JP5285635B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、登降坂路等の走行時に発生する走行抵抗に応じて変速比を補正する無段変速機の制御装置に関する。
自動車等の車両の駆動系に採用される無段変速機(CVT)としては、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機等が広く知られており、これらは走行状態に応じて変速比が自動的に制御される。
例えば、ベルト式無段変速機は、入力側に設けられたプライマリプーリと、出力側に設けられたセカンダリプーリと、これらに掛け渡されるベルトやチェーン等の動力伝達要素とを備えた基本構成をなし、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることにより、変速比を無段階に変化させて入力軸の回転を出力軸に伝達する。
この種の無段変速機では、一般に、スロットル開度と車速とをパラメータとして、予め設定されたマップ等に基づく目標プライマリ回転数が設定され、この目標プライマリ回転数に対して実プライマリ回転数を収束させるための目標変速比が設定される。
この場合において、目標プライマリ回転数を設定するためのマップ等は、通常、車両が標準重量で平地平坦路を最適に走行できるように、予め実験等から求められている。従って、このような目標プライマリ回転数に基づいて目標変速比を設定した場合、登坂路走行時にトルク不足が生じ、ドライバに違和感を与える虞がある。また、降坂路走行時には、最適なエンジンブレーキ力を得ることができず、ドライバに違和感を与える虞がある。
これらに対処し、例えば、特許文献1には、車両が登坂路若しくは降坂路を走行していることが検出されたとき、変速比をダウンシフト側に補正するためのプライマリ回転数補正量を演算する技術が開示されている。さらに、特許文献1には、プライマリ回転数補正量を車速に応じて制限することにより、過度のダウンシフト補正によるエンジン音の増大や振動等によるドライバへの違和感を抑制する技術が開示されている。
特開2003−83434号公報
ところで、変速機の制御装置においては、予め設定された複数のモード毎に特性の異なる変速特性が設定されたものが提案されており、この種の制御装置では、ドライバが選択した何れかのモードの変速特性に基づいて変速比等の制御を行うことで、スポーツ性を重視した変速モードや燃費向上を重視した変速モード等を効率的に実現することが可能となっている。
しかしながら、この種の変速制御では、車速等に対応して設定される目標変速比(目標プライマリ回転数)がモード毎に異なるため、単に、上述の特許文献1に開示された技術を適用しただけでは、モードによってはエンジン回転数の上昇を十分に抑制することが困難となり、ドライバに違和感を与える虞がある。特に、クルーズコントロール機能を備えた車両では、当該クルーズコントロール機能の実行中はアクセル操作を必要とすることなく走行制御が行われるため、ドライバのアクセル操作に対する意識が希薄となり、このような状況下で、降坂時等のエンジン回転数が過度に上昇されると、ドライバに対して一層の違和感を与える虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、過度のエンジン回転数上昇によるドライバへの違和感を抑制することができる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、クルーズコントロール機能を備えた車両に搭載され、変速特性が異なる複数のモードの何れかを選択的に用いて基本目標プライマリ回転数を演算する目標プライマリ回転数演算手段と、車両の走行状態に基づいて勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、前記勾配抵抗に応じた勾配補正量を演算する勾配補正量演算手段と、前記勾配補正量と車速に応じた勾配補正量の上限値とのうち何れか小値を用いて最終的な勾配補正量を演算する上限処理手段と、前記最終的な勾配補正量を用いて前記基本目標プライマリ回転数をダウンシフト側に補正して目標プライマリ回転数を演算するプライマリ回転数補正手段と、前記目標プライマリ回転数に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、を備え、前記上限処理手段は、前記クルーズコントロール機能を実行中に前記勾配抵抗が降坂時の値を示すとき、前記上限値を、前記モード毎に異なる値であって且つ車速に対して前記基本目標プライマリ回転数が相対的に高く設定されるモードであるほど低い値に設定することを特徴とする。
また、本発明は、クルーズコントロール機能を備えた車両に搭載され、変速特性が異なる複数のモードの何れかを選択的に用いて基本目標プライマリ回転数を演算する目標プライマリ回転数演算手段と、車両の走行状態に基づいて勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、前記勾配抵抗に応じた勾配補正量を演算する勾配補正量演算手段と、前記勾配補正量と車速に応じた勾配補正量の上限値とのうち何れか小値を用いて最終的な勾配補正量を演算する上限処理手段と、前記最終的な勾配補正量を用いて前記基本目標プライマリ回転数をダウンシフト側に補正して目標プライマリ回転数を演算するプライマリ回転数補正手段と、前記目標プライマリ回転数に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、を備え、前記上限処理手段は、前記クルーズコントロール機能を実行中に燃料カットが行われたとき、前記上限値を、前記モード毎に異なる値であって且つ車速に対して前記基本目標プライマリ回転数が相対的に高く設定されるモードであるほど低い値に設定することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置によれば、過度のエンジン回転数上昇によるドライバへの違和感を抑制することができる。
車両に搭載される駆動系の概略構成図 (a)はエンジンのノーマルモードマップを示す概念図であり(b)はエンジンのセーブモードマップを示す概念図であり(c)はエンジンのパワーモードマップを示す概念図 目標プライマリ回転数算出ルーチンを示すフローチャート 各モードの変速マップを示す説明図 モード毎の最低変速ラインを示す説明図 各補正量上限値を示す説明図 降坂時に設定される目標プライマリ回転数の一例について示す説明図
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係わり、図1は車両に搭載される駆動系の概略構成図、図2(a)はエンジンのノーマルモードマップを示す概念図であり(b)はエンジンのセーブモードマップを示す概念図であり(c)はエンジンのパワーモードマップを示す概念図、図3は目標プライマリ回転数算出ルーチンを示すフローチャート、図4は各モードの変速マップを示す説明図、図5はモード毎の最低変速ラインを示す説明図、図6は各補正量上限値を示す説明図、図7は降坂時に設定される目標プライマリ回転数の一例について示す説明図である。
図1において符号1はエンジンを示し、このエンジン1の出力軸は、電磁クラッチ或いはトルクコンバータ等の発進クラッチ2を介して、無段変速機3に連設されている。無段変速機3は、発進クラッチ2に連設する前後進切換装置4を有し、この前後進切換装置4から延出するプーリ入力軸5bには入力回転体としてのプライマリプーリ5aが軸支されている。また、無段変速機3は、プーリ入力軸5bに平行なプーリ出力軸5cを有し、このプーリ出力軸5cには出力回転体としてのセカンダリプーリ5dが軸支されている。そして、これらプライマリプーリ5aとセカンダリプーリ5dとの間には、動力伝達要素としての駆動ベルト5eが巻装されている。さらに、プーリ出力軸5cには、終減速装置6の減速歯車群6aを介してディファレンシャル装置5bが連設され、このディファレンシャル装置6bには、前輪或いは後輪の駆動輪7aを軸着する駆動軸7が連設されている。
また、この無段変速機3のプライマリプーリ5aにはプライマリ油圧室5fが併設され、このプライマリ油圧室5fに油圧制御回路8から供給されるプライマリ油圧により、プライマリプーリ5aのプーリ溝幅が調整される。一方、セカンダリプーリ5dにはセカンダリ油圧室5gが併設され、このセカンダリ油圧室5gに油圧制御回路8から供給されるセカンダリ油圧により、トルク伝達に必要な張力が駆動ベルト5eに付与される。これらプライマリ圧及びセカンダリ圧は、後述するトランスミッション制御装置(T/M_ECU)20によりエンジン1の運転状態等に基づいて設定され、これらの油圧を通じて両プーリ5a,5dの溝幅が互いに反比例状態に制御されることにより、無段変速機3は所望の変速比を実現する。
T/M_ECU20には、CAN(Controller Area Network)通信等の車内通信回線23を通じて、エンジン制御装置(E/G_ECU)21、及び、統合制御装置(統合_ECU)22等の各種制御装置が相互通信可能に接続されている。各ECU20〜22は、マイクロコンピュータ等のコンピュータを主体に構成され、周知のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM等の不揮発性記憶手段等を有している。
T/M_ECU20の入力側には、例えば、プライマリプーリ5aの回転数(プライマリ回転数NP)を検出するプライマリ回転数センサ38、セカンダリプーリ5dの回転数(セカンダリ回転数Ns)を検出するセカンダリ回転数センサ39、図示しないセレクトレバーによってセットされているレンジを検出するインヒビタスイッチ40等が接続されている。また、T/M_ECU20の出力側には、油圧制御回路8等のアクチュエータ類が接続されている。
また、E/G_ECU21の入力側には、例えば、クランク軸の回転からエンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ30、エアクリーナの直下流等に配設されて吸入空気量Qを検出する吸入空気量センサ31、アクセルペダルの踏み込み量から実アクセル開度θaccを検出するアクセル開度センサ32、吸気通路15に介装された電子制御式のスロットル弁16の開度θthを検出するスロットル開度センサ33、エンジン温度を示す冷却水温Twを検出する水温センサ34等が接続されている。また、E/G_ECU21の出力側には、例えば、燃焼室に対して所定に計量された燃料を噴射するインジェクタ17、スロットル弁16に設けられているスロットルアクチュエータ16a等のエンジン駆動を制御するアクチュエータ類が接続されている。
また、統合_ECU22の入力側には、エンジン1及び無段変速機3の制御モードを選択的に切り換えるためのモード選択スイッチ35、及び、クルーズコントロール機能についての各種設定等を行うためのクルコン操作スイッチ36等が接続されている。
ここで、本実施形態において、エンジン1及び無段変速機3に対する制御モードとしては、例えば、ノーマルモード1、セーブモード2、及び、パワーモード3からなる3つのモードが設定されており、統合_ECU22は、モード選択スイッチ35を通じてドライバにより選択された何れかのモード情報を、車内通信回線23を介してT/M_ECU20及びE/G_ECU21に出力する。
また、クルコン操作スイッチ36を通じてクルーズコントロール機能がONされると、統合_ECU22は、ドライバが設定した車速(セット車速)をクルコン目標車速Voとし手設定し、このクルコン目標車速Voに基づく走行制御(オートクルーズ制御)を開始する。
具体的に説明すると、統合_ECU22は、クルコン目標車速Voと車速(例えば、セカンダリ回転数Nsから求まる実車速)Vとの速度差ΔV(=Vo−V)に基づき、車速Vをクルコン目標車速Voに到達させるためのクルコン要求馬力HPsを、計算式或いはテーブル検索等により求める。
また、統合_ECU22は、クルコン要求馬力HPsとエンジン回転数Neとに基づき、クルコン要求トルクTcsを計算式から求める(Tcs=k・(HPs/Ne)、ここでkは係数である)。さらに、統合_ECU22は、アクセル開度センサ32で検出された実アクセル開度θaccに基づき、計算式或いはテーブル検索等によりドライバ要求トルクTacsを求める。そして、統合_ECU22は、クルコン要求トルクTcsとドライバ要求トルクTacsとを比較し、何れか値の高い方を要求トルクTsとして設定する。従って、ドライバがアクセルペダルを開放した状態ではクルコン要求トルクTcsが要求トルクTsとして設定される(Ts←Tcs)。
さらに、統合_ECU22は、要求トルクTcに対応する擬似的なアクセル開度θhaccを逆算して求め、この疑似アクセル開度θhaccをE/G_ECU21及びT/M_ECU20に対して出力する。これにより、オートクルーズ制御時において、E/G_ECU21及びT/M_ECU20では、実アクセル開度θaccに代えて、疑似アクセル開度θhaccをパラメータとする制御が行われ、車速Vをクルコン目標車速Voに収束させる走行制御が実現する。
なお、以下の説明においては、説明を簡略化するため、特に区別する必要がある場合を除き、実アクセル開度θacc或いは疑似アクセル開度θhaccを総称して単にアクセル開度θaccと称する。
E/G_ECU21のメモリ内には、例えば、エンジン出力特性を示すマップとして3種類のモードマップMpe1,Mpe2,Mpe3が格納されており、図2(a)〜(c)に示すように、各モードマップは、アクセル開度θaccとエンジン回転数Neとを格子軸とし、各格子点にエンジン出力指示値(目標トルク)を格納する3次元マップで構成されている。
これらの各モードマップMpe1,Mpe2,Mpe3は、基本的には、ドライバによるモード選択スイッチ35の操作により選択される。すなわち、E/G_ECU21は、モード選択スイッチ35にてノーマルモード1が選択された場合にノーマルモードマップMpe1を選択し、セーブモード2が選択された場合にセーブモードマップMpe2を選択し、パワーモード3が選択された場合にパワーモードマップMpe3を選択する。
そして、E/G_ECU21は、選択したモードマップMpeと各センサ類からの検出信号等に基づき、インジェクタ17に対する燃料噴射タイミング、及び燃料噴射パルス幅(パルス時間)を設定する。さらに、E/G_ECU21は、スロットルアクチュエータ16aに対してスロットル開度信号を出力し、スロットル弁16の開度を制御する。
ここで、図2(a)に示すノーマルモードマップMpe1は、アクセル開度θaccが比較的小さい領域で目標トルクがリニアに変化する特性に設定されており、スロットル弁16の開度θthが全開付近で最大目標トルクとなるように設定されている。
また、図2(b)に示すセーブモードマップMpe2は、上述したノーマルモードマップMpe1に比し、目標トルクの上昇が抑えられており、アクセルペダルを全踏しても、スロットル弁16は全開せず、相対的にアクセルペダルの踏み込みに対し、スロットル弁16の開度変化がノーマルモードよりも小さくなる。従って、ノーマルモードと同じアクセルペダルの踏み込み量であっても、スロットル弁開度θaccが小さく、出力トルクの上昇が抑制される。その結果、セーブモードマップMpe2に基づき出力トルクを抑制した走行を行うことで、アクセルペダルを思い切り踏み込む等のアクセルワークを楽しむことができる。さらに、目標トルクの上昇が抑えられているため、イージードライブ性と低燃費性との双方をバランス良く両立させることができ、例えば、3リッタエンジンを搭載する車両であっても、2リッタエンジン相当の十分な出力を確保しながらスムーズな出力特性とし、特に街中等の実用領域における扱いやすさを重視した目標トルクが設定される。
また、図2(c)に示すパワーモードマップMpe3は、略全運転領域でアクセル開度θaccの変化に対する目標トルクの変化率が大きく設定されている。従って、例えば、3リッタエンジンを搭載する車両であれば、3リッタエンジンの有するポテンシャルを最大限に発揮できるような目標トルクが設定される。
T/M_ECU20のメモリ内には、例えば、上述のモードマップMpe1〜Mpe3毎にそれぞれ適合して設定された互いに異なる変速特性のマップMpt1〜Mpt3が格納されており、T/M_ECU20は、モード選択スイッチ35にてノーマルモード1が選択された場合にノーマルモードマップMpt1を選択し、セーブモード2が選択された場合にセーブモードマップMpt2を選択し、パワーモード3が選択された場合にパワーモードマップMpt3を選択する。
ここで、各モードマップMpt1〜Mpt3は、例えば、図4に示すように、最大変速比であるLowから最小変速比であるオーバドライブ(OB)の間に、車速Vと基本目標プライマリ回転数NP0との関係を示す複数の変速特性ラインがアクセル開度θacc毎に設定されたマップで構成されている。この場合において、上述したモードMpe1〜Mpe3毎のエンジン出力特性に適合するため、各モード間で対応するアクセル開度θacc毎の変速特性ラインは、互いに異なる特性を有する。すなわち、例えば、図5に示すように、アクセル開度θacc=0であるとき、モード2での変速特性ラインはモード1ので変速特性ラインよりも相対的に低い基本目標プライマリ回転数を設定し、モード3での変速特性ラインはモード2での変速特性ラインよりも相対的に高い基本目標プライマリ回転数NP0を設定する。なお、これらの各変速特性ラインは、車両が標準重量で平地平坦路を最適に走行できるように、予め実験等から求められている。
T/M_ECU20は、例えば、インヒビタスイッチ40からの信号に基づきセレクトレバーのセットレンジを判定し、Dレンジにセットされているとき、現在選択されているモードマップMptを参照し、車速Vとアクセル開度θaccとに基づいて基本目標プライマリ回転数NP0を演算する。
また、T/M_ECU20は、車両の走行状態、具体的には、例えば、エンジン1の駆動トルクTdに対する車両の加減速度αの発生割合に基づいて勾配抵抗Rdを演算し、この勾配抵抗Rdに基づいて基本目標プライマリ回転数NP0に対する勾配補正量ΔNPを演算する。そして、T/M_ECU20は、基本目標プライマリ回転数NP0を勾配補正量ΔNPでダウンシフト側に補正して目標プライマリ回転数NP(=NP0+ΔNP)を演算する。そして、目標プライマリ回転数NPとセカンダリ回転数Nsとの比から目標変速比isを演算し、実変速比iが目標変速比isに近づくように、油圧制御回路8からプライマリ油圧室5fに供給するプライマリ油圧を制御する。
その際、過度のダウンシフト側への勾配補正によるエンジン回転数の上昇を抑制するため、T/M_ECU20は、先ず、勾配抵抗に応じた基本的な勾配補正量ΔNP0を演算する。そして、T/M_ECU20は、勾配補正量ΔNP0と、車速Vに応じて可変設定される上限値(勾配補正量の上限値)ΔNPmaxと、を用いて最終的な勾配補正量ΔNPを演算する。
具体的には、T/M_ECU20は、勾配補正量ΔNP0が上限値ΔNPmaxを超えている場合には、当該勾配補正量ΔNP0を上限値ΔNPmaxに変更する補正(所謂、上限補正)を行うことにより、最終的な勾配補正量ΔNPを設定する。
ここで、本実施形態において、上限値ΔNPmaxは、基本的には、各モード1〜3間で共通の値が設定される(図6(b)参照)。但し、クルーズコントロール機能の実行中において、道路勾配等に起因する所定のエンジンブレーキが要求される場面においては、上限値ΔNPmaxは、モード1〜3毎に個別に設定される(図6(a)参照)。すなわち、クルーズコントロール機能を実行中の降坂時等においては、クルコン目標車速Voに基づく走行制御によってエンジンブレーキを用いた減速要求がなされ、疑似スロットル開度θhaccが急激に全閉側に制御されることがあるが、このような場合、例えば、図5に示したように、特にモード1,3では、車速Vに対する基本目標プライマリ回転数NP0がモード2との比較において相対的に高く設定される。このように疑似スロットル開度θhaccが全閉側に制御された際の基本目標プライマリ回転数NP0に対して、各モード間で同等の勾配補正がなされると、エンジン回転数Neが急激に上昇する場合がある。そして、このようなエンジン回転数Neの急激な上昇が、特に、ドライバのアクセル操作に対する意識が希薄なクルーズコントロール機能の実行中になされると、ドライバに大きな違和感を与える虞がある。そこで、例えば、図6(a)に示すように、T/M_CECU20は、クルーズコンロトール機能を実行中の走行条件が予め設定された条件となったとき、上限値ΔNPmaxを、モード1〜3毎に異なる値であって且つ車速Vに対して基本目標プライマリ回転数NP0が相対的に高く設定されるモードであるほど低い値に設定する。すなわち、モード1,3での上限値ΔNPmaxはモード2に比して相対的に低い値に設定され、さらに、モード3での上限値ΔNPmaxはモード1に比して相対的に低い値に設定される。この場合において、各モードで設定される上限値ΔNPmaxは、車速V及び疑似アクセル開度θhaccが等しいとき、目標プライマリ回転数NPの設定され得る最大値を、各モード1〜3で互いに等しくなるよう設定する値であることが望ましい。なお、本実施形態において、モード毎に上限値ΔNPmaxを異ならせるための走行条件としては、例えば、クルーズコントロール機能の実行中において、勾配抵抗Rdが降坂時の値を示していること、或いは、燃料カットが行われていること(或いは、疑似アクセル開度θhaccが零となっていること)の少なくとも何れかを満たすことが要求される。
このように、本実施形態において、T/M_ECU20は、目標プライマリ回転数演算手段、勾配抵抗演算手段、勾配補正量演算手段、上限処理手段、プライマリ回転数補正手段、及び、目標変速比演算手段としての各機能を実現する。
次に、T/M_ECU20で実行される目標プライマリ回転数NPの算出について、図3に示す目標プライマリ回転数算出ルーチンのフローチャートに従って説明する。
このルーチンは設定時間毎に繰り返し実行されるもので、ルーチンがスタートすると、T/M_ECU20は、先ず、ステップS101において、現在選択されているモード(変速モード)を判定し、続くステップS102において、判定したモードに対応するモードマップMptを参照し、車速Vとアクセル開度θaccに基づいて、基本目標プライマリ回転数NP0を補間計算付で演算する。
ステップS102からステップS103に進むと、T/M_ECU20は、エンジン1の駆動トルクTdに対する車両の加減速度αの発生割合から演算される勾配抵抗Rdに基づいて、自車が現在登坂中或いは降坂中であるか否かを調べる。
そして、ステップS103において、自車が登坂中及び降坂中の何れでもないと判定した場合、T/M_ECU20は、ステップS104に進み、勾配補正量ΔNPを零に設定した後、ステップS112に進む。
一方、ステップS103において、自車が登坂中或いは降坂中であると判定した場合、T/M_ECU20は、ステップS105に進み、勾配抵抗Rdに応じた基本的な勾配補正量ΔNP0を演算する。
そして、ステップS106において、T/M_ECU20は、クルーズコントロール機能を実行中であるか否かを調べ、クルーズコントロール機能を実行中ではないと判定した場合、ステップS110に進む。
一方、ステップS106において、クルーズコントロール機能を実行中であると判定した場合、T/M_ECU20は、ステップS107に進み、勾配抵抗Rdに基づいて、自車が現在降坂中であるか否かを調べる。
そして、ステップS107において、自車が登坂中であると判定した場合、T/M_ECU20は、ステップS110に進む。
一方、ステップS107において、自車が降坂中であると判定した場合、T/M_ECU20は、ステップS108に進み、現在エンジン1に対する燃料カット制御が行われているか否かを調べる。
そして、T/M_ECU20は、ステップS108において、燃料カット中であると判定した場合にはステップS109に進み、燃料カット中でないと判定した場合にはステップS110に進む。
ステップS108からステップS109に進むと、T/M_ECU20は、車速Vに基づき、現在選択されているモード(モードマップMpt)に対応する上限値ΔNPmaxを演算した後、ステップS111に進む。
一方、ステップS106、ステップS107、或いは、ステップS108からステップS110に進むと、T/M_ECU20は、車速Vに基づき、各モード共通の上限値ΔNPmaxを演算した後、ステップS111に進む。
そして、ステップS109、或いは、ステップS110からステップS111に進むと、T/M_ECU20は、勾配抵抗Rdに基づく勾配補正量ΔNP0と、上限値ΔNPmaxと、を用いて最終的な勾配補正量ΔNPを演算した後、ステップS112に進む。すなわち、T/M_ECU20は、ステップS111において、勾配補正量ΔNP0と上限値ΔNPmaxのうちの何れか小値を最終的な勾配補正量ΔNPとして演算する(ΔNP=min(ΔNP0,ΔNPmax)。これにより、基本的には勾配補正量ΔNP0が最終的な勾配補正量ΔNPとして設定され、勾配補正量ΔNP0が上限値ΔNPmaxを超えている場合には当該上限値ΔNPmaxが最終的な勾配補正量ΔNPとして設定される。
そして、ステップS104,或いは、ステップS111からステップS112に進むと、T/M_ECU20は、基本目標プライマリ回転数NP0に勾配補正量ΔNPを加算(ダウンシフト側への補正)することで最終的な目標プライマリ回転数NPを演算した後、ルーチンを抜ける。
このような実施形態によれば、例えば、図7(a)、(b)に示すように、クルーズコントロール機能を実行中の道路勾配等に起因する所定のエンジンブレーキが要求される場面において、勾配補正量ΔNPに許容する上限値ΔNPmaxをモード毎に異ならせることにより、モード1〜3間の目標プライマリ回転数NPの上限値を同等に設定することができ、特にモード1,3等において、過度のエンジン回転数上昇によるドライバの違和感を的確に抑制することができる。
なお、上述の実施形態においては、エンジン1及び無段変速機3の制御特定を共にモードに応じて選択的に切り換える駆動系の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単一のエンジン1の出力特性に対して、複数の変速モードが選択可能に設定された車両においても適用することが可能である。
また、上述の実施形態においては、クルーズコントロールの一例として、ドライバが設定した車速(セット車速)をクルコン目標車速Voとして設定するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カメラやレーザ・レーダ等の車外監視装置によって先行車を検出可能な構成にあっては、検出した先行車に基づいてクルコン目標車速Voを設定してもよいことは勿論である。
1 … エンジン
2 … 発進クラッチ
3 … 無段変速機
4 … 前後進切換装置
5a … プライマリプーリ
5b … プーリ入力軸
5b … ディファレンシャル装置
5c … プーリ出力軸
5d … セカンダリプーリ
5e … 駆動ベルト
5f … プライマリ油圧室
5g … セカンダリ油圧室
6 … 終減速装置
6a … 減速歯車群
6b … ディファレンシャル装置
7 … 駆動軸
7a … 駆動輪
8 … 油圧制御回路
15 … 吸気通路
16 … スロットル弁
16a … スロットルアクチュエータ
17 … インジェクタ
20 … トランスミッション制御装置(目標プライマリ回転数演算手段、勾配抵抗演算手段、勾配補正量演算手段、上限処理手段、プライマリ回転数補正手段、目標変速比演算手段)
21 … エンジン制御装置
22 … 統合制御装置
23 … 車内通信回線
30 … エンジン回転数センサ
31 … 吸入空気量センサ
32 … アクセル開度センサ
33 … スロットル開度センサ
34 … 水温センサ
35 … モード選択スイッチ
36 … クルコン操作スイッチ
38 … プライマリ回転数センサ
39 … セカンダリ回転数センサ
40 … インヒビタスイッチ

Claims (2)

  1. クルーズコントロール機能を備えた車両に搭載され、
    変速特性が異なる複数のモードの何れかを選択的に用いて基本目標プライマリ回転数を演算する目標プライマリ回転数演算手段と、
    車両の走行状態に基づいて勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、
    前記勾配抵抗に応じた勾配補正量を演算する勾配補正量演算手段と、
    前記勾配補正量と、車速に応じた勾配補正量の上限値とのうち何れか小値を用いて最終的な勾配補正量を演算する上限処理手段と、
    前記最終的な勾配補正量を用いて前記基本目標プライマリ回転数をダウンシフト側に補正して目標プライマリ回転数を演算するプライマリ回転数補正手段と、
    前記目標プライマリ回転数に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、を備え、
    前記上限処理手段は、前記クルーズコントロール機能を実行中に前記勾配抵抗が降坂時の値を示すとき、前記上限値を、前記モード毎に異なる値であって且つ車速に対して前記基本目標プライマリ回転数が相対的に高く設定されるモードであるほど低い値に設定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. クルーズコントロール機能を備えた車両に搭載され、
    変速特性が異なる複数のモードの何れかを選択的に用いて基本目標プライマリ回転数を演算する目標プライマリ回転数演算手段と、
    車両の走行状態に基づいて勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、
    前記勾配抵抗に応じた勾配補正量を演算する勾配補正量演算手段と、
    前記勾配補正量と、車速に応じた勾配補正量の上限値とのうち何れか小値を用いて最終的な勾配補正量を演算する上限処理手段と、
    前記最終的な勾配補正量を用いて前記基本目標プライマリ回転数をダウンシフト側に補正して目標プライマリ回転数を演算するプライマリ回転数補正手段と、
    前記目標プライマリ回転数に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、を備え、
    前記上限処理手段は、前記クルーズコントロール機能を実行中に燃料カットが行われたとき、前記上限値を、前記モード毎に異なる値であって且つ車速に対して前記基本目標プライマリ回転数が相対的に高く設定されるモードであるほど低い値に設定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
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