JP3978981B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行制御装置に関し、特に車速を自動制御する機能を有する走行制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
車両の走行制御装置として代表的なものに、運転者が指定した一定車速での走行を自動制御する定速走行装置またはクルーズコントロール装置と呼ばれるものがある。図4はその一例を示している。運転者の操作によりセットスイッチ1が閉じられるとこのとき車速センサ2により検出された車速が目標値として制御装置3に記憶され、以後はこの目標値と実車速とが一致するようにエンジンスロットルバルブ4の開度がフィードバック制御される。スロットルバルブ4にはその開度を自動制御するためのアクチュエータとしてバキュームモータ5が連結されている。スロットルバルブ4は、通常はワイヤで接続されたアクセルペダル(図示せず)の操作に応じて開度が調節されるが、定速走行制御時には前記バキュームモータ5により開度が調節される。この場合、エンジンのスロットル開度はバキュームモータ5への作動負圧を制御バルブ6を介して制御装置3が調節することで変化させられる。また、このようにアクセルペダルの踏み込み操作をワイヤによりスロットルバルブに伝える機構を基本とする従来の構成に対して、近年の車両ではスロットル開度をアクチュエータのみで制御するようにしたいわゆる電子制御スロットル装置が適用されつつある。電子制御スロットル装置では、アクセルペダルの操作がセンサにより電気信号に変換され、コントローラはこれに基づいてステップモータなどからなるアクチュエータを駆動してスロットルバルブの開度を制御する。
【0003】
ところで、自動変速機を搭載した車両は、一般に変速比がアクセルペダル操作量と車速とに依存して変化するように構成されているが、定速走行装置を併用する場合には、定速走行時にはアクセルペダル操作量がアイドル相当となってしまうため、アクセルペダルからの信号を変速比制御に適用することはできない。そこで、要求駆動力を代表する信号としてスロットルアクチュエータへの開度制御信号により変速比を制御することになるが、このようにすると、成層燃焼等により希薄空燃比運転を行うようにしたリーンバーンエンジンでは、空気量を確保するためにアクセル操作量に対してスロットル開度がより大きく開くような制御が行われるため、要求駆動力に対して必ずしも適切な変速比にならないという問題が生じる。
【0004】
また、スロットル開度制御信号を用いて変速比を制御する構成においては、定速走行制御時の外乱に対する収束性など制御性能を高めてゆくと、それだけ敏感にスロットル開度が変化することになるので、自動変速機が過敏に変速動作して運転性が悪化する等の問題が生じる。すなわち、従来の定速走行装置では、車速のサーボ制御にPID制御等により指令値としてスロットル開度を直接算出し、定速走行中の走行抵抗の変化も変速による駆動力の変化も同じ外乱としてサーボ制御で吸収している。このため、例えば制御ゲインを変速段差のような変化の大きな外乱に合わせて設定するとスロットル開度が無用に変化して安定性が損なわれてしまい、走行抵抗のように緩やかに変化する外乱に合わせると変速直後の追従が悪くて大きな車速偏差が生じてしまう。(公知文献としては、特開平11-321387号公報、特開2000-18378号公報参照。)
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、自動変速機の変速制御性に優れた走行制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、運転者のアクセルペダル操作に応じて第1のスロットル開度指令値を出力する第1の駆動力制御手段と、所定の目標車速を達成するための駆動力指令値を出力する第2の駆動力制御手段と、スロットル開度とエンジン回転数とからエンジントルク指令値を付与するエンジントルクマップを備え、このエンジントルクマップを、前記駆動力指令値を実変速比で除して得たエンジントルク指令値とエンジン回転数信号とで逆変換して第2のスロットル開度指令値を算出する手段と、前記第1のスロットル開度指令値及び第2のスロットル開度指令値の何れか一方の指令値に基づきエンジンのスロットルバルブ開度を制御し、定速走行制御時には前記第2のスロットル開度指令値に基づいてエンジンのスロットルバルブ開度を制御するスロットル開度制御手段と、前記第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値と車速信号とからスロットル開度相当の指令値を算出する手段と、前記第1のスロットル開度指令値及び前記スロットル開度相当の指令値の何れか一方の指令値に基づき自動変速機の変速比を制御し、定速走行制御時には前記スロットル開度相当の指令値に基づいて自動変速機の変速比を制御する変速比制御手段とを備えた車両の走行制御装置である。
【0006】
第2の発明は、前記スロットル開度相当の指令値を算出する手段を、スロットル開度と車速とから駆動力指令値を付与する駆動力マップを備え、この駆動力マップを駆動力指令値と車速とで逆変換してスロットル開度相当の指令値を算出する構成を有するものとする。
【0008】
第3の発明は、前記第1の発明において、駆動力制御手段を、アクセルペダル操作量を検出するアクセルペダルセンサからの信号に基づいてスロットル開度指令値を演算する構成とする。
【0009】
第4の発明は、前記第1の発明において、駆動力制御手段を、アクセルペダル操作量を検出するアクセルペダルセンサからの信号に基づいてスロットル開度指令値を演算する構成とする。
【0010】
第5の発明は、前記第1の発明において、第2の駆動力制御手段を、実車速をフィードバックして目標車速が得られる駆動力指令値を演算する構成とする。
【0011】
第6の発明は、前記第1の発明において、第2の駆動力制御手段を、実車速が固定的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する定速走行制御装置として構成する。
【0012】
第7の発明は、前記第1の発明において、第2の駆動力制御手段を、実車速が可変的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する車速自動制御装置として構成する。
【0013】
【作用・効果】
第1の発明によれば、スロットル開度制御手段と変速比制御手段は、それぞれアクセルペダル操作量に基づく第1の駆動力制御手段からのスロットル開度指令値、または走行制御状態にあっては第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値によりエンジンのスロットル開度または変速機の変速比を制御する。ただし、第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値によりスロットル開度または変速比が制御される走行制御状態下では、開度指令値出力手段からの指令値が変速比制御手段に付与される。すなわち、このとき開度指令値出力手段は、第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値と車速信号とからスロットル開度相当の指令値を算出し、これを変速比制御手段に出力する。なお、スロットル開度と車速とを決めると自動変速機の既知の変速マップからその運転点での変速状態(無段変速機では変速比、遊星歯車式自動変速機では変速段)が決まるので、車速からエンジン回転数が求められ、スロットル開度とエンジン回転数から既知のエンジントルク特性に基づきその運転点でのエンジントルクが求められ、このエンジントルクに変速比を乗ずることにより駆動力が求められる。従って、スロットル開度と車速を変化させながら前記の関係を算出して予めマップを形成しておくことにより、駆動力指令値と車速とからスロットル開度相当値を逆変換する態様で求めることができる。
【0014】
このようにして、駆動力と車速の関係からアクセル開度相当値を逆変換して変速比制御手段に与える構成とすることにより、この開度指令値出力手段の部分にて走行抵抗による比較的緩やかな外乱を吸収することができるので、変速比制御に対する最適化を図りつつ、比較的大きな外乱に対応すべくスロットル開度制御を行うように構成したとしても、そのときのアクセル開度が変速比に影響するような不都合を回避することが可能となる。また、この場合変速比制御手段側では、アクセルペダル操作により第1の駆動力制御手段から出力されるスロットル開度指令値と前記走行制御時のスロットル開度相当の指令値とを区別して処理する必要がなく、したがって回路構成の複雑化を避けることができる。一方、アクセルペダルによりスロットル開度が制御される通常運転時においては、変速比制御手段に対して第1の駆動力制御手段からのスロットル開度指令値が付与されるので、リーンバーンエンジン等においてアクセル操作量に対しスロットル開度が大きく補正されるようなことがあっても、この補正が変速比制御に影響することはなく、すなわち運転者の要求する駆動力に対して適切な変速比に制御することができる。
【0015】
また、スロットル開度とエンジン回転数とからエンジントルク指令値を付与するエンジントルクマップを備え、このエンジントルクマップを、第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値を実変速比で除して得たエンジントルク指令値とエンジン回転数信号とで逆変換してスロットル開度指令値を算出する構成を有する。このように構成することにより、例えば変速機の変速動作によるような比較的大きな外乱を前記スロットル開度指令値の演算部分で応答よく吸収することができる。仮にスロットル開度信号を変速機制御系に出力して自動変速機の変速比を制御するようにした走行制御装置にこの構成のみを適用したとすると、実変速比変化→スロットル開度指令値が変化→変速比指令値が変化→実変速比変化というループが構成される一方、変速機がアップシフトするとスロットル開度が増大し、これにより変速機がダウンシフトするという作用が生じるため制御ハンチングを起こすおそれを生じる。この制御ハンチングは、自動変速機として遊星歯車式のものを適用した場合にはアップシフトとダウンシフトの繰り返し、CVT(無段変速機)を適用した場合には変速比の周期的変動という不具合となって現れる。これに対して本発明では、前述したように変速機制御手段への指令値が開度指令値出力手段により階層的に与えられるので前記のような制御ループが構成されることはない。すなわち、本発明では開度指令値出力手段からの指令値で変速制御がされ、その変速結果でスロットルバルブへの開度指令値が演算されるので、スロットル開度の制御精度を高めていっても変速比がハンチングを起こすような現象を起こすことがなく、したがって走行制御と変速比制御の双方について良好な制御性を確保することができる。
【0016】
第2の発明として示したように、第1の発明におけるスロットル開度相当の指令値を算出する手段は、スロットル開度と車速とから駆動力指令値を付与する駆動力マップを備え、この駆動力マップを駆動力指令値と車速とで逆変換してスロットル開度相当の指令値を算出する構成を有するものとすることができる。
【0017】
前記第1の発明において、第1の駆動力制御手段としては、第3の発明として示したように、アクセルペダル操作量を検出するアクセルペダルセンサから信号に基づいてスロットル開度指令値を演算する構成とすることができる。また、同じくスロットル開度制御手段としては、第4の発明として示したように、スロットル開度指令値に基づき、スロットルモータを駆動してスロットルバルブ開度を制御する構成とすることができる。さらに、同じく第2の駆動力制御手段としては、第5の発明として示したように、実車速をフィードバックして目標車速が得られる駆動力指令値を演算する構成とすることができる。
【0018】
また、前記第1の発明において、第2の駆動力制御手段は、第6の発明として示したように、実車速が固定的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する定速走行制御装置として構成でき、あるいは第7の発明として示したように、例えば移動体通信システムにより供給される車両制御信号に従って、実車速が可変的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する車速自動制御装置として構成することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は定速制御のセットスイッチ、2は車速センサ、4はスロットルバルブである。11は本発明の駆動力制御手段およびスロットル開度制御手段としての機能を備えたコントローラ、15は同じく変速比制御手段としての機能を備えた変速機コントローラである。前記各コントローラ11,15は、それぞれの制御に必要な各種信号の入出力処理および演算処理を行うマイクロコンピュータとして構成されている。12はアクセルペダル13の操作量を検出するアクセルペダルセンサ、14はコントローラ11からの指令を受けてスロットルバルブ4を駆動するスロットルモータ、23は変速機コントローラ15からの指令を受けて変速比が無段階に制御される無段自動変速機(CVT)、24はスロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサである。
【0020】
コントローラ11内で記号16〜22として示した各ブロックは中央演算処理装置(CPU)上に構成される処理機能を示しており、16はスロットル開度指令値演算部、17は定速制御演算部、18はスロットル開度補正演算部、19a,19bは指令値選択部、20はスロットルモータ制御部、21はスロットル開度指令値をスロットルモータ14に与える第1のマップ、22はスロットル開度相当の指令値を変速機コントローラ15に与える第2のマップである。前記第1のマップ21は、スロットル開度とエンジン回転数とからエンジントルク指令値を付与するエンジントルクマップ、第2のマップ22は、スロットル開度と車速とから駆動力指令値を付与する駆動力マップとして構成されている。
【0021】
スロットル開度指令値演算部16は、アクセルペダルセンサ12から入力するアクセルペダル操作量信号に基づいてスロットル開度の指令値を演算し、これを指令値選択部19a,19bへと出力する。前記第1の指令値選択部19aでは、後述する定速制御時を除き、前記スロットル開度指令値をスロットル開度補正演算部18を介してスロットルモータ制御部20へと出力する。また、前記第2の指令値選択部19bでは、定速制御時を除き、スロットル開度指令値を変速機コントローラ15へと出力する。スロットルモータ制御部20は、開度指令値をスロットルモータ14に出力して、スロットルバルブ4が指令開度となるようにスロットルセンサ24からの信号を監視しながらフィードバック制御を行う一方、変速機コントローラ15は前記開度指令値に基づき所定の駆動力が得られるように自動変速機23の変速比を制御する。また、前記スロットル開度補正演算部18は、希薄空燃比運転を行うときのスロットル開度増量補正演算等を行う。
【0022】
一方、定速制御演算部17では、セットスイッチ1の状態を示す信号と、車速センサ2からの車速信号とに基づいて、定速制御のための駆動力指令値を演算し、これを指令値選択部19aと19bに向けて出力する。ただし、スロットルモータ制御部20への駆動力指令値は自動変速機23から得られる実変速比信号で除算され、この除算結果であるエンジントルク値と図示しないエンジン回転数センサからのエンジン回転数信号とから第1のマップ21を逆変換して得られたスロットル開度指令値が指令値選択部19aに出力される。また、変速機コントローラ15への駆動力指令値は車速センサ2からの車速信号と共に第2のマップ22に付与され、指令値選択部19bにはこの第2のマップ22を逆変換して得られスロットル開度相当の指令値が出力される。
【0023】
定速制御演算部17での処理としては、セットスイッチ1が操作(閉成)されたときの車速を目標値として記憶し、車速信号を監視しながら実車速が目標車速と一致するような駆動力を演算してこれを駆動力指令値として出力する。このとき、指令値選択部19a,19bでは、前記定速制御演算部17からの駆動力指令値に基づきマップ21,22からの指令値が入力したときには、これをスロットル開度指令値演算部16からの指令値に優先してスロットルモータ制御部20(スロットル開度補正演算部18)および変速機コントローラ15へと出力することで、アクセルペダル操作に依存しない定速走行制御を行わせる。なお、この定速走行制御は例えば運転者の解除操作または制動操作等により終了し、以後は再び定速走行のセット操作がなされない限り、前述したアクセルペダル操作に基づくスロットル開度および変速比の制御が行われる。
【0024】
スロットルモータ制御部20または変速機コントローラ15は、前述したようにそれぞれアクセルペダル操作量に基づくスロットル開度指令値演算部16からのスロットル開度指令値、または定速走行制御状態にあっては定速制御演算部17からの駆動力指令値に基づく指令値によりエンジンのスロットル開度または変速機の変速比を制御する。すなわち定速制御演算部17からの指令値によりスロットル開度または変速比が制御される定速走行制御状態下では、変速機コントローラ15に付与される指令値は第2のマップ22により与えられるスロットル開度相当の指令値である。
【0025】
既述したようにスロットル開度と車速とから所要駆動力が得られることから、これらの関係をスロットル開度と車速との多数の組み合わせについてマップ化してしておくことにより、駆動力指令値と車速とからスロットル開度相当値を逆変換する態様で求めることができる。図2または図3はこのようにして形成された前記第2のマップ22の構成例である。図2は自動無段変速機の場合の例であり、この場合変速比が連続的に変化するので車速と駆動力との関係からスロットル開度相当値を付与する曲線も滑らかに変化する特性となる。図3は遊星歯車による有段変速機構とトルクコンバータとを組み合わせた自動変速機の場合の例であり、波線で示したように本来は前記変速機構による段差が生じるが、そのままであるとアクセル開度への逆変換に不都合であるので、実線で示したようにスムージングして適切なスロットル開度相当値が得られるようにしている。
【0026】
上述した定速走行制御状態下でのスロットル開度制御は、定速制御演算部17で算出した駆動力指令値を実変速比で除して求めたエンジントルク値とエンジン回転数とから第1のマップ21を検索してスロットル開度指令値を出力することにより行われる。したがって前記マップ21の設定次第で、大きな外乱に対しても応答性の高い精密な駆動力制御が可能である。一方、このようにスロットル開度制御の精度を高めると、通常は変速比制御系でハンチングを起こしやすくなるが、本発明では変速機コントローラ15へのスロットル開度相当の指令値を、定速制御演算部17からの駆動力指令値と車速とに基づき第2のマップ22により与えるように階層構造を持たせているので、このマップ22の設定により外乱に対し変速比制御系に固有の最適化を図れると共にハンチングの発生を回避して円滑な走行性を実現することができる。また、変速機コントローラ15は、アクセルペダル操作によるスロットル開度指令値と前記走行制御時のスロットル開度相当の指令値とを区別して処理する必要がないので既存の回路構成を変更する必要がない。
【0027】
一方、アクセルペダル13の操作に基づいてスロットル開度が制御される通常運転時においては、変速機コントローラ15に対してスロットル開度指令値演算部16からの指令値が直接的に付与されるので、スロットル開度補正演算部18によりスロットル開度が大きく補正されるような運転条件においても、この補正が変速比制御に影響することはなく、すなわち運転者の要求する駆動力に対して適切な変速比に制御することができる。
【0028】
ところで、変速機コントローラ16内ではスロットル開度と車速とに応じて変速比を付与するマップを参照して変速比制御を行うが、このようにスロットル開度を用いる代わりに、定速制御演算部17で算出した駆動力指令値と車速とから変速比を与えるようにマップを構成することによっても、ハンチングの原因となる制御ループの形成を回避することができる。しかしながら、このようなマップ構成において、運転者のアクセルペダル操作による変速時に前記スロットル開度を用いた変速マップと同じような違和感のない変速特性を得ることは実際上は難しい。特に、駆動力が連続的に変化しない遊星歯車式の自動変速機では、駆動力による変速マップの構築は極めて困難である。
【0029】
なお、前記の実施形態では、アクセルペダル操作量のみを用いてスロットル開度指令値を算出するようにしているが、これに限られず、さらに車速信号やエンジン回転数信号を用いて所期のタイヤ駆動力が得られるようにPID制御等によりスロットル開度指令値を決めるような構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図。
【図2】前記実施形態における第2のマップの構成例を示す説明図。
【図3】前記実施形態における第2のマップの他の構成例を示す説明図。
【図4】従来例の概略構成図。
【符号の説明】
1 セットスイッチ
2 車速センサ
4 スロットルバルブ
11 コントローラ
12 アクセルペダルセンサ
13 アクセルペダル
14 スロットルモータ
15 変速機コントローラ
16 スロットル開度指令値演算部
17 定速制御演算部
18 スロットル開度補正演算部
19a,19b 指令値選択部
20 スロットルモータ制御部
21 第1のマップ
22 第2のマップ
23 無段自動変速機(CVT)
24 スロットルセンサ
Claims (7)
- 運転者のアクセルペダル操作に応じて第1のスロットル開度指令値を出力する第1の駆動力制御手段と、
所定の目標車速を達成するための駆動力指令値を出力する第2の駆動力制御手段と、
スロットル開度とエンジン回転数とからエンジントルク指令値を付与するエンジントルクマップを備え、このエンジントルクマップを、前記駆動力指令値を実変速比で除して得たエンジントルク指令値とエンジン回転数信号とで逆変換して第2のスロットル開度指令値を算出する手段と、
前記第1のスロットル開度指令値及び第2のスロットル開度指令値の何れか一方の指令値に基づきエンジンのスロットルバルブ開度を制御し、定速走行制御時には前記第2のスロットル開度指令値に基づいてエンジンのスロットルバルブ開度を制御するスロットル開度制御手段と、
前記第2の駆動力制御手段からの駆動力指令値と車速信号とからスロットル開度相当の指令値を算出する手段と、
前記第1のスロットル開度指令値及び前記スロットル開度相当の指令値の何れか一方の指令値に基づき自動変速機の変速比を制御し、定速走行制御時には前記スロットル開度相当の指令値に基づいて自動変速機の変速比を制御する変速比制御手段と、
を備えた車両の走行制御装置。 - 前記スロットル開度相当の指令値を算出する手段は、スロットル開度と車速とから駆動力指令値を付与する駆動力マップを備え、この駆動力マップを駆動力指令値と車速とで逆変換してスロットル開度相当の指令値を算出する構成を有する請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記第1の駆動力制御手段は、アクセルペダル操作量を検出するアクセルペダルセンサからの信号に基づいてスロットル開度指令値を演算する構成である請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- スロットル開度制御手段は、スロットル開度指令値に基づき、スロットルモータを駆動してスロットルバルブ開度を制御する構成である請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記第2の駆動力制御手段は、実車速をフィードバックして目標車速が得られる駆動力指令値を演算する構成である請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記第2の駆動力制御手段は、実車速が固定的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する定速走行制御装置として構成した請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記第2の駆動力制御手段は、実車速が可変的に設定される目標車速に一致するように駆動力指令値を出力する車速自動制御装置として構成した請求項1に記載の車両の走行制御装置。
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