JP2000179493A - 電動モータファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動モ−タの温度が上昇しても、ファンの樹
脂製ブレ−ドが金属製ボスから脱落するのを防止する。 【解決手段】 ボス４の外周に複数の金属製の凸部７が
放射状に一体に設けられ、凸部７がブレ−ド５に入り込
んだ状態でブレ−ド５がボス４に固着している電動モ−
タファンにおいて、凸部７に、ブレ−ド５から外部に露
出する放熱部８を一体に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、電動モ−タファ
ンに関し、特に電動モ−タが高温になってもファンのブ
レードの脱落が防止される電動モ−タファンに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の電動モ−タファンの一部を
示す断面図、図６はファンのボスを示す正面図である。

【０００３】この電動モ−タファンは、車両用空調装置
のコンデンサやエンジンのラジエ−タなどの熱を放出す
るため用いられ、電動モ−タ２０２とファン２０３とで
構成される。

【０００４】ファン２０３は、金属製のボス２０４と樹
脂製のブレ−ド２０５とで構成される。

【０００５】ボス２０４は、電動モ−タ２０２の回転軸
２０８に固定されたボルト部２０９にナット２１０で固
定されている。ボス２０４の外周には８つの金属製の凸
部２０６が放射状に一体に設けられている。

【０００６】凸部２０６がブレ−ド２０５内に入り込ん
だ状態でブレ−ド２０５がボス２０４に固着している
（インサ−ト成形）。

【０００７】ファン２０３が回転すると、コンデンサや
ラジエ−タなどの熱が外部へ放出される。このとき電動
モ−タ２０２は熱風に晒され、熱風の温度は８５〜１１
０℃に達する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】何らかの原因により電
動モ−タ２０２が発熱したとき、その熱は回転軸２０
８、ボス２０４を介してブレ−ド２０５へ伝わる。回転
軸２０８やボス２０４は金属でできているので熱伝導率
が高く、モータ本体とほぼ同じ温度に早く上昇するが、
ブレ−ド２０５は樹脂でできているので熱伝導率が低
く、放熱量が少ない。その結果、ボス２０４に接してい
るブレード２０５の固着部２０７が高温になり、溶け、
ブレ−ド２０５がボス２０４から外れることがある。

【０００９】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は、電動モ−タの温度が上昇して
も、ファンの樹脂製ブレ−ドが金属製ボスから外れるこ
とが防止される電動モ−タファンを提供することであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め請求項１記載の発明の電動モ−タファンは、電動モー
タの回転軸に固定された金属製のボスと、このボスに固
着される複数の樹脂製のブレ−ドとを備え、前記ボスの
外周に複数の金属製の凸部が放射状に一体に設けられ、
前記凸部が前記ブレ−ドに入り込んだ状態で前記ブレ−
ドが前記ボスに固着している電動モ−タファンにおい
て、前記凸部に、前記ブレ−ドから外部に露出する金属
製の放熱部が一体に設けられていることを特徴とする。

【００１１】放熱部が空気に触れるので、ボスの凸部の
熱が放熱部を通じて外部へ放出され、ブレ−ドの固着部
が冷却され、ブレ−ドの溶融が阻止される。

【００１２】請求項２記載の発明の電動モ−タファン
は、請求項１記載の発明の電動モ−タファンにおいて、
前記放熱部が反電動モ−タ側へ露出していることを特徴
とする。

【００１３】放熱部が電動モ−タからの放射熱をほとん
ど受けないから、放熱効果が高い。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。

【００１５】図１はこの発明の第１実施形態に係る電動
モ−タファンの一部を示す断面図、図２はファンのボス
を示す正面図である。

【００１６】電動モ−タファンは、電動モ−タ２とファ
ン３とで構成される。

【００１７】ファン３は、アルミニュウム製（金属製）
のボス４と樹脂製のブレ−ド５とで構成される。これら
はインサ−ト成形によって一体にされる。

【００１８】ボス４は、電動モ−タ２の回転軸８に固定
されたボルト部１１にナット１０で固定されている。ボ
ス４の外周には８つのアルミニュウム製（金属製）の凸
部７が放射状に一体に設けられている。８つの凸部７は
周方向に等間隔に並んでいる。凸部７はブレ−ド５に入
り込んでいる。凸部７の先端にはアルミニュウム製（金
属製）の放熱部８が一体に形成されている。放熱部８は
反電動モ−タ側へ露出している。

【００１９】電動モ−タ２が発熱すると、その熱が回転
軸１０、ボス４を介してブレ−ド５へ伝わる。

【００２０】回転軸１０やボス４は金属でできているの
で熱伝導率が高く、モータ本体とほぼ同じ温度に早く上
昇するが、ブレード５は樹脂でできているので熱伝導率
が低く、放熱量が少ないため、ブレ−ド５の固着部が高
温になるが、放熱部８が空気に触れているので、ボス４
の凸部７の熱が放熱部８を通じて外部へ放出され、ブレ
−ド５の固着部９が冷却される。

【００２１】この実施形態によれば、ブレ−ド５の固着
部９が冷却され、ブレ−ド５の溶融が阻止されるので、
ブレ−ド５がボス４から外れ難くなる。

【００２２】また、放熱部８は反電動モ−タ側へ露出
し、放熱部８は電動モ−タ２からの放射熱をほとんど受
けないので、放熱効果が向上し、ブレ−ド５がより溶融
し難くなる。

【００２３】図３はこの発明の第２実施形態に係る電動
モ−タファンの一部を示す断面図、図４はファンのボス
を示す正面図である。第１実施形態の実施形態と共通す
る部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００２４】前述の第１実施形態では、放熱部８を反電
動モ−タ側へ露出させたが、第２実施形態では、放熱部
２８ａ，２８ｂを電動モ−タ側と反電動モ−タ側との両
方へ露出させた。

【００２５】この第２実施形態によれば、空気との接触
面積を大きくなるので、冷却効果がより向上する。

【００２６】なお、前述の各実施形態では、放熱部８，
２８ａ，２８ｂを軸方向へ突出させたが、放熱部の突出
方向はこれに限定されず、放熱部がブレ−ドから外部へ
露出していればよい。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
の電動モ−タファンによれば、放熱部が空気に触れるの
で、ボスの凸部の熱が放熱部を通じて外部へ放出され、
ブレ−ドの固着部が冷却され、ブレ−ドの溶融が阻止さ
れ、ブレ−ドがボスから外れ難くなる。

【００２８】請求項２記載の発明の電動モ−タファンに
よれば、放熱部が電動モ−タからの放射熱をほとんど受
けないから、放熱効果が高く、ブレ−ドがより溶融し難
くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの発明の第１実施形態に係る電動モ−
タファンの一部を示す断面図である。

【図２】図２はファンのボスを示す正面図である。

【図３】図３はこの発明の第２実施形態に係る電動モ−
タファンの一部を示す断面図である。

【図４】図４はファンのボスを示す正面図である。

【図５】図５は従来の電動モ−タファンの一部を示す断
面図である。

【図６】図６はファンのボスを示す正面図である。

【符号の説明】

２ 電動モ−タ ３ ファン ４，２４ ボス ５ ブレ−ド ７ ボスの凸部 ８，２８ａ，２８ｂ 放熱部 ９ ブレ−ドの固着部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動モータの回転軸に固定された金属製
   のボスと、このボスに固着される複数の樹脂製のブレ−
   ドとを備え、前記ボスの外周に複数の金属製の凸部が放
   射状に一体に設けられ、前記凸部が前記ブレ−ドに入り
   込んだ状態で前記ブレ−ドが前記ボスに固着している電
   動モ−タファンにおいて、 前記凸部に、前記ブレ−ドから外部に露出する金属製の
   放熱部が一体に設けられていることを特徴とする電動モ
   −タファン。
2. 【請求項２】 前記放熱部が反電動モ−タ側へ露出して
   いることを特徴とする請求項１記載の電動モ−タファ
   ン。