に沿って脱着自在に装着するものであって、
前記レバーロック部材は、前記スイッチ部に備えられたスイッチ取付け台に係合する係合部と、前記連結操作レバーに形成された操作孔に嵌入される嵌入部とを有し、後方から前記嵌入部を前記操作孔に嵌入するとともに、前記係合部を前記スイッチ取付け台に係合して、前記連結操作レバーを固定することを特徴とするスイッチ。 - 前記操作部は、押圧操作される押しボタンを備える請求項1に記載のスイッチ。
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