JP3985460B2 - 熱処理炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、未焼成のセラミック素子などの被熱処理物を、所定の雰囲気中で熱処理する場合などに用いられる熱処理炉に関し、特に、そのガス供給管の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミック電子部品などの製造工程において、未焼成のセラミック素子などの被熱処理物を焼成する場合、通常は、バッチ式の熱処理炉やトンネル式の熱処理炉を用いて、炉内に被熱処理物を載置した熱処理匣を多段に積み上げ、被熱処理物の周囲の雰囲気を所定の条件に制御するために、炉内に雰囲気ガスを供給しながら熱処理を行う。
【0003】
図5(a)、(b)は、炉床回転式のバッチ式熱処理炉1の断面構造および炉内に雰囲気ガスを供給している状態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。バッチ式熱処理炉1は、炉本体2と、炉本体下部に設けられた炉床3と、炉本体2内部に固定された2本のヒータ4、4と、炉本体2の上部から略鉛直方向に挿入された2本のガス供給管5、5と、同じく炉本体2の上部から略鉛直方向に挿入されたガス排気管6と、を備え、炉床3の回転床3aには、被熱処理物を載置した匣7が多段に積み上げられている。なお、炉本体2内部の焼成空間の周りには断熱材8が取りつけられている。
【0004】
ガス供給管5は、図6に示すように、ガス供給管5の長さ方向に沿って略全長に複数のガス噴出口9が設けられており、ガス噴出口9が匣7に向くように炉内に配設される。通常、ガス供給管5は匣7の周囲に複数本配設され、図5(a)、(b)に矢印で示すように、周囲から匣7に向かって雰囲気ガスが供給される仕組みになっている。
【0005】
すなわち、図示されていないガス供給装置から雰囲気ガスが所定の圧力をもってガス供給管5に供給されると、ガス噴出口9からは、室温で数m/sに達する速度で雰囲気ガスが噴出される。この雰囲気ガスが、炉内の遠方や積み上げられた匣7の隙間に入りこむことにより、雰囲気の偏りが防止され、均一な雰囲気中で熱処理が行われる。なお、炉床3の回転床3aの回転によっても、被熱処理物とガス供給管5の相互位置が変化し、被熱処理物に対する雰囲気ガスの噴出状態に偏りが生じるのを抑制している。
【0006】
【発明が解決しようする課題】
従来の熱処理炉1では、ガス供給管5のガス噴出口9から数m/s程度の噴出ガス流速を得るためには、1本のガス供給管5に20〜50LMものガスを供する必要がある。ガス供給管5へのガス供給量が多いと、雰囲気ガスが流れこむガス供給管5開口部5a近傍の温度が低下し、ガス供給管5先端部5bとの温度差が大きくなり、熱膨張の差により、ガス供給管5が折損しやすかった。
【0007】
焼成途中に少なくとも一本のガス供給管5が折損すると、折損部より雰囲気ガスが放出してしまうため、他のガス供給管5は、圧力低下が生じてガス噴出口9から雰囲気ガスが噴出されなくなる。その結果、匣7内部への雰囲気ガスの供給不足から、焼成後の被熱処理物の特性に不良が発生したり、バラツキが大きくなるという問題があった。
【0008】
さらに、上述のように、従来のガス供給管5は折損しやすく、そのライフは約半年であり、ガス供給管5の頻繁な取替えは、焼成コストアップの要因となっていた。
【0009】
この発明の目的は、ガス供給管のライフを向上させ、焼成による特性不良、ばらつきを低減し、さらに焼成コストを削減した熱処理炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる熱処理炉は、内部に熱処理空間を有する炉本体と、前記炉本体下部に設けられた炉床と、前記炉本体内部に設けられたヒータと、前記炉本体内部に略鉛直方向に挿入された2本以上のガス供給管と、同じく前記炉本体内部に挿入されたガス排気管と、を備え、前記2本以上のガス供給管は、それぞれ長さ方向の略全領域が長さ方向に2以上の領域に分割され、そのいずれかの領域にガス噴出口が形成されており、前記2本以上のガス供給管によるガス噴出領域は、少なくとも炉床の上に配置された被熱処理物の全高さ領域を含むことを特徴とする。
【0011】
前記2本以上のガス供給管は、分割されたそれぞれの領域にガス噴出口が形成されたガス供給管を一組として、炉内に配設され、前記一組のガス供給管によるガス噴出領域は、少なくとも炉床の上に配置された被熱処理物の全高さ領域を含むことが好ましい。
【0012】
例えば、2本のガス供給管をそれぞれ長さ方向に上下2つの領域に分割し、それぞれ上下いずれかの領域にガス噴出口を形成し、その2本のガス供給管を1組として用いることにより、略全長にガス噴出口が形成された1本のガス供給管と比較して、ガス噴出速度および全体のガス供給量を維持しつつ、ガス供給管1本あたりのガス供給量を1/2に低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の1つの実施の形態について、図1、図2を用いて説明する。ただし、従来例のバッチ式熱処理炉1と同一のものについては同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0014】
図1(a)、(b)は、炉床回転式のバッチ式熱処理炉11の断面構造および炉内に雰囲気ガスを供給している状態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。バッチ式熱処理炉11は、炉本体2と、炉本体下部に設けられた炉床3と、炉本体2内部に固定された2本のヒータ4と、炉本体2の上部から略鉛直方向に挿入された4本のガス供給管15、16、15、16と、同じく炉本体2の上部から略鉛直方向に挿入されたガス排気管6と、を備え、炉床3の回転床3aには、被熱処理物を載置した匣7が多段に積み上げられている。
【0015】
ガス供給管15、16は、高純度緻密質アルミナからなり、図2に示すように、一端が雰囲気ガス供給口15a、16aとして開口し、他端である先端部15b、16bが閉塞された筒状構造を有している。ガス供給管15、16の外径は20mm、内径は15mm、長さは75mmである。
【0016】
ガス供給管15とガス供給管16とは、筒状部におけるガス噴出口9の形成領域が異なっている。すなわち、ガス供給管15は、長さ方向に2つの領域に分割した下半部にガス噴出口9が形成され、ガス供給管16は、上半部にガス噴出口9が形成されている。ガス噴出口9の直径は0.5mm、ピッチは1mmである。
【0017】
そして、ガス供給管15とガス供給管16各1本ずつを一組として、計4本二組が、それぞれ匣7を挟んで対向するように炉内に配設される。これにより、図1(a)、(b)に矢印で示すように、匣7の周囲から匣7の全高さ領域に雰囲気ガスが供給される。
【0018】
すなわち、バッチ式熱処理炉11では、従来のバッチ式熱処理炉1で用いていた1本のガス供給管5のガス噴出領域を上下2分割し、それぞれ2本のガス供給管15、16に別々にガス噴出領域を形成している。これにより、ガス供給管15、16、1本あたりのガス噴出領域が従来例の1/2となり、全体のガス供給量を維持しつつ、従来の1/2のガス流量で従来どおりのガス噴出速度を得ることができる。
【0019】
上記実施例によれば、ガス供給管15、16、1本当たりのガス流量を1/2に低減することにより、ガス供給管のライフは約半年から1.5年〜2年へと飛躍的に向上した。
【0020】
なお、上記実施例においては、ガス供給管15、16の材質は、高純度緻密質アルミナに限らず、熱処理炉の温度と雰囲気に耐え得る材質であれば、SiCなどの他のセラミック材料、あるいはインコネルなどの金属質でも可能であるが、熱膨張差で折損しやすいセラミック製のガス供給管に特に有効である。
【0021】
また、上記実施例において、ガス噴出口9は、直径0.5mmの円形、ピッチは1mmとしたが、被熱処理物の周囲の雰囲気を所定の条件に制御できる範囲で、ガス噴出口の形状やピッチを任意に選択することができる。例えば、ガス噴出口の孔形状はスリット状や楕円形状であってもよい。
【0022】
また、上記実施例においては、従来例の1本のガス供給管5に形成されたガス噴出領域を上下に2分割し、2本のガス供給管15、16にそれぞれガス噴出領域を設けているが、より多数の領域に分割して、より多数のガス噴出領域を設けてもよい。例えば、図3に示す他の実施例は、従来例の1本のガス供給管5に形成されたガス噴出領域を上中下に3分割し、3本のガス供給管17、18、19にそれぞれのガス噴出領域を設け、この3本のガス供給管17、18、19を一組として用いるものである。これによれば、ガス供給管17、18、19、1本あたりのガス流量は従来例のガス供給管5の1本あたりのガス流量の1/3に低減される。
【0023】
さらに、この発明は、上記実施例であるバッチ式焼成炉に限定されるものではなく、図4に示すように、連続式炉に用いてもよい。
【0024】
【発明の効果】
この発明によれば、2本以上のガス供給管を、それぞれ長さ方向に2以上の領域に分割し、そのいずれかの領域にのみガス噴出口を形成し、それぞれ異なる領域にガス噴出口が形成された複数のガス供給管を一組として炉内に配設することにより、長さ方向の略全領域にガス噴出口を形成した従来のガス供給管1本と比較して、ガス噴出口からのガス噴出速度および全体のガス流量を維持しつつ、ガス供給管1本あたりのガス供給量を低減することができる。
【0025】
これにより、ガス供給管のライフを向上させ、焼成における特性不良、ばらつきを低減し、さらに焼成コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施の形態の熱処理炉を示しており、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図2】図1の熱処理炉に用いられるガス供給管を示す斜視図である。
【図3】この発明の他の実施の形態に係るガス供給管を示す斜視図である。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る熱処理炉を示す概略図である。
【図5】従来例の熱処理炉を示しており、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図6】図5の熱処理炉に用いられるガス供給管を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 バッチ式熱処理炉
2 炉本体
3 炉床
4 ヒータ
15、16、17、18、19 ガス供給管
6 ガス排気管
7 匣
9 ガス噴出口
Claims (2)
- 内部に熱処理空間を有する炉本体と、前記炉本体下部に設けられた炉床と、前記炉本体内部に設けられたヒータと、前記炉本体内部に略鉛直方向に挿入された2本以上のガス供給管と、同じく前記炉本体内部に挿入されたガス排気管と、を備え、
前記2本以上のガス供給管は、それぞれ長さ方向の略全領域が長さ方向に2以上の領域に分割され、そのいずれかの領域にガス噴出口が形成されており、
前記2本以上のガス供給管によるガス噴出領域は、少なくとも炉床の上に配置された被熱処理物の全高さ領域を含むことを特徴とする熱処理炉。 - 前記2本以上のガス供給管は、分割されたそれぞれの領域にガス噴出口が形成されたガス供給管を一組として、炉内に配設され、前記一組のガス供給管によるガス噴出領域は、少なくとも炉床の上に配置された被熱処理物の全高さ領域を含むことを特徴とする請求項1記載の熱処理炉。
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JP2001090298A Expired - Lifetime JP3985460B2 (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 熱処理炉 |
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