JP3989352B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動装置に関し、特に、モータを駆動するための電源を安定化させる電源安定化用コンデンサを予め充電するプリチャージ回路を備えるモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータ駆動装置は、車両に搭載される電動パワーステアリング装置、4輪操舵の後輪操舵用装置、自動操舵装置、パワーウィンドウ装置等に用いられており、これらの装置のモータの駆動をバッテリの一定電圧で行い、モータに流す電流を変化させるための一手段としてPWM(パルス幅変調)駆動で行うものである。例えば、電動パワーステアリング装置は、パワーユニットにより直流モータのトルク制御をPWM信号に従って直接チョッピング制御することにより制御される装置である。そのパワーユニットは、文献に記載されているように、図10で示すH型ブリッジ回路(モータ駆動回路)100、プリドライブ回路101、電流検出回路102、メインリレー103、フェールセーフリレー104、プリチャージ回路105、電源安定化用コンデンサ106、倍電圧回路107、5V電源108から構成されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
清水康夫、外5名、「電動パワーステアリングの開発」、HONDA R&D Technical Review 1991年、Vol.3、p.76
【0004】
H型ブリッジ回路(モータ駆動回路)100は4つのFET(電界効果トランジスタ)109,110,111,112をH型に接続し、それぞれについてON/OFFを組み合わせることで、モータの正転、逆転等を、PWM制御により行うものである。プリドライブ回路101は、コントロールユニット113より送られてくるPWM信号をFETゲート信号に変換する回路である。電流検出回路102は、出力回路を流れる電流値を検出し、コントロールユニット113の読み込み可能な電圧レベルに増幅する回路である。メインリレー103、フェールセーフリレー104は、コントロールユニット113によるシステム動作のセルフチェックで、正常判断時のみバッテリライン114およびモータライン115の通電を行う。プリチャージ回路105は、後述するように、メインリレー103を閉じる前に電源安定化用コンデンサ106を予め充電する回路である。電源安定化用コンデンサ106は、後述するように、電源インピーダンスを低く保ち、モータ駆動回路に供給される電源を安定化するものである。倍電圧回路107は、バッテリ電圧の2倍相当の電圧を作り、電流検出回路102およびプリドライブ回路101に供給する回路である。5V電源108は、プリドライブ回路101用の電源である。
【0005】
このような構成のパワーユニットのうちのH型ブリッジ回路100と、そのH型ブリッジ回路100に接続された電源安定化用コンデンサ106と電源116、メインリレー103とプリチャージ回路105とモータ117とフェールセーフリレー104を備えたものによってモータ駆動装置が構成される。
【0006】
図11は、従来のモータ駆動装置の回路図である。モータ駆動装置120は、FET109とFET110とFET111とFET112が配線されH型ブリッジ回路100を構成し、H型ブリッジ回路100の端子121と端子122によりモータ117がフェールセーフリレー104(図示せず)を介して接続されている。また、H型ブリッジ回路100と並列に電源安定化用コンデンサ106が接続され、メインリレー(リレー回路)103、プリチャージ回路105、ヒューズ123、スイッチ124を介して電源116が接続されている。
【0007】
FET109,110,111,112は、モータ117への印加電圧を高速にON/OFFを行うチョッピング電圧を印加するためのものであり、PWM信号をゲートにかけることにより、FET109,110,111,112を高速にON/OFFし、モータ117にチョッピング電圧を印加することが可能となる。
【0008】
モータ117は、電動パワーステアリング装置においては、操舵のアシスト力としての発生トルクを利用するために用いている。
【0009】
メインリレー(リレー回路)103は、モータ駆動回路(H型ブリッジ回路)100の故障時、電動パワーステアリング装置のシステム異常時あるいは電動パワーステアリング装置の稼働停止時に、モータ117を完全に停止させるために、モータ駆動回路100とバッテリ電源116との間を遮断する。
【0010】
電源安定化用コンデンサ106は、PWM信号によるスイッチング制御のように変化の速い電流を電源から流そうとするときの、配線が長い場合にその間の配線によるインダクタンスにより電流がそのスイッチング時間に追随して供給することができず、それを解消するための補助電源として用いている。また、この電源安定化用コンデンサ106は、大電流チョッピングでの配線のインダクタンスによるサージ電圧の電圧性のスイッチングノイズとPWMによる電源ラインの電流変動による電流性のノイズを抑える。
【0011】
次に、プリチャージ回路105について説明する。このモータ駆動装置120では、PWM駆動時のスイッチング動作時に、バッテリ電源116からH型ブリッジ回路100までの配線のインピーダンスの影響によって、PWM駆動のデューティ比に正確に対応したモータ電流をモータに供給することができない場合がある。そこで、このモータ駆動回路を備えるモータ駆動装置120では、モータ駆動回路(H型ブリッジ回路)100に並列に大容量の電源安定化用コンデンサ106が配線され、電源インピーダンスを低く保ち、モータ駆動回路100に供給される電源を安定化させている。
【0012】
さらに、この電源安定化用コンデンサ106にメインリレー回路103を介してバッテリ電源116が接続される構成の場合、メインリレー回路103が閉じる時に、電源安定化用コンデンサ106が充電される。ところが、電源安定化コンデンサ106が大容量のため、バッテリ電源116から電源安定化用コンデンサ106に突入電流(ラッシュカレント)が流れ、この突入電流によってメインリレー回路103のリレー接点が溶着したり、損傷(摩耗)したりする。電源安定化コンデンサ106は、モータ電流の制御ユニットの置かれる環境(高温下)及び三相ブラシレス駆動回路におけるスイッチング回路の増加により容量は年々増加傾向にある。
【0013】
そこで、モータ駆動装置120には、電源安定化用コンデンサ106(すなわち、メインリレー回路103)に流れる突入電流を抑制するために、メインリレー回路103を閉じる前に電源安定化用コンデンサ106を予め充電するプリチャージ回路105が設けられる。プリチャージ回路105には、バッテリ電源116からスイッチ124を介して入力される端子Aと、バッテリ電源116からヒューズ123を介してリレー回路103を通さないで入力される端子Bとプリチャージ回路105からの出力端子Dと、マイクロコンピュータからのプリチャージ回路を制御する信号を入力する端子Cが設けられている。このプリチャージ回路に関する技術は、いくつか開示されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0014】
【特許文献1】
特願平10−545405号
【特許文献2】
特開平11−245829号
【特許文献3】
特開2002−44990
【0015】
特許文献1においては、2つの抵抗を備えたプリチャージ回路が開示されており、それら2つの抵抗調整によりチャージ電圧を設定するものが示されている。しかしながら、2つの抵抗調整による電圧の設定の仕方ではコンデンサの放電抵抗として2つの抵抗のうち1つの抵抗が関与するため、実質的には常時放電電流があるので、充電時間が長くなってしまう。また、素子を大型にしなければならず、さらに、設定の電圧範囲が制限されてしまうものである。
【0016】
特許文献2では、リレー回路を介することなく電源と電源安定化用コンデンサとの間に設けられるプリチャージ回路を備えるモータ駆動装置および電動パワーステアリング装置が開示されている。このプリチャージ回路は、逆電流防止用のダイオードと電源安定化コンデンサへの突入電流を抑制するための抵抗とを備え、リレー回路が閉じる前に電源安定化用コンデンサを充電する。
【0017】
特許文献3では、リレー回路を介することなく電源と電源安定化用コンデンサとの間に設けられるプリチャージ回路を備えるモータ駆動装置および電動パワーステアリング装置が開示されている。このプリチャージ回路では、電源と電源安定化用コンデンサとの間をリレー回路を介することなく結線されるバイパス回路と、バイパス回路内に設けられ、電流の方向および電流の最大値を制限するチャージ電流制限手段と、バイパス回路内に設けられ、バイパス回路に電流が所定値以上流れた時にバイパス回路を遮断するヒューズ手段と、を備え、チャージ電流制限手段は、エミッタまたはコレクタが電源側に接続され、コレクタまたはエミッタが電源安定化用コンデンサ側に接続されるバイポーラ型トランジスタと、バイポーラ型トランジスタのベースに接続される抵抗と、を備えている。
【0018】
図12,13は、従来のプリチャージ回路130を示す。図12では、図11で示した端子B(端子131)から抵抗R100が接続され、その抵抗R100の端子はバイポーラ型トランジスタT100のエミッタに接続され、コレクタはダイオードD100に接続され、端子D(端子132)に接続されている。また、この回路には、バイポーラ型トランジスタT101,T102と抵抗R101,R102が接続されている。また、図13では、端子B(端子133)からバイポーラ型トランジスタT103のエミッタ端子が接続され、コレクタ端子はダイオードD101に接続され、抵抗R100を通して端子D(端子134)に接続される。また、この回路には、バイポーラ型トランジスタT104,T105と抵抗R103,R104が接続されている。これらの回路では、トランジスタT100あるいはT103がオンになるとR100を介して端子Bから端子Dに電流が流れ、電源安定化用コンデンサ106をチャージする。過電流がR100を流れると、R100による電圧降下が大きくなり、トランジスタT101あるいはT104がオンとなり、トランジスタT100あるいはT103がオフとなり、抵抗R100に電流が流れなくなる。すなわち、端子Bから端子Dに電流が流れなくなる。チャージ電流が流れ続けるような故障時にはマイクロコンピュータからの信号が端子Cに入力され、トランジスタT102あるいはT105をオンさせ、強制的にトランジスタT100あるいはT103をオフとする。
【0019】
図14は、上記のような従来のプリチャージ回路を用いたモータ駆動装置120での代表的な電源安定化用コンデンサ端子間電圧の時間変化を示すものである。横軸は、時間を示し、縦軸は、電源安定化用コンデンサ端子間電圧を示す。曲線C100は、特許文献1での電源安定化用コンデンサ端子間電圧の時間変化を示すものである。曲線C101は図12あるいは図13で示したプリチャージ回路を用いたときの電源安定化用コンデンサ端子間電圧の時間変化を示すものである。図14の曲線C100,C101で示すように、電源安定化用コンデンサ端子間電圧は、電源電圧に時間T経過して到達する。また、特許文献1のものでは(曲線C100)、時間T経過しても電源電圧に到達しないことが分かる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このように、モータ駆動装置では電源安定化のために電源安定化用コンデンサが必要であり、また、電源系の安全スイッチとしてメインリレー(リレー回路)が必要である。例えば、負荷の短絡や素子ショート等の故障の時必要となる。そのため、リレー接点をラッシュカレント(突入電流)による耐久性の減少を軽減するための手段が必要となる。そこで、プリチャージ回路が必要となる。しかしながら、負荷の短絡や素子ショートの故障に対応した回路では素子の大型化が必要となりコストが高くなるため採用できず、よってプリチャージ回路には、低電流しか流せない。そのため、チャージに時間がかかり、システム起動時間が長くなり、すなわち、出力制御までの時間がかかる。時間を短くするにはチャージ電流を増大したいが、負荷の短絡や素子ショート等の故障の時プリチャージ回路の破壊を招いてしまうという問題点がある。
【0021】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、プリチャージ回路を破壊せずに、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上するモータ駆動装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るモータ駆動装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0023】
第1のモータ駆動装置(請求項1に対応)は、モータと、モータを起動するモータ駆動回路と、電源とモータ駆動回路との間に設けられたリレー回路と、モータ駆動回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサと、リレー回路を閉じる前に電源安定化用コンデンサを充電するプリチャージ回路とを備えるモータ駆動装置であって、電源とコンデンサの間に第1抵抗とその第1抵抗よりも抵抗値の小さい第2抵抗を設け、初期は第1抵抗を介して充電し、その後第2抵抗を介して充電するようにしたことで特徴づけられる。
【0024】
第1のモータ駆動装置によれば、モータと、モータを起動するモータ駆動回路と、電源とモータ駆動回路との間に設けられたリレー回路と、モータ駆動回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサと、リレー回路を閉じる前に電源安定化用コンデンサを充電するプリチャージ回路とを備えるモータ駆動装置であって、電源とコンデンサの間に第1抵抗とその第1抵抗よりも抵抗値の小さい第2抵抗を設け、初期は抵抗値の比較的大きな第1抵抗を介して充電し、その後抵抗値が第1抵抗より小さい第2抵抗を介して充電するようにしたため、充電における時定数が小さくなるので、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができる。また、充電の初期段階で抵抗値の大きな第1抵抗を用いて充電するようにするので、接続ハーネスのGND短絡や回路素子に異常が発生した場合でも、プリチャージ回路内を流れる電流を初期段階では、小さく抑えられるため、プリチャージ回路内のトランジスタ等の素子を破壊することなくプリチャージを行うことができる。
【0025】
第2のモータ駆動装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは電源安定化用コンデンサと並列に接続され、該電源安定化用コンデンサのチャージ電圧を検出するチャージ電圧検出手段と、第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらずチャージ電圧検出手段により検出された電源安定化用コンデンサのチャージ電圧が所定量に達していない場合には故障であると判定する判定手段と、を備えることで特徴づけられる。
【0026】
第2のモータ駆動装置によれば、電源安定化用コンデンサと並列に接続され、該電源安定化用コンデンサのチャージ電圧を検出するチャージ電圧検出手段と、第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらずチャージ電圧検出手段により検出された電源安定化用コンデンサのチャージ電圧が所定量に達していない場合には故障であると判定する判定手段と、を備えるため、確実に故障の判定を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、電動パワーステアリング装置の模式構造図である。電動パワーステアリング装置10では、ステアリング・ホイール(ハンドル)11に一体的に設けられたステアリング軸12に、自在継手13a,13bを有する連結軸13を介して、ラック・ピニオン機構15のピニオン15aに連結されることによって、手動操舵トルク発生機構16が構成されている。
【0029】
ピニオン15aに噛み合うラック歯17aを有し、これらの噛み合いにより軸方向に変換されて往復動するラック軸17は、その両端にタイロッド18を介して転動軸としての左右の前輪19に連結されている。運転者は、ハンドル11を操作することにより、手動操舵トルク発生機構16と通常のラック・ピニオン式のステアリング装置を介して、前輪を揺動させて車両の向きを変えることができる。
【0030】
この手動操舵トルク発生機構16によって発生する操舵トルクを軽減するために、アシストトルク(操舵補助トルク)を供給するモータ20が例えばラック軸17と同軸的に配設され、ラック軸17にほぼ平行に設けられたボールねじ機構21を介してモータ20からの回転運動により供給されるアシストトルクが直進運動のための力に変換され、ラック軸17に作用する。
【0031】
モータ20のロータには、駆動側ヘリカルギヤ20aが一体的に設けられている。このヘリカルギヤ20aは、ボールねじ機構21のねじ軸21aの軸端に一体的に設けられたヘリカルギヤ21bと噛み合っている。また、ボールねじ機構21のナットは、ラック軸17に連結されている。
【0032】
図2は、電動パワーステアリング装置の制御装置を示す図である。図1において、図示しないステアリングギヤボックス内には、ピニオン15aに作用する手動操舵トルクTを検出する手動操舵トルク検出部22が設けられる。この手動操舵トルク検出部22は、検出した手動操舵トルクTを手動操舵トルク検出信号Tdに変換し、その変換された手動操舵トルク検出信号Tdを制御装置24へ入力する。制御装置24は、手動操舵トルク検出信号Tdを主信号として、モータ20の運転を行って、モータ20が出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0033】
制御装置24は、目標電流決定部25と、制御部26とを備える。目標電流決定部25は、手動操舵トルク検出信号Tdに基づいて目標補助トルクを決定し、目標補助トルクをモータ20から供給するために必要となる目標電流信号ITを出力する。
【0034】
図3は、制御部26のブロック構成図である。制御部26は、偏差演算部27とモータ運転制御部28とモータ駆動部29と電流検出部30を備えている。また、電源安定化用コンデンサ31とメインリレー(リレー回路)32とプリチャージ回路33を備えている。偏差演算部27は、目標電流決定部25から出力された目標電流信号ITと電流検出部30からのモータ電流信号IMとの偏差を求め、その値を偏差信号27aとして出力する。
【0035】
モータ運転制御部28は、偏差電流制御部34とPWM信号生成部35とを備えている。偏差電流制御部34は、入力された偏差信号27aに対して比例、積分、微分等の処理を施して偏差信号27aの値がゼロに近づくように、モータ20に供給するモータ電流を制御するための駆動電流信号34aを生成・出力する。
【0036】
PWM信号生成部35は、駆動電流信号34aに基づいてモータ20をPWM運転するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成し、生成したPWM信号を駆動制御信号35aとして出力する。
【0037】
モータ駆動部29は、ゲート駆動回路部36と4個の電力用電界効果トランジスタをH型ブリッジ回路の構成で接続したモータ駆動回路37とを備える。ゲート駆動回路部36は、駆動制御信号(PWM信号)35aに基づいて、ハンドル11の操舵方向に応じて2つの電界効果トランジスタを選択し、選択した2つの電界効果トランジスタのゲートを駆動してこれらの電界効果トランジスタをスイッチング動作させる。メインリレー32、フェールセーフリレー(図示せず)は、コントロールユニットによるシステム動作のセルフチェックで、正常判断時のみバッテリラインおよびモータラインの通電を行う。プリチャージ回路33は、メインリレー32を閉じる前に電源安定化用コンデンサ31を予め充電する回路である。電源安定化用コンデンサ31は、電源インピーダンスを低く保ち、モータ駆動回路37に供給される電源を安定化するものである。
【0038】
このような構成のパワーユニットのうちのH型ブリッジ回路(モータ駆動回路)37と、そのH型ブリッジ回路37に接続された電源安定化用コンデンサ31とバッテリ電源38、メインリレー32とプリチャージ回路33とモータ20とフェールセーフリレー(図示せず)を備えたものによってモータ駆動装置が構成される。
【0039】
電流検出部30は、モータ20に流れるモータ電流(電機子電流)を検出してモータ電流信号IMを出力する。
【0040】
以上により、制御装置24は、手動操舵トルク検出部22によって検出された手動操舵トルクTに基づいてバッテリ電源38からモータ20へ供給する電流をPWM制御し、モータ20が出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0041】
また、図3に示すように、制御装置24は、制御部26においてモータ20に実際に流れるモータ電流をモータ電流信号IMとして検出し、モータ電流信号IMに基づくフィードバック制御を行うことで、モータ20の制御特性を向上させている。
【0042】
以上のようにして、運転者の手動操舵トルクTは、手動操舵トルク発生機構16の手動操舵トルク検出部22により検出されて、制御装置24により、モータ20の出力を駆動制御してステアリングギヤボックスのラック軸17が直進運動するための力をアシストする。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。本発明の実施形態に係るモータ駆動装置は、プリチャージ回路の構成以外は図11で示した従来の装置と同様である。それゆえ、FETとモータと電源安定化用コンデンサとリレー回路については、説明を省略し、ここでは、プリチャージ回路について説明する。
【0044】
制御装置は、プリチャージ回路33によってリレー回路32が閉じる前に電源安定化用コンデンサ31のチャージ電圧をバッテリ電源38の電圧近くまで充電し、リレー回路32が閉じた時に突入電流が流れるのを極力抑制する。また、マイクロコンピュータ40は、チャージ電圧検出部41からチャージ電圧信号が入力され、電源安定化用コンデンサ31を充電するためにプリチャージ回路33を制御するプリチャージ信号をプリチャージ回路33の端子Cに出力するとともに、リレー回路32をオン/オフするリレー信号をリレー回路32に出力する。そのために、マイクロコンピュータ40は、プリチャージ制御部を備えている。また、マイクロコンピュータ40は、第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらず電源安定化用コンデンサへの充電は所定量に達していない場合には故障であると判定する故障判定部(判定手段)を備える。
【0045】
なお、プリチャージ制御部は、3つの実施形態に係るプリチャージ回路に対応した3つのプリチャージ制御部のいずれかのプリチャージ制御部とする。
【0046】
プリチャージ制御部は、チャージ電圧検出部41からチャージ電圧信号が入力され、プリチャージ回路33にプリチャージ信号を出力するとともに、リレー回路32にリレー信号を出力する。プリチャージ制御部は、イグニッションスイッチがオンされると、プリチャージ回路33によって電源安定化用コンデンサ31を充電させる。プリチャージ制御部は、プリチャージ回路33によって電源安定化用コンデンサ31のチャージ電圧が充電停止電圧以上になると、プリチャージ回路33による充電を停止させるとともに、リレー回路32を閉じてバッテリ電源38をモータ駆動回路37に供給する。
【0047】
なお、充電停止電圧は、プリチャージ回路33によって電源安定化用コンデンサ31に充電可能な最高電圧より少し低い電圧が設定される。
【0048】
プリチャージ回路33は、マイクロコンピュータ40からのプリチャージ信号が入力されるとともに、バッテリ電源が供給され、電源安定化コンデンサ31にチャージ電流を供給する。プリチャージ回路33は、イグニッションスイッチがオンして電動パワーステアリング装置が起動後、リレー回路32のリレーが閉じる前に電源安定化用コンデンサ31のチャージ電圧が充電停止電圧以上になるまで充電する。つまり、プリチャージ回路33は、リレー回路のリレーが閉じる前に、電源安定化用コンデンサ31をバッテリ電源38の電圧に近い電圧まで充電する。そのため、電源安定化用コンデンサ31のチャージ電圧とバッテリ電源38との電圧差が、リレー回路32を閉じた時には非常に微小な電圧差となる。従って、リレー回路32のリレーが閉じてバッテリ電源38と電源安定化用コンデンサ31との間が接続したとき、電源安定化用コンデンサ31(すなわち、リレー回路)への突入電流を防止、あるいは突入電流を極力低減することができる。
【0049】
この発明においては、バッテリ電源38と電源安定化用コンデンサ31との間に第1抵抗とその第1抵抗よりも抵抗値の小さい第2抵抗を備えたプリチャージ回路33を設け、プリチャージ回路33を介した電源安定化用コンデンサの充電の初期は第1抵抗を介して充電し、その後第2抵抗を介して充電するようにした。また、第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらず電源安定化用コンデンサ31への充電は所定量に達していない場合には故障であると判定する。これにより、故障時の回路素子の保護、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができる。また、確実に故障の判定を行うことができる。
【0050】
まず、図5を参照して、第1の実施形態に係るプリチャージ回路33の回路構成について説明する。プリチャージ回路33は、バイポーラ型トランジスタT10,T11,T12,T13、抵抗R10,R11,R12,R13,R14,R14,R15,R16およびダイオードD10,D11から構成される。端子Bから抵抗R11を接続し、R11はバイポーラ型トランジスタT10のエミッタに接続され、コレクタはダイオードD10に接続し、ダイオードD10の他端は端子Dに接続される。バイポーラ型トランジスタT11のエミッタを端子Bに接続され、コレクタはバイポーラ型トランジスタT10のベースに接続される。また、バイポーラ型トランジスタT11のコレクタは抵抗R14を介してダイオードD10と接続される。また、バイポーラ型トランジスタT11のベースには抵抗R15が接続される。バイポーラ型トランジスタT12のエミッタは抵抗R13に接続され、そのコレクタは接地され、ベースは抵抗R10と接続されると共に、バイポーラ型トランジスタT13のエミッタに接続される。また、バイポーラ型トランジスタT13のコレクタは接地され、そのベースは端子Cに接続される。このプリチャージ回路33において、第1の抵抗は抵抗R10であり、第2の抵抗は抵抗R11であり、抵抗R11の抵抗値は、抵抗R10の抵抗値よりも小さいものを用いている。
【0051】
ダイオードD11とバイポーラ型トランジスタT12は、初期段階から第2段階への転換のしきい値電圧を設定するためのものである。この閾値は、好ましくはしきい値が0.7V付近の低電圧になるように設定する。また、これらのダイオードとトランジスタにより、プリチャージの初期段階が問題なく正常に動作したらプリチャージ回路が第2段階を動作し、電源安定化用コンデンサ31のチャージ電流が初段より大きくなる。抵抗R12と抵抗R13は、プリチャージ回路33によるプリチャージの第2段階が可能な電圧を設定するための抵抗である。
【0052】
マイクロコンピュータ40は、チャージ電圧検出部41からの検出信号によりチャージ電圧が設定電圧に達したことを認識したとき、メインリレー32をオンする機能を有している。また、その際にチャージ電圧検出部41により電圧を検出し、電圧変化が生じるのを確認することにより、電圧変化が生じないときにはメインリレー32が故障しており、電圧変化が生じるときには故障していないという故障判定を行う故障判定機能を備えている。
【0053】
次に、この回路での動作を説明する。プリチャージ回路33へのマイクロコンピュータ40からのプリチャージ信号がH信号のときに、トランジスタT13がオンされ、抵抗R10を介して流れる電流は、端子Dへ流れ込むことなくトランジスタT13を介して放電される。プリチャージ信号がマイクロコンピュータ40からL信号のとき、トランジスタT13がオフとなり、抵抗R10を介して初段プリチャージが開始される。端子Dの電位が約0.7Vになると、端子Bから抵抗R12,R13を通して流れる。それにより、抵抗R13による電圧降下によってバイポーラ型トランジスタT11のベース電位が上がり、トランジスタT10がオンとなる。それにより、抵抗R11を介して二段プリチャージが開始される。これにより、充電の初期段階、すなわち、抵抗R10を電流を流れての充電の時は、抵抗R10が比較的大きな抵抗値を持つため、故障時でも電流を小さく抑えることができるので、プリチャージ回路内のトランジスタ等の回路素子の保護をすることができ、また、初期段階の後では、抵抗値の比較的小さな第2抵抗である抵抗R11を用いて充電するため、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができる。なお、初期プリチャージ終了するときの端子Dの電位が約0.7Vになり端子Bから抵抗R12,R13へ電流が流れるときの判定は、回路内の各抵抗値の設定で行うことができるが、マイクロコンピュータ40により判定するようにすることもできる。
【0054】
次に、このプリチャージ回路の動作を図6で示すフローチャートと図7の電源安定化用コンデンサ端子間電圧の時間変化を用いてチャージ電圧の変化(曲線C10)と共に説明する。まず、マイクロコンピュータ40において、プリチャージ開始ロジックが作動する(ステップST10)。次にシステム電源イグニッションオンする(ステップST11)。電源オン後直ちにチャージするとき、すなわち、常時チャージの場合、抵抗R10を介して初段プリチャージを開始する(ステップST15)。電源オン後直ちにチャージしないとき、設定時間後マイコンリセット解除を行う(ステップST13)。マイコンによりプリチャージスイッチオンにする(ステップST14)。抵抗R10を介して初段プリチャージ開始する(ステップST15)。プリチャージ開始後、故障判定部は設定した時間以上経過したかどうかを判断する(ステップST16)。経過したとき、パワー系の故障と判定する(ステップST17)。そして、故障判定部は故障を知らせる信号をLEDなどの表示装置に送り、それにより故障を知らせるLEDなどの表示装置が点灯する。
【0055】
一方、プリチャージ開始後所定時間以上経過しないときは、チャージ電圧が0.7V以上かどうか判断する(ステップST18)。0.7V以上ではないとき、ステップST15にもどり、抵抗R10を介して初段プリチャージを開始する(ステップST19)。一方、0.7V以上の時は、バイポーラ型トランジスタT12T11と抵抗R13,R13,R15から成るブースタ回路がオンになる(ステップST20)。なお、0.7V以上かどうかの判断はマイクロコンピュータ40で行うようにしても良いし、回路的に各抵抗値を定めて自動的に0.7Vになったら、ブースタ回路がオンになるようにしても良い。ここまでの過程が図6におけるT1の範囲の変化である。抵抗R11を介して二段プリチャージ開始する(ステップST21)。チャージ電圧が設定電圧になったかどうか判断する(ステップST22)。設定電圧にならないときは、ステップST15に戻り、抵抗R10を介して初段プリチャージを開始する。
【0056】
もし、設定電圧になったならば、マイコンによりリレー駆動回路をオンとする(ステップST23)。電源電圧に等しくなったかどうか判断する(ステップST24)。ここまでの過程が図で示すT2の時間変化である。電源電圧にほぼ等しくならないときは、故障判定部によりリレー・駆動回路が異常であることが確定する(ステップST25)。また、電源電圧になったときは、パワー系は正常動作していることが確定し(ステップST26)、動作を継続する。また、図7においては、T2以降の時間変化となる。また、図7には、図14で示した従来の時間変化(曲線C100,C101)を示している。従来に比べて、電源電圧に到達する時間が短縮していることが分かる。
【0057】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るプリチャージ回路の回路図である。まず、図8を参照して、第2の実施形態に係るプリチャージ回路の回路構成について説明する。プリチャージ回路は、バイポーラ型トランジスタT20,T21,T22と抵抗R20,R21,R22,R23,R24とダイオードD20,D21から構成される。端子Bからバイポーラ型トランジスタT20のエミッタに接続され、そのコレクタは抵抗R21に接続され、抵抗R21の他端は、ダイオードD20に接続され、ダイオードD20の他端は、端子Dに接続される。バイポーラ型トランジスタT21のエミッタは抵抗R23に接続され、そのコレクタは接地され、ベースは抵抗R20と接続されると共に、バイポーラ型トランジスタT22のエミッタに接続される。また、バイポーラ型トランジスタT22のコレクタは接地され、そのベースは端子Aに接続される。このプリチャージ回路33において、第1の抵抗は抵抗R20であり、第2の抵抗は抵抗R21であり、抵抗R21の抵抗値は、抵抗R20の抵抗値よりも小さいものを用いている。また、抵抗R20と抵抗R21は、第1の実施形態における抵抗R10と抵抗R11と同様な作用をし、抵抗R22と抵抗R23は、第1の実施形態における抵抗R12と抵抗R13と同様な作用をする。
【0058】
次に、この回路での動作を説明する。マイクロコンピュータ40からの端子Cへの信号によりバイポーラ型トランジスタT22をオンすると、抵抗R20を介して流れる電流は、端子Dへ流れ込むことなくトランジスタT22を介して放電される。マイクロコンピュータ40からの端子Cへのプリチャージ信号によりバイポーラ型トランジスタT22がオフになると、抵抗R20を介して初段プリチャージが開始される。端子Dの電位が約0.7Vになると、バイポーラ型トランジスタT21がオンとなり、端子Bから抵抗R22とR23を電流が流れる。それにより、抵抗R23を電流が流れることによって電圧降下が生じ、バイポーラ型トランジスタT20のベース電位が下降し、バイポーラ型トランジスタT20がオンとなる。それにより、抵抗R21を介して二段プリチャージが開始される。これにより、図7のような特性が得られ、充電の初期段階、すなわち、抵抗R20を電流を流れての充電の時は、抵抗R20が比較的大きな抵抗値を持つため、故障時でも電流を小さく抑えることができるので、プリチャージ回路内のトランジスタ等の回路素子の保護をすることができ、また、初期段階の後では、抵抗値の比較的小さな第2抵抗である抵抗R21を用いて充電するため、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができ、商品性の向上が期待できる。
【0059】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るプリチャージ回路の回路図である。まず、図9を参照して、第3の実施形態に係るプリチャージ回路の回路構成について説明する。プリチャージ回路は、電界効果型トランジスタF30,F31,バイポーラ型トランジスタT32,T33と抵抗R30,R31,R32,R33,R34とダイオードD30,D31から構成される。端子Bから抵抗R31を介して電界効果型トランジスタF30のソースに接続され、そのドレインはダイオードD30に接続され、ダイオードD30の他端は、端子Dに接続される。電界効果型トランジスタF30のゲートはバイポーラ型トランジスタT32のエミッタに接続され、そのコレクタは電界効果型トランジスタF30のドレインと接続される。バイポーラ型トランジスタT32のベースは抵抗R32と接続されると共に、電界効果型トランジスタF31のソースに接続される。また、電界効果型トランジスタF31のドレインは接地され、そのゲートはバイポーラ型トランジスタT33のエミッタに接続され、そのベースは端子Aに接続され、そのコレクタは接地される。このプリチャージ回路33において、第1の抵抗は抵抗R30であり、第2の抵抗は抵抗R31であり、抵抗R31の抵抗値は、抵抗R30の抵抗値よりも小さいものを用いている。また、抵抗R30と抵抗R31は、第1の実施形態における抵抗R10と抵抗R11と同様な作用をし、抵抗R32と抵抗R33は、第1の実施形態における抵抗R12と抵抗R13と同様な作用をする。
【0060】
なお、従来ではバイポーラ型トランジスタによるアナログ回路しか成立できなかったが、本発明では、FET(電界効果型トランジスタ)によるスイッチング素子が可能になり、さらに急速充電も可能になる。バイポーラ型トランジスタでは、バイアス電流に比例した電流しか流せないがFETは、ゲート−ソースの電圧で決まるスイッチング素子である。
【0061】
次に、この回路での動作を説明する。マイクロコンピュータ40からの端子Cへの信号によりバイポーラ型トランジスタT33をオンすると、抵抗R30を介して流れる電流は、端子Dへ流れ込むことなくトランジスタT33を介して放電される。マイクロコンピュータ40からの端子Cへのプリチャージ信号によりバイポーラ型トランジスタT33がオフになると、抵抗R30を介して初段プリチャージが開始される。端子Dの電位が約2Vになると、電界効果型トランジスタT31がオンとなり、端子Bから抵抗R32を電流が流れる。それにより、バイポーラ型トランジスタT32のベース電位が下がり、バイポーラ型トランジスタT32がオフとなる。それにより、バイポーラ型トランジスタT32のエミッタとコレクタ間に電位差Vgsを生じ、その電位差Vgsにより電界効果型トランジスタF30がオンとなり、抵抗R31を介して二段プリチャージが開始される。これにより、図7のような特性が得られ、充電の初期段階、すなわち、抵抗R30を電流を流れての充電の時は、抵抗R30が比較的大きな抵抗値を持つため、故障時でも電流を小さく抑えることができるので、プリチャージ回路内のトランジスタ等の回路素子の保護をすることができ、また、初期段階の後では、抵抗値の比較的小さな第2抵抗である抵抗R31を用いて充電するため、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、2段階によるプリチャージを例にとったが複数段によるプリチャージも行うようにプリチャージ回路を構成することもできる。また、本実施形態では、マイクロコンピュータからの信号によりトランジスタの作動を制御しているが、イグニッションスイッチがオンすると自動的にトランジスタの作動が切り替わるような回路を構成することもできる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0064】
モータと、モータを起動するモータ駆動回路と、電源とモータ駆動回路との間に設けられたリレー回路と、モータ駆動回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサと、リレー回路を閉じる前に電源安定化用コンデンサを充電するプリチャージ回路とを備えるモータ駆動装置であって、電源とコンデンサの間に第1抵抗とその第1抵抗よりも抵抗値の小さい第2抵抗を設け、初期は第1抵抗を介して充電し、その後第2抵抗を介して充電するようにしたため、充電における時定数が小さくなるので、プリチャージ時間の大幅な短縮によるシステム立ち上げ時間の短縮が格段に向上することができる。また、充電の初期段階で抵抗値の大きな第1抵抗を用いて充電するようにするので、接続ハーネスのGND短絡や回路素子に異常が発生した場合でも、プリチャージ回路内を流れる電流を初期段階では、小さく抑えられるため、プリチャージ回路内のトランジスタ等の素子を破壊することなくプリチャージを行うことができる。
【0065】
第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらずコンデンサへの充電は所定量に達していない場合には故障であると判定するため、確実に故障の判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の模式構造図である。
【図2】電動パワーステアリング装置の制御機構を示す図である。
【図3】制御部のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るプリチャージ回路の回路構成図である。
【図6】プリチャージ回路の動作を示すフローチャートである。
【図7】チャージ電圧の時間変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るプリチャージ回路の回路構成図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るプリチャージ回路の回路構成図である。
【図10】パワーユニットの構成図である。
【図11】従来のモータ駆動装置の回路図である。
【図12】従来のプリチャージ回路の回路図である。
【図13】従来のプリチャージ回路の回路図である。
【図14】チャージ電圧の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリング・ホイール
12 ステアリング軸
13 連結軸
15 ラック・ピニオン機構
16 手動操舵トルク発生機構
17 ラック歯
18 タイロッド
19 前輪
20 モータ
21 ボールねじ機構
22 手動操舵トルク検出部
24 制御装置
25 目標電流決定部
26 制御部
27 偏差演算部
28 モータ運転制御部
29 モータ駆動部
30 モータ電流検出部
31 電源安定化用コンデンサ
32 メインリレー
33 プリチャージ回路

Claims (2)

  1. モータと、前記モータを起動するモータ駆動回路と、電源と前記モータ駆動回路との間に設けられたリレー回路と、前記モータ駆動回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサと、前記リレー回路を閉じる前に前記電源安定化用コンデンサを充電するプリチャージ回路とを備えるモータ駆動装置であって、
    前記電源と前記電源安定化用コンデンサとの間に第1抵抗とその第1抵抗よりも抵抗値の小さい第2抵抗を備えたプリチャージ回路を設け、
    前記プリチャージ回路を介した前記電源安定化用コンデンサの充電の初期は前記第1抵抗を介して充電し、その後第2抵抗を介して充電するようにしたことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記電源安定化用コンデンサと並列に接続され、該電源安定化用コンデンサのチャージ電圧を検出するチャージ電圧検出手段と、
    前記第1抵抗を介する充電を開始してから所定時間が経過したのにも拘わらず前記チャージ電圧検出手段により検出された前記電源安定化用コンデンサのチャージ電圧が所定量に達していない場合には故障であると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
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