JPH0643133Y2

JPH0643133Y2 - 連続焼結炉

Info

Publication number: JPH0643133Y2
Application number: JP1987021555U
Authority: JP
Inventors: 良一原田; 博若井
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1987-02-17
Filing date: 1987-02-17
Publication date: 1994-11-09
Anticipated expiration: 2002-02-17
Also published as: JPS63131726U

Description

【考案の詳細な説明】「産業上の利用分野」本考案は連続焼結炉に係わり、特に雰囲気ガス供給コス
トが低減できるものに関する。

「従来の技術」第４図は、この種の連続焼結炉の概略構成を示すもので
ある。

図中符号１は耐熱材料で構成された炉本体であり、この
炉本体１の内部は、予焼室２、本焼室３、ならびに徐冷
室４の３室に仕切られ、図示しないヒータによりそれぞ
れ加熱されるようになっている。また、炉本体１内に
は、前記３つの室内を通してワーク（圧粉体）を移送す
るためのベルトコンベア５が設けられており、この上に
ワークを載せて予焼室２→本焼室３→徐冷室４と通過さ
せることにより、焼結が行なわれるようになっている。

また、前記本焼室３内には、図示しないガス供給源に接
続された複数のインレットパイプ６が天井面から突き出
されており、これらインレットパイプ６の先端にはノズ
ル７がそれぞれ取り付けられている。これらノズル７
は、第５図に示すように下端がふさがれた円筒形をして
おり、その外周面には一定幅のスリット８が等間隔で多
数形成されている。そして、焼結作業時には、これらノ
ズル７のスリット８…から本焼室３内に還元性ガス等の
雰囲気ガスを導入することにより、ワークの酸化を防ぐ
とともに、ワークに含まれる潤滑剤が予焼室２内で燃焼
して生じる不純ガスを炉外へ吹き流すようにしている。
これは、不純ガスが本焼室３内に流入すると、ワークに
含まれる炭素と反応して、焼結体の炭素量を一定とする
こと（カーボンコントロール）を困難にし、焼結体の物
性を低下させるためである。

「考案が解決しようとする問題点」しかし、上記のような連続焼結炉にあっては、予焼室２
内で生じた不純ガスを炉外へ完全に排出するのにかなり
の量の雰囲気ガスが必要であり、ガス供給に要するコス
トが高いという問題があった。本考案は、上記問題点に
鑑みてなされたものであり、従来と同じ総量の雰囲気ガ
スで、予焼室で発生する不純ガスを効率良く炉外へ排出
できて、ガス供給に要するコストを低減できる連続焼結
炉を提供することを目的としている。

「問題点を解決するための手段」本考案は上記の問題を解決するためになされたもので、
本焼室内に設置されたノズルを、徐冷室側よりも予焼室
側に向けて開口する部分の面積が大きい形状としたこと
を特徴とする。

「実施例」以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は一実施例の連続焼結炉の要部を示す断面図で、
10は炉本体１の本焼室３の天井壁、11は天井壁10に貫通
支持されたインレットパイプ、12はインレットパイプ11
の先端に取り付けられたノズルである。

これらノズル12…は、先端がふさがれた円筒形をしてお
り、その外周面には上下方向に延びる多数の開口として
のスリット13…が形成されている。これらスリット13同
士の間隔は、予焼室側（図面左側）で狭く、徐冷室側
（右側）で広くされており、よってノズル12の開口面積
は徐冷室側よりも予焼室側で大きくなっている。なお、
この開口面積の差は、焼結時における予焼室および徐冷
室内の条件を考慮して決定されている。

このような構成からなる連続焼却炉にあっては、インレ
ットパイプ11に還元性ガスが供給されると、このガスは
スリット13…が密に形成された予焼室側により多く流出
する。したがって、徐冷室よりも予焼室へと流れ込むガ
ス量が多く、予焼室で発生する不純ガスを効率良く炉外
へ排出することができるので、予焼室と徐冷室に同量の
ガスを流していた従来の焼結炉に比べ、ガス供給コスト
を低減することが可能である。

なお、以上の実施例ではノズルの開口面積を任意には変
更できないが、第２図のように変更可能な構成とするこ
ともできる。

この実施例では、先端がふさがれ下端部の外周面に多数
のスリット20…が等間隔に形成された円筒形のスリーブ
21を天井壁10に貫通支持し、このスリーブ21内に、スリ
ーブ21の内径よりも若干外径の細いインレットパイプ22
をスリット20の手前まで挿入し、さらにこれらスリーブ
21とインレットパイプ22の間隙に、一対の樋状シャッタ
23,23を摺動可能のに収納したものである。これらシャ
ッタ23,23は、その一方がインレットパイプ22の予焼室
側の側面を、他方が徐冷室側の側面を覆うように位置決
めされている。そして、各シャッタ23の上端部には、上
下方向に延びるラック部材24が取り付けられ、さらに、
手動操作されるピニオン25がこれらラック部材24とそれ
ぞれ噛み合わされている。そして、これらピニオン25,2
5を適宜回転することにより、シャッタ23,23を上下に移
動させ、第３図に示すように、予焼室側と徐冷室側のそ
れぞれのスリット20…の開口面積を個別に増減させるこ
とができるようになっている。上記説明から明らかなよ
うに、一対のシャッタ23,23、ラック部材24,24およびピ
ニオン25,25等により、ノズルの予焼室側と徐冷室側の
それぞれの開口の面積を個別に増減させるシャッタ機構
が構成されている。

このような連続焼結炉によれば、ピニオン25,25を適宜
回転するだけで、予焼室で発生する不純ガス量等に応じ
て予焼室側および徐冷室側へのガス供給比を微妙に調節
することができ、前記実施例よりもいっそうガス供給効
率を向上させることができる。また、予焼室および徐冷
室側へ向うガス流量を、焼結する物品の処理量の大小に
応じて、個別に調整することにより、ガス消費量が嵩ま
ない。

なお、ノズルの開口面積を調節する方法としては、以上
２種のみに限られず、他にも種々の変更が可能である。

「考案の効果」以上説明したように、本考案の連続焼結炉では本焼室内
のノズルの開口面積が徐冷室側よりも予焼室側に向けて
大きくされているので、予焼室へと流れ込むガス量が相
対的に多く、予焼室で発生した不純ガスを炉外へ効率良
く排出することができる。したがって予焼室および徐冷
室のそれぞれに同量のガスを流していた従来の焼結炉に
比べ、ガス供給量が少なくて済み、運転コストを低減す
ることが可能である。また、単に、ワーク搬送方向上流
側のみに向けて雰囲気ガスを流した場合には、出炉側の
ガスが外気圧に押されて、ワークがより高温状態で大気
に接し、表面の酸化による不良品を発生したり、また、
予焼室（脱ろう部）でワーク表面が脱炭しやすい。この
ような不具合を阻止するため、すなわちワーク表面の酸
化防止やワークを徐冷室でのガス雰囲気で浸炭（復炭）
させるために、本考案のように、徐冷室側にも雰囲気ガ
スを供給すると極めて有効である。さらに、ガス流量を
調節するのに高価なバルブを使用せず、ノズルの形状を
工夫するだけで済み、コストが嵩まない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の連続焼結炉の要部の断面
図、第２図は他の実施例の要部の断面図、第３図は同要
部の一部分の正面図である。また、第４図は従来の連続焼結炉を示す概略図、第５図
は同焼結炉の要部の断面図である。１…炉本体、10…天井壁、 11…インレットパイプ、12…ノズル、 13…スリット、21…スリーブ、 22…インレットパイプ、23…シャッタ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】互いに隣接して設けられた予焼室、本焼
室、ならびに徐冷室を有し、前記本焼室内に設置された
ノズルから本焼室を経て予焼室および徐冷室のそれぞれ
に雰囲気ガスを供給しつつ、各室内に順にワークを移送
してこれを焼結する連続焼結炉において、前記ノズルを、徐冷室側よりも予焼室側に向けて開口す
る面積が大きい形状としたことを特徴とする連続焼結
炉。
【請求項２】前記ノズルの、前記予焼室側と前記徐冷室
側のそれぞれの開口の面積を、個別に増減させるシャッ
タ機構を備えている実用新案登録請求の範囲第１項に記
載の連続焼結炉。