JP3980717B2 - 結束帯処理装置、およびこの結束帯処理装置を備えた紙葉類処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断して収納する結束帯処理装置、およびこの結束帯処理装置を備えた紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の結束帯処理装置は、所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断する切断機構、切断した結束帯を紙葉類から分離させる爪、爪により分離された結束帯の部位を挟持するキャッチ機構、およびキャッチ機構により挟持された結束帯を収納する収納機構を備えている。
【0003】
切断機構によって結束帯が切断されると、結束帯と紙葉類との間に爪が差し込まれ、結束帯が紙葉類から分離される。紙葉類から分離された結束帯は、その分離された部位がキャッチ機構によって挟持された状態で紙葉類から抜き取られる。キャッチ機構によって抜き取られた結束帯は、収納機構によって所定の収納容器へ収納される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の結束帯処理装置においては、爪により分離した結束帯の部位を折り畳んだ状態でキャッチ機構によって挟持している。このため、結束帯の拘束が不十分となり、結束帯を紙葉類から抜き取る際に、結束帯がキャッチ機構から脱落したり、結束帯の姿勢がくずれて正常な姿勢で収納容器へ収納できないといった問題があった。例えば、結束時に結束帯の端部が紙葉類の内部に差し込まれていたり、結束帯のシール部分が端部の紙葉類の表面に接着されていると、結束帯を抜き取る際に結束帯に不所望な負荷がかかり、上記のような問題が生じる。
【0005】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、結束解除した結束帯を脱落することなく、正常な姿勢で確実に収納できる結束帯処理装置、およびこの結束帯処理装置を備えた紙葉類処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の結束帯処理装置は、所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離して結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて掴まれた結束帯を紙葉類から抜き取る抜取り手段と、を備えている。
【0007】
上記請求項1記載の結束帯処理装置によると、切断した結束帯と紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離れる方向に移動して結束帯を紙葉類から僅かに離間させている。そして、紙葉類から離間された結束帯をピン毎掴んで紙葉類から抜き取っている。従って、切断されて結束解除された結束帯を脱落させることなく掴むことができ、結束帯の姿勢を乱すことがない。
【0008】
また、この発明のうち請求項2記載の結束帯処理装置は、所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離して結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて掴まれた結束帯を紙葉類から抜き取る抜取り手段と、上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して収納する収納手段と、を備えている。
【0009】
上記請求項2記載の結束帯処理装置によると、紙葉類から離間された結束帯をピン毎掴み、紙葉類から抜き取った結束帯を収納手段によって挟持した状態で収納している。従って、切断されて結束解除された結束帯を収納するまでの間、結束帯が常に拘束されているため、結束帯を正常な姿勢で収納できる。
【0010】
また、この発明のうち請求項3記載の結束帯処理装置は、所定枚数の紙葉類を結束帯にて結束した束を挟持する挟持部材と、上記挟持部材にて挟持された束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記挟持部材にて挟持された紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離れる方向に移動し、結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持部材を移動し、上記挟持部材によって挟持された紙葉類から結束帯を抜き取る抜取り手段と、上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を上記掴み手段より受取り、所定の収納位置へ収納する収納手段と、を備えている。
【0011】
また、この発明のうち請求項4記載の結束帯処理装置は、所定枚数集積されて結束帯により結束され第1位置に配置された紙葉類の束をその集積方向に沿って挟持する一対の挟持部材と、上記一対の挟持部材を駆動し、上記第1位置に配置された束を上記一対の挟持部材によって挟持し、挟持した束を上記第1位置と第1位置から上記集積方向に離間した第2位置との間で搬送する挟持搬送手段と、上記挟持搬送手段にて上記第2位置に搬送された束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記一対の挟持部材にて挟持された紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離れる方向に移動し、結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持搬送手段によって上記第2位置に配置された束を上記第1位置へ搬送し、上記一対の挟持部材によって挟持された紙葉類から上記掴み手段にて掴まれた結束帯を抜き取る抜取り手段と、上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して上記掴み手段から受取って拘束し、拘束した結束帯を所定の収納位置へ収納する収納手段と、を備えている。
【0012】
上記請求項4記載の結束帯処理装置によると、上記めくり手段は、上記切断手段にて結束帯を切断した位置から離間した位置で、結束帯と紙葉類との間にピンを挿入する。
【0013】
また、この発明のうち請求項6記載の紙葉類処理装置は、所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、上記受入手段にて受け入れた束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて掴まれた結束帯を上記集積把から抜き取る抜取り手段と、上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、を備えている。
【0014】
また、この発明のうち請求項7記載の紙葉類処理装置は、所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、上記受入手段にて受け入れた束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて掴まれた結束帯を上記集積把から抜き取る抜取り手段と、上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を収納する収納手段と、上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、を備えている。
【0015】
また、この発明のうち請求項8記載の紙葉類処理装置は、所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、上記受入手段にて受け入れた束を挟持する挟持部材と、上記挟持部材にて挟持された束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記挟持部材にて挟持された集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持部材を移動し、上記挟持部材によって挟持された上記集積把から結束帯を抜き取る抜取り手段と、上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を上記掴み手段より受取り、所定の収納位置へ収納する収納手段と、上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、を備えている。
【0016】
また、この発明のうち請求項9記載の紙葉類処理装置は、所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れて第1位置に配置する受入手段と、上記受入手段にて上記第1位置に配置された束を、上記結束帯から外れた位置で、その集積方向に沿って挟持する一対の挟持部材と、上記一対の挟持部材を駆動し、上記第1位置に配置された束を上記一対の挟持部材によって挟持し、挟持した束を上記第1位置と第1位置から上記集積方向に離間した第2位置との間で搬送する挟持搬送手段と、上記挟持搬送手段にて上記第2位置に搬送された束の結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と上記一対の挟持部材にて挟持された集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持搬送手段によって上記第2位置に配置された束を上記第1位置へ搬送し、上記一対の挟持部材によって挟持された集積把から上記掴み手段にて掴まれた結束帯を抜き取る抜取り手段と、上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して上記掴み手段から受取って拘束し、拘束した結束帯を所定の収納位置へ収納する収納手段と、上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、を備えている。
【0017】
上記請求項9記載の結束帯処理装置によると、上記めくり手段は、上記切断手段にて結束帯を切断した位置から離間した位置で、上記結束帯と上記集積把との間に上記ピンを挿入する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、この発明の紙葉類処理装置1は、未検査の紙葉類の束を受入れるとともに検査済みの紙葉類の束を取出す束処理機2(受入手段)を備えている。この束処理機2は、コンベア4を介して検査機6(検査手段)に接続されている。コンベア4と検査機6との間には、検査機6に投入する紙葉類の束の結束を解除する前処理機10が配設されている。
【0020】
例えば、100枚の紙葉類pを小帯k(施封帯)により施封した把tを10把集積して大帯K(結束帯)により十文字結束した束T(図2参照)が束処理機2を介して紙葉類処理装置1に投入される。
【0021】
束処理機2に投入された紙葉類の束Tは、コンベア4を介して前処理機10へ搬送される。前処理機10は、搬送された紙葉類の束Tから大帯Kを切断して除去するとともに、10個のバラ把tの各々から小帯kを切断して除去し、紙葉類の束Tを1枚づつの紙葉類pにバラして集積した状態で検査機6に供給する。
【0022】
検査機6では、前処理機10により一枚づつにバラにされた複数枚の紙葉類pを一枚づつ取出して検査し、この検査の結果、再使用可能と判断された紙葉類100枚を小帯kにより再び施封して把t´とし、10把を大帯Kにより結束して束T´とする。そして、検査機6により再使用可能と判断されて結束された紙葉類の束T´がコンベア4を介して逆方向に搬送され、束処理機2を介して取出される。
【0023】
図2には、前処理機10の概略構成を示してある。
前処理機10は、コンベア4を介して束処理機2から搬送された束Tを取込む取込み部A、取込み部Aを介して取込まれた束Tの大帯Kを切断して除去する大帯処理部B、大帯Kが除去された集積状態の10個の把t(以下、集積把と称する)をその集積方向に挟持した状態で向きを変える方向変換部C、方向変換部Cを介して供給された集積把から1把づつ切り出す切出し部D、切出し部Dにより切り出された把tの小帯kの糊を剥がす糊剥がし部E、糊が剥がされた小帯kを切断して除去する小帯処理部F(施封帯処理手段)、および、切出し部Dによって切出された把tを糊剥がし部Eおよび小帯処理部Fを介して検査機6に向けて搬送する搬送部Gを備えている。
【0024】
しかして、コンベア4を介して搬送された束Tは、取込み部Aを介して前処理機10内に取込まれ、大帯処理部Bにて大帯Kが切断除去される。大帯処理部Bにて大帯Kが除去されて結束解除された状態の集積把は、図示しない挟持部材によって挟持された状態で、方向変換部Cを介して方向変換され、その後、集積方向に沿って切出し部Dに向けて供給される。
【0025】
切出し部Dには、糊剥がし部Eに向けて上方に延びたリフトコンベアdが設けられ、方向変換部Cと切出し部Dとの間には、集積把をそのままの状態でその集積方向へ搬送し、搬送方向前端部に位置した把tをリフトコンベアdに所定圧力で押付ける図示しない搬送機構が設けられている。しかして、集積把の端部に位置した把tからリフトコンベアdによって1把づつ切出され、その度に搬送機構によって集積把が1把tの厚さ分だけリフトコンベアdに向けて移動される。このように、把tは、1把づつ切出される。
【0026】
切出し部Dによって1把づつ切出された把tは、搬送部Gを介して検査機6に向けて搬送される。その途中、糊剥し部Eにおいて、小帯kと端部の紙葉類pの表面との間の糊が剥がされる。そして、糊剥がし処理がなされた把tの小帯kが、小帯処理部Fにて切断除去され、バラ積みの状態にされた複数枚の紙葉類pが検査機6へ供給される。
【0027】
以下、大帯処理部Bについて、図3乃至図19を参照して詳細に説明する。
【0028】
大帯処理部Bには、取込み部Aを介して取込まれた束Tをその取込位置(第1位置)から後述する大帯切断めくり位置(第2位置)(以下、単に切断位置と称する)へ搬送する搬送機構20、切断位置へ搬送された束Tの縦帯K1 を切断する縦帯切断機構30、切断位置へ搬送された束Tの横帯K2 を切断する横帯切断機構50、切断された縦帯K1 と束Tとの間にピンを挿入し、縦帯K1 を束Tから僅かに離間させる縦帯めくり機構70、切断された横帯K2 と束Tとの間にピンを挿入し、横帯K2 を束Tから僅かに離間させる横帯めくり機構80、縦帯K1 が束Tから離間された部位をピン毎挟持する縦帯キャッチ機構90、横帯K2 が束Tから離間された部位をピン毎挟持する横帯キャッチ機構100、および、各キャッチ機構90、100により挟持されて束Tから抜き取られた縦帯K1 および横帯K2 を収納する収納機構120を備えた大帯処理装置200(結束帯処理装置)が配設されている。
【0029】
図3は、この発明の挟持搬送手段および抜取り手段として作用する搬送機構20を示している。搬送機構20は、取込み部Aにより所定の取込位置へ取込まれた束Tをその集積方向に押圧して挟持する一対のクランププレート21、22 (挟持部材)を有している。各クランププレート21、22は、束Tの両端部に位置した紙葉類pに対向して配設され、束Tの集積方向に沿って延びたスライドレール24に対してスライド自在に取付けられている。
【0030】
束Tの後端側(取込位置側)に配設されたクランププレート21は、可逆回転型のモータ25によって無端走行される搬送ベルト26に取付けられており、モータ25を回転させることによりスライドレール24に沿って図中矢印a方向に移動される。また、束Tの前端側(切断位置側)に配設されたクランププレート22は、可逆回転型のモータ27によって無端走行される搬送ベルト28に取付けられており、モータ27を回転させることによりスライドレール24に沿って矢印a方向に移動される。つまり、各クランププレート21、22は、独立して駆動される。尚、切断位置は、取込位置から束Tの集積方向に所定距離離間した位置にある。
【0031】
しかして、取込位置に配置された束Tは、一対のクランプアーム21、22によって挟持された状態でスライドレール24に沿って移動され、所定の切断位置まで搬送される。このとき、束Tが取込位置または切断位置に配置されたことをセンサにより検知し、この検知結果に従って各モータ25、27が停止制御される。
【0032】
図4および図5は、上述した搬送機構20の一対のクランププレート21、22によって挟持された状態で切断位置へ配置された束Tを結束した縦帯K1 を切断する縦帯切断機構30(切断手段)を示している。縦帯切断機構30は、切断位置へ配置された束Tの下方の所定位置に配設されている。
【0033】
縦帯切断機構30は、束Tの下側で縦帯K1 に作用する円板状のカッタ32を備えている。カッタ32は、軸33aを中心に揺動自在に設けられたリンクアーム33の先端近くに回動自在に取付けられている。尚、リンクアーム33は、揺動の途中でカッタ32が束Tの縦帯K1 に位置31(図3参照)で作用するように位置決めされている。
【0034】
また、縦帯切断機構30は、リンクアーム33を揺動させるとともにカッタ32を回転させるためのモータ34を備えている。モータ34の回転軸には、略円板状のギアアーム35が同軸に取付けられている。ギアアーム35の中心からずれた位置には、リンクアーム33の溝33bに嵌入されるベアリング35aが突設されている。また、ギアアーム35には、リンクアーム33の揺動軸33aに同軸に設けられたギア36が歯合されている。リンクアーム33の揺動軸33aにはプーリ37が同軸に設けられており、カッタ32の回転軸に取付けられたプーリ38との間にタイミングベルト39が巻回されている。
【0035】
しかして、モータ34が回転されると、ギアアーム35が回転され、ベアリング35aとリンクアーム33の溝33bの作用により、リンクアーム33が揺動される。また、モータ34が回転されてギアアーム35が回転されると、ギア36、プーリ37、タイミングベルト39、およびプーリ38を介して駆動力が伝達され、カッタ32が回転される。つまり、モータ34を回転することにより、カッタ32が回転されると同時にリンクアーム33が揺動され、縦帯K1 が位置31で切断される。
【0036】
また、縦帯切断機構30は、縦帯K1 に作用されるカッタ32と連動して縦帯K1 と束1Tとの間に挿入され、カッタ32をガイドするガイド部材41を有している。ガイド部材41は、束Tの下面と縦帯K1 との間に挿入される先細の先端を有し、その基端部はスライドレール42にスライド自在に取付けられたスライダ43に取付けられている。スライダ43は、リンクアーム44およびアーム45を介してモータ46に接続されている。
【0037】
しかして、モータ46が回転されると、アーム45が回転され、アーム45の先端に設けられたベアリング45aおよびリンクアーム44の溝44aの作用により、リンクアーム44が揺動される。これにより、スライダ43がスライドレール42に沿ってスライドされ、ガイド部材41の先端が束Tと縦帯K1 との間に挿入される。すなわち、ガイド部材41をカッタ32に連動させて束Tと縦帯K1 との間に介在させることにより、カッタ32がガイドされ、カッタ32による縦帯K1 の切断動作中に紙葉類pが不所望に傷つけられることを防止できる。
【0038】
図6および図7は、切断位置へ配置された束Tの横帯K2 を切断する横帯切断機構50(切断手段)を示している。横帯切断機構50は、切断位置へ配置された束Tの手前側(結束された紙葉類pの長手方向端部に対向した位置)に配設されている。
【0039】
横帯切断機構50は、束Tの手前側で上下に延設された支持部材52を有している。支持部材52の上端近くには、リンクアーム53が揺動軸53aを中心に揺動自在に取付けられている。リンクアーム53の揺動の先端には、束Tの横帯K2 に作用する円板状のカッタ54が回動自在に取付けられている。尚、支持部材52およびリンクアーム53は、リンクアーム53の揺動の途中でカッタ54が束Tの横帯K2 に位置51(図3参照)で作用するように位置決めされている。
【0040】
支持部材52の下端近くには、リンクアーム53を揺動させるとともにカッタ54を回転させるための可逆回転型のモータ55が取付けられている。モータ55の回転軸55aには、プーリ56が同軸に設けられており、リンクアーム53の揺動軸53aに固設されたプーリ57との間にタイミングベルト58が巻回されている。リンクアーム53の揺動軸53aには、プーリ57とともに回転されるギア59およびプーリ61が固設されている。ギア59には、ギアアーム62が歯合されている。ギアアーム62の回転軸からずれた位置には、リンクアーム53の溝53bに嵌入されるベアリング62aが突設されている。また、プーリ61には、カッタ54の回転軸に設けられたプーリ63との間にタイミングベルト64が巻回されている。
【0041】
しかして、モータ55が回転されると、プーリ56、タイミングベルト58、およびプーリ57を介して駆動力が伝達され、リンクアーム53の揺動軸53aが回転される。揺動軸53aが回転されると、ギア59が回転されるとともにプーリ61が回転される。ギア59の回転により、ギアアーム62が回転され、ベアリング62aとリンクアーム53の溝53bの作用により、リンクアーム53が揺動される。また、プーリ61が回転されると、タイミングベルト64、およびプーリ63を介して駆動力が伝達され、カッタ54が回転される。即ち、モータ55を回転することにより、リンクアーム53が揺動されると同時にカッタ54が回転され、横帯K2 が位置51で切断される。
【0042】
図8および図9は、上述した縦帯切断機構30により切断した縦帯K1 を束Tから僅かに離間させる縦帯めくり機構70(めくり手段)を示している。縦帯めくり機構70は、縦帯K1 の切断位置31から離間した束Tの前端下側に配設されている。
【0043】
縦帯めくり機構70は、束Tの前端下側で縦帯K1 と束Tとの間に挿入される先細の先端を有するピン71を備えている。ピン71は、縦帯K1 を横切る方向に略水平に延びて配設されている。ピン71の基端部は、保持部材72によって保持されている。保持部材72は、図示しないスライド機構を介してスライダ73に対して上下方向にスライド自在に取付けられている。スライダ73は、略水平方向に延設されたスライドレール74に対してスライド自在に取付けられている。従って、ピン71は、束Tの搬送方向と略直交する面内で上下左右に移動可能となっている。
【0044】
また、縦帯めくり機構70は、ピン71の移動の軌跡を規定するためのカム溝75aを有するカム板75を備えている。カム板75のカム溝75aには、ピン71を保持した保持部材72から突設されたベアリング72aが嵌入されている。従って、保持部材72がカム溝75aに沿って移動され、その結果、ピン71がカム溝75aの軌跡に沿って移動される。また、スライダ73には、リンクアーム76、およびアーム78を介してモータ79が接続されている。
【0045】
しかして、モータ79が回転されると、アーム78が回転され、アーム78の先端近くに設けられたベアリング78aとリンクアーム76の溝76aの作用によって、リンクアーム76が揺動される。リンクアーム76が揺動されると、リンクアーム76の溝76aとこの溝76aに嵌入されたスライダ73のベアリング73aの作用によって、スライダ73がスライドレール74に沿ってスライドされる。スライダ73がスライドされると、保持部材72がカム溝75aの軌跡に沿って移動される。このとき、ピン71の先端が縦帯K1 と束Tとの間に挿入された後、ピン71が束Tから離れる方向に移動するようにカム溝75aの形状が設定されている。このように、ピン71が移動されると、切断された縦帯K1 がピン71によってめくられ、縦帯K1 が束Tから僅かに離間される。
【0046】
図10および図11は、上述した横帯切断機構50により切断した横帯K2 を束Tから僅かに離間させる横帯めくり機構80(めくり手段)を示している。横帯めくり機構80は、横帯K2 の切断位置51から離間した束Tの前端下側に配設されている。
【0047】
横帯めくり機構80は、束Tの前端近くで横帯K2 と束Tとの間に挿入される一対のピン81、82を有している。各ピン81、82は、互いに離接可能に設けられ、互いに平行且つ上下方向に延びて配設されている。各ピン81、82の基端部は、略水平方向に延設された可動のスライドレール83に対し、スライダ84、85を介してスライド自在に取付けられている。また、スライダ84、85を保持したスライドレール83は、上下方向に延設されたスライドレール86に対し、スライダ87を介して取付けられている。従って、ピン81、82は、束Tの搬送方向と略直交する面内でそれぞれ上下左右に移動可能となっている。
【0048】
また、横帯めくり機構80は、ピン81、82の移動の軌跡を規定するためのカム溝88a、88bを有するカム板88を備えている。カム板88の一方のカム溝88aには、ピン81を保持したスライダ84から突設されたベアリング84aが嵌入されている。カム板88の他方のカム溝88bには、ピン82を保持したスライダ85から突設されたベアリング85aが嵌入されている。従って、一方のピン81は一方のカム溝88aに沿った軌跡を移動され、他方のピン82は他方のカム溝88bに沿った軌跡を移動される。尚、スライドレール83を保持したスライダ87には、図示しないリンク機構を介してモータ89が接続されている。
【0049】
しかして、モータ89が回転されると、図示しないリンク機構の作用によってスライダ87がスライドレール86に沿って上下方向にスライドされる。例えば、スライダ87が上方にスライドされると、ピン81、82を保持したスライダ84、85がカム溝88a、88bの軌跡に沿って上方に移動され、各ピン81、82が横帯K2 と束Tとの間に挿入される。このとき、各ピン81、82の先端が横帯K2 と束Tとの間に挿入された後、各ピン81、82が互いに離れる方向に移動するように各カム溝88a、88bの形状が設定されている。このように、各ピン81、82がカム溝88a、88bの軌跡に沿って移動されると、切断された横帯K2 が各ピン81、82によってめくられ、横帯K2 が束Tから僅かに離間される。
【0050】
図12乃至図14は、上述した縦帯めくり機構70によって束Tから離間された縦帯K1 を挟持拘束する縦帯キャッチ機構90(掴み手段)を示している。縦帯キャッチ機構90は、縦帯めくり機構70のピン71によって束Tから離間された縦帯K1 の部位を、ピン71毎挟持するクランパ91を有している。クランパ91は、束Tの搬送方向に沿って延設されたスライドレール92に対してスライド自在に取付けられた上側アーム91aと、軸91cを介して上側アーム91aに対して回動自在に取付けられた下側アーム91bと、を有している。下側アーム91bは、軸91cに設けられたバネ93により上側アーム91aに押し付けられており、両者の間にクランプ力が生じている。各アーム91a、91bは、クランパ91が縦帯K1 を挟持するクランプ位置にスライドされた際に、アーム91a、91b間に縦帯めくり機構70のピン71が介在される構造になっている。
【0051】
また、縦帯キャッチ機構90は、下側アーム91bを上側アーム91aに対して開閉させるためのカム溝(図示せず)を有するカムガイド94を備えている。下側アーム91bは、その回転軸91cより基端部側にカムガイド94のカム溝に嵌入されるベアリング(図示せず)を備えている。尚、カムガイド94のカム溝の形状は、上側アーム91aが束Tに近付く方向にスライドされた際に下側アーム91bが開放され、上側アーム91aが所定のクランプ位置(ピン71をクランプする位置)までスライドされた際に下側アーム91bが閉塞されるように決定されている。
【0052】
上側アーム91aは、リンクアーム96、およびアーム97を介してモータ98に接続されている。上側アーム91aの基端部近くには、リンクアーム96の溝96aに嵌入されるベアリング99が突設されている。また、モータ98の回転軸に取付けられたアーム97の先端近くには、リンクアーム96の溝96aに嵌入されるベアリング97aが突設されている。
【0053】
しかして、モータ98が回転されると、アーム97が回転され、アーム97の先端に設けられたベアリング97aおよびリンクアーム96の溝96aの作用により、リンクアーム96が揺動される。リンクアーム96が揺動されると、リンクアーム96の溝96aおよび上側アーム91aに設けられたベアリング99の作用により、クランパ91がスライドレール92に沿ってスライドされる。クランパ91が束Tに近付く方向にスライドされると、カムガイド94のカム溝と下側アーム91bのベアリングの作用により、下側アーム91bが開放された後、所定のクランプ位置で下側アーム91bが閉塞され、切断された縦帯K1 がピン71毎クランプされる。
【0054】
図15乃至図17は、上述した横帯めくり機構80によって束Tから離間された横帯K2 を挟持拘束するとともに、挟持した横帯K2 を回転して姿勢を変える横帯キャッチ機構100(掴み手段)を示している。横帯キャッチ機構100は、横帯めくり機構80の一方のピン81によって束Tから離間された横帯K2 の部位(切断位置51から最も離間された部位)を、ピン81毎挟持するクランパ101を有している。
【0055】
クランパ101は、スライドアーム101aと、軸101cを介してスライドアーム101aに対して回動自在に取付けられた可動アーム101bと、を有している。スライドアーム101aは、束Tの搬送方向に沿って延設されたスプラインシャフト102に対し、スプラインナット103を介してスライド自在に取付けられている。可動アーム101bは、図示しないバネにより付勢され、スライドアーム101aとの間でクランプ力を生じる。各アーム101a、101bは、両者の間にピン81をクランプできる形状に形成されている。
【0056】
また、横帯キャッチ機構100は、可動アーム101bをスライドアーム101aに対して開閉させるためのカム溝104aを備えたカムガイド104を有している。可動アーム101bは、その回転軸101cより基端部側にカムガイド104のカム溝104aに嵌入されるベアリング105を備えている。尚、カムガイド104のカム溝104aは、スライドアーム101aが束Tに近付く方向にスライドされた際に可動アーム101bが開放され、スライドアーム101aが所定のクランプ位置(ピン81をクランプする位置)までスライドされた際に可動アーム101bが閉塞されるような形状に形成されている。
【0057】
スライドアーム101aを保持したスプラインナット103は、保持部材106を介して、スライド用のモータ107により走行されるタイミングベルト108に接続されている。また、保持部材106は、スプラインシャフト102と略平行に延設されたスライドレール109に対してスライド自在に取付けられている。
【0058】
しかして、スライド用のモータ107が回転されると、タイミングベルト108が走行され、タイミングベルトに固設された保持部材106が移動される。保持部材106が移動されると、保持部材106により保持されたスプラインナット103がスプラインシャフト102に沿ってスライドされるとともに、スプラインナット103に接続されたスライドアーム101aが移動される。スライドアーム101aが移動されると、スライドアーム101aに取付けられたベアリング105およびカムガイド104のカム溝104aの作用により、可動アーム101bがスライドアーム101aに対して開閉される。例えば、クランパ101が束Tに近付く方向に移動されると、可動アーム101bが開放された後、所定のクランプ位置で閉塞され、切断された横帯K2 がピン81毎クランプされる。
【0059】
また、スプラインナット103を貫通したスプラインシャフト102は、リンクアーム111およびアーム112を介して回転用のモータ113に接続されている。
【0060】
従って、モータ113が回転されると、アーム112が回転され、アーム112の先端近くに突設されたベアリング112aおよびリンクアーム111の溝111aの作用により、リンクアーム111が揺動される。リンクアーム111が揺動されると、リンクアーム111の揺動軸に取付けられたスプラインシャフト102が回転され、スプラインナット103が回転される。スプラインナット103が回転されると、スプラインナット103に固設されたスライドアーム101aが回転され、クランパ101が回転される。よって、回転用のモータ113を回転することにより、クランパ101によって挟持した横帯K2 を約90°回転させて横帯K2 の姿勢を縦帯K1 と合わせることができる。
【0061】
図18および図19は、上述した縦帯キャッチ機構90および横帯キャッチ機構100により挟持されて束Tから分離され、後述する収納待機位置へ配置された縦帯K1 および横帯K2 を所定の収納位置へ収納するための収納機構120 (収納手段)を示している。収納機構120は、クランパ91および101により挟持された状態で収納待機位置へ配置された縦帯K1 および横帯K2 (ここでは大帯Kとして説明する)をクランプする一対のクランプアーム121、131を有している。収納待機位置の上方に配置された上側クランプアーム121は大帯Kの略中央を横切る方向に延設され、下方に配置された下側クランプアーム131は上側クランプアーム121との間で大帯Kを挟持する位置に待機されている。
【0062】
上側クランプアーム121の基端部は、スライダ122を介して、略水平方向に延設されたスライドレール123に取付けられている。スライドレール123は、スライドベース124に固設されている。スライドベース124は、スライダ125を介して、略鉛直方向に延設されたスライドレール126に対してスライド自在に取付けられている。スライドレール126は、上下に延設された板状の支持部材130によって支持されている。従って、上側クランプアーム121は、束Tの搬送方向と略直交する面内で、上下左右に移動可能となっている。
【0063】
下側クランプアーム131の基端部は、略水平方向に延設されたスライドレール132に対してスライド自在に取付けられている。スライドレール132は、スライダ133を介して、略鉛直方向に延設されたスライドレール126にスライド自在に取付けられている。また、スライドレール126の途中には、スライダ133の上端位置を規制するためのストッパ134が取付けられており、各クランプアーム121、131間には、両者の間に挟持力を発生するための図示しないバネが介在されている。
【0064】
また、各クランプアーム121、131には、互いに当接された状態で、上側クランプアーム121に下側クランプアーム131を従動させ、各クランプアーム121、131を水平方向にスライドさせるためのカム機構が設けられている。従って、下側クランプアーム131は、ストッパ134より下方では上側クランプアーム121に押し付けられながら従動され、上側クランプアーム121とともに鉛直方向および水平方向にスライドされる。
【0065】
上側クランプアーム121の基端部を保持したスライダ122には、リンクアーム141、スプラインナット142、スプラインシャフト143、リンクアーム144、およびアーム145を介して水平移動用のモータ146が接続されている。スライダ122の上部には、リンクアーム141の溝141aに嵌入されたベアリング122aが突設されており、リンクアーム141の基端部は、スプラインシャフト143によって貫通されたスプラインナット142に固設されている。スプラインシャフト143の基端部には、リンクアーム144の基端部が固設されている。モータ146の回転軸に取付けられたアーム145の先端近くには、リンクアーム144の溝144aに嵌入されたベアリング145aが突設されている。
【0066】
しかして、水平移動用のモータ146が回転されると、アーム145が揺動され、アーム145の先端に設けられたベアリング145aとリンクアーム144の溝144aの作用により、リンクアーム144が揺動される。リンクアーム144が揺動されると、リンクアーム144の基端部に固設されたスプラインシャフト143が回転され、スプラインナット142が回転される。スプラインナット142が回転されると、リンクアーム141が揺動され、リンクアーム141の溝141aとスライダ122のベアリング122aの作用により、スライダ122がスライドレール123に対してスライドされる。従って、モータ146が回転されると、上側クランプアーム121が水平方向に移動される。
【0067】
上側クランプアーム121に接続されたスライドベース124には、ボールネジナット151が固設されている。また、スライドベース124を上下方向にスライド自在に支持したスライドレール126に隣接してボールネジシャフト152が設けられている。ボールネジシャフト152は、支持部材130に取付けられ、スライドベース124に取付けられたボールネジナット151が取付けられている。ボールネジシャフト152の基端部には、プーリ153、タイミングベルト154、およびプーリ155を介して垂直移動用のモータ156が接続されている。
【0068】
しかして、垂直移動用のモータ156が回転されると、プーリ155、タイミングベルト154、およびプーリ153を介して駆動力が伝達され、ボールネジシャフト152が回転される。ボールネジシャフト152が回転されると、ボールネジナット151が上下方向に移動され、スライドベース124が上下方向に移動される。従って、モータ156が回転されると、上側クランプアーム121が上下方向に移動される。
【0069】
収納待機位置に配置された大帯Kを収納する場合、大帯Kより下方に待機された下側クランプアーム131に向けて上側クランプアーム121が下降され、大帯Kがクランプされる。この状態で、上側クランプアーム121が更に下降され、クランプされた大帯Kが所定の収納位置へ収納される。大帯Kが収納された後、上側クランプアーム121が水平方向に移動され、初期位置に向けて上昇される。このとき、下側クランプアーム131はストッパ134により収納待機位置の下方で停止され、上側クランプアーム121が収納待機位置の上方へ移動される。
【0070】
次に、上記のように構成された大帯処理装置200による処理動作を制御する制御系について説明する。
図20に示すように、大帯処理装置200の制御系は、制御手段として作用する制御部300を有している。制御部300には、束Tが取込位置に配置されたことを検知するセンサ301、および束Tが切断位置に配置されたことを検知するセンサ302が接続されている。
【0071】
また、制御部300には、モータコントローラ304を介して、搬送機構20の取込位置側のクランププレート21をスライドさせるモータ25、切断位置側のクランププレート22をスライドさせるモータ27、縦帯切断機構30のカッタ32を回転させるとともにカッタ32を保持したリンクアーム33を揺動させるためのモータ34、縦帯切断機構30のガイド部材41を移動させるためのモータ46、横帯切断機構50のカッタ54を回転させるとともにカッタ54を保持したリンクアーム53を揺動させるためのモータ55、縦帯めくり機構70のピン71を移動させるためのモータ79、横帯めくり機構80のピン81、82を移動させるためのモータ89、縦帯キャッチ機構90のクランパ91をスライドさせるためのモータ98、横帯キャッチ機構100のクランパ101をスライドさせるためのスライド用のモータ107、クランパ101を回転させるための回転用のモータ113、収納機構120の上側クランプアーム121を水平方向に移動させるための水平移動用のモータ146、および上側クランプアーム121を上下方向に移動させるための垂直移動用のモータ156が接続されている。
【0072】
次に、上記のように構成された大帯処理装置200の動作について、図21のフローチャートを用いて説明する。
紙葉類の束Tが取込み部Aを介して大帯処理部B内の所定の取込位置へ取込まれると、取込まれた束Tが搬送機構20のクランププレート21、22によってその集積方向に沿って挟持される(ステップ1)。この状態のまま各クランププレート21、22がスライドされ、束Tが切断位置へ搬送される(ステップ2)。このとき、センサ302により束Tが切断位置へ配置されたことが検知され、この検知結果に応じて、各クランププレート21、22を駆動するモータ25、27が停止される。
【0073】
束Tが切断位置に配置されると、縦帯切断機構30のカッタ32によって縦帯K1 が切断され、横帯切断機構50のカッタ54によって横帯K2 が切断される(ステップ3)。このとき、縦帯K1 は位置31で切断され、横帯K2 は位置51で切断される。
【0074】
縦帯K1 および横帯K2 が切断されると、縦帯めくり機構70のピン71が縦帯K1 と束Tとの間に挿入され、縦帯K1 が束Tから僅かに離間される。また、横帯めくり機構80のピン81、82が横帯K2 と束Tとの間に挿入され、横帯K2 が束Tから僅かに離間される(ステップ4)。
【0075】
そして、縦帯めくり機構70のピン71によってめくられた縦帯K1 の部位が縦帯キャッチ機構90のクランパ91によってクランプされ、横帯めくり機構80のピン81によってめくられた横帯K2 の部位が横帯キャッチ機構100のクランパ101によってクランプされる(ステップ5)。このとき、縦帯キャッチ機構90のクランパ91は縦帯K1 をピン71毎クランプし、横帯キャッチ機構100のクランパ101は横帯K2 をピン81毎クランプする。これにより、各帯の姿勢をくずすことなく確実にクランプできる。
【0076】
次に、各帯K1 、K2 をクランプした状態で搬送機構20の各クランププレート21、22がスライドされて束Tが取込位置へスライドされ、各帯K1 、K2 が束Tから抜き取られる(ステップ6)。このとき、センサ301により束Tが取込位置へ配置されたことが検知され、この検知結果に応じて、各クランププレート21、22を駆動するモータ25、27が停止される。尚、各帯K1 、K2 が抜き取られた集積把は、後段の処理装置へ送り込まれる。
【0077】
続いて、各クランパ91、101によって帯とともにクランプされたピン71、81が抜き取られる(ステップ7)。そして、横帯K2 をクランプしたクランパ101が90°回転され(ステップ8)、横帯K2 の姿勢が縦帯K1 の姿勢に合わせられ、縦帯K1 とともに横帯K2 が所定の収納待機位置へ配置される。
【0078】
このように、各帯K1 、K2 が収納待機位置に配置されると、収納機構120の上側クランプアーム121が下降され、下側クランプアーム131との間で各帯K1 、K2 が挟持される。この状態で、上側クランプアーム121が更に下降され、各帯K1 、K2 が所定の収納位置へ収納される(ステップ9)。
【0079】
以下、切断した横帯K2 を束Tから抜き取って収納する動作について、図22乃至図27を用いて詳細に説明する。
まず、束Tが切断位置に配置され横帯K2 が切断された状態で、横帯めくり機構80のピン81が矢印a方向に移動され、横帯K2 と束Tとの間に挿入される(図22)。続いて、ピン81が束Tから離間する方向に移動され、横帯K2 が束Tから僅かに離間される(図23)。
【0080】
横帯K2 が束Tから離間された状態で、横帯キャッチ機構100のクランパ101が矢印b方向(束Tに近接する方向)に移動され、所定のクランプ位置で横帯K2 がクランパ101によりピン81毎クランプされる(図24)。
【0081】
クランパ101により横帯K2 (およびピン81)がクランプされた状態で、搬送機構20の各クランププレート21、22が移動されて束Tだけが矢印c方向に移動され、取込位置に戻される。このように束Tを移動させることにより、横帯K2 が束Tから抜き取られる(図25)。
【0082】
束Tが移動されて横帯K2 が束Tから抜き取られた後、ピン81が矢印d方向に移動されてクランパ101から抜き取られる(図26)。ピン81が抜き取られた後、クランパ101が90°回転されて横帯K2 の姿勢が変更され、収納機構120の上側クランプアーム121が矢印e方向に下降される。これにより、横帯K2 が各クランプアーム121、131間に挟持され、この状態で所定の収納位置へ搬送されて収納される(図27)。
【0083】
以上のように、本実施の形態の大帯処理装置200によると、切断した大帯と束との間にピンを挿入し、挿入したピンを束から僅かに離間させて大帯をめくり、束から離間された大帯の部位をクランパによりクランプする。このとき、クランパは、大帯をピン毎クランプする。そして、大帯をクランプした状態で束を移動し、大帯を束から抜き取る。
【0084】
このように、結束解除した大帯を束から抜き取る際に、大帯を束から離間させたピン毎大帯をクランプすることにより、結束解除した大帯を確実に拘束でき大帯の脱落を防止できるとともに大帯の姿勢のくずれを防止できる。従って、大帯を正常な姿勢で確実に収納できる。
【0085】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の結束帯処理装置、およびこの結束帯処理装置を備えた紙葉類処理装置は、上記のような構成および作用を有しているので、結束解除した結束帯を脱落することなく、正常な姿勢で確実に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の紙葉類処理装置を示す斜視図。
【図2】図1の紙葉類処理装置に組込まれた前処理機を示す概略図。
【図3】図2の前処理機の大帯処理部に配設された大帯処理装置に組込まれた搬送機構を示す斜視図。
【図4】大帯処理装置に組込まれた縦帯切断機構を示す斜視図。
【図5】図4の縦帯切断機構を示す側面図。
【図6】大帯処理装置に組込まれた横帯切断機構を示す斜視図。
【図7】図6の横帯切断機構を示す側面図。
【図8】大帯処理装置に組込まれた縦帯めくり機構を示す斜視図。
【図9】図8の縦帯めくり機構を示す側面図。
【図10】大帯処理装置に組込まれた横帯めくり機構を示す斜視図。
【図11】図10の横帯めくり機構を示す側面図。
【図12】大帯処理装置に組込まれた縦帯キャッチ機構を示す斜視図。
【図13】図12の縦帯キャッチ機構を示す正面図。
【図14】図12の縦帯キャッチ機構を示す平面図。
【図15】大帯処理装置に組込まれた横帯キャッチ機構を示す斜視図。
【図16】図15の横帯キャッチ機構を示す正面図。
【図17】図15の横帯キャッチ機構を示す平面図。
【図18】大帯処理装置に組込まれた収納機構を示す斜視図。
【図19】図18の収納機構を示す平面図。
【図20】大帯処理装置の制御系を示すブロック図。
【図21】大帯処理装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図22】切断した横帯と束との間にピンを挿入した状態を示す図。
【図23】ピンを束から離間させて横帯をめくった状態を示す図。
【図24】横帯をピン毎クランプした状態を示す図。
【図25】束を移動して横帯を抜き取った状態を示す図。
【図26】クランパからピンを抜き取った状態を示す図。
【図27】横帯を回転して収納した状態を示す図。
【符号の説明】
1…紙葉類処理装置、
2…束処理機、
4…コンベア、
6…検査機、
10…前処理機、
20…搬送機構、
21、22…クランププレート、
30…縦帯切断機構、
32…カッタ、
41…ガイド部材、
50…横帯切断機構、
54…カッタ、
70…縦帯めくり機構、
71…ピン、
80…横帯めくり機構、
81、82…ピン、
90…縦帯キャッチ機構、
91…クランパ、
100…横帯キャッチ機構、
101…クランパ、
120…収納機構、
121…上側クランプアーム、
131…下側クランプアーム、
200…大帯処理装置、
300…制御部、
301、302…センサ、
304…モータコントローラ、
p…紙葉類、
A…取込み部、
B…大帯処理部、
K1 …縦帯、
K2 …横帯、
T…束。
Claims (10)
- 所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断する切断手段と、上記切断手段にて切断された結束帯と紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離して結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて掴まれた結束帯を紙葉類から抜き取る抜取り手段と、
を備えていることを特徴とする結束帯処理装置。 - 所定枚数の紙葉類を結束した結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離して結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて掴まれた結束帯を紙葉類から抜き取る抜取り手段と、
上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して収納する収納手段と、
を備えていることを特徴とする結束帯処理装置。 - 所定枚数の紙葉類を結束帯にて結束した束を挟持する挟持部材と、
上記挟持部材にて挟持された束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記挟持部材にて挟持された紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離れる方向に移動し、結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持部材を移動し、上記挟持部材によって挟持された紙葉類から結束帯を抜き取る抜取り手段と、
上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を上記掴み手段より受取り、所定の収納位置へ収納する収納手段と、
を備えていることを特徴とする結束帯処理装置。 - 所定枚数集積されて結束帯により結束され第1位置に配置された紙葉類の束をその集積方向に沿って挟持する一対の挟持部材と、
上記一対の挟持部材を駆動し、上記第1位置に配置された束を上記一対の挟持部材によって挟持し、挟持した束を上記第1位置と第1位置から上記集積方向に離間した第2位置との間で搬送する挟持搬送手段と、
上記挟持搬送手段にて上記第2位置に搬送された束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記一対の挟持部材にて挟持された紙葉類との間にピンを挿入し、挿入したピンを紙葉類から離れる方向に移動し、結束帯を紙葉類から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて紙葉類から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持搬送手段によって上記第2位置に配置された束を上記第1位置へ搬送し、上記一対の挟持部材によって挟持された紙葉類から上記掴み手段にて掴まれた結束帯を抜き取る抜取り手段と、
上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して上記掴み手段から受取って拘束し、拘束した結束帯を所定の収納位置へ収納する収納手段と、
を備えていることを特徴とする結束帯処理装置。 - 上記めくり手段は、上記切断手段にて結束帯を切断した位置から離間した位置で、結束帯と紙葉類との間にピンを挿入することを特徴とする請求項4記載の結束帯処理装置。
- 所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、
上記受入手段にて受け入れた束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて掴まれた結束帯を上記集積把から抜き取る抜取り手段と、
上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、
上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、
を備えていることを特徴とする紙葉類処理装置。 - 所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、
上記受入手段にて受け入れた束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて掴まれた結束帯を上記集積把から抜き取る抜取り手段と、
上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を収納する収納手段と、
上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、
上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、
を備えていることを特徴とする紙葉類処理装置。 - 所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れる受入手段と、
上記受入手段にて受け入れた束を挟持する挟持部材と、
上記挟持部材にて挟持された束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記挟持部材にて挟持された集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持部材を移動し、上記挟持部材によって挟持された上記集積把から結束帯を抜き取る抜取り手段と、
上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を上記掴み手段より受取り、所定の収納位置へ収納する収納手段と、
上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、
上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、
を備えていることを特徴とする紙葉類処理装置。 - 所定枚数の紙葉類を施封帯により施封した把を所定数集積した集積把を結束帯により結束した束を受け入れて第1位置に配置する受入手段と、
上記受入手段にて上記第1位置に配置された束を、上記結束帯から外れた位置で、その集積方向に沿って挟持する一対の挟持部材と、
上記一対の挟持部材を駆動し、上記第1位置に配置された束を上記一対の挟持部材によって挟持し、挟持した束を上記第1位置と第1位置から上記集積方向に離間した第2位置との間で搬送する挟持搬送手段と、
上記挟持搬送手段にて上記第2位置に搬送された束の結束帯を切断する切断手段と、
上記切断手段にて切断された結束帯と上記一対の挟持部材にて挟持された集積把との間にピンを挿入し、挿入したピンを上記集積把から離れる方向に移動し、結束帯を上記集積把から離間させるめくり手段と、
上記めくり手段にて上記集積把から離間された結束帯の部位を、上記ピン毎掴む掴み手段と、
上記掴み手段にて結束帯を掴んだ状態で上記挟持搬送手段によって上記第2位置に配置された束を上記第1位置へ搬送し、上記一対の挟持部材によって挟持された集積把から上記掴み手段にて掴まれた結束帯を抜き取る抜取り手段と、
上記掴み手段によって掴まれて上記抜取り手段にて抜き取られた結束帯を挟持して上記掴み手段から受取って拘束し、拘束した結束帯を所定の収納位置へ収納する収納手段と、
上記抜取り手段にて結束帯が抜き取られた集積把の各把を施封した施封帯を切断して除去する施封帯処理手段と、
上記施封帯処理手段にて施封解除された紙葉類を検査する検査手段と、
を備えていることを特徴とする紙葉類処理装置。 - 上記めくり手段は、上記切断手段にて結束帯を切断した位置から離間した位置で、上記結束帯と上記集積把との間に上記ピンを挿入することを特徴とする請求項9記載の紙葉類処理装置。
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JP27915497A JP3980717B2 (ja) | 1997-10-13 | 1997-10-13 | 結束帯処理装置、およびこの結束帯処理装置を備えた紙葉類処理装置 |
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Family Applications (1)
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