JP3990160B2 - ヒートシールラッカー組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材に塗布し、ヒートシール性を付与し得るヒートシールラッカー組成物に関し、より詳細には、例えば、プリン、ゼリー等のデザート食品、ポーション性生クリーム、PTP(プレス・スルー・パック)等のプラスチック容器のサーモフォーム(フィル)シールパックにおいて使用されるアルミニウム等の蓋材に塗布するヒートシールラッカー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装材料の分野において、アルミニウム箔、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリオレフィン等のフィルム若しくはシート(それら単独又はラミネート物を含む)等の基材にヒートシール性を付与する目的で、表面にヒートシール性のある樹脂(ヒートシール剤)をコーティングすることが行われている。このヒートシール剤には、無溶剤タイプとして、ホットメルト及び押し出しラミネーション用のものがあり、基材への塗工は、それぞれホットメルトコーター及びエクストルーダーが用いられる。ヒートシール剤には無溶剤タイプ以外に溶液タイプのヒートシールラッカーがあり、基材への塗工は、グラビアコーター、ロールコーター、バーコーター等を用いて行われる。本発明は、この溶液タイプのヒートシールラッカー組成物に関する。
【0003】
ヒートシールラッカー組成物に用いられる樹脂は、基材や被着体、更には要求される機能により様々である。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル樹脂、飽和ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を単独又は混合したものがベース樹脂として使用されている。更に、このベース樹脂に、ワックス、粘着付与剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、安定剤、硬化剤等の添加剤類が用途に応じて配合される。
【0004】
従来、上記のベース樹脂の中でも塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、他の多くの樹脂との相溶性も良く、好んで用いられ使用されてきた。特に、アルミニウム基材へのコーティングにおいては、カルボキシル基変性された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が最も多く使われている。例えば、ポーション性生クリームやゼリー類のポリスチレン製容器の蓋材として使用するアルミニウムを最内層とするヒートシール性積層体においては、ポリスチレン製容器への接着性を付与するためのアクリル樹脂とアルミニウムに接着性を付与するためのカルボキシル基変性された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物がヒートシールラッカーとして使用されている。
【0005】
近年、塩素原子を含む樹脂は、燃焼時にダイオキシンが発生するとの指摘があり、それと代替する樹脂の使用が求められている。しかし、特にアルミニウムからなる基材に対しては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に匹敵する接着性を有する樹脂が見出だせず、代替が困難な状況にあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況に鑑み、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に替わり、塩素原子を含まない樹脂を成分とするヒートシールラッカー組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体を成分とするヒートシールラッカー組成物が本発明の目的を達成し得ることを見出だして本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)を必須成分とするヒートシールラッカー組成物を要旨とする。
【0009】
更に、本発明は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)並びに有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)、ビニル重合体(C)及び充填剤(D)から選ばれる1種又は2種以上の物質を含有することを特徴とするヒートシールラッカー組成物を要旨とする。
【0010】
又、本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)100質量部当り、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)を1,000質量部以下含有することを特徴とする。
又、本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)又は該ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物100質量部当り、ビニル重合体(C)を1,000質量部以下含有することを特徴とする。
又、本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)、該ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物又は該ブロック共重合体(A)と該ブロック共重合体(B)とビニル重合体(C)との混合物100質量部当り、充填剤(D)を10〜200質量部含有することを特徴とする。
又、本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)が、有機酸基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)が、有機酸基を有しないスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、ビニル重合体(C)が、アクリル系ポリマー及びスチレン系ポリマーから選ばれるポリマーであることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、充填剤(C)が、タルクであることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は、ビニル重合体(C)のモノマーを、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)又は該ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物を含む溶液中で該共重合体(A)又は該共重合体(A)及び該共重合体(B)にグラフト重合させた後、充填剤(C)を添加するか、又は添加しないことを特徴とするヒートシールラッカー組成物の製造方法を要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物の必須成分である有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)は、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)に有機酸基を付加したものであり、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物であるスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物であるスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるが、これらブロック共重合体を構成するスチレンに代って、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体が構成したブロック共重合体も使用可能である。
【0013】
有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)に付加する有機酸基の有機酸としては、イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)を必須成分とするものであるが、そのような共重合体は広く市販されているのでそれらを用いるのが好ましい。ブロック共重合体(A)の市販品には、例えば、旭化成工業社製、商品名:タフテックM1913、タフテックM1943等がある。又、有機酸基を有しないスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(B)の市販品には、例えば、旭化成工業社製、商品名:タフテックH1043、タフテックH1141等がある。
【0014】
本発明の組成物を調製する際に、ブロック共重合体(A)やブロック共重合体(B)は、固体のまま使用しても良く、その溶液を使用しても良い。ブロック共重合体(A)やブロック共重合体(B)の溶液にするときに用いられる溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が挙げられるが、それらの混合物も使用することができる。
【0015】
本発明の組成物の成分として用いられるビニル重合体(B)は、重合性ビニル基含有モノマーである化合物の重合体であり、重合性ビニル基含有モノマーとしては、アクリル系化合物、スチレン系化合物、ビニルグリシジルエーテル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、オレフィン類、不飽和エステル類等が挙げられる。
【0016】
アクリル系化合物としては、アクリル酸若しくはメタクリル酸((メタ)アクリル酸)、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリロニトリル、α−メチル(メタ)アクリロニトリル等の官能基を有する(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
【0017】
スチレン系化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
【0018】
重合性ビニル基含有モノマーを重合してビニル重合体(B)にする方法は、これらモノマーの重合に通常行われているラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等、既知の方法のいずれも採用することができる。特に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−トリメトキシシリルペントニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−メチルジメトキシシリルペントニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、t−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物重合開始剤の存在下行う、ラジカル重合法が好適である。
【0019】
ビニル重合体(B)としては、上記のアクリル系化合物の重合物であるアクリル系ポリマー及び上記のスチレン系化合物の重合物であるスチレン系ポリマーが特に好ましい。ビニル重合体(B)は、1種に限らず2種以上を用いることができる。
【0020】
本発明の組成物の成分として用いられる充填剤(C)としては、シリカ、マイカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填剤が挙げられるが、これらの中でもタルクが特に好ましい。
【0021】
本発明の組成物は、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)を必須成分とするものであるが、このブロック共重合体(A)に組み合わせて、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)、ビニル重合体(C)及び充填剤(D)から選ばれる1種又は2種以上の物質を併用するのが望ましい。ビニル重合体(B)は、ブロック共重合体(A)100質量部当り、1,000質量部以下、好ましくは100〜700質量部、特に好ましくは300〜500質量部用いられる。又、ビニル重合体(C)は、ブロック共重合体(A)又はブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)との混合物100質量部当り、1,000質量部以下、好ましくは100〜700質量部、特に好ましくは300〜500質量部用いられる。更に、充填剤(C)は、ブロック共重合体(A)、ブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)との混合物又はブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)とビニル重合体(C)との混合物100質量部当り、10〜200質量部、好ましくは10〜150質量部、特に好ましくは30〜100質量部用いられる。
【0022】
本発明の組成物は、ブロック共重合体(A)、更にブロック共重合体(A)に組み合わせて、ブロック共重合体(B)、ビニル重合体(C)及び充填剤(D)から選ばれる1種又は2種以上の物質を配合したものからなるが、ブロック共重合体(A)と、ブロック共重合体(B)、ビニル重合体(C)及び充填剤(D)から選ばれる1種又は2種以上の物質から本発明の組成物を調製する方法は、ブロック共重合体(A)と、上記物質から選ばれる1種又は2種以上を同時又は逐次に混合や溶融混練する方法が採用でき、適当な溶剤の存在下で行うことができる。又、ビニル重合体(B)は、ポリマーをそのまま使用できる他、ブロック共重合体(A)、又はブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)の混合物を含む溶液中でビニル重合体(B)のモノマーをブロック共重合体(A)又はブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)にグラフト重合させて製造したものも使用することができる。上記各成分を混合する際やビニル重合体(B)のモノマーをグラフト重合させる際に用いることができる溶剤としては、例えば、ブロック共重合体(A)やブロック共重合体(B)の溶液にする時に用いられる前記の溶剤が挙げられる。
【0023】
本発明の組成物は、その性質を阻害しない限り他のポリマーを配合することができる。該ポリマーは、本発明の組成物と必ずしも相溶する必要はなく、相溶しない場合であっても基材に塗布する際に、十分混合でき均一な皮膜を形成することができるものであれば使用することができる。上記配合することができるポリマーとしては、従来ヒートシールラッカー組成物として使用されていたものが好適であり、中でもポリスチレンやアクリル系樹脂が好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、更に組成物の改質剤、助剤類として、ポリエチレンワックス、合成ワックス、石油系ワックス等のワックス類、石油系樹脂、ロジン系樹脂等の粘着付与剤、オイル、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル等の滑剤等を併用することができる。
【0025】
本発明の組成物が適用できる基材としては、アルミニウム箔、PET、ポリアミド、ポリオレフィン等のフィルム若しくはシート(それら単独又はラミネート物を含む)等があり、それら基材との接着性を良好にするために、基材にアンカー剤を塗布することもできる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例における部は質量部を意味する。
【0027】
(実施例1)
有機酸基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であるタフテックM1913(商品名:旭化成工業社製)20部及びタルク(日本ミストロン社製、商品名:ミストロン850−JS)10部を、トルエン(8容量部)とメチルエチルケトン(2容量部)の混合溶剤に溶解した不揮発分33質量%の溶液からなる本発明のヒートシールラッカー組成物の溶液を調製した。
このヒートシールラッカー組成物の溶液を、PETフィルム(9μm)とアルミニウム箔(20μm)のラミネートからなる基材のアルミニウム箔側に乾燥後の質量が6g/mになるように塗布し、150℃に設定した乾燥装置で30秒間乾燥した。この後、ハイインパクトポリスチレン製のシートと220℃、1Pa、0.7秒の条件でヒートシールした。このヒートシールした積層体について、次の手法でその剥離強度を測定してそれらの結果を表1に示した。
【0028】
(剥離強度の測定法)
外径34mm、内径30mmのリングシールヘッドでシールした試料を、200mm/分の速度で90度の方向に引っ張り、ヒートシール部が剥離した時の力を測定する。
(耐内容物性剥離強度の測定法)
上記のヒートシールした積層体を牛乳に浸漬し、4週間経過後に上記と同様にして剥離強度を測定する。
【0029】
(実施例2)
タフテックM1913を4部、有機酸基を有しないスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であるタフテックH1043(商品名:旭化成工業社製)を16部及びミストロン850−JSを10部、トルエン(8容量部)とメチルエチルケトン(2容量部)の混合溶剤に溶解した不揮発分33質量%の溶液からなる本発明のヒートシールラッカー組成物の溶液を調製した。
このヒートシールラッカー組成物の溶液を用い、実施例1と同様にして積層体に作製し、その剥離強度及び耐内容物性剥離強度を実施例1と同様にして測定してそれらの結果を表1に示した。
【0030】
(実施例3)
フラスコにタフテックM1913を100部入れ、トルエン200部及びメチルエチルケトン100部を加えて80℃で溶解した。これに、スチレン50部、メチルメタクリレート50部及びベンゾイルパーオキシド10部の混合溶液を80℃で2時間掛けて滴下し、撹拌して反応を1時間行った。その後、ベンゾイルパーオキシドを1部加え、2時間反応を継続した。次に、トルエン(1容量部)及びメチルエチルケトン(1容量部)の混合溶剤で不揮発分が33質量%になるように希釈後、冷却して本発明のヒートシールラッカー組成物の溶液を調製した。この組成物の溶液を用い、実施例1と同様にして積層体を作製し、その剥離強度及び耐内容物性剥離強度を実施例1と同様にして測定してそれらの結果を表1に示した。
【0031】
(比較例1)
メチルエチルケトン50部に、カルボキシル基変性された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:ユーカー VMCH、ユニオン・カーバイト社製)15部及び熱可塑性アクリル系ポリマー(商品名:ポラロイド B−66、ローム&ハース社製)35部を溶解して、従来型のヒートシールラッカー組成物の溶液を調製した。この組成物の溶液を用い、実施例1と同様にして積層体を作製し、その剥離強度及び耐内容物性剥離強度を実施例1と同様にして測定してそれらの結果を表1に示した。
【0032】
(比較例2)
タフテックM1913の代りに、タフテックH1043を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を作製し、その剥離強度及び耐内容物性剥離強度を実施例1と同様にして測定してそれらの結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
Figure 0003990160
【0034】
表1の結果から、本発明のヒートシールラッカー組成物は、従来のカルボキシル基変性された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を成分とする組成物と同等か、それ以上の剥離強度を有することが判る。
【0035】
【発明の効果】
本発明のヒートシールラッカー組成物は、その内部に塩素原子を含有せず、従来主として用いられている塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を成分とするヒートシールラッカー組成物と同等ないしそれ以上の剥離強度を有している。

Claims (11)

  1. プラスチック容器のサーモフォーム(フィル)シールパックにおいて使用される蓋材に塗布するヒートシールラッカー組成物であって、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)、及び充填剤(D)を含有することを特徴とするヒートシールラッカー組成物。
  2. 有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)100質量部当り、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)を1,000質量部以下含有し、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物100質量部当り、充填剤(D)を、10〜200質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートシールラッカー組成物。
  3. さらに、ビニル重合体(C)を含有する請求項1に記載のヒートシールラッカー組成物。
  4. 有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)100質量部当り、有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)を1,000質量部以下含有し、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物100質量部当り、ビニル重合体(C)を1,000質量部以下含有し、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)とビニル重合体(C)との混合物100質量部当り、充填剤(D)を10〜200質量部含有することを特徴とする請求項3に記載のヒートシールラッカー組成物。
  5. ビニル重合体(C)が、アクリル系ポリマー及びスチレン系ポリマーから選ばれるポリマーであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のヒートシールラッカー組成物。
  6. 有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)が、有機酸基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートシールラッカー組成物。
  7. 有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)が、有機酸基を有しないスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートシールラッカー組成物。
  8. 充填剤(D)が、タルクであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートシールラッカー組成物。
  9. ビニル重合体(C)が、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)にグラフトされているか、又は該ブロック共重合体(A)および有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)にグラフトされているものである請求項3又は請求項4に記載のヒートシールラッカー組成物。
  10. ビニル重合体(C)が、アクリル系ポリマー及びスチレン系ポリマーから選ばれるポリマーであることを特徴とする請求項9に記載のヒートシールラッカー組成物。
  11. ビニル重合体(C)のモノマーを、有機酸基を有するスチレン系ブロック共重合体(A)又は該ブロック共重合体(A)と有機酸基を有しないスチレン系ブロック共重合体(B)との混合物を含む溶液中で該ブロック共重合体(A)又は該ブロック共重合体(A)及び該ブロック共重合体(B)にグラフト重合させた後、充填剤(D)を添加することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のヒートシールラッカー組成物の製造方法。
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