JP3975747B2 - 送風装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータにより回転駆動されると空気流を生じさせる複数枚の翼を有する軸流ファンをモータの回転軸より解放することが可能なファンロック解除機構を備えた送風装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱交換器に冷却風を与える熱交換器用送風装置は、図7(a)および図8(a)に示したように、回転駆動されると空気流を生じさせる複数枚の翼101を有する軸流ファン102と、この軸流ファン102を回転駆動するファンモータ105と、空冷式熱交換器と軸流ファン102とをダクト化するファンシュラウド(図示せず)とを備えている。ここで、軸流ファン102は、複数枚の翼101と一体成形された樹脂ボス部103、およびこの樹脂ボス部103の内周側にインサート成形された金属ボス部104等から構成されている。
【0003】
ファンモータ105は、図7(a)〜図7(c)および図8(a)、(b)に示したように、前方側(例えば空冷式熱交換器側)に突出したファン駆動軸108、およびこのファン駆動軸108を半径方向に貫通するように取り付けられた円柱状のピン109等から構成されている。なお、このピン109とファン駆動軸108の径小部110との間には、軸流ファン102を固定するためのファン締付け金具(クリップ)111が取り付けられている。なお、ファン締付け金具111は、板ばねにより製造され、ファン駆動軸108の径小部110に嵌め込まれる略U字状のスリット112、113が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の熱交換器用送風装置においては、図7(a)〜図7(c)および図8(a)、(b)に示したように、ファンモータ105のファン駆動軸108に軸流ファン102の金属ボス部104が回り止めされた構造であるが、軸流ファン102に異物が噛み込みロック(ファンロック)すると、軸流ファン102の金属ボス部104およびファンモータ105のファン駆動軸108が共にロックされる。この結果、ファンモータ105を通電することにより発生する熱によって、複数枚の翼101、樹脂ボス部103およびモータハーネス等が溶損または破損してしまい、熱交換器用送風装置を構成する全ての部品を交換する必要があり、コストアップとなるという問題があった。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、ファンに異物が噛み込みロックする等のファンロック時にファンをモータの回転軸より解放するファンロック解除機構を設けることで、モータの熱によるファンや給電線等の溶損または破損を防止して部品交換を不要とするか、あるいはファンを再利用することが可能な送風装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、弾性変形力が与えられるようにファンの一端面に取り付けられて、モータの回転軸に対してファンが相対回転することを阻止するためのファン締付け金具に、ファンの一端面に設けた凸状または凹状の係止部に係止される被係止部を設けている。
【0007】
そして、ファン締付け金具の材質としてバイメタルまたは形状記憶合金を用いることにより、ファンに異物が噛み込みロックする等のファンロック時に、モータの熱によりファン締付け金具自身の温度が高温になると、ファン締付け金具の被係止部がファンの一端面の係止部より離脱するように変形する。これにより、ファンよりモータの回転軸が解放されて、ファンに対してモータの回転軸が相対回転可能となる。すなわち、モータの回転軸のロックが解除されるので、モータが高熱とならず、ファンが溶損または破損し難くなるため、ファンの再利用(リサイクル)が可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、弾性変形力が与えられるようにファンの一端面とモータの先端部との間で両者に密着するように取り付けられて、モータの回転軸に対してファンが相対回転することを阻止するためのファン締付け金具の材質としてバイメタルまたは形状記憶合金を用いることにより、ファンに異物が噛み込みロックする等のファンロック時に、モータの熱によりファン締付け金具自身の温度が高温になると、ファン締付け金具がファンの一端面またはモータの先端部のいずれか一方より離脱するように変形する。これにより、請求項1に記載の発明と同様な効果を達成することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、ファンに異物が噛み込みロックする等のファンロックの後に、異物の除去または異物が脱落して、ファン締付け金具自身の温度が低温になるとファンの一端面とモータの先端部との間で両者に密着するように自動復帰することで、モータの回転軸の回転に伴ってファンも回転することにより、他の部品(モータ、給電線、ファン等)にダメージを与えることを避けることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、ファンの被係合部がモータの回転軸の凹凸形状の係合部にファン締付け金具の弾性変形力によって押し付けられることにより、モータの回転軸に対してファンが相対回転することを阻止できる。また、請求項5に記載の発明によれば、ファンは、モータの回転軸を半径方向に貫通するように固定された軸棒状のピンにファン締付け金具の弾性変形力によって押し付けられることにより、モータの回転軸に対してファンが相対回転することを阻止できる。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、ファンは、モータの回転軸の外周に嵌め合わされる環状の金属ボス部、およびこの金属ボス部の外周に放射状に設けられた樹脂ファンブレード等から構成されている。そして、ファン締付け金具は、略U字状の断面形状を有するようにファンの金属ボス部の前端面に取り付けられている。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態の構成]
図1ないし図4は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は熱交換器用送風装置を示した図で、図2(a)は熱交換器用送風装置のファンロック解除機構を示した図で、図2(b)はファン締付け金具と突起部を示した図で、図2(c)はファン駆動軸の主要構造を示した図で、図3はファンモータを示した図である。
【0013】
熱交換器用送風装置は、自動車の前進方向より後退方向へ向けて、エンジン冷却水を空冷するためのラジエータ等の熱交換器10およびエンジンへ強制的に空気を送る押込型送風装置(電動ファン)で、熱交換器10およびエンジンよりも自動車の前進方向側に配置されている。
【0014】
そして、本実施形態の熱交換器用送風装置のファンロック解除機構は、回転駆動されると空気流を生じさせる軸流ファン1と、通電を受けて軸流ファン1を回転駆動するファンモータ2と、軸流ファン1の外周を覆う円筒状のシュラウド部30とを一体的に設けた樹脂製のファンシュラウド3とから構成されている。なお、ファンシュラウド3の内周側には、複数の取付用ステー部34が一体成形され、複数の取付用ステー部34の内周側には、ファンモータ2を取り付けるためのモータ取付部31が設けられている。このモータ取付部31の円環状部の同一円周上には、アルミニウム製の金属インサート(インサートナット)32が複数個インサート成形されている。
【0015】
軸流ファン1は、ファンモータ2のファン駆動軸4の外周に嵌め合わされて、ファン駆動軸4により回転駆動される金属ボス部11と、この金属ボス部11の外周に樹脂一体成形された樹脂ボス部12と、この樹脂ボス部12の外周から放射状に設けられた複数枚の冷却翼13とから構成されている。
【0016】
なお、金属ボス部11は、外周筒壁部16、内周筒壁部17および円環壁部18等よりなるアルミニウム合金製の鋳造成形品よりなり、円環壁部18の前端面(一端面)に円柱状の突起部(第1係止部:本発明の係止部に相当する)14が一体的に設けられている。また、樹脂ボス部12の内壁面には、複数の補強用リブ15が筋状に形成されている。そして、複数枚の冷却翼13は、回転駆動されて空気流を生じさせるPP樹脂よりなる樹脂ファンブレードで、樹脂ボス部12の外周側に樹脂一体成形されている。
【0017】
ファンモータ2は、周知の構造を内蔵したモータハウジング21、およびこのモータハウジング21の円環壁部18の前端面(一端面)より軸方向の前方側(熱交換器10側)に突出するように設けられたファン駆動軸(回転軸)4を有している。ファンモータ2は、コネクタ22、23およびモータハーネス(給電線、ワイヤ・ハーネスまたはワイヤリング・ハーネスとも言う)24を介して車載電源(バッテリー:図示せず)より電力が供給されるとファン駆動軸4が回転する。このファンモータ2のファン駆動軸4は、モータハウジング21内に設けられた軸受保持部25にボールベアリング等の軸受部26を介して回転自在に支持されている。
【0018】
ここで、モータハウジング21の天地方向の地方向側には、モータハウジング21内に浸入した水を排水するためのゴム製のドレーンパイプ27が取り付けられている。このドレーンパイプ27内には、水の浸入を防止するための内周突起部28が一体成形されている。また、モータハウジング21の外周には、ファンシュラウド3のモータ取付部31の金属インサート32に締結ねじ等の締結具33を用いて締め付け固定される取付用ステー29が溶接等の手段を用いて複数個接合されている。
【0019】
ファン駆動軸4には、先端側から後端側へ向けて、外径の大きい径大部(ファン駆動軸4の先端部)41、この径大部41よりも外径の小さい径小部42、および径大部41と略同じ外径の径大部43が設けられている。なお、径大部43には、半径方向に貫通する貫通孔44が設けられ、この貫通孔44には、棒軸状のピン6がファン駆動軸4を半径方向に貫通するように固定されている。また、径小部42は、後記するファン締付け金具5を係止するための周溝部(第2係止部)45を形成している。
【0020】
ここで、本実施形態では、軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面とファン駆動軸4の径小部42との間に、ファン駆動軸4に対して軸流ファン1が相対回転することを阻止するためのファン締付け金具5が弾性変形力が与えられるように略U字状の断面形状を有するように取り付けられている。このファン締付け金具5は、熱膨張係数の差の大きい2種類の金属の薄板を接着したバイメタルが使用され、一対の平板部51、52および略U字形状の連結部53を有している。なお、バイメタルとしては、高膨張側金属の薄板の材質が72Mn−18Cu−Ni合金で、低膨張側金属の薄板の材質が36Ni−Fe合金や、略U字状に成形したスナップアクションバイメタル等が使用される。
【0021】
そして、ファン締付け金具5の一対の平板部51、52には、略U字状のスリット54、55が形成されている。2つのスリット54、55の奥側部は、ファン駆動軸4の径小部42に係止される被係止部(第2被係止部)として機能し、スリット54の入口側(開口側)は、金属ボス部11の突起部14に係止される被係止部(第1被係止部)として機能する。なお、本実施形態では、ファン締付け金具5の弾性変形力によって、軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17の後端面を、ファン駆動軸4の貫通孔44に固定されたピン6に押し付けることで、ファン駆動軸4から軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17へファンモータ2の回転力を伝達するように構成されている。
【0022】
[第1実施形態の特徴]
次に、本実施形態の熱交換器用送風装置ののファンロック解除機構の作動を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図4は熱交換器用送風装置のファンロック解除機構の作動を示した図である。
【0023】
ファンモータ2のファン駆動軸4の径小部42に係止された略U字状のファン締付け金具5の平板部51のスリット54の入口側が軸流ファン1の金属ボス部11の突起部14に係止されている。これにより、軸流ファン1は、ファンモータ2のファン駆動軸4に対して相対回転することなく、ファンモータ2のファン駆動軸4と一体的に回転するようにファンモータ2のファン駆動軸4の外周に取り付けられている。
【0024】
ファンモータ2が通電されると、ファンモータ2のファン駆動軸4が回転するため、軸流ファン1が回転する。この軸流ファン1が回転すると、複数枚の冷却翼13の働きによって、自動車の進行方向よりファンシュラウド3内に吸入した空気を、ラジエータ等の熱交換器10およびエンジンへ向けて吹き出す。このため、ラジエータ内を流れるエンジン冷却水は、軸流ファン1の回転によって生じた冷却風により冷却される。
【0025】
ここで、本実施形態の熱交換器用送風装置のファンロック解除機構においては、バイメタルによってファン締付け金具5を形成しているので、軸流ファン1に異物が噛み込み軸流ファン1がロックする等のファンロック時に、ファンモータ2が過熱され、ファンモータ2の熱がファン駆動軸4を経てファン締付け金具5に伝わる。これにより、ファンモータ2の熱によりファン締付け金具5自身の温度が高温になると、ファン締付け金具5のスリット54が軸流ファン1の金属ボス部11の前端面より突出する突起部14より離脱するように平板部51が反り返る。
【0026】
それによって、軸流ファン1よりファンモータ2のファン駆動軸4が解放されて、軸流ファン1に対してファンモータ2のファン駆動軸4が相対回転可能となる。すなわち、ファンモータ2のファン駆動軸4のロックが解除されるので、ファンモータ2が高熱とならず、軸流ファン1の樹脂ボス部12および複数枚の冷却翼13が溶損または破損し難くなる。このため、軸流ファン1を再利用(リサイクル)することができる。
【0027】
[第2実施形態]
図5および図6は本発明の第2実施形態を示したもので、図5(a)は熱交換器用送風装置のファンロック解除機構を示した図で、図5(b)はC形クリップとファン駆動軸の先端部との関係を示した図である。
【0028】
本実施形態のファンモータ2のファン駆動軸(回転軸)4は、図5(a)、(b)および図6(a)に示したように、モータハウジング61より突出した部分に、周方向に凹凸(ギザギザ)形状が形成された円環状の係合部62、およびこの係合部62より軸方向の前方側に突出し、係合部62よりも外径の小さい先端軸部を有している。係合部62は、ファンモータ2のファン駆動軸4の径大部43の先端側端面(図示左側端面)に周方向に凹凸形状が連続するように設けられている。
【0029】
また、ファン駆動軸4の先端軸部には、先端側から後端側に向けて、外径の大きい径大部63、この径大部63よりも外径の小さい径小部64、および径大部63と略同じ外径の径大部65が設けられている。そして、径小部64は、後記するC形クリップ7を係止するための周溝部66を形成している。
【0030】
また、軸流ファン1は、第1実施形態と同様にして、アルミニウム合金製の鋳造成形品よりなる金属ボス部11、この金属ボス部11をインサート成形したPP樹脂よりなる樹脂ボス部12、およびこの樹脂ボス部12の外周側に樹脂一体成形されたPP樹脂よりなる複数枚の冷却翼(樹脂ファンブレード)13等から構成されている。そして、軸流ファン1の金属ボス部11は、外周筒壁部16、内周筒壁部17および円環壁部18等よりなり、ファン駆動軸4の先端軸部、つまり径大部65の外周に相対回転可能に嵌め合わされている。なお、外周筒壁部16の外周には、樹脂ボス部12との結合力を向上させるための外周凸部19が周方向に多数列設されている。また、その外周凸部19を外周筒壁部16の全周に設けてフランジ部(鍔状部)としても良い。
【0031】
そして、金属ボス部11の内周筒壁部17の後端面(図示左側端面)には、ファン駆動軸4の係合部62の形状に対応するように、つまり周方向に係合部62と嵌合可能な凹凸形状(ギザギザ)が周方向に連続するように円環状の被係合部67が設けられている。なお、係合部62と被係合部67の凹状の谷部62a、67aと凸状の山部62b、67bは、図5(a)に示したように、中心側より放射状に形成されている。また、後記するC形クリップ7の離脱時にファン駆動軸4を空回りさせるためには、係合部62と被係合部67の凹状の谷部62a、67aと凸状の山部62b、67bとの間の段差(軸方向の深さまたは高さ)が、後記するC形クリップ7の開き量(反り返り量)よりも小さい方が望ましい。
【0032】
ここで、本実施形態では、軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面(一端面)とファン駆動軸4の径大部(ファン駆動軸4の先端部)63との間で両者に密着して、ファン駆動軸4に対して軸流ファン1が相対回転することを阻止するためのC形クリップ(ファン締付け金具)7に弾性変形力が与えられるように図示右側(径大部63側)に突出する凸形状を有するように取り付けられている。このC形クリップ7は、第1実施形態と同様に、熱膨張係数の差の大きい2種類の金属の薄板を接着したバイメタルが使用されている。
【0033】
そして、C形クリップ7は、ファン駆動軸4の先端軸部の周溝部66に嵌め込まれる穴部(嵌合溝)71を有するスリット(開口部)72が設けられている。また、C形クリップ7の穴部71の周囲には、ファン駆動軸4の径大部63の円環状の後端面(周溝部66側面)に当接するC字形状の当接部73と、軸流ファン1の金属ボス部11の前端面に当接するC字形状の当接部74とが設けられている。
【0034】
以上のように、本実施形態の熱交換器用送風装置のファンロック解除機構においては、バイメタルによってC形クリップ7を形成しているので、軸流ファン1に異物が噛み込み軸流ファン1がロックする等のファンロック時に、過熱されたファンモータ2の熱がC形クリップ7に伝わり、C形クリップ7自身の温度が高温になると、C形クリップ7の当接部74が軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面より離脱するようにC形クリップ7の断面形状が図5に破線で示したようにI字状に変形する。それによって、軸流ファン1よりファンモータ2のファン駆動軸4が解放されて、軸流ファン1に対してファンモータ2のファン駆動軸4が相対回転可能となり、第1実施例と同様な効果を達成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、軸流ファン1に異物が噛み込み軸流ファン1がロックする等のファンロック後に、異物を取り除いて、あるいは異物が自然に脱落して、ファンモータ2の熱が下がり、C形クリップ7自身の温度が低温になるとC形クリップ7の当接部74が軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面に密着し、且つC形クリップ7の当接部73がファン駆動軸4の径大部63の円環状の後端面に密着するように元の形状(凸形状)に自動復帰することで、C形クリップ7が金属ボス部11の内周筒壁部17の被係合部67とファン駆動軸4の係合部62とに結合力を与えることにより、ファン駆動軸4の回転に伴って軸流ファン1も回転し、これにより、他の部品(モータ、給電線、ファン等)にダメージを与えることを避けることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、図5(a)に示したように、C形クリップ7の弾性変形力によって、軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17の後端面に設けた凹凸形状の被係合部67をファンモータ2のファン駆動軸4の凹凸形状の係合部62に押し付けることで、ファン駆動軸4から軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17へファンモータ2の回転力を伝達するように構成されているが、図6(b)に示したように、C形クリップ7の弾性変形力によって、軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17の後端面を、ファン駆動軸4の貫通孔44に固定されたピン6に押し付けることで、ファン駆動軸4から軸流ファン1の金属ボス部11の内周筒壁部17へファンモータ2の回転力を伝達するように構成しても良い。
【0037】
[他の実施形態]
本実施形態では、軸流ファン1の外周を樹脂製のファンシュラウド3で覆ったが、軸流ファン1の外周をファンシュラウド3のシュラウド部30で覆わなくても良い。また、本実施形態では、本発明を、ラジエータ等の熱交換器10およびエンジンよりも自動車の前進方向に配置される押込型送風装置(電動ファン)に適用したが、本発明を、ラジエータ等の熱交換器10とエンジンとの間に配置される吸込型送風装置(電動ファン)に適用しても良い。また、熱交換器として車両用空気調和装置の冷媒凝縮器(コンデンサ)を適用しても良い。
【0038】
本実施形態では、自身の温度が高温となると軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面より離脱するように変形するファン締付け金具5およびC形クリップ7を設けたが、自身の温度が高温となるとファンモータ2のファン駆動軸4の先端部より離脱するように変形するファン締付け金具を設けても良い。この場合には、ファンモータ2のファン駆動軸4の先端部より離脱するとファン締付け金具自身の温度が低温となる可能性があるので、本実施形態のように、自身の温度が高温となると軸流ファン1の金属ボス部11の円環壁部18の前端面より離脱するように変形させるこのが好ましい。
【0039】
本実施形態では、本発明を、軸流ファン1に適用した例を説明したが、本発明を、遠心式ファン、斜流式ファン等のその他のファンに適用しても良い。また、本実施形態では、本発明を、平面形状がC字形状で、且つ断面形状が凸形状のC形クリップ7に適用した例を説明したが、ファンとして、本発明を、平面形状がU字形状やO字形状で、且つ断面形状が凸形状のクリップ等のその他のファン締付け金具に適用しても良い。また、バイメタルの代わりに形状記憶合金を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱交換器用送風装置を示した正面図である(第1実施形態)。
【図2】(a)は熱交換器用送風装置のファンロック解除機構を示した断面図で、(b)はファン締付け金具と突起部を示した正面図で、(c)はファン駆動軸の主要構造を示した平面図である(第1実施形態)。
【図3】ファンモータを示した側面図である(第1実施形態)。
【図4】熱交換器用送風装置のファンロック解除機構の作動を示した説明図である(第1実施形態)。
【図5】(a)は熱交換器用送風装置のファンロック解除機構を示した断面図で、(b)はC字形クリップとファン駆動軸の先端部との関係を示した正面図である(第2実施形態)。
【図6】(a)はファン駆動軸と金属ボス部との連結構造の一例を示した斜視図で、(b)はファン駆動軸と金属ボス部との連結構造の他の例を示した平面図である(第2実施形態)。
【図7】(a)は熱交換器用送風装置を示した断面図で、(b)はファン締付け金具と突起部を示した正面図で、(c)はファン駆動軸の主要構造を示した平面図である(従来の技術)。
【図8】(a)は熱交換器用送風装置を示した断面図で、(b)はファン駆動軸の主要構造を示した平面図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 軸流ファン
2 ファンモータ
4 ファン駆動軸(回転軸)
5 ファン締付け金具
7 C形クリップ(ファン締付け金具)
10 熱交換器
11 金属ボス部
12 樹脂ボス部
13 冷却翼(樹脂ファンブレード)
14 突起部(係止部)
24 モータハーネス(給電線)
41 径大部(回転軸の先端部)
42 径小部
43 径大部
45 周溝部
51 平板部
54 スリット(被係止部)
63 径大部(回転軸の先端部)
64 径小部
66 周溝部
Claims (6)
- 回転駆動されて空気流を生じさせる翼を有するファンと、
このファンを回転駆動する回転軸を有するモータと、
弾性変形力が与えられるように前記ファンの一端面に取り付けられて、前記モータの回転軸に対して前記ファンが相対回転することを阻止するためのファン締付け金具と
を備えた送風装置であって、
前記ファンは、一端面に凸状または凹状の係止部を有し、
前記ファン締付け金具は、前記係止部に係止される被係止部を有し、自身の温度が高温になると前記被係止部が前記係止部より離脱するように変形するバイメタルまたは形状記憶合金により形成されていることを特徴とする送風装置。 - 回転駆動されて空気流を生じさせる翼を有するファンと、
このファンを回転駆動する回転軸を有するモータと、
弾性変形力が与えられるように前記ファンの一端面と前記モータの先端部との間で両者に密着するように取り付けられて、前記モータの回転軸に対して前記ファンが相対回転することを阻止するためのファン締付け金具と
を備えた送風装置であって、
前記ファン締付け金具は、自身の温度が高温になると前記ファンの一端面または前記モータの先端部のいずれか一方より離脱するように変形するバイメタルまたは形状記憶合金により形成されていることを特徴とする送風装置。 - 請求項2に記載の送風装置において、
前記ファン締付け金具は、自身の温度が低温になると前記ファンの一端面と前記モータの先端部との間で両者に密着するように自動復帰することを特徴とする送風装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれかに記載の送風装置において、
前記モータの回転軸は、周方向の端面に凹凸形状を形成した係合部を有し、
前記ファンは、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記ファン締付け金具の弾性変形力によって前記被係合部が前記係合部に押し付けられることを特徴とする送風装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれかに記載の送風装置において、
前記モータの回転軸には、この回転軸の半径方向に貫通するように軸棒状のピンが固定され、
前記ファンは、前記ピンに前記ファン締付け金具の弾性変形力によって押し付けられることを特徴とする送風装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちいずれかに記載の送風装置において、
前記ファンは、前記モータの回転軸の外周に嵌め合わされる環状の金属ボス部、およびこの金属ボス部の外周に放射状に設けられた樹脂ファンブレードを有し、
前記ファン締付け金具は、略U字状の断面形状を有するように前記ファンの前記金属ボス部の前端面に取り付けられていることを特徴とする送風装置。
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Publications (2)
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