JPH06144054A - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JPH06144054A
JPH06144054A JP29526892A JP29526892A JPH06144054A JP H06144054 A JPH06144054 A JP H06144054A JP 29526892 A JP29526892 A JP 29526892A JP 29526892 A JP29526892 A JP 29526892A JP H06144054 A JPH06144054 A JP H06144054A
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JP
Japan
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differential
vehicle
center
wheel
flowchart
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Application number
JP29526892A
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English (en)
Inventor
Keiji Kashiwagi
慶司 柏木
Tetsuo Takahane
徹郎 高羽
Nobuyuki Nakamura
信之 中村
Yuji Shitani
有司 志谷
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各デファレンシャルにおける差動制限の作動
タイミングを順次経時的に変化させることによりトルク
ショックの発生等を解決し、さらに各デファリンシャル
における差動制限の作動順序を適正に決定することによ
り走行性能の向上を図る。 【構成】 前輪3,3間に設けられたフロントデファレ
ンシャル5と、後輪4,4間に設けられたリヤデファレ
ンシャル6と、フロントデファレンシャル5とリヤデフ
ァレンシャル6との間に設けられたセンタデファレンシ
ャル7とを備え、これらのデファレンシャル5,6,7の
差動制限力を所定のパラメータに応じて各々変化させる
ようにした車両の差動制限装置において、差動制限の作
動タイミングを、センタデファレンシャル7、フロント
デファレンシャル5、リヤデファレンシャル6の順で経
時的に変化させる差動制限制御手段を付設するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、4輪駆動車における
差動制限を行うための車両の差動制限装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、4輪駆動車においては、旋回時
における前後輪の軌跡差を補償するために、前後輪の車
軸間に配設されるセンタデファレンシャル、前輪間に配
設されるフロントデファレンシャルおよび後輪間に配設
されるリヤデファレンシャルをそれぞれ備えた構成とさ
れている。
【0003】このような4輪駆動車には、上記各デファ
レンシャルのために、油圧によりロック状態あるいはア
ンロック状態の作動状態がそれぞれ設定される差動制限
装置が設けられている。この差動制限装置は、各車輪の
車輪速度信号と操舵角信号とを制御回路に入力し、これ
らの信号に基づいて悪路判定、直進判定、加速判定ある
いは制動判定を行い、各種の走行状態に対応して、フロ
ントデファレンシャル、リヤデファレンシャルおよびセ
ンタデファレンシャルの作動を制御し、これによって操
縦安定性、制動性、加速性などの向上を図ることとして
いる(例えば、特開昭62ー166114号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな差動制限装置では、デファレンシャルをロックする
際に、複数のデファレンシャルを実質的に同時にロック
してしまうことから、駆動トルクが急激に変動し、所謂
トルクショックを生じさせることがある。また、全ての
デファレンシャルの差動制限装置が、実質的に同じ条件
下で略同時にロックあるいはロック解除を行うので、あ
る運転状態では、全ての差動制限装置が一斉にハンチン
グを生じさせるおそれがある。さらに、差動制限装置
は、各デファレンシャルの差動を規制する電磁式あるい
は油圧作動式の多板クラッチを一般に備えているが、電
磁式多板クラッチを用いた場合、各デファレンシャルに
おけるクラッチの同時作動は、差動制限装置の制御系統
に急激な電気負荷を課すおそれがある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、各デファレンシャルにおける差動制限の作動タイ
ミングを順次経時的に変化させることにより上記課題
(例えば、トルクショックの発生等)を解決し、さらに各
デファリンシャルにおける差動制限の作動順序を適正に
決定することにより走行性能の向上を図ることを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、前輪間に設けられ
たフロントデファレンシャルと、後輪間に設けられたリ
ヤデファレンシャルと、フロントデファレンシャルとリ
ヤデファレンシャルとの間に設けられたセンタデファレ
ンシャルとを備え、これらのデファレンシャルの差動制
限力を所定のパラメータに応じて各々変化させるように
した車両の差動制限装置において、差動制限の作動タイ
ミングを、センタデファレンシャル、フロントデファレ
ンシャル、リヤデファレンシャルの順で経時的に変化さ
せる差動制限制御手段を付設するようにしている。
【0007】請求項2の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1記載の車両の差動制限
装置において、前記差動制限制御手段は、車両後退時に
作動せしめられるものとなしている。
【0008】請求項3の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1記載の車両の差動制限
装置において、前記差動制限制御手段は、後退登坂時に
作動せしめられるものとなしている。
【0009】
【作用】請求項1、2あるいは3の発明では、上記手段
によって次のような作用が得られる。
【0010】即ち、車両後退時あるいは降坂走行時にお
いて、センタデファレンシャルがまず差動制限されて前
後輪間差動の発生が防止され、次にフロントデファレン
シャルが差動制限されて前輪間差動の発生が防止され、
最後にリヤデファレンシャルが差動制限されて後輪間差
動の発生が抑制されることとなる。
【0011】ところで、一般に後退加速時あるいは後退
登坂時においては、後輪側の接地荷重に比べて前輪側の
接地荷重が大きくなる。従って、後輪側にスリップが生
じるおそれがあるが、最初にセンタデファレンシャルを
差動制限することにより、前後輪間の差動がなくなり、
前後駆動力の均等配分がなされるため、後輪側における
スリップ発生が防止される。
【0012】また、前輪の一つが低μ路面でスリップす
る(換言すれば、駆動力が抜ける)おそれがあっても、セ
ンタデファレンシャルを差動制限した後にフロンドデフ
ァレンシャルを差動制限することにより、駆動力を高μ
路面に接地している車輪(即ち、もう一方の前輪)に伝え
ることができるため、走破性が高められる。
【0013】最後にリヤデファレンシャルを差動制限す
ることにより、三つのデファレンシャルをロック状態と
すると、四つの車輪に駆動力を有効に伝えることができ
ることとなり、さらに走破性が向上する。
【0014】
【発明の効果】請求項1、2あるいは3の発明によれ
ば、前輪間に設けられたフロントデファレンシャルと、
後輪間に設けられたリヤデファレンシャルと、フロント
デファレンシャルとリヤデファレンシャルとの間に設け
られたセンタデファレンシャルとを備え、これらのデフ
ァレンシャルの差動制限力を所定のパラメータに応じて
各々変化させるようにした車両の差動制限装置におい
て、差動制限の作動タイミングを、センタデファレンシ
ャル、フロントデファレンシャル、リヤデファレンシャ
ルの順で経時的に変化させる差動制限制御手段を付設し
て、車両後退時あるいは後退登坂時において、センタデ
ファレンシャルをまず差動制限することにより前後輪間
差動の発生を防止して後輪スリップをなくし、次にフロ
ントデファレンシャルを差動制限することにより前輪間
差動の発生を防止して走破性を高め、最後にリヤデファ
レンシャルを差動制限することにより後輪間差動の発生
を抑制してさらに走破性を高めるようにしたので、前後
駆動力配分が均等化された後、大きな接地力がかかるフ
ロントデファレンシャルが先に差動制限されるととな
り、所定の走行シーン(例えば、車両後退時あるいは後
退登坂時)における走破性の向上を図ることができると
いう優れた効果がある。
【0015】
【実施例】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好
適な実施例を説明する。
【0016】図1には、本願発明の実施例にかかる差動
制限装置を備えた車両の制御系の全体構成が示されてい
る。
【0017】符号1で示すエンジンには、トランスミッ
ション2が接続され、該トランスミッション2には、図
示しないトランスファが接続されている。
【0018】そして、前輪3,3間にはフロントデファ
レンシャル(以下、フロントデフという)5が設けられ、
後輪4,4間にはリヤデファレンシャル(以下、リヤデフ
という)6が設けられ、前記フロントデフ5とリヤデフ
6との間にはセンタデファレンシャル(以下、センタデ
フという)7が設けられている。符号8はステアリング
装置である。
【0019】前記各前輪4および後輪5には、各車輪の
車輪速信号を検出する車輪速センサ9がそれぞれ取り付
けられている。匂配センサ10は路面匂配を検出し、ヨ
ーレイトセンサ11はヨーレイトセンサ信号を検出し、
舵角センサ12はステアリング装置8の舵角信号を検出
し、シフトセンサ13は変速レバー14の変速段を検出
するものとされている。
【0020】符号20はアンチスキッドブレーキ装置用
コントロールユニット(以下、ABS用コントロールユ
ニットという)、21はパワートレイン用コントロール
ユニットであり、入出力ポート20a,21a、マイクロ
プロセッサ(以下、CPUという)20b,21bおよびメ
モリ20c,21cをそれぞれ備えている。
【0021】前記ABS用コントロールユニット20
は、車輪速センサ9から各車輪速(Nf1,Nf2,Nr1,N
r2)を入力されるものとされ、各車輪に付設されたブレ
ーキ装置(図示省略)を制御するためのブレーキ油圧制御
信号Aを各ブレーキ装置に対して出力するとともに、前
記パワートレイン用コントロールユニット21に対して
各車輪速(Nf1,Nf2,Nr1,Nr2)およびABS制御信号
Bを出力するものとされている。
【0022】前記パワートレイン用コントロールユニッ
ト21には、エンジン1からのスロットル開度Tvo、吸
気充填量Ce、エンジン回転数Neが入力されることとな
っており、パワートレイン用コントロールユニット21
からは、これらの情報に基づいてエンジン1およびトラ
ンスミッション2に対して運転制御信号C(例えば、ス
ロットル開度制御信号、燃料制御信号、イグニッション
制御信号)およびシフト制御信号Dが出力されることと
なっている。
【0023】また、このパワートレイン用コントロール
ユニット21には、スロットル開度Tvo、匂配センサ1
0からの路面匂配信号E、各車輪の車輪速(Nf1,Nf2,
Nr1,Nr2)、ABS信号B、シフト位置信号Hがそれぞ
れ入力されることとなっており、これらの各入力情報に
基づいて、パワートレイン用コントロールユニット21
からは、フロントデフ5へフロントデフ制御電流(以
下、F/D制御電流という)Ifを、リヤデフ6へリヤデ
フ制御電流(以下、R/D制御電流という)Irを、セン
タデフ7へセンタデフ制御電流(以下、C/D制御電流
という)Icがそれぞれ供給され、これらの電流値に基づ
いてフロントデフ5、リヤデフ6およびセンタデフ7が
アンロック状態、中間ロック状態、完全ロック状態とさ
れることとなっている。
【0024】なお、本実施例の場合、パワートレイン用
コントロールユニット21からABS用コントロールユ
ニット20へデフロック解除実行フラッグ信号(換言す
れば、フェイル信号)Fが入力され、ABS用コントロ
ールユニット20からパワートレイン用コントロールユ
ニット21へ実車速信号Gが入力されることとなってい
る。
【0025】図2には、センタデフ7に設けられた電磁
多板クラッチ22が示されており、この電磁多板クラッ
チ22によりセンタデフ7がアンロック状態、中間ロッ
ク状態、完全ロック状態とされることとなっている。こ
の電磁多板クラッチ22は、フロントプロペラシャフト
とリヤプロペラシャフトとの差動を制限できるものであ
れば、どのような形式のものでもよいが、図2に示す電
磁多板クラッチ22は、複数枚のインディスクとアウタ
ディスクとからなるクラッチ板23と、該クラッチ板2
3へ押圧力を生じさせるアクチュエータ24とによって
構成されている。符号25は軸受、26は一方のプロペ
ラシャフトに伝動連結する伝動部材、27は他方のプロ
ペラシャフトに伝動連結する伝動部材である。前記アク
チュエータ24は、ソレノイド28に電流が流れる時に
発生する磁力によってアーマチュア29がクラッチ板2
3を押圧するように構成されている。
【0026】この電磁多板クラッチ22においては、ソ
レノイド28に流れる電流とクラッチ板23を摩擦係合
する押圧力(即ち、電磁多板クラッチ22で発生するト
ルク)とが比例関係にあるので、センタデフ7の差動回
転数を電流の増減により連続的に変化させることができ
る。
【0027】なお、フロントデフ5およびリヤデフ6に
おいても、電磁多板クラッチが設けられているが、図2
に示すセンタデフ用のものと同様の構成とされているた
め説明を省略する。
【0028】次に、図3ないし図11を参照して、パワ
ートレイン用コントロールユニット21における差動制
限制御の内容を説明する。図3〜図11において、符号
Sはフローチャートにおける各ステップを示す。
【0029】図3には車体速演算ルーチンであるフロー
チャートが示されている。このフローチャートのステッ
プS1においては、車輪速センサ9からの各車輪速(N
f1,Nf2,Nr1,Nr2)がABS用コントロールユニット2
0を介して入力される。ここで、Nf1は右前輪の車輪
速、Nf2は左前輪の車輪速、Nr1は右後輪の車輪速、N
r2は左後輪の車輪速をそれぞれ表している。ついで、ス
テップS2においては、各車輪速((Nf1,Nf2,Nr1,N
r2)のうちの最低値を車体速度Vspと定義される。
【0030】図4にはフロントデフ差動回転数演算ルー
チンであるフローチャートが示されている。このフロー
チャートのステップS11においては、前輪の各車輪速
(Nf1,Nf2)が入力され、ステップS12においては回転
差であるフロントデフ差動回転数ΔNfがΔNf=|Nf1
−Nf2|から求められる。
【0031】図5にはリヤデフ差動回転数演算ルーチン
であるフローチャートが示されている。このフローチャ
ートのステップS21においては、後輪の各車輪速(Nr1,
Nr2)が入力され、ステップS22においては回転差であ
るリヤデフ差動回転数ΔNrがΔNr=|Nr1−Nr2|か
ら求められる。
【0032】図6にはセンタデフ差動回転数演算ルーチ
ンであるフローチャートが示されている。このフローチ
ャートのステップS31においては、各車輪速(Nf1,N
f2,Nr1,Nr2)が入力され、ステップS32においては回
転差であるセンタデフ差動回転数ΔNcがΔNc=(|Nf
1−Nf2|−|Nr1−Nr2|)/2から求められる。
【0033】図7にはF/D制御電流(差動回転数に基
づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示されて
いる。このフローチャートのステップS41においては、
図4のフローチャートにおいて求められたフロントデフ
差動回転数ΔNfの関数f(ΔNf)として設定された制御
マップ(図12参照)から、所望のF/D制御電流Ifが
求められる。
【0034】図8にはR/D制御電流(差動回転数に基
づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示されて
いる。このフローチャートのステップS51においては、
図5のフローチャートにおいて求められたリヤデフ差動
回転数ΔNrの関数f(ΔNr)として設定された制御マッ
プ(図13参照)から、所望のR/D制御電流Irが求め
られる。
【0035】図9にはC/D制御電流Ic(差動回転数に
基づく)の決定ルーチンであるフローチャートが示され
ている。このフローチャートのステップS61において
は、図6のフローチャートにおいて求められたセンタデ
フ差動回転数ΔNcの関数f(ΔNc)として設定された制
御マップ(図14参照)から、所望のC/D制御電流Ic
が求められる。
【0036】次に、図10に示すフローチャートを参照
して、本実施例の差動制限装置の制御について説明す
る。
【0037】ステップS71において、図3〜図6に示す
フローチャートにより求められた値(即ち、車体速度Vs
p、フロントデフ差動回転数ΔNf、リヤデフ差動回転数
ΔNr、センタデフ差動回転数ΔNc)、シフト信号H、
路面匂配信号Eが入力されると、ステップS72において
運転状態が高速運転(即ち、Vsp<所定車体速度Vsp0)
であるか否かの判定がなされる。この車体速度判定は、
高速運転の時に本実施例の制御を行う必要がないため、
これらを除外するために行なわれる。
【0038】そして、ステップS73において降坂走行時
であるか否かの判定が路面匂配検出により判定され、降
坂走行時と判定された場合には、ステップS74に進み、
各差動回転数ΔNf,ΔNr,ΔNcが発生しているか否か
の判定がなされる。これらの差動回転数ΔNf,ΔNr,Δ
Ncの発生は図4〜図6に示すフローチャートに従って
確認される。
【0039】ステップS74において差動回転数ΔNf,Δ
Nr,ΔNcの発生がないと発生された場合には制御はス
テップS71へリターンするが、差動回転数ΔNf,ΔNr,
ΔNcが発生していると判定された場合には、ステップ
75に進み、図9に示すフローチャートにより決定され
たC/D制御電流Icが、センタデフ7の電磁多板クラ
ッチに供給されてセンタデフ7がロック状態とされる。
その後所定時間t1の経過(ステップS76)を待って、ステ
ップS77に進み、図7に示すフローチャートにより決定
されたF/D制御電流Ifが、フロントデフ5の電磁多
板クラッチに供給されてフロントデフ5がロック状態と
される。その後所定時間t2の経過(ステップS78)を待っ
て、ステップS79に進み、図8に示すフローチャートに
より決定されたR/D制御電流Irが、リヤデフ6の電
磁多板クラッチに供給されてリヤデフ6がロック状態と
される。
【0040】前記ステップS73において降坂走行時でな
いと判定された場合には、ステップS80に進み、車両後
退時であるか否かがシフト信号Hにより判定され、車両
後退時と判定された場合には、ステップS74に進み、以
下前記したと同様の処理がなされる。
【0041】つまり、本実施例においては、パワートレ
イン用コントロールユニット21には、差動制限の作動
タイミングを、センタデフ7、フロントデフ5、リヤデ
フ6の順で経時的に変化せしめる差動制限制御手段を備
えているのである。この差動制限制御手段の作動によ
り、車両後退時あるいは後退登坂時において、センタデ
フ7がまず差動制限されて前後輪間差動の発生が防止さ
れ、次にフロントデフ5が差動制限されて前輪間差動の
発生が防止され、最後にリヤデフ6が差動制限されて後
輪間差動の発生が抑制される。
【0042】ところで、一般に後退加速時あるいは後退
登坂時においては、後輪4,4側の接地荷重に比べて前
輪3,3側の接地荷重が大きくなる。従って、後輪4,4
側にスリップが生じるおそれがあるが、最初にセンタデ
フ7を差動制限することにより、前後輪3,4間の差動
がなくなり、前後駆動力が均等配分されることとなり、
後輪4,4側におけるスリップ発生が防止される。
【0043】また、前輪3,3の一つが低μ路面でスリ
ップする(換言すれば、駆動力が抜ける)おそれがあって
も、センタデフ7を差動制限した後にフロンドデフ5を
差動制限することにより、駆動力を高μ路面に接地して
いる車輪(即ち、もう一方の前輪3)に伝えることができ
るため、走破性が高められる。
【0044】最後にリヤデフ6を差動制限することによ
り、三つのデフ5,6,7をロック状態とすると、四つの
車輪3,3および4,4に駆動力を有効に伝えることがで
きることとなり、さらに走破性が向上する。
【0045】従って、本実施例においては、前後駆動力
配分が均等化された後、大きな接地力がかかるフロント
デフ5が先に差動制限されるととなるところから、所定
の走行シーン(例えば、車両後退時あるいは後退登坂時)
における走破性の向上を図ることができる。
【0046】その後、ステップS81において差動回転数
ΔN=0と判定された場合には、ステップS82に進み、
フロンドデフ5、リヤデフ6およびセンタデフ7に対す
るF/D、R/DおよびC/D制御電流If,Ir,Icの
供給が停止され、差動制限は解除されることとなる。
【0047】なお、ステップS72において高速運転と判
定された場合、あるいはステップS80において車両後退
時でないと判定された場合には、ステップS83に進み、
通常の差動制限制御がなされる。
【0048】この通常差動制限制御は、図11に示すフ
ローチャートに従って実行される。
【0049】即ち、ステップS91において差動回転数差
ΔNの発生があると判定された場合には、フロントデフ
5に対するF/D制御電流Ifの供給が停止され(ステッ
プS92)、リヤデフ6およびセンタデフ7に対してR/
D制御電流IrおよびC/D制御電流Icが供給される
(ステップS93)。そして、ステップS94において差動回
転数差ΔNがなくなったと判定された場合には、ステッ
プS95においてリヤデフ6に対するR/D制御電流Ir
の供給が停止され、その後所定時間t4の経過を待って
(ステップS96)、センタデフ7に対するC/D制御電流
Icの供給が停止される(ステップS97)。
【0050】本願発明は、上記実施例の構成に限定され
るものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において
適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフに設けられた電磁多板クラッチの要
部断面図である。
【図3】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
における車体速度演算ルーチンとしてのフローチャート
である。
【図4】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるフロントデフ差動回転数演算ルーチンとしての
フローチャートである。
【図5】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるリヤデフ差動回転数演算ルーチンとしてのフロ
ーチャートである。
【図6】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフ差動回転数演算ルーチンとしてのフ
ローチャートである。
【図7】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるフロントデフ制御電流の設定ルーチンとしての
フローチャートである。
【図8】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるリヤデフ制御電流の設定ルーチンとしてのフロ
ーチャートである。
【図9】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装置
におけるセンタデフ制御電流の設定ルーチンとしてのフ
ローチャートである。
【図10】本願発明の実施例にかかる車両の差動制限装
置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートにおける通常差動制
限制限ルーチンとしてのフローチャートである。
【図12】フロントデフにおける差動回転数と制御電流
との関係を示す制御マップである。
【図13】リヤデフにおける差動回転数と制御電流との
関係を示す制御マップである。
【図14】センタデフにおける差動回転数と制御電流と
の関係を示す制御マップである。
【符号の説明】
3は前輪、4は後輪、5はフロントデファレンシャル
(フロントデフ)、6はリヤデファレンシャル(リヤデ
フ)、7はセンタデファレンシャル(センタデフ)、9は
車輪速センサ、10は匂配センサ、20はアンチスキッ
ドブレーキ装置用コントロールユニット(ABS用コン
トロールユニット)、21はパワートレイン用コントロ
ールユニット、22は電磁多板クラッチ。
フロントページの続き (72)発明者 志谷 有司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪間に設けられたフロントデファレン
    シャルと、後輪間に設けられたリヤデファレンシャル
    と、フロントデファレンシャルとリヤデファレンシャル
    との間に設けられたセンタデファレンシャルとを備え、
    これらのデファレンシャルの差動制限力を所定のパラメ
    ータに応じて各々変化させるようにした車両の差動制限
    装置において、差動制限の作動タイミングを、センタデ
    ファレンシャル、フロントデファレンシャル、リヤデフ
    ァレンシャルの順で経時的に変化させる差動制限制御手
    段が付設されていることを特徴とする車両の差動制限装
    置。
  2. 【請求項2】 前記差動制限制御手段は車両後退時に作
    動せしめられるものとされていることを特徴とする前記
    請求項1記載の車両の差動制限装置。
  3. 【請求項3】 前記差動制限制御手段は後退登坂時に作
    動せしめられるものとされていることを特徴とする前記
    請求項1記載の車両の差動制限装置。
JP29526892A 1992-11-04 1992-11-04 車両の差動制限装置 Pending JPH06144054A (ja)

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JP29526892A JPH06144054A (ja) 1992-11-04 1992-11-04 車両の差動制限装置

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JP29526892A JPH06144054A (ja) 1992-11-04 1992-11-04 車両の差動制限装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1388453A3 (en) * 2002-08-07 2006-06-07 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus and method for four wheel drive vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1388453A3 (en) * 2002-08-07 2006-06-07 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Control apparatus and method for four wheel drive vehicle

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