JP3989086B2 - ポリアミド成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は円形構造部を有するポリアミド成形品に関するものである。詳しくは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、さらには円形構造部の真円性及びその嵌合性に優れたポリアミド成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドはエンジニアリングプラスチックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気・電子分野などで幅広く使用されている。これら自動車部品、電気部品にはその機能の必要上、それ自身が円筒・円柱状であったり、円筒・円柱等の円形構造部を有する成形品の形で使用されるものが多い。こうした円形構造部は他の部品との接合部に用いられることが多く、例えば液体用タンクの円形注液口とそのキャップのようにプラスチック部品とプラスチック部品をはめ込むことにより接合したり、また円形注液口とそのキャップがねじ状になっていてねじ込むことによって接合をしたりする必要があり、これらの接合部には高い円形の精度、すなわち真円性を有することが要求される。特にねじ状となった接合部分の嵌合性は真円性に大きく左右される。このような理由から、ポリアミドの成形品にも高い円形精度、すなわち真円性が要求されることが多くなってきた。特にねじ状となった嵌合部の嵌合性は真円度だけでなく、成形品の嵌合部の表面状態にも左右される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般にポリアミドは成形時の収縮が大きく、このためいわゆる円形構造部を持った成形品において、その円形構造部が高い真円性を持つ成形品を得ることは困難であった。また、生産性を向上させようとして成形サイクルを短くすると、真円性のみならず表面状態まで悪化し、嵌合性が低下するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上の状況に鑑み、本発明者らは上記課題を解決するためにポリアミドに対し優れた特性を付与する添加剤について鋭意検討した結果、ポリアミドに特定の成形性改良剤を含有させることにより、短い成形サイクルタイムで成形しても、円形構造部を有する成形品の円形構造部の真円性及びその嵌合性が向上することを見いだし、本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は
嵌合するためのねじ状構造が施された少なくとも1個の円形構造部を有するポリアミド樹脂組成物からなる成形品において、前記ポリアミド樹脂組成物が、
a)ポリアミド樹脂100重量部に対し、
b)脂肪族ビスアミド、モンタン酸脂肪酸族2価アルコールエステルの部分けん化物から選ばれる少なくとも一種の成形性改良剤0.05〜1.0重量部、及び、
c)高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5重量部
を含有するポリアミド成形品。」、
「ポリアミド樹脂組成物が、さらに、
d)充填材 0.1〜100重量部
を含有する前記のポリアミド成形品。」
「a)ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66のいずれかである前記のポリアミド成形品。」
「c)高級脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩である前記のポリアミド成形品。」、
「d)充填材がガラス繊維、炭素繊維、天然又は合成無機質充填材から選ばれる少なくとも1種以上である前記のポリアミド成形品。」、
【0006】
嵌合するためのねじ状構造が施された少なくとも1個の円形構造部を有する成形品用のポリアミド樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂組成物が、
a)ポリアミド樹脂 100重量部に対し、
b)脂肪族ビスアミド、モンタン酸脂肪酸族2価アルコールエステルの部分けん化物から選ばれる少なくとも一種の成形性改良剤0.05〜1.0重量部、及び、
c)高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5重量部
を含有することを特徴とする成形品用ポリアミド樹脂組成物。」、
「ポリアミド樹脂組成物が、さらに、d」充填材 0.1〜100重量部
を含有する前記の成形品用ポリアミド樹脂組成物。」、
「a)ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66のいずれかである前記の成形品用ポリアミド樹脂組成物。」
「c)高級脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩である前記の成形品用ポリアミド樹脂組成物。」、
「d)充填材がガラス繊維、炭素繊維、天然又は合成無機質充填材から選ばれる少なくとも1種以上である前記の成形品用ポリアミド樹脂組成物。」、
からなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明の円形構造部を有する成形品は、機械的性質に優れ、またポリアミドのもつ耐熱性、耐薬品性が維持されるという大きな特徴を有する。また、射出成形によって容易に製造することができ、外観も良好である。
【0008】
本発明で言う円形構造部とは、1個の成形品の中に他の部品と嵌合するためのねじ状構造が施された部分を持った円形部分を指す。
【0009】
本発明に用いるポリアミドとしては、ナイロン6またはナイロン66が好ましく使用される。本発明の効果が損なわれない限り、ナイロン46、ナイロン612、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリアミドの構造単位を含有させることができる。
【0010】
ポリアミドの重合度のついては特に限定されないが、JIS K6810に従って98%硫酸中濃度1%、25℃で測定する相対粘度(以下ηrと称す。)が、1.8〜3.5、好ましくは2.0〜3.3、より好ましくは2.3〜3.2である。ηrが1.8未満であると靱性や剛性などの機械的特性が十分に得られず、3.5以上になると流動性が低下し、成形加工性が悪化する。
【0011】
これらポリアミドは公知の方法で得られる。例えば重合方法としては溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合などの方法が利用され、一般的には溶融重合が最も適当である。さらに前記のポリアミドの低重合体を押出機又は射出成形機に投入し、完全又は部分的に重合度を増大させ、好適な重合度のポリアミドを得ることができる。
【0012】
本発明に用いられる成形性改良剤としては、脂肪族アミド、脂肪酸およびその誘導体が単独またはその組み合わせで用いることができる。
【0013】
脂肪族アミドとしては下記の一般式(1)のものが好ましく使用される。
CONH−R−NHCOR (1)
(式中、各Rは炭化水素基であり、好ましくはR 、R 炭素数1〜35の炭化水素基、R 炭素数1〜12の炭化水素基である。)
【0014】
、R 例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコサニル基、ヘンエイコサニル基、ドコサニル基、トリコサニル基、テトラコサニル基、エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0015】
また、R 例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、イソプロピリデン基、フェニレン基、キシリレン基などが挙げられる。
【0016】
前記脂肪族ビスアミドの例としては、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、ヘキサメチレンステアリルアミドなどが好適に使用される
【0018】
前記モンタン酸脂肪族2価アルコールエステルの部分ケン化物としてはヘキストジャパン社のモンタン酸脂肪族2価アルコールエステルの部分ケン化物“ヘキストワックスOP”など好適に用いられる。
【0019】
これら成形性改良剤の配合量としてはポリアミド100重量部に対し0.05〜1.0重量部である。0.05重量部より少ないと良好な離型性が得られず、1.0重量部より多いと組成物の溶融時における発生ガスが多くなり、シルバー発生などによって成形品表面の平滑性が悪化し嵌合性が悪くなる。
【0020】
また、本発明においては高級脂肪酸金属塩が配合される。高級脂肪酸金属塩としては炭素数10以上25未満、特に12以上22未満の脂肪酸と、周期律表第I〜III 族の金属とから得られる脂肪酸金属塩が好ましく用いられる。脂肪酸の例としてはステアリン酸、バルミチン酸、オレイン酸、アラギン酸、ベヘン酸などを挙げることができ、金属の例としては亜鉛、カルシウム、リチウム、アルミニウム、バリウム、カリウム、マグネシウムなどを挙げることができる。
前記の脂肪酸金属塩の例としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウムなどが好適に使用される。
【0021】
脂肪酸金属塩の配合量としてはポリアミド100重量部に対して0.01〜0.5重量部であり、好ましくは0.01〜0.2重量部である。0.01重量部より少ないと良好なスクリューかみ込み安定性が得られず、0.5重量部より多いと組成物の溶融時における発生ガスが多くなり、シルバー発生などによって成形品表面の平滑性が悪化し嵌合性が悪くなる。
【0022】
ポリアミド樹脂では、特に強度を要求されることが多く、その場合には充填材を配合することが好ましい。充填材の添加量としては、ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.1〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。充填材をポリアミド樹脂に添加する方法としては、ポリアミド樹脂を重合後押出機によって溶融混練する又はドライブレンドして成形機のホッパーに入れ成形機中で直接混練する方法の他、ポリアミド樹脂の重合前又は重合中に添加する方法等が挙げられる。また、これら充填材の分散性を向上させたり、樹脂との界面の相互作用を強化させたりする目的で、充填材に表面処理や有機化処理を行ったり、カップリング剤等の添加剤を用いても良い。
【0023】
充填材としてはグラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、カオリン、クレー、タルク、ワラステナイト、モンモリロナイト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材が例として挙げられ、特にガラス繊維、炭素繊維、天然または合成無機物充填材が好ましい。
【0024】
本発明における組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリエーテルスルフォン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、SBS、SEBS等)を添加することができる。
【0025】
本発明の成形品は次の点からもその効果を発揮する。
本発明の成形品において接合・嵌合等のために使用される円形構造部は真円性が良好なため、接合性・嵌合性が良い。特に円形構造部にねじ状構造が施してある2つの成形品をねじ込みにより嵌合する場合、その真円性が良好なため、きしみ音がせず、削れ粉等の発生も無い。
【0026】
本発明の円形構造部を有する成形品の具体的な用途例としては、キャニスター、フューエルストレーナー、オイルリザーバータンク、ラジエタータンク、フューエルフィルター、ヒーターコアタンク、クーリングファン、シリンダーヘッドカバー、ホイールキャップ、バランスシャフトギヤ等のギヤ類、吸排気パイプ等のパイプ類等の自動車関連部品、コイルボビン、ボビンカバー、キャスター車輪のタイヤ、自転車用ホイール、ボールベアリングのハウジング等の機械関連部品、サッシの戸車、床面調整用のアジャスター、床下支持具等の建築資材等であって、円形構造部、特に接合または嵌合のためのねじ状構造を有するものが挙げられる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例に記した試験片の物性測定は次の方法によって行った。
【0028】
(1) 真円度
図1に示す成形品を射出成形機により成形し、三次元測定器(ミツトヨ製)により真円度を測定した。真円度はゲートのある端から10mmの位置の断面を真円度測定部位4とし、その内円及び外円を測定することにより代表し、測定点数は24点とした。すなわち、実測円上の24点を真円で近似し、その真円からの外側への最大偏差及び内側への最大偏差の和を真円度とした。真円度の単位はmmであり、この値が小さいほど真円性が良好であることを示す。
【0029】
(2)嵌合性、きしみ音
接合・嵌合性の評価として、図2に示すモデル的なオス型、メス型のねじ状部を有する成形品を成形し、ねじ込み時の嵌合性を良否で、またその時の音の発生の有無で判断した。
【0030】
以下に、実施例1〜11、比較例1〜5を示すが、これらを与えるポリアミド組成物の組成、得られた成形品の真円度を表1にまとめて示す。
【0031】
[実施例1]
ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸の等モル塩を常法により重合して、ナイロン66のペレットを得た。このポリアミドηrを測定したところ2.75であった。このナイロン66ペレット100重量部に成形性改良剤としてエチレンビスステアリルアミド0.4重量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸アルミニウム0.03重量部を加え、下記条件により真円度測定用成形品を成形し、真円度を測定した。測定の結果、表1に示すとおり真円度は良好であった。
【0032】
成形条件
射出成形機:東芝機械(株)IS100FA
シリンダー温度:280−280−270−260℃
射出圧力:250Kg/cm2
射出速度:50%
金型温度:80℃(コア側/キャビティ側=80/80℃)
成形サイクル:射出時間 10秒 冷却時間 15秒
【0033】
[実施例2]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、成形性改良剤を“ヘキストワックスOP”0.4重量部とした以外は実施例1と同様にして成形、真円度測定を行った。測定の結果、真円度は良好であった。
【0034】
[実施例3]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、成形性改良剤をエチレンビスオレイルアミド0.4重量部とした以外は実施例1と同様にして成形し、同様に真円度を測定したところ、真円度は良好であった。
【0035】
[実施例4]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、成形性改良剤をエチレンビスステアリルアミド0.3重量部及び“ヘキストワックスOP”0.1重量部とした以外は実施例1と同様にして成形、真円度測定を行った。測定の結果、真円度は良好であった。
【0036】
[実施例5]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、脂肪酸金属塩をステアリン酸カルシウム0.03重量部とした以外は実施例1と同様にして成形、真円度測定を行った。測定の結果、真円度は良好であった。
【0037】
[実施例6]
ε−カプロラクタムの水溶液を常法により重合して、ナイロン6のペレットを得た。このナイロン6のηrは2.7であった。このナイロン6ペレットに成形性改良剤としてエチレンビスステアリルアミド0.4重量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸カルシウム0.03重量部を使用し、シリンダー温度を250℃とした以外は実施例1と同様にして成形し、同様に真円度を測定した。結果を表1に示す。測定の結果、真円度は良好であった。
【0038】
[実施例7]
実施例6と同様のナイロン6を使用し、成形性改良剤をエチレンビスステアリルアミド0.3重量部及び“ヘキストワックスOP”0.1重量部とした以外は実施例6と同様にして成形、真円度測定を行った。測定の結果、真円度は良好であった。
【0039】
[実施例8]
実施例6と同様のナイロン6を使用し、脂肪酸金属塩をステアリン酸バリウム0.03重量部とした以外は実施例6と同様にして成形、真円度測定を行った。測定の結果、真円度は良好であった。
【0040】
[実施例9]
実施例1で使用したナイロン66ペレット85重量部と繊維径13μm、ストランド長1.5mmのガラス繊維15重量部とをドライブレンドしてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数150rpmの条件で2軸押出機によって溶融混練を行い、押出ガットを冷却後ペレタイズしてペレットを得た。このペレット100重量部に成形性改良剤としてエチレンビスステアリルアミド0.4重量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸アルミニウム0.03重量部を加え、射出圧力以外は実施例1と同様にして成形、さらに実施例1と同様にして評価したところ、真円度は良好であった。
【0041】
[実施例10]
実施例1で使用したナイロン66ペレット85重量部と平均粒径0.8μmのカオリン15重量部とをシリンダー温度280℃、スクリュー回転数150rpmの条件で2軸押出機によって溶融混練を行い、押出ガットを冷却後ペレタイズしてペレットを得た。このペレット100重量部に成形性改良剤としてエチレンビスステアリルアミド0.4重量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸アルミニウム0.03重量部を加え、射出圧力以外は実施例1と同様にして成形、さらに実施例1と同様にして評価したところ、真円度は良好であった。
【0042】
[実施例11]
充填材として有機化したモンモリロナイトを使用し、その製法としては以下のごとく一般的なアミノ酸によるインターカレーションを用いた。すなわち、モンモリロナイトを水中に分散させ、これに12−アミノドデカン酸と濃塩酸を加え攪拌、水洗した後吸引ろ過し、含水状態のモンモリロナイト複合体を得た。
次にヘキサメチレンジアミン−アジピン酸の等モル塩100重量部と上記製法によって得られたモンモリロナイト複合体3重量部を重合缶に仕込み、常法により重合し、モンモリロナイトを分散させた複合組成物を得た。この樹脂組成物に実施例1と同量のエチレンビスステアリルアミド及びステアリン酸アルミニウムを添加して、実施例1と同様にして成形し、評価したところ、真円度は良好であった。
【0043】
[比較例1〜2]
実施例1で得られたナイロン66、実施例6で得られたナイロン6のみを使用して、実施例1および6と同様の条件で成形し、同様に真円度測定及び嵌合性評価してその結果を表1に示した。実施例に比べ真円度が良いものは得られなかった。
【0044】
[比較例3]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、成形性改良剤をエチレンビスステアリルアミド6.0重量部とした以外は実施例1と同様にして成形し、同様に真円度を測定したところ、実施例に比べ真円度が良いものは得られなかった。
【0045】
[比較例4]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、成形性改良剤をエチレンビスステアリルアミド0.005重量部とした以外は実施例1と同様にして成形し、同様に真円度を測定したところ、実施例に比べ真円度が良いものは得られなかった。
【0046】
[比較例5]
実施例1と同様のナイロン66を使用し、脂肪酸金属塩をステアリン酸アルミニウム1.0重量部とした以外は実施例1と同様にして成形し、同様に真円度を測定したところ、実施例に比べ真円度が良いものは得られなかった。
【0047】
【表1】
Figure 0003989086
【0048】
以下に、実施例12〜22、比較例6〜10を示すが、これらを与えるポリアミド組成物の組成、得られた成形品のねじ込み、きしみ音の評価結果を表2にまとめて示す。
【0049】
[実施例12]
実施例1で使用したポリアミド組成物を用いて図2に示す嵌合性評価用成形品を成形した。真円度は良好であり、嵌合性を評価したところ、ねじ込みでの嵌合性は良好で、最後までねじ込むことができ、その時にきしみ音の発生もなかった。
【0050】
[実施例13〜22]
実施例12と同様にして、実施例2〜11で使用したポリアミド組成物を用いて嵌合性評価を行った。結果を表2に示す。嵌合性は良好で、きしみ音は無いかわずかであった。また真円度も良好であった。
【0051】
[比較例6〜10]
比較例1〜5で使用したポリアミドもしくはポリアミド組成物を用いて、実施例9〜14と同様に嵌合性の評価を行った。結果を表2に示す。嵌合性は良くなく、最後までねじ込むことができず、きしみ音の発生がみられた。
【0052】
【表2】
Figure 0003989086
【0053】
【発明の効果】
本発明のポリアミド組成物からなる嵌合するためのねじ状構造が施してある円形構造を有する成型品は、優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性を有する。また、円形構造部が優れた真円性を有し、特にその円形構造部は、接合・嵌合性が良好で付加価値の高い成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例における真円度測定用成形品の形状および真円度測定位置を示す説明図である。((A)は正面図、(B)は右正面図)
【図2】本発明の実施例および比較例における嵌合性評価用成形品のオス型、メス型を示す図である。(6のメス型は断面図である。)
【符号の説明】
1…スプル
2…ゲート
3…本体
4…真円度測定位置
5…オス型
6…メス型

Claims (10)

  1. 嵌合するためのねじ状構造が施された少なくとも1個の円形構造部を有するポリアミド樹脂組成物からなる成形品において、
    前記ポリアミド樹脂組成物が、
    a)ポリアミド樹脂100重量部に対し、
    b)脂肪族ビスアミド、モンタン酸脂肪酸族2価アルコールエステルの部分けん化物から選ばれる少なくとも一種の成形性改良剤0.05〜1.0重量部、及び、
    c)高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5重量部
    を含有することを特徴とするポリアミド成形品。
  2. ポリアミド樹脂組成物が、さらに、
    d)充填材0.1〜100重量部
    を含有する請求項1記載のポリアミド成形品。
  3. 前記ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66のいずれかである請求項1又は2に記載のポリアミド成形品。
  4. 前記高級脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩である請求項1、2又は3に記載のポリアミド成形品。
  5. 前記充填材がガラス繊維、炭素繊維、天然又は合成無機質充填材から選ばれる少なくとも1種以上である請求項2、3又は4に記載のポリアミド成形品。
  6. 嵌合するためのねじ状構造が施された少なくとも1個の円形構造部を有する成形品用のポリアミド樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂組成物が、
    a)ポリアミド樹脂100重量部に対し、
    b)脂肪族ビスアミド、モンタン酸脂肪酸族2価アルコールエステルの部分けん化物から選ばれる少なくとも一種の成形性改良剤0.05〜1.0重量部、及び、
    c)高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5重量部
    を含有することを特徴とする成形品用ポリアミド樹脂組成物。
  7. ポリアミド樹脂組成物が、さらに、
    d)充填材0.1〜100重量部
    を含有する請求項6に記載の成形品用ポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66のいずれかである請求項6又は7に記載の成形品用ポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記高級脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩である請求項6、7又は8に記載の成形品用ポリアミド樹脂組成物。
  10. 前記充填材がガラス繊維、炭素繊維、天然又は合成無機質充填材から選ばれる少なくとも1種以上である請求項7、8又は9に記載の成形品用ポリアミド樹脂組成物。
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