JP3977220B2 - 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プリンタやデジタルカメラ、スキャナなどの周辺機器を制御するために、ドライバプログラムを有する情報処理装置が知られている。
【0003】
そのような情報処理装置では、ドライバプログラムを用いて、周辺機器に関する各種設定を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の情報処理装置では、ドライバプログラムを切換える際には、無条件に、部分的な設定のみ引継ぎを行っていた。そのため、引継ぎが行われない設定については、常に、再設定する必要があった。
【0005】
一般に、DevModeは、そのデータ構造を熟知しているプリンタドライバであれば解釈可能であったが、アプリケーションは、プリンタ固有の(プリンタネイティブの)設定内容を参照することはできなかった。
【0006】
従って、例えば、コンピュータなどの情報処理装置から画像を出力するプリンタを切換える場合には、プリンタドライバに対する印刷設定のうち、いわゆるPublic領域の設定のみを引継ぎ、それ以外のアプリケーションが解釈できない設定は、デフォルトの設定に戻していた。つまり、従来は、あるプリンタについて印刷の設定を行った後、異なるプリンタに出力先を変更した場合に、特定の設定以外のレイアウト等の印刷設定が引き継がれず、再設定が必要であり、ユーザにとって使い勝手の悪いものとなっていた。
【0007】
さらに、印刷設定は装置に依存するデータ又は命令であることが多く、かかる印刷設定は他の装置で使いまわすなどの利用形態を考えることができなかった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題の少なくとも一つを解決するためになされたもので、その目的とするところは、ユーザにとって使い勝手のよい情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、及び記憶媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御可能な情報処理装置であって、
各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段と、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力手段と、
前記入力手段において入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定手段と、
前記取得手段が取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定手段と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段を用いて、周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御する情報処理方法であって、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段を備え、周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御可能な情報処理装置の制御プログラムであって、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定ステップと、
を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対配置、表示画面等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
本発明に係る情報処理装置の一実施形態としてのコンピュータについて説明する。図1は、本実施形態のコンピュータを含むプリンタ制御システムの構成を説明するブロック図である。なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN,WAN等のネットワークを介して接続が為され処理が行われるシステムであっても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0028】
図1において、3000はホストコンピュータで、ROM3のプログラム用ROMあるいは外部メモリ11に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU1を備え、システムバス4に接続される各デバイスをCPU1が総括的に制御する。
【0029】
また、このROM3のプログラム用ROMあるいは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等を記憶し、ROM3のフォント用ROMあるいは外部メモリ11には上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM3のデータ用ROMあるいは外部メモリ11には上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。
【0030】
2はRAMで、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能する。5はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。6はCRTコントローラ(CRTC)で、CRTディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。7はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶するハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。
【0031】
8はプリンタコントローラ(PRTC)で、所定の双方向性インターフェース21を介してプリンタ1500に接続されて、プリンタ1500との通信制御処理を実行する。なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT10上でのWYSIWYGを可能としている。
【0032】
また、CPU1は、CRT10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0033】
プリンタ1500において、12はプリンタCPUで、ROM13のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは外部メモリ14に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス15に接続される印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。
【0034】
また、このROM13のプログラムROMには、CPU12の制御プログラム等を記憶する。ROM13のフォント用ROMには上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM13のデータ用ROMにはハードディスク等の外部メモリ14がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等を記憶している。
【0035】
CPU12は入力部18を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ3000に通知可能に構成されている。19はCPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM19は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ14は、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される。
【0036】
外部メモリ14は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、18は前述した操作パネルで操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。また、前述した外部メモリは1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。さらに、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1501からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0037】
図2は、ホストコンピュータにおける典型的な印刷データ生成方法を説明する図である。
【0038】
アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、およびシステムスプーラ204は、外部メモリ11に保存されたファイルとして存在し、OSやそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2にロードされ実行されるプログラムモジュールである。また、アプリケーション201およびプリンタドライバ203は、外部メモリ11のFDや不図示のCD−ROM、あるいは不図示のネットワークを経由して外部ディスク11のHDに追加することが可能となっている。
【0039】
外部メモリ11に保存されているアプリケーション201はRAM2にロードされて実行されるが、このアプリケーション201からプリンタ1500に対して印刷を行う際には、同様にRAM2にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)を行う。グラフィックエンジン202は、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ203を、外部メモリ11からRAM2にロードし、アプリケーション210の出力をプリンタドライバ203を用いてプリンタの制御コマンドに変換する。変換されたプリンタ制御コマンドはOSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204を経てインターフェース21経由でプリンタ1500へ出力される仕組みとなっている。
【0040】
図3は、システムに登録された複数のプリンタから、任意のプリンタを選択するユーザインタフェースと、選択したプリンタの設定を行うユーザインタフェースの一例である。この例において、印刷ダイアログ301はオペレーティングシステムが提供するユーザインタフェースであり、オペレーティングシステムに登録されているプリンタは、図の楕円で囲んである部分に列挙され、ユーザは任意のプリンタを選択可能である。また、プロパティボタンを押下することにより、選択されたプリンタに対応するプリンタドライバがコールされ、プリンタの印刷設定を行うユーザインタフェース302がプリンタドライバにより開かれる。
【0041】
図4は、アプリケーションと、各プリンタ用のプリンタドライバとの関係をあらわした模式図である。アプリケーションはオペレーティングシステムが提供する各種関数(API)をコールして処理を行い、オペレーティングシステムは印刷に関わる処理を選択されているプリンタのプリンタドライバが提供する関数(DDI)をコールして処理を行い、アプリケーションから選択されたプリンタへの印刷が可能となっている。
【0042】
図5は、図4においてプリンタドライバとオペレーティングシステム、及び、アプリケーション間でやり取りされる、プリンタの印刷設定を保持するメモリブロック(以降DevModeと呼ぶ)の構成を図示したものである。
【0043】
DevModeは、オペレーティングシステムが定義したメモリブロックであるPublic領域と、各プリンタドライバが固有で定義を行っているメモリブロックであるPrivate領域とが連続した構成となっている。Public領域は、オペレーティングシステムが定義しているものであり、その領域の設定は、アプリケーション、オペレーティングシステム、プリンタドライバそれぞれが設定可能である。プリンタ固有(native)の設定情報の好適な一例であるPrivate領域は、各プリンタドライバが定義している領域であり、同領域の設定が可能なのはプリンタドライバのみである。また、Private領域のサイズは、プリンタドライバにより異なっており、DevModeの全体のサイズが判別可能なように、Public領域にはExtraSizeというメンバがあり、Private領域のサイズを保持している。オペレーティングシステムがプリンタドライバにDevModeの領域サイズを問い合わせ、アプリケーション、またはオペレーティングシステムがそのサイズの領域を確保し、プリンタドライバによって、その初期化、及び設定がなされる。印刷実行時には、同領域の設定にしたがってプリンタドライバが印刷を行う。
【0044】
また、プリンタドライバは、同一のプログラムモジュールで、複数機種のプリンタをサポートしているものがあり、その場合、機種が異なっていてもPrivate領域の定義は同一である。
【0045】
本実施の形態では、Public領域に、プリンタのシステムへの登録名称を保持するPrinterNameと、Private領域のサイズを保持するExtraSizeが定義されている。また、Private領域には、プリンタの機種名を保持するDeviceName、レイアウトの設定として1物理ページに複数の論理ページを割り当てて印刷を行うNup印刷の設定を保持するNup、及び、スタンプの設定を保持するスタンプが定義されている。
【0046】
図6は、DevModeの内容をXML形式のデータに変換する処理のフローチャートである。以下で説明する。
【0047】
この処理は、DevModeの設定が変更された場合やプリンタドライバが追加された場合に行われる。まず、DevModeの設定内容が、プリンタプロパティなどによって変更されると(S601)、プリンタドライバは、DevModeを読み込み、メモリ上に展開する(S602)。次に、メモリ上に展開されたDevModeをXML形式のデータに変換し、ファイルに保存する(S603)。この処理によりDevModeの設定内容が、XML形式のデータに保持される。
【0048】
図7は、図6の処理によりDevModeがXMLファイルに展開された一例である。図の上部はドライバプログラムに設定可能な仕様を示す情報の好適な一例であるDTD(Document Type Definition)で、図の下部にはPublic領域とPrivate領域それぞれのXMLデータが格納されている。このように、アプリケーション又は人間が解釈可能な形態の一例として、テキスト形式のXML言語の形式で、設定情報のデータ構造を記述する。これにより、プリンタの設定情報であるDEVMODEが様々な形態で利用可能となる。
【0049】
図8は、プリンタが切り替えられた際に、元のプリンタの印刷設定を切り替え後のプリンタの設定にマージして反映するように、オペレーティングシステムがプリンタドライバを呼び出した時の処理をフローチャートで示したものである。
【0050】
図8を用いて、本実施の形態における、DevModeのマージ処理について説明を行う。
【0051】
プリンタの切り替え処理が発生すると(S801)、まず、切り替え後のプリンタドライバは、切り替え前のプリンタのXMLデータとプリンタに設定可能な情報の仕様を示す情報の好適な一例であるDTDを取得する(S802)。次にS802で取得したDTDを元に、XMLデータの内容が正しいものであるかどうかを判定する(S803)。ここで、データが正しいと判定された場合は次の処理に進み、正しくないと判定された場合は、処理を終了する。
【0052】
次に、切り替え後のプリンタのXMLデータとDTDを取得し(S804)、S803同様にXMLデータの整合性をチェックし(S805)、正しいと判定されれば、次のS806に進み、そうでなければ処理を終了する。
【0053】
S802、S805で取得したXMLデータを用いて、切り替え前のXMLデータのPublic領域の設定を切り替え後のXMLデータに反映する(S806)。
【0054】
次にPrivate領域の設定をマージする(S807)。この処理については、図9で詳細を説明する。
【0055】
図9はS807のPrivate領域のマージ処理のフローチャートを示したものである。
【0056】
Private領域のマージ処理では、まず、切り替え元プリンタのXMLデータと切り替え後プリンタのXMLデータとを比較し、Private領域の要素に同じ要素が含まれているかを検索する(S901)。S901の検索で同じ要素が見つかったかどうかを判定し(S902)、見つかった場合には、検索された要素の内容が正しいかどうかを、S804で取得した切り替え後のDTDを参照して判定する(S903)。データが正しいと判断された場合には、切り替え前の設定内容を切り替え後のXMLデータにマージして(S904)、次に進む。次に、S901の検索がファイルの最後まで終わったかどうか判断して(S905)、終わった場合には処理を終了し、終わっていない場合には、S901に戻り、再び同じ要素があるか検索する。一方、前記S903でデータが正しくないと判断された場合には、マージ処理をせずに、次に進み、S901の検索がファイルの最後まで終わったかどうか判断する。
【0057】
図9で示したPrivate領域のマージ処理が終了すると、マージされた切り替え後のプリンタのXMLデータをDevModeに変換して、処理を終了する(S808)。このとき、切り替え後のXMLデータにはあって、切り替え前のXMLデータにはない設定項目については、デフォルト値を設定する。
【0058】
以上の処理により、印刷実行時にプリンタを切り替えた場合に、切り替え前後で機種が異なっていても、反映可能な設定はすべて引き継がれる。
【0059】
図10は、アプリケーションがDevModeを変換したXMLデータを用いて、プリンタドライバのUI(ユーザインタフェース)機能を介することなく独自のUIを用いて印刷設定を行い、印刷実行する処理をフローチャートに示したものである。
【0060】
図10の処理について説明する。まず、図6で説明したDevModeを変換した出力先プリンタのXMLデータとDTDをアプリケーションが取得する(S1001)。DTDを参照して、取得したXMLデータの内容が正しいかどうか判定し(S1002)正しいと判断された場合には、次に進み、正しくないと判断されれば、処理を終了する。次に取得したXMLデータをメモリ上に展開し、XMLデータに記述されているPrivate領域も含めたDevModeの内容を参照して、図11の例に示すようなアプリケーション独自のコントロールを表示し(S1004)、表示されたUIを用いて、印刷設定を行う(S1005)。ここで、図11はウィンドウ1100上の領域1101にページレイアウトのコンボボックス、領域1102にスタンプのコンボボックスが表示されている。次に図11のOKボタン1103が押下されると、S1005で設定された内容を出力先プリンタのXMLデータに反映して(S1006)、印刷を実行する(S1107)。
【0061】
図12は、図11のS1107で印刷実行された後のプリンタドライバ側の処理を示したものである。以下でこの処理について説明する。まず、出力先プリンタのXMLデータとDTDを取得し(S1201)、DTDを元にXMLデータの整合性をチェックする(S1202)。前記S1202において、取得したXMLデータが正しいと判断された場合には、次の処理に進み、正しくないと判断された場合には、処理を終了する。次に、取得したXMLデータをメモリ上に展開し、DevModeに変換する(S1203)。この変換されたDevModeを用いて、印刷処理が実行される(S1204)。
【0062】
このように、XMLという汎用的なデータフォーマットにDevModeを変換することで、アプリケーションがDevModeのPrivate領域の内容も参照可能となる。それによって、プリンタドライバのUI機能を介することなく、UIに表示する項目を自由にカスタマイズすることができる。
【0063】
もちろん、コンピュータ3000から、外部のコンピュータ(図示省略)に対して、XMLに変換したデータを送信して読み込ませ、同様に図10の処理を外部のコンピュータに実行させ、図11のような画面を表示させることも考えられる。これにより、XMLデータを様々な装置で使いまわすことも出来るのである。
【0064】
また、印刷設定情報の変換処理においては、実施形態が考えられる。プリンタドライバは、同一のプログラムモジュールで、複数機種のプリンタをサポートしているものがあり、その場合、機種が異なっていてもPrivate領域の定義は同一である。
【0065】
本実施の形態では、Public領域に、プリンタのシステムへの登録名称を保持するPrinterNameと、Private領域のサイズを保持するExtraSizeが定義されている。また、Private領域には、プリンタドライバを判別するためのキーを保持するDrvFamNameと、プリンタの機種名を保持するDeviceName、レイアウトの設定として1物理ページに複数の論理ページを割り当てて印刷を行うNup印刷の設定を保持するNup、及び、スタンプの設定を保持するスタンプが定義されている。DrvFamNameには、同種の、つまり同一のプログラムモジュールによる、プリンタドライバでは、プリンタの機種が異なっていても同じキーが設定される。
【0066】
図13は、プリンタが切り替えられた際に、元のプリンタの印刷設定を切り替え後のプリンタの設定に反映(マージ)するように、オペレーティングシステムがプリンタドライバを呼び出した時の処理をフローチャートで示したものである。
【0067】
この処理は、オペレーティングシステムが、切換元のプリンタドライバ用のDevMode領域と切り替え後のプリンタドライバ用のDevMode領域を、切り替え後のプリンタドライバへ引渡すことで行われる。切り替え後のプリンタドライバは、切り替え元のプリンタドライバの設定が入ったDevModeのメモリ領域と、自分のDevModeのメモリ領域を受け取り、切り替え元のプリンタドライバのDevMode内の設定を、自分のDevModeのメモリ領域に反映する。
【0068】
まず、Public領域について、元のDevModeの設定を反映する(S1302)。次に、Public領域のExtraSizeが同じであるかを判別する(S1303)。ExtraSizeが同じである場合には、DrvFamNameが同じかを判別する(S1304)。ExtraSize、または、DrvFamNameが同じでない場合には、元のプリンタドライバは異なるプログラムモジュールであり、Private領域の設定はわからないためPrivate領域はデフォルトの設定とし、Private領域のマージ処理は行わない(S1311)。ExtraSizeとDrvFamNameが同じ場合には、元のプリンタドライバは同じプログラムモジュールであると判断し、Private領域のマージ処理を行い(S1306)、処理は終了となる。
【0069】
図14は、S1306におけるPrivate領域のマージ処理の別の一例をフローチャートで示したものである。図14を用いて、Private領域のマージ処理の説明を行う。まず、元のDevModeのNupの設定が設定可能であるかを判断し(S1410)、設定可能であればNupの設定を反映(S1420)し、そうでない場合はNupの設定はデフォルトの設定とする(S1421)。次に、元のDevModeのスタンプの設定が反映可能であるかを判断し(S1430)、設定可能であればスタンプの設定を反映し(S1440)、そうでない場合にはデフォルト設定とする(S1441)。同様に、Private領域に保持されている領域の元のDevModeの設定が設定可能であるかを判断しながら、各設定の反映を行う(S1450)。図13と図14の処理によれば、印刷実行時にプリンタを切り替えた場合でも、切り替え前と、切り替え後のプリンタのプリンタドライバが同一モジュールである場合には、切り替え前後で機種が異なっていても、反映可能な設定はすべて引き継がれる。
【0070】
上記実施形態では、プリンタドライバについて特化して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、周辺機器の制御のために用いられるあらゆるドライバを有する情報処理装置について適用可能である。
【0071】
なお、本発明に係る情報処理装置は、コンピュータに限定されるものではなく、ドライバを管理できるあらゆる装置を含む概念であり、デジタルカメラや、プリンタなども含む。また、本発明に係る情報処理方法は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用してもよい。
【0072】
また、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記録媒体を、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し、
実行することによっても実現できる。
【0073】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0074】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0075】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0076】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0077】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した上述のフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザにとって使い勝手のよい情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、プログラム、及び記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのコンピュータを含むシステムの構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける典型的な印刷データ生成方法を説明するブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、プリンタ選択と印刷設定を行うためのユーザインタフェースの1例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、アプリケーションと各プリンタ用のプリンタドライバとの関係をあらわした図である。
【図5】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、印刷設定を保存するDevmode構造体の模式図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeのXMLデータへの変換処理のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeをXMLデータに変換したXMLファイルの一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeのマージ処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeのPrivate領域のマージ処理のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、XML形式に変換されたDevModeを用いたアプリケーションの印刷設定処理のフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、XML形式に変換されたDevModeを用いたアプリケーションの印刷設定処理のUIの一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、XML形式に変換されたDevModeを用いたアプリケーションの印刷設定処理におけるプリンタドライバの処理フローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeの処理のフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態としてのコンピュータにおける、DevModeのマージ処理のフローチャートである。
Claims (17)
- 周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御可能な情報処理装置であって、
各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段と、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力手段と、
前記入力手段において入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定手段と、
前記取得手段が取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。 - 前記第1及び第2設定手段が設定したデータを用いてアプリケーションが解釈可能な設定情報を生成する生成手段と、
前記アプリケーションが読み込んだ前記設定情報を表示する表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記設定情報を、外部情報処理装置に転送する転送手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記入力手段は、周辺機器の切換指示を、ドライバプログラムの切換指示として入力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記周辺機器はプリンタであって、前記ドライバプログラムはプリンタドライバプログラムであり、前記設定情報は、印刷設定情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様は、前記切り替え元のドライバプログラム固有の仕様を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記切り替え先又は切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様は、マークアップ言語で記述されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記第1設定手段は、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータが、切り替え先のドライバプログラムにおいて有効でない場合は、切り替え先のドライバプログラムに対して、予め記憶されている特定のデータを設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段を用いて、周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御する情報処理方法であって、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - 前記第1及び第2設定ステップで設定したデータを用いてアプリケーションが解釈可能な設定情報を生成する生成ステップと、
前記アプリケーションが読み込んだ前記設定情報を表示する表示ステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。 - 前記設定情報を、外部情報処理装置に転送する転送ステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の情報処理方法。
- 前記入力ステップは、周辺機器の切換指示を、ドライバプログラムの切換指示として入力することを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
- 前記周辺機器はプリンタであって、前記ドライバプログラムはプリンタドライバプログラムであり、前記設定情報は、印刷設定情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理方法。
- 前記切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様は、前記切り替え元のドライバプログラム固有の仕様を含むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
- 前記切り替え先又は切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様は、マークアップ言語で記述されることを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
- 前記第1設定ステップでは、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータが、切り替え先のドライバプログラムにおいて有効でない場合は、切り替え先のドライバプログラムに対して、予め記憶されている特定のデータを設定することを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
- 各ドライバプログラムに共通に定義されている設定が格納されるパブリック領域と、それ以外の設定が格納されるプライベート領域とを含む記憶手段を備え、周辺機器を複数のドライバプログラムを用いて制御可能な情報処理装置の制御プログラムであって、
前記ドライバプログラムの切り替え指示を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された切り替え指示に基づき、切り替え元のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータと、切り替え先のドライバプログラムに設定可能な仕様を含んだデータとを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記プライベート領域に格納されたデータの中で、切り替え先のドライバプログラムにおいても有効なデータを検索し、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第1設定ステップと、
前記取得ステップで取得したデータのうち、切り替え元のドライバプログラムに対して設定され、前記パブリック領域に格納されたデータを、切り替え先のドライバプログラムに対して設定する第2設定ステップと、
を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
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