JP3978573B2 - アウトサイドミラーのハーネス配索構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に用いられるアウトサイドミラーのハーネス配索構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図11及び図12に示すように、自動車1のドア2のアウターパネル3にアウトサイドミラー4を取り付ける場合、アウトサイドミラー4のハーネス(以下、適宜、ミラー用ハーネス5という。)は、その一端側(インナーパネル配索側先端部)5aを、アウトサイドミラー4の組付け時にアウターパネル3の孔(アウターパネル孔)3aよりドア2内に挿入するようにしている。この際、ミラー用ハーネス5のインナーパネル配索側先端部5aがサッシュ6に対して車体後方(図12右側)に位置した場合、サッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上にミラー用ハーネス5が配索されてしまい、ガラス8とミラー用ハーネス5の干渉により、ガラス8の昇降不良を招いたり、またはミラー用ハーネス5の切断を招く虞がある。
【0003】
また、サッシュ6に対して車体後方に位置したミラー用ハーネス5をサッシュ6の車体前方(図12左側)に配索しようとした場合、図12に2点鎖線で示すように、一度サッシュ6の車体前方にミラー用ハーネス5を移動させる必要がある。このとき、昇降するガラス8がドア2内にある場合、インナーパネル7の作業孔7a(図2参照)とミラー用ハーネス5との間にガラス8が位置するので、サッシュ6の車体前方にミラー用ハーネス5を移動させるためには、サッシュ6の車体前方よりミラー用ハーネス5の配索作業を行う必要があり、組付け作業が困難になり、場合によっては組付け作業が不可能となることが起こり得る。この問題の解決策として、ミラー用ハーネス5を車体前方に向けてテープ(図示省略)でアウトサイドミラー4に固定したり、またはミラー用ハーネス5を車体前方に向けた硬質のガイド(図示省略)でアウターパネル3又はアウトサイドミラー4に固定する等の方策が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したミラー用ハーネス5を車体前方に向けてテープでアウトサイドミラー4に固定したり、またはミラー用ハーネス5を車体前方に向けた硬質のガイドでアウターパネル3又はアウトサイドミラー4に固定する等の方策は、別個に部品が必要となる上、当該部品の取付などの作業が新たに必要となり、適切な改善策になり得ていないというのが実情である。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ミラー用ハーネスの配索を適正にかつ良好な作業性をもって行うことができるアウトサイドミラーのハーネス配索構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、車両用のドアのアウターパネルとインナーパネルとの間に、ガラスの昇降を案内するサッシュを介装するとともに、前記アウターパネルのアウトサイドミラーの固定個所裏面にはミラーリーンフォースを配置し、前記アウターパネルに固定される前記アウトサイドミラーと前記アウターパネルの間に互いの密着性を向上させる樹脂あるいはゴム製のガスケットを配置し、前記アウトサイドミラー用のハーネスの先端部を、前記ガスケットに形成したガスケット孔、前記アウターパネルに形成したアウターパネル孔、前記ミラーリーンフォースに形成されたミラーリーンフォース孔を通して、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間のドア空間に収納するアウトサイドミラーのハーネス配索構造であって、前記ガスケットの前記アウターパネルに接合される面部に凹部を形成し、該凹部に、前記ハーネスを挿通するガスケット孔と、前記ハーネスを前記ドア空間においてサッシュの前方に向けて挿通するように規制するハーネス規制部と、を設け、前記ハーネスを、前記ガスケット孔、前記アウターパネル孔、前記ミラーリーンフォース孔を通して前記ドア空間に配索したとき、前記ハーネスが、前記ハーネス規制部に規制されて前記ドア空間内における前記サッシュの前方に挿通され、前記サッシュの前方部分に回りこむように配索されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の構成において、前記ハーネス規制部は、前記アウトサイドミラー側の開口部として、前記凹部に設けた前記ガスケット孔と、前記アウターパネル側の開口部として、前記凹部の側壁に設ける板材に形成した切欠と、から構成され、前記アウターパネル側の開口部である前記切欠を前記アウトサイドミラー側の開口部である前記ガスケット孔より車両の前方に配置したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(第1、第2、第3実施の形態)に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を図6ないし図9に基づいて説明する。なお、便宜上、実施の形態の説明に先だって、図1ないし図5に基づいて、本発明の概念を説明する。
【0009】
図1は自動車1の側面を示す図、図2は自動車1のドア2を示す分解斜視図、図3はアウトサイドミラー4の取付け状態を示す図である。図1、図2及び図3において、自動車1のドア2は、内側にドア空間10を形成するアウターパネル3及びインナーパネル7を有し、そのアウターパネル3とインナーパネル7との間の上部側には、サッシュ6が介装されている。サッシュ6内には、昇降式のガラス8が配置されている。
【0010】
アウターパネル3の前方上端部のサッシュ6の接合付近には孔(アウターパネル孔3a)が形成されている。アウターパネル3には、アウターパネル孔3aを覆うようにして樹脂あるいはゴム製のガスケット11を介してアウトサイドミラー4が取付けられている。ガスケット11を設けることによりアウトサイドミラー4とアウターパネル3の密着性を向上させるようにしている。また、アウターパネル3のアウトサイドミラー4の固定箇所裏面には、図3、図4及び図5に示すようにミラーリーンフォース12が固定されアウターパネル3を補強している。
【0011】
アウトサイドミラー4は、ガスケット11を介してアウターパネル3に保持される基台部13と、鏡面部(図示省略)を有し基台部13に対して回動可能のミラー部14と、ミラー部14を回動させる図示しない駆動部とからなり、駆動部には、電動によるミラー部14の格納や鏡面角度調整のために用いられるミラー用ハーネス5が接続されている。ミラー用ハーネス5は、ガスケット11に形成されたガスケット孔11a、アウターパネル孔3a、ミラーリーンフォース12に形成されたミラーリーンフォース孔12aを通り、ドア空間10に配索される。図2、図4及び図5中、5bはミラー用ハーネス5の一端側(インナーパネル配索側先端部5a)に設けられたコネクタであり、このコネクタ5bには、電源回路、ミラー操作用スイッチ等に接続した図示しないハーネスが接続されるようになっている。
【0012】
アウトサイドミラー4をサッシュ6付近に取付ける場合、上述したようにガラス8とミラー用ハーネス5の干渉により、ガラス8の昇降不良を招いたり、またはミラー用ハーネス5の切断を招いたりすることが起こり得るが、本発明は、このような問題を解決するために、インナーパネル配索側先端部5a(コネクタ5b)をドア空間10に挿入し、アウトサイドミラー4をアウターパネル3に組付けた時点で、インナーパネル配索側先端部5aの位置がサッシュ6の前方に維持されるようにし、図2、図4及び図5に示すように、ミラー用ハーネス5が、サッシュ6の前方部分を回り込み、サッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上に配置されるのを回避できるようにしている。そして、本発明では、このようにサッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上にミラー用ハーネス5が配置されるのを回避することにより、ガラス8の昇降不良やミラー用ハーネス5の切断を防止するようにしている。
【0013】
次に、本発明の第1実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を図6に基づき、図2〜図4を参照して説明する。なお、図1ないし図5と同一の部材、部分については同一の符号で示し、その説明は、適宜、省略する。
【0014】
図6において、ガスケット11は、アウターパネル孔3aを覆える大きさで、アウターパネル3に接合されるガスケット本体15を有している。ガスケット本体15のアウターパネル3に接合される面部(アウターパネル接合面部16)の略中央部分には、略矩形の凹部17が形成されている。図6中、50はリンフォースへの取付座面である。
【0015】
凹部17は、ガスケット本体15の下方部(図6下側)から上方部(図6上側)になるに従ってアウターパネル接合面部16の反対側の面部(アウターパネル反接合面部)18に向けて緩やかに凹む下側底部19と、ガスケット本体15の上方部から下方部になるに従ってアウターパネル反接合面部18に向けて下側底部19に比して急傾斜で凹む上側底部20とを有している。下側底部19及び上側底部20は、同等幅に設定され、かつ断面略V字形をなしている。
【0016】
凹部17は、さらに、その車両前方部(図6左側)及び車両後方部(図6右側)に、アウターパネル接合面部16にほぼ直交して凹んで、下側底部19及び上側底部20における車両前方側の端部及び車両後方側の端部に連接される壁部21,22を有している。2つの壁部21,22のうち前記車両前方側の端部に対応する方を、前方側壁部21といい、前記車両後方側の端部に対応する方を、後方側壁部22という。
【0017】
前方側壁部21及び後方側壁部22に架橋するようにして板材23がガスケット本体15ひいてはガスケット11と一体に形成されている。板材23は、後方側壁部22に一端側が連接されて車両前方(図6左側)になるに従って車両下方(図6下側)に配置され凹部17の略中央部まで延びる板材傾斜部23aと、板材傾斜部23aに連接し車両前方(図6左側)に向けてほぼ水平に延びる板材水平部23bとから大略構成されている。板材水平部23bの車両前方側における下側底部19側には、ミラー用ハーネス5を挿通可能な切欠24が形成されている。
【0018】
また、上側底部20の後方側壁部22側の部分(板材傾斜部23aの上方部分)には、ハーネス通し孔(ガスケット孔)11bが形成されており、ミラー用ハーネス5を挿通し得るようになっている。そして、上述したように切欠24がミラー用ハーネス5を挿通可能になっており、本実施の形態では、凹部17内におけるハーネス通し孔11b(アウトサイドミラー側の開口部)から切欠24(アウターパネル側の開口部)までの部分がガスケット通路を構成している。
【0019】
上述したように構成した第1実施の形態では、ミラー用ハーネス5をハーネス通し孔11b及び切欠24に挿通すると、ミラー用ハーネス5のうち切欠24から突出する側の部分(コネクタ5bを接続した側の部分)が、自ずと車両前方に向き、サッシュ6(図2〜図5参照)の前方に維持されるようになる。このため、ミラー用ハーネス5は、サッシュ6の前方部分を回り込むこととなり、サッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上に配置されることが回避される(図2、図4及び図5参照)。そして、このようにサッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上にミラー用ハーネス5が配置されることが回避されることにより、ミラー用ハーネス5とガラス8とが干渉しなくなり、ガラス8の昇降不良やミラー用ハーネス5の切断が防止されてミラー用ハーネス5の配索を適正に行えることになる。
【0020】
また、一般に用いられるガスケット11に形成される板材23に切欠24を形成し、ガスケット11に形成されるハーネス通し孔11b及び前記切欠24にミラー用ハーネス5を挿通させることにより、上述したようにミラー用ハーネス5を適正に配索しているので、部品数を増加させずにミラー用ハーネス5の配索の適正化を果たすことができ、ひいては作業性及び生産性の向上を図ることができる。
【0021】
次に、本発明の第2実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を図7、図8に基づいて説明する。なお、図1ないし図6と同一の部材、部分については同一の符号で示し、その説明は、適宜、省略する。図7、図8において、ガスケット11の下側底部19における後方側壁部22側の部分には、ミラー側孔(ガスケット孔)11cが形成されている。また、ミラーリーンフォース12は、アウターパネル孔3aに臨むようにしてアウターパネル3に接合される略矩形のミラーリーンフォース本体部30を有している。
【0022】
ミラーリーンフォース本体部30の車両前方側(図7左側)、車両後方側(図7右側)、車両下方側(図7下側)の端部にはそれぞれ、アウターパネル3と反対方向(以下、アウターパネル反対方向という。図7紙面手前側。図8下側)100に斜めに延びるフランジ部(それぞれ、前方側フランジ31、後方側フランジ32、下方側フランジ33という。)が形成されている。ミラーリーンフォース本体部30の車両上方側(図7上側)の端部には、ミラーリーンフォース本体部30と略垂直の壁部(上方側壁部34)が形成されている。前方側フランジ31及び下方側フランジ33の先端部には、ミラーリーンフォース本体部30と略平行になるように、フランジ延長部(それぞれ、前方側フランジ延長部31a及び下方側フランジ延長部33a)が形成され、両者は連接されている。
【0023】
ミラーリーンフォース本体部30の略中央部には、アウターパネル3側からアウターパネル反対方向100に押し出すようにして、略かまぼこ状をなす突出体35が形成されている。突出体35は、前方側フランジ31及び下方側フランジ33の連接部分(以下、便宜上、下前方連接部という。)36から後方側フランジ32及び上方側壁部34の連接部分(以下、便宜上、上後方連接部という。)37に延びて形成されている。突出体35のアウターパネル3側は凹んで凹面部35aを形成している。ミラーリーンフォース本体部30に、凹面部35aを有する突出体35を形成したことにより、ミラーリーンフォース本体部30には、凹面部35aに対面する開口部(アウターパネル側開口部)30a〔一方の開口部〕が形成されている。
【0024】
突出体35における下前方連接部36に略対面する部分はミラーリーンフォース本体部30から離間されており、ミラーリーンフォース本体部30との間に開口部(前方側開口部)35b〔他方の開口部〕が形成されている。アウターパネル側開口部30a、前方側開口部35bを両端として突出体35の凹面部35a側に通路(ハーネス挿通用通路)38が形成されている。ハーネス挿通用通路38は、ミラー用ハーネス5を挿通可能の大きさとされている。ハーネス挿通用通路38の前方側開口部35bは、上述したように前記下前方連接部36に対面し、ひいては車両前方を向くものになっている。
【0025】
ミラーリーンフォース12は、アウターパネル側開口部30aにおける後方側フランジ32側部分がガスケット11のミラー側孔11cに対面するように配置されてアウターパネル3に固定されている。
【0026】
上述したように構成した第2実施の形態では、ミラー用ハーネス5をガスケット11のミラー側孔11c及びハーネス挿通用通路38に挿通すると、前方側開口部35bがミラー側孔11cより車両前方に配置され、かつ車両前方に開口していることから、ミラー用ハーネス5は、その方向がハーネス挿通用通路38に規制され、前方側開口部35bから突出する側の部分(コネクタ5bを接続した側の部分)が、自ずと車両前方に向き、サッシュ6の前方に維持されるようになる。
【0027】
このため、ミラー用ハーネス5は、サッシュ6の前方部分を回り込むこととなり、サッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上に配置されることが回避される(図2、図4及び図5参照)。そして、このようにサッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上にミラー用ハーネス5が配置されることが回避されることにより、ミラー用ハーネス5とガラス8とが干渉しなくなり、ガラス8の昇降不良やミラー用ハーネス5の切断が防止されてミラー用ハーネス5の配索を適正に行えることになる。
【0028】
また、一般に用いられるミラーリーンフォース12に上述したようにハーネス挿通用通路38を形成し、このハーネス挿通用通路38にミラー用ハーネス5を挿通させることにより、上述したようにミラー用ハーネス5を適正に配索しているので、部品数を増加させずにミラー用ハーネス5の配索の適正化を果たすことができ、ひいては作業性及び生産性の向上を図ることができる。
【0029】
次に、本発明の第3実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を図9、図10に基づいて説明する。なお、図1ないし図8と同一の部材、部分については同一の符号で示し、その説明は、適宜、省略する。
【0030】
図9、図10において、ミラーリーンフォース本体部30の前方側フランジ31側部分には、ミラー用ハーネス5を挿通可能な孔(ミラーリーンフォース孔12a)が形成されている。ミラーリーンフォース12は、その中央部分がガスケット11の中央部分に略一致するようにして配置され、このように配置することにより、ミラーリーンフォース孔12aがガスケット11のミラー側孔11cに比して車両前方に配置されている。
【0031】
上述したように構成した第3実施の形態では、ミラー用ハーネス5をガスケット11のミラー側孔11c及びミラーリーンフォース孔12aに挿通すると、ミラーリーンフォース孔12aがガスケット11のミラー側孔11cに比して車両前方に配置されていることから、ミラー用ハーネス5は、その方向がミラー側孔11c及びミラーリーンフォース孔12aに規制され、ミラーリーンフォース孔12aから突出する側の部分(コネクタ5bを接続した側の部分)が、自ずと車両前方に向き、サッシュ6の前方に維持されるようになる。
【0032】
このため、ミラー用ハーネス5は、サッシュ6の前方部分を回り込むこととなり、サッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上に配置されることが回避される(図2、図4及び図5参照)。そして、このようにサッシュ6の車体後方におけるガラス8の軌跡(移動部分)上にミラー用ハーネス5が配置されることが回避されることにより、ミラー用ハーネス5とガラス8とが干渉しなくなり、ガラス8の昇降不良やミラー用ハーネス5の切断が防止されてミラー用ハーネス5の配索を適正に行えることになる。
【0033】
また、一般に用いられるミラーリーンフォース12及びガスケット11にそれぞれ、ハーネス挿通用通路38及びミラー側孔11cを形成し、このハーネス挿通用通路38にミラー用ハーネス5を挿通させることにより、上述したようにミラー用ハーネス5を適正に配索しているので、部品数を増加させずにミラー用ハーネス5の配索の適正化を果たすことができ、ひいては作業性及び生産性の向上を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ハーネスに形成した凹部にガスケット孔とハーネス規制部を設け、ハーネスがハーネス規制部に規制されてドア空間においてサッシュの前方に挿通され、サッシュの前方部分を回り込むこととなり、サッシュの車体後方におけるガラスの軌跡(移動部分)上に配置されることが回避されるので、ハーネスとガラスとが干渉しなくなり、ガラスの昇降不良やハーネスの切断を防止できる、すなわちハーネスの配索を適正に行えることになる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、ハーネスをガスケット孔及び切欠に挿通すると、アウターパネル側の開口部である切欠をアウトサイドミラー側の開口部であるガスケット孔より車両の前方に配置したことにより、ハーネスのうちアウターパネル側の開口部から突出する側の部分が、自ずと車両前方に向き、サッシュの前方に維持されるようになる。このため、ハーネスは、サッシュの前方部分を回り込むこととなり、サッシュの車体後方におけるガラスの軌跡(移動部分)上に配置されることが回避されるので、ハーネスとガラスとが干渉しなくなり、ガラスの昇降不良やハーネスの切断を防止できる、すなわちハーネスの配索を適正に行えることになる。また、一般に用いられるガスケットに形成した凹部にガスケット孔と切欠を形成することにより、上述したようにハーネスを適正に配索しており、別個に部品を設けていないので、ハーネスの適正な配索を、部品数を増加させずに果たすことができ、ひいては作業性及び生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される自動車を模式的に示す側面図である。
【図2】図1の自動車のドアを示す分解斜視図である。
【図3】図2のアウトサイドミラーの取付け部を車両前方側から見た模式図である。
【図4】図2のアウトサイドミラーの取付け部をインナーパネル側から見た模式図である。
【図5】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を模式的に示す斜視図である。
【図8】図7のC−C線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第3実施の形態に係るアウトサイドミラーのハーネス配索構造を模式的に示す斜視図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】従来のアウトサイドミラーのハーネス配索構造を模式的に示す斜視図である。
【図12】図11のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
3 アウターパネル
3a アウターパネル孔
4 アウトサイドミラー
5 ミラー用ハーネス
6 サッシュ
7 インナーパネル
11 ガスケット
11a ガスケット孔
11b ハーネス通し孔(ガスケット孔)
11c ミラー側孔(ガスケット孔)
12 ミラーリンフォース
12a ミラーリンフォース孔
24 切欠
Claims (2)
- 車両用のドアのアウターパネルとインナーパネルとの間に、ガラスの昇降を案内するサッシュを介装するとともに、前記アウターパネルのアウトサイドミラーの固定個所裏面にはミラーリーンフォースを配置し、前記アウターパネルに固定される前記アウトサイドミラーと前記アウターパネルの間に互いの密着性を向上させる樹脂あるいはゴム製のガスケットを配置し、前記アウトサイドミラー用のハーネスの先端部を、前記ガスケットに形成したガスケット孔、前記アウターパネルに形成したアウターパネル孔、前記ミラーリーンフォースに形成されたミラーリーンフォース孔を通して、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間のドア空間に収納するアウトサイドミラーのハーネス配索構造であって、
前記ガスケットの前記アウターパネルに接合される面部に凹部を形成し、該凹部に、前記ハーネスを挿通するガスケット孔と、前記ハーネスを前記ドア空間においてサッシュの前方に向けて挿通するように規制するハーネス規制部と、を設け、前記ハーネスを、前記ガスケット孔、前記アウターパネル孔、前記ミラーリーンフォース孔を通して前記ドア空間に配索したとき、前記ハーネスが、前記ハーネス規制部に規制されて前記ドア空間内における前記サッシュの前方に挿通され、前記サッシュの前方部分に回りこむように配索されることを特徴とするアウトサイドミラーのハーネス配索構造。 - 請求項1記載の構成において、前記ハーネス規制部は、前記アウトサイドミラー側の開口部として、前記凹部に設けた前記ガスケット孔と、前記アウターパネル側の開口部として、前記凹部の側壁に設ける板材に形成した切欠と、から構成され、前記アウターパネル側の開口部である前記切欠を前記アウトサイドミラー側の開口部である前記ガスケット孔より車両の前方に配置したことを特徴とするアウトサイドミラーのハーネス配索構造。
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