JP3985435B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機、特に、信号によって操作される空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気清浄機等の空気調和機は、例えばリモコンによって操作され、運転オン/オフ、風量切換、運転モード切換等の各種制御を行なうことができるようになっている。そして、リモコンからの制御信号を空気調和機本体が受信する度に「ピッ」あるいは「ピッピッ」という音を発生させて、リモコンの操作者に本体が制御信号を受信したことを知らせるようになっている。このように受信音を発する必要があるのは、テレビ等とは異なり、空気調和機ではリモコンの操作者は信号受信を視覚的に確認できないためである。
【0003】
従来の空気調和機では受信音は信号受信の度に必ず発生するため、夜間運転等の音が気になる状況では、受信音を耳障りに感じることがある。特に、空気調和機は、テレビ等とは異なり、就寝中にも使用され得るため、受信音によって他の者の就寝が妨げられる場合がある。そこで、受信音を発生しない使用態様を選択することができるよう、マイクロコンピュータとブザーとの間に設定スイッチが設けられた空気調和機が既に提案されている。設定スイッチは、予めブザーにより音を発生させるか音を発生させないかの二者択一の選択設定を機械的に行うものである。設定スイッチは、工場出荷時には予め音を発生させるよう設定されているが、ユーザは、設定スイッチによりブザーを無効状態に設定することができる。ブザーが無効状態にされると、マイクロコンピュータからブザーを駆動させるための信号が送信されてもブザーが駆動しないため、空気調和機は無音状態で運転される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、手動によりブザーの有効・無効を設定する構成では、状況に応じてブザーの有効・無効を切り換えたい場合に不便である。例えば、夜間運転時には無音にしておきたいが昼間の運転には受信音が発生するようにしておきたい場合には、設定スイッチを日に数回操作しなければならない。
【0005】
本発明の課題は、リモコンからの信号を受けて受信音を発生する空気調和機において、煩雑な設定操作を行うことなく受信音による不都合を解消することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和機は、空気調和機本体と、第1報知装置と、制御手段と、第2報知装置とを備えている。空気調和機本体は、リモコンから送られる信号によって操作される。第1報知装置は、本体がリモコンからの信号を受信すると音を発生することが可能である。制御手段は、リモコンからの信号が受信された場合に第1報知装置を駆動するための駆動信号を第1報知装置に向けて送る制御手段であって、オフされている場合は駆動信号を第1報知装置に送ることが可能であり、オンされている場合は第1報知装置への駆動信号を遮断する無効スイッチを有し、無効スイッチがオフされることで自動設定状態となっている場合は、本体の風量にしたがって第1報知装置の有効・無効を自動的に設定する。第2報知装置は、第1報知装置が無効に設定された状態で本体が信号を受信すると、信号受信を視覚的に知らせる。
【0007】
この装置では、第1報知装置の有効・無効は、制御手段により自動的に設定されるため、ユーザによる設定が不要になる。すなわち、第1報知装置は、ユーザが第1報知装置の設定に関与しなくても、必要に応じて有効または無効に設定される。
【0008】
また、この装置では、第1報知装置が無効のときに本体が信号を受信すると、第2報知装置が信号受信を視覚的に知らせるため、ユーザは、受信音による弊害を受けずに信号が受信されたことを確認できる。
【0009】
請求項2に記載の空気調和機では、請求項2において、制御手段は本体が少なくとも最弱運転状態のときに第1報知手段を無効に設定する。
【0010】
最弱運転状態は受信音の発生が好ましくない夜間等に選択されるが、このとき、第1報知手段は制御手段により無効に設定されるため、受信音が発生することによる弊害が解消される。
【0011】
請求項3に記載の空気調和機は空気調和機本体と報知装置とを備えている。空気調和機本体は信号によって操作される。報知装置は、本体の運転状態にしたがって、本体が信号を受信するときに音を発生する第1設定状態と、本体が信号を受信するときに音を発生せず光を変化させる第2設定状態とで自動的に切換可能である。
【0012】
この装置では、受信音によって信号受信を確認したい場合は報知装置を第1設定状態に設定することができ、受信音による弊害を避けたい場合は報知装置を第2設定状態に設定して光の変化により信号受信を確認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1に本発明の一実施形態が採用された、空気の状態表示機能付空気清浄機1(以下、単に空気清浄機1という)を示す。空気清浄機本体2の最前面には前面パネル3が配置されており、この前面パネル3を通して空気清浄機本体2内へ空気を吸い込むようにしている。
【0015】
空気清浄機本体2の前面には凹部が形成されており、この凹部内に、比較的大きなごみや塵を除去するためのプレフィルタ4と、プレフィルタ4では取りきれない微小ほこりをプラスに帯電させるためのイオン化部5と、プラズマ集塵と光触媒の役割を有するロールフィルタ6と、2枚の光触媒7とが収容されている。空気洗浄機本体2には、送風ファン60(図2参照)が設けられている。前面パネル3から吸い込まれた室内空気は、プレフィルタ4、イオン化部5、ロールフィルタ6、光触媒7及び送風ファン60を通って浄化された後、空気清浄機本体2の上部に設けられた吹き出し(図示せず)から吹き出される。
【0016】
空気清浄機本体2下部の前面には、各種操作スイッチや各種表示部を備えた操作表示パネル10が配置されている。
【0017】
この操作表示パネル10の一端部には、給気口(図示せず)が開口されており、室内空気は給気口を通して汚れセンサとしての粉塵センサ55及びガスセンサ56(ともに図2参照)に供給される。
【0018】
図3に操作表示パネル10を示す。操作表示パネル10には、運転切換・停止スイッチ11と、各種表示手段12〜15,17,18,21〜23,26〜29と、リセットスイッチ19と、リモコン受信部61とが配置されている。運転切換・停止スイッチ11は、押すごとに「停止」→「自動運転」→「静か運転」→「弱運転」→「標準運転」→「強運転」→「停止」の順に切り換わる。ハイパワーターボ表示灯12はハイパワーターボモードで短時間で空気の清浄化を行う場合に点灯する。花粉モード表示灯14は、花粉モードで風量に変化を与えて花粉を捕獲し易くする場合に点灯する。切タイマ設定表示灯15は、切タイマ設定時間が1時間、2時間、4時間のいずれかである場合に点灯する。
【0019】
イオン化部清掃サイン表示灯17はイオン化部5の汚れがひどくなると点滅する。フィルタカット表示灯18はロールフィルタ6の交換時期になると点灯する。
【0020】
風量表示部21は、風量の大きさを、例えば、「静か」、「弱」、「標準」、「強」の複数段階で表示する。自動運転表示灯22は自動運転時に点灯する。省エネ運転表示灯23は省エネ運転時に点灯する。
【0021】
バックライト表示部26と点灯表示部27は、粉塵センサ55で検知した空気の汚れ度を表示するための表示手段である。バックライト表示部26は、色の変化によりユーザに室内の空気中の粉塵量を知らせる。点灯表示部27は、バックライト表示部26の下方に横に並んで配置されており、例えば「汚れている」から「きれい」までを5段階で表示する。点灯表示部27の各点灯部は、操作表示パネル10に形成された光透過性の窓部と、窓部の裏側に配置されたLEDとから構成されている。
【0022】
バックライト表示部28と点灯表示部29は、ガスセンサ56で検知した空気の汚れ度を表示するための表示手段である。バックライト表示部28は色の変化によりユーザに室内の空気中の臭いを知らせる。点灯表示部29は、バックライト表示部28の下方に横に並んで配置されており、例えば「汚れている」から「きれい」までを5段階で表示するための表示装置であり。点灯表示部29の各点灯部は、操作表示パネル10に形成された光透過性の窓部と、窓部の裏側に配置されたLEDとから構成されている。
【0023】
バックライト表示部26,28は、内部に複数のLED(例えば、緑色3,赤色6)を有し、各LEDに供給する電流を段階的に変化させることで、緑・黄・橙・赤等の色を表示することが可能である。
【0024】
リセットスイッチ19はロールフィルタ6をカットしたときに細い棒等で押すためのスイッチである。
【0025】
図2に空気清浄機1の主たる電気的構成を示す。空気清浄機1の動作は、CPUやメモリからなるマイクロコンピュータ53により制御される。このマイクロコンピュータ53には、粉塵センサ55及びガスセンサ56により検出された空気の汚れ度合いを表す信号と、運転切換・停止スイッチ11からの切換信号と、後述するリモコン62からリモコン受信部61を介して送られる各種操作信号と、リセットスイッチ19からのリセット信号とが送られる。
【0026】
粉塵センサ55は埃等の粒子を検出するためのセンサである。粉塵センサ55は、公知の光電式のセンサであり、内部に素子及び受光素子が収容されることにより受光素子の受光量に基づいて信号を出力するようになっている。ガスセンサ56は、臭いの原因となるガス成分を検出するためのセンサである。粉塵センサ55及びガスセンサ56はセンサ駆動回路54によって駆動される。
【0027】
ブザー91は、マイクロコンピュータ53から駆動信号を受けてブザー音を発生するための装置である。マイクロコンピュータ53は、通常、リモコン62からの各種制御信号を受信すると、受信が行われたことをリモコン操作者に知らせるためにブザー91を駆動する。マイクロコンピュータ53とブザー91との間には無効スイッチ92が配置されている。無効スイッチ92はブザー91の有効・無効を機械的に切換可能なスイッチである。無効スイッチ92は、空気清浄機本体2からブザー駆動信号が送られると、オフされて有効状態となっている場合には駆動信号をそのままブザー91に送り、オンされて無効状態となっている場合にはブザー駆動信号を遮断する。
【0028】
図4に空気清浄機本体2を遠隔操作するためのリモコン62を示す。リモコン62は、空気清浄機本体2に設けられたリモコン受信部61(図2及び3参照)に所定の信号を送る機能を有している。リモコン62には各種スイッチ63〜69が設けられている。運転・停止スイッチ63は空気清浄機本体2の運転・停止を切り換えるためのスイッチである。光運転モニタスイッチ64は操作表示パネル10のモニタをオン・オフするためのスイッチである。省エネ自動スイッチ65は自動運転状態をオン・オフするためのスイッチである。手動(風量)スイッチ66は、「静か運転」→「弱運転」→「標準運転」→「強運転」→「静か運転」の順に風量を切り換えるためのスイッチである。ハイパワーターボスイッチ67はハイパワーターボ動作をオン・オフするためのスイッチである。花粉モードスイッチ68は花粉モードをオン・オフするためのスイッチである。切タイマスイッチ69は運転タイマの切れる時間の設定・切換を行うためのスイッチである。
【0029】
リモコン62により空気清浄機本体2が自動運転に設定されると、マイクロコンピュータ53は、粉塵センサ55またはガスセンサ56が検出した空気の汚れ度に応じて、モータ駆動回路58に制御信号を送る。すると、モータ59(図2参照)が駆動され、送風ファン60が所望の回転数で回転する。このように、送風ファン60の風量が調整される(風量の調整には送風ファン60の停止も含まれる)ことで集塵能力が調整される。すなわち、自動運転では、空気が汚れているときは大きい風量で集塵能力を上げ、空気の汚れが少なくなるにつれ段階的に風量を下げて集塵能力を下げ、空気がきれいなときは送風ファン60を停止して集塵を停止するようにしている。
【0030】
リモコン62により空気清浄機本体2が手動運転に設定されて風量が切り換えられると、マイクロコンピュータ53はモータ駆動回路58に制御信号を送る。すると、モータ59が駆動されて送風ファン60が所望の回転数で回転し、これにより、設定に応じた風量が得られる。
【0031】
マイクロコンピュータ53は表示制御回路57に制御信号を送る。表示制御回路57は、マイクロコンピュータ53からの制御信号に応じて、バックライト表示部26,28、点灯表示部27,29及び他の表示部12〜15,17,18,21〜23を点灯・消灯させることにより必要な表示を行う。特に、バックライト表示部26,28は、空気の汚れ度に応じて緑・黄・橙・赤のいずれかに点灯される。
【0032】
図5に、空気清浄機本体2がリモコン62からの制御信号を受信したときの割り込み制御動作のフローを示す。ステップS1では、空気清浄機本体2が「静か運転」(本実施形態における最弱運転)であるか否かが判断される。
【0033】
「静か運転」であると判断した場合は、ステップS2に移行し、ブザー91に駆動信号が送られる代わりに例えば風量表示部21等が5秒間点滅する。すなわち、「静か運転」の場合は、ブザー91が駆動せずに信号受信が視覚的に報知され、これにより、静寂性が達成される。S2に続いて、ステップS3では制御信号に応じて風量設定等が変更される。
【0034】
一方、「静か運転」でないと判断した場合は、ステップS4に移行し、ブザー91にブザー駆動信号が送られる。このとき、ブザー無効スイッチ92がオンされている場合は、駆動信号が遮断されるためブザー91は鳴らず、一方、ブザー無効スイッチ92がオフされている場合は、駆動信号が送られてブザー91が鳴る。すなわち、ブザー無効スイッチ92がオフされている場合であって「静か運転」でない場合にのみ、リモコン62操作時にブザー音が鳴る。
【0035】
したがって、ブザー無効スイッチ92がオンされているか、またはブザー無効スイッチ92がオフされていても「静か運転」中である場合には、ブザー無効であるとしてブザー無効設定が維持され、ブザー91で受信音が発生しない。
【0036】
以上に述べた動作をまとめて説明すると、ユーザは、ブザー無効スイッチ92をオンにしておくことにより、リモコン62の操作による受信音を聞くことがなくなる。また、ユーザは、ブザー無効スイッチ92をオフにしておくことにより、ブザー91の有効・無効を自動設定状態にすることができる。この自動設定状態では、ユーザは、ブザー無効スイッチ92の存在を意識しなくても「静か運転」のときにはブザーが無効となり、それ以外の運転中ではブザーが有効になる。
【0037】
[他の実施形態]
(a)前記実施形態では、ブザー無効判定がされた場合ブザーが鳴らずに表示部が点滅していたが、表示部の点滅が不要であれば、単にブザーを鳴らさない構成であってもよい。
【0038】
(b)前記実施形態では、風量最弱の「静か運転」の場合にのみ受信音を発生しなかったが、他の運転状態の場合にも受信音を発生しないようにしてもよい。
【0039】
(c)前記実施形態では、運転状態によりブザー有効・無効判定を行っていたが、例えば運転時間帯や他の条件によりブザー有効・無効判定を行うようにしてもよい。
【0040】
(d)本発明は、いわゆる空気清浄機のみでなく、エアコン等の他の空気調和機に用いることもできる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る空気調和機によれば、制御手段によって自動的に第1報知装置の有効・無効が設定されるため、ユーザが第1報知装置の設定に関与しなくても必要に応じて第1報知装置は有効または無効に設定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空気清浄機の分解斜視図。
【図2】 空気清浄機の概略電気ブロック図。
【図3】 操作表示パネルの正面図。
【図4】 リモコンの正面図。
【図5】 空気清浄機本体がリモコンから操作信号を受信したときの割り込み制御用動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 空気清浄機
2 本体
53 マイクロコンピュータ
91 ブザー
92 無効スイッチ
Claims (3)
- リモコン(62)から送られる信号によって操作される空気調和機本体(2)と、
前記本体が前記リモコンからの信号を受信すると音を発生することが可能な第1報知装置(91)と、
前記リモコンからの信号が受信された場合に前記第1報知装置を駆動するための駆動信号を前記第1報知装置に向けて送る制御手段(53)であって、オフされている場合は前記駆動信号を前記第1報知装置に送ることが可能であり、オンされている場合は前記第1報知装置への駆動信号を遮断する無効スイッチ(92)を有し、前記無効スイッチがオフされることで自動設定状態となっている場合は、前記本体の風量にしたがって前記第1報知装置の有効・無効を自動的に設定する前記制御手段と、
前記第1報知装置が無効に設定された状態で前記本体が信号を受信すると、信号受信を視覚的に知らせる第2報知装置(21)と、
を備えた空気調和機。 - 前記制御手段は前記本体が少なくとも最弱運転状態のときに前記第1報知装置を無効に設定する、請求項1に記載の空気調和機。
- 信号によって操作される空気調和機本体と、
前記本体の運転状態にしたがって、前記本体が信号を受信するときに音を発生する第1設定状態と、前記本体が信号を受信するときに音を発生せず光を変化させる第2設定状態とで自動的に切換可能な報知装置(91,21)と、
を備えた空気調和機。
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