JP3986621B2 - シートの防汚処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム等のシート表面に汚れが付着するの防止するために、汚れ防止のための処理を施すシートの防汚処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ装置の表示画面には、反射防止等の目的で偏光フィルム等が接着剤等によって貼着されている。この偏光フィルム等は、反射率を低く抑えることが望まれているが、反射率を低く抑えれば、フィルム表面に付着した汚れが目立ちやすくなり、結果として、表示品位が低下するという問題が生じる。
【0003】
そこで、従来より、フィルム表面の汚れを防止するために、フッ素系、シリコン系のカップリング剤等の汚れ防止剤(以下、防汚剤と称する)を含有する防汚処理溶液を塗布してフィルム表面をコーティングしている。これにより、偏光フィルム表面への汚れの付着を低減させて、表示品位を向上させている。
【0004】
ところで、上記のようにフィルムの汚れ防止に使用される防汚剤は、一般に、フッ素系、シリコン系のシランカップリング剤等からなるので、例えばディスプレイ装置に貼着される偏光フィルムにおいては、該偏光フィルムの裏面側、即ちディスプレイ装置の表示画面との貼着面側に上記防汚剤が付着すると、貼着不良等の問題が生じる。このため、偏光フィルムの裏面側には防汚剤が付着しないようにする必要がある。
【0005】
上記した偏光フィルム表面への防汚剤のコーティング方法として、以下のような方法が提案されている。
【0006】
(1)ハケ塗布方法
所定サイズの偏光フィルムの表面側に、ハケにより防汚処理溶液を塗布してコーティングする方法。
【0007】
(2)ディッピング方法
所定サイズの偏光フィルムの、防汚剤をコーティングする面とは反対面に、液侵入防止シートを着脱自在に貼着した状態で、防汚処理溶液が満たされた防汚槽に偏光フィルム全体を浸した後、防汚槽から引き揚げて、上記液侵入防止シートを剥がす方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のコーティング方法のうち上記(1)のハケ塗布方法では、偏光フィルム裏面には、防汚剤が付着しないようにできるものの、偏光フィルム表面に防汚剤の塗布むらが生じ易く、しかも、偏光フィルムを一枚ずつ塗布するので、生産性が低いという問題が生じる。
【0009】
一方、上記(2)のディッピング方法では、防汚槽に偏光フィルム全体を浸漬させることにより、防汚剤をコーティングするようになっているので、偏光フィルム1枚ずつ防汚剤を塗布してコーティングする上記(1)のハケ塗布方法に比べて、生産性は高くなる。
【0010】
しかしながら、上記(2)のディッピング方法では、一枚の偏光フィルムに防汚剤をコーティングする際、偏光フィルムに対して液侵入防止シートを着脱する必要がある。このため、偏光フィルムに液侵入防止用シートを着脱するための工程が増えるので、偏光フィルムに対する防汚剤のコーティングに要する全時間が長くなるという問題が生じる。
【0011】
しかも、上記(2)のディッピング方法では、片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬されるので、偏光フィルムの裏面側、即ち液侵入防止シート貼着面側にも防汚処理溶液が付着する。このため、上記(1)のように片面のみに防汚処理溶液を塗布する場合に比べて、防汚処理溶液の消費量が多くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、シートの片面への防汚処理に際し、生産性に優れ、汚れ防止剤の消費量が少なくて済むシートの防汚処理システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシートの防汚処理システムは、上記の課題を解決するために、シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されると共に、上記ディッピングロールには、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域にシール材が形成されていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、防汚槽の防汚処理溶液の液面位置が、シートがディッピングロールに接触を開始する直後の地点、あるいはシートがディッピングロールから離脱する直前の地点のうち、防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節されているので、ディッピングロールに掛け渡されたシートが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、ディッピングロールの長手方向のロール面上部から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0015】
しかも、ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されているので、ディッピングロールに掛け渡されたシートが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、シートの両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0016】
これにより、シートがディッピングロールにより防汚処理溶液に浸漬された場合、従来のように、シートの防汚処理面とは反対面(裏面)に液侵入防止シートを貼着しなくても、シートの裏面には防汚処理溶液が付着せず、防汚処理面にのみ防汚処理溶液をコーティングすることができる。
【0017】
また、上記シートは、シート送出回収手段によって、ディッピングロールを介して送出回収されるので、未処理シートに対して連続して防汚処理を施すことができると共に、処理済シートを連続して回収することができる。このため、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する場合に比べて、生産性の向上が図れる。
【0018】
以上のように、シートの防汚処理を施す際、シートの裏面に、従来のような液侵入防止シートを貼着する必要がないので、この貼着工程を省略することができる。しかも、シートが防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみであるので、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができる。
【0019】
また、上記の構成によれば、上記の作用に加えて、ディッピングロールには、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域にシール材が形成されていることで、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面からの防汚処理溶液の侵入を防止することができる。
【0020】
このように、防汚処理溶液の侵入を防止するために、ディッピングロールにシール材を形成しているので、ディッピングロールとシートとの密着性をシール材に接触している部分だけ考慮すれば良い。
【0021】
したがって、ディッピングロールとシートとの密着性を向上させるために、該ディッピングロールの平滑度を向上させるための加工処理を施す必要がなく、しかも、ディッピングロールとシートとの密着性をシール材に接触している部分だけ考えれば良いので、該ディッピングロールの素材としては、金属、樹脂、ゴム等の何れのものであっても良い。
【0022】
また、本発明に係るシートの防汚処理システムは、上記の課題を解決するために、シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されると共に、上記シートの掛け渡したシート対応領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域のロール径が、他のシート対応領域のロール径よりも大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、防汚槽の防汚処理溶液の液面位置が、シートがディッピングロールに接触を開始する直後の地点、あるいはシートがディッピングロールから離脱する直前の地点のうち、防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節されているので、ディッピングロールに掛け渡されたシートが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、ディッピングロールの長手方向のロール面上部から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0024】
しかも、ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されているので、ディッピングロールに掛け渡されたシートが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、シートの両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0025】
これにより、シートがディッピングロールにより防汚処理溶液に浸漬された場合、従来のように、シートの防汚処理面とは反対面(裏面)に液侵入防止シートを貼着しなくても、シートの裏面には防汚処理溶液が付着せず、防汚処理面にのみ防汚処理溶液をコーティングすることができる。
【0026】
また、上記シートは、シート送出回収手段によって、ディッピングロールを介して送出回収されるので、未処理シートに対して連続して防汚処理を施すことができると共に、処 理済シートを連続して回収することができる。このため、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する場合に比べて、生産性の向上が図れる。
【0027】
以上のように、シートの防汚処理を施す際、シートの裏面に、従来のような液侵入防止シートを貼着する必要がないので、この貼着工程を省略することができる。しかも、シートが防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみであるので、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができる。
【0028】
さらに、上記の作用に加えて、ディッピングロールは、上記シートの掛け渡したシート対応領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域のロール径が、他のシート対応領域のロール径よりも大きくなるように形成されていることで、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面からの防汚処理溶液の侵入を防止することができる。
【0029】
このように、防汚処理溶液の侵入を防止するために、ディッピングロールのロール径を変化させているだけなので、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面のロール径だけ考慮すれば良い。
【0030】
したがって、ディッピングロールとシートとの密着性を向上させるために、該ディッピングロールの平滑度を向上させるための加工処理を施す必要がなく、しかも、ディッピングロールとシートとの密着性を特に考慮しなくても良いので、該ディッピングロールの素材としては、金属、樹脂、ゴム等の何れのものであっても良い。
【0031】
また、本発明に係るシートの防汚処理システムは、上記の課題を解決するために、防汚槽には、上記ディッピングロールからシートが回収される際、該シートが離脱される直前の領域に、防汚処理溶液に浸漬されたシートを介して該ディッピングロールに圧接して、上記シート上の余分な防汚処理溶液を切る液切手段が設けられていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、液切手段によって、シート上の余分な防汚処理溶液が切られるので、シートに防汚処理溶液がコーティングに必要な最小限の溶液で済む。これにより、防汚処理溶液の消費量を軽減することができるので、シートの防汚処理に係る費用を低減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、本実施の形態では、防汚処理するシートとして、偏光フィルムを用いる。
【0034】
本実施の形態に係るシートの防汚処理システム、図1に示すように、シートに対して防汚処理を施す防汚処理装置1と、防汚処理されていないシート(以下、未処理シートと称する)S1を防汚処理装置1まで送り出し、防汚処理装置1にて処理されたシート(以下、処理済シートと称する)S2を回収するシート送出回収手段としてのシート送出回収機構2とで構成されている。但し、以下の説明において、未処理シートS1あるいは処理済シートS2に特定しない場合には、単にシートと称して説明する。
【0035】
防汚処理装置1には、シート表面に防汚処理を施すための防汚処理溶液3が所定の液面位置まで満たされた防汚槽4と、防汚槽4内の防汚処理溶液3に未処理シートS1を浸漬させるディッピングロール5とが設けられている。尚、この防汚処理装置1の詳細については、後述する。
【0036】
シート送出回収機構2は、未処理シートS1を巻回し、防汚処理装置1に未処理シートS1を送り出す巻出ロール6と、防汚処理装置1にて防汚処理された処理済シートS2を巻き取る巻取ロール7とを有している。つまり、シート送出回収機構2は、シートを上記ディッピングロール5を介して送出回収するようになっている。
【0037】
上記巻出ロール6とディッピングロール5との間には、巻出ロール6から巻き出された未処理シートS1を支持する未処理側支持ローラ8a,8b,8cが配置されている。一方、ディッピングロール5と巻取ロール7との間には、防汚処理装置1にて防汚処理された処理済シートS2を支持する処理済側支持ローラ9a,9b,9c,9dが配置されている。
【0038】
上記巻取ロール7は、図示しないモータ等の駆動装置により回転駆動されるようになっている。一方、上記ディッピングロール5、巻出ロール6、未処理側支持ローラ8a〜8cおよび処理済側支持ローラ9a〜9dは、巻取ロール7の回転に従動して回転する従動ローラからなっている。尚、上記ディッピングロール5、巻出ロール6、未処理側支持ローラ8a〜8cおよび処理済側支持ローラ9a〜9dは、従動ローラに限定されず、それぞれが独立に回転駆動するローラにより構成されても良い。
【0039】
また、未処理側支持ローラ8b上には、該未処理側支持ローラ8bに未処理シートS1を介して所定の押圧力によって圧接するニップロール10が配置されている。これにより、未処理側支持ローラ8bとニップロール10とで形成されるニップと巻取ロール7との間において、シートに対して所定の張力を付与するようになっている。
【0040】
ここで、防汚処理装置1について、図2ないし4を参照しながら以下に説明する。
【0041】
防汚処理装置1は、図2および図3に示すように、例えばフッ素系、シリコン系等のカップリング剤等の防汚剤からなる防汚処理溶液3を貯蔵する防汚槽4と
、防汚処理溶液3にシートを浸漬させるディッピングロール5とを有している。
【0042】
防汚槽4に貯蔵されている防汚処理溶液3は、フロート11によって液レベル(液面)Lが一定に保たれるようになっている。つまり、防汚処理溶液3が所定量から少なくなると、フロート11も防汚処理溶液3の液面と共に下がる。そして、上記フロート11が所定の液面位置よりも低い位置に達すると、該フロート11に連結された溶液補給装置(図示せず)から、防汚処理溶液3が防汚槽4に供給される。このとき、防汚槽4に供給される防汚処理溶液3によって、フロート11が所定の液面位置に達すると、防汚処理溶液3の供給が停止される。このようにして、防汚槽4内では、常に、防汚処理溶液3が一定の液レベルを保つように制御される。
【0043】
上記防汚処理溶液3の液レベルLの上限は、ディッピングロール5に未処理シートS1が接触する直後のポイント(地点)X1と、該ディッピングロール5から処理済シートS2が離脱する直前のポイント(地点)X2との何れか防汚槽4の底面4aに近いポイントよりも低くなるように設定されている。
【0044】
このように、防汚槽4内での防汚処理溶液3の液レベルLの上限を設定することで、シートがディッピングロール5によって防汚処理溶液3内に浸漬された場合に、ディッピングロール5とシートとの離脱境界領域、即ちポイントX1,X2から該シートのディッピングロール5への接触面側に防汚処理溶液3が流れ込まないようになっている。
【0045】
一方、防汚処理溶液3の液レベルLの下限は、ディッピングロール5が防汚処理溶液3に浸漬され、シートに対して防汚処理が施せる程度の液レベルとなるように設定されている。本実施の形態では、ディッピングロール5のロール面の最下端から約10mm程度上側を、防汚処理溶液3の液レベルLの下限としている。
【0046】
また、防汚槽4内には、上述のフロート11の他に、上記ディッピングロール5のシート送り出し方向下流側、即ち、ディッピングロール5から処理済シートS2が離脱する直前の領域に、処理済シートS2を介して上記ディッピングロール5の長手方向に平行に接触し、処理済シートS2上に付着した余分な防汚処理溶液3を切るための液切手段としての液切ローラ12が設けられている。
【0047】
上記液切ローラ12は、支持12aにより回転自在に軸支され、ディッピングロール5の回転に従動するフリーローラであり、ゴム等の弾性部材によって構成されている。この液切ローラ12によって、シート上の余分な防汚処理溶液3が切られるので、コーティングに必要な最小限の防汚処理溶液3で済む。これにより、防汚処理溶液3の消費量を軽減することができるので、シートの防汚処理に係る費用を低減することができる。
【0048】
尚、本実施の形態では、液切手段として液切ローラ12について説明したが、これに限定されるものではなく、処理済シートS2上に付着した余分な防汚処理溶液3を切るための手段であれば、どのようなものでも良い。他の液切手段として、例えば、ディッピングロール5の長手方向に平行に接触するハケや、ヘラ等の部材を用いても良い。
【0049】
さらに、防汚槽4には、貯蔵する防汚処理溶液3の揮散防止や飛散防止の為に種々の手段が設けられている。
【0050】
例えば、図2に示すように、防汚槽4の底面4aには、複数の冷却用パイプ13…がディッピングロール5の長手方向に平行に埋設されている。この冷却用パイプ13に冷却水を流すことにより、防汚処理溶液3を防汚槽4の底面4a側から冷却するようになっている。これにより、防汚処理溶液3の温度上昇による揮散を防止している。
【0051】
また、防汚槽4の側面4b・4bの上部側には、それぞれディッピングロール5の長手方向と平行な板状部材14・14が設けられている。この板状部材14は、図中の矢印方向、即ちディッピングロール5に向かう方向から遠ざかる方向に移動自在に設けられている。
【0052】
上記板状部材14は、シートの防汚処理時、シートに接触しないようにディッピングロール5側に傾いた状態で支持される。これにより、防汚槽4内の防汚処理溶液3の上面側から外部への防汚処理溶液3の飛散を防止している。一方、ディッピングロール5等を取り外す等の防汚処理装置1のメンテナンスを行う場合、上記板状部材14は、図中、二点鎖線で示すように、ディッピングロール5から遠ざかる位置に移動した状態で保持される。
【0053】
上記ディッピングロール5は、芯材5aによって軸支された円柱状の金属ローラからなり、図3に示すように、該ディッピングロール5に掛け渡したシートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロール5のロール面との境界面を含む領域にポリ四フッ化エチレンなどのフッ素樹脂のテープ、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等からなるシール材15・15がそれぞれ巻回されている。尚、図3において、説明の便宜上、上記板状部材14・14は省略している。
【0054】
例えば、上記シール材15は、図4に示すように、外端部15aが未処理シートS1および処理済シートS2のシート幅W1よりも外側となる位置、内端部15bがシート幅W1よりも内側となる位置にくるように巻回されている。つまり、シール材15・15の外端部15a・15a同士の距離W2と、シート幅W1と、シール材15・15の内端部15b・15b同士の距離W0との関係は、W2>W1>W0となる。
【0055】
これにより、シートの両側端部のシート面と該ディッピングロール5のロール面との境界面が、密着状態となり、防汚処理溶液3がこの境界面からシールとディッピングロール5との接触面側に入り込むのを防ぐことができる。
【0056】
このように、防汚処理溶液の侵入を防止するために、ディッピングロール5にシール材15・15を形成しているだけなので、ディッピングロール5とシート
との密着性をシール材15・15に接触している部分だけ考慮すれば良い。
【0057】
したがって、ディッピングロール5とシートとの密着性を向上させるために、該ディッピングロール5の平滑度を向上させるための加工処理を施す必要がなく、しかも、ディッピングロール5とシートとの密着性をシール材15・15に接触している部分だけ考えれば良いので、該ディッピングロール5の素材としては、金属、樹脂、ゴム等の何れのものであっても良い。
【0058】
ここで、シートの両側端部のシート面と該ディッピングロール5のロール面との境界面が、密着状態となり、防汚処理溶液3がこの境界面からシールとディッピングロール5との接触面側に入り込むのを防ぐための構成として、シール材15をディッピングロール5に巻回する方法の他の方法について説明する。
【0059】
例えば図5に示すようなディッピングロール25に示すようなロールがある。
【0060】
上記ディッピングロール25のシートの掛け渡した領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロール25のロール面との境界面を含む領域のロール径r2が、他の領域のロール径r1よりも大きくなるように形成されている。
【0061】
これにより、シートの両側端部とディッピングロール25との密着度が増して、シート面とロール面との境界領域からの防汚処理溶液3の侵入を防ぐことができるので、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面からの防汚処理溶液3の侵入を防止することができる。
【0062】
このように、防汚処理溶液3の侵入を防止するために、ディッピングロールのロール径を変化させているだけなので、ディッピングロール5とシートとの密着性をシートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面のロール径だけ考慮すれば良い。
【0063】
したがって、ディッピングロール5とシートとの密着性を向上させるために、該ディッピングロール5の平滑度を向上させるための加工処理を施す必要がなく、しかも、ディッピングロール5とシートとの密着性を特に考慮しなくても良いので、該ディッピングロール5の素材としては、金属、樹脂、ゴム等の何れのものであっても良い。
【0064】
上記構成のシートの防汚処理システムにおけるシートの防汚処理動作について以下に説明する。尚、本実施の形態において使用するシートは、巻出ロール6に幅1m、長さ500mのシートが巻回された偏光フィルムを使用する。そして、ディッピングロール5においてシートに付与される張力を8kgfに調整し、その搬送速度を2.0m/分に設定する。さらに、防汚処理溶液3としては、化学式(1)
【0065】
【化1】
【0066】
(式中、nは1〜10の正数を表す)
で示されるフッ素系のカップリング剤をパーフルオロヘキサンに溶解した溶液(カップリング剤の濃度は0.05重量%とする)を使用する。
【0067】
先ず、巻出ロール6から巻き出される未処理シートS1は、未処理側支持ローラ8aに掛け渡された後、未処理側支持ローラ8bとニップロール10とで形成されるニップを通り、未処理側支持ローラ8cを経てディッピングロール5に掛け渡される。そして、防汚処理溶液3にディッピングロール5と共に浸漬される。
【0068】
次に、ディッピングロール5と共に防汚処理溶液3に浸漬された未処理シートS1は、カップリングされて処理済シートS2となり、処理済側支持ローラ9a〜9dに支持されて巻取ロール7に巻き取られる。
【0069】
このようにして、本実施の形態のシートの防汚処理システムでは、処理済シートS2を連続して回収しているので、シートに対する防汚処理を連続して行うことができる。これにより、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する場合に比べて、生産性の向上を図ることができる。
【0070】
ここでシートの防汚処理における連続法とバッチ法との処理結果について、以下の表1および表2に示す。尚、表1および表2において、本実施の形態のシートの防汚処理システムにおける防汚処理の方法を連続法と称し、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する方法をバッチ法と称している。表1は、連続法およびバッチ法において、シート表面に同一膜厚で防汚膜をコーティングするために、設定した防汚処理条件を示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
表2から、バッチ法では、防汚ムラ、即ちシートの防汚処理面に防汚剤の塗布
ムラが若干見られるが、連続法では、防汚ムラは殆ど見られないことが分かる。
【0074】
また、バッチ法では、連続法に比べて、原単位、即ちシート1m2 当たりの防汚処理溶液3の消費量が約1.5倍となっていることが分かる。
【0075】
しかも、表1から、連続法と同程度のコーティングを行うために、バッチ法では、カップリング剤濃度が連続法に比べて、約2倍、防汚処理速度が約1/5であることが分かる。
【0076】
これらのことから、本発明のような連続法によれば、防汚ムラが無く、バッチ法に比べて、防汚速度が早く、シートに防汚処理を施すことができる。しかも、シートの防汚処理を施す際、シートの裏面に、従来のような液侵入防止シートを貼着する必要がないので、この貼着工程を省略することができる。
【0077】
さらに、シートが防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみであるので、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができる。
【0078】
尚、本実施の形態において、上記のシートの搬送速度は、2.0m/分に設定したが、これに限定されるものではなく、シート表面へのカップリング反応の速度に応じて設定すれば良く、カップリング剤の種類に応じて、例えば0.5m/
分〜3m/分、好ましくは0.5〜2.5m/分程度の範囲に設定すれば良い。
【0079】
また、ディッピングロール5に掛け渡されたシートに付与される張力は、8kgfとしてるが、これに限定されるものではなく、下限は、シートとディッピングロール5との密着度を考慮した力、上限は、張力の増加によってシートの化学的機能が破壊される手前の力とすれば良い。本実施の形態に使用される偏光フィルムを使用した場合、5kgf以上に設定すればシート(偏光フィルム)とディッピングロール5との密着度に関しては問題はない。
【0080】
〔参考例〕
本参考例について、図6および図7に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、本参考例で使用するシートは、前記実施の形態で使用した偏光フィルムと同様のものを使用する。しかしながら、本参考例では、前記実施の形態と異なるのは、偏光フィルムとして帯 状の長いシートを用いるのではなく、予め所定サイズに裁断されたシートを偏光フィルムとして用いる。
【0081】
本参考例に係るシートの防汚処理システムは、図6に示すように、シート51に対して防汚処理を施す防汚処理装置31と、シート51が載置されたキャリアフィルムCを防汚処理装置31に送出して回収するフィルム送出回収手段としてのフィルム送出回収機構32とで構成されている。
【0082】
防汚処理装置31には、シート表面に防汚処理を施すための防汚処理溶液33が所定の液面位置まで満たされた防汚槽34と、防汚槽34内の防汚処理溶液33にシート51を浸漬させるディッピングロール35とが設けられている。
【0083】
上記防汚処理装置31は、前記実施の形態と同じ構成とする。即ち、ディッピングロール35は、ディッピングロール5に対応し、防汚処理溶液33は防汚処理溶液3に対応し、防汚槽34は防汚槽4に対応しているものとし、各部材について説明は省略する。尚、防汚処理装置31は、ステージ50上に支持脚34a・34aにて所定の高さに固定されている。
【0084】
フィルム送出回収機構32は、帯状のキャリアフィルムCを巻回し、防汚処理装置31に送り出す巻出ロール36と、防汚処理装置31からのキャリアフィルムCを巻き取って回収する巻取ロール37とを有している。つまり、フィルム送出回収機構32は、シートを上記ディッピングロール35を介して送出回収するようになっている。
【0085】
上記巻出ロール36とディッピングロール35との間には、巻出ロール36から巻き出された未処理のシート51を載置したキャリアフィルムCを支持する未処理側支持ローラ38a,38b,38c,38d,38eが配置されている。一方、ディッピングロール35と巻取ロール37との間には、防汚処理装置31にて防汚処理された処理済のシート51を載置したキャリアフィルムCを支持する処理済側支持ローラ39a,39b,39c,39dが配置されている。
【0086】
上記巻取ロール37は、図示しないモータ等の駆動装置により回転駆動されるようになっている。一方、上記ディッピングロール35、巻出ロール36、未処理側支持ローラ38a〜38eおよび処理済側支持ローラ39a〜39dは、巻取ロール37の回転に従動して回転する従動ローラからなっている。尚、上記ディッピングロール35、巻出ロール36、未処理側支持ローラ38a〜38eおよび処理済側支持ローラ39a〜39dは、従動ローラに限定されず、それぞれが独立に回転駆動するローラにより構成されても良い。
【0087】
また、未処理側支持ローラ38d上には、該未処理側支持ローラ38dにキャリアフィルムCを介して所定の押圧力によって圧接するニップロール40が配置されている。これにより、シート51がキャリアフィルムCに密着されるとともに、未処理側支持ローラ38dとニップロール40とで形成されるニップから巻取ロール37の間において、キャリアフィルムCに対して所定の張力を付与するようになっている。
【0088】
上記キャリアフィルムCは、片面に粘着性を有し、この粘着面に所定サイズのシート51が着脱自在に密着されるようになっている。このとき、シート51は、ディッピングロール35にて片面が防汚処理溶液33に浸漬されるようにキャリアフィルムC上に載置される。
【0089】
上記キャリアフィルムCに必要とされる粘着力の範囲としては、50g/25mm幅〜 250g/25mm幅が望ましく、さらに望ましくは50g/25mm幅〜150g/25mm幅である。上記キャリアフィルムCとしては、例えば積水化学工業(株)の623C等が好適である。
【0090】
また、シート51は、キャリアフィルムC上に載置する際、図7に示すように、所定幅51a分だけ該キャリアフィルムCからはみ出すようにして載置されている。ここでは、キャリアフィルムCの幅が500mmであるのに対して、載置するシート51の幅が500mmであり、シート51がキャリアフィルムCからはみ出す幅は、5〜10mmである。また、シート51の長さは、724mmあるいは362mmである。
【0091】
上記シート51は、搬送方向に対してできるだけ隙間が生じないように、連続的に積載する。このとき、図中の●付近を指で摘むことにより、シート51をキャリアフィルムC上に固定する。
【0092】
このように、シート51を連続して隙間なくキャリアフィルムC上に載置するのは、シート51間に隙間が生じると、防汚処理装置31において防汚処理を施す際に、防汚処理溶液33の付着部分に段差が生じ易くなるためである。このときのシート51の長さは724mmとする。但し、図6において、シート51がキャリアフィルムC上に連続して載置されていることを明確にするために、シート51間に若干隙間を設けて記載している。
【0093】
また、シート51は、裏面に防汚処理溶液33が侵入しないように、キャリアフィルムCに対して密着させる必要がある。このため、上記ステージ50上には、図6に示すように、巻出ロール36から送り出されるキャリアフィルムC上に搭載された未処理のシート51の密着性を検査する反射クロス検品スタンド41と、透過検品バックライト42とが配置されている。
【0094】
上記構成のシートの防汚処理システムにおいて、キャリアフィルムCに載置されたシート51に対する防汚処理動作について、以下に説明する。
【0095】
尚、本参考例において使用するキャリアフィルムとして、巻出ロール36に幅0.5m、長さ1000mのシートが巻回された積水化学工業(株)の623Cを用いる。そして、ディッピングロール35においてシートに付与される張力を8kgfに調整し、その搬送速度を2.0m/分に設定する。さらに、防汚処理溶液33としては、前記実施の形態で使用した防汚処理溶液3と同じものを使用する。
【0096】
先ず、反射クロス検品スタンド41近傍にて、巻出ロール36から巻き出されるキャリアフィルムC上に、偏光フィルムであるシート51を連続して密着載置する。その後、キャリアフィルムC上に載置されたシート51は、透過検品バックライト42によって背面から光が照射され、キャリアフィルムCとの密着度が目視により検査される。
【0097】
次いで、シート51が密着されたキャリアフィルムCは、未処理側支持ローラ38a〜38cを介して、未処理側支持ローラ38dとニップロール40とで形成されるニップを通り、未処理側支持ローラ38eを経てディッピングロール35に掛け渡される。そして、防汚処理溶液33にディッピングロール35と共に浸漬される。
【0098】
次に、キャリアフィルムCは、ディッピングロール35と共に防汚処理溶液33に浸漬されたシート51を載置した状態で、処理済側支持ローラ39a〜39dに支持されて巻取ロール37に巻き取られる。
【0099】
このようにして、本参考例のシートの防汚処理システムでは、防汚処理装置31に連続 して送出されて、防汚処理装置31から連続して回収されるキャリアフィルムC上にシート51が連続して密着載置されているので、シート51に対する防汚処理を連続して行うことができる。これにより、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する場合(バッチ法等の場合)に比べて、生産性が向上できる。
【0100】
しかも、上記の構成によれば、所定サイズのシート51がキャリアフィルムCに着脱自在に密着されているので、キャリアフィルムCがディッピングロール35により防汚槽34の防汚処理溶液33に浸漬された場合、シート51の裏面、即ちキャリアフィルムCへの貼着面に、防汚処理溶液33が付着せず、シート51の表面、即ち防汚処理面側にのみ防汚処理溶液33がコーティングされる。
【0101】
これにより、所定サイズのシート51がディッピングロール35により防汚処理溶液に浸漬された場合、従来のように、シートの防汚処理面とは反対面(裏面)に液侵入防止シートを貼着しなくても、シートの裏面には防汚処理溶液が付着せず、防汚処理面にのみ防汚処理溶液をコーティングすることができる。
【0102】
また、上記キャリアフィルムCは、フィルム送出回収機構32によって、ディッピングロール35を介して送出回収されるので、未処理のシート51に対して連続して防汚処理を施すことができると共に、処理済のシート51を連続して回収することができる。このため、所定サイズのシート51に対して一枚ずつ防汚処理する場合に比べて、生産性が向上できる。
【0103】
以上のように、所定サイズのシート51の防汚処理を施す際、シート51をキャリアフィルムCに着脱自在に密着するだけで、シート51が防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみである。これにより、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができる。
【0104】
さらに、キャリアフィルムC上のシート51が、該キャリアフィルムCの幅方向端部側から所定幅だけはみ出して載置されているので、防汚処理後のシート51をキャリアフィルムCから剥がすときに、上記シート51のはみ出し部分51aを利用して剥がせば、簡単にシート51をキャリアフィルムCから剥がすことができる。これにより、防汚処理済のシート51の回収を効率良く行うことができるので、シート51の防汚処理における生産性を向上させることができる。
【0105】
但し、上記シート51のはみ出し部分51aは、キャリアフィルムCに密着されないので、該シート51を防汚槽34の防汚処理溶液33に浸漬した場合、両面に防汚処理溶液33が付着することになる。しかしながら、このはみ出し部分51aは、シート51が偏光フィルムとして使用される場合に、最終的に除去されるので、ディスプレイ装置への貼着等に影響を及ぼさない。
【0106】
また、上記シートの防汚処理システムは、シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムにおいて、防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、少なくとも片側の面が粘着性を有し、この粘着面に所定サイズのシートを着脱自在に密着して該シートを防汚槽に搬送する帯状のキャリアフィルムと、上記キャリアフィルムを所定の張力で掛け渡して、該キャリアフィルムを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、上記キャリアフィルムを上記ディッピングロールを介して送出回収するフィルム送出回収手段とを有していることを特徴としていてもよい。
【0107】
上記の構成によれば、所定サイズのシートがキャリアフィルムに着脱自在に密着されて いるので、キャリアフィルムがディッピングロールにより防汚槽の防汚処理溶液に浸漬された場合、シートの裏面、即ちキャリアフィルムへの貼着面に、防汚処理溶液が付着せず、シートの表面、即ち防汚処理面側にのみ防汚処理溶液がコーティングされる。
【0108】
これにより、所定サイズのシートがディッピングロールにより防汚処理溶液に浸漬された場合、従来のように、シートの防汚処理面とは反対面(裏面)に液侵入防止シートを貼着しなくても、シートの裏面には防汚処理溶液が付着せず、防汚処理面にのみ防汚処理溶液をコーティングすることができる。
【0109】
また、上記キャリアフィルムは、フィルム送出回収手段によって、ディッピングロールを介して送出回収されるので、未処理シートに対して連続して防汚処理を施すことができると共に、処理済シートを連続して回収することができる。このため、所定サイズのシートに対して一枚ずつ防汚処理する場合に比べて、生産性が向上できる。
【0110】
以上のように、所定サイズのシートの防汚処理を施す際、シートをキャリアフィルムに着脱自在に密着するだけで、シートが防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみである。これにより、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができる。
【0111】
また、上記シートの防汚処理システムは、上記の構成に加えて、防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって移送されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記キャリアフィルムの幅よりも長く、且つ上記キャリアフィルムの少なくとも両側端部のシート密着面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該キャリアフィルムを掛け渡すように形成されていることを特徴としていてもよい。
【0112】
上記の構成によれば、防汚槽の防汚処理溶液の液面が、キャリアフィルムがディッピングロールに接触を開始する直後の地点、あるいはキャリアフィルムがディッピングロールから離脱する直前の地点のうち、防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節されているので、ディッピングロールに掛け渡されたキャリアフィルムが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、ディッピングロールの長手方向のロール面上部から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0113】
しかも、ディッピングロールは、長手方向の長さが上記キャリアフィルムの幅よりも長く、且つ上記キャリアフィルムの少なくとも両側端部のフィルム面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該キャリアフィルムを掛け渡すように形成されているので、ディッピングロールに掛け渡されたキャリアフィルムが、防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬された状態で、キャリアフィルムの両側端部のフィルム面と該ディッピングロールのロール面との間から防汚処理溶液が入り込まなくなる。
【0114】
これにより、キャリアフィルムがディッピングロールにより防汚処理溶液に浸漬された場合、キャリアフィルムのシートの貼着面とは反対側の面には、防汚処理溶液が付着せず、シートの貼着面側のみに防汚処理溶液が付着することになる。このため、防汚処理溶液の消費量を低減することができ、シートの防汚処理に係る費用を低減することができる。
【0115】
さらに、上記シートの防汚処理システムは、上記の構成に加えて、シートは、キャリア フィルム上に密着される際、該キャリアフィルムの幅方向端部側から所定幅だけはみ出して載置されることを特徴としていてもよい。
【0116】
上記の構成によれば、キャリアフィルム上のシートが、該キャリアフィルムの幅方向端部側から所定幅だけはみ出して載置されているので、防汚処理後のシートをキャリアフィルムから剥がすときに、上記シートのはみ出し部分を利用して剥がせば、簡単にシートをキャリアフィルムから剥がすことができる。これにより、防汚処理済のシートの回収を効率良く行うことができるので、シートの防汚処理における生産性を向上させることができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明に係るシートの防汚処理システムは、以上のように、シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されると共に、上記ディッピングロールには、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域にシール材が形成されている構成である。
【0118】
それゆえ、シートの防汚処理を施す際、シートの裏面に、従来のような液侵入防止シートを貼着する必要がないので、この貼着工程を省略することができる。しかも、シートが防汚処理溶液に浸漬されるのは、片面のみであるので、従来のようにシートの片面に液侵入防止シートを貼着した状態で防汚処理溶液に浸漬した場合のようにシート両面に防汚処理溶液がつく場合よりも防汚処理溶液の消費量を低減することができるという効果を奏する。
【0119】
さらに、上記ディッピングロールには、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域にシール材が形成されていることで、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面からの防汚処理溶液の侵入を防止することができるという効果を奏する。
【0120】
また、本発明に係るシートの防汚処理システムは、以上のように、シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、
上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されると共に、
上記シートの掛け渡したシート対応領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域のロール径が、他のシート対応領域のロール径よりも大きくなるように形成されている構成である。
【0121】
それゆえ、上記の構成による効果に加えて、ディッピングロールは、上記シートの掛け渡したシート対応領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域のロール径が、他のシート対応領域のロール径よりも大きくなるように形成されていることで、シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面からの防汚処理溶液の侵入を防止することができるという効果を奏する。
【0122】
また、本発明に係るシートの防汚処理システムは、以上のように、上記防汚槽が、上記ディッピングロールからシートが回収される際、該シートが離脱される直前の領域に、防汚処理溶液に浸漬されたシートを介して該ディッピングロールに圧接して、上記シート上の余分な防汚処理溶液を切る液切手段が設けられている構成である。
【0123】
それゆえ、液切手段によって、シート上の余分な防汚処理溶液が切られるので、シートに防汚処理溶液がコーティングに必要な最小限の溶液で済む。これにより、防汚処理溶液の消費量を軽減することができるので、シートの防汚処理に係る費用を低減することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシートの防汚処理システムの概略構成図である。
【図2】 図1に示すシートの防汚処理システムが有する防汚処理装置の概略構成図である。
【図3】 図2に示す防汚処理装置の概略斜視図である。
【図4】 図2に示す防汚処理装置に備えられているディッピングロールの正面図である。
【図5】 図2に示す防汚処理装置に備えられている他の例のディッピングロールの正面図である。
【図6】 本発明の他のシートの防汚処理システムの概略構成図である。
【図7】 図6に示すシートの防汚処理システムにおけるシートがキャリアフィルム上に載置された状態を説明する図である。
Claims (3)
- シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、
防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、
帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、
上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、
上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、
上記ディッピングロールは、長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成され、
上記ディッピングロールには、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域にシール材が形成されていることを特徴とするシートの防汚処理システム。 - シートの片側面に対して防汚処理を施すシートの防汚処理システムであって、
防汚処理溶液が所定の液面位置まで満たされた防汚槽と、
帯状のシートを所定の張力で掛け渡して、該シートを上記防汚槽内の防汚処理溶液に浸漬させるディッピングロールと、
上記シートを上記ディッピングロールを介して送出回収するシート送出回収手段とを備え、
上記防汚槽の防汚処理溶液の液面位置は、上記シート送出回収手段によって送出されるシートが上記ディッピングロールに接触する直後の地点、あるいは回収されるシートが上記ディッピングロールから離脱する直前の地点のうち上記防汚槽の底面に近い地点よりも低くなるように調節され、
上記ディッピングロールは、
長手方向の長さが上記シートの幅よりも長く、且つ上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との間に防汚処理溶液が入りこまない程度の密着度で、該シートを掛け渡すように形成されると共に、
上記シートの掛け渡したシート対応領域のうち、上記シートの少なくとも両側端部のシート面と該ディッピングロールのロール面との境界面を含む領域のロール径が、他のシート対応領域のロール径よりも大きくなるように形成されていることを特徴とするシートの防汚処理システム。 - 上記防汚槽には、上記ディッピングロールからシートが回収される際、該シートが離脱される直前の領域に、防汚処理溶液に浸漬されたシートを介して該ディッピングロールに圧接して、上記シート上の余分な防汚処理溶液を切る液切手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートの防汚処理システム。
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