JPH06144053A - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JPH06144053A
JPH06144053A JP29526792A JP29526792A JPH06144053A JP H06144053 A JPH06144053 A JP H06144053A JP 29526792 A JP29526792 A JP 29526792A JP 29526792 A JP29526792 A JP 29526792A JP H06144053 A JPH06144053 A JP H06144053A
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JP
Japan
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differential
vehicle
control
flowchart
center
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Pending
Application number
JP29526792A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Kashiwagi
慶司 柏木
Tetsuo Takahane
徹郎 高羽
Nobuyuki Nakamura
信之 中村
Yuji Shitani
有司 志谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各デファレンシャルにおける差動制限の作動
タイミングを順次経時的に変化させることによりトルク
ショックの発生等を防止し、さらに各デファレンシャル
における差動制限の作動順序を適正に決定することによ
り走行性能の向上を図る。 【構成】 前輪3,3間に設けられたフロントデファレ
ンシャル5と、後輪4,4間に設けられたリヤデファレ
ンシャル6と、フロントデファレンシャル5とリヤデフ
ァレンシャル6との間に設けられたセンタデファレンシ
ャル7とを備え、これらのデファレンシャル5,6,7の
差動制限力を所定のパラメータに応じて各々変化させる
ようにした車両の差動制限装置において、差動制限の作
動タイミングを、リヤデファレンシャル6、センタデフ
ァレンシャル7、フロントデファレンシャル5の順で経
時的に変化させる差動制限制御手段を付設するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、4輪駆動車における
差動制限を行うための車両の差動制限装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、4輪駆動車においては、旋回時
における前後輪の軌跡差を補償するために、前後輪の車
軸間に配設されるセンタデファレンシャル、前輪間に配
設されるフロントデファレンシャルおよび後輪間に配設
されるリヤデファレンシャルをそれぞれ備えた構成とさ
れている。
【0003】このような4輪駆動車には、上記各デファ
レンシャルのために、油圧によりロック状態あるいはア
ンロック状態の作動状態がそれぞれ設定される差動制限
装置が設けられている。この差動制限装置は、各車輪の
車輪速度信号と操舵角信号とを制御回路に入力し、これ
らの信号に基づいて悪路判定、直進判定、加速判定ある
いは制動判定を行い、各種の走行状態に対応して、フロ
ントデファレンシャル、リヤデファレンシャルおよびセ
ンタデファレンシャルの作動を制御し、これによって操
縦安定性、制動性、加速性などの向上を図ることとして
いる(例えば、特開昭62ー166114号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな差動制限装置では、デファレンシャルをロックする
際に、複数のデファレンシャルを実質的に同時にロック
してしまうことから、駆動トルクが急激に変動し、所謂
トルクショックを生じさせることがある。また、全ての
デファレンシャルの差動制限装置が、実質的に同じ条件
下で略同時にロックあるいはロック解除を行うので、あ
る運転状態では、全ての差動制限装置が一斉にハンチン
グを生じさせるおそれがある。さらに、差動制限装置
は、各デファレンシャルの差動を規制する電磁式あるい
は油圧作動式の多板クラッチを一般に備えているが、電
磁式多板クラッチを用いた場合、各デファレンシャルに
おけるクラッチの同時作動は、差動制限装置の制御系統
に急激な電気負荷を課すおそれがある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、各デファレンシャルにおける差動制限の作動タイ
ミングを順次経時的に変化させることにより上記課題
(例えば、トルクショックの発生防止等)を解決し、さら
に各デファレンシャルにおける差動制限の作動順序を適
正に決定することにより走行性能の向上を図ることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、前輪間に設けられ
たフロントデファレンシャルと、後輪間に設けられたリ
ヤデファレンシャルと、フロントデファレンシャルとリ
ヤデファレンシャルとの間に設けられたセンタデファレ
ンシャルとを備え、これらのデファレンシャルの差動制
限力を所定のパラメータに応じて各々変化させるように
した車両の差動制限装置において、差動制限の作動タイ
ミングを、リヤデファレンシャル、センタデファレンシ
ャル、フロントデファレンシャルの順で経時的に変化さ
せる差動制限制御手段を付設するようにしている。
【0007】請求項2の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1記載の車両の差動制限
装置において、前記差動制限制御手段は、旋回状態検出
時に作動せしめられるものとなしている。
【0008】
【作用】請求項1あるいは2の発明では、上記手段によ
って次のような作用が得られる。
【0009】即ち、旋回状態検出時において、リヤデフ
ァレンシャルがまず差動制限されて後輪間差動の発生が
抑制され、次にセンタデファレンシャルが差動制限され
て前後輪間差動の発生が防止され、最後にフロントデフ
ァレンシャルが差動制限されて前輪間差動の発生が抑制
されることとなる。
【0010】ところで、一般に旋回時の各車輪には、求
心力(即ち、コーナリングフォース)が働き、この求心力
と車両に働く遠心力とがつり合うことにより、車両の旋
回が行なわれる。この時、最初にリヤデファレンシャル
を差動制限すると、二つの後輪が同じ回転数で回転す
る。従って、後輪は車体速と異なる速度で回転すること
となるため、摩擦円の関係から後輪側の求心力が差動制
限していない状態のときより減少し、その結果、前輪側
の求心力が高まることとなって、アクセルによる車両の
回頭性が高められることとなる。
【0011】また、リヤデファレンシャルの差動制限後
にセンタデファレンシャルを差動制限すると、前輪側の
駆動力が後輪側へ有効に伝達されることとなるため、加
速性を重視した走行性能が得られる。
【0012】さらに、最後にフロントデファレンシャル
を差動制限して、三つのデファレンシャルの差動制限を
行うと、4輪全てに駆動力を有効に伝えることができる
こととなり、加速性が高められる。
【0013】
【発明の効果】請求項1あるいは2の発明によれば、前
輪間に設けられたフロントデファレンシャルと、後輪間
に設けられたリヤデファレンシャルと、フロントデファ
レンシャルとリヤデファレンシャルとの間に設けられた
センタデファレンシャルとを備え、これらのデファレン
シャルの差動制限力を所定のパラメータに応じて各々変
化させるようにした車両の差動制限装置において、差動
制限の作動タイミングを、リヤデファレンシャル、セン
タデファレンシャル、フロントデファレンシャルの順で
経時的に変化させる差動制限制御手段を付設して、旋回
状態検出時において、リヤデファレンシャルをまず差動
制限することにより後輪間差動の発生を抑制してアクセ
ルによる回頭性を高め、次にセンタデファレンシャルを
差動制限することにより前後輪間差動の発生を防止して
加速性を重視した走行性能を得るようにし、最後にフロ
ントデファレンシャルを差動制限することにより前輪間
差動の発生を抑制して加速性を高めるようにしたので、
アクセルによる車両の回頭性が高められ且つ加速性を重
視した走行性能が得られることとなり、旋回時(特に、
小旋回時)における走行性能の向上を図ることができる
という優れた効果がある。
【0014】
【実施例】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好
適な実施例を説明する。
【0015】図1には、本願発明の実施例にかかる差動
制限装置を備えた車両の制御系の全体構成が示されてい
る。
【0016】符号1で示すエンジンには、トランスミッ
ション2が接続され、該トランスミッション2には、図
示しないトランスファが接続されている。
【0017】そして、前輪3,3間にはフロントデファ
レンシャル(以下、フロントデフという)5が設けられ、
後輪4,4間にはリヤデファレンシャル(以下、リヤデフ
という)6が設けられ、前記フロントデフ5とリヤデフ
6との間にはセンタデファレンシャル(以下、センタデ
フという)7が設けられている。符号8はステアリング
装置である。
【0018】前記各前輪4および後輪5には、各車輪の
車輪速信号を検出する車輪速センサ9がそれぞれ取り付
けられている。ブレーキスイッチ10は、フットブレー
キのオン・オフ信号を検出し、ヨーレイトセンサ11は
ヨーレイトセンサ信号を検出し、舵角センサ12はステ
アリング装置8の舵角信号を検出し、シフトセンサ13
は変速レバー14の変速段を検出するものとされてい
る。
【0019】符号20はアンチスキッドブレーキ装置用
コントロールユニット(以下、ABS用コントロールユ
ニットという)、21はパワートレイン用コントロール
ユニットであり、入出力ポート20a,21a、マイクロ
プロセッサ(以下、CPUという)20b,21bおよびメ
モリ20c,21cをそれぞれ備えている。
【0020】前記ABS用コントロールユニット20
は、車輪速センサ9から各車輪速(Nf1,Nf2,Nr1,N
r2)を入力されるものとされ、各車輪に付設されたブレ
ーキ装置(図示省略)を制御するためのブレーキ油圧制御
信号Aを各ブレーキ装置に対して出力するとともに、前
記パワートレイン用コントロールユニット21に対して
各車輪速(Nf1,Nf2,Nr1,Nr2)およびABS制御信号
Bを出力するものとされている。
【0021】前記パワートレイン用コントロールユニッ
ト21には、エンジン1からのスロットル開度Tvo、吸
気充填量Ce、エンジン回転数Neが入力されることとな
っており、パワートレイン用コントロールユニット21
からは、これらの情報に基づいてエンジン1およびトラ
ンスミッション2に対して運転制御信号C(例えば、ス
ロットル開度制御信号、燃料制御信号、イグニッション
制御信号)およびシフト制御信号Dが出力されることと
なっている。
【0022】また、このパワートレイン用コントロール
ユニット21には、スロットル開度Tvo、ブレーキスイ
ッチ10からのブレーキ信号E、各車輪の車輪速(Nf1,
Nf2,Nr1,Nr2)、ABS信号B、シフト位置信号Hが
それぞれ入力されることとなっており、これらの各入力
情報に基づいて、パワートレイン用コントロールユニッ
ト21からは、フロントデフ5へフロントデフ制御電流
(以下、F/D制御電流という)Ifを、リヤデフ6へリ
ヤデフ制御電流(以下、R/D制御電流という)Irを、
センタデフ7へセンタデフ制御電流(以下、C/D制御
電流という)Icがそれぞれ供給され、これらの電流値に
基づいてフロントデフ5、リヤデフ6およびセンタデフ
7がアンロック状態、中間ロック状態、完全ロック状態
とされることとなっている。
【0023】なお、本実施例の場合、パワートレイン用
コントロールユニット21からABS用コントロールユ
ニット20へデフロック解除実行フラッグ信号(換言す
れば、フェイル信号)Fが入力され、ABS用コントロ
ールユニット20からパワートレイン用コントロールユ
ニット21へ実車速信号Gが入力されることとなってい
る。
【0024】図2には、センタデフ7に設けられた電磁
多板クラッチ22が示されており、この電磁多板クラッ
チ22によりセンタデフ7がアンロック状態、中間ロッ
ク状態、完全ロック状態とされることとなっている。こ
の電磁多板クラッチ22は、フロントプロペラシャフト
とリヤプロペラシャフトとの差動を制限できるものであ
れば、どのような形式のものでもよいが、図2に示す電
磁多板クラッチ22は、複数枚のインディスクとアウタ
ディスクとからなるクラッチ板23と、該クラッチ板2
3へ押圧力を生じさせるアクチュエータ24とによって
構成されている。符号25は軸受、26は一方のプロペ
ラシャフトに伝動連結する伝動部材、27は他方のプロ
ペラシャフトに伝動連結する伝動部材である。前記アク
チュエータ24は、ソレノイド28に電流が流れる時に
発生する磁力によってアーマチュア29がクラッチ板2
3を押圧するように構成されている。
【0025】この電磁多板クラッチ22においては、ソ
レノイド28に流れる電流とクラッチ板23を摩擦係合
する押圧力(即ち、電磁多板クラッチ22で発生するト
ルク)とが比例関係にあるので、センタデフ7の差動回
転数を電流の増減により連続的に変化させることができ
る。
【0026】なお、フロントデフ5およびリヤデフ6に
おいても、電磁多板クラッチが設けられているが、図2
に示すセンタデフ用のものと同様の構成とされているた
め説明を省略する。
【0027】次に、図3ないし図13を参照して、パワ
ートレイン用コントロールユニット21における差動制
限制御の内容を説明する。図3〜図13において、符号
Sはフローチャートにおける各ステップを示す。
【0028】図3には車体速演算ルーチンであるフロー
チャートが示されている。このフローチャートのステッ
プS1においては、車輪速センサ9からの各車輪速(N
f1,Nf2,Nr1,Nr2)がABS用コントロールユニット2
0を介して入力される。ここで、Nf1は右前輪の車輪
速、Nf2は左前輪の車輪速、Nr1は右後輪の車輪速、N
r2は左後輪の車輪速をそれぞれ表している。ついで、ス
テップS2においては、各車輪速((Nf1,Nf2,Nr1,N
r2)のうちの最低値を車体速度Vspと定義される。
【0029】図4にはフロントデフ差動回転数演算ルー
チンであるフローチャートが示されている。このフロー
チャートのステップS11においては、前輪の各車輪速
(Nf1,Nf2)が入力され、ステップS12においては回転
差であるフロントデフ差動回転数ΔNfがΔNf=|Nf1
−Nf2|から求められる。
【0030】図5にはリヤデフ差動回転数演算ルーチン
であるフローチャートが示されている。このフローチャ
ートのステップS21においては、後輪の各車輪速(Nr1,
Nr2)が入力され、ステップS22においては回転差であ
るリヤデフ差動回転数ΔNrがΔNr=|Nr1−Nr2|か
ら求められる。
【0031】図6にはセンタデフ差動回転数演算ルーチ
ンであるフローチャートが示されている。このフローチ
ャートのステップS31においては、各車輪速(Nf1,N
f2,Nr1,Nr2)が入力され、ステップS32においては回
転差であるセンタデフ差動回転数ΔNcがΔNc=(|Nf
1−Nf2|−|Nr1−Nr2|)/2から求められる。
【0032】図7にはF/D制御電流(差動回転数に基
づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示されて
いる。このフローチャートのステップS41においては、
図4のフローチャートにおいて求められたフロントデフ
差動回転数ΔNfの関数f(ΔNf)として設定された制御
マップ(図14参照)から、所望のF/D制御電流Ifが
求められる。
【0033】図8にはR/D制御電流(差動回転数に基
づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示されて
いる。このフローチャートのステップS51においては、
図5のフローチャートにおいて求められたリヤデフ差動
回転数ΔNrの関数f(ΔNr)として設定された制御マッ
プ(図15参照)から、所望のR/D制御電流Irが求め
られる。
【0034】図9にはC/D制御電流Ic(差動回転数に
基づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示され
ている。このフローチャートのステップS61において
は、図6のフローチャートにおいて求められたセンタデ
フ差動回転数ΔNcの関数f(ΔNc)として設定された制
御マップ(図16参照)から、所望のC/D制御電流Ic
が求められる。
【0035】図10には舵角速度演算ルーチンであるフ
ローチャートが示されている。このフローチャートのス
テップS71においては、舵角センサ12からの舵角θが
入力され、ステップS72においては舵角速度θvがθv=
dθ/dtから求められる。
【0036】図11にはR/D制御電流Ir(舵角速度に
基づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示され
ている。このフローチャートのステップS81において
は、図7のフローチャートにおいて求められた舵角速度
θvの関数f(θv)として設定された制御マップ(図17参
照)から、所望のR/D制御電流Irが求められる。
【0037】次に、図12に示すフローチャートを参照
して、本実施例の差動制限装置の制御について説明す
る。
【0038】ステップS91において、図3〜図6に示す
フローチャートにより求められた値(即ち、車体速度Vs
p、フロントデフ差動回転数ΔNf、リヤデフ差動回転数
ΔNr、センタデフ差動回転数ΔNc)、舵角θ、図10
に示すフローチャートにより求められた舵角速度θv、
アクセル開度Tvoが入力されると、ステップS92におい
て運転状態が中速運転(即ち、20km/h<Vsp≦80km
/h)であるか否かの判定がなされる。この車体速度判定
は、高速運転および低速運転の時に本実施例の制御を行
う必要がないため、これらを除外するために行なわれ
る。
【0039】そして、ステップS93においてステアリン
グ装置8の操作があったか否かが判定される(即ち、舵
角θ≠0の判定がなされる)。θ≠0と判定された場合
には、ステップS94に進み、図11に示すフローチャー
トにより決定されたR/D制御電流Irが、リヤデフ6
の電磁多板クラッチに供給されてリヤデフ6がロック状
態とされる。
【0040】その後、所定時間t1の経過(ステップS95)
を待って、ステップS96において舵角θ≦所定値θ0
否かの判定がなされる。該判定は、大旋回時と小旋回時
とで制御を異ならしめるために行なわれる。ここで、θ
≦θ0と判定された場合には、ステップS97に進み、ア
クセル開度TvoとC/D制御電流Icとの関係を示す制
御マップ(図19参照)から読み出されたC/D制御電流
Icが、センタデフ7の電磁多板クラッチに供給されて
センタデフ7がロック状態とされる。その後所定時間t2
の経過(ステップS98)を待って、ステップS99に進み、
アクセル開度TvoとF/D制御電流Ifとの関係を示す
制御マップ(図20参照)から読み出されたF/D制御電
流Ifがフロントデフ5の電磁多板クラッチに供給され
てフロントデフ5がロック状態とされる。
【0041】つまり、本実施例においては、パワートレ
イン用コントロールユニット21には、差動制限の作動
タイミングを、リヤデフ6、センタデフ7、フロントデ
フ5の順で経時的に変化せしめる差動制限制御手段を備
えているのである。この差動制限制御手段の作動によ
り、旋回状態検出時において、リヤデフ6がまず差動制
限されて後輪4,4間における差動の発生が抑制され、
次にセンタデフ7が差動制限されて前後輪間における差
動の発生が防止され、最後にフロントデフ5が差動制限
されて前輪3,3間における差動の発生が抑制されるこ
ととなっている。
【0042】ところで、一般に旋回時の各車輪3,3お
よび4,4には、求心力(即ち、コーナリングフォース)
が働き、この求心力と車両に働く遠心力とがつり合うこ
とにより、車両の旋回が行なわれる。この時、最初にリ
ヤデフ6を差動制限すると、二つの後輪4,4が同じ回
転数で回転する。従って、後輪4,4は車体速と異なる
速度で回転することとなるため、摩擦円の関係から後輪
4,4側の求心力が差動制限していない状態のときより
減少し、その結果、前輪3,3側の求心力が高まること
となって、アクセルによる車両の回頭性が高められるこ
ととなる。
【0043】また、リヤデフ6の差動制限後にセンタデ
フ7を差動制限すると、前輪3,3側の駆動力が後輪4,
4側へ有効に伝達されることとなるため、加速性を重視
した走行性能が得られる。
【0044】さらに、最後にフロントデフ5を差動制限
して、三つのデフ5,6,7の差動制限を行うと、4輪全
てに駆動力を有効に伝えることができることとなり、加
速性が高められる。
【0045】従って、本実施例においては、アクセルに
よる車両の回頭性が高められ且つ加速性を重視した走行
性能が得られることとなる。従って、旋回時(特に、小
旋回時)における走行性能の向上を図ることができるの
である。
【0046】その後、ステップS100において舵角θ=
0と判定されると、ステップS101に進み、フロンドデ
フ5、リヤデフ6およびセンタデフ7に対するF/D、
R/DおよびC/D制御電流If,Ir,Icの供給が停止
され、差動制限は解除されることとなる。
【0047】なお、ステップS96において、θ>θ0
判定された場合には、ステップS102に進み、舵角θと
F/D制御電流Ifとの関係を示す制御マップ(図18参
照)から読み出されたF/D制御電流Ifが、フロントデ
フ5の電磁多板クラッチに供給されてフロントデフ5が
ロック状態とされる。その後所定時間t2の経過(ステッ
プS103)を待って、ステップS104に進み、アクセル開
度TvoとC/D制御電流Icとの関係を示す制御マップ
(図19参照)から読み出されたC/D制御電流Icがセ
ンタデフ7の電磁多板クラッチに供給されてセンタデフ
7がロック状態とされる。その後、制御はステップS
100に進む。
【0048】また、ステップS92あるいはステップS93
において否定判定された場合には、ステップS105に進
み、通常の差動制限制御がなされる。
【0049】この通常差動制限制御は、図11に示すフ
ローチャートに従って実行される。
【0050】即ち、ステップS111において差動回転数
差ΔNの発生があると判定された場合には、フロントデ
フ5に対するF/D制御電流Ifの供給が停止され(ステ
ップS112)、リヤデフ6およびセンタデフ7に対してR
/D制御電流およびC/D制御電流Icが供給される(ス
テップS113)。そして、ステップS114において差動回
転数差ΔNがなくなったと判定された場合には、ステッ
プS115においてリヤデフ6に対するR/D制御電流Ir
の供給が停止され、その後所定時間t4の経過を待って
(ステップS116)、センタデフ7に対するC/D制御電
流Icの供給が停止される(ステップS117)。
【0051】本願発明は、上記実施例の構成に限定され
るものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において
適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフに設けられた電磁多板クラッチの要
部断面図である。
【図3】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
における車体速度演算ルーチンとしてのフローチャート
である。
【図4】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるフロントデフ差動回転数演算ルーチンとしての
フローチャートである。
【図5】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるリヤデフ差動回転数演算ルーチンとしてのフロ
ーチャートである。
【図6】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフ差動回転数演算ルーチンとしてのフ
ローチャートである。
【図7】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるフロントデフ制御電流(差動回転数に基づく)の
設定ルーチンとしてのフローチャートである。
【図8】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるリヤデフ制御電流(差動回転数に基づく)の設定
ルーチンとしてのフローチャートである。
【図9】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフ制御電流(差動回転数に基づく)の設
定ルーチンとしてのフローチャートである。
【図10】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装
置における舵角速度演算ルーチンとしてのフローチャー
トである。
【図11】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装
置におけるリヤデフ制御電流(舵角速度に基づく)の設定
ルーチンとしてのフローチャートである。
【図12】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装
置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートにおける通常差動制
限制限ルーチンとしてのフローチャートである。
【図14】フロントデフにおける差動回転数と制御電流
との関係を示す制御マップである。
【図15】リヤデフにおける差動回転数と制御電流との
関係を示す制御マップである。
【図16】センタデフにおける差動回転数と制御電流と
の関係を示す制御マップである。
【図17】リヤデフにおける舵角速度と制御電流の関係
を示す制御マップである。
【図18】フロントデフにおける舵角と制御電流の関係
を示す制御マップである。
【図19】センタデフにおけるアクセル開度と制御電流
との関係を示す制御マップである。
【図20】フロントデフにおけるアクセル開度と制御電
流との関係を示す制御マップである。
【符号の説明】
3は前輪、4は後輪、5はフロントデファレンシャル
(フロントデフ)、6はリヤデファレンシャル(リヤデ
フ)、7はセンタデファレンシャル(センタデフ)、8は
ステアリング装置、9は車輪速センサ、10はブレーキ
スイッチ、12は舵角センサ、20はアンチスキッドブ
レーキ装置用コントロールユニット(ABS用コントロ
ールユニット)、21はパワートレイン用コントロール
ユニット、22は電磁多板クラッチ。
フロントページの続き (72)発明者 志谷 有司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪間に設けられたフロントデファレン
    シャルと、後輪間に設けられたリヤデファレンシャル
    と、フロントデファレンシャルとリヤデファレンシャル
    との間に設けられたセンタデファレンシャルとを備え、
    これらのデファレンシャルの差動制限力を所定のパラメ
    ータに応じて各々変化させるようにした車両の差動制限
    装置において、差動制限の作動タイミングを、リヤデフ
    ァレンシャル、センタデファレンシャル、フロントデフ
    ァレンシャルの順で経時的に変化させる差動制限制御手
    段が付設されていることを特徴とする車両の差動制限装
    置。
  2. 【請求項2】 前記差動制限制御手段は旋回状態検出時
    に作動せしめられるものとされていることを特徴とする
    前記請求項1記載の車両の差動制限装置。
JP29526792A 1992-11-04 1992-11-04 車両の差動制限装置 Pending JPH06144053A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114049A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Mitsubishi Motors Corp 車両用駆動力配分装置
EP1388453A3 (en) * 2002-08-07 2006-06-07 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus and method for four wheel drive vehicle
CN114263720A (zh) * 2021-05-21 2022-04-01 长城汽车股份有限公司 差速锁控制系统、方法和车辆

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