JP3981197B2 - 接着剤、およびリグノセルロース成型板の製造法 - Google Patents

接着剤、およびリグノセルロース成型板の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤に関し、特にリグノセルロース類及び無機材料を主原料とした熱圧成形ボード用の接着剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リグノセルロースを主原料として用いた成形品は、リグノセルロースが木質削片の場合パーチクルボードと称され、パーチクルボードの他には大型のチップを用いるウエハーボード、細長いチップ(ストランド)を1方向に配列させたオリエンテッドストランドボード(OSB)、木質繊維(ファイバー)の場合インシュレーションボード、中比重繊維板(MDF)、ハードボードと称され、また無機材料としてロックウール、ガラスウール、シラスを主原料として生産される。これらボードの用途としては、床材、壁材、ドア材、防音材、断熱材、畳心材、家具部材、自動車用部材として使用されている。
【0003】
従来、パーチクルボード、ウエハーボード、OSB,およびハードボード、MDF、インシュレーションボード等のファイバーボードや籾殻を成形してなる籾殻ボードやコーリャン茎を成型してなるコーリャンボード、無機材料を原料として生産される無機ボード等(以下、ボードと称する)製造のための接着剤、または、バインダーとしては、熱硬化性である尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノールメラミン樹脂、フェノール樹脂等(以下、ホルマリン系樹脂接着剤)が広く用いられている。
【0004】
これらの樹脂は安価で接着性に優れ、比較的短時間で硬化するという特質を有する。しかし、これらのホルマリン系樹脂接着剤の熱圧成形後の製品から放出されるホルマリンは環境上問題視されており、放出ホルマリン量を低減化させるための改良が提案されているが、まだ十分ではない。
また一方で、非ホルマリン系であり、かつ優れたボード物性を与える接着剤として、イソシアナート系接着剤のボードへの利用も提案されている(特開昭57−131538号、特開昭57−147567号各公報、米国特許3557263号、3636199号、3870665号、3919017号、3930110号明細書など)。
【0005】
しかし、リグノセルロース系材料用接着剤として有機ポリイソシアナートを用い、熱圧成型した場合、その優れた接着性のために有機ポリイソシアナートが熱盤への付着が生じる。この接着剤の付着により、成形物は損傷し、商品としての価値を著しく損失し、また、熱盤からの付着物の除去にも多大な労力を費やしてしまう。
【0006】
これらの問題を解決するため、熱盤の金属からの離型性を向上させるために有機ポリイソシアナートへの添加剤の検討も行われている。例えば、有機ポリイソシアナートへのアルキルリン酸塩または、ピロリン酸塩(特公平01−018068号公報)、スルホン化化合物(特公平03−038309号公報)、ワックスおよび液体エステル(特公平02−054390号公報)、モンタンワックス及びカルナバワックス(特公平3−21321号公報)、脂肪族ポリカルボン酸(特開昭58−36430号公報)、ポリシロキサン化合物(特開昭61−86205号公報)、脂肪酸ポリマー(米国特許第4772442号、4933232号各明細書)などが提案されているがまだ十分な結果が得られていない。
また、他の方法では、離型剤を直接熱盤へ熱圧前に塗布しておく方法が提案されている。たとえば、金属石鹸を用いた離型層の形成(特開平8−34026号公報)、高沸点ポリオール(独国特許第1653178号明細書)、官能基を持つポリシロキサンフィルムの使用(英国特許第135992号明細書)、ポリテトラフルオロエチレンによる被覆(米国特許第4374791号明細書)などがあるがいずれも不十分である。
【0007】
そのため、一部のボード工場では製造の際、ボードを形成するいくつかの層の内、熱盤に触れない内部の層だけに有機ポリイソシアナート系接着剤を使用し、熱盤と接触する表面層は従来のホルマリン系樹脂を使用するといった製造方法も行われている。
【0008】
また、ボード用MDI系接着剤において脂肪族カルボン酸の金属塩を併用する方法が開示されている(特開昭60−30306号、特開平8−34026号、特開平9―78049号各公報)が、それぞれ、接着剤組成物の安定性が悪く、また、プレス時間が短く出来ないという欠点があり、本発明の目的に対してはやはり十分な解決方法とはならない。
【0009】
さらに、上記記載の脂肪族カルボン酸金属塩やワックス、アルキルリン酸塩、ポリシロキサン等は有機ポリソシアナートへの溶解性の低さ、離型性能の悪さ等、種々の問題があり、実際の製造現場での使用に耐えうるものではなく、現在のところ、工程上、経済上、ボード物性上すべてを満足する技術はない。
【0010】
【発明の解決すべき課題】
本発明が解決しようとする課題は、新規な接着剤、特に従来の方法では満足できなかった工程上、物性上の問題を解決し、有機ポリイソシアナート系接着剤を用いても熱盤に付着することなく製造でき、高品質のボードを安価に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、接着剤、特にリグノセルロース類及び無機材料を主原料とした熱圧ボード用接着剤、および当該接着剤を用いた熱圧ボード、およびこれらの製造方法に関し、その接着剤に使用する離型剤成分としてマイクロワックスを使用することによって、熱盤からの良好な離型性が得られる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、(1)有機イソシアナート系化合物(A)とポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(B)とマイクロワックス(C)及び水(D)を含有してなる水乳化液を含む接着剤、
【0013】
(2)有機イソシアナート系化合物(A)100重量部に対して、ポリエーテルポリオールおよびまたはポリエステルポリオール(B)が1〜70重量部であり、マイクロワックス(C)が0.1〜70重量部及び、水(D)が1から300重量部である前記(1)の接着剤、
【0014】
(3)該ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(B)が、水酸基価24〜800mgKOH/gであり、分子中に窒素化合物を含有するアミンポリオールである前記(1)又は(2)の接着剤、
【0015】
(4)該ポリエーテルポリオールが、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、オルソトルエンジアミン、メタトルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ポリフェニルポリメチレンポリアミンからなる群から選ばれる1種の化合物にアルキレンオキサイドを付加し、このアルキレンオキサイドのうち酸化エチレンの付加含量がポリエーテルポリオールの重量に対し5〜70重量部である前記(1)〜(3)のいずれかの接着剤、
【0016】
(5)有機イソシアナート系化合物(A)が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートである前記(1)〜(4)のいずれかの接着剤、
【0017】
(6)ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオール(B)中の窒素原子の割合が、全体の0.1〜12.0重量%、(B)の官能基数が2〜8でその構造中の−(CH2CH2−O)−の繰り返し単位が(B)の重量に対して5〜70%である前記(1)〜(5)のいずれかの接着剤、
【0018】
(7)該マイクロワックス(C)が融点50〜90℃であり、数平均分子量(MN)350〜650の範囲である前記(1)〜(6)のいずれかの接着剤。
【0019】
(8)マイクロワックス(C)が、水性エマルジョンであり、平均粒子径が10から3000nmである前記(1)〜(7)のいずれかの接着剤、
【0020】
(9)マイクロワックス(C)が、真球状結晶の結晶形態であり、その割合が50重量%以上である前記(1)〜(8)のいずれかの接着剤、
【0021】
(10)接着剤が、リグノセルロース用接着剤である前記(1)〜(9)のいずれかの接着剤、
【0022】
(11)有機イソシアナート系化合物(A)とポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(B)、マイクロワックス(C)及び水(D)を乳化させることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかの接着剤の製造方法、
【0023】
(12)前記(1)〜(10)のいずれかの接着剤をリグノセルロース系材料と混合したのち、熱圧プレスを行うことを特徴とするリグノセルロース成形板の製造方法、
【0024】
(13)前記(12)記載のリグノセルロース成形板の製造方法によって得られるリグノセルロース成形板である。
【0025】
本発明ではポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(以下、単にポリオールとも称する)の分子中にアミン化合物残基に由来する窒素原子を含有するポリオールを用いることにより接着剤組成物の反応性を調節することが可能となり、プレス時間が短縮になるばかりか、特定のマイクロワックスを内部離型剤として用いる事で、内部離型剤の分散性が良好になり、しかも反応性を調整できることにより離型性が相乗的に良好になる。従って外部離型剤を併用することなく離型させることが可能となることから、当該接着剤は、少量の内部離型剤で熱圧プレス時の熱盤への付着の無い、生産性の良い、熱圧ボード用接着剤である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における接着剤は、有機イソシアナート系化合物、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、マイクロワックス及び水より構成される。この接着剤は特にリグノセルロース成形板及び無機ボード(以下、ボードということもある。)の接着剤として有用である。
【0027】
本発明におけるリグノセルロース成形板とは、リグノセルロース系材料に有機イソシアナート系化合物、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、マイクロワックス及び水を含有する接着剤を塗布し、その後、熱圧プレスを行い製品であるリグノセルロース成形板を得る。
【0028】
リグノセルロース系材料としては、パーチクルボード、ウエハーボード、OSBに使用されるストランドチップ、ダストチップ、フレークチップや、ハードボード、MDF、インシュレーションボードに使用されるファイバーおよびコーリャン茎、パガス、籾殻等の農産物が挙げられる。これらの原料は単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、無機材料としてはロックウール、ガラスウール、シラス等上げられる。これらの原料をリグノセルロース系材料と組み合わせて使用する事もできる。
【0029】
本発明における有機イソシアナート系化合物(A)としては、イソシアナート基を有する物質であれば良いが、具体的には、たとえば、トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノルボルナンジメチルイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート(ポリメリックMDI)、あるいは上記イソシアナート化合物を活性水素を1個以上有する化合物で変性した変性イソシアナートが挙げられる。この中では、経済性の面からポリメリックMDIが好ましい。
【0030】
本発明において用いる(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(以下、ポリオールと称する)としては、末端OH基や末端アミノ基等の官能基数2〜8で、水酸基価(OHv)が24〜800mgKOH/gであり、分子中に窒素化合物を含有するポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールであるものが好ましい。また、(B)の官能基数が2〜8でその構造中の−(CH2CH2−O)−の繰り返し単位が(B)に対して、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
上記酸化エチレン含量が5重量%以上では乳化性能が良好で、70重量%以下ではポリイソシアナートの相溶性が良好で好ましい。
【0031】
また、上記(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール中の窒素原子の割合は好ましくは0.1〜12.0重量%、より好ましくは1.0〜10.0重量%であり、0.1%wt以上では乳化が効率的に可能であり、12.0重量%以下では反応が適当で、接着剤の製造が容易である。
【0032】
ポリオールとしては、開始剤である活性水素を2個以上有する低分子化合物に酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン等の分子内にエポキシ基を有するアルキレンオキシドを無触媒、あるいはアルカリ金属の水酸化物、第3級アミン等を触媒にして通常のポリオールの製造として公知の方法で付加して製造する。
【0033】
上記の開始剤としては、アミン系開始剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オルソトリレンジアミン、メタトリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、ポリメチルポリフェニルポリアミン等のアミン類、及びこれらの蒸留残さ等が挙げられ、これらは単独、あるいは混合して用いることもできる。
【0034】
また、非アミン系開始剤、すなわち、グリセリン、ショ糖、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール等のアルコール類、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ノボラック等のフェノール類等と混合して用いてもよい。
【0035】
本発明において好ましい開始剤としては、上記のアミン系開始剤であり、これらアミン系開始剤に非アミン系開始剤を併用して使用しても何等差し支えない。また、ポリエステルポリオールについては、酸無水物とアルコールとの付加反応、ポリカルボン酸とアルコールとの重縮合反応またはポリカルボン酸へのアルキレンオキシドの付加により得られる。
【0036】
酸無水物として、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、無水シトラコン酸、無水ジフェン酸、無水トルイル酸等が挙げられ、ポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アセライン酸、セバシン酸、クエン酸、トリメリット酸等が挙げられる。また、アルコールとしては、上記開始剤で挙げたアルコール類、フェノール類、あるいは、上記開始剤のアルキレンオキシド付加物が使用できる。
【0037】
本発明においてマイクロワックス(C)の融点は、50から90℃が好ましく、さらに好ましくは50から85℃である。融点が50℃未満、又は90℃を越えると好ましい離型効果が得られにくい傾向にある。又、数平均分子量(MN)が350から650の範囲、好ましくは350から600の範囲から選ばれる単独または2種以上の混合物として使用できる。
本発明に於いて使用される、パラフィン系炭化水素に、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレンープロピレンコポリマー等のポリオレフィン或いはこれらのポリオレフィンワックスと石油留分ワックスとの混合ワックスなどを添加してもよい。
【0038】
マイクロワックス(C)は必要に応じて乳化剤を用いた乳化物として使用しても良い。この場合、平均粒子径が10から3000nmとする事が好ましい。一般的なワックスエマルジョンの製造方法が適用できる。たとえば、水、分散剤を含む水中又は温水中に溶融したマイクロワックス(C)を添加して高速攪拌して、乳化分散してもよいし、サンドミル等の粉砕機を用いて機械的に強制乳化分散しても良い。この場合に用いる分散剤又は乳化剤としては一般的に使用されているものであれば良く、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤が挙げられるが、本発明はこれらの界面活性剤に限定されるものではない。また、これらの界面活性剤は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0039】
マイクロワックス・エマルジョン自体は、カチオン性、アニオン性、非イオン性あるいは酸安定性であってもよく、或いは2種または2種以上のその種のエマルジョンの相溶性混合物のいずれかであっても良い。このなかでカチオン性エマルジョンが好ましい。
尚マイクロワックス(C)は、結晶形態が真球状結晶であることが望ましく、かつその割合が50重量%以上であることが望まれる。
【0040】
さらに、必要に応じて乳化安定剤を用いても良い。この場合の乳化安定剤としてはマイクロワックス(C)およびこれらの乳化物を安定化することの出来るものであれば良く、保護コロイドを形成するような天然高分子化合物、合成高分子化合物、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、エロジル(SiO2 )等が使用できる。
【0041】
マイクロワックス(C)は有機イソシアナート系化合物、ポリオール、または水いずれに添加しても良く、また、有機イソシアナート系化合物、ポリエーテルポリオール、および水よりなる接着剤に添加してもよい。
【0042】
有機イソシアナート系化合物(A)とポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(B)の混合比については、有機ポリイソシアナートのイソシアナート基当量1に対して活性水素当量が0.02から1.2が好ましい。0.02以上では有機ポリイソシアナートへの分散性が良好になり、1.2以下ではボードの物性が良好で好ましい。
【0043】
本発明の(A)有機イソシアナート系化合物、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、マイクロワックス(C)、及び水(D)からなるリグノセルロース等の成形板用接着剤の製造方法、即ち上記成分の調製は、以下の通りである。
【0044】
本発明において、(A)有機イソシアナート系化合物の水乳化方法及び(C)マイクロワックスの混合方法は、特に限定されないが、例えば、(A)有機イソシアナート系化合物、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、水を3種同時に高速混合して乳化しても良いし、(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを水に添加して溶解し、(A)有機イソシアナート系化合物を高速混合して乳化しても良く、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、(A)有機イソシアナート系化合物を混合した後高速攪拌しながら水中に添加して乳化しても良い。
【0045】
また、(A)有機イソシアナート系化合物と(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、マイクロワックス(C)と水を同時に高速混合して乳化しても良いし、マイクロワックス(C)を予め水で希釈させた後、(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを添加し、(A)有機イソシアナート系化合物を高速混合して乳化しても良く、(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールとマイクロワックス(C)に水と混合し、(A)有機イソシアナート系化合物を高速攪拌しながら添加して乳化してもよいし、(A)有機イソシアナート系化合物にマイクロワックス(C)を混合した後、水と(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールの混合液中に混合して乳化しても良いし、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、(A)有機イソシアナート系化合物、マイクロワックス(C)を混合した後高速攪拌しながら水中に添加して乳化しても良いし、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを水に溶解した後、(A)有機イソシアナート系化合物を混合して乳化した後、マイクロワックス(C)を混合してもよい。
また、それぞれの段階で本発明を阻害しない範囲で、界面活性剤、安定剤を使用しても良い。混合の方式は特に限定されないが、バッチ式でも、連続式でも良く、例えばホモジナイザー、スタチックミキサー等が使用できる。
【0046】
使用する水分量は、リグノセルロース系材料の水分量によっても異なるが、接着剤がリグノセルロース系材料に均一に混合できる量であれば良いので、接着剤量の1重量%〜300重量%が好ましい。
【0047】
有機イソシアナート系化合物(A)とポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(B)との混合比は、(A)100重量部に対して(B)が1〜70重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部の範囲である。(B)が1重量部以上では安定した水乳化液となり易く、また70重量部以下ではボード物性が良好である。
【0048】
本発明において、(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールと、マイクロワックス(C)の比は、(B)100重量部に対してマイクロワックス(C)は好ましくは5〜150重量部、より好ましくは5〜100重量部である。マイクロワックス(C)が5重量部以上では離型効果があり、熱圧プレス時に熱盤に付着しにくくなるので好ましく、また、150重量部以下で十分な離型性が得られる。
【0049】
本発明のリグノセルロース成形板の製造方法におけるリグノセルロース系材料と、(A)有機ポリイソシアナート系化合物、(B)ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール、マイクロワックス(C)、水(D)からなる接着剤の混合方法としては、ブレンダー中に接着剤をスプレーするか、もしくは類似の装置を用いて接着剤をリグノセルロース系材料等に均一に混合することが望ましい。このとき必要があれば、溶剤や水で希釈して溶液状にしても良いが、経済性、安全面から水溶液にすることが好ましい。
【0050】
また、(A)有機イソシアナート系化合物と、(B)のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールの水乳化液と、リグノセルロース系材料の使用比率は、(A)及び(B)の有効成分とリグノセルロース系材料との重量比で好ましくは2:100〜30:100の範囲であり、より好ましくは3:100〜20:100の範囲である。有効成分がリグノセルロース系材料100重量部に対して2重量部以上で接着剤としての効果が得られ、30重量部以下で充分なボード物性が得られる。
【0051】
本発明のリグノセルロース成形板の製造方法において、接着剤とリグノセルロース系材料との混合物は、フォーミングを経て熱圧プレスを行なうが、フォーミング時には単層から複数の層にフォーミングが可能である。また、フォーミング後、熱圧プレスをする前にプレプレスを行っても良い。必要に応じて接着剤の含量を変えても良い。また、必要があれば積層した後にプレプレスしても良く、また、積層する前にプレプレスしたマットを積層しても良い。また、このとき熱盤に触れる表層の面だけ本発明方法の接着剤を用い、内層には離型性のよくない接着剤を用いて多層構造にしても良い。
【0052】
即ち、最外層に本発明の接着剤を含むリグノセルロース層を形成し、内層は本発明の接着剤を含むリグノセルロース層として用いても良く、又はその他の接着剤を用いたリグノセルロース層としても良い。内層のリグノセルロース層は単層でも多層でも良い。また必要があれば、積層した後にプレプレスしても良く、また積層する前にプレプレスしたマットを積層しても良い。
【0053】
最外層に本発明の接着剤を含むリグノセルロース層を形成する方法は、フォーミング時に形成しても良く、また熱盤の下面に本発明の接着剤を含むリグノセルロース層を形成した後、その他の接着剤を用いたリグノセルロース層を上に乗せ、さらにその上に本発明の接着剤を含むリグノセルロース層を形成しても良い。これらを連続的に同時に層を形成しても良い。
【0054】
熱圧プレスは熱が成形材料中に行きわたれば良いので、形状も上下共に平板でも良く、湾曲した型でも良いが、連続生産性、コスト面から平板プレスが好ましい。また、プレスの方式は連続プレスでも多段式プレスでもよい。
また必要に応じて、成形時に本発明の接着剤と接触する部分、例えばコール板やプレス板に外部離型剤を塗布することができる。内部離型剤と併用することによって離型性を向上させることができる。
【0055】
該外部離型剤としては、通常成形の際に一般的に用いられている離型剤、例えば汎用樹脂の成形に用いる離型剤、特に通常ウレタンRIM成形の際に使用されている離型剤が使用できる。具体的には、フッ素含有ワックス、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有オリゴマー等のフッ素系離型剤;ポリエチレンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス等の炭化水素またはその変性された化合物よりなる離型剤、ポリシロキサン、シロキサンオリゴマー等の珪素系離型剤が挙げられる。
【0056】
熱圧プレス後のボードの最外層の層は、必要があれば表面を所望の厚さに研磨して仕上げをしてもよい。また、取り除いたリグノセルロース層は、良くほぐした後、原料のリグノセルロース材料として再び用いることができる。
また、本発明においては所望の効果を阻害しない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、シランカップリング剤、ポバール、金属触媒、外部離型剤、合成ゴムラテックス、アクリル系エマルジョンを併用してもよい。
【0057】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を何等限定するものではない。実施例及び比較例における評価結果を表1〜2に示す。例中特に断らない限りすべての部および比率は重量基準による。また、性能比較におけるボードの共通製造条件を以下に述べる。
【0058】
原料:ダストチップまたは木質ファイバー(含水率4.0%、以下チップと称する)
ボード構成:単層(ダストチップ)または表層/芯層/表層(木質ファイバー)
ボード厚(研磨部分除く):15mm
マット含水率:16%
熱圧温度:180℃
プレス圧力:35kg/cm2
プレス時間:2分30秒
設定密度:700kg/m3
評価試験
1.曲げ強さ
成形した試料から“ パーチクルボード JIS−A−5908”の試験片の項目に準じ、幅50mm、長さ275mm(スパン225mm)に試験片を裁断し、曲げ強さ試験を行った。結果は曲げ強さとして表示した。
【0059】
2.湿潤時の曲げ強さ(A試験)
成形した試料から1.と同様の方法で試験片を裁断した。次に試験片を70±3℃の温水中に2時間浸せきし、常温水中1時間浸せきした後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験を行った。結果は湿潤時の曲げ強さとして表示した。
【0060】
3.湿潤時の曲げ強さ(B試験)
成形した試料から1.と同様の方法で試験片を裁断した。次に試験片を沸騰水中に2時間浸せきし、常温水中1時間浸せきした後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験を行った。結果は湿潤時の曲げ強さとして表示した。
【0061】
4.離型性試験
熱圧時、鋼製のコール盤を用い、熱圧後のコール盤へのチップの付着状態を目視確認した。この操作を最大50回繰り返して付着が確認されるまでの回数を記録した。
【0062】
5.総合判定
ボードの成形、ボードの物性を総合的に判断した。判定結果を示す評価記号は以下の通りである。
【0063】
○ :ボードを問題なく製造でき、しかも物性が良好な状態
△ :ボードを製造できるものの、物性が良好でない状態
× :ボード成形できるものの、臭気等が発生するなど問題がある状態
××:ボードを製造出来ない状態。
【0064】
実施例1
SUSオートクレーブにエチレンジアミン(EDA)60g(1mol)を入れ、窒素で置換したあと、酸化プロピレン(PO)504g(9mol)を装入し、110℃で4時間反応した。脱ガスの後、触媒として水酸化カリウム(KOH)0.3gを加え窒素置換後、90〜110℃に加熱してKOHを溶解させ、酸化エチレン(EO)396g(9mol)を追加装入し、110℃で4時間反応した。得られたポリエーテルオールを常法により精製して酸化プロピレン(P0)/酸化エチレン(EO)ブロック共重合PPG(酸化エチレン含量43%;水酸基価230mgKOH/g)を得た。
【0065】
上記で合成したポリエーテルポリオール14.8重量部、内部離型剤として、あらかじめマイクロワックス標準品150M(融点60℃)を公知の方法で溶融乳化分散して得た40%マイクロワッツクス乳化液10g(乾燥重量として4部)を117部の水中に加え、更にポリメリックMDI(三井化学(株)製;商品名 コスモネートM−200)59.2部を高速攪拌しながら投入し乳化した。得られた水乳化液を5分後にブレンダー中のダストチップ820部へスプレーガンを用いて噴霧塗布した。
【0066】
次に乾燥した鋼製コール盤上に前記水乳化液を塗布したダストチップを30cm角の大きさに均一にフォーミングして鋼製コール盤をかぶせ、上記の条件にて熱圧プレスした。乳化開始から熱圧プレス開始までに要した時間は20分であった。熱圧後、鋼製コール盤への付着状態を観察したが、付着は見られなかった。また、熱圧成形後のボードは物性比較用とし、再び同一のコール盤を用いて上記の成形板製造操作を繰り返した。50回繰り返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。内部離型剤としてマイクロワックス(C)及び水(D)を使用することで、外部離型剤を塗布しないでも離型性が良好であることがわかった。以下の実施例においても同様な効果が確認された。
【0067】
実施例2
実施例1の方法において、PO/EOの付加モル比を4/5に変更して表1記載のポリエーテルポリオール(水酸基価450mgKOH/g)を得た。
これを用いて実施例1と同様にして接着剤の評価を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0068】
実施例3
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)/グリセリン(G)(モル比5:1)として得たポリオール(酸化エチレン含量:50%、水酸基価:452mgKOH/g)に変えた他は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0069】
実施例4
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をメタトルエンジアミン(MTD)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:449mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0070】
実施例5
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤を4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MDA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:452mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0071】
実施例6
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0072】
実施例7
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をモノエタノールアミン(MEOA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:60%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0073】
実施例8
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をトリエタノールアミン(TEOA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:713mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0074】
実施例9
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)/モノエタノールアミン(MEOA)1:1モル比混合物として得たポリオール(酸化エチレン含量:45%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0075】
実施例10
使用したポリオールを実施例1で使用したポリオール17.4部、無水フタル酸2.5部から220℃で15時間エステル化して合成したポリエステルポリオールを使用する以外は実施例1と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0076】
実施例11
実施例1で得た、エチレンジアミンをポリオールの開始剤として使用した酸化プロピレン/酸化エチレンブロック共重合体PPG(酸化エチレン含量:43%、水酸基価:230mgKOH/g)を使用し、そのポリオールの量を17.8重量部に、ポリメリックMDIを71.1部に、ダストチップの代わりに木質ファイバー820部を用い、樹脂添加量:表層/芯層=8/4(重量%)、フォーミング比:表層/芯層/表層=25/50/25(重量%)の3層にフォーミングする他は実施例1と同じ条件でMDFを成形した。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0077】
実施例12
実施例11の方法に準じて、ポリオールの水酸基価を450mgKOH/gに変えた他は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0078】
実施例13
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)/グリセリン(G)(モル比5:1)として得たポリオール(酸化エチレン含量:50%、水酸基価:452mgKOH/g)に変えた他は実施例11同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0079】
実施例14
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をメタトルエンジアミン(MTD)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:449mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0080】
実施例15
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤を4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MDA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:452mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0081】
実施例16
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0082】
実施例17
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をモノエタノールアミン(MEOA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:60%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0083】
実施例18
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をトリエタノールアミン(TEOA)として得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価:713mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0084】
実施例19
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)/モノエタノールアミン(MEOA)1:1モル比混合物として得たポリオール(酸化エチレン含量:45%、水酸基価:280mgKOH/g)に変えた以外は実施例11と同じ操作を行った。成形板製造操作を50回くり返しても鋼製コール盤に付着物は観察されなかった。
【0085】
比較例1
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をグリセリンにして得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価450mgKOH/g)に替えた以外は実施例1と同様にしてダストチップを用いてボードを成形した。しかし、この成形条件では成形物は固化せず、プレス圧を抜いたときに音を立ててボードが崩壊した。そのためそれ以降のボード物性評価は行なわなかった。
【0086】
比較例2
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をグリセリンとして得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価450mgKOH/g)に替え、ウレタン化触媒としてトリエチレンジアミン(TEDA)を1.0重量部、乳化時に使用した以外は実施例1と同様にしてダストチップを用いてボードを成形した。しかし、乳化後5分で乳化液が発泡、増粘した。熱圧プレス後の成形物はまだらになっていて表面には所々削れて凸凹になっていた。そのためそれ以降のボード物性評価は行なわなかった。このように既存のウレタン化反応に使用するアミン触媒を使用した場合には、十分な成形物を得ることは出来ないことが判った。
【0087】
比較例3
実施例1の方法に準じて、ポリオールの開始剤をグリセリンとして得たポリオール(酸化エチレン含量:40%、水酸基価450mgKOH/g)にし、ウレタン化触媒としてトリエチレンジアミンを0.5重量部、乳化時に使用した以外は実施例1と同様にしてダストチップを用いてボードを成形した。乳化後5分程度では乳化液は外見上変化はなく、熱圧プレスを行えた。しかし、熱圧プレス中、あるいは熱圧プレス後のボードは、触媒によるものと思われるアミン臭がし製品ボードの商品価値を下げ、また作業環境を悪化することことが分かった。
【0088】
比較例4
ポリメリックMDIとポリオールの代わりに、自己乳化型ポリメリックMDI(三井化学(株)製:商品名UR−4000)を水中に高速攪拌しながら乳化した水乳化接着剤を使用して実施例1と同様にボードを成形した。成形物の物性は、良好であったが、実施例と比較すると劣っていることが分かる。
【0089】
比較例5
実施例1の方法に準じて、ポリオールの水酸基価を1516mgKOH/g、にしたポリオール(ポリオール中の窒素原子の割合が18.9%)に変えた他は実施例1と同じ操作を行った。しかし、接着剤製造時に接着剤組成物が発泡し、一部沈殿が生成したためダストチップに塗布することが出来なかったためその後の成形板製造操作を行なわなかった。
【0090】
【表1】
Figure 0003981197
【0091】
【表2】
Figure 0003981197
【0092】
【発明の効果】
本発明方法に従えば、イソシアナート系接着剤を使用するボード製造プロセスにおいて有機ポリイソシアナートを水に乳化する際に、アミン化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオールまたは分子中に窒素化合物を含有するポリエステルポリオールを使用することにより、安定した乳化液が得られる。その乳化液にマイクロワックスの乳化液を加えた接着剤組成物を、特にリグノセルロース系材料の接着剤として用いると、強度をはじめ物性が改善され、また驚くべきことにプレス時間が短縮され、脱型性が向上することから、品質の良い安価なリグノセルロース成形板を生産性良く製造することができる。

Claims (6)

  1. (1)有機イソシアナート系化合物(A)、該有機イソシアナート系化合物(A)100重量部に対して、(2)トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、オルソトルエンジアミン、メタトルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ポリフェニルポリメチレンポリアミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物にアルキレンオキサイドを付加した、水酸基価24〜800mgKOH/g、酸化エチレンの付加含量がポリオールの重量に対し5〜70重量部であり、窒素原子を0.1〜12.0重量%含有するポリエーテルポリオール(B)1〜70重量部、(3)融点50〜90℃であり、数平均分子量(MN)350〜650の範囲であるマイクロワックス(C)0.1〜70重量部、及び(4)水(D)1〜300重量部を含有してなる水乳化液を含むリグノセルロース用接着剤。
  2. 有機イソシアナート系化合物(A)が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートである請求項1に記載のリグノセルロース用接着剤。
  3. パラフィンワックス(C)が、水性エマルジョンであり、平均粒子系が10から3000nmである請求項1又は2に記載のリグノセルロース用接着剤。
  4. マイクロワックス(C)が、真球状結晶の結晶形態であり、その割合が50重量%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載のリグノセルロース用接着剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の接着剤をリグノセルロース系材料と混合したのち、熱圧プレスを行うことを特徴とするリグノセルロース成形板の製造方法。
  6. 請求項5記載のリグノセルロース成形板の製造方法によって得られるリグノセルロース成形板。
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