JP3982235B2 - インクジェットプリンタ用インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出安定性を損なうことなく、耐光性,耐水性に優れ、凝集ムラ,光沢ムラ,赤浮き現象,カラーブリード等の発生が無く、定着性,発色性が向上し、高光沢な記録が可能な水性インク組成物、特に、インクジェット記録に好適な水性インク組成物、該水性インク組成物を使用した記録方法、該記録方法により記録された記録物及び該水性インク組成物を収容したインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
水性インク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分及びグリセリンなどの湿潤剤を含有したものが一般的である。また、水性インク組成物に用いられる記録媒体としては、インク組成物をある程度吸収し着色剤を浸透させることができるもの、例えば、紙などが挙げられる。水性インク組成物を用いて記録を行なう記録方法としては、近年インクジェット記録方法が注目されている。インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を微細なノズルから飛翔させ、記録媒体に付着させて記録を行なう記録方法である。
【0003】
従来、インクジェット記録方法に用いられる水性インク組成物には、着色剤に水溶性染料が使用されることが多く、そのため記録物の耐光性、耐水性が劣るという欠点を有していた。一方、記録物の耐光性、耐水性を改善するために着色剤として顔料を使用することが検討されてきているが、着色剤として顔料を使用する場合には記録媒体への定着性が十分でないという問題が生じている。
【0004】
また、記録媒体によってはインク組成物の浸透が遅いことからカラーブリードが発生することがあり、そのため、インク組成物にアセチレングリコール系、グリコールエーテル系の浸透剤の使用が検討されているが、これらの浸透剤を使用してインクの浸透性を向上させたインク組成物においてもなお記録媒体によっては浸透性が十分でなく、色濃度の不均一になる現象(以下、「凝集ムラ」という)が発生することがあり、そのため、インク組成物の打ち込み量が上げられず、発色性が向上できないという問題、特に、複数の色を重ねて記録する場合にはそのような問題があることが、本発明者らによって見いだされた。
【0005】
更に、従来のインク組成物においては、ベタ印刷をした際に、印字dutyによって反射率が異なる現象(以下、「光沢ムラ」という)や、シアンのベタ印字において赤っぽく見える現象(以下、「赤浮き」という)が発生するなどの問題が見いだされた。また、十分に高い光沢を持った画像記録を実現することにも困難な面があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点等に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、耐光性,耐水性に優れた水性インク組成物であって、吐出安定性を損なうことなく、凝集ムラ,光沢ムラ,赤浮き,カラーブリード等の発生が無く、定着性,発色性の向上した水性インク組成物、好ましくは更に、高光沢な画像記録が可能である水性インク組成物を提供することであり、また、該水性インク組成物を使用した記録方法、該記録方法により記録された記録物及び該水性インク組成物を収容したインクカートリッジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の水性インク組成物は、少なくとも水、高分子分散顔料、スルホン基含有(共)重合体、超浸透剤を含有することを特徴とするもので、このことにより上記の目的を達成するものである。
【0008】
また、本発明の水性インク組成物は、上記スルホン基含有(共)重合体が、スルホン基含有(共)重合体エマルジョンとして配合されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の水性インク組成物は、上記スルホン基含有(共)重合体が、ジエン系スルホン基含有(共)重合体及び/又は非ジエン系スルホン基含有(共)重合体であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の水性インク組成物は、前記非ジエン系スルホン基含有(共)重合体が、アクリル系スルホン基含有(共)重合体であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の水性インク組成物は、上記高分子分散顔料が、酸価が100以上であるアクリル酸(共)重合体によって、水性媒体中に分散された状態にある顔料であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の水性インク組成物は、上記超浸透剤が、アセチレングリコール系化合物及びグリコールエーテル系化合物であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の水性インク組成物は、上記超浸透剤が、下記の式1で表わされる化合物及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする。
【化2】
Figure 0003982235
(式中、0≦m+n≦50、R1,R2,R3及びR4は、独立してアルキル基である)
【0014】
また、本発明の水性インク組成物が、インクジェット記録用の水性インク組成物であることを特徴とする。
【0015】
本発明の記録方法は、上記のいずれかに記載の水性インク組成物を用いてインクジェット記録方式により記録を行なうことを特徴とする。
【0016】
本発明のインクカートリッジは、上記のいずれかに記載の水性インク組成物を収容していることを特徴とする。
【0017】
本発明の記録物は、上記のいずれかに記載の水性インク組成物を用いてインクジェット記録方式により記録されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の水性インク組成物について詳細に説明する。
本発明の水性インク組成物は、少なくとも、水と「高分子分散顔料」と「スルホン基含有(共)重合体エマルジョン」と「超浸透剤」とを混合含有せしめること等により得られることを特徴とする。
本発明において、「インク組成物」とは、モノクロ記録用としては、ブラックインク組成物を意味し、カラー記録用としては、カラーインク組成物、具体的には水性シアンインク組成物、水性マゼンタインク組成物、および水性イエローインク組成物、更に場合によっては水性ブラックインク組成物を意味するものとする。
本発明において、「高分子分散顔料」とは、顔料が、高分子分散剤(後述)又は高分子分散剤と他の分散剤とによって、水性媒体(水、又は水と水溶性有機溶媒との混合物)中に分散された状態にある顔料を意味するものとする。
本発明において、「スルホン基含有(共)重合体」とは、スルホン基含有重合体(後述)及び/又はスルホン基含有共重合体(後述)を意味するものとする。
【0019】
本発明の水性インク組成物に着色剤として含有される顔料としては、従来からインクジェット用のインク組成物に使用されている無機顔料、有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法,ファーネスト法,サーマル法等の公知の方法によって製造されるカーボンブラックを用いることができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、またはアニリンブラック等を用いることができる。
【0020】
シアンインク組成物の着色剤としては、シアン顔料が好ましい。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3,15:4及び60等が好ましく用いられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
また、マゼンタインク組成物の着色剤としては、マゼンタ顔料が好ましい。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19等が好ましく用いられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
これらのシアン顔料及びマゼンタ顔料は、それぞれ一種単独で用いられてもよく、二種以上を混合して用いられてもよい。
【0021】
また、イェローインク組成物及びブラックインク組成物の着色剤としては、それぞれイェロー顔料及びブラック顔料が好適に用いられる。
イェローインク顔料としては、C.I.ピグメントイェロー13,74,93,109,110,128,138,150,151,154,155,180,185等が挙げられ、ブラック顔料としては、カーボンブラック等が挙げら
れる。
【0022】
さらに、シアン、マゼンタ又はイェローインク組成物以外のカラーインク組成物、例えば、オレンジインク組成物やグリーンインク組成物に用いられる顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36,43等のオレンジ顔料、C.I.ピグメントグリーン7,36等のグリーン顔料が挙げられる。
【0023】
水性インク組成物中に含有される顔料の粒径としては、10μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.1μm以下である。
また、水性インク組成物中の顔料の含有量は、任意に含有されてよいが、0.1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
【0024】
顔料は、高分子分散剤又は高分子分散剤と他の分散剤との組合せによって、水性媒体(水、又は水と水溶性有機溶媒との混合物)に分散された状態、即ち、「高分子分散顔料」として用いられる。
【0025】
高分子分散剤の好ましい例としては、天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サボニンなどのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0026】
また、高分子分散剤の好ましい例としては、合成高分子も挙げられ、その具体例としては、ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリクロトン酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−(メタ)アクリル系樹脂;スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体、あるいは、これらの塩等が挙げられる。
これらの中で、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
また、酸価が100以上である不飽和脂肪酸重合体または不飽和脂肪酸の一種以上と他の疎水性モノマーの一種以上との共重合体、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリクロトン酸などの不飽和脂肪酸重合体;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−(メタ)アクリル系共重合体、スチレン−クロトン酸系共重合体;スチレン−マレイン酸系共重合体あるいはこれらの塩などは、高光沢の記録画像を実現できる点で特に好ましい。
上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリン等との塩が挙げられる。
なお、「酸価」は、上記重合体又は共重合体1gを中和するのに要するKOH(mg)の量である。
これらの共重合体は、重量平均分子量が、3,000〜30,000であるのが好ましく、より好ましくは、5,000〜15,000である。
これら、高分子分散剤の添加量は、顔料1に対して0.05〜3の範囲が好ましく、より好ましくは、0.1〜3の範囲である。
【0027】
高分子分散顔料調製の際に、併用することのできる他の分散剤としては、通常の水溶性であるイオン性、またはノニオン性界面活性剤が挙げられる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としてはポリアクリルアミド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシ化合物の脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド縮合物等が挙げられる。
【0028】
前述の他の分散剤は、高分子分散剤に加えて1種、もしくは2種以上併用することも可能である。
高分子分散剤と他の分散剤の添加量の合計は、顔料1に対して0.06〜3の範囲が好ましく、より好ましくは、0.125〜3の範囲である。
【0029】
本発明において使用される高分子分散顔料は、例えば、顔料、高分子分散剤又は高分子分散剤と他の分散剤、水性媒体を、例えば、ビ−ズミル、ボ−ルミル、サンドミル、アトライタ−、ロ−ルミル、アジテ−タ、ヘンシェルミキサ−、コロイドミル、超音波ホモジナイザ−、またはパ−ルミル等で攪拌・混合することにより調製することができる。
【0030】
本発明の水性インク組成物に含有されるスルホン基含有(共)重合体は、以下のモノマーを重合または共重合して得た重合体または共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、または、スルホン化されたモノマーを重合または共重合して得たもので、ジエン系モノマーを必須成分とするジエン系スルホン基含有(共)重合体とジエン系モノマーを必須成分としない非ジエン系スルホン基含有(共)重合体とがある。
本発明の水性インク組成物において、スルホン基含有(共)重合体は、エマルジョン化された状態で使用される。顔料として高分子分散顔料を使用し、スルホン基含有(共)重合体エマルジョンを含有せしめることにより、吐出安定性を損なうことがなく、定着性が向上することが可能になるとともに、超浸透剤との併用もあって、凝集ムラ、光沢ムラ、赤浮きの発生を抑制し、印字dutyを上げることが可能となり、そのことにより、発色性の向上を図ることも可能となる。
【0031】
ジエン系スルホン基含有(共)重合体を得るために使用されるモノマーには、ジエン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとがある。
ジエン系モノマーは、炭素数が4〜10のジエン系化合物で、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、
1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができる。これらのジエン系モノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0032】
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これらの他のモノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0033】
上記のジエン系モノマー又はジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを重合または共重合して得られるジエン系(共)重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる(共)重合体でも良い。好ましい(共)重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用されるジエン系スルホン基含有(共)重合体は、上記のジエン系(共)重合体及び/又はその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部又は全部を水添して得られる(共)重合体を、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1773頁)又は特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化されたものである。
なお、上記の水添は、スルホン化後に行なわれても良い。
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。
スルホン化剤の量は、上記(共)重合体1モルに対して、好ましくは、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ましくは、0.01〜1.0モルである。
【0035】
本発明のジエン系スルホン基含有(共)重合体は、次に、上記のようにしてスルホン化された生成物に水及び/又は塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化合物は、1種または2種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは、1.3モル以下である。
【0036】
このようにして得られたジエン系スルホン基含有(共)重合体は、水にエマルジョン化された状態で使用される。このエマルジョン化は、水及び/又は塩基性化合物で中和されたもの或いは中和前の状態のもの(スルホン化物の有機溶剤溶液)を、水及び/又は塩基性化合物と攪拌・混合し、エマルジョン化させた後、水を残したまま有機溶剤を除去することにより得られる。
ジエン系スルホン基含有(共)重合体の含有量は、水性インク組成物中に、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは、0.2〜10重量%である。0.1重量%未満では充分な耐擦性が得られない場合があるという問題があり、20重量%を超えるとインク組成物の粘度がインクヘッドに最適な粘度を超えたり、吐出安定性が劣化するという問題がある。
【0037】
非ジエン系スルホン基含有(共)重合体を得るために使用されるモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はイソブチレンと三酸化イオウとを反応させて得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般式
CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)
で表わされるメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノール RS-30)のようなスルホニル基を有するモノマー、及び前記モノマーのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0038】
非ジエン系スルホン基含有(共)重合体は、上記スルホン基を有するモノマーにスルホン基を含有しないモノマーを共重合させることも可能である。共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。
更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリルが好ましい。
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%、好ましくは、5〜80重量%である。
【0039】
非ジエン系スルホン基含有(共)重合体は、上記のスルホン基含有モノマー又は、スルホン基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒などの重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
ここで、ラジカル重合に使用される重合用有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタンなどの脂肪族炭化水素を挙げることができる。これらの重合用溶媒の中では、水又はメタノールが好ましい。
【0040】
ラジカル重合開始剤としては、過酸化カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤;過酸化水素などの無機系開始剤;クメンハイドロパーオキサイド、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物;あるいはアゾビスイソブロニトリルなどのアゾ系開始剤で代表される有機系開始剤を挙げることができる。
【0041】
上記の非ジエン系モノマーを重合または共重合して得られる非ジエン系スルホン基含有(共)重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる(共)重合体でも良い。
【0042】
本発明で使用する非ジエン系スルホン基含有(共)重合体は、水にエマルジョン化された状態で使用される。このエマルジョン化は、水及び/又は塩基性化合物で中和されたもの或いは中和前の状態のもの(スルホン化物の有機溶剤溶液)を、水及び/又は塩基性化合物と攪拌・混合し、エマルジョン化させた後、水を残したまま有機溶剤を除去することにより得られる。
非ジエン系スルホン基含有(共)重合体の含有量は、水性インク組成物中に、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは、0.2〜10重量%である。0.1重量%未満では充分な耐擦性が得られない場合があるという問題があり、20重量%を超えるとインク組成物の粘度がインクジェットヘッドに最適な粘度を超えたり、吐出安定性が劣化するという問題がある。
【0043】
本発明の水性インク組成物に含有される超浸透剤としては、アセチレングリコール類及びグリコールエーテル類が挙げられる
セチレングリコール類としては、前記式1で表される化合物が挙げられる。具体的には、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールなどのアセチレングリコール系界面活性剤、例えば、Air Products and Chemicals Inc.製サーフィノール104(前記式1において、m+n=10),82,465,485あるいはTG(前記式1において、m=n=0)等を用いることができる
セチレングリコール類の含有量は、水性インク組成物中に、好ましくは、0.05〜5重量%であり、より好ましくは、0.1〜2重量%である。0.05重量%未満では充分な浸透性が得られなかったりするという問題があり、5重量%を超えるとインク組成物中で完全に溶解しないために吐出安定性が劣化するという問題がある。
【0044】
グリコールエーテル類としては、特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
トリエチレングリコールモノブチルエーテルの含有量は、水性インク組成物中に、好ましくは、0.5〜20重量%であり、より好ましくは、1〜10重量%である。0.5重量%未満では十分な浸透性が得られなかったりするという問題があり、20重量%を超えると水性インク組成物の粘度が著しく高くなったり、水性インク組成物の安定性が低下するという問題がある。
【0045】
本発明の水性インク組成物は、水性媒体中に下記の各種成分を含有する。水性媒体は、水、又は水と水溶性有機溶媒との混合物である。
水溶性有機溶媒としては、低沸点有機溶媒(特に、低沸点アルコール)を含有することもある。低沸点アルコールとしては、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert− ブチルアルコール、 又はイソブチルアルコール等を挙げることができる。これらの低沸点有機溶媒を単独で、又は複数を組合せて用いることができる。
この低沸点有機溶媒(特には、低沸点アルコール)の含有量は、水性インク組成物の全重量に対して、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。30重量%を越えると吐出性に問題が生じることがあり、1重量%未満では乾燥工程において乾燥速度が低下することがある。
【0046】
本発明の水性インク組成物は、その他の添加剤、例えば、pH調整剤、防腐剤及び/又は防黴剤を含有することができる。pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミンやトリエタノールアミン等の各種アミンや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。
【0047】
また、本発明の水性インク組成物は、20℃における表面張力が、20〜45dyn/cmであることが好ましく、25〜40dyn/cmであることがさらに好ましい。
また、本発明の水性インク組成物は、インクジェット記録用のインクとして使用することが好ましい。
【0048】
次に本発明の水性インク組成物の調製の際に使用されるスルホン基含有(共)重合体エマルジョンの調製例について説明するが、勿論、以下の調製例に限定されるものではない。
<エマルジョン1>
▲1▼ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
▲2▼スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体(10/80/10重量比、Mw=100000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上記▲1▼で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続けた。
▲3▼水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、▲2▼の溶液全量を40℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマーエマルジョンを得た。ポリマーの粒径は30nm、固形分中のスルホン酸含量は1.2mmo1/gであった。
【0049】
<エマルジョン2>
▲1▼ガラス製反応容器に1、2−ジクロルエタン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを内温を25℃に保ちながら添加し無水硫酸の1、2−ジクロルエタン溶液を得た。
▲2▼ブタジエン/スチレン/ブタジエン共重合体(30/40/30、重量比、Mw=50000)のジエンユニットの水素添加物(水添率99%)100gの1、2−ジクロルエタン溶液(濃度=15%)中に上記▲1▼で得られた無水硫酸溶液全量を、内温を25℃に保ちながら、1時間かけて添加し、さらに2時間攪拌を続けた。攪拌後、1、2−ジクロルエタンを減圧下で500g程度除去した
後、THF500gを添加した。
▲3▼水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、▲2▼の溶液全量を40℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマーエマルジョンを得た。ポリマーの粒径は40nm、固形分中のスルホン酸含量は1.0mmo1/gであった。
【0050】
<エマルジョン3>
500mlの丸底四つ口フラスコに、エマールO(アルキルサルフェート型アニオン乳化剤)0.75gおよび蒸留水155gを加えた。ゆっくり撹拌しながら窒素ガス置換を行なった後、ビニルスルホン酸40gとメタクリル酸40gの混合モノマーのうち20gを加えた。浴温を30℃に保ち、約20分後に過硫酸カリウム0.75gを含む水溶液10ml、酸性亜硫酸ソーダ0.75gを含む水溶液10mlの1/10量を添加した。30分後、残りの混合モノマー60gを3時間かけて滴下し、重合開始剤もモノマー滴下終了まで分割添加した。滴下終了後1時間撹拌を継続し、1/2molの硫酸ソーダ水溶液で塩析し、水洗した後乾燥した。
得られた共重合体をトルエンに溶解した後、トルエン溶液を水と撹拌・混合して共重合体を乳化させ、水を残したままトルエンを除去して、エマルジョン3を得た。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0052】
[実施例1]
インクセットA
(顔料分散液A)
ピグメント・イエロー128 25重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤樹脂)(酸価:120) 5重量%
ピグメントイエロー128と分散剤樹脂とを混合し、分散された顔料の濃度が25%となるように純水で調整して混合液を得た。この混合液をサンドミル(安川製作所(株)製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合液の1.5倍量(重量))とともに2時間分散した。分散後、ガラスビーズを取り除いて顔料分散液Aを得た。
【0053】
イエローインク組成物A
以下の各成分を混合し、常温で20分撹拌した後、8μmK/メンブランフィルターで濾過してイエローインク組成物Aを得た。
顔料分散液A 12.5重量%
エマルジョン1 6.7重量%
グリセリン 10重量%
サーフィノール104 1重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
純水 残量
【0054】
マゼンタインク組成物A
顔料をピグメント・イエロー128に替えてピグメント・レッド122を使用した以外は、イエローインク組成物Aの調製と同様にして、マゼンタインク組成物Aを得た。
【0055】
シアンインク組成物A
顔料をピグメント・イエロー128に替えてピグメント・ブルー15:3を使用した以外は、イエローインク組成物Aの調製と同様にして、シアンインク組成物Aを得た。
【0056】
[実施例2]
インクセットB
エマルジョン1に替えてエマルジョン2を使用し、またサーフィノール104に替えてサーフィノールTGを使用した以外はインクセットAの調製と同様にして、インクセットB(イエローインク組成物B,マゼンタインク組成物B,シアンインク組成物B)を得た。
【0057】
[実施例3]
インクセットC
エマルジョン1に替えてエマルジョン3を使用した以外はインクセットAの調製と同様にして、インクセットC(イエローインク組成物C,マゼンタインク組成物C,シアンインク組成物C)を得た。
【0058】
[実施例4]
インクセットD
顔料分散液Bとして、顔料分散液Aにおけるスチレン−アクリル酸共重合体(分散剤樹脂)(酸価:120)に替えてスチレン−アクリル酸共重合体(分散剤樹脂)(酸価:90)を使用した以外はインクセットAの調製と同様にして、インクセットD(イエローインク組成物D,マゼンタインク組成物D,シアンインク組成物D)を得た。
【0059】
[実施例5]
インクセットE
顔料分散液Cとして、顔料分散液Aにおけるスチレン−アクリル酸共重合体(分散剤樹脂)(酸価:120)に替えてスチレン−アクリル酸共重合体(分散剤樹脂)(酸価:100)を使用した以外はインクセットAの調製と同様にして、インクセットE(イエローインク組成物E,マゼンタインク組成物E,シアンインク組成物E)を得た。
【0060】
[比較例1]
インクセットF
エマルジョン1を添加しなかった点以外はインクセットAの調製と同様にして、インクセットF(イエローインク組成物F,マゼンタインク組成物F,シアンインク組成物F)を得た。
【0061】
本発明の実施例、比較例の各水性インク組成物について下記の評価試験を行ない、得られた結果を表1に示す。
<凝集ムラの評価>
上記インクセットA〜Fの水性インク組成物を、インクジェット記録装置MC−2000(セイコーエプソン(株)製)に充填し、MC写真用紙(セイコーエプソン(株)製)に、イエローとマゼンタまたはイエローとシアンの組合わせで、各インク組成物を同印字dutyで印刷した。得られた印刷物を、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:各インク組成物の印字dutyの合計が140%でも疑集ムラが生じない。
判定B:各インク組成物の印字dutyの合計が120%以上で疑集ムラが生じる。
判定C:各インク組成物の印字dutyの合計が100%以上で疑集ムラが生じる。
【0062】
<光沢ムラの評価>
マゼンタインク組成物A〜Fを、インクジェット記録装置MC−2000に充填し、MC写真用紙に10%,20%,40%,60%,80%,100%の印字dutyでカラーパッチを印刷した。目視でサンプルを色々な角度から観察し、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:異なる印字dutyであっても光沢の違いがほとんど気にならない。
判定B:異なる印字dutyでの光沢の違いが認められるが、目立たない。
判定C:異なる印字dutyでの光沢の違いが気になる。
【0063】
<光沢度の評価>
インクセットA〜Fの水性インク組成物を、インクジェット記録装置MC−2000に充填し、PM写真用紙(セイコーエプソン(株)製)に印刷を行った。光沢計PG−1M(日本電色工業(株)製)を用いて60度鏡面光沢度を測定し、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:光沢度が90以上である。
判定B:光沢度が80以上90未満である。
判定C:光沢度が80未満である。
【0064】
<赤浮きの評価>
シアンインク組成物A〜Fを、インクジェット記録装置MC−2000に充填し、MC写真用紙に10%,20%,40%,60%,80%,100%の印字dutyカラーパッチを印刷した。目視でサンプルを色々な角度から観察し、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:いずれの印字dutyでも赤っぽい着色がない、またはほとんど気にならない。
判定B:1ないし2の印字dutyで、赤っぽい着色が認められる。
判定C:3以上の印字dutyで、赤っぽい着色が認められる。
【0065】
<定着性の評価>
インクセットA〜Fの水性インク組成物を、インクジェット記録装置MC−2000に充填し、MC光沢紙に印刷を行った。印刷30分後に印刷部を指で強く擦り、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:汚れは全く生じない。
判定B:わずかに汚れる。
判定C:汚れる。
【0066】
<吐出安定性の評価>
インクセットA〜Fの水性インク組成物を、インクジェット記録装置MC−2000に充填し、35℃で、テキストとグラフィックの混在したパターンをA4換算で500枚印刷した。抜けや曲がりが生じた場合は逐次クリーニングを行ない、500枚印刷する間に要したクリーニング回数を、以下の判断基準に従って評価した。
判定A:クリーニング回数が1回以下
判定B:クリーニング回数が2回以上4回以下
判定C:クリーニング回数が5回以上
【0067】
【表1】
Figure 0003982235
【0068】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、顔料を含有する耐光性、耐水性に優れた水性インク組成物において、顔料として高分子分散顔料を使用し、スルホン基含有(共)重合体、超浸透剤を含有せしめることにより、吐出安定性を損なうことなく、凝集ムラ,色浮き現象,カラーブリード等の発生を無くし、定着性,発色性の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
特に、高分子分散顔料として、酸価が100以上であるアクリル酸(共)重合体または該アクリル酸(共)重合体と他の分散剤とによって、水性媒体中に分散された状態及び/又は溶解された状態にある顔料を使用することにより、高光沢の画像記録も可能であるという優れた効果も更に奏することができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも水、高分子分散顔料、スルホン基含有(共)重合体、超浸透剤を含有している水性インク組成物であって、前記スルホン基含有(共)重合体がスルホン基含有(共)重合体エマルジョンとして配合されており、前記超浸透剤が下記の式1で表される化合物及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする水性インク組成物。
    Figure 0003982235
    (式中、0≦m+n≦50、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、独立してアルキル基である)
  2. 前記スルホン基含有(共)重合体が、ジエン系スルホン基含有(共)重合体及び/又は非ジエン系スルホン基含有(共)重合体である、請求項1に記載の水性インク組成物。
  3. 前記非ジエン系スルホン基含有(共)重合体が、アクリル系スルホン基含有(共)重合体である、請求項に記載の水性インク組成物。
  4. 前記高分子分散顔料が、酸価が100以上である(メタ)アクリル酸(共)重合体によって、水性媒体中に分散された状態にある顔料である、請求項1〜のいずれかに記載の水性インク組成物。
  5. インクジェット記録用インク組成物である、請求項1〜のいずれかに記載の水性インク組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の水性インク組成物を用いてインクジェット記録方式により記録を行うことを特徴とする記録方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の水性インク組成物を収容していることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の水性インク組成物により記録されたことを特徴とする記録物。
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