JP3990596B2 - 架橋ポリアミド樹脂成形品とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋ポリアミド樹脂成形品とその製造方法に関し、さらに詳しくは、高度の難燃性と耐熱性とを有し、しかも成形性に優れた架橋ポリアミド樹脂成形品とその製造方法に関する。本発明の架橋ポリアミド樹脂成形品は、表面実装型コネクタなどの高度の難燃性と耐リフロー性が要求される電子部品等の用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、薄肉化、高機能化に伴い、LSIやIC等の半導体素子、抵抗、コンデンサ、インダクターボビン、コネクタ等の電子部品の小型化、薄肉化、難燃化に対する要求水準が年々高度化している。また、表面実装技術では、リフロー半田付け工程が重要であり、電子部品には、リフロー炉での熱処理に耐えるだけの高度の耐熱性(耐リフロー性)が要求されている。
【0003】
より具体的に、パッケージLSIや一般電子部品などの実装技術においては、プリント配線板の表面に設けられた接続パッド(ランド)上に半田ペーストを印刷し、その上にチップ部品やフラットパッケージICなどの表面実装部品を搭載し、次いで、加熱手段を用いて半田を溶融させることにより、半田付けを行っている。半田付けにより、チップ部品の電極やフラットパッケージICのリードなどがパッドに接続される。加熱手段としては、一般に、リフロー炉が使用されている。
【0004】
表面実装プロセスでは、基板のみならず、表面実装部品にも、リフロー炉での熱処理条件に耐えるだけの高度の耐熱性を有することが求められる。リフロー炉での半田付けの際の熱処理条件によって、溶融しないことはもとより、大きく変形したり、収縮したりしないことが、信頼性、耐久性、装着精度などの観点から重要となる。表面実装型コネクタ(LSIソケット、配線板用コネクタ、中継コネクタなどの接続部品)などの電子部品も、表面実装されるため、高度の耐リフロー性を有することが求められている。
【0005】
表面実装型コネクタなどの電子部品を例にとると、従来、成形用ポリマー材料として、射出成形が容易であり、しかもリフロー炉中で240℃×60秒間の熱処理条件(即ち、240℃の設定ゾーンを60秒間で通過するリフロー条件)に耐えるだけの耐リフロー性を有することから、ポリアミド6やポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)などの汎用エンジニアリングプラスチックが用いられていた。
【0006】
一方、家電や事務機器などの電子機器は、それに組み込まれたプリント配線板が発火・燃焼しないように、難燃化が図られている。そのため、電子機器内で使用する電子部品には、難燃性が必要とされている。難燃性として、具体的には、UL規格(Underwriters' Labolatories, inc. standard)のUL−94(装置・機器部品用プラスチック素材の燃焼性試験)に規定されているV−0(以下、「UL94V−0」と略記)のような厳しい規格値を満足する高度の難燃性が要求されている。
【0007】
UL94V−0の試験方法は、10秒間、火炎を試験試料に付け、火炎を取り除いた後の燃焼時間を測定し、消火後、直ちにまた10秒間、火炎を試験試料に付け、火炎を取り除いた後の燃焼時間を測定するというものであり、燃焼時間が平均5秒間以内、最大10秒間以内であることが規格値とされている。
【0008】
ポリアミド6やPBT樹脂などの汎用エンジニアリングプラスチックは、一般に、樹脂単独ではUL94V−0を満足するだけの難燃性を有していないので、塩素系、臭素系、リン系、無機系などの難燃剤を配合することにより難燃化している。
【0009】
ところで、環境問題への対応から、半田の鉛フリー化が進んでいる。鉛フリー半田は、従来の半田に比べて融点が20〜30℃程度高いため、表面実装プロセスでそれを採用する場合、電子部品に対して260℃×60秒間の熱処理条件に耐えるだけのより高度の耐リフロー性が要求される。さらに、耐リフロー試験では、厚み1.0mm以下の薄肉成形品においても、成形品の流れ方向と幅方向の寸法変化率がいずれも1%以内であることが求められる。しかし、ポリアミド6やPBT樹脂等の汎用エンジニアリングプラスチックを用いた成形品は、260℃×60秒間のリフロー条件下で溶融して、形状の保持すら困難となる。そのため、ポリアミド6やPBT樹脂のような汎用エンジニアリングプラスチック製成形品は、耐熱性が不足するため、鉛フリー半田で電子部品を表面実装する用途には適用できないという問題が生じている。
【0010】
そこで、電子部品を形成するポリマー材料として、液晶ポリマー(LCP)などの耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラスチックを使用するケースが増加している。LCPは、溶融流動性にも優れるので薄肉成形性に優れ、しかも難燃剤を添加しなくても、樹脂自体がUL94V−0を満足する難燃性を有している。その半面、LCPは、汎用エンジニアリングプラスチックに比べて高価であること、成形品の強度に異方性が生じやすいこと、靭性に劣るため薄肉部での強度に劣ること、などの欠点を有している。
【0011】
特開昭59−12935号公報には、ポリアミド樹脂に、トリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレートなどの架橋助剤、難燃剤、及び充填剤を配合した樹脂組成物よりなる成型物を放射線照射により架橋せしめてなる架橋ポリアミド樹脂成型物が提案されている。該公報には、前記樹脂組成物を射出成形してトランス用ボビンを作製し、電子線を照射して架橋させた例が示されている。このボビンにエナメル線を巻線し、プリント配線板へのスルーホール接続のためのピン立てを行って電源トランスと成し、350℃の半田浴に5秒間浸漬して、ピンとエナメル巻線を半田付けし、ボビンの形状変化を調べた結果、形状を保持していることが報告されている。該公報には、その架橋ポリアミド樹脂成型物が、0.8mm厚でUL94V−0の難燃性を有することが示されている。
【0012】
そこで、本発明者らは、該公報に記載の方法に従って試験用サンプルを作製したところ、難燃性や耐リフロー性は良好であるものの、成形性が悪く、射出成形を長時間にわたって連続的に行うことができないことが判明した。より具体的に、該公報に開示されている方法に従って、ポリアミド6の100重量部に対し、トリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤である臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、及びアンチモン系難燃助剤である三酸化アンチモン10重量部を溶融混合して樹脂組成物を調製し、次いで、型締力70トンの射出成形機を用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時問10秒、金型温度60℃の条件にて、該樹脂組成物を射出成形して、長さ30×幅10×厚み0.4mmのプレートと、長さ130×幅12.5×厚み0.8mmのプレートを製造し、そして、これらのプレートに加速電圧3MeVの電子線を線量100kGyで照射して試験用サンプルを作製した。
【0013】
長さ30×幅10×厚み0.4mmの試験用サンプルを260℃の設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、長さ方向の収縮率は0.7%で、幅方向の収縮率は0.4%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。長さ130×幅12.5×厚み0.8mmの試験用プレートについて、UL−94試験法にて難燃性を評価したところ、規格値V−0を満足する難燃性を有することがわかった。
【0014】
しかし、前記樹脂組成物を射出成形機で連続的に射出成形を行ったところ、10分後にはショートショットが観察され始め、30分後には射出圧が200kg/cm2以上に上昇し、バレル温度を260℃に上げても射出圧力が下がらないので、その時点で運転を停止した。
【0015】
成形品の射出成形では、金型の清掃などのメンテナンスは不可欠であるものの、一般に、12時問以上、好ましくは24時問以上の連続運転が要求され、2時間以内で運転停止しなければならないのでは、実用化は困難である。
【0016】
以上のような状況下で、安定した連続射出成形が可能で、UL94V−0を満足する高度の難燃性を有し、かつ、鉛フリー半田での表面実装プロセスの適用が可能な260℃×60秒の耐リフロー性を有し、電子部品として好適な特性を有する樹脂成形品の開発が望まれていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、成形性に優れ、高度の難燃性と耐熱性とを有し、電子部品等の用途に好適な樹脂成形品とその製造方法を提供することにある。より具体的に、本発明の目的は、射出成形時に安定な連続成形が可能で、UL94V−0を満足する高度の難燃性を有し、しかも鉛フリー半田での表面実装プロセスの適用が可能な260℃×60秒の耐リフロー性を有し、電子部品として好適な樹脂成形品とその製造方法を提供することにある。
【0018】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂に、多官能性モノマー、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃助剤、及びハイドロタルサイトを配合した樹脂組成物を用いて成形し、電離放射線で照射架橋してなる架橋ポリアミド樹脂成形品に想到した。この樹脂組成物は、12時間以上の連続射出成形が可能であり、多くの場合24時間以上の連続射出成形が可能である。本発明の架橋ポリアミド樹脂成形品は、UL94V−0を満足する高度の難燃性を有し、しかも鉛フリー半田での表面実装プロセスの適用が可能な260℃×60秒の耐リフロー性を有している。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、分子内に複数個の炭素−炭素不飽和結合を有する多官能性モノマー(B)1〜20重量部、臭素系難燃剤(C)10〜60重量部、アンチモン系難燃助剤(D)3〜20重量部、及びハイドロタルサイト(E)0.1〜10重量部を含有する樹脂組成物から形成され、かつ、電離放射線により照射架橋されていることを特徴とする架橋ポリアミド樹脂成形品が提供される。
【0020】
また、本発明によれば、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、分子内に複数個の炭素−炭素不飽和結合を有する多官能性モノマー(B)1〜20重量部、臭素系難燃剤(C)10〜60重量部、アンチモン系難燃助剤(D)3〜20重量部、及びハイドロタルサイト(E)0.1〜10重量部を含有する樹脂組成物を所定形状の成形品に溶融成形し、次いで、成形品に電離放射線を照射して架橋させることを特徴とする架橋ポリアミド樹脂成形品の製造方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の態様】
1.ポリアミド樹脂
ポリアミド樹脂(A)としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド6T/66(C6ジアミン/アジピン酸/テレフタル酸共重合体)、ポリアミド6T/6I(C6ジアミン/イソフタル酸/テレフタル酸共重合体)、ポリアミド6T/6I/66(C6ジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/テレフタル酸共重合体)、ポリアミド6T/M−5T(C6ジアミン/メチルペンタンジアミン/テレフタル酸共重合体)、ポリアミド6T/6(カプロラクタム/C6ジアミン/テレフタル酸共重合体)ポリアミドMXD−6、全芳香族ポリアミドなどを挙げることができる。
【0022】
これらのポリアミド(即ち、ナイロン)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、射出成形性やコストなどの観点から、ポリアミド6及びポリアミド66が好ましい。
【0023】
2.多官能性モノマー
本発明で使用する多官能性モノマー(B)は、分子内に複数個の炭素−炭素不飽和結合を有する多官能性化合物である。多官能性モノマー(B)の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどのシアヌル酸またはイソシアヌル酸誘導体;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレートなどのジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテルなどのジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのビニル基を3個以上有する化合物;などを挙げることができる。
【0024】
これらの多官能性モノマーは、それぞれ単独で,あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、耐リフロー性の観点から、トリアリルイソシアヌレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
【0025】
多官能性モノマーの配合割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部である。多官能性モノマーの配合割合が小さすぎると、電離放射線を照射しても架橋が不十分となり、260℃×60秒間の耐リフロー性を満足することが困難になる。多官能性モノマーの配合割合が大きすぎると、ポリアミド樹脂との溶融混合が困難となったり、成形時のバリが多くなったりするので好ましくない。
【0026】
3.臭素系難燃剤
本発明で使用する臭素系難燃剤(C)の具体例としては、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスペンタブロモジフェニル、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリエステル、臭素化アクリル樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルイミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミンなどを例示することができる。
【0027】
これらの臭素系難燃剤は、それぞれ単独で,あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、耐リフロー性の観点から、臭素化ポリスチレン及びエチレンビスペンタブロモジフェニルが好ましい。
【0028】
臭素系難燃剤の配合割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、10〜60重量部、好ましくは15〜55重量部、より好ましくは20〜40重量部である。臭素系難燃剤の配合割合が小さすぎると、UL94V−0の難燃性を達成することが困難になる。臭素系難燃剤の配合割合が大きすぎると、射出成形品にバリ等の不良が生じ易くなり好ましくない。
【0029】
4.アンチモン系難燃助剤
本発明で使用するアンチモン系難燃助剤(D)の具体例としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等を挙げることができる。アンチモン系難燃助剤の配合割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部、より好ましくは7〜13重量部である。アンチモン系難燃助剤の配合割合が小さすぎると、UL94V−0の難燃性を達成することが困難になる。アンチモン系難燃助剤の配合割合が大きすぎると、射出成形品にバリ等の不良が生じ易くなり好ましくない。
【0030】
また、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛等の無機系の難燃剤や難燃助剤;赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤;パークロロペンタシクロデカンのような塩素系難燃剤;などの他の難燃剤若しくは難燃助剤を必要に応じて適宜配合することも可能である。
【0031】
5.ハイドロタルサイト
本発明で使用するハイドロタルサイト(E)とは、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の塩基性炭酸塩から構成される無機塩層と、水分子層とが相互に積層された構造を有する化合物である。ハイドロタルサイトは、MgaZnbAlc(OH)dCO3・mH2O(ただし、2a+2b+3c=d+2、mは、任意の数である。)の化学式で表わされるものが好ましい。このようなハドロタルサイトは、表面のpHや水分子の含有量、表面処理剤などを、合成条件や焼成条件の変更により任意に設定することができる。
【0032】
ハイドロタルサイトは、ポリアミド樹脂組成物の射出成形時の溶融粘度の上昇を抑制するなど、連続射出成形性を実現し改善する上で重要な役割を果すものである。ハイドロタルサイトの配合割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。ハイドロタルサイトの配合割合が小さすぎると、射出成形時の溶融粘度上昇を抑制する効果が小さくなり、連続射出成形性が低下する。ハイドロタルサイトの配合割合が大きすぎると、成形品の表面にハイドロタルサイトが経時的にブリードアウトして、成形品の商品価値を著しく低下させることがある。
【0033】
6.その他の成分
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、着色剤、滑剤、無機充填剤、ガラス繊維やウィスカ等の補強剤、酸化防止剤、加水分解抑制剤、加工安定剤などの各種添加剤を配合することができる。また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内において、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を少量成分として適宜配合することができる。
【0034】
7.架橋ポリアミド樹脂成形品とその製造方法
本発明の樹脂組成物を調製する方法は、特に限定されないが、通常は、各成分を溶融混合する方法が採用される。溶融混合は、単軸混合機、二軸混合機等の押出機タイプの混合機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のインテンシブ型の混合機等の既知の混合装置が使用可能である。押出機タイプの溶融混合装置を用いて、各成分を溶融混合し、ペレット化することが好ましい。
【0035】
樹脂組成物の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形など、任意の方法を採用することができるが、電子部品などの用途に適用するには、射出成形法を採用することが好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、成形性が顕著に優れている。具体的に、本発明の樹脂組成物を用いて、射出成形すると、安定して12時間以上の連続射出成形が可能である。本発明の樹脂組成物は、多くの場合、24時間以上の連続射出成形を行っても、溶融粘度の上昇などの不都合を生じることがなく、安定的に成形を行うことができる。
【0037】
ポリアミド樹脂成形品は、電離放射線を照射して架橋させる。電離放射線としては、加速電子線やガンマ線などを例示することができる。薄肉成形品に高線量の電離放射線を照射するには、加速電子線を利用することが好ましい。照射線量は、好ましくは10〜500kGy、より好ましくは50〜400kGy、さらに好ましくは70〜300kGyの範囲である。照射線量が低すぎると、架橋ポリアミド樹脂成形品の耐リフロー性が不十分となり、高すぎると、ポリアミド樹脂の分解を招くおそれがある。
【0038】
本発明の架橋ポリアミド樹脂成形品は、UL規格のUL−94試験で規格値V−0を満足する難燃性を有している。また、本発明の架橋ポリアミド樹脂成形品は、耐リフロー性が顕著に優れており、260℃で60秒間のリフロー条件下で測定した収縮率がいずれの方向でも1%以下である。より具体的には、260×60秒間のリフロー条件下で、長さ方向及び幅方向の収縮率がいずれも1%以下である。このような高度の耐リフロー性は、薄肉成形品であっても同様である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、成形性、耐リフロー性、及び難燃性についての評価・試験方法は、実施例1及び5に記載の方法に従う。
【0040】
[実施例1]
ポリアミド樹脂(A)としてポリアミド6〔融点=220℃、MFR=40g/10分(240℃、2.16kg荷重で測定)〕100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg4.5Al2(OH)13CO3〔協和化学工業(株)製DHT4A2〕1重量部を、室温のスーパーミキサーで予備混合した後、2軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、バレル温度240℃で溶融混合し、吐出ストランドを水冷カットする方法で、樹脂組成物のペレットを作製した。
【0041】
上記で得られたペレットを、型締力70トンの射出成形機を用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形して、長さ30×幅10×厚み0.4mmのプレートを作製し、次いで、該プレートに加速電圧3MeVの電子線を線量100kGyで照射して耐リフロー試験用サンプル(a)とした。また、同様の条件で射出成形して、長さ130×幅12.5×厚み0.8mmのプレートを作製し、次いで、該プレートに加速電圧3MeVの電子線を線量100kGyで照射して難燃性試験用サンプル(b)とした。
【0042】
(1)成形性(連続射出成形可能時間):
前記の射出成形条件で、長さ30×幅10×厚み0.4mmのプレートを連続成形したところ、24時間の連続射出成形後にも、ショートショットが見られず、射出圧力が上昇することもなかった。
【0043】
(2)耐リフロー性:
試験用サンプル(a)を、260℃の設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、長さ方向の収縮率は0.7%で、幅方向の収縮率は0.4%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。
【0044】
(3)難燃性:
試験用サンプル(b)について、UL−94試験法により難燃性を評価したところ、規格値V−0を満足するものであることがわかった。
【0045】
[実施例2]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリメチロールプロパントリメタクリレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg3.5Zn0.5Al2(OH)12CO3・3H2O〔堺化学工業(株)製HT‐7〕1重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0046】
24時間の連続射出成形後にも、ショートショットが見られず、射出圧力が上昇することもなかった。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.9%で、幅方向の収縮率は0.6%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表1に示す。
【0047】
[実施例3]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)としてエチレンビスペンタブロモジフェニル〔アルベマール浅野(株)製Saytex 8010〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg4.5Al2(OH)13CO3〔協和化学(株)製DHT4A2〕1重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0048】
上記で得られたペレットを用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、13時間連続射出成形したところで、ショートショットが見られ始め、14時間後に射出圧が200kg/cm2以上に上昇し、バレル温度を260℃に上げても射出圧力が下がらないので、この時点で運転を停止した。
【0049】
リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.7%で、幅方向の収縮率は0.5%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表1に示す。
【0050】
[実施例4]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg4.5Al2(OH)13CO3〔協和化学(株)製DHT4A2〕3重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0051】
24時間の連続射出成形後にも、ショートショットが見られず、射出圧力が上昇することもなかった。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.7%で、幅方向の収縮率は0.4%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例5]
ポリアミド樹脂(A)としてポリアミド66〔融点260℃、MFR=50g/10分(280℃、2.16kg荷重で測定)〕100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg4.5Al2(OH)13CO3〔協和化学(株)製DHT4A2〕1重量部を、室温のスーパーミキサーで予備混合した後、2軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、バレル温度280℃で溶融混合し、吐出ストランドを水冷カットする方法で、樹脂組成物のペレットを作製した。
【0053】
このペレットを、型締力70トンの射出成形機を用いて、バレル温度280℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて長さ30×幅10×厚み0.4mmのプレートを連続射出成形した。その結果、24時間連続射出成形しても、ショートショットが見られず、射出圧力が上昇することも無かった。
【0054】
上記条件で射出成形して、長さ30×幅10×厚み0.4mmのプレートを作製し、次いで、該プレートに加速電圧3MeVの電子線を線量100kGyで照射して耐リフロー試験用サンプル(a)とした。また、同様の条件で射出成形して、長さ130×幅12.5×厚み0.8mmのプレートを作製し、次いで、該プレートに加速電圧3MeVの電子線を線量100kGyで照射して難燃性試験用サンプル(b)とした。
【0055】
これらの試験用サンプルを用いて、実施例1と同様にして、耐リフロー性及び難燃性を評価した。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.5%で、幅方向の収縮率は0.3%であり、良好な耐リフロー性を有することがわかった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
[比較例1]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0058】
上記ペレットを用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、10分後にショートショットが見られ始め、30分後には、射出圧が200kg/cm2以上になり、バレル温度を260℃にしても射出圧力が下がらないので運転を停止した。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.7%で、幅方向の収縮率は0.4%であった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0059】
[比較例2]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリメチロールプロパントリメタクリレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部、ハイドロタルサイト(E)としてMg4.5Al2(OH)13CO3〔協和化学(株)製DHT4A2〕0.05重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0060】
上記のペレツトを用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、40分後にショートショットが見られ始め、60分後には、射出圧が200kg/cm2以上になり、バレル温度を260℃にしても射出圧力が下がらないので運転を停止した。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.9%で、幅方向の収縮率は0.6%であった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0061】
[比較例3]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)としてエチレンビスペンタブロモジフェニル〔アルベマール浅野(株)製Saytex 8010〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部を用いて、実施例1と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0062】
上記のペレットを用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時問10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、10分後にショートショットが見られ始め、20分後には、射出圧が200kg/cm2以上になり、バレル温度を260℃にしても射出圧力が下がらないので運転を停止した。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.7%で、幅方向の収縮率は0.5%であった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0063】
[比較例4]
ポリアミド樹脂(A)として実施例5で用いたのと同じポリアミド66を100重量部、多官能性モノマー(B)としてトリアリルイソシアヌレート5重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部を用いて、実施例5と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例5と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0064】
上記のペレットを用いて、バレル温度280℃、射出圧100kg/cm2、保圧時問10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、30分後に、ショートショットが見られ始め、50分後には、射出圧が200kg/cm2以上になり、バレル温度を300℃にしても射出圧力が下がらないので運転を停止した。リフロー試験の結果は、長さ方向の収縮率が0.5%で、幅方向の収縮率は0.3%であった。難燃性については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0065】
[比較例5]
ポリアミド樹脂(A)として実施例1で用いたのと同じポリアミド6を100重量部、臭素系難燃剤(C)としてエチレンビスペンタブロモジフェニル〔アルベマール浅野(株)製Saytex 8010〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部を用いて、実施例1と同様にして、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例1と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0066】
上記のペレットを用いて、バレル温度240℃、射出圧100kg/cm2、保圧時問10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、24時間連続成形してもショートショットが見られず、射出圧力が上昇することも無かった。
【0067】
長さ30×幅10×厚み0.4mmの試験用サンプル(a)の形状変化率を実施例1と同様の方法で、260℃の設定ゾーンを60秒間で通過する条件にてリフロー炉内を移動させて調べたところ、溶融してしまった。試験用サンプル(b)については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0068】
[比較例6]
ポリアミド樹脂(A)として実施例5で用いたのと同じポリアミド66を100重量部、臭素系難燃剤(C)として臭素化ポリスチレン〔マナック(株)製プラセフティ1200Z〕40重量部、アンチモン系難燃助剤(D)として三酸化アンチモン10重量部を用いて、実施例5と同様して、ペレットを作製し、次いで、射出成形し、電子線照射して2種類の試験用サンプルを作製した。実施例5と同様にして成形性を評価するとともに、2種類の試験用サンプルを用いて、耐リフロー性及び難燃性を評価した。
【0069】
上記のペレットを用いて、バレル温度280℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて射出成形を開始したところ、24時間連続成形しても、ショートショットが見られず、射出圧力が上昇することも無かった。
【0070】
長さ30×幅10×厚み0.4mmの試験用サンプル(a)の形状変化率を実施例1と同様の方法で、260℃の設定ゾーンを60秒間で通過する条件にてリフロー炉内を移動させて調べたところ、溶融してしまった。試験用サンプル(b)については、UL94V−0に合格するものであった。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
表1及び2の結果から明らかなように、ポリアミド樹脂(A)に、多官能性モノマー(B)、臭素系難燃剤(C)、アンチモン系難燃助剤(D)、ハイドロタルサイト(E)を配合した樹脂組成物に限り、運転停止することなく12時間以上の連続射出成形が可能であり、しかも、260℃×60秒の耐リフロー性、UL94V−0にランクされる難燃性を有することがわかった。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、難燃性と耐リフロー試験に優れる架橋ポリアミド樹脂成形品を連続成形することができる。本発明の架橋ポリアミド樹脂成形品は、表面実装型コネクタ等の電子部品の分野での利用価値が大きいものである。
Claims (4)
- ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、分子内に複数個の炭素−炭素不飽和結合を有する多官能性モノマー(B)1〜20重量部、臭素系難燃剤(C)10〜60重量部、アンチモン系難燃助剤(D)3〜20重量部、及びハイドロタルサイト(E)0.1〜10重量部を含有する樹脂組成物から形成され、かつ、電離放射線により照射架橋されていることを特徴とする架橋ポリアミド樹脂成形品。
- UL規格のUL−94試験で規格値V−0を満足する難燃性を有し、かつ、260℃で60秒間のリフロー条件下で測定した収縮率がいずれの方向でも1%以下である耐リフロー性を有する請求項1記載の架橋ポリアミド樹脂成形品。
- ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、分子内に複数個の炭素−炭素不飽和結合を有する多官能性モノマー(B)1〜20重量部、臭素系難燃剤(C)10〜60重量部、アンチモン系難燃助剤(D)3〜20重量部、及びハイドロタルサイト(E)0.1〜10重量部を含有する樹脂組成物を所定形状の成形品に溶融成形し、次いで、成形品に電離放射線を照射して架橋させることを特徴とする架橋ポリアミド樹脂成形品の製造方法。
- 射出成形により溶融成形する請求項3記載の製造方法。
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