JP3976557B2 - 金型マスターの製造方法及び金型の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種マイクロレンズ及びその応用製品にも応用が可能な金型マスターの製造方法並びに金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、比較的大きな画面をコンパクトな装置構成で表示する手段として背面投影型画像表示装置(リアプロジェクションシステム)への関心が高まっている。この背面投影型画像表示装置は実際の画面よりも小さいサイズの液晶などにより形成された画像を光学系により拡大投影することにより大画面のカラー画像を表示する構成となっている。
【0003】
この際に画像を表示するスクリーンは大画面であるがゆえに単数の鑑賞者となす角度は広く、また複数の鑑賞者からも画像を鑑賞できるように広い範囲での視野角が要求されている。
【0004】
スクリーンにおいて広い視野角を得るためには、(1)スクリーン内に光散乱効果のある物質を分散させ入射光を幅広く散乱させる事により視野角を確保する方法、(2)縦に長いかまぼこ状のレンズを水平方向に隣接させた構造のストライプ状のレンチキュラレンズアレイを入射面に設け水平方向の視野角を制御し、レンズアレイ内または別に設けた部材内に光散乱効果のある物質を分散させ垂直方向の視野角を確保する方法(特開平11−167167号)、が主として実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した(1)の構成においては、垂直方向、水平方向のいずれにおいても視野角の拡大はスクリーン内の光散乱物質による散乱によっている。視野角を広げようとするとスクリーン中の光散乱物質の濃度を高くする必要があり、スクリーン内で光が減衰してしまいスクリーンで得られる画像が暗くなってしまうという問題点がある。また(2)の構成においては、水平方向の視野角についてはレンズにより制御されているが垂直方向については(1)と同様の問題点がある。
【0006】
上記問題点を解消するものとして、粒径の小さなガラスのような光透過性の球体を透明基材上に並べてこれら球体をレンズとして作用させ垂直、水平いずれの方向においても広い視野角を確保できる構成としたスクリーンがある。
【0007】
しかし、このようなスクリーンは基材上に微小球体を散布して接着剤などにより固定することにより製作している。そのため微小球体の密度は場所によりばらつきがあり密度の低いところの画像は暗く、特に高精細な画像を表示する上では顕著になる。
【0008】
ところで、レンズアレイの製造法として目的とするレンズアレイの反転形状を有する型を用いその形状を転写する方法が一般的に行われているが、これに用いる型の製造法のうち型を直接形成する方法として、機械加工による方法とエッチングによる方法とがある。
【0009】
しかし、機械加工による方法では一般的にレンズ要素を一つずつ加工しておりアレイ形状の作製には著しい時間を必要とし、また、加工できるレンズ要素の寸法もあまり小さいものが得られないという問題点がある。エッチングによる方法においては、平滑な表面が得にくいという問題点がある。
そこで、予め別の工程で目的の形状のマスターを作製しそれから凹凸反転した型を複製する方法がとられている。
【0010】
ここで、マスターの作製法としては基板上のレジストを熱溶融させ表面張力により球面化させる方法や、それを異方性エッチングにより基板を加工して作成する方法、導電性基板上の微小領域から電析させレンズ形状を得る方法がある。
【0011】
しかし、レジストを熱溶融させる方法においては、溶融時に重力の影響を受けるために径に対して高さの低い扁平な形状になる。このような形状をマスターとして得られるレンズは径に対して曲率半径が大きくなるため入射してくる光の集光力が小さくスクリーンに用いた場合に広い視野角が得られないという問題点がある。
【0012】
微小領域から電析を行うと析出は等方的に進むために微小領域を中心とした半球状の析出物が得られる。このような形状をマスターとして得られるレンズは径に対して曲率半径が1/2まで小さくすることができる。従ってスクリーンに用いるに際し集光力が大きく十分な視野角を得ることができる。しかしながら、通常の電析により得られる表面形状は数μm程度の凹凸を有し、光学的な使用には不十分であるという問題点がある。
【0013】
以上のようなことから、本発明は、水平、垂直いずれの方向においても広い視野角を確保でき、かつ、表面の平滑性を向上させて表示面内において表示品質に優れたスクリーンを得ることができる、表面の平滑な金型マスターの製造方法、及び、金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、表面に多数の微細なレンズ構造を有するレンズシートの製造に用いる金型マスターの製造方法において、
少なくとも片側表面に導電性を有する基板を用意する工程と、
前記基板上の導電性を有する面上に絶縁性膜を形成する工程と、
前記絶縁性膜に対して形成すべきレンズの配列ピッチに相当する位置に、前記レンズの径より小さな領域を除去して前記導電性を有する面の一部を露出させる工程と、
前記基板の導電性を有する面の露出された領域を電極として、スルファミン酸ニッケル浴中に第1種光沢剤を添加した組成を有する、等方成長性に優れたメッキを行える第1のメッキ液を用いてメッキ部を形成する工程と、
前記メッキ部を電極として、ワット浴中に第1種光沢剤及び第2種光沢剤を添加した組成を有する、表面光沢性に優れたメッキを行える第2のメッキ液を用いてメッキ部上にメッキ層を形成する工程と、
順次有することを特徴とする金型マスターの製造方法である。
【0015】
また、請求項2の発明は、前記メッキ部を構成する金属母材と前記メッキ層を構成する金属母材とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の金型マスターの製造方法である。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の金型マスターの製造方法により製造された金型マスターを用意する工程と、
該金型マスターの表面を導電処理する工程と、
該導電処理された金型マスターの表面に剥離処理を施す工程と、
該剥離処理を施した金型マスターの表面上に金型用メッキ層を形成する工程と、
前記金型用メッキ層を金型マスターから剥離する工程と、
順次有することを特徴とする金型の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は背面投影型画像表示装置の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、この背面投影型画像表示装置は、液晶パネル及び光源からなり、画像を形成する画像形成部1と、画像光を投影光学系3に向けて反射するミラー2と、拡大画像を投影する投影光学系3と、拡大画像光をスクリーン5の背面に向けて反射するミラー4と、スクリーン5の背面に投影された拡大画像を全面に表示するスクリーン5とを備えている。
【0018】
即ち、液晶パネル及び光源からなる画像形成部1により形成された画像がミラー2、4及び投影光学系3によりスクリーン5の背面から投影され拡大された画像として表示される構造になっている。
【0019】
前記スクリーン5は入射光側、即ち背面側のフレネルレンズ52と、フレネルレンズ52側に向けて多数のレンズ要素が対向して配置されるスクリーンシートであるレンズシート51とから構成されている。
【0020】
即ち、スクリーン5は入射光側からフレネルレンズ52、レンズの設けられたスクリーンシートであるレンズシート51の順に配されており必要に応じて最後方(鑑賞者側)に反射防止膜を設けてある。
【0021】
前記スクリーン5上には画像形成部1からの画像を拡大投影するために、スクリーン5の中央から離れるほどスクリーン面に対して斜め方向から光が入射することとなり、これをフレネルレンズ52によりレンズシート51に対して垂直な方向の光へと変換している。
【0022】
続いてレンズシート51に対して垂直に入射した入射光L1(図2、図3参照)の進行についての説明を行う。レンズシート51に垂直に入射した入射光L1は入射面に設けられたレンズ形状により集光されるように屈折される。さらにレンズシート51と出射面である空気層との境界においても屈折され進行する。その結果としてレンズシート51に対して垂直に互いに平行に入射した入射光L1はレンズシート51に設けられたレンズ要素の光軸上の一点から出射された光線である出射光L2(図2、図3参照)へと変換されて鑑賞者の側へと広がりながら進行する。この際にレンズシート51上のレンズの形状により光の広がり方は異なる。
【0023】
図2はレンズシートのレンズの曲率半径が小さいときの出射角度を示す図、図3はレンズシートのレンズの曲率半径が大きいときの出射角度を示す図である。
即ち、図2のレンズシートのレンズと図3のレンズシートのレンズとの比較において、図2に示したようにレンズの径Dに対してレンズの曲率半径Rが小さいほど集光作用が大きいことから、鑑賞者側へと出射する際に広い角度にわたって出射角Aを形成することができる。つまり、スクリーン5上の画像を鑑賞する際により広い範囲から鑑賞することができるので結果として広い視野角を提供することができる。スクリーン面上にレンズ形状を構成する際に、レンズ径Dに対して曲率半径Rが1/2となるときに、レンズ形状は半球形状となる。このレンズ形状が半球形状となったとき、出射角Aは最大である。
【0024】
ところが上記従来技術に記載したように、一般的なレンズ形状の製作方法であるレジストの熱溶融を利用した方法においては、溶融時の重力の影響を受けレンズ径に対して曲率半径が大きくなってしまい半球形状を得ることができない。
【0025】
レンズ形状として上記においては回転対称体である球体の一部であるときの説明を行ったがスクリーン5としての機能を考えた場合には必ずしも水平方向と垂直方向との視野角が同等である必要はない。スクリーン5の多くは横に長い形状であることから、縦方向の視野角は横方向ほど必要ではない。従って上述した理由からレンズ要素の横方向の曲率半径Rに対して縦方向の曲率半径Rを大きくすることで縦方向の視野角は横方向に対して小さくなる。
【0026】
図4は本発明に係る金型マスターの製造方法の一例を示す図である。
続いて図4を参照して、本発明におけるレンズ金型マスターの製造方法の一例の説明を行う。図4に一連のプロセスを示す。
【0027】
図4(A)に示すように、基板としてガラス基板6を用意し、その表面に導電性被膜である無電解ニッケルメッキ被膜7を形成する。無電解ニッケルメッキ被膜7の厚さとしては0.1〜1μm程度が望ましく、この範囲の下限より薄いと膜に欠陥が生じ、上限より厚いとガラス基板6との密着性に問題が生じる。また、基板としてはガラス基板6のほかに金属基板の表面を平滑に機械加工などで仕上げたものを用いることができる。これら基板の表面粗さとしてこの後の工程で形成する絶縁性被膜(レジスト)の厚さ以下であることが望ましい。
【0028】
次に図4(B)に示すように、無電解ニッケルメッキ被膜7の表面に絶縁性被膜であるフォトレジスト被膜8を形成する。次に図4(C)に示すように、レンズを形成すべき位置に微小な開口8aを形成する。この開口8aとして、ピッチ40μmの稠密配置にφ4μmで形成した。開口8aの配置は必ずしも稠密である必要はなく正方配列などでもよい。開口8aの寸法は形成すべきレンズ径の1/5以下が望ましく、さらには1/10以下であることがより望ましい。開口8aのピッチ、即ちレンズのピッチはスクリーン5上に投影される画像の画素サイズに関連して画素サイズの1/4より小さいことが望ましい。画素サイズの1/4、以上の大きさで特に画素サイズの正数分の一、即ち1/1、1/2、1/3近傍ではモアレが顕著に観察されるためにその近傍はさけることが望ましい。
【0029】
次に図4(D)に示すように、開口8aの形成されたガラス基板6の無電解ニッケルメッキ被膜7が露出された部分を陰極として第1のメッキ浴中で析出径が30μmまで電析を行ってメッキ部9を形成する。第1のメッキ液の組成としてはスルファミン酸ニッケル450g/l、硼酸30g/l、界面活性剤2g/lのスルファミン酸ニッケル浴中に第1種光沢剤としてナフタレン−1.3.6−トリスルフォン酸三ナトリウムを添加した浴を用いた。
第1種光沢剤としてはこのほかにナフタレン−1.5−ジスルフォン酸二ナトリウムなどを用いることができる。
【0030】
続いて、図4(E)に示すように、このガラス基板6のメッキ部9を陽極として第2のメッキ浴中でさらに電析を行い各レンズ要素が密着するまでメッキを行って、メッキ層10を形成した。第2のメッキ浴の組成としては硫酸ニッケル300g/l、塩化ニッケル50g/l、硼酸45g/lのワット浴中に第1種光沢剤としてナフタレン−1.3.6−トリスルフォン酸三ナトリウムを第2種光沢剤としてクマリンを添加した浴を用いた。このようにして得られた金型マスター11は直径約46μm、曲率半径約20μmとほぼ半球に近く、表面粗さRaが60nm程度と十分に平滑な形状が得られた。なお、第1のメッキ液中に第1種光沢剤を添加せずに得られた金型マスターはその表面粗さRaが150nm程度でありやや粗いものであった。
【0031】
また、メッキ部9とメッキ層10との厚さの割合を変えることにより金型マスター11の曲率半径を変えることができる。即ち、メッキ部9が厚いほど半球に近く、メッキ層10が厚いほど扁平な形状となる。また、表面粗さに関してはメッキ層10が厚いほど滑らかな表面が得られた。
【0032】
また、フォトレジスト被膜8に開口8aを形成する工程において、開口8aの形状を縦に長い長方形もしくは楕円形とすることにより、垂直方向の曲率半径が水平方向の曲率半径より大きいレンズ形状を作製することができ、単一のレンズ要素の形状の水平方向の曲率半径RHと垂直方向の曲率半径RVとの関係がRV>RH>0であるレンズシートを作製することができる金型マスター11を作製することができる。これにより、水平方向の方が垂直方向よりも広い視野角を独立して制御して得ることができる。
【0033】
また、前記単一のレンズ要素の水平方向の曲率半径RHとレンズ径Dとが(1/3)×D≦RH≦(1/2)×Dの関係であるレンズシートを作製することができる金型マスター11を作製することができる。これにより、一般的に横長であるスクリーンに対して重要な水平方向の視野角を十分に得ることができる。
【0034】
次に本発明における金型の製造方法の説明を行う。図5は本発明に係る金型の製造方法の一例を示す図である。
【0035】
図5に一連のプロセスを示す。図5(A)に示すように、上述した方法により作製した金型マスター11を用意し、図5(B)に示すように、金型マスター11の表面にスパッタリングによりニッケル膜12を形成する。
【0036】
次にニッケル膜が形成されたマスターの表面に剥離処理を行う。剥離処理は酸素濃度が21%以上の雰囲気中で、図5(C)に示すように紫外線UVを照射する。紫外線UVの照射は30分以上さらに好ましくは60分以上の照射を行う。
【0037】
この処理により雰囲気中の酸素の一部が紫外線の光子エネルギーにより分解しオゾンとなり金型マスター11の表面にごく薄い酸化層12aを形成する。この層が金型マスター11とこの後行う電析で形成される金型13との剥離界面となり金型マスター11と金型13との剥離が容易となる。
【0038】
他の剥離処理法としては極薄膜で機能する弗素系の離型剤を塗布し180℃程度の高温で30分加熱した後に弗素系の溶媒で余分な離型剤を除去することにより剥離層を形成する。形成された離型層は数分子層程度の厚さであり導電性を損なうことなく剥離機能を有する。
【0039】
次に図5(D)に示すように、これら処理を施した金型マスター11を陽極としてスルファミン酸ニッケル浴中で厚さ100μm以上のニッケル電析を行う。続いて、図5(E)に示すように、金型マスター11と電析されたニッケル膜とを剥離することで金型13となるニッケルを得ることができる。
【0040】
金型マスター11において、レンズ形状をなす半球状の部分とガラス基板6とはフォトレジスト被膜8の開口8aを介して接続しているのみであり、前述したようにその開口8aはレンズ径に対して高々1/5程度しかない。従って上述したような剥離処理を確実に行わないとレンズ形状部は金型マスター11側ではなく金型13となるべきニッケル膜側に取り込まれてしまい欠陥となる。また、この欠陥の発生は金型マスター11の表面粗さにも関係しており表面粗さRaが200nm以上では欠陥の発生が多くこの点からもマスター表面が表面粗さRaが200nm未満の滑らかさであることが必要とされる。
【0041】
図6はレンズシートの製造方法の一例を示す図である。
図6に示すように、次に得られた金型13を用いて透光性基板14との間にエネルギー硬化樹脂である紫外線硬化樹脂15を充填し透光性基板14側から紫外線UVを照射することにより金型13と凹凸反転したレンズ形状を基板表面に設けたレンズシートを作製することができる。また、エネルギー硬化樹脂として、紫外線硬化樹脂の代わりに熱硬化樹脂を用い、紫外線の代わりに加熱して硬化するようにしてもよい。また、エネルギー硬化樹脂として、紫外線硬化樹脂の代わりに電子線硬化樹脂を用い、紫外線の代わりに電子線で硬化するようにしてもよい。
【0042】
図7はレンズシートの製造方法の他の例を示す図である。
先ず、図7(A)に示すように、金型13と、熱可塑性の透光性材料からなる透光性基板であるシート17と、成形面が平面のプレス金型18とを用意する。
【0043】
次に、図7(B)に示すように、金型13とシート17の両方もしくはいずれか一方をシート17の軟化温度以上まで加熱し、金型13とシート17とを加圧プレスする。さらに、金型13を押し当て加圧した状態で全体を軟化温度以下になるまで保持する。
【0044】
次に図7(C)に示すように、金型13及びプレス金型18とシート17とを剥離して、金型13と凹凸反転したレンズ形状を有するレンズシート51を得ることができる。
熱可塑性の透光性材料として、例えば、ポリカーボネート樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル等を使用することができる。
【0045】
なお、このようなレンズシート51の成型に金型13を用いるに先立って金型表面に弗素系の膜を形成しておくことにより転写体であるレンズシート51と金型13との分離が容易になり金型13の長寿命化をはかることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の金型マスターの製造方法によれば、(イ)等方成長性 に優れた第1のメッキ液を用いてメッキ部を形成して、さらに、その表面に光沢性に優れた第2のメッキ液を用いてメッキ層を形成しているので、水平、垂直いずれの方向においても広い視野角を確保でき、かつ、表面の平滑性を向上させて表示面内において表示品質に優れたスクリーンを得ることができ、しかも、(ロ)スルファミン酸ニッケル浴中に第1種光沢剤を添加して第1のメッキ液としているので、等方成長性を損なうことなく比較的凹凸の少ないメッキ部を得ることができ、さらに、ワット浴中に第1種光沢剤を添加して第2のメッキ浴としているので、十分に滑らかな表面の金型マスターを得ることができる。
【0047】
請求項2の金型マスターの製造方法によれば、メッキ部とメッキ層とをそれぞれ構成する母材金属が同一であるので、メッキ部とメッキ層との界面において機械特性の違いがなく密着性に優れた金型マスターを得ることができる。
【0048】
請求項3の金型の製造方法によれば、表面の滑らかな金型マスターを用い、その表面に導電処理を施し、その表面に剥離処理を施した後に金型用メッキ層を形成し、剥離を行うことにより、金型マスター表面の全面を確実に転写しかつ、確実に金型マスターと金型とを剥離することができるので、レンズ要素を多数有する金型を確実に反転形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 背面投影型画像表示装置の概略構成の一例を示す図である。
【図2】 レンズシートのレンズの曲率半径が小さいときの出射角度を示す図である。
【図3】 レンズシートのレンズの曲率半径が大きいときの出射角度を示す図である。
【図4】 本発明に係わる金型マスターの製造方法の一例を示す図である。
【図5】 本発明に係わる金型の製造方法の一例を示す図である。
【図6】 レンズシートの製造方法の一例を示す図である。
【図7】 レンズシートの製造方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成部
2 ミラー
3 投影光学系
4 ミラー
5 スクリーン
6 ガラス基板
7 無電解ニッケルメッキ被膜(導電性被膜)
8 フォトレジスト被膜(絶縁性皮膜)
8a 開口
9 メッキ部
10 メッキ層
11 金型マスター
12 ニッケル膜(導電処理層)
12a 酸化層
13 金型
14 透光性基板
15 紫外線硬化樹脂
51 レンズシート
52 フレネルレンズ
A 出射角
D レンズ径
L1 入射光
L2 出射光
R 曲率半径
UV 紫外線

Claims (3)

  1. 表面に多数の微細なレンズ構造を有するレンズシートの製造に用いる金型マスターの製造方法において、
    少なくとも片側表面に導電性を有する基板を用意する工程と、
    前記基板上の導電性を有する面上に絶縁性膜を形成する工程と、
    前記絶縁性膜に対して形成すべきレンズの配列ピッチに相当する位置に、前記レンズの径より小さな領域を除去して前記導電性を有する面の一部を露出させる工程と、
    前記基板の導電性を有する面の露出された領域を電極として、スルファミン酸ニッケル浴中に第1種光沢剤を添加した組成を有する、等方成長性に優れたメッキを行える第1のメッキ液を用いてメッキ部を形成する工程と、
    前記メッキ部を電極として、ワット浴中に第1種光沢剤及び第2種光沢剤を添加した組成を有する、表面光沢性に優れたメッキを行える第2のメッキ液を用いてメッキ部上にメッキ層を形成する工程と、
    順次有することを特徴とする金型マスターの製造方法。
  2. 前記メッキ部を構成する金属母材と前記メッキ層を構成する金属母材とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の金型マスターの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の金型マスターの製造方法により製造された金型マスターを用意する工程と、
    該金型マスターの表面を導電処理する工程と、
    該導電処理された金型マスターの表面に剥離処理を施す工程と、
    該剥離処理を施した金型マスターの表面上に金型用メッキ層を形成する工程と、
    前記金型用メッキ層を金型マスターから剥離する工程と、
    順次有することを特徴とする金型の製造方法。
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