JP3743731B2 - リグノセルロース成形板の製造方法 - Google Patents

リグノセルロース成形板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リグノセルロースを主原料とした熱圧成形ボードの製造方法に関する。リグノセルロースを主原料として用いた成形品は、リグノセルロースが木質削片の場合、パーチクルボードと称され、パーティクルボードの他には大型のチップを用いるウエハーボード、細長いチップ(ストランド)を1方向に配列させたオリエンテッドストランドボード(OSB)、木質繊維(ファイバー)の場合、インシュレーションボード、中比重繊維板(MDF)、ハードボードと称されて生産され、床材、壁材、ドア材、防音材、断熱材、畳心材、家具部材、自動車用部材として使用されている。
【0002】
【従来の技術】
従来、パーチクルボード、ウエハーボードおよびハードボード、MDF、インシュレーションボード等のファイバーボードや籾殻を成形してなる籾殻ボードやコーリャン茎を成形してなるコーリャンボード等(以下、これらをボードと称する)の製造のための接着剤またはバインダーとしては、熱硬化性である尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノールメラミン樹脂、フェノール樹脂等(以下、ホルマリン系樹脂接着剤と称する)が広く用いられている。これらの樹脂は安価で接着性も優れ、比較的短時間で硬化するという特質を有する。これらのホルマリン系樹脂接着剤の熱圧成形後の製品から放出されるホルマリンは環境上問題視されており、放出ホルマリン量を低減化させるための実際の使用に当たっては、接着剤中の遊離ホルマリン量を少なくしたり(樹脂接着剤のホルマリンモル比/フェノール、メラミン、尿素のモル比を小さくする)、ホルマリン系樹脂接着剤の配合時に、ホルマリンキャッチャー剤等が用いられている。一方で、非ホルマリン系であり、かつ優れたボード物性を与える接着剤として、イソシアナート系接着剤のボードへの利用も提案されている(特開昭57−131538号、特開昭57−147567号、米国特許3557263号、3636199号、3870665号、3919017号、3930110号など)。
【0003】
しかし、リグノセルロース系材料用接着剤として有機ポリイソシアナート系化合物を用い熱圧成形した場合、その優れた接着性のために熱盤への付着が生じる。この付着により、成形物は損傷し、商品としての価値を著しく損失し、また、熱盤からの付着物の除去にも多大な労力を費やしてしまう。この問題を解決するため、熱盤の金属からの離型性を向上させるために有機ポリイソシアナート系化合物への添加剤の検討も行われている。例えば、有機ポリイソシアナートへのアルキルリン酸塩または、ピロリン酸塩(特公平03−018068号)、スルホン化化合物(特公平05−038309号)、ワックスおよび液体エステル(特公平04−054390号)、脂肪族カルボン酸(特開昭58−36430号)、ポリシロキサン化合物(特開昭61−86225号)、脂肪酸ポリマー(米国特許第4772442号、4933232号)などが提案されている。
【0004】
また、他の方法では、離型剤を直接熱盤へ熱圧前に塗布しておく方法が提案されている。たとえば、金属石鹸を用いた離型層の形成(特開昭52−154875号)、高沸点ポリオール(独国特許第1653178号)、官能基を持つポリシロキサンフィルムの使用(英国特許第135992号)、ポリテトラフルオロエチレンによる被覆(米国特許第4374791号)などがある。そのため、一部のボード工場では製造の際、ボードを形成するいくつかの層の内、熱盤に触れない内部の層だけに有機ポリイソシアナート系接着剤を使用し、熱盤と接触する表面層は従来のホルマリン系樹脂を使用するといった例も行われている。しかしながら、上記いずれの方法も各々、種々の問題があり、実際の製造現場での使用に耐えうるものではなく、現在のところ、工程上、経済上、物性上すべてを満足する技術はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、有機ポリイソシアナート系接着剤を用いて熱盤に付着しないようにボード類を製造し、従来の方法では満足できなかった経済上、物性上の問題を解決し、高品質のボードを安価に製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、リグノセルロースを主原料とした熱圧ボードの製造方法に関し、熱盤に触れる最外層にホルマリン系接着剤を使用した木質繊維層を形成した後熱圧プレスを行い、熱圧プレス後に最外層のリグノセルロース層を研磨除去して得ることにより、熱盤に付着しないため生産性がよく、また、有機イソシアナート系接着剤に由来する耐水性の向上した熱圧ボードの製造方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)有機ポリイソシアナート系化合物(A)とポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオールポリオール(B)を含有してなる水乳化液をリグノセルロース系材料の接着剤として用いるリグノセルロース成形板の製造方法において、リグノセルロース成形板の最外層に有機ポリイソシアナート系化合物を実質的に含まない接着剤を用いる層を形成した後熱圧プレスを行い、熱圧プレス後に最外層を研磨除去することを特徴とするリグノセルロース成形板の製造方法、
【0008】
好ましくは、(2)ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)が、官能基数2〜8で、その構造中の−CH2 CH2 −O−の繰り返し単位がポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)の重量に対して5〜70%であり、かつ水乳化液中、有機ポリイソシアナート系化合物(A)100重量部に対して1〜70重量部であることを特徴とする前記(1)のリグノセルロース成形板の製造方法、(3)有機ポリイソシアナート系化合物(A)が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートであることを特徴とする前記(1)のリグノセルロース成形板の製造方法、(4)ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)が、分子中に窒素原子を含有するアミンポリオールであることを特徴とする前記(1)のリグノセルロース成形板の製造方法、および(5)有機ポリイソシアナート系化合物を実質的に含まない接着剤が、尿素ホルマリン系、メラミンホルマリン系、フェノールホルマリン系またはこれらの混合系であることを特徴とする前記(1)のリグノセルロース成形板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の方法は、リグノセルロース系材料に有機ポリイソシアナート系化合物、ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール、水より構成される接着剤を用いるリグノセルロース成形板の製造方法であり、この成形板を、前記接着剤を塗布したリグノセルロース層の外側、すなわち、熱盤に触れる最外層に実質的に有機イソシアナート系接着剤を含まない接着剤(以下、非イソシアナート系接着剤と称する)を塗布したリグノセルロース系材料をフォーミング後、熱圧プレスし、表面研磨を行い製品のボードとする方法である。
【0010】
リグノセルロース系材料としては、パーチクルボードに使用されるストランドチップ、ダストチップ、フレークチップや、ハードボード、MDF、インシュレーションボードに使用されるファイバー、およびコーリャン茎、パガス、籾殻等の農産物が挙げられる。これらの原料は単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0011】
本発明の方法において使用する接着剤の一つは、有機ポリイソシアナート系化合物、ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール、水を含有する接着剤である(以下、イソシアナート系接着剤と言うこともある)。この接着剤において(A)の有機ポリイソシアナート系化合物(以下、ポリイソシアナート(A)と称する)としては、イソシアナート基を有する物質であれば良いが、例えば、トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート(ポリメリックMDI)、あるいは上記イソシアナート化合物を活性水素を1個以上有する化合物で変性した変性イソシアナートが挙げられる。この中では、経済性の面からポリメリックMDIが好ましい。
【0012】
(B)のポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(以下、ポリオール(B)と称する)としては、官能基数2〜8の水酸基価(OHv)が24から800mgKOH/gのポリオールで、−CH2 CH2 −O−の繰り返し単位がポリオール(B)に対して5〜70%であれば良い。5%未満では乳化性能が不足するため好ましくなく、70%を超えるとポリイソシアナートとの相溶性が不足するため好ましくない。
【0013】
ポリエーテルポリオールとしては、開始剤である活性水素を2個以上有する低分子化合物に酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン等の分子内にエポキシ基を有するアルキレンオキシドを無触媒、あるいはアルカリ金属の水酸化物、第3級アミン等を触媒にして通常のポリオールの製造として公知の方法で付加して製造する。開始剤としては、グリセリン、ショ糖、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール等のアルコール類、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ノボラック等のフェノール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オルソトリレンジアミン、メタトリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、ポリメチルポリフェニルポリアミン等のアミン類が挙げられ、これら単独、あるいは混合して用いる。好ましくは、開始剤が上記アミン類である分子中に窒素原子を含有するアミンポリオールである。
【0014】
また、ポリエステルポリオールについては、カルボン酸無水物とアルコールとの付加反応、ポリカルボン酸とアルコールとの重縮合反応、酸へのアルキレンオキシドの付加により得られる。
カルボン酸無水物として、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、無水シトラコン酸、無水ジフェン酸、無水トルイル酸等が挙げられ、ポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、トリメリット酸等が挙げられる。また、アルコールとしては、上記開始剤で挙げたアルコール類、フェノール類、あるいは上記開始剤のアルキレンオキシド付加物が使用できる。
【0015】
この接着剤において、ポリイソシアナート(A)の水乳化方法は、ポリイソシアナート(A)とポリオール(B)と水を3種同時に高速混合して乳化しても良いし、ポリオール(B)と水を混合した後にポリイソシアナート(A)を高速攪拌しながら添加して乳化してもよいし、ポリオール(B)とポリイソシアナート(A)を混合した後高速攪拌しながら水中に添加して乳化しても良い。また、それぞれの段階で本発明を阻害しない範囲で、界面活性剤、安定剤を使用しても良い。混合の方式はバッチ式でも、連続式でも良く、ホモジナイザー、スタチックミキサー等が使用できる。
使用する水分量は、リグノセルロース系材料の水分量によっても異なるが、接着剤がリグノセルロース系材料に均一に混合できる量であれば良いので、接着剤量の1〜300重量%が好ましい。
ポリイソシアナート(A)とポリオール(B)との混合比は、重量比で(A):(B)=100:1〜100:70の範囲であり、好ましくは100:5〜100:50の範囲である。すなわち、ポリオール(B)はポリイソシアナート(A)100重量部に対して、1〜70重量部の範囲で使用される。ポリオール(B)が1重量部未満では安定した水乳化液とならず、また70重量部を超えるとボード物性が悪化する。
【0016】
また、本発明において最外層に用いる非イソシアナート系接着剤としては、従来ボード用に使用されている尿素ホルマリン系、メラミンホルマリン系、フェノール系、フェノールホルマリン系、エポキシ系およびこれらの混合系が挙げられる。この接着剤の使用に際して、公知の方法で乳化すればよい。
【0017】
本発明のリグノセルロース成形板の製造においては、成形板が成形機の熱盤に触れる最外層には、非イソシアナート系接着剤を用い、成形板が成形機の熱盤に触れない内層にはイソシアナート系接着剤を用いる。
最外層のリグノセルロース層は、非イソシアナート系接着剤とリグノセルロース系材料とを公知方法で混合し、フォーミング方法についても従来公知の方法が適用できる。
また、内層については、イソシアナート系接着剤とリグノセルロース系材料の比率は、接着剤水乳化液中のポリイソシアナート(A)およびポリオール(B)の有効成分の和とリグノセルロース系材料との重量比で、2:100〜30:100の範囲であり、好ましくは3:100〜20:100の範囲である。有効成分がリグノセルロース系材料100重量部に対して、2重量部未満では接着剤としての効果が得られず、30重量部で充分なボード物性が得られるため、30重量部を超える量の接着剤を使用しても工業的に無駄である。
リグノセルロース系材料と、ポリイソシアナート(A)とポリオール(B)とを含有する水乳化液である接着剤との混合方法は、ブレンダー中に水乳化液をスプレーするか、もしくは類似の装置を用いて接着剤をリグノセルロース系材料に均一に混合することが望ましい、このとき、必要があれば、溶剤や水で希釈して使用しても良い。この場合、水で希釈するのが、経済性、安全面から好ましい。
【0018】
フォーミングについては、最外層に非イソシアナート系接着剤を含むリグノセルロース層を形成すれば良く、イソシアナート系接着剤を塗布したリグノセルロース層は単層でも多層でもよい。また、必要があれば積層した後にプレプレスしても良く、また、積層する前にプレプレスしたマットを積層しても良い。
最外層に非イソシアナート系接着剤の層を形成する方法は、フォーミング時に最外層に非イソシアナート系接着剤の層を形成してもよく、また、熱盤の下面に非イソシアナート系接着剤を使用したリグノセルロース層を形成した後、イソシアナート系接着剤を使用したリグノセルロース層を上に乗せ、さらにその上に非イソシアナート系接着剤を使用したリグノセルロース層を形成してもよい。
【0019】
最外層(非イソシアナート系接着剤を用いたリグノセルロース層)と内層(イソシアナート系接着剤を用いたリグノセルロース層)の比率は、最外層が熱圧プレス後研磨除去されてしまうので、ボード表面、またはフォーミングしたマットに隙間なく行きわたるように、フォーミング比(重量換算)で最外層:内層=0.1:100〜30:100の範囲が好ましい。これより少ないとフォーミング時、マット表面に離型性を改善されていない接着剤を塗布したリグノセルロースが表面に現れ、離型性が低下するため好ましくない。
【0020】
接着剤とリグノセルロース系材料との混合物は、フォーミングを経て熱圧プレスを行なうが、フォーミング時には単層から複数の層にフォーミングが可能である。フォーミング後、熱圧プレスをする前にプレプレスを行っても良い。
熱圧プレスは熱が成形材料中に行きわたれば良いので、形状も上下共に平板でも良く、湾曲した型でもよいが、連続生産性、コスト面から平板プレスが好ましい。また、プレスの方式は連続プレスでも多段式プレスでもよい。
熱圧プレス後のボードの最外層のホルマリン系接着剤使用の層は取り除いて、必要があれば所望の厚さに研磨して仕上げをしてもよい。また、研磨くずは、良くほぐした後、原料のリグノセルロース材料として用いることもできる。
また、本発明においては所望の効果を阻害しない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤、ポバール、金属触媒、内部離型剤、外部離型剤、合成ゴムラテックス、アクリル系エマルジョンを併用してもよい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を何等限定するものではない。実施例及び比較例における評価結果を表1〜2に示す。例中特に断らない限り部および比率は重量基準による。また、性能比較におけるボードの共通製造条件を以下に述べる。
原料:ダストチップまたは木質ファイバー(含水率7.0%、以下チップと称する)
ボード構成:単層または3層
ボード厚(研磨部分除く):10mm
マット含水率:16%
熱圧温度:180℃
プレス圧力:35kg/cm2
プレス時間:130秒
設定密度:700kg/m3
【0022】
評価試験
1.曲げ強さ
成形した試料から”繊維板 JIS−A−5905”の試験片の項目に準じ、幅50mm、長さ275mm(スパン225mm)に試験片を裁断し、曲げ強さ試験を行った。結果は常態曲げ強度として表示した。
2.湿潤時の曲げ強さ(A試験)
成形した試料から1.と同様の方法で試験片を裁断した。次に試験片を70±3℃の温水中に2時間浸せきし、常温水中1時間浸せきした後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験を行った。結果は湿潤Aの曲げ強さ強度として表示した。
3.中核剥離強度
成形した試料から”繊維板 JIS−A−5905”の試験片の項目に準じ、幅50mm、長さ50mmに試験片を裁断し、剥離試験を行った。結果は中核剥離強度として表示した。
4.離型性試験
熱圧時、鋼製のコール盤を用い、熱圧後のコール盤へのチップの付着状態を目視確認した。この操作を最大30回繰り返して付着が確認されるまでの回数を記録した。
5.ホルムアルデヒド放出量
成形した試料から”繊維板 JIS−A−5905”の試験方法に従いホルムアルデヒド放出量を測定した。
6.総合評価
評価試験1〜4のJIS適合基準で合否の判定を表示した。
○:JIS適合基準に合格
×:JIS適合基準に不合格
【0023】
実施例1
まず、表1の配合で、エチレンジアミン(EDA)を開始剤とし、酸化プロピレン/酸化エチレンブロック共重合PPG(酸化エチレン含量40%;水酸基価252mgKOH/g)23.8部を127.2部の水中に溶解し、更にポリメリックMDI(三井東圧化学(株)製;商品名 コスモネートM−200)75.9部を高速攪拌しながら投入して乳化しイソシアナート系配合糊を調製した。配合糊を直ちにブレンダー中の木質ファイバー1423部にスプレーガンを用いて均一に噴霧塗布した。一方、有機ポリイソシアナート系化合物を実質的に含まない接着剤(以下ホルマリン系接着剤)としてメラミンタイプ接着剤(三井東圧化学(株)製;商品名 ユーロイドU−777)をダストチップ100部(水分量15%)に樹脂量が10%になるようにスプレーガンを用いて均一に噴霧塗布し、鋼製コール盤上に30cm角の大きさに均一にフォーミングし、次いでイソシアナート系配合糊を塗布したダストチップをフォーミングし、さらにメラミンタイプ接着剤を塗布したダストチップ100部をフォーミングして鋼製コール盤をかぶせ、上記の条件にて12mmまで熱圧プレスした。熱圧後、鋼製コール盤への付着を観察したが、付着は見られなかった。また、熱圧成形後のボードは上下層それぞれ1mmを削り、10mm厚まで研磨した後に物性を測定した。また、再び同一のコール盤を用いて上記の操作を繰り返した。50回繰り返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0024】
実施例2
使用したホルマリン系接着剤として尿素タイプ接着剤(三井東圧化学(株)製;商品名 ユーロイドU−775)を使用する他は実施例1と同様にしてボードを成形した。熱圧後、鋼製コール盤への付着を観察したが、付着は見られなかった。また、熱圧成形後のボードは上下層それぞれ1mmを削り、10mm厚まで研磨した後に物性を測定した。また、再び同一のコール盤を用いて上記の操作を繰り返した。50回繰り返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0025】
実施例3
使用したホルマリン系接着剤としてフェノールタイプ接着剤(三井東圧化学(株)製;商品名 ユーロイドPL−281)を使用する他は実施例1と同様にしてボードを成形した。熱圧後、鋼製コール盤への付着を観察したが、付着は見られなかった。また、熱圧成形後のボードは上下層それぞれ1mmを削り、10mm厚まで研磨した後に物性を測定した。また、再び同一のコール盤を用いて上記の操作を繰り返した。50回繰り返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0026】
実施例4
使用したポリオールの開始剤をオルソトルエンジアミン(OTD)に変えた(水酸基価:220mgKOH/g)他は実施例1と同じ操作を行った。操作を50回くり返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0027】
実施例5
使用したポリオールの開始剤をトリエタノールアミン(TEOA)に変えた(251mgKOH/g)他は実施例1と同じ操作を行った。操作を50回くり返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0028】
実施例6
使用したポリオールの量を37.7部に、ポリメリックMDIを120.9部に、ダストチップの代わりにダストチップを用いること以外は実施例1と同じ操作を行った。操作を50回くり返しても鋼製コール盤への付着は観察されなかった。
【0029】
実施例7
使用したポリオールを、実施例1で使用したポリオール28.3部と無水フタル酸2.5部からなるエステル結合を有するポリオールに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。操作を50回くり返しても鋼製コール板への付着は観測されなかった。
【0030】
比較例1〜7
ホルマリン系配合糊を塗布したリグノセルロースの層を最外層に形成しない以外は実施例1〜7と同様にしてダストチップ、木質ファイバーを用いて10mmまでプレスしてボードを成形した。しかし、いずれも鋼製コール盤への付着が観測され、ボード表面には所々削れて凸凹になっていた。そのためそれ以降のボード物性評価は行なわなかった。
【0031】
【表1】
Figure 0003743731
【0032】
【表2】
Figure 0003743731
【0033】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように本発明方法に従えば、従来のイソシアナート系接着剤を使用するボード製造プロセスでは事実上、回避不可能であった熱盤への付着もなくなり生産性が向上した、さらに成形したボードは高品質である。したがつて、本発明の方法は品質の良い安価なリグノセルロース成形板を生産性良く製造する工業的な方法として好適である。

Claims (3)

  1. 有機ポリイソシアナート系化合物(A)とポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)を含有してなる水乳化液をリグノセルロース系材料の接着剤として用いるリグノセルロース成形板の製造方法において、ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)として、官能基数が2〜8で、その構造中の−CH 2 CH 2 −O−の繰り返し単位がポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)の重量に対して5〜70%であり、かつ有機ポリイソシアナート系化合物(A)100重量部に対して1〜70重量部を用い、かつ、リグノセルロース成形板の最外層に尿素ホルマリン系、メラミンホルマリン系、フェノールホルマリン系またはこれらの混合系である接着剤を用いる層を形成し後熱圧プレスを行い、熱圧プレス後に該最外層を研磨除去することを特徴とするリグノセルロース成形板の製造方法。
  2. 有機ポリイソシアナート系化合物(A)が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートであることを特徴とする請求項1記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
  3. ポリエーテルおよび/またはポリエステルポリオール(B)が、分子中に窒素原子を含有するアミンポリオールであることを特徴とする請求項1記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
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