JP3989416B2 - シューライニングの熱成形型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム型のブレーキシューに使用されるシューライニングの熱成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のドラム型ブレーキシューは、円弧状外周面を備えたリム板の内側にウエブ板が設けられて断面が略T字状をなすシュー本体と、リム板の外周面に接着されるシューライニングとからなる。
ブレーキシューの製造方法は、無機材および有機材からなるシューライニングの原材料を、種々の工程を経て円弧状に熱成形した後、シューライニング内周面あるいはシュー本体のリム板外周面に、熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布し、両者を加圧、加熱して一体化する方法が一般的である。
【0003】
そして、シューライニングの製造工程には、原材料の配合、ミキシング、仮成形、熱成形、切断、研磨、テーパー加工、接着剤塗布、乾燥等があり、これら工程の後、シュー本体との接着、乾燥、バリ取りの工程を経てブレーキシューが製造される。
上記工程のうち熱成形の工程では、前工程の仮成形において湾曲板状に仮成形されたシューライニング材料が、加圧されると共に加熱されて、所定の形状、硬度、密度等を有したシューライニングに成形される。
【0004】
熱成形では、従来、図12に示されるような上型110と下型120とから構成される熱成形型100が用いられている。
下型120は、凹部130が形成されたメス型であって、凹部130の内底面150は下方に向かって凸となる湾曲面となっている。つまり、内底面150はシューライニングの外周面側を成形する金型面となっている。
【0005】
上型110はオス型であって、下型の凹部130内に進入可能な凸部140を有している。凸部140の先端面160は、下方に向かって凸となる湾曲面となっている。つまり、先端面160は、シューライニングの内周面側を形成する金型面となっている。
また、先端面160には、上型が下型に組み合わされた際には、下型の内底面150方向に突出する段差部160dが形成されている。
【0006】
詳しく説明すると、先端面160は、成形用先端面160a、段差壁160b、160b及び段差面160c、160cとからなる。段差壁160bは、下方に向かって凸となる湾曲面で形成される成形用先端面160aの両端に配設され、段差面160cは、段差壁160bを介して成形用先端面160aと連続し、その両側で突出するよう形成されている。
すなわち、成形用先端面160aは、シューライニングの内周面側を形成する金型面となり、段差壁160bはシューライニングの周方向の、両端壁の一部を形成する金型面となっている。
【0007】
このような構成の熱成形型100による熱成形方法は、まず仮成形されたシューライニング材料を凹部130内に供給する。そして、固定されている下型120に対して上型110を下降させ、凹部130内に凸部140を進入させて上型110と下型120とを型締めして、熱プレス機(図示せず)によって加圧すると共に加熱処理することで行なわれる。
こうして加圧し、加熱されたシューライニング材料170は、所要の形状の、湾曲板状のシューライニングに形成されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、先端面160の段差部160dを拡大して説明する断面図である。
段差壁160bは、円弧状の成形用先端面160aの端部から、成形用先端面160aの径方向に延設されている。さらに、段差壁160bと、これに連なる段差面160cとで形成される段差部160dのコーナー部の角度dは、鈍角をなしている。
これにより、段差面160cは、円弧状の内底面150との間に、両者の間隔が略一定の空間Bを形成する。空間Bは、成形空間Aに連通する。
【0009】
上記構成によると、仮成形されたシューライニング材料170を成形空間A内に供給し、熱成形型によって加圧、加熱することで、シューライニング材料170の一部が、空間Bへと押出されてバリとなる。
その際、空間B内のシューライニング材料170には強い加圧力がかかるので、上型110を上方へと押し戻してしまう。このような状態では成形空間A内のシューライニング材料170に十分な加圧力がかからず、所要の形状、密度、硬度等を有した良好なシューライニングを成形することができないという課題がある。
【0010】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、シューライニング材料を良好に加圧して熱成形することができるシューライニングの熱成形型を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、本発明は、シューライニング材料と、外周面に接着剤が塗布されたシュー本体とが、下型と補助上型との間に装填され、補助上型と下型とが相対的に加圧されると共に加熱されることにより、前記シュー本体の外周面にてシューライニングを熱成形すると同時にシューライニングを接着して、ブレーキシューを形成するシューライニングの熱成形型であって、シュー本体に、下型の金型面方向に突出し、段差壁によりシューライニングの周方向の両端壁を形成するための段差部が形成され、シュー本体に形成された前記段差部の段差面と下型の金型面との間隔が、外方に向けて漸次大きくなるように、前記段差部の段差面と段差壁とでなすコーナー部の角度が鋭角に形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を挙げ、添付図面と共に詳細に説明する。
(参考例)
図1(a)は参考例による熱成形型10の断面図であり、上型11と下型12とからなる。図1(b)はその下型12の平面図である。図2は、上型11の先端面16の段差部を拡大して説明する断面図である。
図10(a)は、ドラム型ブレーキシューの正面図であり、図10(b)は、その底面図である。
【0013】
図10に示されるようにブレーキシュー20は、シュー本体21と、シュー本体21に接合されるシューライニング22とからなる。
シュー本体21は、円弧状の外周面を備えたリム部23の内側に、弓形のウエブ部24が配設されて形成されており、両者合わせた断面は略T字状となっている。シュー本体21の材質は、鋼板、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属である。
シューライニング22は、断面円弧状で、内周面22b及び外周面22aを有した湾曲板状に成形されており、内周面22bがリム部23の外周面23aに接合され、外周面22aがドラムブレーキ側に配設される。
【0014】
シューライニング22の製造にあたっては、まず公知の有機、無機材料からなるシューライニングの原材料を配合し、ミキシング後、所要形状に仮成形する。材料は公知のものを使用するので説明を省略するが、無機材料にバインダーとして有機材料を混合し、後述する下型12の凹部13の内底面15にほぼ沿い、上型の両段差部間に納まる湾曲板状に仮成形する(図11に仮成形されたシューライニング材料17の形状を示す。)。
仮成形は、バインダーによって無機材料が押し固められ、保形される状況で十分である。また、仮成形後、切断等により、所要幅、長さのシューライニング材料17に調整してもよい。
【0015】
次の熱成形の工程では、仮成形されたシューライニング材料17を、熱成形型10を用いて加圧、加熱して所定の形状になるよう成形する。
熱成形の工程では、図1に示されるような上型11と下型12とから構成される熱成形型10を用いる。
下型12は、凹部13が形成されたメス型(図1(a)、(b)参照)であって、凹部13の内底面15は下方に向かって凸となる湾曲面となっている。つまり、内底面15は、シューライニング22の外周面22a(図10(a)参照)側を成形する金型面となっている。
凹部13の幅は、リム部の幅よりも若干大きめに設定されている。また、凹部13の深さは、後述するように熱成形時に、凹部13内にシューライニング材料17を配置した状態で、後述する凸部14の成形用先端面16aと、段差面16cの一部が進入可能な深さとなっている。
【0016】
上型11はオス型であって、下型12の凹部13内に進入可能に弓形に突出する凸部14を有している。そして、凸部14の先端面16は、下方に向かって凸となり、シューライニングの内周面側を形成する金型面となっている。
また、先端面16は、下方に向かって凸となる湾曲面からなる成形用先端面16aと、成形用先端面16aの両端に配設される段差壁16bと、段差壁16bを介して成形用先端面16aと連続し、その両側で突出する段差面16cとからなる。
【0017】
つまり、成形用先端面16aは、段差面16cに対して後退した位置に配設されており、段差面16cと段差壁16bにより段差部16dが形成される。そして、熱成形する際には、仮成形されたシューライニング材料17は、成形用先端面16a、内底面15及び両段差壁16b、16bに挟み込まれて加圧される。すなわち、成形用先端面16aは、シューライニング22の内周面22b(図10(a)参照)側を形成する金型面となっており、段差壁16bは、シューライニング材料17を両端部側から挟みこんでシューライニング22の周方向の、両端壁の一部22c(内周面22b側の端壁)を形成する金型面となっている。
【0018】
図2は先端面16の段差部16dを拡大して説明する断面図である。段差壁16bは、円弧状の成形用先端面16aの端部から、成形用先端面16aの径方向に延設されている。
また、段差壁16bと、これに連なる段差面16cとで形成される段差部16dのコーナー部の角度eは鋭角をなしている。
これにより、段差面16cは、凹部13内に凸部14を進入させ熱成形をする際の、内底面15との間隔Lが、凹部13の開口側に向かって徐々に大きくなるよう形成される。そして、段差面16cと内底面15との間に空間Cを形成する。空間Cは、シューライニング材料17が嵌め込まれて所定の形状に成形される空間である、内底面15と成形用先端面16aとの間の成形空間Aに連通している。
【0019】
上記構成からなる熱成形型10を用いた熱成形方法は、まず、仮成形されたシューライニング材料17を下型12の凹部13内に、その内底面15に概略沿い、進入する凸部14の両段差壁16b内に納まるよう配置する。
そして、凹部13内に凸部14を進入させた状態に上型11と下型12とを組みつける。組みつけた上下型を熱プレス機によって、シューライニング材料17を押し固める方向に加圧しながら加熱処理を施す。
【0020】
こうして内底面15、成形用先端面16a及び両段差壁16b、16bで挟まれ加圧、加熱されたシューライニング材料17は、成形空間A内で所要の形状に熱成形されたシューライニング22となる。そして、シューライニング材料17の一部は、段差壁16bを越えて空間Cへと押出され、シューライニング22のバリとなる。
この際、段差面16cと内底面15との間隔Lは、凹部13の開口側に向かって徐々に大きくなっているので、空間Cへと押出されたシューライニング材料17が上方へと逃げやすくなる。
【0021】
また、空間Cは開口側に向かって徐々に大きく形成されると共に、段差面16cは、凸部14の突出方向(すなわち加圧方向)に対する平行面に近づくように形成されているので、空間C内へ押出されたシューライニング材料17に大きい加圧力がかからず、上型11を押し戻すことがない。従って、成形空間A内のシューライニング材料17に、所定の加圧力を充分かけることができ、所望の密度、硬度、形状等を有し、所望の摩擦性能を有したシューライニング22を容易に製造することができる。
また、形成されるバリは、その先端からシューライニング22につながる根元に向かって徐々に薄くなるように形成される。よって、バリ除去の作業が容易となる。
なお、熱成形後、熱成形型10内からシューライニング22を取り出し、切断、研磨等が施される。
【0022】
本発明の実施形態
本発明の実施形態として、シューライニング材料の熱成形と、シューライニングのシュー本体への接着とを同時に行う熱成形型を挙げて説明する。
製造されるブレーキシューの形状の概略は、図10に示したものと同様である。
【0023】
リム部の外周面23aは、湾曲面からなる接着外周面25と、その両端に配設される段差壁26と、段差壁26を介して接着外周面25に連続し、その両端で突出する段差面27とからなる。つまり、接着外周面25は、段差面27に対して後退した位置に配設されており、段差壁26と段差面27により段差部45が形成される。
図8は、リム部23の外周面23aの段差部45を拡大して説明する断面図である。段差壁26は、断面円弧状の接着外周面25の端部から、接着外周面25の径方向に延設されている。
また、段差壁26と、これに連続する段差面27とで形成される段差部26のコーナー部の角度eは鋭角を成している。
【0024】
シューライニング材料17の、熱成形とシュー本体21への接着は、下型28と補助上型29を有する熱成形型が用いられる。
図3は下型28の断面図であり、図4はその平面図である。
図3に示すように下型28は、上方に開口する凹部30を有し、その内底面30aは、下方に向かって凸となる湾曲面となっている。つまり、内底面30aは、シューライニング22の外周面22a側を形成する金型面となっている。
凹部30の幅は、シュー本体21のリム部23の幅よりも若干大きめに設定されている。さらに、凹部30の深さは、後述するように熱成形時に、シューライニング材料17を配置した状態で、少なくともリム部23の接着外周面25と、段差面27の一部が進入可能な深さとなっている。
また、凹部30の両端側には、上面よりも若干高さが低くなった段部31が設けられている。
【0025】
次に、補助上型29について説明する。図5は補助上型29の断面図であり、図6はその底面図である。
補助上型29の下面側の両端部には、下型28の段部31内に進入可能で、下型28内への突入量を規制するための、規制段部32が突設されている。この両規制段部32、32間にシュー本体21が保持可能になっている。
すなわち、両規制段部32、32の対向面に、ストッパピン33、33が対向面に対して突入可能に突設されている。ストッパピン33、33は、規制段部32、32の対向面に設けられた孔34、34内に配置され、スプリング35、35によって、丸みを帯びた先端が所要長さ突出するよう付勢され、スプリング35、35の付勢力に抗して押圧された際に、孔34、34内方に向けて突入可能に設けられている。なお、ストッパピン33、33は所要長さ突出する位置でストッパ(図示せず)により抜け止めされている。
【0026】
図5に示すように、シュー本体21を、リム部23の外周面を下側に向けて両規制段部32、32間の空間内に押し込むと、リム部23の外周面に押圧されてストッパピン33、33が押入され、逆にストッパピン33からの押圧力により、シュー本体21が上型29の下面側に落下することなく保持される。このとき、ストッパピン33、33は、リム部23の外周面23aのうち、段差面27の上方側でリム部23を押圧し、これを保持する。
【0027】
また、図6に示すように両規制段部32、32間の、補助上型の下面には、2つの押圧板36、36が平行に設けられている。
この押圧板(板状の押圧部)36、36は、シュー本体21を両規制段部32、32間に装着した際、リム部23の内周面の縁部23b、23b(図10(b)参照)に内側から当接して押圧可能なように、その押圧面(下端面)がリム部23の内周面に沿う円弧状をなしている。
なお、押圧板36、36は、正面形状が完全な円弧板でなくともよく、ウエブ部24に突出部が形成されるなどして、突出部等が空間的な障害をなす場合には、それを避けるため、適宜切欠部(図示せず)を設けて対応するようにしてもよい。
また、押圧板36、36は凹部30内に進入可能である。
【0028】
上記熱成形型を用いてブレーキシュー20を製造するには次のようにする。
まず、第1実施形態において説明したものと同様の仮成形方法により、下型28の凹部30の内底面30aに略沿うと共に、リム部23の両段差壁26、26内に納まる形状の湾曲板状に仮成形されたシューライニング材料17を準備し、下型28の凹部30内に挿入する。この際、シューライニング材料17が、後に凹部30内に進入するリム部23の両段差壁26、26内に納まるよう凹部30内に配置する。
次に、補助上型29に、リム部23の接着外周面25に熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布したシュー本体21を図5に示すように装着し、保持する。
上記のようにシュー本体21をセットした補助上型29を、シュー本体21の外周面側をシューライニング材料17側に向けて、シュー本体21が凹部30内に挿入(進入)するように下型28にセットする(図7参照)。
【0029】
このように組み付けた熱成形型を熱プレス機(図示せず)によって、シューライニング材料17を押し固める方向に加圧しながら加熱処理を施す。
これにより、シューライニング材料17は、接着外周面25、内底面30a及び両段差壁26、26の間で挟まれて加圧、加熱されることとなり、これら面で形成される成形空間A内で、所要厚さ、所要形状の湾曲板状のシューライニング22に熱成形されることとなる。また同時に、シューライニング22は、熱硬化性樹脂の接着剤によりリム部23の外周面(接着外周面25)上に接着される。
【0030】
つまり、内底面30aは、シューライニング22の外周面22aを形成する金型面となっている。また、接着外周面25は、シューライニング22の内周面22bを形成すると共に、シューライニング22が接着される面でもある。そして、両段差壁26、26は、シューライニング22の周方向の両端壁の一部22c(内周面側の一部)を形成することになる。
このようにシュー本体は、リム部の外周面23aが参考例における上型の金型面の作用もなしている。
【0031】
図9は、下型、補助上型、シュー本体からなる熱成形型によって加圧、加熱されている際のシューライニング材料の段差部45側を示す。
前述したように段差壁26は、円弧状の接着外周面25の端部から、接着外周面25の径方向に延設されている。また、段差壁26と、これに連なる段差面27とで形成されるコーナー部の角度eは鋭角をなし、段差面27は、成形時に凹部30の内底面30aとの間に、両者の間隔Mが凹部30の開口側に向かって徐々に大きくなる空間Dを形成する。そして、空間Dは、成形空間Aに連通している。
これによると、シューライニング材料17の一部は、加圧、加熱されることにより成形空間Aから空間Dへと押出されてシューライニング22のバリとなる。
【0032】
この際、段差面27と、凹部30の内底面30aとの間隔Mは、凹部30の開口側に向かって徐々に大きくなっているので、空間Dへ押出されるシューライニング材料17が上方へ逃げやすくなる。また、空間Dは開口側に向かって徐々に大きく形成されると共に、段差面27は、リム部23の円弧状に突出する突出方向(すなわち加圧方向)に対する平行面に徐々に近づくように形成されているので、空間D内に押出されたシューライニング材料17に大きい加圧力がかかることがなく、空間D内のシューライニング材料17によってシュー本体21が押し戻されることがない。従って、成形空間A内のシューライニング材料17に、所定の加圧力を効率良くかけることができ、所望の密度、硬度、形状等を有し、所望の摩擦性能を有したシューライニング22を容易に製造することができる。
また、空間D内で形成されるバリは、その先端からシューライニング22につながる根元に向かって徐々に薄くなるように形成される。従って、バリ除去の作業が容易となる。
【0033】
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0034】
例えば、図14に示されるように、リム部の外周面23a(本発明の実施形態)、先端面16(参考例)が、断面円弧状に形成されるのに対して、段差部を下型の内底面15(参考例)、30a(本発明の実施形態)側に設けてもよい。
このとき、段差壁40は、段差壁40と内底面15、30aとで形成される角度jが鈍角となるように設けられる。これにより、熱成形後にシューライニングを凹部13、30内から取り出し易くなる。そして、段差壁40とこれに連なる段差面41とで形成されるコーナー部の角度fは、鋭角をなすよう形成する。これにより、段差面41と、リム部の外周面23a或いは先端面16との間隔Nが、凹部の開口側に向かって徐々に大きくなるよう形成する。
【0035】
また、参考例、および本発明の実施形態において、図15に示されるように段差部50、51を上型、下型の両方に設けてもよい。このとき、シューライニングの周方向の両端壁は、両段差壁43、40によって形成される。
そして、上型及び下型の段差部50、51で形成されるコーナー部の角度e、fを共に鋭角とし、両段差面42、41の間隔Nは、凹部の開口側に向かって徐々に大きくなるよう形成する。
このような熱成形型によると、バリとなるシューライニング材料が上方へと逃げやすくなり、上型を押し戻すことがない。また、バリは根元が薄く形成されるので除去しやすくなる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、熱成形時にシューライニング材料を良好に加圧することができ、所望の摩擦性能を有したシューライニングを効率良く製造することができる。
また、形成されたバリは、先端部からシューライニングにつながる根元へ向かって徐々に薄くなる形状なので、除去が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る熱成形型の形状を示す概略図である。
【図2】 熱成形時のシューライニング材料の端部側を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施形態における下型の断面図である。
【図4】 図3に示した下型の平面図である。
【図5】 本発明の実施形態における補助上型とシュー本体の断面図である。
【図6】 図5に示した補助上型とシュー本体の底面図である。
【図7】 本発明の実施形態における熱成形型の組み付け状態を示す断面説明図である。
【図8】 リム部の段差部を説明する断面図である。
【図9】 熱成形時のシューライニング材料の端壁側を示す断面図である。
【図10】 シュー本体の形状を示す概略図である。
【図11】 仮成形したシューライニング材料の形状を示す説明図である。
【図12】 従来の熱成形型を説明する断面図である。
【図13】 従来の熱成形時のシューライニング材料の端壁側を示す断面図である。
【図14】 他の実施形態における熱成形型の段差部側の断面図である。
【図15】 他の実施形態における熱成形型の段差部側の断面図である。
【符号の説明】
10 熱成形型
11 上型
12 下型
13 凹部
14 凸部
15 内底面
16 先端面
16a 成形用先端面
16b 段差壁
16c 段差面
16d 段差部
17 シューライニング材料
20 ブレーキシュー
21 シュー本体
22 シューライニング
23 リム部
23a リム部の外周面
24 ウエブ部
25 接着外周面
26 段差壁
27 段差面
30 凹部

Claims (1)

  1. シューライニング材料と、外周面に接着剤が塗布されたシュー本体とが、下型と補助上型との間に装填され、補助上型と下型とが相対的に加圧されると共に加熱されることにより、前記シュー本体の外周面にてシューライニングを熱成形すると同時にシューライニングを接着して、ブレーキシューを形成するシューライニングの熱成形型であって、
    シュー本体に、下型の金型面方向に突出し、段差壁によりシューライニングの周方向の両端壁を形成するための段差部が形成され、
    シュー本体に形成された前記段差部の段差面と下型の金型面との間隔が、外方に向けて漸次大きくなるように、前記段差部の段差面と段差壁とでなすコーナー部の角度が鋭角に形成されていることを特徴とするシューライニングの熱成形型。
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