JP3978569B2 - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前後輪間及び左右輪間の駆動力配分を制御可能な車両用駆動力配分装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
この種の車両用駆動力配分装置としては、例えば特登録2770670号を挙げることができる。この駆動力配分装置では、エンジンから後輪に伝達される駆動力を油圧式の多板クラッチを経て前輪側に任意に分配可能とすると共に、左右の後輪間に設けられたリアディファレンシャル(以下、リアデフという)の差動を油圧多板クラッチで制限することにより、左右の後輪間の駆動力配分を変更可能としている。
【0003】
上記した車両の運動特性は、基本的に後輪駆動状態から前輪側への駆動力分配量を増加させて4輪駆動状態に接近させるほど、トラクション性能は増加するものの操舵特性はアンダーステア側に変化し、一方、リアデフの差動を制限するほど、操舵特性はオーバーステア側に変化する。そこで、この運動特性を前提として、上記した駆動力配分装置では良好な運動性能が実現されるように車両の走行状態に応じて制御を実施しており、例えば旋回後半のコーナーからの加速時には、トラクション性能と共に良好な旋回性能が要求されることから、前輪側への駆動力の分配量を増加させると共に、これにより発生したアンダーステアモーメントをリアデフの差動を制限することで軽減して、旋回性能の確保を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した駆動力配分装置においてリアデフを差動制限することでオーバーステアモーメントが発生する原理は、旋回限界付近で生じる内輪側のスリップに起因するものである。即ち、差動制限したときの旋回時には、外輪側に減速方向の駆動力が作用し、内輪側に増速方向の駆動力が作用することから、本来はアンダーステアモーメントが発生する。これに対して旋回限界付近では外輪側への接地荷重の移動により内輪側にスリップが発生して駆動力が急減し、その分だけ外輪側の駆動力が増加することから、結果として車両の旋回を促すオーバステアモーメントが発生するのである。
【0005】
従って、内外輪に急激な荷重移動が生じる高μ路での急旋回時でなければ、オーバステアモーメントを発生できず、他の多くの走行状態では、むしろ旋回を妨げるアンダーステアモーメントが発生してしまう。その結果、上記した前輪への駆動配分の増加によるアンダーステアモーメントを軽減できないばかりか助長してしまうことになり、車両の運動特性を改善できるとは言い難かった。
【0006】
本発明の目的は、前後輪間の駆動力配分の制御により発生したアンダーステアモーメントを左右輪間の駆動力配分を制御することで確実に軽減し、もって、車両の旋回性能を確保して運動特性を改善することができる車両用駆動力配分装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンからの駆動力を前後輪に分配すると共に、前後輪の差動を車両の運転状態に基づいて設定される拘束トルクにより制限可能な駆動力前後配分手段と、エンジンからの駆動力を左右輪に分配すると共に、分配経路に併設された駆動力偏移機構により駆動力の一部を伝達して、左右輪への駆動力の分配量を変更可能な駆動力左右配分手段と、駆動力前後配分手段の拘束トルクを制御すると共に拘束トルクにより車両に発生するヨーモーメントを適正方向に補正すべく、拘束トルクに応じて駆動力左右配分手段の分配量を制御する制御手段とを備え、制御手段が、駆動力前後配分手段の拘束トルクの増加に伴って、車両の旋回時の内輪に対して外輪への駆動力の分配量を増加させるように駆動力左右配分手段を制御するよう構成されている。
【0008】
従って、例えば旋回後半での加速時において、トラクション性能の確保のために駆動力前後配分手段の拘束トルクが増加されると、アンダーステアモーメントが発生するが、この場合には、それに応じて駆動力左右配分手段により車両の旋回時の内輪に対して外輪への駆動力の分配量が増加されてオーバーステアモーメントが発生するため、アンダーステアモーメントが軽減されて、良好な旋回性能が確保される。
そして、駆動力左右配分手段は、駆動力偏移機構により駆動力の一部を左右何れかの車輪に伝達することで左右輪への分配量を任意に変更可能であることから、特登録2770670号に記載された従来例のリアデフのように、左右輪の差動制限により荷重移動を利用してオーバーステアモーメントを発生させる原理とは全く異なり、高μ路での急旋回時等に限定されることなく自由にヨーモーメントを発生可能である。
【0009】
駆動力前後配分手段の拘束トルクと駆動力左右配分手段の駆動力分配量とを相関させるための好ましい態様としては、上記制御手段を、拘束トルクの算出に用いられたパラメータを共通の媒介変数として、駆動力左右配分手段の駆動力分配量を算出するように構成することが望ましい。例えば、旋回加速時においては、駆動力前後配分手段の拘束トルクと駆動力左右配分手段の駆動力分配量との最適値が加速の緩急に応じて変化することから、車両の加速度合を表すスロットル開度等を共通の媒介変数として、これらの拘束トルクと駆動力の分配量とを設定する。これにより旋回後半での加速の緩急に関わらず、好ましくないヨーモーメントを確実に軽減可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両用駆動力配分装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の車両用駆動力配分装置を示す全体構成図、図2はセンタデフ及びフロントデフの詳細を示す部分拡大図である。これらの図に示すように、駆動力前後配分手段としてのセンタデフ1はフロントディファレンシャル(以下、フロントデフという)2と共に車両の前輪3Fの車軸上に配設され、エンジン4の回転が手動式の変速機5を介してセンタデフ1の外周のリングギア6に入力されるようになっている。センタデフ1はピニオンギア7に一対のサイドギア8a,8bを噛合させた一般的な構成であり、エンジン4によりリングギア6が回転駆動されると一体でピニオンギア7が回転し、左右のサイドギア8a,8bに回転差を許容しながら50:50の比率でトルクが配分される。
【0012】
センタデフ1の一方のサイドギア8aはフロントデフ2のアウタケーシング9に連結され、アウタケーシング9の外周に設けられたリングギア10がピニオンギア11及びプロペラシャフト12を介して駆動力左右配分手段としてのリアディファレンシャル(以下、リアデフという)13に接続されている。一方のサイドギア8aと共にアウタケーシング9が回転すると、その回転はリングギア10、ピニオンギア11、プロペラシャフト12を経てリアデフ13に伝達され、更にドライブシャフト14を介して左右の後輪3Rが回転駆動される。
【0013】
センタデフ1の他方のサイドギア8bは、前記アウタケーシング9に内装されたインナケーシング15に接続され、このインナケーシング15内に支持された一対のプラネタリギア16は、左右のドライブシャフト17の内端に形成されたサンギア18にそれぞれ噛合している。他方のサイドギア8bと共にインナケーシング15が回転すると、その回転はプラネタリギア16、サンギア18を経てドライブシャフト17に伝達されて左右の前輪3Fが回転駆動されると共に、プラネタリギア16の自転に伴って左右の回転差が許容される。
【0014】
フロントデフ2のアウタケーシング9とインナケーシング15との間には油圧多板クラッチ19が設けられ、この油圧多板クラッチ19の係合状態に応じて拘束トルクが発生して、両ケーシング9,15の相対回転が規制される。油圧多板クラッチ19の完全開放時(拘束トルク0)には、両ケーシング9,15が回転規制されることなくフリー状態に保持されて、上記のように50:50の比率で前輪3F側と後輪3R側へのトルク配分が行われ、一方、油圧多板クラッチ19の完全係合時(拘束トルク最大)には、両ケーシング9,15が回転規制されてロック状態に保持され、このときには前後輪3F,3Rの接地荷重に応じた比率でトルク配分が行われる。そして、このような拘束トルクの調整に応じて、後述のように車両の走行特性が変化する。油圧多板クラッチ19は油圧ユニット20から作動油の供給を受けて作動し、その作動油の供給状態がソレノイドバルブ21で制御されることにより油圧多板クラッチ19の係合状態が調整されて、任意の拘束トルクが実現される。
【0015】
一方、図3はリアデフの詳細を示す部分拡大図であり、この図に基づいて前記リアデフ13の構成を説明すると、リアデフ13のアウタケーシング111内にはインナケーシング112が配設され、このインナケーシング112はピニオンギア113及びリングギア114を介して前記プロペラシャフト12により回転駆動される。インナケーシング112内には、ピニオンギア115に一対のサイドギア116a,116bを噛合させた一般的な構成のディファレンシャル機構が設けられ、インナケーシング112の回転に伴って、左右のサイドギア116a,116bは回転差を許容されながら50:50の比率でトルクを配分され、そのトルクが前記ドライブシャフト14を介して左右の後輪3Rに伝達される。
【0016】
又、インナケーシング112の一側にはサンギア117aが設けられ、このサンギア117aは、アウタケーシング111内に支持された3連のピニオンギア117b,118b,119bの一つ117bに噛合している。残りの2つのピニオンギア118b,119bは、左側のドライブシャフト14に外嵌した中空軸118,119のサンギア118a,119aとそれぞれ噛合し、各中空軸118,119は増速用クラッチ120及び減速用クラッチ121を介して右側のドライブシャフト14に連結されている。
【0017】
ここで、3連の各ピニオンギア117b,118b,119bの歯数は、インナーケーシング112側のサンギア117aと噛合するピニオンギア117bを基準として、増速用クラッチ120側のサンギア118aと噛合するピニオンギア118bが大きく、減速増速用クラッチ121側のサンギア119aと噛合するピニオンギア119bが小さく設定されている。従って、例えば車両の直進時においては、増速用クラッチ120には右側のドライブシャフト14を増速させる方向の回転差が発生し、減速用クラッチ121には右側のドライブシャフト14を減速させる方向の回転差が発生する。そして、本実施形態では、これらのサンギア117a,118a,119a、ピニオンギア117b,118b,119b、増速用クラッチ120及び減速用クラッチ121により駆動力偏移機構Sが構成されている。
【0018】
従って、両クラッチ120,121の開放時には、この回転差による増速或いは減速作用は奏されないことから、左右の駆動輪3Rは上記のように50:50の比率でトルク配分がなされる。この状態から増速用クラッチ120が係合されると、インナケーシング112の回転トルクの一部がサンギア117a、ピニオンギア117b、ピニオンギア118b、サンギア118a、増速用クラッチ120を経て右側のドライブシャフト14に分配され、結果として右後輪3Rへのトルク分配量が増加し、その増加分だけ左後輪3Rへのトルク分配量が減少する。逆に、減速用クラッチ121が係合されると、右側のドライブシャフト14の回転トルクの一部が減速用クラッチ121、サンギア119a、ピニオンギア119b、ピニオンギア117b、サンギア117aを経てインナケーシング112に回収され、結果として右後輪3Rへのトルク分配量が減少し、その減少分だけ左後輪3Rへのトル分配量が増加する。つまり、増速用クラッチ120或いは減速用クラッチ121を選択的に係合させることで左右の後輪3Rへのトルク分配量を変更でき、それに伴って車両のヨーモーメントを任意の方向に発生可能となる。
【0019】
増速用クラッチ120及び減速用クラッチ121は前記油圧ユニット20から作動油の供給を受けて作動し、その作動油の供給状態がソレノイドバルブ122a,122bで制御されることにより各クラッチ120,121の係合状態が調整されて、上記のように左右後輪3Rへの任意のトルク配分が実現される。
一方、車両の室内には、制御手段としての4WD用ECU(電子制御ユニット)31が図示しないエンジン・変速機用ECUやABS用ECU等と共に設置されており、この4WD用ECU31は他のECUと同様に、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。4WD用ECU31の入力側には、車両に作用する前後方向の加速度Gxを検出する前後加速度センサ33、車両に作用する横方向の加速度Gyを検出する横加速度センサ34、エンジン4のスロットル開度TPSを検出するスロットルセンサ36、ステアリング操舵角θsを検出する操舵角センサ37、及び、運転者が高μ路面(例えば、舗装路)、中μ路面(例えば、未舗装路)、低μ路面(例えば、凍結路)の3種の路面状況を選択するためのモード切換スイッチ38が接続されている。又、4WD用ECU31の出力側には、前記ソレノイドバルブ21,122a,112bが接続されている。
【0020】
次に、以上のように構成された車両用駆動力配分装置のECU31が実行するセンタデフ1とリアデフ13の制御、特にセンタデフ1の差動制限制御に適用する拘束トルク、及びリアデフ13の左右後輪3Rへのトルク配分制御に適用するトルク差の設定手順を説明する。
図4はECUが実行するセンタデフ1の拘束トルクの設定手順を系統的に示したブロック図である。図に示すように、この拘束トルク設定手順は、運転者の意志に沿った旋回挙動を実現すべく前後差回転拘束トルクTvを算出する前後差回転拘束トルク設定部41、前後差回転拘束トルクTvに生じるハンチングを防止すべく前後G拘束トルクTxを算出する前後G比例拘束トルク設定部42、加速時のトラクション性能を確保すべく加速対応拘束トルクTaを算出する加速対応拘束トルク設定部43、及び減速時の安定性を確保すべく減速対応拘束トルクTbを算出する減速対応拘束トルク設定部44と、それらの各拘束トルク設定部41〜44で設定された拘束トルクTv,Tx,Ta,Tbに基づき、例えば各値を加算して最終的な拘束トルクTfinalを設定する最終拘束トルク設定部45とから構成されている。
【0021】
そして、このようにして設定された最終拘束トルクTfinalに基づいて、センタデフ1の実際の拘束トルクが制御される。即ち、最終拘束トルクTfinalに対応するデューティ率が図示しないマップから設定され、そのデューティ率に基づいてソレノイドバルブ21が作動して、油圧ユニット20から油圧多板クラッチ19に供給される作動油を制御し、その結果、油圧多板クラッチ19の係合状態が調整されて、拘束トルクが上記最終拘束トルクTfinalに制御される。
【0022】
ここで、図4に示すように加速対応拘束トルク設定部43では、以下の手順で加速対応拘束トルクTaが設定される。拘束トルク算出部81には、スロットルセンサ36にて検出されたスロットル開度TPS、モード切換スイッチ38の操作状況、及び推定車体速算出部54にて推定された推定車体速VBが入力される。推定車体速VBとは所定時間t後の車体速VBを表し、例えば、2番目に小さい車輪速を現在の車体速と見なし(最小値は故障中の可能性があるため除外)、その値を前後加速度Gx(以降の車体速の変化を意味する)で補正することにより算出される。拘束トルク算出部81では、予め設定された3種のマップからモード切換スイッチ38にて入力された路面状況に対応するマップが選択され、そのマップに基づいてスロットル開度TPS及び推定車体速VBから加速対応拘束トルクTaが算出される。この加速対応拘束トルクTaがフィルタ82を経て上記した最終拘束トルクTfinal設定部に出力されて、最終拘束トルクTfinalの算出に適用される。
【0023】
図示はしないが加速対応拘束トルクTaは、スロットル開度TPSの増加に伴って増加するように設定される。この特性により、スロットル開度TPSが大となる急加速ほど加速対応拘束トルクTaが増加設定され、その設定が最終拘束トルクTfinalの算出に反映される。結果として、センタデフ1の実際の拘束トルクが増加側に制御されることから、車両のトラクション性能が確保されて良好な加速が実現される。
【0024】
一方、図5はECUが実行するリアデフ13のトルク差の設定手順を系統的に示したブロック図である。図に示すように、このトルク差の設定手順は、旋回加速時の旋回性能を確保すべく加速旋回トルク差TDaを算出する加速旋回トルク差設定部131、減速時の安定性を確保すべく減速旋回トルク差TDbを算出する減速旋回トルク差設定部132、及び急操舵時の回頭性を確保すべく操舵過渡応答トルク差TDsを算出する操舵過渡応答トルク差設定部133と、それらの各トルク差設定部131〜133で設定されたトルク差TDa,TDb,TDsに基づき、例えば各値を加算して最終的なトルク差TDfinalを設定する最終トルク差設定部134とから構成されている。
【0025】
そして、このようにして設定された最終トルク差TDfinalに基づいて、リアデフ13の実際のトルク差が制御される。即ち、上記したセンタデフ1での拘束トルクの制御と同様に、最終トルク差TDfinalに対応するデューティ率が図示しないマップから設定され、そのデューティ率に基づいてソレノイドバルブ122a,122bが選択的に作動して、油圧ユニット20から増速用クラッチ120又は減速用クラッチ121に供給される作動油を制御し、その結果、何れかのクラッチ120,121の係合状態が調整されて、上記最終トルク差TDfinalを達成するように左右後輪3Rへのトルク配分が制御される。
【0026】
以下、各トルク差設定部131〜133によるトルク差TDa,TDb,TDsの設定手順を説明する。
加速旋回トルク差設定部131のトルク差算出部141では、横加速度センサ34にて検出された横加速度Gyに基づき、予め設定されたマップに従って加速旋回トルク差TDaが算出される。マップ中の横加速度Gyの正負は車両の旋回方向を表し、加速旋回トルク差TDaの正負は左右の後輪3Rに分配するトルクの増減方向を表している。そして、このマップでは、車両の旋回方向の外輪側へのトルク分配量を増加させ、内輪側へのトルク分配量を減少させる方向に加速旋回トルク差TDaを設定し、且つ、横加速度Gyが大の急旋回ほど加速旋回トルク差TDaを増加させている。この設定により、車両の旋回を促すオーバステアモーメントが発生し、そのオーバーステアモーメントは急旋回ほど増加する。
【0027】
又、K4算出部142ではスロットル開度TPSに基づき、予め設定されたマップに従って補正係数K4が算出され、この補正係数K4が乗算処理部143において加速旋回トルク差TDaに乗算される。図に示すように、所定のスロットル開度TPS以上の領域では、スロットル開度TPSの増加に伴って補正係数K4を増加させ、これにより加速旋回トルク差TDaが増加補正される。乗算後の加速旋回トルク差TDaはスイッチ144を経て最終トルク差設定部134に入力されて、最終トルク差TDfinalの算出に適用される。スイッチ144は、上記減速旋回トルク差設定部132が減速旋回トルク差TDbを算出中にオフされるため、加速旋回トルク差TDaに対して減速旋回トルク差TDbが優先して最終トルク差TDfinalに反映される。
【0028】
減速旋回トルク差設定部132のトルク差算出部151では、横加速度センサ34にて検出された横加速度Gyに基づき、予め設定されたマップに従って減速旋回トルク差TDbが算出される。このマップでは、上記した加速旋回トルク差設定部131のマップとは逆に、車両の旋回方向の外輪側へのトルク分配量を減少させ、内輪側へのトルク分配量を増加させる方向に減速旋回トルク差TDbが設定されるため、結果として車両の旋回を妨げるアンダーステアモーメントが発生することになる。
【0029】
又、微分処理部152ではスロットル開度TPSが時間微分されてスロットル開閉速度DTPSに変換され、このスロットル開閉速度DTPSはK5算出部153に入力される。K5算出部153では、スロットル開度TPS及びスロットル開閉速度DTPSに基づいてスロットル開度TPSの急減を判定し、この急減された瞬間は補正係数K5を1に設定し、それ以外のときには補正係数K5を0に設定する。補正係数K5は乗算処理部154において減速旋回トルク差TDbに乗算されるため、スロットル開度TPSが急減された瞬間のみ減速旋回トルク差TDbが設定されて、上記のように加速旋回トルク差TDaに優先して最終トルク差TDfinalの算出に適用され、それ以外のときには減速旋回トルク差TDbは設定されずに、加速旋回トルク差TDaが最終トルク差TDfinalの算出に適用される。
【0030】
K6算出部155では、前後加速度Gxに基づき、予め設定されたマップに従って補正係数K6が算出され、この補正係数K6が乗算処理部156において減速旋回トルク差TDbに乗算され、乗算後の減速旋回トルク差TDbが最終トルク差設定部134に入力される。図に示すように、前後加速度Gxが負となる減速側では大きな補正係数K6が設定され、これにより減速旋回トルク差TDbが増加補正される。
【0031】
一方、操舵過渡応答トルク差設定部133の微分処理部161では、ステアリング操舵角θsが時間微分されて操舵角速度Dθsに変換され、この操舵角速度Dθsがトルク差算出部162に入力される。トルク差算出部162では入力された操舵角速度Dθsに基づき、予め設定されたマップに従って操舵過渡応答トルク差TDsが算出され、この操舵過渡応答トルク差TDsが最終トルク差設定部134に入力される。このマップは上記した加速旋回トルク差設定部131のマップと同様の特性であり、車両の旋回を促すオーバーステアモーメントが発生することになる。
【0032】
上記のように最終トルク差設定部134では、各トルク差TDa,TDb,TDsを加算して最終トルク差TDfinalを算出することから、車両の走行状態の変化に基づいて何れかのトルク差TDa,TDb,TDsが増減したときには、その増減が最終トルク差TDfinalに反映されることになる。
次に、以上の最終拘束トルクTfinal及び最終トルク差TDfinalの設定によりセンタデフ1とリアデフ13がどのように制御されるかを、車両の旋回時を例にとって説明する。
【0033】
図6は車両の旋回時における各車輪へのトルク分配状況を示す図である。▲1▼に示すコーナーの手前での減速時では、センタデフ1の差動制限制御には、主に減速対応拘束トルク設定部44にて設定された減速対応拘束トルクTbが反映され、リアデフ13のトルク配分制御には、主に減速旋回トルク差設定部132にて設定された減速旋回トルク差TDbが反映される。つまり、詳細は説明していないが、減速対応拘束トルク設定部44では、前後加速度Gxに基づいて車両の急減速ほど大きな減速対応拘束トルクTbが設定され、これにより実際のセンタデフ1の拘束トルクが増加側に制御されて制動時の車両姿勢の安定化が図られる。又、上記のように減速旋回トルク差設定部132では、スロットル開度TPSが急減された瞬間に内輪側へのトルク分配量を増加させるように減速旋回トルク差TDbが設定され、結果としてアンダーステアモーメントを発生させてタックイン現象の軽減が図られる。
【0034】
続く▲2▼に示す操舵を開始した旋回前半では、センタデフ1の差動制限制御には、主に減速対応拘束トルク設定部44にて設定された減速対応拘束トルクTbが反映され、リアデフ13のトルク配分制御には、主に操舵過渡応答トルク差設定部133にて設定された操舵過渡応答トルク差TDsが反映される。詳細は説明していないが、減速対応拘束トルク設定部44では、操舵角θsや操舵角速度Dθsに基づいて急操舵ほど減速対応拘束トルクTbを減少補正し、これにより実際のセンタデフ1の拘束トルクが減少側に制御されて回頭性の向上が図られる。又、操舵過渡応答トルク差設定部133では、外輪側へのトルク分配量を増加させるように操舵過渡応答トルク差TDsが設定され、オーバーステアモーメントを発生させて回頭性の向上が図られる。
【0035】
その後の▲3▼に示す加速を開始した旋回後半では、センタデフ1の差動制限制御には、主に加速対応拘束トルク設定部43にて設定された加速対応拘束トルクTaが反映され、リアデフ13のトルク配分制御には、主に加速旋回トルク差設定部131にて設定された加速旋回トルク差TDaが反映される。つまり、上記のように加速対応拘束トルク設定部43では、スロットル開度TPSに基づいて急加速時ほど加速対応拘束トルクTaが増加設定され、これによりトラクション性能の確保が図られる。又、加速旋回トルク差設定部131では、横加速度Gyに基づいて急旋回ほど外輪側へのトルク分配量を増加させるように加速旋回トルク差TDaが設定され、オーバステアモーメントによる旋回性能の確保が図られる。
【0036】
旋回後半の車両は旋回を継続しながら加速開始するため、車両にはトラクション性能と共に旋回性能も要求される。上記のようにセンタデフ1の拘束トルクが増加すると、車両の操舵特性はアンダーステア側に変化して旋回性能の点では好ましくないが、リアデフ13側の制御によりアンダーステアモーメントが軽減されることから旋回性能が十分に確保され、理想的なコーナー脱出を実現することができる。
【0037】
そして、本実施形態の車両用駆動力配分装置では、増速用クラッチ120及び減速用クラッチ121の係合に応じて、駆動力偏移機構Sを介してエンジン4からのトルクの一部をインナケーシング112と右側のドライブシャフト14との間で伝達させ、これにより左右の後輪3Rへのトルク分配を任意に変更可能としている。即ち、特登録2770670号に記載された従来例のリアデフのように、左右輪の差動制限により荷重移動を利用してオーバーステアモーメントを発生させる原理とは全く異なり、高μ路での急旋回時等に限定されることなく自由にオーバーステアモーメントを発生可能である。
【0038】
その結果、上記した旋回後半等には確実にオーバーステアモーメントを発生させて、センタデフ1側の拘束トルクによるアンダーステアモーメントを軽減でき、もって、トラクション性能と旋回性能を両立させて車両の運動特性を大幅に改善することができる。
一方、上記のようにセンタデフ1側の加速対応拘束トルクTaとリアデフ13側の加速旋回トルク差TDaとは、スロットル開度TPSを共通の媒介変数として設定されている。つまり、図4の拘束トルク算出部81において、スロットル開度TPSの増加に伴って加速対応拘束トルクTaが増加設定される一方、図5のK4算出部142において、スロットル開度TPSの増加に伴って補正係数K4を増加させて、加速旋回トルク差TDaを増加補正することから、結果として加速対応拘束トルクTaの増減に応じて加速旋回トルク差TDaが増減される。その結果、旋回後半での加速の緩急に関わらず確実にアンダーステアモーメントを軽減でき、常に適切なヨーモーメントを実現して、上記した車両の運動特性の改善をより一層確実なものとすることができる。
【0039】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、サンギア117a,118a,119a及びピニオンギア117b,118b,119bのギア比を利用して、インナケーシング112と右側のドライブシャフト14との間でトルクを伝達し、左右の後輪3Rへのトルク分配を変更するように駆動力偏移機構Sを構成したが、駆動力偏移機構Sの構成はこれに限らず、例えば各ギアの配置を変更したり、インナケーシング112と左側のドライブシャフト14との間でトルク伝達するようにしたりしてもよい。
【0040】
又、上記実施形態では、センタデフ1の差動制限制御において前後差回転拘束トルクTv、前後G比例拘束トルクTx、加速対応拘束トルクTa、減速対応拘束トルクTbをそれぞれ算出して最終的な拘束トルクTfinalを設定し、リアデフ13のトルク配分制御において、加速旋回トルク差TDa、減速旋回トルク差TDb、操舵過渡応答トルク差TDsをそれぞれ算出して最終的なトルク差TDfinalを設定したが、何れかの拘束トルクを省略したり、別のパラメータから算出された拘束トルクやトルク差を追加したりしてもよい。
【0041】
更に、上記実施形態では、スロットル開度TPSを共通の媒介変数として、センタデフ1側の加速対応拘束トルクTaとリアデフ13側の加速旋回トルク差TDaとを相関させたが、その手法はこれに限定されず、例えば加速対応拘束トルクTaの演算値をリアデフ13側の制御に直接適用して、加速旋回トルク差TDaを求めるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両用差動制限装置によれば、前後輪間の駆動力配分の制御により発生したアンダーステアモーメントを左右輪間の駆動力配分を制御することで確実に軽減し、もって、車両の旋回性能を確保して運動特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の車両用駆動力配分装置を示す全体構成図である。
【図2】センタデフ及びフロントデフの詳細を示す部分拡大図である。
【図3】リアデフの詳細を示す部分拡大図である。
【図4】ECUが実行するセンタデフの拘束トルクの設定手順を系統的に示したブロック図である。
【図5】ECUが実行するリアデフのトルク差の設定手順を系統的に示したブロック図である。
【図6】車両の旋回時における各車輪へのトルク分配状況を示す図である。
【符号の説明】
1 センタデフ(駆動力前後配分手段)
3F 前輪
3R 後輪
4 エンジン
13 リアデフ(駆動力左右配分手段)
31 ECU(制御手段)
S 駆動力偏移機構
Claims (1)
- エンジンからの駆動力を前後輪に分配すると共に、該前後輪の差動を車両の運転状態に基づいて設定される拘束トルクにより制限可能な駆動力前後配分手段と、
上記エンジンからの駆動力を左右輪に分配すると共に、該分配経路に併設された駆動力偏移機構により駆動力の一部を伝達して、上記左右輪への駆動力の分配量を変更可能な駆動力左右配分手段と、
上記駆動力前後配分手段の拘束トルクを制御すると共に該拘束トルクにより上記車両に発生するヨーモーメントを適正方向に補正すべく、該拘束トルクに応じて上記駆動力左右配分手段の分配量を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記駆動力前後配分手段の拘束トルクの増加に伴って、上記車両の旋回時の内輪に対して外輪への駆動力の分配量を増加させるように上記駆動力左右配分手段を制御するよう構成されていることを特徴とする車両用駆動力配分装置。
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