JP3985462B2 - 窒化物半導体基板、及びそれを用いた窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、窒化物半導体を用いた基板及びそれを用いた窒化物半導体素子の製造方法に係り、特に異種基板上に設けた窒化物半導体層から窒化物半導体単体基板を取り出す方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体を用いたレーザ素子は、主に青色〜紫色の短い波長のレーザ光を発振するものであり、光ディスク装置などその特性を活かして様々な用途が検討されている。このレーザ素子の連続発振は、近年実現され、実用化されているが、その応用において素子の特性が十分満足のいくものではなく、さらなる素子特性の向上が求められている。
【0003】
窒化物半導体素子の製造において、窒化物半導体の成長に一般的に用いられている基板は、サファイア基板であるが、このような窒化物半導体と異なる材料の異種基板を用いることは、積層後の微細加工工程、共振器反射面の形成時、チップ化のためのウエハ分割時に問題がある。それは、異種基板とその上に成長させた窒化物半導体とで劈開面が異なるか、異種基板が劈開困難な場合に、共振器反射面、チップ化を劈開して形成することができないからである。さらにまた、窒化物半導体も六方晶系にほぼ近似され、同じ六方晶系の異種基板を用いても、異種基板の劈開面若しくは劈開容易面と、窒化物半導体の劈開面、劈開容易面との面方位が一致せず、その劈開が容易ではない。例えばサファイア基板を用いたものであれば、このサファイア基板の劈開が困難であるため、またサファイア基板の劈開容易面であっても窒化物半導体の劈開面に一致しないため、共振器反射面などの素子端面として窒化物半導体の劈開面を取り出すことが製造上困難なものとなる。また、素子端面をエッチングにより形成した窒化物半導体素子では、その共振器反射面としての特性に劣り、また、端面形成若しくはウエハを分割するための溝を成長層に設けると、ウエハ当たりのチップ面積が減少し、歩留まりが悪化する。
【0004】
さらにまた、異種基板上に、厚膜の窒化物半導体を、例えば成長速度の大きなHVPEを用いて、形成することが可能であるが、厚膜の窒化物半導体を形成すると以下の問題がある。異種基板、特に窒化物半導体と格子不整合があり、熱膨張係数差がある異種基板の上に、厚膜の窒化物半導体を形成すると、基板に大きな反りが発生し、そのままでは、異種基板を除去することが困難となる。また、反りの発生した基板において、異種基板を研磨で除去しようとすると、異種基板が薄くなるに従って、厚膜の窒化物半導体からの応力が大きくなり、その大きくなった応力が異種基板にかかることで、反りが悪化し、基板に亀裂や割れが発生し、窒化物半導体の単体基板が取り出せない。
【0005】
このような基板の反りは、異種基板10と成長層30との相対的な応力により決定され、例えば図5に示すように、異種基板10上の成長層30との間に、熱膨張係数差、格子不整合により応力がかかり、異種基板10の界面付近で引張応力、成長層30の界面付近で圧縮応力が掛かり、異種基板上の成長層の膜厚が大きくなると、若しくは、成長層の膜厚一定で異種基板の膜厚を小さくすると、両者の界面にかかる応力の相対関係が変化し、異種基板、成長層が反ることで、両者の均衡が維持される。このため、この場合には、窒化物半導体の成長層30の膜厚を大きくすること、異種基板の膜厚を減らすことで、両者の界面付近での応力差が大きくなり、反りも大きくなる。このような、反りは、異種基板と窒化物半導体との相対的な熱膨張係数差、格子定数差に起因するため、異種基板の材料、窒化物半導体の組成が変化すると、両者に係る圧縮・引張応力も変化し、反り方も、異種基板を凹面とする場合だけでなく、凸面となる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、異種基板上に形成した厚膜の窒化物半導体から窒化物半導体単体基板を取り出すには、基板に発生する反りを解決しなければならない。しかし、図5に示すように、単体化可能な程度の厚膜で窒化物半導体30を成長させた後、異種基板を研磨・研削して薄くしていくと、基板が反ることによる両者の応力の均衡が破綻し、基板に割れ・欠け・亀裂が発生する。
【0007】
また、異種基板上に、厚膜の窒化物半導体を成長させて、その上にそれを基板として、素子構造を形成した後に、単体基板の取り出しの際にも、同様に反りの問題がある。一方で、異種基板を装着したままでは、熱伝導性に劣り、また、異種基板が劈開困難な材料であったり、異種基板と窒化物半導体との面方位が一致しない場合に、ウエハの劈開、分割、チップの取り出しが困難となる。
【0008】
基板の反りは、上述したように、異種基板と成長層との相対的な関係に起因するため、窒化物半導体を厚膜で成長させても、それによる応力の増大に対抗できる膜厚、すなわち厚膜の異種基板を用いると、反りが軽減され、厚膜の窒化物半導体を基板として、素子形成工程、エッチング・電極形成などの素子加工工程を反りが緩和された状態で各工程を経ることが可能であるが、異種基板が厚膜化されることで異種基板の除去がさらに困難なものとなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、窒化物半導体の単体化において、基板の反りによる割れ、欠けの問題を回避して、窒化物半導体基板、及び窒化物半導体素子を得るものである。
【0010】
すなわち、本発明は、以下に示す(1)〜(7)の方法により、窒化物半導体基板、窒化物半導体素子を製造するものである。
(1)窒化物半導体と異なる材料よりなると共に、第1の主面と第2の主面とを有する異種基板の第1の主面上に、少なくとも第1の窒化物半導体層を有する成長層が設けられることで反りを形成する工程と、前記基板の第2の主面側から前記成長層が露出されない深さで格子状の溝部を形成する工程と、前記溝部が設けられた基板の第2の主面側から異種基板を除去して、異種基板の厚さを小さくすることで、該溝部の底部から成長層に伸びる亀裂若しくは割れを形成する亀裂形成工程と、亀裂形成後、前記第2の主面側から異種基板を除去して、成長層を露出させる基板除去工程と、を少なくとも具備する。これにより、従来問題となっていた単体基板の取り出しにおいて、亀裂を形成した後で、異種基板を除去することで、亀裂を増殖させ、反りが緩和されながら基板の除去が可能となり、ウエハの破壊が起こらずに、単体基板を得ることができる。
(2)前記溝部形成工程において、溝部底部と成長層との間dが、0<d≦50μmであることを特徴とする。
(3)前記溝部は、異種基板の第1の主面の上に、成長層を形成した後、第2の主面側に異種基板の一部を除去して溝部を形成することを特徴とする。
(4)前記第1の窒化物半導体層の膜厚が50μm以上であることを特徴とする。
(5)前記異種基板の膜厚が、0.3mm以上5mm以下の範囲であることを特徴とする。
(6)前記成長層が、第1の窒化物半導体層の上に、窒化物半導体を積層して素子構造を有することを特徴とする。
(7)前記基板除去工程の後、得られた窒化物半導体基板の上に、窒化物半導体を積層して素子構造を形成する素子形成工程を具備することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法に用いる異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA12O4)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られている窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、良好な結晶成長が可能なサファイア、スピネル、SiCが挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたを用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性よく成長させるため好ましい。
【0012】
ここで、本発明において、異種基板の第1の主面とは、その上に窒化物半導体を積層して、素子構造を形成するものであり、これらを含む成長層30を設けるものであり、第2の主面とは、具体例として基板分割工程において、異種基板を割るためにスクライブなどを施すものである。オフアングルした基板としては、サファイアC面からオフアングルしている場合にはオフ角を0.1°以上0.5°以下の範囲、好ましくは0.1°以上0.2°以下の範囲とすることで、良好な結晶性での窒化物半導体の成長が可能である。オフアングルした基板は、これに限らず、異種基板材料、主面の面方位、により、窒化物半導体の結晶性を考慮して適宜オフ角を決定する。
【0013】
本発明において、異種基板上に積層して成長層、素子構造を形成する窒化物半導体としては、具体的には、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるもの、またIII族元素としてBを用いたり、V族元素のNの一部を、As、Pで置換した混晶を用いることができる。この窒化物半導体を、第1の窒化物半導体層、下地層、素子構造となる各層を積層する。
【0014】
本発明の窒化物半導体の成長において、窒化物半導体を成長させる方法としては、特に限定されないが、MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚が50μm以下ではMOCVD法を用いると成長速度の制御が容易であり、素子構造の形成において、原子オーダーでの素子設計が可能となる。また膜厚が50μm以下ではHVPEでは成長速度が速くてコントロールが難しい。また、HVPEを用いた場合には、上述した組成式の窒化物半導体の中で、好ましくは、GaN、AlNを用いると、結晶性良く、厚膜での成長が可能である。
【0015】
また、窒化物半導体に用いるn型不純物としては、具体的にはSi、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族、若しくはVI族元素を用いることができ、好ましくはSi、Ge、Snを、さらに最も好ましくはSiを用いる。また、p型不純物としては、具体的には、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Caなどが挙げられ、好ましくはMgが用いられる。
[第1の窒化物半導体層]
本発明の第1の窒化物半導体層12は、上記異種基板の上に、形成するものであり、図1に示すように、異種基板10の上に形成した下地層11の上に、形成しても良く、下地層の一部としても良い。すなわち、異種基板10の上に形成された成長層30の一部として、第1の窒化物半導体層12が設けられる。この時、好ましくは、第1の窒化物半導体層12の膜厚を50μm以上とすることであり、このことにより、後に続く異種基板除去工程において、異種基板を除去して、窒化物半導体の単体基板を取り出すことができる。更に好ましくは、100μm以上とすることで、異種基板の除去が容易になり、また取り出された窒化物半導体単体基板の取り扱いが容易となる。このように、第1の窒化物半導体層を厚膜に成長させるには、上述したように、HVPE法を用いることで、結晶性が良好で、成長速度が大きいことから、他の成長方法に比べて、容易に形成することができる。膜厚の上限としては特に限定されないが、このHVPE法による窒化物半導体は、異種基板の上に、下地層を含めた成長層として形成され、成長層を400μm以下にすることが望ましい。400μmより厚く異種基板の上に窒化物半導体を成長すると、異種基板との格子不整合あるいは熱膨張係数差によって発生する反りが大きくなりすぎてしまい、素子構造となる窒化物半導体を積層する際に積層不良、面内での膜厚不均一が生じてしまう。しかし、一方で、上述したように、異種基板10と窒化物半導体層12若しくは成長層30との応力は、両者の相対的な膜厚比に依存するため、異種基板の膜厚を大きくすれば、その上の成長層の膜厚も大きくすることができる。具体的には、異種基板の厚さを0.3mm以上5mm以下の範囲とすることである。例えば、サファイア基板であれば、成長層30の総膜厚が100μm以上400μm以下の範囲であれば、異種基板の膜厚を、1mm以上3mm以下の範囲とすれば、反りがそれほど大きくならず、素子構造を積層する工程でも、積層不良が生じない反りとすることができる。しかし、異種基板が厚くなると、後に続く、溝形成工程で、深い溝を形成することが困難になる傾向にあるため、これらを考慮して、異種基板の膜厚、第1の窒化物半導体層及びそれを含めた成長層全体の膜厚を決定する。また、HVPEによる厚膜成長は、後述するように、3次元的な成長となる傾向にあり、この成長条件を変化させることで、ウエハの反りも変化するため、成長層の膜厚を1mm以上の厚膜とすることもできる。
【0016】
さらにこの第1の窒化物半導体層をHVPEにより成長させることによって次のような効果もある。図10に示すように、異種基板10の上に、低温成長バッファ層11a、ラテラル成長による下地層11bを成長させた場合、下地層11b表面では結晶欠陥の数が不均一に面内分布していたものが、第1の窒化物半導体層12を成長させると、第1の窒化物半導体12中で結晶欠陥が拡散され、第1の窒化物半導体層12表面ではほぼ均一となり、その上に成長させる窒化物半導体も均一な層として成長させることができる。具体的には、厚膜の窒化物半導体層をHVPEで形成すると、生成された核から核成長したドメインが膜厚方向に成長するに伴って各ドメインが結合して成膜される3次元の成長形態となる傾向にあり、このような場合には、核成長に伴って貫通転位も伝搬するため、貫通転位が分散される傾向にある。例えば、横方向成長層表面に、低欠陥密度領域、高欠陥密度領域が設けられ、その下地層の上に厚膜の窒化物半導体をHVPEで成長させると、貫通転位の分布が分散されて、厚膜の窒化物半導体層表面では、平均化されて一様な分布を示すものとなる。このような成長形態は、HVPEの成長速度を大きくすることで、得られる傾向にあり、具体的には、10μm/hr以上の成長速度で成長させると、この貫通転位の分散が確認される傾向にある。また、このような成長形態は、異種基板、若しくは単体基板との反りを変化させることができ、成長形態が変化することで内部ひずみ、クラックなども変化する。
【0017】
またこの第1の窒化物半導体層12を成長させるとき、n型導電性を得るには、SiあるいはSnのn型不純物をドープすることが好ましい。これは第1の窒化物半導体層を単体基板として、素子構造と対向する第1の窒化物半導体基板面側に、n電極を形成する場合に、良好なオーミック性を確保できる。このSiまたはSnのn型不純物は、5×1016/cm3〜5×1021/cm3の範囲でドープすることが好ましい。5×1016/cm3より少ないと、オーミック性が悪くなってしまい、また5×1021/cm3より多いと、不純物濃度が大きいために結晶性が悪くなり、結晶欠陥が増大する傾向にあり、厚膜で良好な結晶が得ることが困難となるからである。さらに好ましい範囲としては、1×1017/cm3以上1×1020/cm3以下の範囲であり、この範囲であれば、第1の窒化物半導体層を100μm以上の膜厚でも良好な結晶性で成長でき、また良好なn型導電性を確保して、オーミック接触を電極との間に形成することができる。
【0018】
第1の窒化物半導体層の組成としては、特に限定されず、上述したよう窒化物半導体と同様に、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるもの、また3族元素としてBを用いたり、5族元素のNの一部を、As、Pで置換した混晶を用いることができ、好ましくは2元、若しくは3元混晶のInxGa1−xN(0≦x≦1)、AlyGa1−yN(0≦y≦1)を用いることで、良好な結晶性が得られる。更に好ましくは、AlyGa1−yN(0≦y≦1)を用いることで、上述したような厚膜でも結晶性を良好なものとできる。更に、第1の窒化物半導体層の形成に、HVPE法を用いる場合には、3元混晶よりも2元混晶を用いることが成長速度、成長、及び結晶性を良好なものとでき、具体的には、GaN、及びAlNが好ましく用いられる。また、第1の窒化物半導体層をHVPEにより形成すると、横方向成長層の形成により、面内に、貫通転位の少ない領域と多い領域に分布した表面から、第1の窒化物半導体層表面に貫通転位分布が分散する傾向にある。
[下地層11]
本発明では、第1の窒化物半導体層を異種基板上に形成する際に、異種基板10と第1の窒化物半導体層12との間に、図1(b)に示すように、下地層11を設けても良い。この下地層11は、第1の窒化物半導体層12と異種基板との格子不整合の緩和、結晶欠陥の低減、良好な結晶成長を主な目的として形成する。下地層として具体的には、以下のものが挙げられる。
【0019】
異種基板の表面に、最初に低温成長バッファ層を形成した後、単結晶成長できる温度で、他の下地層、第1の窒化物半導体層を形成すると、異種基板への窒化物半導体の成長を、両者に格子不整合があっても良好なものとできる。このため、本発明において、異種基板材料により用いなくても良い場合もあるが、好ましくは低温成長バッファ層を下地層として設けることが好ましい。この低温バッファ層とは、その上に成長させる窒化物半導体層の成長温度よりも低温で成長させるものであり、具体的にはAlN、GaN、AlGaN、InGaN等が用いられ、300℃以上900℃以下の温度で、膜厚10Å(オングストローム)以上0.5μm以下の範囲で形成される。この時、好ましい低温成長バッファ層の組成としては、AlyGa1−yN(0≦y<1)を用いることで、さらに良好な単結晶成長、例えば第1の窒化物半導体層の成長が可能となる。この低温成長バッファ層は、アンドープであっても、p型、n型不純物をドープしても、どちらでも良いが、好ましくは、アンドープで形成すると良好な結晶性が得られる傾向にある。また、低温成長バッファ層の上に、形成する場合には、それよりも高温で単結晶成長可能な温度、具体的には800℃以上1200℃以下の温度範囲で成長させる。
【0020】
また、下地層として、異種基板上、さらには上述した低温成長バッファ層の上に、更に別の窒化物半導体を形成しても良い。この時、異種基板10と第1の窒化物半導体12との間に設けられる下地層11としては、好ましくはAlyGa1−yN(0≦y<1)を用いることで、良好な結晶性の第1の窒化物半導体を形成することができる。更に好ましくは、Al混晶比yが0.3以下のAlyGa1−yN(0≦y<1)若しくはGaNを用いることで良好な結晶性でもって、第1の窒化物半導体を形成できる。この下地層は、低温成長バッファ層と同様に、p、n型不純物ドープ、アンドープとしても良く、好ましくはアンドープで成長させることで結晶性が良好となる。また、単体基板とする際に、素子構造が形成された面と対向する基板面に、n電極を形成し、下地層を第1の窒化物半導体層と共に残す場合には、第1の窒化物半導体層と同様に、Si、Snをドープすることで、n型導電性を確保することができる。
【0021】
更に、下地層として、上述したもの以外に、貫通転位を低減させる目的で、ELOG、ELO(Epitaxitial Lateral OverGrowth)として知られる横方向成長を用いた下地層(横方向成長層)を形成しても良い。具体的には、異種基板、若しくは低温成長バッファ層、下地層の上に形成する。代表的な横方向成長方法、横方向成長層としは、図3の模式断面図にしめすように、下地層412の窒化物半導体層表面にマスク418を設けて(図7(a))、マスク418開口部から窒化物半導体413aを成長させ(図7(b))、マスク418上部で横方向の成長をさせ、そして、それぞれのマスク開口部から成長した窒化物半導体413aがマスク418上部で接合して(図7(c))、成膜される。また、別の方法では、図7(x)〜(z)に示すように、窒化物半導体の下地層412に凹凸を設けるか、若しくは島状に異種基板410上に点在させて、凸部若しくは島部の窒化物半導体412を起点として、そこから選択的に成長させることで、図7(y)の矢印に示すように横方向への成長をさせて、それらが、接合することで成膜されるものとなる。このいずれの方法においても、形成される横方向成長層は、横方向成長時に、貫通転位も横に伝搬して横方向に延び、膜厚方向に伝搬する貫通転位を低減させることができる。このため、このような横方向成長層を下地層に用いると貫通転位を低減でき好ましく、またこの横方向成長層を用いる場合には、異種基板除去工程で、横方向成長層を除去することが好ましい。これは、上記したように、横方向成長層は、横方向成長を伴って成膜されるため、内部に歪、応力が多く内在する傾向にあり、単体基板を取り出す際に、この横方向成長層を残すと反り発生の原因となるからである。
【0022】
また、この横方向成長層を成長させる領域(図7におけるマスク開口部、凸部、島状部)の形状としては、ストライプ状、碁盤目状、ドット状、窒化物半導体の結晶方位に合わせた六角形状に形成できる。好ましい形状としては、ストライプ状であり、得られる表面がより平坦に成膜され好ましい。ここで、ストライプ状とする場合、例えばマスク領域の幅(ストライプ幅、凹部の幅、横方向成長領域)を3μm以上20μm以下、好ましくは10μm以上19μm以下であり、開口部の幅(ストライプ間隔、凸部の幅)を1μm以上20μm以下、好ましくは1以上10μm以下であるものを形成することであり、このようなストライプ形状を有していると、転位の低減と表面状態を良好にする点で好ましい。また、図7(x)〜(z)に示す、横方向成長の起点として凸部、島状部の窒化物半導体を設ける際には、具体的な方法として、エッチング技術、ダイシング技術を用いて所望のパターンの凹凸を形成する。マスク領域として、窒化物半導体の成長が不可能か困難な保護膜を設ける場合における保護膜材料としては、例えば酸化物、金属、フッ化物、窒化物、等が挙げられる。例えば具体的には酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SixNy)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)等の酸化物、窒化物、またこれらの多層膜、金属等を用いることができ、好ましくは、SiO2及びSiNが挙げられる。また、これらの保護膜を形成する方法としては、従来知られている蒸着、スパッタ、CVD等の成膜技術を用いることができる。
【0023】
横方向成長層をストライプ状のマスク領域、凸部領域とする場合において、C面を主面とするサファイア、A面を主面とするサファイア、又は(111)面を主面とするスピネルを異種基板として用いることが好ましい。以下、それぞれの異種基板を用いる場合について説明すると、C面を主面とするサファイアであるとき、マスク領域のストライプが、そのサファイアのA面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していることが好ましく、また、第1の主面がサファイアC面からオフアングルしている場合にはオフ角を0.1°以上0.5°以下の範囲、好ましくは0.1°以上0.2°以下の範囲とすることで良好な横方向成長が実現される。またA面を主面とするサファイアであるとき、マスク領域のストライプが、そのサファイアのR面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していることが好ましく、また(111)面を主面とするスピネルであるとき、マスク領域のストライプが、そのスピネル(MgAl2O4)の(110)面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していることが好ましい。なぜなら、異種基板とマスク領域のストライプ方向が上記組み合わせであると、基板面内(異種基板の第1の主面に平行な面内)において、窒化物半導体の成長が異方性を有し、選択成長層の横方向の成長(ストライプ方向に垂直な方向)が窒化物半導体の成長容易な方向となり、好ましいELOG成長が実現されるからである。
[溝部形成工程]
以上説明したように、本発明では、異種基板10上に成長層30が形成され、更に、異種基板の第2の主面側に溝部が形成されたウエハを用いて、亀裂形成工程、基板除去工程を経ることにより、窒化物半導体単体基板を得るものである。このため、溝部を形成する溝部形成工程は、例えば、予め溝を形成した異種基板に成長層30を形成しても良く、異種基板の上に成長層を形成した後に溝部形成工程を具えても良く、成長層形成前と後で、溝部をそれぞれ形成しても良い。成長層形成前と後で溝部を形成する例としては、成長層形成前に第2の主面に部分的に溝部(第1の溝部)を設けて、更に成長層形成後に新たに第1の溝部と異なる溝部(第2の溝部)を設ける方法、別の例では、成長層形成前に一定の深さまで溝部を設けた後、成長層形成後に更にそれよりも溝部を深くする方法、若しくはこの例を組み合わせた方法を採ることも可能である。また、成長層は、上述したように、低温成長バッファ層、横方向成長層などの下地層、第1の窒化物半導体層、また後述する素子形成層、第2の窒化物半導体層など様々な層が設けられるが、これらの層を形成する間に溝部形成工程を具えることもできる。具体例としては、異種基板10の上に、下地層11を形成した後、溝部形成工程を経て、第1の窒化物半導体層を成長させることもできる。すなわち、溝部形成工程は、本発明において、特にその順序が限定されず、亀裂形成工程よりも前に、溝部が設けられていれば良い。以下に、成長層形成後に、溝部形成工程を経て、溝部を設ける実施形態について説明するが、上述したどの段階における溝部形成工程にも適用できる。
【0024】
第1の窒化物半導体層12を含む成長層30を、異種基板の第1主面上に形成した後、図3(a)のハッチングを施した領域として示すように、溝20を異種基板上の成長層30が露出されない深さで形成する。これにより、図3(b)に示すように、異種基板10の第2の主面に凹凸が形成され、凹部が溝部20となる。この時、溝部20は、少なくとも一部が成長層30に達しない深さで形成される必要があり、好ましくは全ての溝部20において、成長層30に達しない深さで溝部を形成する。これは、上述したように、成長層及び異種基板の材料、膜厚により異なるが、第1の窒化物半導体層を単体基板化するため上記膜厚であるような場合、基板には、図に示すような反りが発生しており、第2の主面側から、後述する異種基板を除去する手段では、反りの影響を受けて、第2の主面内で深さにばらつきが生まれる。このため、面内で部分的に、成長層に達する溝部が形成される場合もある。しかしながら、好ましくは、全ての溝部が、成長層に達しない深さで設けることであり、なぜなら、成長層に達する深さで溝部を形成すると、成長層に割れが発生し、ウエハの割れにつながる場合があり、成長層を単体基板として、取り出すことが困難となるからである。ここで、溝部が成長層に達してもウエハが割れない場合もあり、これは異種基板及び成長層の材料、層構成などに依存し、必ずしも溝部が成長層に達した際に割れが発生するものではないが、ウエハが割れて不良品の発生率を高める傾向にある。
【0025】
従って、溝部が成長層に達してもウエハに割れが発生しない場合があるため、成長層に割れが発生しない程度に、少なくとも溝部の一部を成長層に達しない深さで形成し、好ましくは、全ての溝部が成長層に達しない深さで形成する。ここで、成長層に達する深さとは、溝部内で成長層が露出される深さを指す。また、溝部の深さは、図3(b)に示すように、溝部20の底面から成長層まで、若しくは成長層と異種基板との界面までの距離をtとした場合に、後述する亀裂形成工程の亀裂形成手段にも依存し、特に限定されるものではないが、0<t≦50μmの範囲とすることである。これは、tが50μmを超えると後に続く亀裂形成工程において、成長層に伸びる亀裂を形成することが困難となる傾向にあり、サファイア、スピネルなどの材料のように、基板材料が堅く、加工性に乏しい材料においては、大きな力を加えて亀裂を発生させても、成長層を貫通してウエハの割れにつながる傾向にあるためである。また、好ましくは距離tを、0<t≦20μmとすることであり、これにより、上記堅く、加工性に乏しい基板材料においても、亀裂形成工程において、基板除去に優れる亀裂を形成し、ウエハ、成長層が割れない溝部とできる。また、更に好ましくは、10μm以下とすることで、更に亀裂形成工程、基板除去工程において有利となるが、一方で、上述したようにウエハの反りが発生していることによる溝部の深さにばらつきが発生し、精度良く溝部の深さを制御することが困難であり、また加工精度に劣る基板材料、若しくは堅く、脆いサファイア、スピネルなどの基板材料では、距離tを小さくすると成長層、ウエハに割れが発生するため、距離tを小さいと問題も発生する。そのため、好ましくは5μm以上20μm以下の範囲とすることであり、この範囲内に各溝部深さが収まるように形成する。
【0026】
また、溝部を形成した基板は、別の効果が期待できる。それは、溝部が設けられることで、異種基板10の第2の主面側で、ウエハに反りが発生した際にかかる応力が変化し、基板の反りを緩和させる効果を得ることもできる。具体的には、図3(a)で溝部を設けることにより、図3(b)に示すように、基板の反りが緩和されるものである。これは、上述したように異種基板及び成長層の材料、膜厚により様々な形態が存在し、異種基板と成長層との界面に主に熱膨張係数差、格子定数差に起因するひずみ、応力が発生することによるものであり、異種基板の第2の主面側では、界面と逆方向に応力が掛かり、第2の主面側の形状変化がその表面内にかかる力を変化させていると考えられる。具体的には、基板の反り緩和機構は、明らかではないものの、第2の主面側に溝部が形成されることで、表面積が増大し、また溝部が形成され、表面に凹凸が形成されることで、第2の主面側での弾性が変化したことが要因とも考えられる。このような、反り緩和は、後に続く、亀裂形成工程、基板除去工程において、ウエハの取り扱いを容易にし、また、反りが少ないことで、上記各工程における不良の発生を低くさせることが可能となる。また、上述したように、成長層の形成途中で、溝部を設ける場合には、反りを抑制した基板上に、窒化物半導体を成長させることとなり、またエッチングによる加工をすることとなり、反りが発生した基板で基板中央部と基板の端部とで高さが異なることによる成長不良、加工不良の発生をも抑制できる。
【0027】
また、このような反り緩和は、溝部の大きさ、形状、パターンにより変化させることができ、反りの緩和が起こらない場合もある。ウエハ(基板)の反りは、上述したように、異種基板の膜厚と成長層の膜厚及びそれらの材料により相対的に決まるものであるため、この反りの状態により、溝部の大きさ、形状、パターンを適宜決定すると良い。例えば、実施例1に示す程度の溝部では、表面積の増加よりも、溝部により部分的に異種基板の膜厚が小さくなったことによる影響が大きく、反りが僅かに大きくなる傾向にある。このように、溝部による反りの変化は、溝部の形状、深さ、パターン、ピッチにより、また異種基板と成長層との膜厚比により決定される。
【0028】
ここで、具体的には、溝部の形状として、ストライプ状、格子状、ドット状、円形状、などがあり、好ましくは、溝の形成方法にもよるが、ストライプ状、若しくは少なくとも2方向以上のストライプを設けた格子状、すなわち交差したストライプによる格子状に形成する。また、溝部は、基板表面に部分的に形成しても良く、基板のほぼ全面に形成しても良く、規則的、不規則的なパターンで形成しても良い。ここで、部分的に溝部を設けるとは、第2の主面内において、例えば、溝部が面内に占める割合(面積比)を考えた場合に、面の中央部で面積比を大きくし、中央部から離れ、端部に至る領域で面積比を小さくした形態、またそれとは逆に、中央部付近を溝部の面積比を小さくして、端部付近を大きくした形態、若しくは面内の一部の領域に溝部を設けて(溝部形成領域)、残りの領域に溝部を設けない形態、などがある。また、不規則なパターンとしては、ストライプの場合には、ストライプの間隔(ピッチ)を面内で変化させる形態、格子状とする場合には、格子の形状、若しくは格子で囲まれた領域(凸部領域)の形状を面内で変化させる形態、上記面積比を変化させる形態などがある。この時、溝形成工程後のウエハ(基板)は、すなわち亀裂形成工程前のウエハとしては、図9に示すように、溝部20が設けられることで、異種基板10の第2の主面側に、凹凸が形成される。すなわち、後述する亀裂形成工程、基板除去工程において、異種基板10に溝部20が設けられていることにより、亀裂の形成を容易にし、また、亀裂を増幅させ、成長層との分離を可能とさせる。
【0029】
また、溝部の形成方法としては、特に限定されないが、エッチング、ダイシング、ワイヤーソー、スクライブなどの方法を用いることができ、好ましくは、ダイシングで形成することで、比較的容易に溝部を形成することができる。
【0030】
また、溝形成工程は、成長層として少なくとも第1の窒化物半導体層を形成した後であれば、いつでも良く、例えば第1の窒化物半導体層12形成後、素子構造13を形成した(素子形成工程)後でも良く、素子構造を形成した後、素子をエッチングなどで加工した(素子加工工程)の後でも良い。
[亀裂形成工程]
本発明の亀裂形成工程は、図1(b)、(d)に示すように、異種基板10において、主に溝部20の底面から、成長層30に向かって伸びる亀裂を形成するものである。
【0031】
具体的な亀裂の形成方法としては、溝部20の底面において、スクラバーなどの機械的な方法により、切り欠きを設ける、若しくは外力を加えて亀裂を形成してもよく、熱処理若しくは熱衝撃、超音波等による衝撃により亀裂を設けても良い。また、溝部形成時に、亀裂を設けることも可能であるが、溝部形成時の亀裂は、成長層30を貫通する亀裂となり、ウエハが割れる場合が多い。また図2に示すように、基板、ウエハの反りを利用して、亀裂を形成してもよい。この方法は、上述したように、基板の反りは、異種基板と成長層との膜厚の相対比を変化させることにより、反りを変化させることができることを利用するものであり、図2に示すように、成長層を厚くすること、もしくは異種基板を薄くするなどして、異種基板と成長層との界面にかかる応力を変化させ、この応力変化が溝部20内で集中的にかかることで、亀裂を発生させることができる。異種基板の一部を除去して薄くすることにより亀裂を形成する場合には、後述の基板除去工程と同時に、すなわち、基板を除去する過程で亀裂形成工程が実施される。また、成長層30を厚くすることで、亀裂を形成する場合には、溝部形成工程の後に、第1の窒化物半導体層12b、もしくは後述する第2の窒化物半導体層の形成により、成長層30を厚膜化することで、亀裂を形成することができる。ここで、図2(a)は、溝部20が設けられた基板において、成長層30を厚膜化する様子(図中の矢印)を示す模式断面図で、ここでは第1の窒化物半導体層12bが形成されて成長層の膜厚を大きくしている。また図2(b)は、溝部20が設けられた基板において、異種基板10の一部を除去して薄くする様子(図中の矢印、及び除去領域40)を示す模式断面図である。
【0032】
ここで、亀裂形成工程において異種基板に設けられる亀裂若しくは割れは、具体的には、図1(d)に示すように、主に溝部20の底面付近に設けられるものとなる。また亀裂の形状としては、図に示すように、成長層30の方向に伸びる亀裂が形成されるものであり、異種基板と成長層30との界面に平行な方向以外に伸びる亀裂が形成される。ここで、図1は、溝部20が設けられた基板に(図1(a))、亀裂形成工程により異種基板10に亀裂・割れを形成し(図1(b))、異種基板10を除去する工程(図1(c))を示す模式断面図であり、図1(d)は亀裂が設けられる様子(図1(b)の一部(点線部))を拡大して示す模式断面図であり、図1(e)は異種基板10を除去して、薄くしていくことにより亀裂・割れが増殖する様子を示すものである。
【0033】
また、亀裂形成工程において設けられる亀裂は、図1(d)に示すように、異種基板内だけに設けられる亀裂でもよく、異種基板と成長層との界面付近にまで伸びる亀裂であってもよく、成長層30に達する亀裂が形成されてもよい。
[基板除去工程]
本発明の基板除去工程は、前記亀裂形成工程の後、若しくは上述したように亀裂形成工程と共に実施するものであり、異種基板の少なくとも一部を、好ましくはほぼ全てを除去するものである。図1(c)の除去領域C、及び点線で示す領域における異種基板を、除去することで、図1(c)に示すように、第1の窒化物半導体層12を含む成長層だけの窒化物半導体単体基板が得られる。この時、除去される異種基板は、溝形成工程で残された溝部以外の領域の異種基板の少なくとも一部を取り除くことであり、好ましくは、ほぼ全ての異種基板を取り除く。少なくとも除去される一部の異種基板とは、成長層が露出する深さで、部分的に取り除かれるものであり、すなわち、成長層と異種基板との界面において部分的に異種基板が残され、残りの領域で成長層が露出される形態である。このように、異種基板の一部が除去された基板においても、成長層が露出されるため、これらの界面にかかる応力が除去されて、反りが緩和された基板となる。この時、除去される一部の異種基板は、素子形成工程、素子加工工程、若しくはチップを取り出す際の基板分割工程において、取り扱いが可能な程度に、反りが軽減され、基板分割できる大きさで、異種基板を除去するようにすることである。例えば、ウエハ周辺部を残し、それ以外の領域(中央部付近)の異種基板を取り除くものであっても良い。好ましくは、全ての異種基板を除去することで、窒化物半導体の単体基板として取り扱うことが可能となる。以下、本発明における基板除去工程と亀裂・割れとの関係について説明する。
【0034】
従来、異種基板を除去する上で問題となっていたのは、図5に示すように、単体化できる程度の厚膜からなる窒化物半導体の成長層30を形成した後に(図5(a))、異種基板を除去して異種基板を薄くすると(図5(b)及び除去領域40)、図に示すようにウエハの反りが大きくなり、結果として図5(c)に示すようにウエハの割れにつながるものとなっていた。本発明では、異種基板に亀裂が設けられた状態で、異種基板を除去していくことにより、反りの悪化を防ぎ、ウエハが割れることなく、異種基板を除去し、窒化物半導体の単体基板を取り出すことを可能にする。これは、図1(d)に示すように、亀裂・割れを形成した異種基板に、異種基板除去工程により、異種基板の薄膜化、若しくは外部からの衝撃を加えることで、図1(e)に示すように、亀裂・割れを増殖させて、異種基板が除去されるため、反りを悪化させずに異種基板を除去することが可能となる。上述したように、異種基板と成長層との界面付近には、両者の格子不整合、熱膨張係数差などに起因するひずみ、応力が掛かり反りが発生するが、亀裂の形成、及び亀裂が増加することで、その界面付近にかかる力が解放されながら、異種基板を除去することとなり、ウエハが割れずに窒化物半導体を取り出すことが可能となるものである。亀裂形成工程、異種基板の除去工程の初期において、亀裂は、溝部20及びその底面から異種基板の第1の主面に、すなわち異種基板と成長層との界面付近との間にわたる形状で設けられ、異種基板を除去して薄膜化すること、若しくは衝撃を加えて異種基板を除去することにより、ウエハの反りが変化することによりかかる力、及び衝撃は、溝部に集中し、亀裂・割れが増殖して、異種基板の主面全面にわたって亀裂が形成される。このように亀裂・割れが増加することで、両者の界面付近にかかる応力を解放しながら、異種基板の除去を可能とするものである。
【0035】
図4は、溝部20がストライプ状に設けられ、その溝部20に亀裂・割れを形成した様子を示す模式図であり、図では亀裂形成時若しくは異種基板除去工程の初期における亀裂の面内分布を示すものである。溝部20は、成長層と異種基板との界面に近いため、亀裂が集中する傾向にあり、また異種基板除去工程が進行することで、その亀裂が大きくなり異種基板と成長層とが部分的に剥離され、また亀裂が溝部以外に増殖する作用も働き、異種基板の除去を可能にする。
【0036】
以上説明したように、異種基板除去工程において、亀裂が形成され、そのことにより、成長層と異種基板との界面付近の応力が解放され、また部分的に剥離されることで、窒化物半導体の単体基板が取り出されるが、両者の界面付近での応力が解放された状態で、すなわち、亀裂が設けられた異種基板を残したままで、ウエハを取り扱うこと、例えば素子構造の形成、エッチングなどによる素子構造の加工、後述する成長層の厚膜化を実施することも可能となる。このように、基板除去工程は、他の工程を具えて、段階的に実施することもできる。例えば、異種基板と成長層との界面付近に十分な割れを形成し、部分的な剥離を発生させた状態では、その反りは単体基板と同様に取り扱うことができるため、成長層を更に厚膜化した後、残った異種基板を除去することもできる。
【0037】
本発明の基板除去工程において、溝形成工程と同じ、エッチング、スクライブ、ダイシングする方法に加えて、研磨、研削、熱処理若しくは熱衝撃、超音波等の衝撃により、異種基板を除去することができる。好ましくは、研磨、研削により除去する方法であり、なぜなら、亀裂形成工程により、亀裂が設けられた異種基板を研磨・研削して、異種基板を薄くすることにより、異種基板と成長層との膜厚比を変化させ、それによる反りの変化を誘発させる方が、上記亀裂の増殖、剥離を発生させ易いためである。また、超音波などによる振動・衝撃を用いる場合には、溝部が形成されていることにより、異種基板と成長層との界面に近い溝部に集中的に力が加わり、亀裂が増殖され、部分的に剥離を引き起こすことができ、異種基板が除去することが可能となる。更に、熱処理、熱衝撃による場合には、溝部が設けられることで、異種基板と成長層との界面に近い溝部に直接熱を加えることができることで、溝部底面付近における成長層の窒化物半導体を熱分解させたり、若しくはウエハ全体を熱した後、急冷する際に、異種基板と成長層との界面近傍の溝部底面が直接熱処理されることで、熱衝撃を効果的に、異種基板と成長層との界面に伝えることができ、亀裂を増殖させて、剥離を発生させ、異種基板を除去することができる。また、熱処理の別の形態としては、成長層を形成する反応炉である温度で反応させた後、反応炉内を冷却する熱処理によっても亀裂の増殖、部分的な剥離の発生を促すことができる。また、これら異種基板の除去手段を組み合わせることも可能である。
【0038】
このように、基板除去工程では、亀裂・割れの増殖、部分的な剥離の発生させること、若しくは基板の除去と同時にそれらを発生されることで、基板の反りにより、ウエハが破壊されるのを防いで基板を除去するものである。すなわち、基板の除去において、反りによるウエハ破壊が問題とならない程度に、亀裂、剥離を引き起こされていれば、基板の除去は、研磨などにより容易に行えるものとなる。具体的には、上記研磨などの異種基板を薄くする方法を採らない場合において、図5に示すように従来問題となっていた基板除去によるウエハ破壊が発生しないように、亀裂を発生させ、部分的な剥離などで、基板除去が容易な状態を生み出したのち、研磨などで基板を取り除くこともできる。
【0039】
また、異種基板除去後に、図1(c)に示すように、更に、下地層、第1の窒化物半導体層の一部を除去して、残った第1の窒化物半導体層を窒化物半導体単体基板とすることが好ましい。これは、上述した下地層は、例えば、低温成長バッファ層、横方向成長層などは、異種基板と窒化物半導体(第1の窒化物半導体層)との格子不整合の緩和、貫通転位の低減を目的として形成されるため、異種基板除去後に、このような下地層を残すと、窒化物半導体層単体基板に、下地層と第1の窒化物半導体層との間に新たな応力の発生があるためである。これは、低温成長バッファ層は、非晶質、多結晶として形成されるため、内部に多くのひずみや転位を有しており、また横方向成長層は、横方向成長により内部にひずみを有しているため、第1の窒化物半導体層の上に形成された素子構造の素子を駆動することによって、ひずみや応力、また新たな貫通転位の発生源となる傾向が有るため、このような下地層を除去することでこれらの問題を回避できる。更に、第1の窒化物半導体層の一部を除去するのには、下地層と第1の窒化物半導体層と、若しくは下地層を用いない場合には、異種基板と第1の窒化物半導体層と、の界面近傍において、上述した下地層と同様に、内部ひずみ、応力、転位が存在する傾向にあるため、これを取り除く目的で、第1の窒化物半導体層の一部を除去することで、良好な窒化物半導体素子の単体基板となる。このとき取り除く第1の窒化物半導体層の一部は、特に限定されないが、1μm以上程度であれば、上記問題を回避できる。
【0040】
また、このような下地層は、上記亀裂が成長層表面に伸びるのを防止する割れ防止層として機能させることもできる。上述したように、亀裂は、溝部から成長層方向に伸びて形成されるが、成長層に達している亀裂が発生しても、異種基板の除去が可能であるためには、異種基板除去工程により亀裂が成長層表面に向かって伸びるのを防ぐ層を設けることが好ましい。それ以上成長層表面方向に亀裂が伸びるのを防ぐことが可能な層を設けることで、異種基板除去を歩留まり良く実施され、ウエハを割ることなく窒化物半導体の単体基板を取り出すことが可能となる。具体的には、上記低温成長バッファ層は、非晶質若しくは多結晶状に膜形成されるため、バッファ層内部において、結晶欠陥、粒界など結晶の面方位が大きく異なる領域が多数存在することにより、亀裂が成長層表面に伸びるのを抑制しているのではないかと考えられる。また上記横方向成長層についても同様に、横方向成長による軸配向性などの結晶面方位の変化、選択成長に用いたマスク材料の介在、により亀裂が進行するのを防ぐ効果が有るのではないかと考えられる。実際には、亀裂の観察は困難で、亀裂が、異種基板内にとどまっているのか、異種基板と成長層との界面でほぼ止まっているのか、成長層内部に達しているのかは、詳しいことは不明ではあるが、上述した作用により、上記界面若しくは下地層内に達する亀裂でもって、基板除去が実現されているものと考えられる。[素子構造、素子形成工程]
本発明において、素子形成工程は、窒化物半導体を、前記第1の窒化物半導体層の上に積層して、素子構造13を形成するものであり、素子形成工程は、前記溝形成工程の前でも後でも良く、また基板除去工程の前でも後でも良い。素子形成工程で形成される素子構造は、例えば、第1の窒化物半導体層12の上に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層、等を形成するものである。
[素子加工工程(デバイス工程)]
本発明において、素子加工工程とは、例えば実施例に示すように、素子構造を積層した後、レーザ素子に作りつけの導波路を形成する目的でエッチングを施したり、n電極形成面を露出させるためにエッチングしたり、また各コンタクト層に電極を形成したりすることである。
[単体基板の厚膜化]
更に、本発明では、異種基板を除去した後、取り出した窒化物半導体単体基板(第1の窒化物半導体層)に更に、別の窒化物半導体層(第2の窒化物半導体層14)を成長させて、基板を厚膜化することもできる。これは、図1(c)に示すように、異種基板が除去されることで、異種基板に掛かっていた応力が解放されることで、取り出された単体基板自身に応力が掛かることとなり、反りを有するものとなる。この単体基板に、更に窒化物半導体層(第2の窒化物半導体層14)を成長させることで、この反りを低減させることが可能となる。これは、単体基板内に残る内部ひずみ、応力が、その単体基板に更に第2の窒化物半導体層14を成長させることで、第2の窒化物半導体層14と、単体基板との間で応力の均衡がとれたり、第2の窒化物半導体層14内部に、単体基板の反りを打ち消す、内部応力・ひずみが発生することによるものと考えられる。異種基板と第1の窒化物半導体層との間にも、このような関係が発生し、いくらかの反り緩和機構が発生していると考えられるが、異種材料であるため、熱膨張係数差などの影響を大きく受けて、反り緩和にそれほど寄与しないと考えられる。このような単体基板の反りを緩和する第2の窒化物半導体層14の膜厚としては、特に限定されず、また単体基板の膜厚にも依存するが、100μm以上、好ましくは200μm以上500μm以下の範囲で形成すると良い。第2の窒化物半導体層14の組成は特に限定されず、第1の窒化物半導体層と同様の組成の窒化物半導体を用いることができる。また、第2の窒化物半導体層14と単体基板(第1の窒化物半導体層)とが、異なる組成でも良いが、好ましくは、同一組成で形成することで良好な結晶性、反り緩和が得られ、更に、第2の窒化物半導体層14の形成にHVPE法を用いる場合には、第1の窒化物半導体層と同様に、AlN、GaNが好ましく用いられる。また、この第2の窒化物半導体層の膜厚は、上述したようにHVPEの成長形態により、その反り緩和、内在するひずみ、結晶欠陥などが変化するため、これらを適度に調整することで、上述の範囲よりも、さらなる厚膜化、例えば1mm以上とすることもできる。
【0041】
第2の窒化物半導体層14は、図10に示すように、異種基板を除去した基板面に、形成しても良く、第1の窒化物半導体層の成長表面(As grown面)に形成しても良い。異種基板除去前に、素子構造を第1の窒化物半導体層の上に形成している場合には、異種基板を除去した基板面に第2の窒化物半導体層14を成長させ、第1の窒化物半導体層表面が単体基板となる場合には、成長表面(異種基板を除去した基板面に対向する面)に、第2の窒化物半導体層14を成長させることで、良好な反り緩和が得られる傾向にあり好ましい。また、このように、単体基板に第2の窒化物半導体層14を成長させて厚膜化する厚膜化工程の後、再び、単体基板を研磨などにより一部除去して薄膜化して(薄膜化工程)も良く、これら厚膜化工程、薄膜化工程を複数回、若しくは交互に繰り返してもよい。また、厚膜化工程の際に、図10(a)〜(c)の段階を経て、上述した横方向成長層11b´を介して第2の窒化物半導体層14を成長させると、貫通転位の低減がなされ、これら厚膜化工程、薄膜化工程を複数回、若しくは交互に繰り返すことで、貫通転位をさらに低減させることができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0043】
[実施例1]
以下、実施例として図1に示す模式断面図の窒化物半導体の製造方法について、順を追って説明する。
【0044】
窒化物半導体を成長させる異種基板として、厚さが2mm、2インチφ、主面がC面から0.2°ステップ状にオフアングルした基板で、オリエンテーションフラット面(以下、オリフラ面と記す)がA面のサファイア基板を用意し、MOCVDの反応容器内にそのウエハをセットする。次に、温度を510℃にして、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、図10(a)に示すように、異種基板10の第1の主面上にGaNよりなる低温成長バッファ層(図示されていない)を約200Å(オングストローム)の膜厚で第1の下地層11aとして成長させ、さらに温度を1050℃とし、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなる層を第2の下地層として、2.5μmの膜厚で成長させる。
【0045】
第1の下地層、第2の下地層を形成した後、図3に示すようにして、横方向成長層を第3の下地層11bとして形成する。横方向成長層としては図7(a)〜(c)に示す順序に沿って形成する。第2の下地層413aを形成後、ウエハを反応容器から取り出し、CVD装置に載置して、下地層413aの上に選択成長させるためマスク領域として保護膜418を形成する(図7(a))。この時、マスク領域となる保護膜418は、サファイア基板のオリフラ面(A面)にほぼ垂直なストライプ状のSiO2膜を、幅14μm、間隔(開口部の幅)6μmで、ウエハのほぼ全面に前記第2の下地層413a上に形成する。続いて、ウエハをMOCVD反応容器内に戻し、温度1050℃、原料ガスTMG、アンモニアを用いて、保護膜418の設けられていない非マスク領域表面、すなわち前記下地層13aが露出している開口部の表面に、アンドープのGaNを15μmの膜厚で成長させ(図7(b),(c))、平坦な表面有する窒化物半導体層(第3の下地層)413bとする(図7(c))。この窒化物半導体基板の成長は、初期段階において、選択的に前記非マスク領域だけに窒化物半導体が成長するが、ある程度の膜厚で成長すると、厚さ方向への成長に加えて、マスク領域の保護膜418に向かう横方向(基板面内)に成長して、マスク領域の上部が横方向成長した窒化物半導体によりふさがれた結果、下地層413aの上に膜厚15μmの窒化物半導体基板413bが形成される。
【0046】
以上の第1〜3の下地層を下地層11として異種基板上に形成した後、図10(a)に示すように、厚膜の第1の窒化物半導体層12を形成する。ウエハをHVPE装置に載置して、下地層の上にアンドープのGaNを約100μmの膜厚で成長させる。
【0047】
第1の窒化物半導体層を成長させた(成長工程)後、溝形成工程として、図3(b)でハッチングを施した領域を除去して、図3(b)に示すように、溝部を複数形成する。ここでは、ダイシングを用いて、溝部の深さが、溝部底部と成長層との距離tが20μmとなる深さで溝部を形成する。図に示すように、異種基板上に100μmの窒化物半導体を形成することで、ウエハには図に示すように、異種基板の第2の主面を凹面、成長層表面を凸面とする反りが形成され、それにより溝部の深さは、基板中央部で浅く、基板端部付近で深く形成される。この時、溝部の幅は、300μmで、ストライプ状に、溝部と溝部との幅(ピッチ)を5mmとして、溝部のストライプがウエハの端から端に達する長さで、ウエハ全面に約9本の溝部を設け、更に、ストライプの方向を変えて、これに交差するストライプを上記と同様な条件でストライプ状の溝部を形成し、格子状の溝部を形成する。これにより、図9に示すように、格子状の溝部20が異種基板の第2の主面に形成される。
【0048】
続いて、亀裂形成工程として、図1(b)に示すように、溝部に亀裂を形成するが、ここでは、基板除去工程と同時に実施する。図2(b)に示すように、異種基板を矢印の方向に除去領域40を除去して、薄くすることにより、反りを変化させることで、溝部の底面付近から異種基板と成長層との界面付近に伸びる亀裂・割れを発生させる。更に、異種基板を除去していくことにより、亀裂を増殖させ、部分的に異種基板が剥離されながら異種基板を除去していくことで、反りによる割れを防いで異種基板を完全に除去する。ここでは、異種基板を除去する手段として、研磨を用いる。更に、第1の窒化物半導体層の膜厚が80μmとなるまで、図1(c)の除去領域C及び点線で囲まれた領域を研磨して、下地層と第1の窒化物半導体層の一部を除去する。
【0049】
このようにして得られる窒化物半導体の単体基板(第1の窒化物半導体層)は、図1(c)に示すように、異種基板を有している状態では、第1の窒化物半導体層を含む成長層側を凸面とし、異種基板側に凹面が形成された反りが、逆転して、除去面側を凸面とし、第1の窒化物半導体層の成長表面を凹面側とする反りの単体基板が得られる。このようにして、窒化物半導体の単体基板は、割れや欠けが発生することなく、単体化できる。
[実施例2]
実施例1で第1の窒化物半導体層を形成した後、図10(a)に示すように、異種基板10の上に、バッファ層11a、横方向成長層11b、第1の窒化物半導体層12を形成後、更に、図10(b)に示すように、第1の窒化物半導体層12の上に、実施例1と同様に横方向成長層11b´を形成し、欠陥密度を低減させる。この第1の窒化物半導体層を基板101、横方向成長層11b´を下地層102とし、図6に模式断面図に示す、以下の素子構造を(レーザ素子)積層して、素子形成工程とする。
【0050】
ここで、第1の窒化物半導体層、好ましくは横方向成長層の上にバッファ層103として、Al混晶比が0.01のアンドープAlGaNからなるバッファ層103を形成する。このバッファ層103は省略可能であるが、第1の窒化物半導体層、その上に形成した横方向成長層がGaNである場合に、それよりも熱膨張係数の小さい窒化物半導体のAlaGa1−aN(0<a≦1)からなるバッファ層103を用いることで、ピットを低減させることができるため、第1の窒化物半導体層、その上に形成した横方向成長層の上にバッファ層103を形成することが好ましい。このバッファ層103は、横方向成長層若しくは横方向成長層の上に形成した第1の窒化物半導体層のように、膜厚方向の成長と横方向成長とを伴って成膜された窒化物半導体層に、ピットが発生しやすい傾向があるが、それを防ぐ効果がある。好ましくは、横方向成長層の上にバッファ層を形成する。
【0051】
更にバッファ層103のAl混晶比aが、0<a<0.3であると、結晶性を良好なものとしてバッファ層を形成することができる。このバッファ層をn側コンタクト層として形成しても良く、バッファ層103を形成した後、前記バッファ層の組成式で表されるn側コンタクト層を形成して、バッファ層103とその上のn側コンタクト層104にもバッファ効果を持たせる形態でも良い。すなわち、このバッファ層103は、第1の窒化物半導体層、若しくはその上に形成した横方向成長層と素子構造との間、又は素子構造中の活性層と第1の窒化物半導体層、若しくはその上に形成した横方向成長層との間に設けること、さらに好ましくは素子構造中の基板側、下部クラッド層と第1の窒化物半導体層、若しくはその上に形成した横方向成長層との間に、少なくとも1層以上設けることで、ピットを低減し、素子特性を向上させることができる。また、n側コンタクト層をバッファ層とする場合には、電極との良好なオーミックコンタクトが得られるように、n側コンタクト層のAl混晶比aを0.1以下とすることが好ましい。この第1の窒化物半導体層、若しくはその上に形成した横方向成長層の上に設けるバッファ層は、上述した異種基板上に設けるバッファ層と同様に300℃以上900℃以下の低温で成長させても良く、800℃以上1200℃以下の温度で成長させても良く、好ましくは800℃以上1200℃以下の温度で単結晶成長させると、上述したピット低減効果が得られる傾向にある。このバッファ層は、n型、p型不純物をドープしても良く、アンドープでも良いが、結晶性を良好なものとするためにはアンドープで形成することが好ましい。2層以上のバッファ層を設ける場合には、n型、p型不純物濃度、Al混晶比を変化させて設けることができる。
【0052】
n側コンタクト層104:膜厚4μm、Siを3×1018/cm3ドープしたGaN若しくはAl0.01Ga0.99N
クラック防止層105:膜厚0.15μmのIn0.06Ga0.94N(省略してもよい)
n側クラッド層106:総膜厚1.2μmの超格子構造 膜厚25ÅのアンドープAl0.05 16Ga0.95Nと、膜厚25Å、Siを1×1019/cm3ドープしたGaNと、を交互に積層する。
【0053】
n側光ガイド層107:膜厚0.15μmのアンドープGaN
活性層108:総膜厚550Åの多重量子井戸構造 Siを5×1018/cm3ドープした膜厚140ÅのSiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層(B)と、膜厚50ÅのアンドープIn0.13Ga0.87Nよりなる井戸層(W)とを、(B)-(W)-(B)-(W)-(B)の順に積層する。
【0054】
p側電子閉込め層109:膜厚100Å、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.3Ga0.7N
p側光ガイド層110:膜厚0.15μmのMgを1×1018/cm3ドープしたp型GaN
p側クラッド層111:総膜厚0.45μmの超格子構造 膜厚25ÅのアンドープAl0.05Ga0.95Nと、膜厚25ÅでMgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNと、を交互に積層する。
【0055】
p側コンタクト層112:膜厚150Å、Mgを2×1020/cm3ドープしたp型GaN
このようにして素子構造を形成した後、以下の素子加工工程を実施する。
【0056】
素子構造を形成した後、MOCVD装置からウエハを取り出し、次に、積層した半導体層を、エッチングにより微細加工し、レーザ素子としての共振器構造を形成する。図7に示すように、取り出したウエハ表面(p側コンタクト層112表面)に所望のパターン状のSiO2膜をフォトリソグラフィー技術により形成し、前記n側コンタクト層104が露出するまでエッチングして、n電極形成面を設ける。次に、以下のようにして、n側コンタクト層103を露出させなかった領域に、図6に示すリッジストライプを形成する。先ず、p側コンタクト層112表面に、SiO2よりなるマスクを形成し、フォトリソグラフィー技術により幅1.8μmのストライプ状のSiO2よりなるマスクとする。SiCl4ガスを用いてRIEにより、p側コンタクト層112、およびp側クラッド層111、p側光ガイド層110の一部をエッチングして除去し、リッジストライプを形成後、さらにPVD装置にウエハを搬送してSiO2からなるマスクの上から形成したリッジストライプの露出した表面にかけて、Zr(主としてZrO2)よりなる保護膜162(埋込層)を0.5μm厚さで形成し、ウエハをフッ酸に浸漬し、SiO2のマスクをリフトオフ法により除去する。このようにして、図6に示すようなストライプ状の導波路領域として、幅1.8μmのリッジストライプが形成され、この時リッジストライプはp側光ガイド層が0.1μmの膜厚となる深さまで形成されている。この時、埋込層は、Zrの酸化物に限らず、Ti、V、Nb、Hf、Ta、Zrよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlNの少なくとも一種、若しくはそれらを組み合わせたもの、上部クラッド層111と逆導電型のn型、半絶縁性、i型の窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1))を用いることができる。また、図7に示すように、リッジストライプは、下地層(横方向成長層)102の低欠陥密度領域内に設けられるように、その上方に配置にする。窒化物半導体の埋込層を成長させる場合には、リッジ及び埋込層の上に、p側コンタクト層を再び形成しても良く、素子積層時に、p側コンタクト層を形成せずに、埋込層形成後、p側コンタクト層を形成しても良い。
【0057】
最後に、前記エッチングにより露出したn側コンタクト層104、p側コンタクト層112表面にそれぞれTi/Alよりなるn電極121、Ni/Auよりなるp電極120(図7に示すようにリッジストライプ表面に設けられた保護膜162にわたって形成される)を形成する。次に、SiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜の反射膜164を設けた後、p,n電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パット)電極122,123をそれぞれ設けた。共振器反射面とするエッチング端面側から約600μmの長さで、各電極に電気的に接合する取り出し電極122,123を絶縁膜である反射膜164を介して形成する。この時、活性層108の幅は、200μmの幅(共振器方向に垂直な方向の幅)であり、n側コンタクト層104露出時に設けられたエッチング端面(活性層端面を含む)にもSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜164が設けられ、共振器面とした場合に反射膜となる。
【0058】
以上のように、素子形成工程、素子加工工程を経た後、実施例1と同様に、溝形成工程、亀裂形成工程及び基板除去工程を実施して、基板(第1の窒化物半導体層)が単体化され、その上に素子構造が形成されたウエハを得る。基板が単体化されているため、チップの取り出しに、窒化物半導体の劈開面を利用することができる。基板除去工程の後、ストライプ状の電極(共振器方向)に垂直な方向で、単体基板(第1の窒化物半導体層、ここではGaN)のM面(窒化物半導体を六方晶系で近似した時のM面、{1 1- 0 0})、でバー状に分割して、更にバー状のウエハを分割してレーザ素子を得る。この時、共振器長は、650μmである。バー状にする際に、エッチング端面に挟まれた導波路領域内で劈開して、得られた劈開面を共振器面としても良く、導波路領域の外で劈開してエッチング端面を共振器面としても良く、一方をエッチング端面、他方を劈開面とした1対の共振器面を形成しても良い。また、上記エッチング端面の共振面には誘電体多層膜からなる反射膜が設けられるが、劈開面の共振器面にも、劈開後に反射膜を設けても良い。この時、反射膜としては、SiO2、TiO2、ZrO2、ZnO、Al2O3、MgO、ポリイミドからなる群の少なくとも一種用いることであり、λ/4n(λは波長、nは材料の屈折率)の膜厚で積層した多層膜としても良く、1層だけ用いても良く、反射膜と同時に共振器端面の露出を防ぐ表面保護膜としても機能させても良い。表面保護膜として機能させるには、λ/2nの膜厚で形成すると良い。また、素子加工工程で、エッチング端面を形成せずに、すなわち、n電極形成面(n側コンタクト層)だけを露出させ、一対の劈開面を共振器面とするレーザ素子としても良い。バー状のウエハを更に分割する際にも、窒化物半導体(単体基板)の劈開面を用いることができ、バー状に劈開したときの劈開面に垂直な窒化物半導体(GaN)のM面、A面({1010})で劈開して、チップを取り出しても良く、また、バー状に劈開する際に、窒化物半導体のA面を用いても良い。得られるレーザ素子は、室温で閾値電流密度2.5kA/cm2、閾値電圧4.5Vで、発振波長405nm、30mWの連続発振で、1000時間を超える長寿命、高出力のレーザ素子が得られる。
【0059】
このように、素子形成工程後に、溝形成工程、基板除去工程を経て、基板を単体化することで、窒化物半導体の劈開面を利用した基板切断が可能となり、レーザ素子をフェースアップでヒートシンクにボンディングする際には、熱伝導性の悪いサファイア基板を用いていないため、優れた放熱性を示し、長寿命化がはかれる。以上では、素子構造として、レーザ素子を用いたが、ガイド層、若しくはガイド層とクラッド層とを除いた素子構造を積層して、LED素子としても良く、また、レーザ素子を端面発光LEDとしても良く、その他の窒化物半導体素子にも適用できる。端面発光LEDとする場合には、導波路を劈開面、若しくはエッチング端面と平行としないで、設けることで容易に得られる。
[実施例3]
実施例1で得られた単体基板の上(成長層表面側)に、図10に示すように、第2の窒化物半導体層14として、アンドープのGaNを300μmの膜厚で形成し、膜厚約350μmの窒化物半導体単体基板を得る。得られる単体基板は、第2の窒化物半導体層を成長させることで、異種基板を除去しただけの単体基板(実施例1)に比べて、反りの緩和された単体基板となる。
【0060】
また、これとは逆に、単体基板の異種基板除去した基板面側に、第2の窒化物半導体層を成長させても、同様に基板の反りが緩和される。
[実施例4]
実施例1において、亀裂形成工程として、溝部の底面に、スクライバーを当て擦り、亀裂を形成した後、基板除去工程を経る他は、実施例1と同様にして単体基板を得る。基板除去工程においては、実施例1とほぼ同様にして単体化が可能であるが、スクライバーを当てこする際に、微妙な力加減を必要とし、作業が煩雑となり、また、亀裂形成工程においてウエハが割れる場合もある。このため、亀裂形成工程と基板除去工程とを同時に実施する実施例1の方が歩留まり良く製造できる。
[実施例5]
実施例1において、下地層を形成した後、図10において、横方向成長層11b(15μm)の一部として第1の窒化鬱半導体層12、5μmを形成する。すなわち、横方向成長層11bでは、成長初期に横方向への成長がなされ、実施例1では10μmまでの領域で横方向、膜厚方向への成長でもって成膜され、残り5μmは、ほぼ膜厚方向への成長だけであり、この実施例ではこの膜厚方向への成長層を第1の窒化物半導体層とする。続いて、実施例1と同様に溝部形成工程を実施して、溝部を異種基板の第2の主面に設ける。
【0061】
このようにして、第1の窒化物半導体層まで成長させた後、HVPE反応装置に移し、図2(a)に示すように、成長層30の厚膜化、すなわち、第1の窒化物半導体層12aに対して、第1の窒化物半導体層12bまで厚膜化する。ここでは、第1の窒化物半導体層12bをアンドープGaN、400μmで形成する。
【0062】
成長層30を厚膜化した後、HVPE反応炉内で、成長時の温度から、室温まで放冷して、亀裂の形成及び亀裂の増殖が行う。これは、図2(c)に示すように、厚膜の成長層を反応装置内で、ある成長温度で形成し、成長層を厚膜化する前後における異種基板と成長層の膜厚比の変化、及び、冷却することによる成長層と異種基板との熱膨張係数差により、成長層と異種基板との間の応力を変化させ、またウエハの反りを変化させる。これにより、溝部20付近で、亀裂が発生し、更に冷却により、亀裂の増殖、基板面内における部分的な剥離を発生させる。
【0063】
これにより、得られるウエハは、図4において、亀裂・割れ42が、ウエハの全面に形成され、部分的に剥離が発生されたウエハとなる。反応装置から取り出したウエハを、研磨して、実施例1と同様に、異種基板、下地層を除去して、単体基板を得る。このように、成長層を厚膜化して、熱処理を加えることで、亀裂の形成(亀裂形成工程)を実施し、さらにその亀裂を増殖、剥離させることで、すなわち、異種基板と成長層と界面にかかる応力が解放されることで、異種基板の除去は、従来と異なり、ウエハが破壊されることなく、窒化物半導体単体基板を得ることができる。
[比較例1]
実施例1において、溝形成工程を具備せずに、図5に示すように、第1の窒化物半導体層12形成後、異種基板を、第2の主面側から、研磨により異種基板を除去していき、全ての異種基板を除去する(図5(b)、(c))。このように、溝を設けずに異種基板を除去すると、ウエハの反りが大きくなり、成長層に達する前に、殆どの場合、異種基板及び成長層に割れが発生し、また、割れなかった部分でも成長層に亀裂が発生し、単体基板をウエハの大きさで取り出すことができず、また、破片としても取り出すことが困難である。
[比較例2]
実施例5において、溝部を設けない他は、実施例5と同様に、図5(x)に示すように、成長層30を厚膜化する。HVPE反応装置から取り出したウエハは、図5(y)に示すように、両者の膜厚比の変化、及び熱膨張係数差により、ウエハは部分的に割れが発生し、分離されたり、また成長層30の深くまで伸びる亀裂42・割れ41が形成されたものとなり、異種基板の除去によって、ウエハが破壊されるものとなる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、従来困難であった異種基板の除去が、亀裂を増殖させることで、容易となり、窒化物半導体単体基板を得ることができる。さらに、本発明の製造方法では、従来問題であった異種基板を用いることによる基板の反りを亀裂の増殖により緩和しているため、反りの緩和されたウエハを扱うことで製造上有利となり、容易に窒化物半導体の単体基板を得ることができる。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明する模式断面図。
【図2】本発明の製造方法において亀裂形成工程を説明する模式断面図。
【図3】本発明の製造方法において溝部の形成を説明する模式断面図。
【図4】本発明の製造方法における一実施形態を説明する模式図。
【図5】従来の製造方法を説明する模式断面図。
【図6】本発明の製造方法の1実施形態を説明する模式断面図。
【図7】本発明に用いる横方向成長層を説明する模式断面図。
【図8】本発明の製造方法の1実施形態を説明する模式図。
【図9】本発明の製造方法の1実施形態を説明する模式図。
【図10】本発明の製造方法の1実施形態を説明する模式断面図。
【符号の説明】
10・・・・異種基板、 11・・・・下地層、 12・・・・第1の窒化物半導体層、 13・・・・素子構造、 14・・・・第2の窒化物半導体層、 20・・・・溝部、 30・・・・成長層、 40・・・・除去領域、 41,42・・・・亀裂・割れ
Claims (7)
- 窒化物半導体と異なる材料よりなると共に、第1の主面と第2の主面とを有する異種基板の第1の主面上に、少なくとも第1の窒化物半導体層を有する成長層が設けられることで反りを形成する工程と、
前記基板の第2の主面側から前記成長層が露出されない深さで格子状の溝部を形成する工程と、
前記溝部が設けられた基板の第2の主面側から異種基板を除去して、異種基板の厚さを小さくすることで、該溝部の底部から成長層に伸びる亀裂若しくは割れを形成する亀裂形成工程と、
亀裂形成後、前記第2の主面側から異種基板を除去して、成長層を露出させる基板除去工程と、を少なくとも具備してなる窒化物半導体基板の製造方法。 - 前記溝部形成工程において、溝部底部と成長層との間dが、0<d≦50μmであることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記溝部は、異種基板の第1の主面の上に、成長層を形成した後、第2の主面側に異種基板の一部を除去して溝部を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第1の窒化物半導体層の膜厚が50μm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記異種基板の膜厚が、0.3mm以上5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記成長層が、第1の窒化物半導体層の上に、窒化物半導体を積層して素子構造を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記基板除去工程の後、得られた窒化物半導体基板の上に、窒化物半導体を積層して素子構造を形成する素子形成工程を具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子の製造方法。
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