JPH11320517A - リグノセルロース成形板の製造方法 - Google Patents

リグノセルロース成形板の製造方法

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JPH11320517A
JPH11320517A JP12926298A JP12926298A JPH11320517A JP H11320517 A JPH11320517 A JP H11320517A JP 12926298 A JP12926298 A JP 12926298A JP 12926298 A JP12926298 A JP 12926298A JP H11320517 A JPH11320517 A JP H11320517A
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JP
Japan
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lignocellulose
molded plate
producing
release agent
adhesive
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JP12926298A
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English (en)
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Yasuhiro Matsuzaka
康弘 松坂
Naohiro Murata
尚洋 村田
Hideki Todoroki
秀樹 轟
Hisashi Hokogahara
久 鉾之原
Hirohide Sakaguchi
博英 坂口
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 リグノセルロース系材料を原料とし、接
着剤として粒子径の平均が40μm以下に微粒子化され
た有機イソシアナート系化合物を、硬化剤等と別々に添
加し熱圧プレスすることにより得られる、リグノセルロ
ース成形板の製造方法。 【効果】 従来のイソシアナート系バインダー使用のリ
グノセルロース成形板の製造プロセスでは回避不可能で
あった配管、混合器等への有機イソシアナート系化合物
の重合体の付着が無くなることにより、効率的な生産が
可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリグノセルロースを
主原料とした熱圧成形ボードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リグノセルロースを主原料として用いた
成形品は、リグノセルロースが木質削片の場合パーチク
ルボードと称され、パーチクルボードの他には大型のチ
ップを用いるウエハーボード、細長いチップ(ストラン
ド)を1方向に配列させたオリエンテッドストランドボ
ード(OSB)、木質繊維(ファイバー)の場合インシ
ュレーションボード、中比重繊維板(MDF)、ハード
ボードと称されて生産され、床材、壁材、ドア材、防音
材、断熱材、畳心材、家具部材、自動車用部材として使
用されている。
【0003】従来、パーチクルボード、ウエハーボー
ド、OSB,およびハードボード、MDF、インシュレ
ーションボード等のファイバーボードや籾殻を成形して
なる籾殻ボードやコーリャン茎を成形してなるコーリャ
ンボード等(以下ボードと称する)の製造のための接着
剤、または、バインダーとしては、熱硬化性である尿素
樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノールメ
ラミン樹脂、フェノール樹脂等(以下、ホルマリン系樹
脂接着剤という。)が広く用いられている。
【0004】これらの樹脂は安価で接着性に優れ、比較
的短時間で硬化するという特質を有する。しかし、これ
らのホルマリン系樹脂接着剤の熱圧成形後の製品から放
出されるホルマリンは環境上問題視されており、放出ホ
ルマリン量を低減化させるため、実際の使用に当たって
は、接着剤中の遊離ホルマリン量を少なくしたり(樹脂
接着剤のホルマリンモル比/フェノール、メラミン、尿
素のモル比を小さくする)、ホルマリン系樹脂接着剤の
配合時に、ホルマリンキャッチャー剤等が用いられる等
の改良が提案されているが、まだ十分ではない。
【0005】また一方で、非ホルマリン系であり、かつ
優れたボード物性を与える接着剤として、イソシアナー
ト系接着剤のボードへの利用も提案されている(特開昭
57−131538号、特開昭57−147567号各
公報、米国特許3557263号、3636199号、
3870665号、3919017号、3930110
号明細書など)。
【0006】しかし、リグノセルロース系材料用接着剤
として有機イソシアナート系化合物を用いた場合、有機
ポリイソシアナート系化合物自体の粘度が高いことや、
また優れた接着性により接着剤使用量が少ないことか
ら、実際の使用に当たっては、該接着剤を適当な希釈剤
で希釈して、十分に分散性を向上させてから、当該リグ
ノセルロース系材料に添加する必要がある。
【0007】有機イソシアナート系化合物を希釈剤で希
釈する方法については、例えば水で希釈させるために有
機ポリイソシアナートに変性を行い親水性を付与させる
方法(特公平3−21321号公報等)が開示されてい
るが、有機イソシアナート系化合物を変性することによ
ってコストの上昇につながり、経済上好ましくない。ま
た乳化剤を使用することにより有機イソシアナート系化
合物を水で希釈する方法(特開昭63−276501号
公報)が開示されているが、これらの方法は有機イソシ
アナート系化合物がその特性上水と反応することから、
水で乳化した有機イソシアナート系化合物が周りの水を
徐々に反応し、接着能力の低下、および配管内への反応
物の析出等を生じ、また物性面ではボード物性の低下お
よび不安定を生じ、さらに工程面では製造ラインの停
止、立ち上げ、および長期の運転等にライン閉塞、流量
低下等の工程上の不具合を生じる等、種々の問題を引き
起こす。
【0008】また、有機イソシアナート系化合物を水で
希釈する方法として、衝突混合方法(特開昭63−27
6501号公報)、スタチックミキサーによる混合方法
および洗浄方法(特開平2−279303号公報)等が
開示されているが、接着剤、希釈剤の量に変動がある
と、得られる乳化物の乳化状態が安定しないばかりか、
使用する添加剤の有機イソシアナート系化合物との相性
の悪いものは使用できないという欠点がある。また、こ
れらの方法では定期的に混合器内を洗浄剤で洗浄しても
完全には洗浄できず、長期の使用においてはやはり上記
に挙げたような有機イソシアナート系化合物と水との反
応物がスケールとなって配管内の閉塞等を引き起こす結
果となる。
【0009】このように、上記いずれの方法も各々、製
造上のコスト高、工程上の問題等、種々の問題があり、
実際の製造現場での使用に耐えうるものではなく、現在
のところ、工程上、経済上、物性上すべてを満足する技
術はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の方法では満足できなかった工程上、物性上の問題を解
決し、有機ポリイソシアナート系接着剤を用いる際に、
有機イソシアネート系化合物の反応物が配管内に付着す
ることに起因するライントラブル等を起こさないで製造
することが出来、さらに高品質のボードを効率良く安価
に安定的に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リグノセ
ルロースを主原料とした熱圧成型ボードの製造方法に関
して鋭意検討した結果、上記の問題を解決する方法を見
い出し、本発明に到達した。
【0012】即ち、本発明ではこれまで困難とされてき
た有機イソシアナート系化合物のスプレー方法を、微粒
子化できるスプレーノズルを使用することにより水等の
希釈剤で希釈すること無しに単独で吹き付けられ、その
結果、水と有機イソシアナート系化合物の乳化物が混合
器内、配管内、およびスプレーヘッドに存在しないた
め、ラインの閉塞等のライントラブルを生じなくなるこ
と、また、硬化剤、硬化促進剤、離型剤などの添加剤等
を有機イソシアナート系化合物と別個に吹き付けること
により、添加剤システムの自由度が広がったことに伴
い、硬化速度、離型性等が自由に制御できるシステムを
構築することが出来るため、工程上、物性上好ましいボ
ードの製造方法であることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(1
3)を提供するものである。 (1) リグノセルロース系材料に有機イソシアナート
系化合物を接着剤として使用し、該材料を熱圧プレスを
行うことによって得られるリグノセルロース成形板の製
造方法であって、有機イソシアナート系化合物(A)を
単独で、且つそのミスト径の平均が40ミクロン以下と
なるようにしてリグノセルロース系材料にスプレーする
ことを特徴とするリグノセルロース成形板の製造方法。
【0014】(2) 有機イソシアナート系化合物
(A)をスプレーする方法が、エアスプレー方式である
ことを特徴とする(1)記載のリグノセルロース成形板
の製造方法。
【0015】(3) リグノセルロース系材料に、さら
に硬化剤(B)を添加することを特徴とする(1)又は
(2)記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
【0016】(4) リグノセルロース系材料に、さら
に硬化促進剤(C)を添加することを特徴とする(3)
記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
【0017】(5) 硬化促進剤(C)が、酸化エチレ
ン骨格を有するポリエーテルおよび/またはポリエステ
ルポリオールであることを特徴とする(4)記載のリグ
ノセルロース成形板の製造方法。
【0018】(6) ポリエーテルポリオールおよび/
またはポリエステルポリオール中の窒素原子の割合が、
全体の0.1〜12.0重量%、ポリエーテルポリオー
ルおよび/またはポリエステルポリオールの官能基数が
2〜8で、その構造中の(−CH2CH2−O−)の繰り
返し単位がポリエーテルポリオールおよび/またはポリ
エステルポリオールの重量に対して5〜70%であるこ
とを特徴とする(5)又は(6)記載のリグノセルロー
ス成形板の製造方法。
【0019】(7) ポリエーテルポリオールが、アミ
ン開始剤にアルキレンオキシドを付加させたアミン系ポ
リオールであることを特徴とする(5)〜(7)のいず
れかに記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
【0020】(8) ポリエーテルポリオールが、トリ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、オルソトルエンジアミン、メタトルエンジア
ミン、ジフェニルメタンジアミンまたはポリフェニルポ
リメチレンポリアミンの中から選択される1種またはそ
れ以上の化合物にアルキレンオキサイドを付加し、この
アルキレンオキサイドのうち酸化エチレンの付加含量が
ポリエーテルポリオールの重量に対し5〜70重量部で
あることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載
のリグノセルロース成形板の製造方法。
【0021】(9) (4)〜(8)のいずれかに記載
のリグノセルロース成形板の製造方法であって、さらに
離型剤(D)を併用することを特徴とするリグノセルロ
ース成形板の製造方法。
【0022】(10) 離型剤(D)が、ワックス系離
型剤、金属石鹸系離型剤またはこれらの混合系からなる
離型剤であることを特徴とする(9)記載のリグノセル
ロース成形板の製造方法。
【0023】(11) 離型剤(D)が、水エマルショ
ンであることを特徴とする(9)又は(10)記載のリ
グノセルロース成形板の製造方法。
【0024】(12) 硬化剤(B)が、水であること
を特徴とする(3)〜(11)のいずれかに記載のリグ
ノセルロース成形板の製造方法。
【0025】(13) 有機イソシアナート系化合物
(A)が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナー
トであることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか
に記載のリグノセルロース成形板の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0027】本発明におけるリグノセルロース系材料か
らなる熱圧成形ボードの製造方法とは、リグノセルロー
ス系材料に有機イソシアナート系化合物を接着剤として
使用し、該材料を熱圧プレスを行うことによって得られ
るリグノセルロース成形板の製造方法であって、その有
機イソシアナート系化合物を単独で、且つそのミスト径
の平均が40ミクロン以下となるようにしてリグノセル
ロース系材料にスプレーすることを特徴とするリグノセ
ルロース成形板の製造方法である。
【0028】より詳しくは、リグノセルロース系材料に
有機イソシアナート系化合物からなる接着剤、硬化剤及
び硬化促進剤より構成されるものが好ましく、さらに
は、リグノセルロース系材料に有機イソシアナート系化
合物からなる接着剤、硬化剤、硬化促進剤及び離型剤よ
り構成されるものが好ましい。この接着剤は特にリグノ
セルロース成形板(以下、ボードということもある。)
として有用なものである。さらに具体的には、硬化剤が
水であることが好ましく、又硬化促進剤が、ポリエーテ
ルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールで
あることが好ましい。
【0029】本発明におけるリグノセルロース成形板の
製造方法とは、リグノセルロース系材料に有機イソシア
ナート系化合物(A)、硬化剤(B)(好ましくは
水)、硬化促進剤(C)(好ましくは、ポリエーテルポ
リオールおよび/またはポリエステルポリオール)、必
要に応じて離型剤(D)を塗布し、その後、熱圧プレス
を行い製品であるリグノセルロース成形板を得るという
ものである。
【0030】リグノセルロース系材料としては、パーチ
クルボード、ウエハーボード、OSBに使用されるスト
ランドチップ、ダストチップ、フレークチップや、ハー
ドボード、MDF、インシュレーションボードに使用さ
れるファイバーおよびコーリャン茎、パガス、籾殻等の
農産物が挙げられる。これらの原料は単独で使用しても
良いし、2種以上を組み合わせて使用することもでき
る。
【0031】本発明における有機イソシアナート系化合
物(A)としては、イソシアナート基を有する物質であ
れば良く、何ら制限無く使用できるが、具体的には、た
とえば、トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシ
アナート、キシレンジイソシアナート、イソホロンジイ
ソシアナート、ノルボルネンジイソシアナート、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアナート(ポリメリック
MDI)、あるいは上記イソシアナート化合物を活性水
素を1個以上有する化合物で変性した変性イソシアナー
ト等が挙げられる。この中では、経済性の面からポリメ
リックMDIが好ましい。
【0032】本発明において使用される硬化剤(B)と
しては、実質的にイソシアナートと反応出来る活性水素
を有する物質であれば良く、何ら制限無く使用できる
が、具体的には、経済性、安全性等から、水が好まし
い。
【0033】本発明において用いる硬化促進剤(C)と
しては、前記有機イソシアナート系化合物(A)の反応
活性を上げる働きのある物質ならば何等制限無く、どれ
でも使用出来る。具体的には、例えば、通常ウレタン化
学で公知のアミン触媒、金属触媒、含窒素化合物などが
使用出来る。これらの中で、低分子第3級アミンや金属
触媒等の比較的低分子の触媒は、ボード製造後にボード
より飛散したり、溶出したりする等の可能性があるた
め、有機イソシアナート系化合物(A)と反応し、熱圧
プレス後のボードより飛散しないものとして、より具体
的には、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエ
ステルポリオール(以下ポリオールと称することもあ
る。)等が好ましい。
【0034】上記したポリエーテルおよび/またはポリ
エステルポリオールは、ポリエーテルポリオール又はポ
リエステルポリオール単独でも、ポリエーテルポリオー
ルとポリエステルポリオールとの混合物として用いても
良いし、ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールで
もよい。
【0035】ポリエーテルポリオールおよび/またはポ
リエステルポリオール(以下ポリオールと称する)とし
ては、末端OH基や末端アミノ基等の官能基数2〜8
で、水酸基価(OHv)が24〜800mgKOH/g
であり、該ポリオール分子中に窒素化合物を含有するポ
リエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリ
オールであるものが好ましい。また、上記ポリオールと
して、酸化エチレン骨格を有するポリエーテルポリオー
ルおよび/またはポリエステルポリオールが好ましく、
その官能基数が2〜8で、その構造中の(−CH2CH2
−O−)の繰り返し単位がポリオールの重量にに対し
て、好ましくは5〜70wt.%、より好ましくは10
〜60wt.%である。上記酸化エチレン含量が5w
t.%以上であれば、硬化促進効果が良好であり、また
70wt.%以下であれば、ポリイソシアナートとの相
溶性が良好であり、好ましい。
【0036】また、上記ポリエーテルポリオールおよび
/またはポリエステルポリオール中の窒素原子の割合
は、0.1〜12.0wt.%が好ましく、より好まし
くは1.0〜10.0wt.%である。これが、0.1
wt.%以上では硬化促進が効率的に可能であり、1
2.0wt.%以下では反応が適当で、接着剤の製造が
容易である。
【0037】上記のポリエーテルポリオールとしては、
開始剤である活性水素を2個以上有する低分子化合物に
酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化ス
チレン等の分子内にエポキシ基を有するアルキレンオキ
シドを無触媒、あるいはアルカリ金属の水酸化物、第3
級アミン等を触媒にして通常のポリオールの製造として
公知の方法で付加して製造する。
【0038】上記の開始剤としては、アミン系開始剤と
して、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のエタノールアミン類、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、オルソトリレンジア
ミン、メタトリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメ
タンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、
ポリメチルポリフェニルポリアミン等のアミン類が挙げ
られ、これらは単独、あるいは混合して用いることもで
きる。
【0039】また、非アミン系開始剤、すなわち、グリ
セリン、ショ糖、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレング
リコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,2−ブタンジオール等のアルコール類、ハイド
ロキノン、ビスフェノールA、ノボラック等のフェノー
ル類等と混合して用いてもよい。
【0040】本発明において好ましい開始剤としては、
上記のアミン系開始剤であり、これらアミン系開始剤に
非アミン系開始剤を併用して使用しても何等差し支えな
い。また、本発明においてより好ましいポリエーテルポ
リオールとしては、上記したアミン系開始剤に前記した
アルキレンオキシドを付加させたアミン系ポリオールが
挙げられる。より具体的には、上記のポリエーテルポリ
オールとして、トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、モノエタノールアミン、オルソトルエンジアミ
ン、メタトルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン
またはポリフェニルポリメチレンポリアミンの中から選
択される1種またはそれ以上の化合物にアルキレンオキ
サイドを付加し、このアルキレンオキサイドのうち酸化
エチレンの付加含量がポリエーテルポリオールの重量に
対し5〜70wt.%であるものが好ましい。
【0041】また、ポリエステルポリオールについて
は、酸無水物とアルコールとの付加反応、ポリカルボン
酸とアルコールとの重縮合反応またはポリカルボン酸へ
のアルキレンオキシドの付加により得られる。
【0042】酸無水物として例えば、無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット
酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、
無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、無水シトラコ
ン酸、無水ジフェン酸、無水トルイル酸等が挙げられ、
ポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、テレフ
タル酸、ジメチルテレフタル酸、イソフタル酸、フマル
酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スペリン酸、アセライン酸、セバシン酸、ク
エン酸、トリメリット酸等が挙げられる。また、アルコ
ールとしては、上記開始剤で挙げたアルコール類、フェ
ノール類、あるいは、上記開始剤のアルキレンオキシド
付加物が使用できる。
【0043】本発明においては、有機イソシアナート系
化合物(A)からなる接着剤とともに、前記した硬化剤
(B)、硬化促進剤(C)を添加して併用使用できる
が、さらに離型剤(D)を併用使用しても良い。
【0044】ここで、上記(D)成分を接着剤成分とと
もに混合して使用しない場合、即ち外部離型剤として使
用する場合には、ボードの熱圧プレス時に熱盤に接着剤
組成物等が付着しないように熱盤に離型剤(D)を外部
離型剤として塗布してプレスすることが推奨される。こ
こで、外部離型剤としては、公知の離型剤を使用でき、
例えば後述する本願発明の(D)成分として使用される
ものが例示される。接着剤中に離型剤(D)を添加した
場合には、通常では熱盤に離型剤(D)を塗布する必要
はないが、逆に併用することにより、さらに離型性を向
上させることもできる。
【0045】本発明において使用する離型剤とは、ボー
ドの熱圧プレス時に熱盤に接着剤等が付着しないよう
に、ボードと熱盤の離型性を向上せしめる性質を有する
物質であり、その使用方法から大きく2つに分類され
る。そのうち一方は、接着剤中に予め離型剤を添加して
使用する方法であり、この場合には一般に内部離型剤と
呼ばれるもの(以下、内部離型剤と称する)である。も
う一方は、熱盤あるいはフォーミングマットの表面に離
型剤を塗布あるいはスプレーする方法であり、この場合
には一般に外部離型剤と呼ばれる(以下、外部離型剤と
称する)ものである。
【0046】本発明における内部離型剤としては、ボー
ドと熱盤の離型性を向上せしめるものであれば、何等制
限無く好適に使用できるが、本発明において好ましいも
のとしては、具体的には、ワックス系離型剤、金属石鹸
系離型剤またはこれらの混合物からなる離型剤が挙げら
れる。即ち、ワックス類、金属石鹸類又はこれらの混合
物が内部離型剤として好適に使用できる。
【0047】ワックス系離型剤としては、具体的には、
たとえば、キャンデリラワックス、カルナウバワック
ス、ライスワックス、木ろう、パームワックス、蜜蝋、
ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、オゾケライト、
セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワ
ックス、ポリエチレンワックス、変成ワックス、水素化
ワックス、およびこれらの配合ワックス等のワックス類
を挙げることができる。
【0048】金属石鹸系離型剤としては、上記目的に適
合するものであれば何等制限はないが、特に炭素数8〜
28を有する飽和および/または不飽和脂肪族カルボン
酸の金属塩が好ましく使用できる。
【0049】炭素数8〜28を有する飽和および/また
は不飽和脂肪族カルボン酸の金属塩は、その酸成分であ
る脂肪族カルボン酸としては、モノ、ジ、トリのいずれ
の官能基数のものでも使用できるが、中でも、炭素数1
2〜22の直鎖脂肪族のモノカルボン酸が好ましい。例
えば、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、アラキン酸、リグノセリン酸、ベヘニン酸など
の脂肪族カルボン酸等が挙げられる。また、金属成分と
しては、亜鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、ジルコ
ニウム、マグネシウム、バリウム、ニッケル、銅、コバ
ルトなどが挙げられる。これらは酸成分、金属成分それ
ぞれの群より選ばれた少なくとも1種以上を組み合わせ
て使用できる。すなわち、上記の好ましいカルボン酸か
らなる群から選ばれる酸成分と、上記の好ましい金属か
らなる群から選ばれる金属成分から構成されるカルボン
酸の金属塩を単独または2種以上の混合物として使用で
きる。
【0050】上記カルボン酸の金属塩の具体的な例とし
ては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ミスチリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニ
ン酸などの脂肪族カルボン酸の亜鉛、鉄、アルミニウ
ム、カルシウム、ジルコニウム、マグネシウム、バリウ
ム塩等が挙げられ、上記脂肪族カルボン酸としては、モ
ノ、ジ、トリいずれの官能基数のものでも使用できる
が、中でも炭素数12〜22の直鎖脂肪族のモノカルボ
ン酸が好ましい。
【0051】上記した金属石鹸類は、本発明の接着剤及
びリグノセルロース系材料中においてその形態で存在す
れば良いので、金属塩の状態で添加して使用しても良
く、脂肪族カルボン酸と金属化合物を別々に添加して使
用しても良い。
【0052】また、上記の離型剤であるワックス類、金
属石鹸類は必要に応じて乳化剤を用いて乳化物(水エマ
ルション)として使用しても良い。この場合の乳化剤と
しては一般的に使用されているものであれば良く、脂肪
酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン
酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール
スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロック
コポリマー等の界面活性剤が挙げられるが、本発明はこ
れらの界面活性剤に限定されるものではない。また、こ
れらの界面活性剤は単独で用いても良いし、2種類以上
を組み合わせて使用しても良い。
【0053】さらに、必要に応じて乳化安定剤を用いて
も良い。この場合の乳化安定剤としては離型剤およびこ
れらの乳化物を安定化することの出来るものであれば良
く、特に制限はない。具体的には、例えば保護コロイド
を形成するような天然高分子化合物、合成高分子化合物
が挙げられ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が使用
できる。
【0054】上記した離型剤を内部離型剤として使用す
る場合には、前記の硬化剤(B)、又は硬化促進剤
(C)のいずれに添加して使用しても良く、また硬化剤
(B)及び硬化促進剤(C)よりなる混合物に添加して
使用しても良く、どちらでも使用できる。より具体的に
は、硬化促進剤(C)であるポリオール、または硬化剤
(B)である水のいずれに添加して使用しても良く、ま
た、ポリエーテルポリオール及び水よりなる混合物に添
加して使用しても良い。
【0055】本発明において、接着剤である有機イソシ
アナート系化合物(A)のリグノセルロース系材料に対
する添加量としては、リグノセルロース系材料の水分量
や目的物性によっても異なるが、接着剤がリグノセルロ
ース系型材料に混合できる量であれば良いので、乾燥し
たリグノセルロース系材料100重量部(絶乾重量)に
対して1重量部〜20重量部が好ましく、さらに好まし
くは2重量部〜15重量部である。1重量部以上では有
機イソシアナート系化合物(A)の接着性能が発現され
商品として価値あるボードが製造できるため好ましく、
20重量部以下では経済的なボードを製造することが可
能なため好ましい。
【0056】また、リグノセルロース系材料に対する硬
化剤(B)の添加量としては、乾燥したリグノセルロー
ス系材料100重量部に対して、2重量部〜30重量部
が好ましく、さらに好ましくは3重量部〜20重量部で
ある。2重量部以上では経済性、安全性共に良好なボー
ドを効率よく製造することが可能なため好ましく、30
重量部以下では物性良好なボードを効率よく製造するこ
とが可能なため好ましい。
【0057】さらに、リグノセルロース系材料に対する
硬化促進剤(C)の添加量としては、乾燥したリグノセ
ルロース系材料100重量部に対して、0.1重量部〜
10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.2重量部
〜5重量部である。0.1重量部以上では硬化促進効果
が有効に発現され商品として価値あるボードが効率よく
製造できるため好ましく、10重量部以下では経済的な
ボードを製造することが可能なため好ましい。
【0058】本発明において使用する離型剤(D)を、
内部離型剤として使用する場合においては、リグノセル
ロース系材料に対する内部離型剤の添加量としては、内
部離型剤の有効成分として、乾燥したリグノセルロース
系材料100重量部に対して、0.01重量部〜10重
量部が好ましく、さらに好ましくは0.05重量部〜5
重量部である。0.01重量部以上では内部離型剤の効
果が有効に発現され、熱板に付着せずに商品として価値
あるボードが効率よく製造できるため好ましく、10重
量部以下では経済的なボードを製造することが可能なた
め好ましい。
【0059】また、本発明においては、上記した有機イ
ソシアナート系化合物(A)、硬化促進剤(C)及び内
部離型剤として使用する場合の離型剤(D)の3成分に
ついて、次に示すような相互の量的割合、即ち、有機イ
ソシアナート系化合物(A)と硬化促進剤(C)の比
が、(A)100重量部に対して(C)が1〜70重量
部であり、さらに硬化促進剤(C)と内部離型剤として
の離型剤(D)の比が、(C)100重量部に対して
(D)が1〜150重量部であるという量的関係にある
ことが、より好ましい。
【0060】本発明における、有機イソシアナート系化
合物(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、および
必要に応じて使用される内部離型剤としての離型剤
(D)をリグノセルロース系材料と混合する方法、すな
わち、ボードの製造方法は、以下の通りである。
【0061】本発明において有機イソシアナート系化合
物(A)は、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)等からな
る希釈剤等で希釈、増量せずに単独でリグノセルロース
系材料にスプレーされる。本発明において、上記(A)
をスプレーする方法としては、有機イソシアナート系化
合物(A)のミスト径の平均が40ミクロン以下となる
ようなスプレーであればよく、特に制限はないが、中で
もエアレススプレー、エアスプレーのスプレーガン、お
よびスプレーノズルが好ましく使用できる。エアレスス
プレーは、スプレーヘッド部の構造が簡単であり、大き
さが小さいため好ましく、エアスプレーは、ミスト径を
小さくするのが容易であり、低圧のポンプが使用できる
ため工業的に有利であり、同様に好ましい。エアスプレ
ーは、流体とアトマイズエアをスプレーガン外部で混合
し、霧化する方法と、スプレーガン内部で流体とアトマ
イズエアを混合する方法のどちらでも好適に使用でき
る。また、スプレーガン、スプレーノズルの設置個数は
リグノセルロース系材料の流量により、任意の数を設置
できる。
【0062】スプレーパターンは、必要に応じて変化で
きるが、噴射角10度程度から150度程度までが好適
に使用できる。また、必要により、ミスト径を小さくす
る目的で有機イソシアナート系化合物(A)を加温し、
有機イソシアナート系化合物(A)の粘度を下げる事が
出来る。この際、加温する温度は20〜150℃が好ま
しく、さらに好ましくは30〜100℃である。20℃
以上でミスト系が十分に小さくなるため好ましく、15
0℃以下で有機イソシアナート系化合物(A)の安定性
が保たれるため好ましい。
【0063】本発明において、有機イソシアナート系化
合物(A)のミスト径の測定は、レーザー光を利用した
フェーズドップラーパーティクルアナライザー等を用い
て測定することができる。本発明においては、該化合物
のミスト径の大きさとしては、体積平均直径で代表させ
るものとする。本発明においては有機イソシアナート系
化合物(A)のミスト径の平均が40ミクロン以下とな
るようにすることが必要であり、当該ミスト径の平均が
40ミクロン以下では、有機イソシアナート系化合物
(A)をリグノセルロース系材料に均一に分散、混合さ
せることが可能であり、経済的なボードを製造できるこ
とから好ましく、ミスト径の平均が40ミクロンを超え
ると、経済的なボードを製造することが困難になり易い
傾向にあるため、あまり好ましくない。
【0064】また、本発明において、有機イソシアナー
ト系化合物(A)をリグノセルロース系材料に添加し、
混合する場所としては、原料から熱圧プレスする前まで
に添加されれば良く、例えば、パーティクルボードの場
合、チップに粉砕した後の配管内(いわゆるブローライ
ン)、ブレンダー内、フォーミングヘッドのいずれでも
良く、また、ファイバーボードの場合、リファイナーの
出口、およびブローライン内、ブレンダー内、フォーミ
ングヘッド、フォーミングベルトのいずれでも良い。
【0065】本発明のスプレーガン、もしくはスプレー
ノズルとして、具体的には、例えば、アメリカにあるス
プレーイングシステムズ社製の製品、日本にある(株)
アトマックス社製の製品が、特にミスト径を小さくする
ことが可能であり、好適に使用出来る。
【0066】本発明において有機イソシアナート系化合
物(A)以外の硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、およ
び必要に応じて使用される内部離型剤としての離型剤
(D)については、原料から熱圧プレスする前までにリ
グノセルロース系材料と混合されれば良いので、それぞ
れ別個に添加してリグノセルロース系材料と混合しても
良く、また、あらかじめ混合してからリグノセルロース
系材料と混合しても良い。混合の方式は特に限定されな
いが、バッチ式でも、連続式でも良く、例えばホモジナ
イザー、スタチックミキサー等が使用できる。この際、
リグノセルロース系材料との混合においては、霧化させ
ずに垂れ流して添加混合しても良く、また、エアスプレ
ー、あるいはエアレススプレーガンを用いて霧化させて
添加混合しても良い。また、リグノセルロース系材料と
添加、混合する場所は有機イソシアナート系化合物
(A)の添加する場所とは独立に任意の場所で添加する
ことができる。また、スプレーにより添加混合する場合
においては、スプレーガン、スプレーヘッドは、ミスト
径が小さい方が経済的に有利にボードを製造できること
から、有機イソシアナート系化合物(A)をスプレーす
るスプレーガン、スプレーノズルと同様のスプレーガン
あるいはスプレーヘッドも使用することが出来る。
【0067】本発明のリグノセルロース成形板の製造方
法において、接着剤とリグノセルロース系材料との混合
物は、フォーミングを経て熱圧プレスを行なうが、フォ
ーミング時には単層から複数の層にフォーミングが可能
である。また、フォーミング後、熱圧プレスをする前に
プレプレスを行っても良く、必要に応じて接着剤の含量
を変えても良い。また、必要があれば積層した後にプレ
プレスしても良く、また、積層する前にプレプレスした
マットを積層しても良い。また、このとき熱盤に触れる
表層の面だけ本発明方法で使用する接着剤を用い、内層
には離型性のよくない接着剤を用いて多層構造にしても
良い。
【0068】即ち、最外層に本発明で使用する接着剤を
含むリグノセルロース層を形成し、内層は本発明で使用
する接着剤を含むリグノセルロース層として用いても良
く、又はその他の接着剤を用いたリグノセルロース層と
しても良い。内層のリグノセルロース層は単層でも多層
でも良い。また必要があれば、積層した後にプレプレス
しても良く、また積層する前にプレプレスしたマットを
積層しても良い。
【0069】最外層に本発明で使用する接着剤を含むリ
グノセルロース層を形成する方法は、フォーミング時に
形成しても良く、また熱盤の下面に本発明で使用する接
着剤を含むリグノセルロース層を形成した後、その他の
接着剤を用いたリグノセルロース層を上に乗せ、さらに
その上に本発明で使用する接着剤を含むリグノセルロー
ス層を形成しても良い。これらを連続的に同時に層を形
成しても良い。
【0070】熱圧プレスは熱が成形材料中に行きわたれ
ば良いので、形状も上下共に平板でも良く、湾曲した型
でも良いが、連続生産性、コスト面から平板プレスが好
ましい。また、プレスの方式は連続プレスでも多段式プ
レスでもよい。また、必要によりスチームインジェクシ
ョンプレスも使用出来る。
【0071】また必要に応じて、成形時に本発明で使用
する接着剤と接触する部分、例えばコール板やプレス板
に離型剤(D)を塗布することができる。この場合はい
わゆる外部離型剤としての使用であるが、離型剤(D)
として内部離型剤を用いない場合は特に有効であり、ま
た内部離型剤と併用することによっても離型性を向上さ
せることができる。その場合に用いる外部離型剤として
は、本願の離型剤(D)を含む通常公知の離型剤を使用
することができる。
【0072】即ち、該外部離型剤としては、通常成形の
際に一般的に用いられている離型剤、例えば汎用樹脂の
成形に用いる離型剤、特に通常ウレタンRIM成形の際
に使用されている離型剤が使用できる。具体的には、フ
ッ素含有ワックス、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有
オリゴマー等のフッ素系離型剤;ポリエチレンワック
ス、カルナバワックス、モンタンワックス等の炭化水素
またはその変性された化合物よりなる離型剤;ポリシロ
キサン、シロキサンオリゴマー等の珪素系離型剤が挙げ
られる。また、本願発明の(D)成分として使用される
ものも併せて例示することができる。
【0073】熱圧プレス後のボードの最外層の層は、必
要があれば表面を所望の厚さに研磨して仕上げをしても
よい。また、取り除いたリグノセルロース層は、良くほ
ぐした後、原料のリグノセルロース材料として再び用い
ることができる。
【0074】また、本発明においては所望の効果を阻害
しない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定
剤、界面活性剤、可塑剤、シランカップリング剤、ポバ
ール、金属触媒、外部離型剤、合成ゴムラテックス、ア
クリル系エマルジョン等を併用してもよい。
【0075】本発明方法を工業的に適用するために、具
体的な製造設備の一例(図1)を示して説明する。本発
明のボードの一例として、例えばミディアムデンシティ
ーファイバーボード(MDF)の場合は、図1に示すよ
うに、木片例えばチップをダイジェスターに供給してチ
ップを軟化し、その内部のリグニンを破壊する。その後
リファイナーに送り、このリファイナーにおいてたとえ
ば1方向、または、2方向に回転するディスク間でチッ
プを分解して繊維にする。
【0076】リファイナーを通った高温の湿潤繊維は、
いわゆるブローラインを通って搬送され、ブレンダー中
に入る。このブローラインの間に離型剤やサイズ剤、難
燃剤等の接着剤以外の他の添加剤を添加する。接着剤
は、リファイナー出口〜フォーミングヘッドの間で添加
され、例えば図1の矢印の箇所で添加される。また、こ
のブローライン中に本発明方法における接着剤を滴下、
即ちスプレーして木質繊維と接着剤をブレンドしても良
い。本発明方法のような接着剤は以下に示す理由によ
り、ブローラインにおける注入に適している。その理由
として、第一に、一定に加温されている高温湿潤繊維
は、添加された接着剤組成物中の温度を上昇させ、接着
剤の塗布された木質繊維の水分量を調整出来ること、第
二に、ブローライン中での木質繊維の大きな乱流は、ブ
ローライン壁に付着した接着剤をこすり落とすことによ
り、ブローライン内が清浄に保たれること、第三に、ブ
ローライン中の流速が速いため、混合に要する時間が短
く、また、均一に塗布されるということである。
【0077】ブローラインを経た繊維流は、繊維から部
分的に脱水を行なう乾燥機に導入され、該繊維から部分
的に脱水が行なわれる。その後、乾燥機の空気流から繊
維を分離するため、第1サイクロン、およびエアロック
を設けている。次に繊維はブレンダーに導入され、接着
剤および離型剤、難燃剤、サイズ剤等の助剤を投入し、
繊維と混合しても良い。ブレンダー内は機械的に撹拌出
来る撹拌羽根が回転しており、接着剤その他の助剤は、
上方その他適当な方向からスプレーされ、繊維と見掛け
上均一に混合される。
【0078】本発明方法のような接着剤は以下に示す理
由により、ブレンダーにてリグノセルロース系材料に添
加、混合することに適している。その理由として、第一
に、ブレンダー中での木質繊維の大きな乱流は有機イソ
シアナート系化合物を均一にリグノセルロース系材料に
添加、混合出来ること、第二に、高温、多湿のブローラ
イン、ドライヤーを通り、ブレンダーに導入されたファ
イバーは温度が下がっており、熱圧プレス前に有機イソ
シアナート系化合物と水分が反応してしまうのを防ぎ、
有機イソシアナート系化合物が有効に利用されるという
ことである。
【0079】ここで、所望の添加剤が既に添加されてい
る場合には、繊維はバイパスシュートを通ってエアロッ
クを持つ第2のサイクロンに導入され、その後、接着剤
塗布繊維貯蔵タンクに送られる。
【0080】接着剤塗布繊維貯蔵タンクは、1つ以上の
フォーミングヘッド装置に繊維を供給し、フォーミング
ヘッド装置により、接着剤が塗布された繊維をフォーミ
ングする(このとき、所謂フォーミングマットが形成さ
れる)。このフォーミングヘッド内で接着剤および反応
促進剤等の助剤を添加しても良い。本発明のような接着
剤はこのようなフォーミングヘッド内での添加にも適し
ている。その理由として、フォーミングヘッドからプレ
スまでに要する時間が非常に短く、添加した接着剤およ
び助剤が失活せずに有効に利用できるからである。
【0081】上記フォーミングマットは、1個以上の予
備プレス装置によってあらかじめプレスされ、その後、
熱圧プレス装置によって最終的な厚みに熱圧され、その
際の熱により接着剤が硬化し、所望のボードが製造され
る。必要があれば、表面を研磨し、厚さ調整、表面状態
調整等を行っても良い。
【0082】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、これらの実施例は本発明を何等限定するもの
ではない。実施例においては、木質繊維より繊維板を製
造する例を示すが、他のリグノセルロース系材料から各
種ボードを製造することは本実施例を応答すれば容易に
実施可能である。また、実施例及び比較例における評価
結果は纏めて、表1に示した。例中特に断らない限りす
べての部および比率は重量基準による。また、性能比較
におけるボードの共通製造条件を以下に述べる。
【0083】[製造条件(共通項目)] 原料:ダストチップまたは木質ファイバー(含水率4.
0%、以下単にチップ、ファイバーと称する) 接着剤及びその吹き付け量使用接着剤:ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアナート(ポリメリックMDI) 吹き付け量:8%(対絶乾木質ファイバー)、6%(対
絶乾チップ) 硬化促進剤:1%(対絶乾リグノセルロース系材料) ボード構成:単層、ボード厚(研磨部分除く):15m
m マット含水率:16% 熱圧温度:180℃ プレス圧力:最大圧力 35kg/cm2 プレス時間:2分30秒 設定密度:700kg/m3
【0084】[評価試験方法] 1.常態曲げ強さ(以下、「常態曲げ」と称する) 成形した試料から“パーチクルボード JIS−A−5
908、繊維板 JIS−A−5905”の試験片の項
目に準じ、幅50mm、長さ275mm(スパン225
mm)に試験片を裁断し、曲げ強さ試験を行った。結果
を曲げ強さとして表示した。
【0085】2.湿潤時の曲げ強さ(以下、「湿潤A」
と称する) 成形した試料から1.と同様の方法で試験片を裁断し
た。次に試験片を70±3℃の温水中に2時間浸せき
し、さらに常温水中に1時間浸せきした後、濡れたまま
の状態で曲げ強さ試験を行った。結果を表に湿潤時の曲
げ強さ(湿潤A)として表示した。
【0086】3.剥離強さ(以下、「剥離」と称する) 成形した試料から50mm角に試験片を裁断した。次に
JIS(JIS−A−5905及びJIS−A−590
8に記載の方法)に基づき剥離試験を行った。結果を表
に剥離強さ(剥離)として表示した。
【0087】4.堆積試験 接着剤を混合し終わった状態で1時間、常温にて放置し
た後に通常のフォーミング、熱圧プレスを行い、常態曲
げ強度を測定した。結果を表に残存率(%)として表示
した。
【0088】5.サイクルテスト リグノセルロース系材料への接着剤の塗布を4時間行
い、その後特に断りの無い限り1時間、接着剤の塗布を
停止し、その後さらに4時間の接着剤の塗布を行うとい
うのを1サイクルとして、このサイクルを最大10回繰
り返し、工程上に生じる問題点を挙げた。
【0089】6.総合判定 ボードの成形、ボードの物性を総合的に判断した。その
判定結果を示す評価記号は以下の通りである。 ○ : 物性良好なボードを問題なく製造できる状態 △ : 物性は良好なものの、ボード製造に問題のある状態 ▽ : ボード製造は問題ないが、物性が低い状態 × : ボード物性が低く、製造上問題のある状態
【0090】実施例1 SUSオートクレーブにエチレンジアミン(EDA)6
0g(1mol)を入れ、窒素で置換したあと、酸化プ
ロピレン(PO)504g(9mol)を装入し、11
0℃で4時間反応した。脱ガスの後、触媒として水酸化
カリウム(KOH)0.3gを加え窒素置換後、90〜
110℃に加熱してKOHを溶解させ、酸化エチレン
(EO)396g(9mol)を追加装入し、110℃
で4時間反応した。得られたポリエーテルポリオールを
常法により精製して酸化プロピレン(P0)/酸化エチ
レン(EO)ブロック共重合PPG(酸化エチレン含量
43%;水酸基価230mgKOH/g)を得た。
【0091】上記で合成した硬化促進剤であるポリエー
テルポリオールを硬化剤である水中に溶解した。溶解し
て得られた液をスプレーノズルCNP−500((株)
アトマックス社製)にて液圧0.2kgf/cm2、ア
トマイズエア圧2.0kgf/cm2にて回転翼を有す
るブレンダー中のチップに噴霧塗布した。更にポリメリ
ックMDI(三井化学(株)製;商品名 コスモネート
M−200)を45℃に加温し、2流体スプレーガンJ
AU((株)スプレーイングシステムズ社製)を用いて
液圧2.0kgf/cm2、アトマイズエア圧3.0k
gf/cm2にてブレンダー中のチップに噴霧塗布し
た。この条件でMDIのミスト径を測定したところ、1
8.1μmであった。(以下、MDI単独と称する)
【0092】次にフッ素系の外部離型剤(商品名 モー
ルドスパットW823:旭硝子(株)社製)を塗布し、
乾燥した鋼製コール盤上に前記接着剤、硬化剤及び硬化
促進剤等をダストチップにブレンダーを用いてブレンド
したものを30cm角の大きさに均一にフォーミングし
て離型剤を塗布した鋼製コール盤をかぶせ、上記の条件
にて熱圧プレスした。熱圧後、鋼製コール盤への付着状
態を観察したが、付着は見られなかった。また、熱圧成
形後のボードは物性測定用とし、上記した評価試験方法
に従って評価したところ、物性として状態曲げ、湿潤
A、剥離共に良好な結果であった。さらに同一のコール
盤を用いて上記の成形板製造操作を繰り返した。また、
接着剤を塗布し終わったチップを1時間常温において放
置した後にフォーミング、熱プレスを行った。残存率は
93%であり1時間堆積後も物性が大きく落ちないこと
が分かった。また、サイクルテストを行った結果、10
サイクル終了後も接着剤の噴霧塗布になんら不具合も生
じなかった。
【0093】実施例2 実施例1の方法において、内部離型剤として石油ワック
ス/ポリエチレンワックスの混合ワックスのエマルジョ
ン(固形分35%)を硬化剤、硬化促進剤溶液に固形分
として対チップ0.3%添加し、コール盤として表面処
理を行わない鋼製のコール盤を用いたほかは同様にし
て、チップに接着剤を噴霧塗布し、熱圧プレスを行い、
同様の評価を行った。この時のMDIのミスト径は1
8.3μmであった。評価の結果、鋼製コール盤に付着
物は観察されなかった。また、物性試験、堆積試験共に
良好な結果であった。また、サイクルテストを行った結
果、10サイクル終了後も接着剤の噴霧塗布になんら不
具合も生じなかった。
【0094】実施例3 実施例1の方法に準じて、リグノセルロース系材料を木
質ファイバーに変えた他は実施例1と同様にしてボード
を製造し、評価を行った。この時のMDIのミスト径は
17.9μmであった。評価の結果、ボード物性、堆積
試験、サイクルテスト共に良好な結果であった。
【0095】実施例4 実施例2の方法に準じて、リグノセルロース系材料を木
質ファイバーに変えた他は実施例1と同様にしてボード
を製造し、評価を行った。この時のMDIのミスト径は
18.2μmであった。評価の結果、ボード物性、堆積
試験、サイクルテスト共に良好な結果であった。
【0096】比較例1 実施例1の方法に準じて、MDIの吹き付けに用いたス
プレーガンをW77(岩田塗装機(株)社製)を用いた
ほかは同様にして、ボードを成形した。この時のMDI
のミスト径は125μmであった。評価の結果、ボード
物性が僅かながら低下していた。堆積試験、サイクルテ
ストは良好な結果であった。
【0097】比較例2 実施例3の方法に準じて、MDIの吹き付けに用いたス
プレーガンをW77(岩田塗装機(株)社製)を用いた
ほかは同様にして、ボードを成形した。この時のMDI
のミスト径は132μmであった。評価の結果、比較例
1と同様に、ボード物性が僅かながら低下していた。堆
積試験、サイクルテストは良好な結果であった。
【0098】比較例3 実施例1の方法に準じて、接着剤の製造方法として、硬
化剤、硬化促進剤溶液中にポリメリックMDIをホモジ
ナイザーを用いて強制乳化し、得られたものをスプレー
ガンW77(岩田塗装機(株)社製)を用いて噴霧塗布
したほかは同様にして、ボード成形を行った(以下バッ
チ混合と称する)。接着剤の製造量は、1回の製造につ
きサイクルテストの4時間分とした。この時の接着剤乳
化物のミスト径は51.2μmであった。評価の結果、
ボード物性は良好であったものの、堆積試験において残
存率が実施例と比較して劣ることが分かった。また、サ
イクルテストの結果は、2サイクル終了後、ノズルの先
端部分にMDIと水の反応物であるポリウレアが溜り、
スプレーノズルの先が詰まってしまい、その後の評価は
行えなかった。
【0099】比較例4 比較例3の方法に準じて、サイクルテストの1回終了後
毎にアセトンをホモジナイザー、配管、スプレーガンに
通し洗浄を行ったほかは同様にしてボード成形を行っ
た。この時の接着剤乳化物のミスト径は48.7μmで
あった。評価の結果、ボード物性は良好であったもの
の、堆積試験において残存率が実施例と比較して劣るこ
とが分かった。また、サイクルテストの結果は、7サイ
クル終了後、ノズルの先端部分にMDIと水の反応物で
あるポリウレアが溜り、スプレーノズルの先が詰まって
しまい、その後の評価は行えなかった。このことから、
この方法においてはライン停止時にノズルの閉塞等の問
題が起きる危険性があり、洗浄を行っても完全にこの問
題は解決されないことが分かった。
【0100】比較例5 実施例3の方法に準じて、接着剤の製造方法として、硬
化剤、硬化促進剤溶液と、ポリメリックMDIをブロー
ラインに直結したスタチックミキサーを用いて乳化し、
得られたものをブローライン中に添加塗布したほかは同
様にして、ボード成形を行った(以下スタチック混合と
称する)。接着剤は連続で製造し、サイクルテストにお
いて1回毎の洗浄は行わなかった。評価の結果、ボード
物性はほぼ良好であったものの、堆積試験において残存
率が実施例と比較して劣ることが分かった。また、サイ
クルテストの結果は、3サイクル終了後、スタチックミ
キサー内にMDIと水の反応物であるポリウレアが溜
り、詰るまでには至らなかったが、供給液圧を上げなけ
れば同流量を確保出来なかった。
【0101】比較例6 比較例5の方法に準じて、サイクルテストの1回終了後
毎にアセトンをスタチックミキサーに通し洗浄を行った
ほかは同様にして、ボード成形を行った。評価の結果、
ボード物性はほぼ良好であったものの、堆積試験におい
て残存率が実施例と比較して劣ることが分かった。ま
た、サイクルテストの結果は、7サイクル終了後、スタ
チックミキサー内にMDIと水の反応物であるポリウレ
アが溜り、詰るまでには至らなかったが、供給液圧を上
げなければ同流量を確保出来なかった。このことから、
この方法においてはライン停止時にノズルの閉塞等の問
題が起きる危険性があり、洗浄を行っても完全にこの問
題は解決されないことが分かった。
【0102】比較例7 実施例3の方法に準じて、接着剤の製造方法として、硬
化剤、硬化促進剤溶液と、ポリメリックMDIをリファ
イナーの直後のブローラインに直結したスタチックミキ
サーを用いて乳化し、得られたものをブローライン中に
添加塗布したほかは同様にして、ボード成形を行った
(以下混合ブローと称する)。接着剤は連続で製造し、
サイクルテストにおいて1回毎の洗浄は行わなかった。
評価の結果、ボード物性は低下していることが分かっ
た。また、堆積試験の結果も低い値を示した。これは、
高温のファイバーに接着剤を塗布したため、プレスする
前に接着剤の一部が反応してしまったためと考えられ
る。また、サイクル試験においては5サイクル後にスタ
チックミキサー内にMDIと水の反応物であるポリウレ
アが溜り、詰るまでには至らなかったが、供給液圧を上
げなければ同流量を確保出来なかった。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】本発明方法に従えば、これまで困難とさ
れてきた有機イソシアナート系化合物のスプレー方法
を、微粒子化できるスプレーノズルを使用することによ
り水等の希釈剤で希釈すること無しに、平均のミスト径
40μm以下において単独で噴霧塗布することにより、
以下に示すような様々な効果を奏するものである。即
ち、有機イソシアネート系化合物を水で希釈する必要が
ないので、該化合物を水に希釈させるために変性等をす
る必要がなく、余分なコストがかからないので経済的で
あること、水と有機イソシアナート系化合物の乳化物が
混合器内、配管内、およびスプレーヘッドに存在しない
ため、有機イソシアナート系化合物と水等の反応物の析
出等が生じなくなり、物性面においてはボード物性の低
下及び不安定が生じなくなり、さらにラインの閉塞等の
ライントラブル、即ち製造ラインの停止、立ち上げ、及
び長期の運転等にライン閉塞、流量低下等のトラブル、
を生じなくなること、また、硬化剤、硬化促進剤、内部
離型剤等の添加剤等を有機イソシアナート系化合物と別
個に吹き付けることにより、添加剤システムの自由度が
広がったことが挙げられ、さらに硬化速度、離型性等が
自由に制御できるシステムを構築できること、等から、
品質の良い安価なリグノセルロース成形板を生産性良く
安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中比重繊維板(MDF)製造設備例
(工程)の概念図。
【図2】本発明における有機イソシアナート系化合物
(ポリメリックMDI)のスプレー時のミスト径測定結
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鉾之原 久 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 坂口 博英 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース系材料に有機イソシア
    ナート系化合物を接着剤として使用し、該材料を熱圧プ
    レスを行うことによって得られるリグノセルロース成形
    板の製造方法であって、有機イソシアナート系化合物
    (A)を単独で、且つそのミスト径の平均が40ミクロ
    ン以下となるようにしてリグノセルロース系材料にスプ
    レーすることを特徴とするリグノセルロース成形板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 有機イソシアナート系化合物(A)をス
    プレーする方法が、エアスプレー方式であることを特徴
    とする請求項1記載のリグノセルロース成形板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 リグノセルロース系材料に、さらに硬化
    剤(B)を添加することを特徴とする請求項1又は2記
    載のリグノセルロース成形板の製造方法。
  4. 【請求項4】 リグノセルロース系材料に、さらに硬化
    促進剤(C)を添加することを特徴とする請求項3記載
    のリグノセルロース成形板の製造方法。
  5. 【請求項5】 硬化促進剤(C)が、酸化エチレン骨格
    を有するポリエーテルおよび/またはポリエステルポリ
    オールであることを特徴とする請求項4記載のリグノセ
    ルロース成形板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエーテルポリオールおよび/または
    ポリエステルポリオール中の窒素原子の割合が、全体の
    0.1〜12.0重量%、ポリエーテルポリオールおよ
    び/またはポリエステルポリオールの官能基数が2〜8
    で、その構造中の(−CH2CH2−O−)の繰り返し単
    位がポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステ
    ルポリオールの重量に対して5〜70%であることを特
    徴とする請求項5又は6記載のリグノセルロース成形板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリエーテルポリオールが、アミン開始
    剤にアルキレンオキシドを付加させたアミン系ポリオー
    ルであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記
    載のリグノセルロース成形板の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリエーテルポリオールが、トリエタノ
    ールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミ
    ン、オルソトルエンジアミン、メタトルエンジアミン、
    ジフェニルメタンジアミンまたはポリフェニルポリメチ
    レンポリアミンの中から選択される1種またはそれ以上
    の化合物にアルキレンオキサイドを付加し、このアルキ
    レンオキサイドのうち酸化エチレンの付加含量がポリエ
    ーテルポリオールの重量に対し5〜70重量部であるこ
    とを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のリグノ
    セルロース成形板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載のリグノ
    セルロース成形板の製造方法であって、さらに離型剤
    (D)を併用することを特徴とするリグノセルロース成
    形板の製造方法。
  10. 【請求項10】 離型剤(D)が、ワックス系離型剤、
    金属石鹸系離型剤またはこれらの混合系からなる離型剤
    であることを特徴とする請求項9記載のリグノセルロー
    ス成形板の製造方法。
  11. 【請求項11】 離型剤(D)が、水エマルションであ
    ることを特徴とする請求項9又は10記載のリグノセル
    ロース成形板の製造方法。
  12. 【請求項12】 硬化剤(B)が、水であることを特徴
    とする請求項3〜11のいずれかに記載のリグノセルロ
    ース成形板の製造方法。
  13. 【請求項13】 有機イソシアナート系化合物(A)
    が、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートであ
    ることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の
    リグノセルロース成形板の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313878A (ja) * 2006-04-26 2007-12-06 Matsushita Electric Works Ltd 建築板及び建築板の製造方法
JP2012111063A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Eidai Co Ltd 木質繊維板の製造方法及び木質繊維板
JP2013014040A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 Okura Ind Co Ltd 竹製パーティクルボード
JP2017039297A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 三菱化学株式会社 木質ボードの製造方法
JP2020536765A (ja) * 2017-10-16 2020-12-17 スイス・クロノ・テック・アーゲーSWISS KRONO Tec AG 複合木材ボードの製造方法及び製造装置

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