JP3982395B2 - ロードポート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置におけるロードポートに係わり、とくにドアの開閉速度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロードポートにおいては、載置したキャリアのドアを開く場合に、ドアを横方向に移動させてキャリアのドア面から離し、さらに下方向に移動させるようにしているが、横方向の移動が高速であると、フロントエンド内のファンフィルタユニット(FFU)からのダウンフローに乱流を生じて、キャリア内にエアを巻き込み、パーティクル(異物微粒子)で汚染されるため、ドア開速度を遅くする必要があり、サイクルタイムが伸び、スループットが低下するなどの問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−165876号公報
この文献には、基板処理装置におけるケース本体と蓋とが互いに近接して閉じる方向に移動される際は、ケース本体と蓋との距離の減少に応じて近接速度を遅くし、互いに離反して開く際は、距離の増大に応じて離反速度を速くする制御手段をそなえることが示されており、その制御手段として、ドアを移動させるエアシリンダに上限位置、下限位置および中間位置を検出する磁気センサをそれぞれ設け、磁気センサからの検出信号によりエアシリンダのバルブを切り換えるようにしている。
【0004】
【特許文献2】
特開2000−357641号公報
この文献には、クリーンルーム設備において、中間室のクリーンルーム側にロードポートの駆動室が配設され、この駆動室と中間室との連通口にエアカーテンを常時形成させるとともに、ロードポートのカバー内にエアシャワーを設け、上昇移動する蓋にエアを噴射させることにより、ロードポート内の塵埃が中間室やキャリアに入ることを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、キャリアのドアを移動させるエアシリンダの速度を切り換えるためには、シリンダの位置検出センサを多数箇所に設ける必要があり、コスト高になるだけでなく、とくに中間の切り換え位置検出センサは、パーティクルの巻き込みを防ぎサイクルタイムを短縮させる位置に調整する必要があり、多くの手数と時間を要していた。また、コントローラの外部にセンサを設置するため、保守性に問題があり、作業者が位置調整を行うので、微調整が難しく、判断ミスが発生するなどの欠点があった。
また、エアカーテンやエアシャワーを設ける場合は、コストが高くなり、ロードポート内の設備も繁雑になる。
【0006】
本発明は、速度切り換えのためのセンサを省き、短時間で効率的にドアの開速度を最適に調整できるとともに保守性に優れたロードポートを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、半導体ウエハを収納するキャリアのドアを開閉するためのドア部と、前記ドア部を駆動するドア駆動装置と、前記ドア部が閉位置から開位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を低速から高速へと変更する切り換え手段と、を備え、前記所定位置は、前記閉位置からの時間経過によって設定されるロードポートにおいて、
前記低速移動の速度Vdは、前記ドア部の上方から流れるダウンフローの流速Vfと、
前記閉位置から前記所定位置までのストロークXと、前記キャリアのドアの高さHと、に基づいて決定されることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、半導体ウエハを収納するキャリアのドアを開閉するためのドア部と、前記ドア部を駆動するドア駆動装置と、前記ドア部が閉位置から開位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を低速から高速へと変更する切り換え手段と、を備え、前記所定位置は、前記閉位置からの時間経過によって設定されるロードポートにおいて、前記低速移動の速度Vdは、前記ドア部の上方から流れるダウンフローの流速Vfと、前記閉位置から前記所定位置までのストロークXと、前記キャリアのドアの高さHと、から、Vd=(Vf・X)/Hで決定されることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前記ドア部が前記開位置から前記閉位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を高速から低速へと変更する切り換え手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例を示す側面図で、ドア開閉装置は横方向移動の機構のみを示している。1は半導体処理装置に半導体ウエハを供給するロボットなどの自動搬送装置をそなえたフロントエンド、2はフロントエンドに接続されたロードポート、3はロードポート1に載置されたFOUPなどのキャリア、4はキャリアのドア、5はフロントエンドの天井に設置されたファンフィルタユニット(FFU)、6はドア4を開閉するドア駆動装置たとえばエアシリンダ、7はドア駆動装置6とドア4を連結するドア保持部材、8はドア4の閉位置検出センサ、9はドアの開位置検出センサ、10はロードポート本体1に収納された制御装置である。
図2は、ドア駆動装置6の配管接続図で、21、22はエアシリンダ6のエア配管、23はエア配管21、22の一方に設けたソレノイドバルブで、並列接続された低速度配管24と高速度配管25の一方を選択する。26、27は前記低速度配管24と高速度配管25の調整バルブである。
【0009】
ドア4が閉じた状態(図2の状態)では、ドア駆動装置6の閉位置検出センサ8が作動して閉状態の信号を制御装置10に送っている。調整バルブ26、27はあらかじめ低速度配管24のエア流量を少なく、高速度配管25のエア流量を多くするように調整されており、この閉状態でドア4を開く指令が出されると、ソレノイドバルブ23が低速度配管24を選択し、同時に制御装置10内で時間計測を開始する。低速度配管24を通して供給されるエアでドア駆動装置6が操作され、ドア保持部材7を介してドア4をフロントエンド1内の空気をキャリア内に巻き込まない低速で開き、設定された時間t秒後に、制御装置10からの指令でソレノイドバルブ23が低速度配管24を高速度配管25に切り換える。この切り換えによりドア駆動装置6はドア4を高速で移動させ、開位置検出センサ9の検出信号によりドア駆動装置を停止させ、図示しない装置によりドアを下降させる。
【0010】
なお、ソレノイドバルブ23と低速度配管24および高速度配管25の並列配管はエア配管22側に設けてもよく、ドア4を閉めるときはソレノイドバルブ23により高速度配管25を選択したままでもよいが、途中で低速度配管24に切り換えてキャリア3本体との衝撃を少なくするようにしてもよい。
また、ドア駆動装置6はエアシリンダに替えて、他の往復移動装置、とくにDCモータを用いた駆動装置などを使用することができる。
【0011】
つぎに、本発明における好ましい低速度の算出について説明する。
ドア4はキャリア3の閉状態からt秒間、低速度Vdで移動されて高速移動に切り換えられるが、図3において、4はドア、31はキャリア側のドア面、32はFFU5からのダウンフロー、33は速度切り換え位置Xまでの仮想容積部である。仮想容積部33はキャリア3のドア4を開けた影響でキャリア中のパーティクルが排出され、十分に清浄ではないと考えれ、少なくとも速度切り換え位置にドア4が移動するt秒の間に、清浄なダウンフロー32によって清浄なエアに入れ替える必要がある。
このため、フロントエンド1のFFU5で発生するダウンフローの流速をVfと定義し、仮想容積部33をダウンフローで満たすとすれば、そのダウンフローの容積Vvは、
Vv=Vf・(W・X)・t
Wは仮想容積部33(ドア4)の幅
Xは面31から速度切り換え移動までのストローク
が成り立つから、ドア移動時間tを求めると、
t=Vv/(Vf・W・X)
したがって、ドアを開く低速度Vdを、
Hは仮想容積部33の高さ
として求めることができる。
【0012】
つぎに、ドアの開速度である図2における調整バルブ26の調整方法の好ましい例を説明する。
制御装置10に、あらかじめドア4を移動させる低速度の値Vdと、低速度での移動ストロークXを記憶させ、この関係からドアの移動に要する時間tを演算させる。
ドアの開動作を速度の切り換えをせずに低速度で行わせ、移動開始と同時に移動時間、すなわち閉位置検出センサ8の検出信号がオフされてから開位置検出センサ9からの検出信号がオンされるまでの時間を計測する。この計測結果を基にして、あらかじめ演算した時間よりも遅ければ、調整バルブ26を開くように指示を出し、速ければ調整バルブ26を閉めるように指示する。この指示は、それぞれ指示用のLEDを点滅させ、あるいはCRT表示や音響などの方法で行うことができ、高速側の速度も同様にして調整することが可能である。
【0013】
なお、本発明は、スピンスクラバ、HMDSオーブンなど、基板を収納して処理を施すための密閉、半密閉ケースの蓋の開閉に適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
このように第1、第2の発明は、低速移動の速度Vdを、ダウンフローの流速Vf、速度切り換え位置までのストロークX、ドアの高さHの関数で求めることができ、ダウンフローの流速やロードポートに載置するキャリアの形状が変わっても、ドアを移動させる低速度の決定を簡単に行うことが可能で、演算も容易に行うことができる。
また、第3の発明は、ドア4を閉めるときにキャリア3本体との衝撃を少なくすることができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す側面図である。
【図2】ドア駆動装置の配管の例を示す接続図である。
【図3】低速度の算出を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 フロントエンド
2 ロードポート
3 キャリア
4 ドア
5 FFU
6 ドア駆動装置
7 ドア保持部材
8 閉位置検出センサ
9 開位置検出センサ
10 制御装置
21、22 エア配管
23 ソレノイドバルブ
24 低速度配管
25 高速度配管
26、27 調整バルブ
31 キャリア側のドア面
32 ダウンフロー
33 仮想容積部
Claims (3)
- 半導体ウエハを収納するキャリアのドアを開閉するためのドア部と、前記ドア部を駆動するドア駆動装置と、前記ドア部が閉位置から開位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を低速から高速へと変更する切り換え手段と、を備え、前記所定位置は、前記閉位置からの時間経過によって設定されるロードポートにおいて、
前記低速移動の速度Vdは、前記ドア部の上方から流れるダウンフローの流速Vfと、
前記閉位置から前記所定位置までのストロークXと、
前記キャリアのドアの高さHと、に基づいて決定されることを特徴とするロードポート。 - 半導体ウエハを収納するキャリアのドアを開閉するためのドア部と、前記ドア部を駆動するドア駆動装置と、前記ドア部が閉位置から開位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を低速から高速へと変更する切り換え手段と、を備え、前記所定位置は、前記閉位置からの時間経過によって設定されるロードポートにおいて、
前記低速移動の速度Vdは、前記ドア部の上方から流れるダウンフローの流速Vfと、
前記閉位置から前記所定位置までのストロークXと、
前記キャリアのドアの高さHと、から、
Vd=(Vf・X)/H
で決定されることを特徴とするロードポート。 - 前記ドア部が前記開位置から前記閉位置まで移動する際に所定位置で前記ドアの移動速度を高速から低速へと変更する切り換え手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のロードポート。
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